JP7000811B2 - トルク推定装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、トルク推定装置、方法、及びプログラムに関する。
従来、モータの回転により出力軸に加わったトルクを推定するトルク推定方法として、トルクセンサを利用する方法と、モータの指令値から算出する方法と、が知られている。トルクセンサを利用する方法では、出力軸の両端にトルクセンサを設置する必要があるため、コストが増大するという問題があった。また、この方法で推定精度を向上させるためには、出力軸のねじれ剛性を低下させる必要があるため、伝達特性が低下するという問題もあった。一方、モータの指令値から算出する方法では、指令値とトルクとの関係が、電源電圧やモータのコイル抵抗値、回転数、及びトルク定数などの、複数のパラメータに影響されるため、トルクを精度よく推定できないという問題があった。
また、他のトルク推定方法として、モータ(モータ軸)と出力軸との角度差に基づいて、トルクを推定する方法が提案されている。この方法では、モータから出力軸までの伝達系の剛性が一定であることを前提として、トルクが推定される。しかしながら、実際には、伝達系の剛性は、モータと出力軸との角度差に応じて変化するため、この方法ではトルクを精度よく推定することができなかった。
ところで、近年、2つのモータにより1つの出力軸を駆動するダブルモータ制御が研究されている。ダブルモータ制御によれば、2つのモータが同一方向に回転するように電圧を印加することにより、出力軸に加えるトルクを大きくしたり、2つのモータが反対方向に回転するように電圧を印加することにより、バックラッシュを低減したりすることができる。
ダブルモータ制御により出力軸に加えられたトルクは、上記従来のトルク推定方法により推定することができる。しかしながら、上述の通り、上記従来のトルク推定方法には、コストの増大、伝達系の剛性の低下、低い推定精度などの問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ダブルモータ制御により出力軸に加えられたトルクを、低コストかつ高精度に推定できるトルク推定装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
一実施形態に係るトルク推定装置は、第1伝達系の剛性及び第2伝達系の剛性の少なくとも一方の剛性であって予め計測された剛性を含む剛性情報を記憶する剛性情報記憶部と、前記第1伝達系を介して出力軸を駆動する第1モータの角度と、第2伝達系を介して前記出力軸を駆動する第2モータの角度と、前記剛性情報と、に基づいて、前記出力軸に加わっているトルクを算出するトルク算出部を備え、前記第1伝達系の剛性は、前記第1モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比であり、前記第2伝達系の剛性は、前記第2モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比である
本発明の各実施形態によれば、ダブルモータ制御により出力軸に加えられたトルクを、低コストかつ高精度に推定できるトルク推定装置、方法、及びプログラムを実現できる。
ダブルモータ制御により駆動される駆動系Dの一例を示す斜視図。 図1の駆動系Dの平面図。 モータM1,M2に印加される電圧の一例を示すグラフ。 角度θとトルクTとの関係を示すグラフ。 モータ駆動システム100の機能構成の一例を示す図。 駆動系Dの模式図。 モータ駆動システム100の動作の一例を示すフローチャート。 トルクToutの推定方法を説明する図。 角度θ1,θ2,θoutの関係を模式的に示す図。 駆動系Dの一例を示す図。
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るトルク推定装置10について、図1~図9を参照して説明する。本実施形態に係るトルク推定装置10は、ダブルモータ制御により出力軸Sに加えられたトルクToutを推定する装置である。本実施形態では、出力軸Sに、出力軸Sの角度θoutを計測するエンコーダESが設けられている場合について説明する。
まず、ダブルモータ制御について説明する。図1は、ダブルモータ制御により駆動される駆動系Dの一例を示す斜視図である。図2は、図1の駆動系Dの平面図である。図1及び図2の駆動系Dは、モータM1,M2と、出力軸Sと、伝達系G1,G2と、を備える。なお、図1及び図2の例では省略されているが、駆動系Dには、モータM1,M2及び出力軸Sの角度θ1,θ2,θoutを計測するエンコーダE1,E2,ESが含まれる。エンコーダE1,E2は、モータM1,M2に外付けされてもよいし、モータM1,M2に内蔵されてもよい。また、エンコーダESは、出力軸Sに外付けされてもよいし、出力軸Sに内蔵されてもよい。
モータM1(第1モータ)は、ダブルモータ制御により制御される一方のモータである。モータM1は、伝達系G1を介して、出力軸SにトルクT1を加え、出力軸Sを駆動する。モータM2(第2モータ)は、ダブルモータ制御により制御される他方のモータである。モータM2は、伝達系G2を介して、出力軸SにトルクT2を加え、出力軸Sを駆動する。出力軸Sは、ダブルモータ制御により駆動される出力軸である。伝達系G1(第1伝達系)は、モータM1の回転を出力軸Sに伝達する複数のギアの組(減速機)である。伝達系G2(第2伝達系)は、モータM2の回転を出力軸Sに伝達する複数のギアの組(減速機)である。
