JP6999889B2 - 表面研磨粒状物の製造装置および製造方法 - Google Patents

表面研磨粒状物の製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物の種子を起源とする粒状食品原料その他の粒状物の表面に付着した異物を除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物を製造する装置、製造方法、および得られる表面研磨粒状物に関するものである。さらに詳細には、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく、粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、均一な表面研磨により表皮および果皮の全部または一部が除去された表面研磨粒状物の製造装置、製造方法、および得られる表面研磨粒状物、ならびにこれを含む加工品に関するものである。
生合成あるいは化学合成などにより生成した粉粒状物は、食品、医薬品などの原料として広く利用されている。食品素材となる種子などの粒状物の場合は、可食性の軟質組織を貯穀害虫による食害や環境ストレスなどから保護するために、表層部が難破壊性および/または難透水性の強靭な表皮および果皮で覆われている場合が多く、これが摂食時の食感の低下や、調理性の低下の原因となっている。また、種子などでは脂質などの疎水性成分を上記表層部に含まれる表皮および果皮に局在させている場合があり、外部からの水分の侵入を防止して組織の保護を図るようになっている。このような疎水成分は湿害などの劣悪な環境下において穂発芽などを防止して種の保存を図るには有利であるが、外皮に浸潤した不飽和脂肪酸などは空気中の酸素により酸化し、糠臭やふすま臭と表される酸敗臭により風味の低下を招いたり、過酸化物などの有害な成分を増加させる場合がある。
食品として利用されている粒状物のうち、イネ科作物種子の米麦は主要穀類として重要であり、玄米あるいは原麦などの外層を形成する糊粉層や胚芽にはビタミン類、食物繊維などの豊富な栄養素が含まれている。また、これらの穀類を水に浸漬して発芽状態にするとグルタミン酸脱炭酸酵素により抑制性の神経伝達物質として機能するγ-アミノ酪酸が生成する。
しかし、米麦などの玄米あるいは原麦の粒状物を利用する場合は、糊粉層や胚芽内の不飽和脂肪酸を含む脂質の酸化などに起因する糠臭あるいはふすま臭に起因する風味の低下が問題となる場合がある。玄米に関しては、表層部のふすま部などを加工するために精米、精麦などによって表面の不要物を除去して白度、吸水性、貯蔵性の向上など図るために、粒状物の圧送による摩擦や衝突による圧力精米、砥粒や刃物による研削などの表面処理が行われている。しかし、このような手法では均一な表面研磨ができず、摩擦熱や蓄熱により化学反応が進むとともに、含有する脂質などにより粘着性の高い除去表層部の粉粒体への再付着の防止が困難である。
例えば特許文献1(特開平6-99088)には一般的な精米方法として、精米工程において原料玄米をパンチング材等により形成される外筒と回転体の間隙を圧送し、原料玄米と外筒部の間に生じる擦離力や穀粒相互の接触摩擦により精米するものが示されている。しかしこのような方法では、糊粉層内面に達する傷を形成するので、表層部を含む有用成分が剥離し、胚芽組織、胚盤や糊粉層などが除去される。
家庭で利用される圧力式やインペラー式の精米機は、搗精率約10%の白米の製造が主目的であるため、原料玄米の約10%の表層部を含む有用成分が剥離し除去されるものであり、原料玄米の表層部、糊粉層、胚芽などの有用物を除去することなく調理時の親水性、反応性などを高めることは困難である。また剥離したぬかが白米に再付着した肌ぬかの除去には別工程が必要である。さらに玄米及び精米品質表示基準(消費者庁告示第6号)においては、「胚芽精米」の基準がうるち精米のうち、胚芽を含む精米の製品に占める割合が80%以上と記されているが、家庭用の精米機では胚芽好適米を使用しない場合は胚芽の脱粒が生じやすく、胚芽米モードでも胚芽残存率が数十%の機器もあり、胚芽精米の基準値80%以上を維持することは困難である。このような胚芽精米は特殊な精米技術で製造するものであるため、家庭用精米機では製造できない旨が表示されている機器もある。
また特許文献2(特開平10-15408)には、研米装置として、一部に砥石を装着した外筒内部で、内周部に充填された米粒を、一部にブラシを装着した回転体を中心部で回転させて上部に圧送しながら、表面を研磨とブラッシングで研米する装置が示されている。しかしこの方法は、米粒同士がすれることにより精米を行い、剥離したぬかをブラッシングで除去する研米装置であり、有用物を変性、変質あるいは実質的に除去することなく加工することは示されていない。
特許文献3(特開2007-209937)には、砥粒を含む可撓性高分子材で原料粒状物の表面を微研削する技術が示されている。この方法は穀粒の表層部分を可撓性高分子材との接触研削により薄く除去する方法であり、最外層の繊維質主体の果皮部は、加工部の前部から直ちに吸引除去される。したがって加工部の後方では、肌ぬか画分から脂質などの成分が粒状物に浸潤して移行するおそれがある。
特許文献4(特開2002-95981)には、加熱粒状物を利用した無洗穀類の製造方法が示されている。この方法は一般的な精米で生じたぬか類を加熱粒状物に吸着させて精米への再付着を防止する方法であり、炊飯米の調理工程において浸漬前の洗米を省略できる効果がある。しかし、脂質などを含むぬか類の吸着塊を加工部より系外に直ちに除去する機能を有していない。したがって加工部後方では、吸着した脂質などが浸潤により精米に移行するおそれがある。
