JP7001084B2 - 異常監視機能付き放射線式厚さ計および放射線式厚さ計の異常監視方法 - Google Patents

異常監視機能付き放射線式厚さ計および放射線式厚さ計の異常監視方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7001084B2
JP7001084B2 JP2019138597A JP2019138597A JP7001084B2 JP 7001084 B2 JP7001084 B2 JP 7001084B2 JP 2019138597 A JP2019138597 A JP 2019138597A JP 2019138597 A JP2019138597 A JP 2019138597A JP 7001084 B2 JP7001084 B2 JP 7001084B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
radiation
abnormality
measured
shutter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019138597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020095011A (ja
Inventor
哲郎 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2020095011A publication Critical patent/JP2020095011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7001084B2 publication Critical patent/JP7001084B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)

Description

本発明は、鋼板などの被測定物に放射線を照射し、その透過放射線量から被測定物の厚さを測定する放射線式厚さ計に関し、特にその異常を監視するものに関する。
この種の放射線式厚さ計は、放射線が被測定物を通過する際に吸収、散乱して減衰する性質を利用し、被測定物の厚さを非接触で測定するものであり、鉄鋼業においては薄板や厚板の厚さなどの寸法精度向上のために用いられている。例えば圧延ラインには、圧延機出側直近にガンマ線厚さ計が設置され、板厚偏差を減少させる種々の自動板厚制御(AGC)が導入されている。
鋼板の厚さ測定精度は、鋼板の品質保証および歩留まりを確保する上で非常に重要であり、放射線式厚さ計に何らかの異常が発生した場合にはそれを確実に検知し、適切に対処するのが肝要である。
例えば特許文献1には、放射線検出器から出力される検出信号レベルがシャッタ閉状態に対応する判定レベル以上かをレベル判断手段により判断し、この判定レベル以上の判断が所定期間以上であればシャッタ異常判断手段によりシャッタ動作異常と判断するシャッタ異常検出装置が提案されている。
特開昭62-44616号公報
ところで、放射線式厚さ計の異常は、シャッタの動作異常だけではなく、その他の構造内部の不具合や信号伝送ケーブルの劣化等に起因して発生することがある。しかし、上記従来のシャッタ異常検出装置は、放射線検出器から出力される検出信号レベルがシャッタ閉状態に対応する所定の判定レベル以上か否かを判断するものであるので、検出できる不具合はシャッタ動作異常だけであり、上述したようなシャッタの動作異常以外の異常は検出することができなかった。
それ故本発明の目的は、放射線式厚さ計において、シャッタの動作異常以外の異常をも検知可能とすることにある。
上記課題を解決するため、本発明の放射線式厚さ計は、放射線源および該放射線源から放射される放射線を解除自在に遮蔽するシャッタを有する線源部と、放射線を検出する検出器と、被測定物を挟むように前記線源部および前記検出器を保持するフレームと、を備え、前記線源部から被測定物に放射線を照射し、該被測定物を透過した透過放射線量から被測定物の厚さを測定する放射線式厚さ計において、零校正時毎に前記検出器で測定された複数の検出電圧に基づいて、放射線式厚さ計の異常を判定する異常判定手段を備える。
本発明の放射線式厚さ計の好適な態様では、前記異常判定手段は、下記判定条件A~Dのうちから選ばれる少なくとも一つの判定条件から構成されている。

判定条件A:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
判定条件B:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
判定条件C:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
判定条件D:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