ダブルモータ制御では、モータM1,M2をそれぞれ制御することにより、出力軸Sが駆動される。図3は、モータM1,M2に印加される電圧の一例を示すグラフである。図3の縦軸はモータM1,M2の印加電圧、横軸は電圧指令値、実線はモータM1の印加電圧、点線はモータM2の印加電圧、破線はモータM1,M2の平均印加電圧、一点鎖線はモータM1,M2の合計印加電圧である。図3の例では、モータM1,M2が、正電圧を印加されると出力軸Sに第1方向のトルクT1,T2を加え、負電圧を印加されると出力軸Sに第2方向(第1方向と反対方向)のトルクT1,T2を加える場合を想定している。
図3の領域R1では、モータM1にリミット電圧lim2からオフセット電圧offset1までの電圧が印加され、モータM2にリミット電圧lim2が印加される。モータM1に印加される電圧が小さくなるほど、モータM1により出力軸Sに加えられる第2方向のトルクT1が大きくなる。領域R1では、モータM1,M2により出力軸Sに同一方向(第2方向)のトルクT1,T2を加えられるため、出力軸Sに加えられるトルクToutを大きくすることができる。
領域R2では、モータM1にオフセット電圧offset1が印加され、モータM2にリミット電圧lim2からオフセット電圧offset2までの電圧が印加される。モータM2に印加される電圧が小さくなるほど、モータM2により出力軸Sに加えられる第2方向のトルクT2が大きくなる。モータM2は、出力軸Sを第2方向に駆動する駆動用モータとして機能する。
領域R2では、モータM1,M2が出力軸Sに反対方向のトルクT1,T2を加えているため、出力軸Sに加えられるトルクToutは、モータM1,M2が加えるトルクT1,T2の差となり、領域R1より小さくなる。そのかわり、モータM1が、伝達系G1,G2の各ギアをオフセット電圧offset1に応じた所定のトルクで互いに押し付け合わせるバックラッシュ低減用モータとして機能するため、伝達系G1,G2のバックラッシュが低減する。
領域R3では、モータM1にリミット電圧lim1が印加され、モータM2にオフセット電圧offset2からリミット電圧lim1までの電圧が印加される。モータM2に印加される電圧が大きくなるほど、モータM2により出力軸Sに加えられる第1方向のトルクT2が大きくなる。領域R3では、モータM1,M2により出力軸Sに同一方向(第1方向)のトルクT1,T2を加えられるため、出力軸Sに加えられるトルクToutを大きくすることができる。
領域R4では、モータM1にオフセット電圧offset1からリミット電圧lim1までの電圧が印加され、モータM2にオフセット電圧offset2が印加される。モータM1に印加される電圧が大きくなるほど、モータM1により出力軸Sに加えられる第1方向のトルクT1が大きくなる。モータM1は、出力軸Sを第1方向に駆動する駆動用モータとして機能する。
領域R4では、モータM1,M2が出力軸Sに反対方向のトルクT1,T2を加えているため、出力軸Sに加えられるトルクToutは、モータM1,M2が加えるトルクT1,T2の差となり、領域R3より小さくなる。そのかわり、モータM2が、伝達系G1,G2の各ギアをオフセット電圧offset1に応じた所定のトルクで互いに押し付け合わせるバックラッシュ低減用モータとして機能するため、伝達系G1,G2のバックラッシュが低減する。
このように、ダブルモータ制御では、2つのモータM1,M2に印加する電圧を制御することにより、出力軸Sに加えるトルクToutを大きくしたり、バックラッシュを低減したりすることができる。以下、領域R2,R4における制御のように、バックラッシュを低減させる制御を、バックラッシュ制御と称する。
以上のようなダブルモータ制御を実現するためには、モータM1,M2により出力軸SにバランスよくトルクT1,T2を加えることが重要となる。モータM1,M2のトルクバランスが崩れた場合、速度変動や駆動系Dの変形が生じたり、伝達系G1,G2の摩耗が早まったりするおそれがある。
そこで、モータM1,M2の角度θ1,θ2と、モータM1,M2が出力軸Sに加えるトルクT1,T2と、の関係について説明する。以下、モータM1,M2、角度θ1,θ2、及びトルクT1,T2を区別しない場合、それぞれモータM、角度θ、及びトルクTと称する。
モータMが出力軸Sに加えるトルクTは、出力軸Sに対するモータMの相対的な角度θに応じて変化する。図4は、角度θとトルクTとの関係を示すグラフである。図4の角度θは、基準角度θ0からのモータMの移動量に相当する。図4の例では、基準角度θ0(=0°)は、モータMの伝達系Gが噛み合っていない角度である。図4の実線はモータMが出力軸Sに加えるトルクTを示す。図4に示すように、角度θは、バックラッシュ領域と、低剛性領域と、高剛性領域と、異常領域と、に分類できる。
バックラッシュ領域は、伝達系Gが噛み合っていない、すなわち、伝達系Gの各ギアの間にバックラッシュが存在する領域である。バックラッシュ領域では、モータMが回転しても、その回転が出力軸Sに伝達されないため、トルクTは0である。
低剛性領域は、バックラッシュ領域に続く領域である。低剛性領域では、角度θに応じてトルクTが徐々に大きくなる。
