JP7000307B2 - 魚釣用リール、及び、魚釣用リールの動力伝達機構に用いられるギア - Google Patents

魚釣用リール、及び、魚釣用リールの動力伝達機構に用いられるギア Download PDF

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本発明は、魚釣用リールに関し、詳細には、動力伝達機構を構成するギアの歯面に特徴を備えた魚釣用リール、及び、前記動力伝達機構に用いることが可能なギアに関する。
魚釣用リールは、ハンドルを回転操作してスプールに釣糸を巻回するよう構成されており、リール本体の内部には、ハンドルの巻き取り駆動力を伝達する動力伝達機構が配設されている。動力伝達機構は、互いに噛合するギアを備えており、例えば、スピニングリールでは、ハンドル軸にフェースギアを取り付け、このフェースギアにピニオンギアを噛合させて、ハンドルを巻き取り操作した際のハンドル軸の回転駆動力をロータに伝達している。
上記したようなギア同士の噛合によって、ハンドルの巻き取り操作に伴うハンドル軸の回転駆動力を伝達する魚釣用リールでは、噛合部の歯面を最適化して、良好な回転フィーリングが得られるようにしている。例えば、特許文献1には、フェースギアに関し、噛み合い進行方向線を決定する方法が開示されており、組立寸法のずれ等が生じても、フェースギアの回転ムラが生じないように構成している。
特許第5501190号
魚釣用リールには、ハンドルを回転操作した際に、滑らかな回転フィーリングが要望される一方で、実釣時において大きな魚がヒットすると、大きな巻き上げ力でハンドルを回転操作するため、ギア同士の噛合面に大きな負荷が作用するという特殊性がある。本発明者は、このような特殊性がある魚釣用リールにおいて、高負荷が作用した状態でハンドル回転による釣糸のスプールへの巻き取り操作を行なった後に、実釣時の負荷が加わらない条件(弱い釣糸張力が加わる低負荷巻き取り、又は釣糸張力が加わらない無負荷巻き取り)で、ハンドル回転による巻き取り操作を行なうと回転フィーリングが低下することに着目した。
このような回転フィーリングが低下する原因は、以下のとおりである。
リール本体に上記したような大きな負荷が一時的に作用すると、ギアを支持する回転軸が撓む、その支持部が弾性変形する、ハウジングが変形する等の現象(アライメントがずれる現象と称する)を引き起こしてしまい、このような高負荷が作用している状態ではアライメントのずれが生じ、ギア同士の歯当たりの位置をずらそうとする。
従来のギアは、滑らかな回転フィーリングが実現できるように、その歯面の形状は、ギア同士の噛み合い進行方向に対して直交する方向から見ると、1つの曲率で構成されており、組み込み精度の誤差、或いは、上記したようなアライメントのずれが生じても、噛み合い進行方向に沿ってその頂部領域で歯当たりするように設計されている。すなわち、高負荷や低負荷に関係なく、歯当たりする位置が略一定になるようにして、回転フィーリングに影響を与えないようにしている。
ところが、ギアの構成材料には、様々なものがあり、コストなどを考慮して、降伏応力が低い材料、例えば、亜鉛、銅、アルミ、及びこれらの合金を用いることがある。このような材料でギアを形成すると、上記したような大きな負荷が歯面に作用した際に、歯面上に塑性変形を生じさせるという問題が発生する。
塑性変形は、1つの曲率をもって理想形状に形成されている歯面を、ギア同士の噛み合い進行方向に沿って凹状を含む様々な形状につぶすように形成されるのであり、一旦、歯面に塑性変形が生じてしまうと、低負荷になったときにおいても、そのギア同士の噛み合いは、塑性変形が生じてしまった部分でなされるため、歯面が理想形状から変化して噛み合い伝達誤差が大きくなり、これが高負荷が解除された条件下の回転操作時に違和感(ゴリゴリした感触)を生じさせる原因となっている。このような違和感については、実釣時に魚との巻き取り操作対応に意識が集中している高負荷が掛かっている状態では、釣り人が気付くことはないが、低負荷状態になるとハンドル回転による巻き取り操作感に意識が集中されて、感覚機能の触覚、聴覚が敏感に反応し気付き易くなることから、高負荷巻き取り操作で歯面に塑性変形が生じてしまった後に低負荷状態の微妙なハンドルの回転操作で魚信を検出する際の操作に影響を及ぼしてしまう。