本発明の放射線式厚さ計の好適な態様では、前記異常判定手段は、前記判定条件A~Dのうちから選ばれる二以上の判定条件を有し、順次判定するように構成されている。
本発明の放射線式厚さ計の好適な態様では、前記異常判定手段は、順次構成されている前記判定条件のうち、異常と判定された判定条件以降を省略するように構成されている。
上記課題を解決するため、本発明の放射線式厚さ計の異常監視方法は、放射線源および該放射線源から放射される放射線を解除自在に遮蔽するシャッタを有する線源部と、放射線を検出する検出器と、被測定物を挟むように前記線源部および前記検出器を保持するフレームと、を備え、前記線源部から被測定物に放射線を照射し、該被測定物を透過した透過放射線量から被測定物の厚さを測定する放射線式厚さ計の異常監視方法において、零校正時毎に前記検出器で測定された複数の検出電圧に基づいて、放射線式厚さ計の異常を判定することを含む。
本発明の放射線式厚さ計の異常監視方法の好適な態様では、判定条件A:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、判定条件B:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、判定条件C:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、および、判定条件D:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、のうちから選ばれるいずれか一つの判定条件を用いることを含む。
本発明の放射線式厚さ計の異常監視方法の好適な態様では、前記判定条件A~Dのうちから選ばれる二以上の判定条件を順次判定することを含む。
本発明の放射線式厚さ計の異常監視方法の好適な態様では、前記判定条件を順次判定し、異常と判定された判定条件以降を省略することを含む。
放射線式厚さ計において測定結果に悪影響を及ぼすような何らかの異常が生じた場合には、零校正時の検出電圧に変化が生じるところ、本発明によれば、零校正時毎に測定した検出電圧の推移から異常を判定するようにしたので、このような異常を検知することができる。
さらに、異なる複数の異常判定条件を用いることで、異常監視能力を高めることができる。加えて、順次判定する複数の異常判定条件において、最初に異常と判定された以降の処理を省略することにより、異常判定処理を効率化できる。
本発明の一実施形態の放射線式厚さ計における異常監視方法の実施に適した本発明の一実施形態の異常監視機能付き放射線式厚さ計の概略構成図である。 図1の放射線式厚さ計における零校正のタイミングチャートの一例である。 板厚と電圧との関係を示す検量線の一例である。 放射線式厚さ計の修繕に際して行う品質保証試験の一例である。 (a)~(d)は異常判定部により実施される異常判定方法の一例を示すフローチャートである。 (a)~(d)は異常判定部により実施される異常判定方法の他の例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の異常監視機能付き放射線式厚さ計および放射線式厚さ計における異常監視方法の実施の形態を詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態の放射線式厚さ計における異常監視方法の実施に適した本発明の一実施形態の異常監視機能付き放射線式厚さ計(以下、単に放射線式厚さ計という。)の概略構成図である。
本実施形態の放射線式厚さ計10は、移動する鋼板等の被測定物Oに放射線を照射して、被測定物Oを透過した透過放射線量から被測定物Oの厚さを測定するものであって、主として、ガンマ線やX線等の放射線を放射する線源部12と、放射線を検出する検出器14と、被測定物Oを搬送するパスライン平面と垂直な方向で該被測定物Oを挟むように線源部12および検出器14を保持する例えばC字形のフレーム16と、フレーム16を支持するとともにオンライン位置およびオフライン位置間でレール18上を走行(移動)する台車20と、各種の演算処理および制御を行う制御盤22と、測定結果を記録する例えばアナログ式の記録計24と、を備えて構成される。
線源部12は、γ線源やX線源等の図示しない放射線源と、該放射線源を格納する図示しない格納容器と、該格納容器の開口部を開閉可能であり放射線源から放射される放射線を解除自在に遮蔽する図示しないシャッタとを有する。
検出器14は、図示しない電離箱およびプリアンプを有し、放射線源から放射された放射線は、電離箱で電気信号に変換され、プリアンプで適度な電圧信号に変換、調整される。
制御盤22内には、検出器14から出力された検出電圧のアナログ/デジタル変換を行う平均処理部26と、デジタル化された検出電圧に基づいて被測定物Oの厚さを算出する厚さ演算部28と、零校正部30と、サンプル校正部32とが設けられている。