高剛性領域は、低剛性領域に続く領域である。高剛性領域では、角度θに応じてトルクTが線形に大きくなる。
異常領域は、高剛性領域に続く領域であり、想定される角度θの上限より、角度θが大きい領域である。角度θが異常領域に存在する場合、駆動系Dに変形などの異常が発生したと考えられる。
ここで、角度θの変化量とトルクTの変化量との比を剛性kと称する。剛性kは、図4の実線の傾きに相当するため、バックラッシュ領域では0となり、低剛性領域では角度θに応じて徐々に大きくなり、高剛性領域では一定となる。剛性kは、角度θの変化に対するトルクTの伝わりやすさを示す値に相当し、モータM及び伝達系Gの軸や出力軸Sのねじれ剛性、伝達系Gのギアの変形、モータM及び伝達系Gの軸や出力軸Sの位置などに依存する。
図1の例のように、伝達系Gに複数の軸やギアが含まれる場合、上記の影響を複数個所で受けるため、図4に示すように剛性kは角度θに応じて過渡的に変化する。具体的には、図4に示すように、モータMの角度θを基準角度θ0から徐々に大きくしていくと、伝達系Gが噛み合うまで剛性kは0となる(バックラッシュ領域)。伝達系Gが噛み合った後、角度θを大きくすると、モータM及び伝達系Gの軸や出力軸Sが軸受部に順次押し付けられていき、各軸の位置が安定する。また、伝達系Gの各ギアが、噛み合わされたギアに押し付けられることにより変形する。この結果、剛性kは、徐々に大きくなる(低剛性領域)。各軸の位置が安定し、各ギアの変形が終了すると、剛性kは一定になる(高剛性領域)。高剛性領域では、ΔT=kΔθが成立する。
次に、駆動系Dを駆動するモータ駆動システム100について説明する。図5は、モータ駆動システム100の機能構成の一例を示す図である。図5のモータ駆動システム100は、モータ制御部1と、PID(Proportional Integral Differential)制御部2と、印加電圧算出部3A,3Bと、PWM(Pulse Width Modulation)生成部4A,4Bと、駆動部5A,5Bと、剛性情報記憶部6と、トルク算出部7と、異常検知部8と、を備える。
モータ駆動システム100の各機能構成は、それぞれ異なるIC(Integrated Circuit)により実現されてもよいし、2つ以上の機能構成が1つのICにより実現されてもよい。剛性情報記憶部6、トルク算出部7、及び異常検知部8は、本実施形態におけるトルク推定装置10に相当する。トルク推定装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えたコンピュータにより実現される。CPUがROMに記憶されたプログラムをRAM上で実行することにより、トルク推定装置10の機能が実現される。トルク推定装置10は、例えば、マイコンであるが、これに限られない。トルク推定装置10には、モータ制御部1が含まれてもよい。また、以下では、PID制御部2から駆動部5A,5Bまでの機能構成は、1つのIC(ダブルモータコントローラ9)として実現されるものとする。
モータ制御部1は、モータ駆動システム100の全体の動作を制御する。モータ制御部1は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、を備えたマイコンにより実現される。CPUがROMに記憶されたプログラムをRAM上で実行することにより、モータ制御部1の機能が実現される。
PID制御部2は、出力軸Sの速度及び角度の目標値と、出力軸Sの速度及び角度の検出値と、を入力される。出力軸Sの速度及び角度の目標値は、例えば、モータ制御部1から入力される。また、出力軸Sの速度及び角度の検出値は、出力軸Sに設けられたセンサから直接入力されてもよいし、モータ制御部1から入力されてもよい。PID制御部2は、PID制御により、検出値が目標値に近づくように、電圧指令値(drv_in)を算出する。
印加電圧算出部3A,3Bは、PID制御部2から電圧指令値をそれぞれ入力される。印加電圧算出部3Aは、入力された電圧指令値に基づいて、モータM1の印加電圧(drv_out1)を算出する。また、印加電圧算出部3Bは、入力された電圧指令値に基づいて、モータM2の印加電圧(drv_out2)を算出する。電圧指令値と印加電圧との関係は、図3の例のように、予め設定されている。
PWM生成部4Aは、印加電圧算出部3Aから印加電圧を入力され、入力された印加電圧に応じたPWM信号を生成する。また、PWM生成部4Bは、印加電圧算出部3Bから印加電圧を入力され、入力された印加電圧に応じたPWM信号を生成する。
駆動部5Aは、PWM生成部4AからPWM信号を入力され、入力されたPWM信号に応じた印加電圧をモータM1に印加する。また、駆動部5Bは、PWM生成部4BからPWM信号を入力され、入力されたPWM信号に応じた印加電圧をモータM2に印加する。これにより、モータM1,M2が駆動され、伝達系G1,G2を介して、出力軸Sが駆動される。
剛性情報記憶部6は、予め計測された、伝達系G1及び伝達系G2の少なくとも一方の剛性情報を記憶する。剛性情報には、剛性kや剛性比Kが含まれる。剛性情報については後述する。
トルク算出部7は、エンコーダE1からモータM1の角度θ1を入力され、エンコーダE2からモータM2の角度θ2を入力される。トルク算出部7は、角度θ1,θ2と、剛性情報記憶部6に記憶された剛性情報と、に基づいて、出力軸SのトルクToutを算出する。トルク算出部7が算出したトルクToutは、実際のトルクToutの推定値に相当する。トルクToutの算出方法については後述する。