特許文献5(特開2006-271229)には、玄米粒を構成する糊粉細胞層と亜糊粉細胞層と澱粉細胞層の中で、搗精により糊粉細胞層までを除去し、該糊粉細胞層と澱粉細胞層の間に位置する亜糊粉細胞層を外面に残し、該亜糊粉細胞層を米粒の表面に露出させた無洗米が示されている。また搗精により仕上げた米粒を更に無洗米機にて処理することが記載されているが、無洗米機の詳細な説明はない。この方法は一般には肌ぬかの付着性を利用した無洗米製造技術とされているが、凝集塊は肌ぬかの付着性の一因となっている脂質を含んでおり、凝集塊を循環させて精米に接触させる技術では酸化しやすい不飽和脂肪酸を含むこめ油の精米への浸潤を完全に防止することは困難であり、ラジカルなどが引き金(トリガー)となる脂質などの酸化反応の連鎖促進を防止することは困難である。
このように従来の粒状物の表面処理加工方法では均一な表面研磨ができず、これにより得られる製品は、胚芽や糊粉層を含む有用物を多く含む表層部を除去するものが多く、穀類全粒に含まれるビタミンなどの栄養素などを効果的に利用できないという問題点がある。また、未処理の玄米を水に浸漬すると最初に胚芽と胚乳を結合している胚盤に緩和時間の短いプロトンのシグナルが現れ、ついで出芽や出根が始まり発芽玄米となり、この工程で中枢神経抑制系に作用するとされるγ-アミノ酪酸が増加するが、加工時にヒトの胎盤にあたる玄米の胚盤に圧力ストレスを与えると胚芽が脱粒しないで残存する場合でも発芽勢が低下しγ-アミノ酪酸の生成が低下するなどの問題点がある。
特許文献1: 特開平6-99088
特許文献2: 特開平10-15408
特許文献3: 特開2007-209937
特許文献4: 特願2001-71762
特許文献5: 特開2006-271229
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決するため、原料粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮および果皮の全部または一部を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物を製造する装置を提供することである。
本発明の他の目的は、原料粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮および果皮の全部または一部を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物を製造する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、植物の種子を起源とする粒状物の表面研磨粒状物であって、原料粒状物の表面に付着した異物が除去され、有用物が熱変性、変質あるいは実質的に除去されることなく表層部に表面研磨が施され、表皮および果皮の全部または一部が均一に除去され、表面が万遍なく平滑に研磨された表面研磨粒状物を提供することである。
本発明は次の表面研磨粒状物の製造装置および製造方法である。
(1) 研磨筒と、
この研磨筒の内部に設けられた回転研磨体と、
回転研磨体の回転により粒状物を研磨筒の内周面側に分散させるように回転研磨体に設けられた分散部材と、
回転研磨体の回転により粒状物の表面研磨を行うように回転研磨体に設けられた研磨部材と、
研磨筒と回転研磨体の間に形成される旋回流路と、
研磨筒の始端部側に形成された乱流形成空間と、
研磨筒の始端部側へ原料粒状物を供給する原料供給部と、
研磨筒の始端部側に設けられた空気流入部と、
研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部とを備え、
研磨滓排出部からの吸引により空気流入部から空気が流入して原料粒状物の流動層が形成され、回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流動層が形成されるとともに、乱流形成空間において乱流が形成されて、粒状物の表面研磨が行われるように構成されていることを特徴とする表面研磨粒状物の製造装置。
(2) 内周面に沿って粒状物が回転移動するように構成された研磨筒と、
この研磨筒の内周面との間に旋回流路を形成するように配置された回転研磨体と、
この回転研磨体を構成する研磨分散材であって、粒状物の表層部を研磨する研磨部を周縁部に有する研磨部材、および研磨筒の内周面側に粒状物を分散させる分散部材が、回転研磨体の回転軸を通して積層されている研磨分散材と、
研磨筒の始端部へ原料粒状物を供給する原料供給部と、
研磨筒の終端部から製品粒状物を取出す製品取出部と、
研磨筒の始端部側の下部に設けられた空気流入部と、
研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部と、
研磨筒始端部側の旋回流路の上部に形成された乱流形成空間とを備え、
研磨滓排出部からの吸引により、空気流入部から空気が流入して原料粒状物の流動層が形成され、回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流が形成されるとともに、乱流形成空間において乱流が形成されて、粒状物の表面研磨が行われるように構成されていることを特徴とする表面研磨粒状物の製造装置。
(3) 回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流が形成され、研磨部材により粒状物が研磨され、分散部材により研磨筒の内周面側に粒状物が分散され、乱流形成空間において乱流が形成されるように構成されている上記(1)または(2)記載の製造装置。