零校正部30は、所定の校正時間間隔、例えば8時間毎に、オフライン位置までフレーム16を移動させた後、放射線中に被測定物Oが無い状態にて、シャッタ開のときの検出器14の検出電圧Voと、シャッタ閉のときの検出器14の検出電圧Vsとをそれぞれ測定して零校正を実施する。検出電圧Vo、Vsは零校正の都度、記憶部34に記憶される。図2に、零校正のタイミングチャートを示す。測定中の状態から制御盤22に設けられた零校正ボタン(図示せず)が押されるかあるいは所定の校正時間になると、台車20がオフライン位置に移動し、該オフライン位置にてシャッタ閉の状態で電圧Voの測定が開始される。その後、被測定物O無しかつシャッタ開の状態で電圧Vsの測定が開始される。
サンプル校正部32は、例えば零校正後に、板厚が既知である複数のサンプル(厚さ基準片)を実測し、図3に示すような検量線(校正テーブル)を作成(補正)する。作成した検量線は、制御盤22内の記憶部34に記憶され、厚さ演算部28は、被測定物Oの厚み測定時に検出電圧を読込み、記憶された検量線から厚みを演算処理し、材質補正部36(図1参照)は、厚さ演算部28により算出された被測定物Oの厚さの計算値に対して被測定物Oの材質(密度)を考慮して補正を行う。
放射線式厚さ計10は、放射線が被測定物Oを通過する際に吸収、散乱して減衰する性質を利用しており、被測定物Oの厚さを下記式(1)~(3)から求める。
Vz=Vo-Vs ・・・(1)
V=Vz・exp(-μ・t) ・・・(2)
Vh=V+f(t) ・・・(3)
ここで、Voは、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタ開のときの検出器14の検出電圧を示し、Vsは、被測定物Oが無くかつシャッタ閉のときの検出器14の検出電圧を示し、Vは、板厚がtの時の電圧理論値を示し、μは、被測定物Oの吸収係数(例えば鉄の場合には0.9)を示し、f(t)は、板厚毎のサンプル補正量を示し、Vhは、サンプル補正後の電圧を示す。
また制御盤22内には、測定結果を、ネットワークを介して上位計算機38に伝送する上位伝送部40と、測定結果が所定の目標厚みの範囲内にあるか否かを監視し、外れた場合にオフゲージ(厚さ不良)と判定するオフゲージ判定部42とが設けられている。
ところで、鉄鋼業等の製造業において製品の厚さ測定精度は、製品の品質保証および歩留まりを確保する上で非常に重要であるから、部品交換を含め放射線式厚さ計10を修繕した場合には、交換前後で品質保証試験を行うことが多い。図4は、その手順の一例を示しており、品質保証試験には、修繕前に放射線式厚さ計10に異常が無いことを確認するための修繕前検査と、結線チェックと、シャッタの開閉試験と、台車20の走行試験と、板厚測定試験と、ドリフト試験と、零校正試験と、サンプル校正試験と、サンプルの再測定と、上位計算機38への伝送試験と、ノイズ確認等のその他の試験と、オンライン監視とが含まれる。
このような品質保証試験において、シャッタ開閉試験では異常が無いにも拘わらず、測定結果が安定せず、また立ち上げ数週間後に誤ってオフゲージと判定される事例も確認されており、このような放射線式厚さ計10の不具合は、シャッタの動作異常以外に要因がある場合がある。しかし、従来の、検出器14から出力される電圧レベルがシャッタ閉状態に対応する所定の判定レベル以上か否かだけを判断する手法では、このような他の要因に起因した異常を検出できない場合がある。
そこで本実施形態では、シャッタの動作異常以外の異常をも検知可能とするため、零校正時毎に検出器14で測定された複数の検出電圧に基づいて、放射線式厚さ計10の異常を判定する異常判定手段として、制御盤22に異常判定部44を設けている。
より具体的には異常判定部44は、零校正時にシャッタ開の状態にて測定された検出電圧Voの今回値と前回値とを比較し、その差の絶対値(|今回値-前回値|)が一定値α1(mV)を超えた場合に異常と判定する(以下、判定条件Aという。)よう構成されている。α1は、例えば0(mV)超え10(mV)以下の範囲内とするのが好ましく、その理由は、正常時の8時間ドリフト実績がこの範囲を超えたことがないからである。検出電圧Voの今回値と前回値との差の絶対値がα1を超えるような異常の要因としては、放射線を放射する機器において線源の固定が不十分である(完全に固定されておらず、機械的ガタが生じている)等が考えられる。さらに好ましくはα1を0(mV)超え8(mV)以下の範囲とすれば、異常の見逃しや誤検出を抑止できる。