異常検知部8は、エンコーダE1からモータM1の角度θ1を入力され、エンコーダE2からモータM2の角度θ2を入力される。異常検知部8は、角度θ1,θ2に基づいて、駆動系Dに異常が発生したか判定する。
次に、モータ駆動システム100の動作について説明する。以下、説明を簡単にするために、駆動系Dの模式図を用いて説明する。図6は、駆動系Dの模式図である。図6の例では、伝達系G1,G2は、いずれも2つのギアからなる、減速比Nを有する1段の減速機である。角度θ1及びトルクT1は、図6の出力軸Sの反時計回りが正方向であり、角度θ2,θout及びトルクT2,Toutは、図6の出力軸Sの時計回りが正方向であるものとする。また、伝達系G1,G2の剛性k1,k2に対する影響は、モータM1,M2の角度θ1,θ2に全て反映されるものとする。出力軸Sが停止している場合、以下の式が成り立つ。
T1=Tout+T2・・・(1)
図7は、モータ駆動システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、モータ制御部1は、ダブルモータコントローラ9を制御し、モータM1,M2に初期化電圧V11,V21を印加する(ステップS101)。初期化電圧V11,V21は、モータM1,M2に反対方向かつ大きさが等しいトルクT1,T2を発生させる電圧である。初期化電圧V11,V21は、モータM1,M2の剛性k1,k2が高剛性領域に含まれるように予め設定される。初期化電圧V11,V21の印加は、バックラッシュ制御に相当する。このとき、T1=T2であるため、Toutは0である。すなわち、出力軸Sは停止している。
より詳細には、モータ制御部1は、モータM1に予め設定された初期化電圧V11を印加し、モータM2に反対方向の小さい電圧を印加し、当該電圧を徐々に大きくしていく。モータ制御部1は、エンコーダESの値を監視することにより、出力軸Sが基準角度(θout=0)で停止する(T1=T2となる)までモータM2に印加する電圧を大きくする。出力軸Sが基準角度で停止した際のモータM2の電圧が初期化電圧V21に相当する。これにより、モータ制御部1は、モータM1,M2に初期化電圧V11,V21を印加できる。
次に、トルク算出部7は、初期化電圧V11,V21を印加中のモータM1,M2の角度を、基準角度θ11,θ21としてエンコーダE1,E2から取得する(ステップS102)。ここで取得される基準角度θ11,θ21は、図4の高剛性領域に含まれる角度となる。
その後、モータ制御部1は、ダブルモータコントローラ9を制御し、出力軸Sの駆動を開始する(ステップS103)。
出力軸Sの駆動が開始されると、トルク推定装置10は、エンコーダE1,E2から定期的に角度θ1,θ2を取得する(ステップS104)。ここで取得される角度θ1,θ2は、ステップS102で取得した基準角度θ11,θ21に対する移動量に相当する。
そして、トルク算出部7は、取得した角度θ1,θ2と、剛性情報記憶部6に記憶された剛性情報と、に基づいて、トルクToutを算出する(ステップS105)。
また、異常検知部8は、取得した角度θ1,θ2に基づいて、駆動系Dに異常が発生したか判定する。具体的には、異常検知部8は、角度θ1と角度θ2との差|θ1-θ2|が、予め設定された閾値θth以上であるか判定する(ステップS106)。
差|θ1-θ2|が閾値θth以上である場合(ステップS106のYES)、異常検知部8は、駆動系Dに異常が発生したと判定する(ステップS107)。これは、モータM1,M2は、伝達系G1,G2及び出力軸Sを介して連動しているため、駆動系Dが正常の場合、差|θ1-θ2|は閾値θth未満になると考えられるためである。異常検知部8は、異常が発生したと判定した場合、モータ制御部1にその旨を通知する。モータ制御部1は、異常の発生を通知されると、モータM1,M2を停止させる(ステップS108)。
一方、差|θ1-θ2|が閾値θth未満である場合(ステップS106のNO)、異常検知部8は、駆動系Dは正常と判定する(ステップS109)。異常検知部8は、正常と判定した場合、モータ制御部1にその旨を通知する。モータ制御部1は、正常である旨を通知されると、モータM1,M2の制御を継続する。
トルク推定装置10は、出力軸Sの駆動が終了するまで、ステップS104~S107,S109の動作を繰り返す。
ここで、トルクToutの推定方法について説明する。以下の推定方法は、図7のステップS105の内部処理に相当する。図8は、トルクToutの推定方法を説明する図である。図8の左側はモータM1のトルクT1を示し、図8の右側はモータM2のトルクT2を示す。図8のT0は、初期化電圧V11,V21の印加時のトルクT1,T2であり(T1=T2=T0)、θ12,θ22は、高剛性領域の始点である。また、高剛性領域における剛性k1,k2を、それぞれ剛性k11,k21と称する。
(第1の推定方法)
第1の推定方法は、剛性k11,k21が剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されている場合に利用できる。上述の通り、ステップS104で取得される角度θ1,θ2は、高剛性領域に含まれる基準角度θ11,θ21に対する移動量であるため、図8からわかるように、トルクT1,T2について以下の式が成り立つ。