更には、釣行後に、釣糸張力が加わらない無負荷状態でハンドルを回転操作して駆動部分におけるオシレート性能、駆動軸の回転性能、振動変位等の細部診断(釣行後の駆動各部の性能チェック)を行なうことが難しくなってしまう。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、動力伝達機構を構成しているギア部分の歯面に塑性変形が生じても、回転に違和感を生じさせない魚釣用リール、及び、そのような動力伝達機構に用いることが可能なギアを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用リールは、リール本体内に配設され、ギア同士の噛合によってハンドルの回転駆動力を伝達する動力伝達機構を備えており、前記ギアの歯面は、歯面を塑性変形させる高負荷が作用した際の噛み合いの位置と低負荷時の噛み合いの位置とを積極的に離すように設計することで、低負荷時の噛み合いの位置が塑性変形領域から離れるように形成されていることを特徴とする。
上記した魚釣用リールの動力伝達機構のギアの歯面は、リール本体に高負荷が作用した際の噛み合いの位置が、低負荷時における位置と離れるように設計されており、高負荷時において歯面に塑性変形が生じても、低負荷時では、噛み合いの位置が塑性変形領域から離れるため、ギア同士の噛合回転に塑性変形の影響を受け難くなり、動力伝達誤差が大きくなることもなく、違和感を生じさせることがない。
なお、上記の「高負荷」とは、ハンドルの巻き上げ操作時において、噛合状態のギアの歯面に塑性変形を引き起こす負荷を意味しており、ギアの構成材料に応じて変わるものであり、その大きさは特定されることはない。また、「低負荷」とは、ギアの歯面に塑性変形を生じさせない負荷(永久ひずみを生じさせない弾性変形可能な負荷)を意味する。
また、本発明は、魚釣用リールの動力伝達機構に用いられるギアを特徴としており、前記ギアは、その歯面が、噛み合い進行方向と直交する方向から見た状態で複数の曲率を有しており、前記歯面は、低負荷時に噛み合う曲率が小さい領域と、その両側に形成され、高負荷時に噛み合うことが可能な曲率が大きい領域と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、リール本体に高負荷が作用して、動力伝達機構を構成しているギア部分の歯面に塑性変形が生じても、回転に違和感を生じさせない魚釣用リールが得られる。また、本発明によれば、魚釣用リールに大きな負荷が作用した後であっても、ハンドルの回転操作に違和感を生じさせないギアが得られる。
本発明に係る魚釣用リール(スピニングリール)を、後方側から見た断面図。 図1において、動力伝達機構を構成するフェースギアとピニオンギアの噛合部の部分を拡大して示す図。 フェースギアの歯列構成及びその内の一つの歯を拡大して示す図。 図3で示す歯の歯面Fを二次元で示した模式図であり、従来の歯面の噛み合い状態を説明する図。 図4のA-A線に沿った断面図。 本発明における歯面の噛み合い状態の一例を示しており、(a)は歯面の模式図、(b)はA-A線に沿った断面図、(c)~(e)は、それぞれ歯面に作用する負荷が異なるときの噛み合い進行方向を示す図。 図6(b)を拡大して示す図。
最初に魚釣用リール(スピニングリールを例示する)における動力伝達機構を構成しているギアの噛合関係、及び、従来の歯面の形状、並びに、その問題点について説明する。
図1は、魚釣用リール(スピニングリール)の一例を示しており、リール本体を後方側から見た断面図である。
本実施形態に係る魚釣用リール(以下、リールと称する)1のリール本体1Aには、釣竿に装着される竿装着部を備えたリール脚2が一体形成されており、その前方には、回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール(図示せず)とが配設されている。
前記リール本体1Aは、動力伝達機構30を収容するボディ1Bと、このボディ1Bの開口部を閉塞する薄板状の蓋体1Cを備えている。前記リール本体1A内には、ハンドル軸5が一対の軸受け5a,5bを介して回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル7が取り付けられている。なお、ハンドル軸5は、リール本体1Aの両サイドから突出するように支持されており、ハンドル7は、公知のように、いずれか一方(右側巻き/左側巻き)に装着され、ハンドルを装着しない側のハンドル軸には、キャップ8が取着されるようになっている。