判定条件Aに代えてまたは加えて、異常判定部44は、零校正時にシャッタ開の状態にて測定された検出電圧Voの今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値α2(mV)を超えた場合に異常と判定する(以下、判定条件Bという。)よう構成されている。α2は、例えば0(mV)超え20(mV)以下の範囲内とするのが好ましく、その理由は、正常時の複数回の零校正時(たとえば、1週間)のドリフト実績がこの範囲を超えたことがないからである。検出電圧Voの今回値およびその直近少なくとも2回の過去値の中の最大値と最小値との差がα2を超えるような異常の要因としては、放射線を放射する機器において線源の固定が不十分である(完全に固定されておらず、機械的ガタが生じている)、線源を固定するネジが徐々に緩む、配線が劣化して回路抵抗が徐々に高まる、等が考えられる。さらに好ましくはα2を0(mV)超え15(mV)以下の範囲とすれば、異常の見逃しや誤検出を抑止できる。
判定条件AやBに代えてまたは加えて、異常判定部44は、零校正時にシャッタ閉の状態にて測定された検出電圧Vsの今回値と前回値とを比較し、その差の絶対値(|今回値-前回値|)が一定値β1(mV)を超えた場合に異常と判定する(以下、判定条件Cという。)よう構成されている。β1は、例えば0(mV)超え1(mV)以下の範囲内とするのが好ましく、その理由は、正常時の8時間ドリフト実績がこの範囲を超えたことがないからである。検出電圧Vsの今回値と前回値との差の絶対値がβ1を超えるような異常の要因としては、検出器14で検出した電気信号を制御盤22に伝達するケーブルへのノイズ混入等が考えられる。さらに好ましくはβ1を0(mV)超え0.5(mV)以下の範囲とすれば、異常の見逃しや誤検出を抑止できる。
判定条件A~Cに代えてまたは加えて、異常判定部44は、零校正時にシャッタ閉の状態にて測定された検出電圧Vsの今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値β2(mV)を超えた場合に異常と判定する(以下、判定条件Dという。)よう構成されている。β2は、例えば0(mV)超え2(mV)の範囲内とするのが好ましく、その理由は、正常時の複数回の零校正時(たとえば、1週間)のドリフト実績がこの範囲を超えたことがないからである。検出電圧Vsの今回値およびその直近少なくとも2回の過去値の中の最大値と最小値との差がβ2を超えるような異常の要因としては、検出器14で検出した電気信号を制御盤22に伝達するケーブルへのノイズ混入等が考えられる。さらに好ましくはβ2を0(mV)超え1.5(mV)以下の範囲とすれば、異常の見逃しや誤検出を抑止できる。
なお、判定条件BやDでは、対象とする測定回数を多くした場合、気候変動によるドリフトで誤検出するおそれがあり、測定回数を制限するか、α2やβ2に温度変動を考慮するなどの対応が望ましい。
図5(a)~(d)に異常判定部44が零校正部30による零校正(VoおよびVsの測定)毎に実施する異常判定方法の一例を示す。まず図5(a)に示す例は上記判定条件Aに相当し、ステップS10にて、異常判定部44が、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタが開の時の検出電圧Voの今回値および前回値を記憶部34から読み出し、ステップS11において、読み出した今回値と前回値の差の絶対値を一定値α1と比較し、α1を超える場合にはステップS12において異常を知らせる異常信号(警報)を出力する。
図5(b)に示す例は上記判定条件Bに相当し、ステップS20にて、異常判定部44が、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタが開の時の検出電圧Voの今回値に加えて、その直近少なくとも2回の過去値を記憶部34から読み出し、ステップS21において、読み出した3つ以上の検出電圧の中から最大値と最小値を抽出し、ステップS22において、抽出した最大値と最小値の差を一定値α2と比較し、α2を超える場合にはステップS23において異常を知らせる異常信号(警報)を出力する。また、最大値と最小値を求める際の過去値の回数は、3回~5回とするのが好ましく、その理由は、回数を多くすると判定精度は向上するものの、異常の発見が遅くなるおそれがあるからである。
図5(c)に示す例は上記判定条件Cに相当し、ステップS30にて、異常判定部44が、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタが閉の時の検出電圧Vsの今回値および前回値を記憶部34から読み出し、ステップS31において、読み出した今回値と前回値の差の絶対値を一定値β1と比較し、β1を超える場合にはステップS32において異常を知らせる異常信号(警報)を出力する。
図5(d)に示す例は上記判定条件Dに相当し、ステップS40にて、異常判定部44が、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタが閉の時の検出電圧Vsの今回値に加えて、その直近少なくとも2回の過去値を記憶部34から読み出し、ステップS41において、読み出した3つ以上の検出電圧の中から最大値と最小値を抽出し、ステップS42において、抽出した最大値と最小値の差を一定値β2と比較し、β2を超える場合にはステップS43において異常を知らせる異常信号(警報)を出力する。また、最大値と最小値を求める際の過去値の回数は、3回~5回とするのが好ましく、その理由は、回数を多くすると判定精度は向上するものの、異常の発見が遅くなるおそれがあるからである。