T1=T0+k11×θ1・・・(2)
T2=T0+k21×θ2・・・(3)
式(1)を変形し、式(2),(3)を代入すると、以下のようになる。
Tout=T1-T2=T0+k11×θ1-(T0+k21×θ2)
=k11×θ1-k21×θ2・・・(4)
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11,k21)と、角度θ1,θ2と、に基づいて、式(4)により、トルクToutを算出できる。
(第2の推定方法)
第2の推定方法は、剛性k11又は剛性k21が剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されており、剛性k11,k21が等しいことがわかっている場合に利用できる。
剛性k11,k21が等しい場合、式(4)は、以下のように変形できる。
Tout=k11(θ1-θ2)=k21(θ1-θ2)・・・(5)
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11又は剛性k21)と、角度θ1,θ2と、に基づいて、式(5)により、トルクToutを算出できる。
(第3の推定方法)
第3の推定方法は、剛性k11又は剛性k21と、剛性比Kと、が剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されている場合に利用できる。剛性比Kは、剛性k1と剛性k2との比である(K=k2/k1)。
第3の推定方法では、トルク算出部7は、剛性比Kと、剛性k11,k21の一方と、に基づいて、剛性k11,k21の他方を算出する。例えば、剛性情報に剛性比K及び剛性k11が含まれる場合、剛性k21は、k11×Kにより求められる。また、剛性情報に剛性比K及び剛性k21が含まれる場合、剛性k11は、k21/Kにより求められる。したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11又は剛性k21と剛性比K)と、角度θ1,θ2と、に基づいて、式(4)により、トルクToutを算出できる。
(第4の推定方法)
第1から第3までの推定方法では、角度θ1,θ2が高剛性領域に含まれる場合、トルクToutを精度よく推定できる。しかしながら、角度θ1,θ2が高剛性領域に含まれない場合、トルクToutの推定精度が低下する。そこで、第4の推定方法では、バックラッシュ領域及び低剛性領域におけるトルクToutを近似した関数を利用して、トルクToutを推定する。なお、第4の方法では、角度θ1,θ2は、それぞれトルクT1,T2が0になる角度θ13,θ23(モータM1,M2に電圧を印加していない時の角度)を、基準角度として計測される。
第4の推定方法は、剛性k11,k21と、高剛性領域の始点θ12,θ22と、関数T1(θ1),T2(θ2)と、が剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されている場合に利用できる。
例えば、バックラッシュ領域及び低剛性領域におけるトルクT1を二次関数で近似する場合、トルクT1は以下の式で表される。
[θ1≦θ12]T1(θ1)=a×θ1・・・(6)
[θ1>θ12]T1(θ1)=k11×(θ1-θ12)+a×θ12・・・(7)
式(6),(7)の接合部の傾きを連続させると、式(6),(7)より以下の式が成り立つ。
k11=2a×θ12・・・(8)
したがって、式(6)~(8)より、関数T1(θ1)は、以下のようになる。
[θ1≦θ12]T1(θ1)=k11×θ1/2θ12・・・(9)
[θ1>θ12]T1(θ1)=k11×(θ1-θ12/2)・・・(10)
同様に、トルクT2について以下の式が成り立つ。
[θ2≦θ22]T2(θ2)=k21×θ2/2θ12・・・(11)
[θ2>θ22]T2(θ2)=k21×(θ2-θ22/2)・・・(12)
このとき、トルクToutは以下のように表される。
Tout=T1(θ1)-T2(θ2)・・・(13)
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11,k21、高剛性領域の始点θ12,θ22、及び関数T1(θ1),T2(θ2))と、角度θ1,θ2と、に基づいて、式(9)~(13)により、トルクToutを算出できる。第4の推定方法では、角度θ1,θ2が高剛性領域に含まれない場合であっても、トルクToutを精度よく推定できる。
(第5の推定方法)
第5の推定方法は、剛性k11,k21が剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されている場合に利用できる。
出力軸Sに外部からトルクが加わると、このトルクにより、出力軸Sの角度がずれる(角度θoutが0ではなくなる)。そして、出力軸Sのずれにより、モータM1,M2が出力軸Sに加えるトルクT1,T2が変化する。