前記ハンドル軸5には、動力伝達機構30が係合しており、この動力伝達機構30は、ハンドル軸5に一体回転可能に装着されたフェースギア31と、フェースギア31に噛合するピニオン歯部(ピニオンギア)33を具備してハンドル軸5と直交する方向に延出し、且つ内部に軸方向に延在する空洞部が形成されたピニオン32とを備えている。
前記ピニオン32は、前側と後側で一対の軸受(図示せず)により、リール本体1A内に回転可能に支持されており、その先端部には前記ロータ3が一体回転可能に取り付けられている。前記ピニオン32の内部に形成された空洞部には、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、先端側にスプールを装着したスプール軸12が軸方向に移動可能に挿通されている。前記スプール軸12は、ピニオン32に連結されるギアトレインを介して駆動される公知のスプール往復動装置20によって前後に往復駆動される。
上記した構成により、ハンドル7を巻き取り操作すると、動力伝達機構30を構成するフェースギア31及びピニオンギア33を介してロータ3が回転駆動される共に、前記スプール往復動装置20を介してスプール軸12(スプール)が前後方向に往復動され、釣糸は、回転駆動されるロータ3の釣糸案内部を介してスプールに均等に巻回されるようになる。
図2は、図1において、動力伝達機構を構成するフェースギアとピニオンギアの噛合部の部分を拡大して示す図である。
図2に示すように、ハンドル軸5の回転軸線(フェースギア31の回転軸線)5Aと、ピニオンギア33の回転軸線33Aは、直交する関係にあり、両ギアは、ねじれ方向に対して駆動力を伝達可能なヘリカルギア(はすば歯車)で構成されている。なお、各ギアの歯面のねじれ状態、噛み合い率、モジュール等の基本構成や、各ギアの形成材料については限定されることはない。
本発明では、ギア同士の噛合関係において、塑性変形が生じるギアの歯面形状が後述するように形成されている。この場合、歯面に生じる塑性変形については、噛合するギアの歯面の強度によって、いずれかのギアで生じるが、本実施形態では、駆動側となるフェースギア(駆動ギア)31の歯面で塑性変形が生じるものとして説明する。
図3は、フェースギア31の歯列構成と、その内の1つの歯31Aを拡大して示す図である。また、図4は、図3で示す歯31Aの歯面Fを二次元で示した模式図であり、従来の歯面の噛み合い状態を説明する図、図5は、図4のA-A線に沿った断面図である。
図3および図4において、矢印Dは、フェースギア31とピニオンギア33の噛み合い進行方向を示している。また、図4において、X軸は、歯31Aの表面(歯面F)の中央部分の水平方向を、Y軸は、中央部分の垂直方向を示している。このため、上記した噛み合い進行方向DのX軸に対する傾斜角度αは、寸法公差や組み込み誤差等によって特定される要素である。また、実際に、両ギアが噛み合う範囲は、噛み合い進行方向Dの全ての範囲ではなく、中間部分の範囲Rである。この範囲Rについては、噛合する両ギアで予め設定される噛み合い率に依存する要素であり、歯元側からピニオンギアが噛合を始め、歯先側でピニオンギアが離間する。
上述したように、従来の噛合関係になるギアの歯面は、寸法公差や組み込み誤差等を考慮して設計されており、そのような誤差が生じても滑らかな回転フィーリングが得られるように、歯31Aの表面31aは、図5に示す(デフォルメして示す)ように、1つの曲率(曲率半径R)で構成されている。すなわち、噛合する双方のギアの歯面が互いの頂部領域で噛み合って進行方向Dに移動するように形成されているため、頂部領域の両サイドの逃がしが十分に確保された状態にあり、組み込み誤差などの影響によって相手側のギアの位置が変位等しても、略同じ位置での噛合状態が得られ、回転フィーリングに影響を生じさせないようにしている。
ところが、このような歯面同士の噛合関係では、ギアが塑性変形する材料で形成されて、大きな魚が掛かった状態で歯面に塑性変形を引き起こすと、低負荷状態となったときに回転フィーリングの低下を引き起こす。この原因は、大きな魚が掛かってリール本体に大きな負荷が生じ、ハンドル軸5の回転軸線(フェースギア31の回転軸線)5Aやピニオンギア33の回転軸線33Aが撓んだり、その支持部、更には、ボディ1Bや蓋体1C等のハウジング部分が変形(主に弾性変形)して、アライメントのずれが発生した状態と、上記変形が小さい低負荷状態とで略同じ位置での噛み合いとなることによるものである。