(4) 回転研磨体を構成する研磨部材は、始端部側に粗研磨部材が配置され、終端部側に細研磨部材が配置されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の製造装置。
(5) 研磨筒は旋回流および乱流により移動する粒状物に対して抵抗となる抵抗部材が内周部に形成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の製造装置。
(6) 抵抗部材が凹凸部を有する上記(5)記載の製造装置。
(7) 抵抗部材が多孔板からなる上記(5)または(6)記載の製造装置。
(8) 乱流形成空間は、研磨筒の始端部側よりも終端部側の横断面形状が小さくなるように形成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の製造装置。
(9) 研磨筒は始端部側が終端部側よりも大径に形成され、偏心部位に回転研磨体の回転軸が設けられることにより乱流形成空間が形成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の製造装置。
(10) 原料供給部は研磨筒に連なる搬送筒内に設けられたスクリューフィーダを含む上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の装置。
(11) 製品取出部は、研磨筒の終端部から取出される製品粉粒状物を選別する選別部を備える上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の装置。
(12) 研磨部材および分散部材を有する回転研磨体を内部に備えた研磨筒の始端部へ原料粒状物を供給し、
研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部から吸引することにより、研磨筒の始端部側に設けられた空気流入部から空気を流入させて原料粒状物の流動層を形成させ、
回転研磨体を回転させ、分散部材により粒状物を研磨筒の内周面側に分散させて、研磨筒の内周面との間に旋回流動層を形成させるとともに、研磨部材により粒状物の表面研磨を行い、
研磨筒の始端部側に形成された乱流形成空間において乱流を形成させて細研磨および粗研磨を行い、
研磨筒の終端部側では乱流形成空間が形成されない旋回流路において細研磨を行い、
研磨滓排出部から研磨滓を排出する
ことを特徴とする表面研磨粒状物の製造方法。
(13) 原料粒状物が表層部に難破壊性および/または難透水性の表皮および果皮を有する粒状物であり、表面研磨は難破壊性および/または難透水性の表皮および果皮の全部または一部を除去する研磨である上記(12)記載の製造方法。
(14) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の装置を用いる上記(12)または(13)記載の製造方法。
本発明において、表面研磨加工の対象となる原料粉粒体は、植物の種子を起源とする粒状食品原料その他の粒状物であって、表面研磨加工ができるものであれば制限はなく、穀粒などの粒状食品原料ならびに生物、有機物、化学物質その他の粉粒体が挙げられる。これらの中では米、麦等の穀類を含む禾穀(かこく)類、豆類を含む菽穀(しゅこく)類、そば、アマランサスなどの擬穀類、ゴマなどの植物の種子を起源とする粒状食品が適している。特に澱粉主体の胚乳の外部を脂質とたんぱく質に富む糊粉層が被い、最外層を難破壊性および/または難透水性の表皮で被われている玄米、原麦等に代表される穀粒やトウモロコシ、豆類、ゴマなどが表面研磨の対象として適している。
米、麦類、そば等の穀粒や、豆類、ゴマ等の植物の種子を起源とする粒状食品は、表層部に難破壊性、難透水性の表皮および果皮を有するので、処理をしない玄米などは、表層部が難透水性のため長い浸漬時間と加熱時間を要し、調理が困難である上、難破壊性の皮膜層は噛み切れない状態で残り、食感が劣る。また麦類、そば、玄米などを製粉して使用する場合は、表層部に処理を施していない原麦、そば丸抜き、玄米などを製粉すると、難破壊性の表皮および果皮は微粉砕されない粗大画分として残存し、加工特性、食感などが劣る場合がある。
本発明はこのような粒状物の表皮および果皮が除去されるような表面研磨粒状物の製造装置および方法を提案するものであり、原料粒状物の有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく、粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、表面を万遍なく平滑に研磨することにより、有用物を残留させた状態で粒状物の表層部を剥離して除去することができる。このような粒状物の表面研磨は、空気の流入により原料粒状物が浮上して流動層が形成され、旋回流路において旋回流が形成されるとともに、乱流形成空間において乱流が形成される状態で研磨することにより、粒状物の表面を万遍なく平滑に研磨することができる。
本発明の表面研磨粒状物の製造方法は、研磨部材および分散部材を有する回転研磨体を内部に備えた研磨筒の始端部へ原料粒状物を供給し、研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部から吸引することにより、研磨筒の始端部側に設けられた空気流入部から空気を流入させて原料粒状物の流動層を形成させ、回転研磨体を回転させ、分散部材により粒状物を研磨筒の内周面側に分散させて、研磨筒の内周面との間に旋回流動層を形成させるとともに、研磨部材により粒状物の表面研磨を行い、研磨筒の始端部側に形成された乱流形成空間において乱流を形成させて細研磨および粗研磨を行い、研磨筒の終端部側では乱流形成空間が形成されない旋回流路において細研磨を行い、研磨滓排出部から研磨滓を排出し、表面研磨粒状物を製造する。