ここで、図9は、角度θ1,θ2,θoutの関係を模式的に示す図である。図9の例では、モータM1,M2及び出力軸Sが弾性系として表されている。この場合、剛性k1は、モータM1と出力軸Sとを接続するバネの弾性係数に相当し、剛性k2は、モータM2と出力軸Sとを接続するバネの弾性係数に相当する。また、角度θ1,θ2及びN×θoutは、それぞれモータM1,M2及び出力軸Sの基準位置からの移動量に相当する。出力軸Sが角度θoutだけ移動すると、モータM1,M2がN×θoutだけ移動するためである。角度θ1及びトルクT1は、図9の右方向が正方向であり、角度θ2,θout及びトルクT2,Toutは、図9の左方向が正方向であるものとする。このとき、式(2),(3)は以下のように書き換えられる。
T1=T0+k11×(θ1+N×θout)・・・(14)
T2=T0+k21×(θ2-N×θout)・・・(15)
式(1)を変形し、式(14),(15)を代入すると、以下のようになる。
Tout=T1-T2=T0+k11×(θ1+N×θout)-{T0+k21×(θ2-N×θout)}
=k11×(θ1+N×θout)-k21×(θ2-N×θout)・・・(16)
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11,k21)と、角度θ1,θ2,θoutと、に基づいて、式(16)により、トルクToutを算出できる。トルク算出部7は、角度θoutをエンコーダESから取得すればよい。
以上説明した通り、本実施形態によれば、ダブルモータ制御により出力軸Sに加えられたトルクToutを、角度θ1,θ2及び剛性情報に基づいて、高精度に推定することができる。また、トルクToutを推定するために、トルクセンサが不要であるため、トルクToutの推定に要するコストを低減すると共に、推定精度を向上させるための伝達系G1,G2の剛性の低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るトルク推定装置10について説明する。本実施形態では、出力軸SにエンコーダESが設けられていない場合について説明する。なお、モータ駆動システム100の構成及び動作は、第1実施形態と同様である。また、駆動系Dの構成は、エンコーダESを備えない点を除き、第1実施形態と同様である。
まず、本実施形態におけるステップS101~S103について説明する。本実施形態において、まず、モータ制御部1は、ダブルモータコントローラ9を制御し、モータM1,M2に初期化電圧V12,V22を印加する(ステップS101)。初期化電圧V12,V22は、モータM1,M2に反対方向かつ大きさが等しいトルクT1,T2を発生させる電圧である。初期化電圧V12,V22は、モータM1,M2の剛性k1,k2が高剛性領域に含まれるように予め設定される。初期化電圧V12,V22の印加は、バックラッシュ制御に相当する。このとき、T1=T2であるため、Toutは0である。すなわち、出力軸Sは停止している。
より詳細には、モータM1に予め設定された初期化電圧V12を印加し、モータM2に反対方向の小さい電圧を印加し、当該電圧を徐々に大きくしていく。モータ制御部1は、エンコーダE1,E2の値を監視することにより、出力軸Sが停止する(T1=T2となる)までモータM2に印加する電圧を大きくする。出力軸Sが停止した際のモータM2の電圧が初期化電圧V22に相当する。これにより、モータ制御部1は、モータM1,M2に初期化電圧V12,V22を印加できる。
次に、トルク算出部7は、初期化電圧V12,V22を印加中のモータM1,M2の角度を、基準角度θ14,θ24としてエンコーダE1,E2から取得する(ステップS102)。ここで取得される基準角度θ14,θ24は、図4の高剛性領域に含まれる角度となる。
その後、モータ制御部1は、ダブルモータコントローラ9を制御し、出力軸Sの駆動を開始する(ステップS103)。
ここで、第1実施形態との相違点について説明する。第1実施形態では、モータ制御部1は、エンコーダESの値を監視し、出力軸Sを基準角度(θout=0)で停止させた。このため、θout=0のときの角度θ1,θ2が基準角度θ11,θ21として取得され、式(2),(3)が成り立った。
これに対して、本実施形態では、エンコーダESが利用できないため、初期化電圧V12,V22の印加時に、出力軸Sがどこで停止するかわからない。すなわち、図9の例のように、出力軸Sがずれた角度で停止する可能性がある。このため、θout≠0のときの角度θ1,θ2が基準角度θ14,θ24として取得される。結果として、図9の例と同様に、トルクT1,T2について、式(14),(15)が成立する。以上のことを前提として、以下、本実施形態における推定方法について説明する。
(第6の推定方法)
第6の推定方法は、剛性k11,k21が剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されている場合に利用できる。
第1実施形態と同様に、初期化電圧V12,V22の印加時には、T1=T2となっている。したがって、式(14),(15)より、以下の式が成り立つ。
k11×(θ1+N×θout)=k21×(θ2-N×θout)・・・(17)
式(17)をθoutについて整理すると、以下のようになる。
θout=(k21×θ2-k11×θ1)/{N(k11+k21)}・・・(18)
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11,k21)と、角度θ1,θ2と、に基づいて、式(18)より、出力軸Sの角度θoutを算出することができる。