上記したように、従来の噛合するギアの歯面形状は、回転フィーリングに影響を与えないように1つの曲率で構成されているため、噛み合い進行方向における両ギアの歯面の接触点は、アライメントのずれが生じても略頂部付近となり、接触点の軌跡の変化は小さい。これを図5の断面図で示すと、高負荷が作用したことによってアライメントのずれが生じて相手側のギア(ピニオンギア)の位置が相対的に多少ずれたとしても、互いに頂部付近で接触しており、その接触位置での両側の逃がしが大きい状態にあるため、両歯面の接触点の軌跡は、大きく変化するようなことはない。
このため、図4及び図5で示すように、トルクが無い状態(無負荷)でのギアの接触点の軌跡をL0、塑性変形が生じない程度のトルクが作用した状態(低負荷)でのギアの接触点の軌跡をL1、塑性変形を引き起こすトルクが作用した状態(高負荷)でのギアの接触点の軌跡をL2とした場合、その曲面上における、軌跡L0の位置と軌跡L2の位置との距離Wは僅かとなってしまい、トルクが無い状態でのギアの接触点の軌跡L0は、塑性変形を引き起こす範囲内となってしまう。
この結果、上記したように、高負荷が作用して、歯31Aの表面31aが塑性変形してつぶれてしまうと(図5では、塑性変形した部分を凹み31dで示す)、低負荷時になっても、そのつぶれた範囲内(凹み31dの範囲内)に、両ギアの歯面の接触点の軌跡L1,L0が存在することとなる。すなわち、一旦、歯面に塑性変形が生じてしまうと、低負荷時になっても、その塑性変形した範囲内(W)で噛み合い進行するため、これが回転フィーリングの低下を引き起こす原因となる。
本発明では、互いに噛合するギアの歯面は、歯面を塑性変形させる高負荷が作用した際の噛み合いの位置が、低負荷時の噛み合いの位置から離れるように歯面修正しており、低負荷時の噛み合いの位置が、塑性変形している領域からずれるように形成されている。
具体的に、本実施形態では、図6に示すように、塑性変形するフェースギアの歯31Aの表面(歯面)35が、噛み合い進行方向と直交する方向から見た状態で、複数の曲率を有するように形成されている。すなわち、噛合面は単一の曲率で形成されるのではなく、複数の曲率を有するように形成されており、本実施形態では、曲率が小さい部分(曲率半径Ra)による表面35aを形成するとともに、その両側に、それよりも曲率が大きい部分(曲率半径Rb,Rc)による表面35b,35cとなる3つの曲率を具備する表面を形成している(Ra>Rb,Rc)。
上記した歯面形状において、通常の噛合状態(低負荷の状態)では、曲率が小さい部分の表面35aで噛み合い進行するようにしており、アライメントのずれが生じる程の高負荷の状態になって相手側のギア(ピニオンギア)の位置がずれた際、相手側のギアとは、曲率が大きい部分の表面35bで接触できるようにして、軌跡L0の位置と軌跡L2の位置との距離Wを稼ぐようにしている。すなわち、歯面形状については、トルクの付加に伴って、接触点の軌跡が積極的に変位できるように、変化する方向の歯面の凸形状の曲率を部分的に小さくしている。
これは、アライメントのずれが生じて、相手側のギアの位置がずれると、それに応じて、表面35に対する接触位置も変わろうとするが、上記したように、単一の曲率によって頂部領域で噛合させた従来の歯面形状では、両側の逃げが十分確保できているので、積極的に変位することはなく、略同じ領域で噛み合い進行する。
これに対して、本実施形態のように、低負荷時で噛み合いが進行する曲率が小さい部分の表面35aでは、逃げが十分ではなく、表面35bでは、曲率が大きく形成されており、逃げが十分確保されているため、高負荷時では、この位置で噛み合い進行するように変位させることが可能となる(距離W1だけ離れて噛み合う)。すなわち、高負荷が作用したときの歯面の塑性変形は、軌跡L2の位置で生じる(領域Sで生じる)ため、低負荷になったときの軌跡L0,L1は、塑性変形の領域Sの影響を受けることない。なお、本実施形態のように、フェースギアとピニオンギアの噛合関係では、歯面に負荷が作用すると、噛み合い位置は、軌跡L0の位置から矢印D1方向(噛み合いが浅くなる方向)にずれ、高負荷時では、噛み合いが浅くなる方向に形成された曲率が大きい領域(表面35b)で噛み合うようになる。また、軌跡L0の位置から矢印D2方向の表面35cについては、組み付け誤差等を考慮して、片当たりしないように、丸めておく(表面35aよりも大きい曲率に形成する)ことが好ましい。