このような表面研磨粒状物の製造方法に用いる本発明の表面研磨粒状物の製造装置は、内周面に沿って粒状物が回転移動するように構成された研磨筒と、この研磨筒の内周面との間に旋回流路を形成するように配置された回転研磨体と、この回転研磨体を構成する研磨分散材であって、粒状物の表層部を研磨する研磨部を周縁部に有する研磨部材、および研磨筒の内周面側に粒状物を分散させる分散部材が回転研磨体の回転軸を通して積層されている研磨分散材と、研磨筒の始端部へ原料粒状物を供給する原料供給部と、研磨筒の終端部から製品粒状物を取出す製品取出部と、研磨筒の始端部側の下部に設けられた空気流入部と、研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部と、研磨筒始端部側の旋回流路の上部に形成された乱流形成空間とを備えている。
研磨筒は内周面に沿って粒状物が回転移動するように構成されていればよく、その形状に制限はないが、円筒または近似の形状を基本とするものが好ましい。研磨筒はその軸心に沿って回転研磨体の回転軸が設けられるが、研磨筒の内周面と回転研磨体の間に旋回流路が形成される。研磨筒の始端部側の旋回流路の上部には乱流形成空間が形成されるが、研磨筒の終端部では乱流形成空間は形成されず、均一な旋回流路が形成されるように、研磨筒および回転研磨体の横断面はそれぞれ円形または近似の基本形状であるのが好ましい。研磨筒は上下方向、横方向など、任意の方向に配置でき、上下方向の場合の粒状物の移動方向は、上方向でも下方向でもよい。好ましくは、研磨筒は基本的に横方向に配置するが、若干下方向に傾斜するように設けると、粒状物の移動に重力を利用できるので好ましい。
研磨筒の始端部側の旋回流路の上部に形成される乱流形成空間は、円筒または近似の形状を基本形状とする場合、基本形状の軸心に回転研磨体の回転軸が設けられている状態で、旋回流路が上側に拡大した形状の乱流形成空間を形成することができる。乱流形成空間が形成される部分の横断面形状は、回転方向に連続的に拡大、縮小するものが好ましく、特に楕円形が好ましいが、円形、卵形あるいは近似の形状でもよい。乱流形成空間は、研磨筒の始端部側よりも終端部側の横断面形状が小さくなるように形成されるが、始端部側よりも終端部側の横断面形状が連続的に小さくなるように形成されていてもよい。研磨筒は基本形状として例えば円筒形をとる場合、終端部側ではその軸心に沿って回転研磨体の回転軸が設けられるが、始端部側の上部に乱流形成空間が形成される部分では回転軸はそのまま伸びるので、偏心位置に回転軸が設けられることになる。研磨筒は始端部側が終端部側よりも大径の円形に形成され、偏心部位に回転研磨体の回転軸を設けることにより乱流形成空間が形成されていてもよい。
研磨筒は旋回流および乱流により回転、移動する粒状物に対して抵抗となる抵抗部材が内周部に形成されているのが好ましい。これは内周面に沿って回転移動する粒状物が旋回流路、乱流形成空間を通過する際、粒状物に対して抵抗となる抵抗部材が内周部に形成されていると、回転研磨体の回転により回転、移動する粒状物が研磨筒内周部の抵抗を受けることにより、研磨筒内周部でも粒状物表層部の研磨が行われることになり、粒状物表層部の研磨が促進される。抵抗部材は凹凸部を有するように形成することができる。凹凸部を有する部材としてはパンチングメタル等の多孔板が好ましく、多孔板の小孔の部分に粒状物がはまり込んで一時的に保持される構造にすることにより、粒状物が小孔を離脱するときに粒状物表層部の研磨が行われる。多孔板の小孔の縁部または他の内周部に内向きの突起を設けると、さらに有効に研磨が行われる。多孔板は研磨筒の形状に合わせて内周部のほぼ全体に形成することができる。
研磨筒および多孔板は単一または複数の板状部材から円筒状に構成し、筒径を変化させる筒径調節材を設けることができ、筒径調節材は外部から操作して筒径を変化させるものが好ましい。筒径調節材を操作して筒径を変化させることにより、研磨筒および多孔板の内側に形成される粒状物の流路すなわち旋回流路および乱流形成空間の大きさを調整することができ、これにより粒状物の表面研磨率を調節することができる。研磨筒および多孔板を単一または複数の板状部材で構成する場合、接合部をスライド可能に重ねて接合することができ、これにより接合する部分を調製可能にすることができ、研磨筒および多孔板の大きさを調整することが容易になる。この場合外部からの操作で圧縮荷重を付加して筒径を変化させるものが好ましい。複数の多孔板は、同一または異なる保持部および/または透孔を形成することができる。
回転研磨体は、研磨筒の内周面との間に旋回流路を形成するように、研磨筒内に回転可能に配置される。回転研磨体は、粒状物の表層部を研磨する研磨部を周縁部に有する研磨部材と、研磨筒の内周面側に粒状物を分散させる分散部材が回転研磨体の回転軸を通して積層されて研磨分散材が形成されている。研磨部材は研磨部を周縁部に有し、回転により旋回流路内の粒状物を研磨するようにディスク状に構成される。分散部材は回転により研磨筒の内周面側に粒状物を分散させるようにタービン翼状に構成される。研磨部材と分散部材はほぼ同径のものを1枚ずつ交互に回転研磨体の回転軸を通して積層されて研磨分散材が形成されているものを基本形とし、研磨率、処理量等によりそれぞれの積層数を変えることができる。例えば研磨率(米等の場合は搗精率)を高くする場合は、1枚の分散部材に対して複数枚の研磨部材が積層されているものを使用することができる。逆に研磨率(米等の場合は搗精率)を低くする場合は、1枚の研磨部材に対して複数枚の分散部材が積層されているものを使用することができる。これらの場合、一方または双方をそのまま、または位相をずらせて、あるいはスペーサ等を挟んで積層されていてもよい。回転研磨体の回転速度は、分散部材の回転により粒状物を研磨筒の内周面側に分散させ、旋回流路内に旋回流動層を形成させ、乱流形成空間に乱流を形成させる速度であり、装置の規模によって異なるが、周速として1~25m/s、好ましくは2~10m/S程度である。