また、式(18)を式(14),(15)に代入すると、以下のようになる。
T1=T0+k11×{θ1+(k21×θ2-k11×θ1)/(k11+k21)}・・・(19)
T2=T0+k21×{θ2-(k21×θ2-k11×θ1)/(k11+k21)}・・・(20)
式(1)を変形し、式(19),(20)を代入すると、以下のようになる。
Tout=T1-T2=T0+k11×{θ1+(k21×θ2-k11×θ1)/(k11+k21)}-[T0+k21×{θ2-(k21×θ2-k11×θ1)/(k11+k21)}]
=k11×θ1-k21×θ2+(k11-k21)×(k21×θ2-k11×θ1)/(k11+k21)・・・(21)
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11,k21)と、角度θ1,θ2と、に基づいて、式(21)により、トルクToutを算出できる。
(第7の推定方法)
第7の推定方法は、剛性k11,k21及び係数βが剛性情報として剛性情報記憶部6に予め記憶されている場合に利用できる。
出力軸Sに外力が加えられた場合、第5の推定方法と同様に、式(16)が成り立つ。式(16)をθoutについて整理すると、以下のようになる。
θout=(k21×θ2-k11×θ1+Tout)/{N(k11+k21)}・・・(22)
一方、モータM1,M2の停止時には、以下の式が成り立つ。
T1=Kt1×V1/R1・・・(23)
T2=Kt2×V2/R2・・・(24)
式(23)におけるKt1、V1、及びR1は、それぞれモータM1のトルク係数、電圧、コイル抵抗である。また、式(24)におけるKt2、V2、及びR2は、それぞれモータM2のトルク係数、電圧、コイル抵抗である。式(1)を変形し、式(23),(24)を代入すると、以下のようになる。
Tout=T1-T2=Kt1×V1/R1-Kt2×V2/R2=(V1-α×V2)×β・・・(25)
式(24)の係数αは、Tout=0となる電圧V1,V2の比であるため、初期化電圧V12,V22の比に相当する(α=V22/V12)。また、式(24)の係数βは、Kt1/R1に相当する。ベータは、実験により予め求められる。
したがって、トルク算出部7は、剛性情報(剛性k11,k21及び係数β)と、係数αと、角度θ1,θ2と、電圧V1,V2と、に基づいて、式(25)により、トルクToutを算出できる。また、トルク算出部24は、式(22),(25)より、出力軸Sの角度θoutを算出できる。
以上説明した通り、本実施形態によれば、ダブルモータ制御により出力軸Sに加えられたトルクToutを、角度θ1,θ2及び剛性情報に基づいて、高精度に推定することができる。また、トルクToutを推定するために、トルクセンサ及びエンコーダESが不要であるため、トルクToutの推定に要するコストを低減すると共に、推定精度を向上させるための伝達系G1,G2の剛性の低下を抑制することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るトルク推定装置10について説明する。本実施形態では、剛性比Kの算出方法について説明する。なお、モータ駆動システム100の構成及び動作は、第1実施形態と同様である。
(第1の算出方法)
第1の算出方法は、出力軸SにエンコーダESが設けられている場合に利用できる。第1の算出方法では、モータ制御部1は、モータM1,M2に初期化電圧V11,V21を印加し、基準角度θ11,θ21を取得した後、出力軸Sが基準角度(θout=0)で停止するように、モータM1,M2に初期化電圧V11,V21とは異なる電圧をそれぞれ印加する。そして、トルク算出部7は、出力軸Sの停止時のモータM1,M2の角度θ15,θ25を取得する。このとき、Tout=0であるため、式(4)より、以下の式が成り立つ。
0=k11×θ15-k21×θ25・・・(26)
式(26)を変形すると、以下のようになる。
k21/k11=θ15/θ25・・・(27)
式(27)より、K=θ15/θ25であることがわかる。このように、トルク算出部7は、出力軸Sが基準角度で停止した際の角度θ15,θ25に基づいて、剛性比Kを算出することができる。
(第2の算出方法)
第2の算出方法は、出力軸SにエンコーダESが設けられていない場合に利用できる。第2の算出方法では、モータ制御部1は、モータM1,M2に初期化電圧V12,V22を印加し、基準角度θ14,θ24を取得した後、電磁ブレーキなどにより、出力軸Sを固定する。出力軸Sの固定は、作業者が手作業で行ってもよい。
出力軸Sの固定後、モータ制御部1は、初期化電圧V12,V22をモータM1,M2に再度印加する。トルク算出部7は、初期化電圧V12,V22の再度の印加時におけるモータM1,M2の角度θ16,θ26を取得する。第1の算出方法と同様に、初期化電圧V12,V22の再度の印加時には、式(27)が成り立つため、トルク算出部7は、角度θ16,θ26に基づいて、エンコーダESを利用することなく、剛性比Kを算出することができる(K=θ16/θ26)。