上記した歯面の形状によれば、高負荷が作用して噛合するギアの歯面に塑性変形が生じても、低負荷の状態になった際に回転性能に影響を及ぼすことはなく、噛み合い伝達誤差が大きくなることもない。したがって、上記したような歯面形成されたギアを備えた動力伝達機構を有する魚釣用リールでは、歯面の塑性変形の影響を受けないため、高負荷が作用して歯面に塑性変形が生じた後であっても、微妙な回転操作での魚信を検出することが可能となる。また、釣行後に、駆動部分におけるオシレート性能、駆動軸の回転性能、振動変位等の細部診断も正確に行えるようになる。
上記したような歯面は、一般的な歯車の製造工程において、例えば、歯面の研削処理時に形成することが可能である。この場合、歯面は、低負荷時における接触点の軌跡が曲率の小さい部分となり、高負荷時における接触点の軌跡が曲率の大きい部分となっていれば、両者の間の表面形状は特に限定されることはない。例えば、低負荷時に噛み合い進行する位置(軌跡L0の位置)と、高負荷時に噛み合い進行する位置(軌跡L2の位置)の間は窪んだ形状であっても良いし、異なる複数の曲率の面を備えた形状であっても良い。
また、低負荷時における接触点の軌跡L0の位置と、高負荷時における接触点の軌跡L2の位置との間の距離W1については、支持部を含むハウジングの材質、寸法、形状やギアの材質、モジュール、塑性変形する量、高負荷が作用したときのアライメントのずれ量などに依存し、適宜設置される。さらに、曲率が小さい部分の両側の曲率が大きい部分(曲率半径Rb,Rc)による表面35b,35cについては、互いに曲率が異なっていても良いし、同じであっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上記したような歯面の修正については、噛合するギアの両方で行なっても良いし降伏応力が低い側の片方のギアのみで行っても良い。また、ギアの噛合関係については、はすば構造以外の構成(平歯車)であっても良く、魚釣用リールとしては、両軸受型リール等、各種のリールに適用することが可能である。また、本発明のような歯面形状については、魚釣用リールの動力伝達機構以外にも、様々な装置の動力伝達機構のギアに適用することが可能である。
1 魚釣用リール
1A リール本体
1B ボディ
1C 蓋体
3 ロータ
31 ギア(フェースギア)
31A 歯
35,35a~35c 表面(歯面)

Claims (4)

  1. リール本体内に配設され、ギア同士の噛合によってハンドルの回転駆動力を伝達する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、
    前記ギアの歯面は、歯面を塑性変形させる高負荷が作用した際の噛み合いの位置が低負荷時の噛み合いの位置とずれており、低負荷時の噛み合いの位置が塑性変形領域から離れるように形成されている、
    ことを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記ギアは、その歯面が、噛み合い進行方向と直交する方向から見た状態で複数の曲率を有していることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 前記歯面は、曲率が小さい領域と、噛み合いが浅くなる方向に曲率が大きい領域が形成されており、低負荷時では、前記曲率が小さい領域で噛み合せ、高負荷時では、前記曲率が大きい領域で噛み合わせることを特徴とする請求項2に記載の魚釣用リール。
  4. 魚釣用リールの動力伝達機構に用いられるギアであって、
    前記ギアは、その歯面が、噛み合い進行方向と直交する方向から見た状態で複数の曲率を有しており、前記歯面は、低負荷時に噛み合う曲率が小さい領域と、その両側に形成され、高負荷時に噛み合うことが可能な曲率が大きい領域と、を備えていることを特徴とするギア。
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