研磨部材としては、ディスク状砥石、砥粒を含む成形研磨材、板状体の厚みに相当する幅を有する平板状、湾曲片状、鋸歯状、爪状など任意の形状の研磨片が放射方向に、あるいは回転前方または後方に向けて伸びるものなどがあげられるが、ディスク状砥石は異なる粗さのものを組み合わせて使用でき、周縁部が摩耗すれば新しい砥粒が現れて研磨部が更新されるので好ましい。研磨分散材は始端部側に粗研磨部材、好ましくは粗くて剛性の高い粗研磨部材が配置され、終端部側に細研磨部材、好ましくは微細で剛性の低い細研磨部材が配置されているのが好ましい。例えば、ダイアモンド回転砥石を使用する場合は、始端部側の粗い砥粒は30~200メッシュ、好ましく30~100メッシュ、終端部側の微細な砥粒は100~600メッシュ、好ましくは120~300メッシュのダイアモンドが電着されているのが好ましい。CBN(立方晶窒化ほう素)砥粒を用いる場合でもほぼ同様で、砥粒の埋め込み率は60~70%が好ましい。
分散部材は回転により研磨筒の内周面側に粒状物を分散させるように、ディスク状基部から放射状に突出するタービン翼状に構成されるのが好ましい。タービン翼に相当する部分は粒状物と直接接触して研磨筒の内周面側に押出すことにより分散させるので、粒状物に衝撃を与えないように、緩やかなサインカーブ状に突出する突部をディスク状基部の周縁部に沿って形成するのが好ましい。具体的には分散部材は、山部と谷部が外周部に均等に分散する花びら形のものが好ましいが、粒状物の量、回転研磨体の回転数等に応じて、粒状物の分散が可能な形状にすることができる。分散部材は隣接する研磨分散材の砥粒との干渉を避けるために、砥粒と接触する端部付近にテーパ加工を施し、砥粒との間に隙間を形成することができる。タービン翼に相当する部分のディスク状基部の直径に対する寸法比は、0.02~0.52、好ましくは0.1~0.4が好ましい。
研磨分散材を構成する各部材は、回転方向および/または軸方向に揺動または摺動できるように回転研磨体の回転軸に緩やかに取り付けられているのが好ましく、これにより研磨分散材を構成する各部材が粒状物に当たるときの衝撃を緩和して、粒状物の過度の研磨を防止し、表面を万遍なく平滑に研磨することができる。回転方向および/または軸方向に揺動または摺動できるようにするためには、各部材と回転軸間、ならびに各部材と係合部(例えばキー溝)間にわずかな隙間が存在し、衝撃を吸収するように、緩やかに取り付けられていることを意味する。回転研磨体の端部は、ダブルナットとばね座金等で構成される固定具により、軸方向にわずかな隙間が存在するように固定することができる。
原料供給部は研磨筒始端部の旋回流路へ原料粒状物を供給するように構成される。原料供給部は研磨筒の旋回流路に連なる搬送筒内に設けられたスクリューフィーダを備えているのが好ましい。製品取出部は研磨筒終端部の旋回流路から製品粒状物を取出すように構成される。製品取出部は、研磨筒の終端部から取出される製品粒状物を選別する選別部を備えることができる。空気流入部は研磨筒始端部側の下部に設けられるが、旋回流路に開口するように構成される。研磨滓排出部は研磨筒の終端部側に設けられ、旋回流路に開口するように構成されるが、上部に設けられるのが好ましい。空気流入部および研磨滓排出部は、それぞれ粒状物が通過しない孔部を通して旋回流路に開口するように構成されるのが好ましいが、研磨筒の内周部に多孔板が形成される場合は、この多孔板を孔部として利用することができる。
上記の表面研磨粒状物の製造装置では、原料供給部から研磨筒始端部の旋回流路へ原料粒状物を供給し、加工滓排出部から吸引することにより、空気流入部から旋回流路に空気が流入し、原料粒状物が浮上して流動層が形成される。この状態で回転研磨体を回転させることにより、旋回流路において旋回流動層が形成されるとともに、乱流形成空間において乱流が形成されて、粒状物の表面研磨が行われる。このとき研磨筒の内周面および回転研磨体と接触する粒状物は、旋回流路における旋回流および乱流形成空間における乱流のいずれの場合も、粒状物が浮上して流動層が形成された状態であるため、従来法における圧送下の接触の場合とは異なり、接触による衝撃は小さく、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨することができる。特に研磨分散材を構成する各部材が、回転方向および/または軸方向に揺動または摺動できるように回転研磨体の回転軸に緩やかに取り付けられている場合は、接触による衝撃はさらに小さくなり、さらに均一かつ平滑に研磨することができる。