以上説明した通り、本実施形態によれば、トルク算出部7は、モータM1,M2に所定の電圧を印加した際の角度θ1,θ2に基づいて、剛性比Kを算出することができる。剛性比Kは、予め算出され、剛性情報記憶部6に保存されていてもよいし、モータM1,M2を駆動する毎に算出されてもよい。後者の場合、初期化電圧の印加後の任意のタイミングで、トルク算出部7は剛性比Kを算出することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係るトルク推定装置10について、図10を参照して説明する。本実施形態では、4つのモータMにより、1つの出力軸Sを駆動する場合について説明する。なお、モータ駆動システム100の構成及び動作は、第1実施形態と同様である。
図10は、本実施形態における駆動系Dの一例を示す図である。図10の駆動系Dは、モータM1a,M1b,M2a,M2bと、ギアg1,g2と、出力軸Sと、を備える。モータM1a,M1bは、ギアg1を駆動する。モータM2a,M2bは、ギアg2を駆動する。ギアg1,g2は、出力軸Sを駆動する。すなわち、各モータM1a,M1b,M2a,M2bは、2段階の伝達系を介して、出力軸Sを駆動する。
本実施形態では、トルク推定装置10は、モータM1a,M1bの角度θ1a,θ1bに基づいて、ギアg1に加えられたトルクTg1を推定できる。また、トルク推定装置10は、モータM2a,M2bの角度θ2a,θ2bに基づいて、ギアg2に加えられたトルクTg2を推定できる。ギアg1から出力軸Sへの減速比をN1、ギアg2から出力軸Sへの減速比をN2とすると、出力軸Sに加えられるトルクToutは以下の式で表される。
Tout=Tg1×N1+Tg2×N2・・・(28)
したがって、トルク推定装置10は、角度θ1a,θ1b,θ2a,θ2bに基づいて、式(28)より、トルクToutを推定することができる。
なお、図10の例では、駆動系Dは2段階の伝達系を備えるが、3段階以上の伝達系を備えてもよい。例えば、駆動系Dが3段階の伝達系を備える場合、出力軸Sは、8つのモータMにより駆動される。この場合、トルク推定装置10は、8つのモータMの角度θに基づいて、出力軸Sに加えられたトルクを推定することができる。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
1:モータ制御部
2:PID制御部
3A,3B:印加電圧算出部
4A,4B:PWM生成部
5A,5B:駆動部
6:剛性情報記憶部
7:トルク算出部
8:異常検知部
9:ダブルモータコントローラ
10:トルク推定装置
国際公開第2014/098008号

Claims (6)

  1. 第1伝達系の剛性及び第2伝達系の剛性の少なくとも一方の剛性であって予め計測された剛性を含む剛性情報を記憶する剛性情報記憶部と、
    前記第1伝達系を介して出力軸を駆動する第1モータの角度と、第2伝達系を介して前記出力軸を駆動する第2モータの角度と、前記剛性情報と、に基づいて、前記出力軸に加わっているトルクを算出するトルク算出部を備え
    前記第1伝達系の剛性は、前記第1モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比であり、前記第2伝達系の剛性は、前記第2モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比である
    トルク推定装置。
  2. 前記剛性情報は、前記第1伝達系の剛性と前記第2伝達系の剛性との比である剛性比を含む
    請求項に記載のトルク推定装置。
  3. 前記トルク算出部は、前記出力軸が停止した際の前記第1モータの角度及び前記第2モータの角度に基づいて、前記剛性比を算出する
    請求項に記載のトルク推定装置。
  4. 前記第1モータの角度と前記第2モータの角度との差に基づいて、異常を検知する異常検知部を更に備える
    請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のトルク推定装置。
  5. 第1伝達系の剛性及び第2伝達系の剛性の少なくとも一方の剛性であって予め計測された剛性を含む剛性情報と、前記第1伝達系を介して出力軸を駆動する第1モータの角度と、第2伝達系を介して前記出力軸を駆動する第2モータの角度と、に基づいて、前記出力軸に加わっているトルクを算出する工程を含み、前記第1伝達系の剛性は、前記第1モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比であり、前記第2伝達系の剛性は、前記第2モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比である
    トルク推定方法。
  6. 第1伝達系の剛性及び第2伝達系の剛性の少なくとも一方の剛性であって予め計測された剛性を含む剛性情報と、前記第1伝達系を介して出力軸を駆動する第1モータの角度と、第2伝達系を介して前記出力軸を駆動する第2モータの角度と、に基づいて、前記出力軸に加わっているトルクを算出する工程を含み、前記第1伝達系の剛性は、前記第1モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比であり、前記第2伝達系の剛性は、前記第2モータの角度の変化量と前記トルクの変化量との比であるトルク推定方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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