図6(a)~(d)に異常判定部44が零校正部30による零校正(VoおよびVsの測定)毎に実施する異常判定方法の他の例を示す。図6(a)および(c)は図5(a)および(c)とそれぞれ同じであるので説明を省略する。
図6(b)に示す例は上記判定条件Bに相当し、ステップS20にて、異常判定部44が、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタが開の時の検出電圧Voの今回値に加えて、過去の検出電圧Voの最大値、最小値を記憶部34から読み出す。ステップS21にて、測定回数Nが1か、または、今回値が最大値より大きいかを比較し、測定回数Nが1である場合、または、今回値が大きい場合にはステップ22により最大値を今回値とした後、次ステップS23に移り、そうでない場合には、次ステップS23に移る。ステップS23では、測定回数Nが1か、または、今回値が最小値より小さいか比較し、測定回数Nが1である場合、または、今回値が小さい場合にはステップS24により最小値を今回値とした後、次ステップS25に移り、そうでない場合には、次ステップS25に移る。ステップS25において、最大値と最小値の差を一定値α2と比較し、α2を超える場合にはステップS26において異常を知らせる異常信号(警報)を出力する。そうでない場合には、最大値および最小値を記憶部34に保存する。なお、N=1では、最大値と最小値が同じであり、N=2では、最大値-最小値は、今回値と前回値の差の絶対値に等しくなるため、N=3以上、つまり、検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値を用いることが望ましい。
図6(d)に示す例は上記判定条件Dに相当し、ステップS40にて、異常判定部44が、放射線中に被測定物Oが無くかつシャッタが閉の時の検出電圧Vsの今回値に加えて、過去の検出電圧Vsの最大値、最小値を記憶部34から読み出す。ステップS41にて、測定回数Nが1か、または、今回値が最大値より大きいかを比較し、測定回数Nが1である場合、または、今回値が大きい場合にはステップS42により最大値を今回値とした後、次ステップS43に移り、そうでない場合には、次ステップS43に移る。ステップS43では、測定回数Nが1か、または、今回値が最小値より小さいか比較し、測定回数Nが1である場合、または、今回値が小さい場合にはステップS44により最小値を今回値とした後、次ステップS45に移り、そうでない場合には、次ステップS45に移る。ステップS45において、最大値と最小値の差を一定値β2と比較し、β2を超える場合にはステップS46において異常を知らせる異常信号(警報)を出力する。そうでない場合には、最大値および最小値を記憶部34に保存する。なお、N=1では、最大値と最小値が同じであり、N=2では、最大値-最小値は、今回値と前回値の差の絶対値に等しくなるため、N=3以上、つまり、検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値を用いることが望ましい。
なお、図示は省略するが、異常判定部44は、異常監視能力を高めるため、図5(a)~(d)または図6(a)~(d)に示した異常判定方法に用いる判定条件A~Dのうちのいずれか2つもしくは3つ、あるいは4つ全てを実施してもよい。この場合、複数の異常判定処理は所定の順序で順次行われ、いずれかの判定演算で異常と判断された場合には、異常信号を出力し、残余の判定処理を行うことなく演算を終了させる。もって、効率よく異常判定処理することができる。
放射線式厚さ計10において測定結果に悪影響を及ぼすような何らかの異常が生じた場合には、零校正時の検出電圧に変化が生じるところ、本実施形態によれば、零校正時毎に測定した検出電圧Vo、Vsの推移から異常を判定するようにしたので、このような異常を検知することができる。
特に、零校正時にシャッタ開の状態で測定した検出電圧Voの今回値と前回値との差が一定値α1を超えた場合、あるいはVoの今回値および過去値の複数回分(例えば5回分)で最大値と最小値の差が一定値α2を超えている場合に異常と判定することで、放射線源が完全に固定されていない等の放射線式厚さ計10内部で発生する異常やシャッタの動作不良等を検知することができる。
また、零校正時にシャッタ閉の状態で測定した検出電圧Vsの今回値と前回値との差が一定値β1を超えた場合、あるいはVsの今回値および過去値の複数回分(例えば5回分)の最大値と最小値の差が一定値β2を超えている場合に異常と判定することで、検出器14で検出した電気信号を制御盤22に伝達するケーブルへのノイズ混入やシャッタの動作不良等、放射線源以外の箇所での異常を検知することができる。