上記の場合、回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流が形成され、研磨部材により粒状物が研磨され、分散部材により研磨筒の内周面側に粒状物が分散させられる。このとき旋回流路では粒状物、研磨により発生する微細粒子および気相を混相状態にした高速の旋回流動層が形成される。旋回流動層における粒状物の流れは場所によって異なるが、気流による流動化ならびに重力により下降する力などを受けながら、粒状物は分散部材により形成される気流に巻き込まれて研磨筒の内周面側に分散させられ、研磨筒の内周面に衝突して跳ね返され、さらに研磨部材に研磨されるとともに分散部材により分散させられる動きを繰り返す。このため旋回流の中では粒状物は波状あるいはスパイラル状に移動するものと考えられる。従って旋回流路において粒状物が移動する間に粒状物は研磨部材および研磨筒の内壁に接触して研磨を受ける。しかし旋回流動層における粒状物の接触は全体にわたってほぼ均一に緩やかに行われ、その衝撃は小さいので、強靭な表皮層の研磨を十分に行うことができず、偏摩耗が生じやすい。
これに対して研磨筒始端部側の旋回流路上部の偏心位置に乱流形成空間を形成し、研磨筒の内周面との間に旋回流路と乱流形成空間からなる不斉空間を形成すると、乱流形成空間に乱流が形成され、分散部材により粒状物が研磨筒の内周面にまで分散され、内周面に接触した後に回転研磨体側に戻り、再び研磨部材に接触する動きが激しくなる。このように研磨筒始端部側の乱流形成空間では乱流が形成されるので、回転研磨体の研磨部材と粒状物が激しく接触して細研磨および粗研磨が行われる。この場合、表皮層の全域にわたりランダムに傷が生じ、この傷の部分から表皮層の細かい剥離が始まり、細研磨により細表皮研磨滓が形成された後、ランダムに表皮層に生じた細かい傷の部分から粗い剥離が進行し、粗研磨により粗表皮研磨滓が形成され、その後果皮の剥離が進行して果皮研磨滓が形成される。回転研磨体を構成する研磨部材として始端部側に粗研磨部材が配置されている場合、特に粗くて剛性の高い粗研磨部材が配置されている場合はこの傾向が強くなる。
一方、乱流形成空間が存在しない研磨筒終端部側では、研磨筒の全内周にわたって均一な旋回流路が形成されているので、研磨部材と粒状物が緩やかに接触し、ランダムに表皮層に生じた傷の部分から剥離が進行し、仕上げ細研磨が行われて粉粒体表面が平滑化するとともに、細表皮研磨滓、粗表皮研磨滓および果皮研磨滓が凝集して凝集研磨滓が形成される。回転研磨体を構成する研磨部材として終端部側に微細な細研磨部材が配置されている場合、特に微細で剛性の低い細研磨部材が配置されている場合はこの傾向が強くなる。乱流形成空間は研磨筒の始端部側よりも終端部側が小さくなるように形成されるが、始端部側よりも終端部側が連続的に小さくなるように形成されていると、乱流は始端部側から終端部側にかけて次第に小さくなるので、研磨部材と粒状物の接触が次第に緩やかになり、研磨が次第に繊細になる。そして最終的には乱流形成空間のない均一な旋回流路に入り、均一な仕上げ研磨を受ける。
上記の研磨は主に研磨部材と粒状物の接触により行われるが、研磨筒の内周部でも付随的に行われ、旋回流および乱流により移動する粒状物に対して抵抗となる抵抗部材、特に多孔板などの凹凸部を有する抵抗部材が内周部に形成されている場合は、抵抗部材と粒状物の接触によっても研磨が行われ、研磨効果がさらに高くなる。抵抗部材の研磨力が研磨部材より弱い場合でも、表皮層に生じた傷の部分から剥離することができる。抵抗部材が多孔板からなる場合は、粒状物が多孔板の孔部に嵌まり込み、また脱離するときに剥離が進行する。
上記の研磨では、粒状物が旋回流路において空気により浮上して流動層の状態で旋回流となって回転移動するが、研磨筒の始端部側では乱流形成空間において乱流が形成されて研磨が行われるので、これにより表層部に強靭な膜が存在する場合でも、強靭な膜の全域にわたりランダムに傷が生じる。このような状態が続くと次第に強靭な膜が破壊されて剥離していく。乱流形成空間が小さくなっていくと、研磨が緩やかになるが、強靭な膜が残っていても部分的に破壊されたところから強靭な膜が剥離し、表層部の強靭な膜が全体的に除去されていく。このように粗研磨が行われても、粒状物が流動層の状態で研磨されるため衝撃は小さく、また空気流により蓄熱が防止できるので、有用物の熱変性、変質あるいは実質的な除去は起こらない。研磨筒終端部側の乱流形成空間がない旋回流路に入ると、粒状物はほぼ均一な流動層の状態で研磨され、均一な表面研磨により、表皮層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物が得られる。
このようにして粒状物の表面に付着した異物を除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物が製造される。製造された表面研磨粒状物は、原料粒状物の表面に付着した異物が除去され、表層部が薄く除去されて万遍なく平滑に研磨されている。粒状物の表面に凹凸がある場合でも、乱流による粒状物同士の接触や、粒状物と研磨筒内周面または回転研磨体等との接触により、表層部が薄く除去され、平滑に研磨した表面研磨粒状物が得られる。研磨により発生する研磨滓は、研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部から排出される。研磨滓は粒状物の表面に付着した異物(土壌、細菌等)、剥離した粒状物の表層部、粒状物や装置構成材等の破片のうち気流により搬出可能なものがあげられる。研磨滓排出部は本来このような研磨滓を排出するために設けられるが、粒状物を浮上し流動層を形成して研磨の衝撃を緩和するとともに、研磨による粒状物の発熱を防止するという効果も得られ、有用物の熱変性、変質あるいは実質的な除去を妨げるとともに、発芽勢なども保持される。
原料粒状物が植物の種子を起源とする粒状食品原料などの表層部に難破壊性および/または難透水性の表皮層を有する粒状物の場合は、乱流形成空間がなく、旋回流路のみ形成された研磨筒において研磨を行うと、研磨が偏在的に行われ、研磨されない部分と、研磨され過ぎる部分が現れ、均一な研磨は行われない。これに対して研磨筒の始端部側に乱流形成空間を形成すると、研磨筒の始端部側では乱流形成空間において乱流により粗い研磨が行われ、このとき難破壊性および/または難透水性の表皮層の全域に不規則に傷がつく。その後研磨筒の終端部側の乱流形成空間がなくなる領域に至るまでの間に、この傷ついた部分から次第に表皮層の全体が剥離し、さらにその下層の果皮層も剥離する。これにより有用物の熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく、粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、均一な表面研磨により難破壊性および/または難透水性の表皮層の全部または一部除去した表面研磨粒状物が製造される。
原料粒状物が植物の種子を起源とする粒状食品原料などの表層部に難破壊性および/または難透水性の表皮層を有する粒状物の研磨を行う際、研磨筒の始端部側において剥離した付着物や表皮層の破片は付着性がなく、これらはそのまま研磨筒の終端部側に移動する。ところが研磨筒の終端部側において、表皮層の内側に存在する果皮等から剥離する剥離物は、局在する脂質等に起因して付着性を有するので、この付着性を有する剥離物と前述の付着性を有しない表皮層の破片が混合されると、両者が付着して凝集物が形成され、研磨滓排出部から混合物または凝集物として排出される。このようにして非付着性の剥離物も付着性の剥離物も全てが凝集物として一体化しワンパスの行程で排出されるので、残留する表面研磨粒状物には、粉塵成分、濁度成分、付着性成分等が含まれず、無洗米等として利用可能であり、不飽和脂肪酸を含む脂質の酸化などに起因する糠臭あるいはふすま臭に起因する風味の低下はない。研磨滓排出部から排出されない破砕物などは製品取出部の選別部において除去され、製品粉粒状物が選別される。選別部において篩別、風選等により選別する場合にも、凝集物は非付着性であるため、容易に除去される。
研磨滓排出部からの吸引により細菌類その他の汚染物質が除去され、熱も除去されるので、有用物が熱変性、変質あるいは実質的に除去されず、発芽勢などが維持された表面研磨粒状物が製造される。玄米あるいは原麦などの場合、残留する糊粉層や胚芽にはビタミン類、食物繊維などの豊富な栄養素が含まれており、これらの穀類を水に浸漬して発芽状態にするとグルタミン酸脱炭酸酵素により抑制性の神経伝達物質として機能するγ-アミノ酪酸が生成するが、その活性を維持するためには窒素封入包装などの酸化防止手段をとることができる。
上記の表面研磨粒状物の製造方法および装置では、任意の搗精率(搗精歩合)の表面研磨粒状物の製造を行うことができる。例えば植物の種子を起源とする粒状物の表面研磨粒状物の場合、搗精率0.1%(搗精歩合99.9%)ないし搗精率10%(搗精歩合90%)の表面研磨粒状物の製造を行うことができる。このうち搗精率0.5%(搗精歩合99.5%)ないし搗精率4%(搗精歩合96%)の表面研磨粒状物は、本発明の請求項13~14により製造された精密精米に属するものであって、難破壊性および/または難透水性の表皮層、ならびにその内側の果皮層の全部または一部が除去され、果皮の内側に形成された種皮、糊粉層、胚乳、胚芽および胚盤が残留している表面研磨粒状物であり、細菌類や汚染物質を含む異物が除去される。搗精率0.5%(搗精歩合99.5%)ないし搗精率4%(搗精歩合96%)の表面研磨粒状物の場合、アキタコマチなどの胚芽好適米を使用しない場合でも胚芽残存率は80%以上であって胚芽米の基準値を満たしている。また搗精率0.5%(搗精歩合99.5%)ないし搗精率2%(搗精歩合98%)の表面研磨粒状物は、洗浄したときの洗浄廃水濁度が28度以下であって無洗米の基準値を満たしている。本発明において「搗精率」は原料粒状物(例えば玄米)に対する搗精による除去物(玄米の場合はぬか)の割合であり、「搗精歩合」は従来の「搗精歩留」に相当し、原料粒状物(例えば玄米)に対する搗精による残留物の割合である。
このような表面研磨粒状物は、米の場合無洗胚芽米として、また麦の場合全粒粉製造時の清浄加工麦原料としてとして用いられるが、これらに限定されず、搗精率ほかが異なる表面研磨粒状物も製造可能である。本発明の表面研磨粒状物の製造方法および装置は、無洗胚芽米等の製造のほか、禾穀類、菽穀類、擬似穀類全般で吸水性の向上等による酵素反応促進技術、油糧穀類の搾油前処理技術として利用することが可能であり、また禾穀類、そばなどに関しては、さらに全粒粉製造の前処理技術としても利用でき、これらの処理の出発原料の調製に利用される。
本発明の表面研磨粒状物の加工品は、上記のようにして製造された表面研磨粒状物から製粉、調理などの2次加工により得られる加工品である。このような加工品は、表面研磨粒状物に付与された原料粒状物にない特性が、2次加工によって新たな特性として具現したものである。2次加工が製粉の場合、表層部が微細に粉砕されて胚乳部に分散する粉製品が得られ、また2次加工が調理である場合、分散性、吸水性、調理性などの改善により、外観形質、風味、食感等に優れた加工品が得られる。
本発明によれば、原料粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物を製造する装置が得られる。
本発明によれば、原料粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物を製造する方法が得られる。