本発明によれば、放射線式厚さ計において、シャッタの動作異常以外の異常をも検知することが可能となる。
10 放射線式厚さ計
12 線源部
14 検出器
16 フレーム
18 レール
20 台車
22 制御盤
24 記録計
26 平均処理部
28 厚さ演算部
30 零校正部
32 サンプル校正部
34 記憶部
36 材質補正部
38 上位計算機
40 上位伝送部
42 オフゲージ判定部
44 異常判定部

Claims (6)

  1. 放射線源および該放射線源から放射される放射線を解除自在に遮蔽するシャッタを有する線源部と、放射線を検出する検出器と、被測定物を挟むように前記線源部および前記検出器を保持するフレームと、を備え、前記線源部から被測定物に放射線を照射し、該被測定物を透過した透過放射線量から被測定物の厚さを測定する放射線式厚さ計において、
    零校正時毎に前記検出器で測定された複数の検出電圧に基づいて、放射線式厚さ計の異常を判定する異常判定手段を備え
    前記異常判定手段は、下記判定条件A~Dのうちから選ばれる少なくとも一つの判定条件から構成されていることを特徴とする放射線式厚さ計。

    判定条件A:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
    判定条件B:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
    判定条件C:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
    判定条件D:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定する
  2. 前記異常判定手段は、前記判定条件A~Dのうちから選ばれる二以上の判定条件を有し、順次判定するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の放射線式厚さ計。
  3. 前記異常判定手段は、順次構成されている前記判定条件のうち、異常と判定された判定条件以降を省略するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の放射線式厚さ計。
  4. 放射線源および該放射線源から放射される放射線を解除自在に遮蔽するシャッタを有する線源部と、放射線を検出する検出器と、被測定物を挟むように前記線源部および前記検出器を保持するフレームと、を備え、前記線源部から被測定物に放射線を照射し、該被測定物を透過した透過放射線量から被測定物の厚さを測定する放射線式厚さ計の異常監視方法において、
    零校正時毎に前記検出器で測定された複数の検出電圧に基づいて、放射線式厚さ計の異常を判定し、
    判定条件A:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、判定条件B:前記零校正時に前記シャッタの開状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、判定条件C:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値と前回値とを比較し、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、および、判定条件D:前記零校正時に前記シャッタの閉状態にて測定された前記検出電圧の今回値とその直近少なくとも2回の過去値の中から最大値と最小値とを求め、その差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、のうちから選ばれるいずれか一つの判定条件を用いることを含むことを特徴とする放射線式厚さ計の異常監視方法。
  5. 前記判定条件A~Dのうちから選ばれる二以上の判定条件を順次判定することを含むことを特徴とする請求項に記載の放射線式厚さ計の異常監視方法。
  6. 前記判定条件を順次判定し、異常と判定された判定条件以降を省略することを含むことを特徴とする請求項に記載の放射線式厚さ計の異常監視方法。
JP2019138597A 2018-11-28 2019-07-29 異常監視機能付き放射線式厚さ計および放射線式厚さ計の異常監視方法 Active JP7001084B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018221963 2018-11-28
JP2018221963 2018-11-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020095011A JP2020095011A (ja) 2020-06-18
JP7001084B2 true JP7001084B2 (ja) 2022-01-19

Family

ID=71084102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019138597A Active JP7001084B2 (ja) 2018-11-28 2019-07-29 異常監視機能付き放射線式厚さ計および放射線式厚さ計の異常監視方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7001084B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6983966B1 (ja) * 2020-09-16 2021-12-17 株式会社東芝 厚み測定装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6244616B2 (ja) 2012-08-30 2017-12-13 セイコーエプソン株式会社 波長可変干渉フィルター、光学モジュール、電子機器、および波長可変干渉フィルターの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS539144A (en) * 1976-07-14 1978-01-27 Hitachi Ltd Calibration of thickness gauge
JPH0676885B2 (ja) * 1985-08-22 1994-09-28 株式会社東芝 シヤツタ異常検出装置
JPS62187201A (ja) * 1986-02-13 1987-08-15 Aasunikusu Kk ベ−タ線厚さ計

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6244616B2 (ja) 2012-08-30 2017-12-13 セイコーエプソン株式会社 波長可変干渉フィルター、光学モジュール、電子機器、および波長可変干渉フィルターの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020095011A (ja) 2020-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3076873B1 (en) System for generating spectral computed tomography projection data
KR102176101B1 (ko) 누설 선량의 모니터링 시스템
JP7001084B2 (ja) 異常監視機能付き放射線式厚さ計および放射線式厚さ計の異常監視方法
JPWO2016063725A1 (ja) データ処理装置、x線ct装置、及びリファレンス補正方法
US20160223477A1 (en) Non-destructive quantitative weld quality measurement using radiographic imaging
JP6676241B1 (ja) X線回折測定装置
JP2011059000A (ja) 放射線厚さ計
WO2011046148A1 (ja) 非破壊検査方法及びその装置
JP4760300B2 (ja) X線検査装置
JP4828962B2 (ja) 放射能検査方法および装置
US20210148837A1 (en) X-ray inspection apparatus and x-ray inspection method
JP2013185960A (ja) デジタル・ラジオグラフィ検査の調整方法
JP4528547B2 (ja) 半導体放射線検出器の劣化異常検出装置
JP7258353B2 (ja) 陽電子消滅特性の測定装置及び測定方法
JP6888905B2 (ja) 検出信号におけるa/dコンバータの雑音を低減した厚み計装置
EP3035082B1 (en) Method for measuring x-ray energy of an accelerator in an inspection system
JP3536685B2 (ja) 放射線検出装置
US5848118A (en) Method and apparatus for detecting inhomogeneities in seat assemblies
JP7216954B2 (ja) 陽電子消滅特性測定装置及び陽電子消滅特性測定方法
JP5235697B2 (ja) エリアモニタ
JP2013215352A (ja) X線ct装置
JP2013160569A (ja) X線検査装置
JP4215664B2 (ja) 欠陥検出装置
US4459258A (en) Elemental analyzer and method
JP7102303B2 (ja) X線検査装置及びx線発生器高さ調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7001084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150