本発明によれば、植物の種子を起源とする粒状物の表面研磨粒状物であって、原料粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮層ならびにその内側の層を均一に除去して、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物が得られる。
本発明の表面研磨粒状物の製造においては、ぬか等の研磨砕除去のために、原料粒状物および/または研磨滓への加水を行う必要が無く、給水設備および排水設備の設置が不要な省資源工程が可能となる。また表面研磨粒状物の製造には動力系の電源系統のみを敷設し、製造装置、表面研磨粒状物および/または研磨滓の温度調節を工場内の空気の強制循環を利用して行うことができ、冷却および/または加熱用の電気および/または燃料の供給・設置設備を必要としない省資源工程が可能となる。表面研磨粒状物の製造時の製造装置および製造物の温度は、室温が20℃から30℃の場合、40℃程度に保持されるため、原料粒状物として米などの穀類などを用いると、炊飯米の食味官能評価の「味」の要因である「あま味」を有する糖類を生成する炭水化物の加水分解酵素、抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸生成酵素(グルタミン酸脱炭酸酵素)などの活性を保持することが可能である。
実施例形態の表面研磨粒状物の製造装置の一部を縦断面で示す正面図である。 図1のA-A断面図である。 図1のB-B断面図である。 図1のC-C断面図である。 図1のD-D断面図である。 (a)は(b)のE部の拡大断面図、(b)は粒状物(玄米)の断面図である。 実施例における表面研磨粒状物の白度、濁度および胚芽残存率の変化を示すグラフである。 実施例における表面研磨粒状物および原料玄米の顕微鏡写真であり、A、B、Cは低倍率顕微画像、AL、BL、CLは高倍率顕微画像である。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1ないし図5は実施形態の表面研磨粒状物の製造装置を示し、図6は玄米の断面図を示している。
図6に示されているように、本実施形態における粒状物(玄米)1は、表面側から表皮2、果皮3、種皮4、糊粉層5、胚乳6が層状に形成され、胚乳6の一端部に胚芽7が胚盤8を介して付着している。表皮2は外皮とも呼ばれ、粒状物(玄米)1の最外層を構成しており、難破壊性および/または難透水性の強靭な膜からなる。この表皮2は強靭で破壊されにくく、剥離しても付着性はない。果皮3は中果皮、横細胞、管細胞など複数の層が重なった複合層で、主として繊維層からなり、表皮2に近い層ほど脂質が少なく非付着性であり、種皮4に近い層ほど脂質が多く付着性である。種皮4は果皮3と糊粉層5を隔てる膜である。糊粉層5は蛋白、脂質その他の栄養成分を多く含む層である。胚乳6は主として澱粉を含む層である。胚芽7はやがて成長して芽になる胚を含む部分であり、胚盤8により胚乳6に付着している。
従来の精米は、粒状物(玄米)1の表皮2、果皮3、種皮4、糊粉層5、胚芽7および胚盤8の一部をぬかとして除去し、澱粉を含む胚乳6を白米として残す処理であり、搗精率10%(搗精歩合90%)程度で、粒状物(玄米)1の10%程度がぬかとして除去され、胚乳6の一部も除去される。一方、栄養価が高い胚芽7、胚盤8の相当部分を残すものが胚芽米として販売されているが、搗精率7%(搗精歩合93%)程度であり、粒状物(玄米)1の7%程度にあたる米ぬかが除去されている。従来はそれより低い搗精率(高い搗精歩合)特に搗精率4%以下(搗精歩合96%以上)の表面研磨は均一に行うことはできず、未研磨の部分と過剰研磨の部分が生成するとされていた。本実施形態で主として製造対象とする表面研磨米は、表皮2の全部および果皮3の一部が除去され、種皮4、糊粉層5、胚芽7、胚盤8は残留し、搗精率0.5%(搗精歩合99.5%)ないし搗精率4%(搗精歩合96%)のものであり、ぬかとして除去されるのは粒状物(玄米)1の0.5~4%程度である。ここでは初期に除去される表皮2の剥離片からなる細表皮研磨滓9aおよび粗表皮研磨滓9bは付着性がないが、後で除去される果皮3の一部の剥離片からなる果皮研磨滓9cは付着性があるため、これらが混合すると凝集物が生じ、この凝集物からなる凝集研磨滓9dは大形で付着性がなく効率よく除去される。
図1ないし図5において、実施形態の表面研磨粒状物の製造装置10は、内周面に沿って粒状物1が回転移動するように構成された研磨筒11と、この研磨筒の内周面との間に旋回流路12を形成するように配置された回転研磨体13と、粒状物1の表層部を研磨する研磨部15aを周縁部に有する研磨部材15、および研磨筒11の内周面側に粒状物1を分散させる分散部材16が回転研磨体13の回転軸17を通して積層されている研磨分散材14と、研磨筒11の始端部へ原料粒状物1aを供給する原料供給部18と、研磨筒11の終端部から製品粒状物1cを取出す製品取出部19と、研磨筒11の始端部側の下部に設けられた空気流入部21と、研磨筒11の終端部側に設けられた研磨滓排出部22と、研磨筒11始端部側の旋回流路12の上部に形成された乱流形成空間23とを備えている。
研磨筒11は内周面に沿って粒状物1が回転移動するように、円筒または近似の形状を基本とする形状に構成されている。研磨筒11はその軸心に沿って回転研磨体13の回転軸17が設けられ、研磨筒11の内周面と回転研磨体13の間に旋回流路12が形成されている。研磨筒11の始端部側の旋回流路12の上部には乱流形成空間23が形成され、研磨筒11の終端部では乱流形成空間23は形成されず、均一な旋回流路12が形成されている。研磨筒11の横断面は円形または近似の形状を基本とし、図2、図3では楕円形に形成されているが、円形、卵形等でもよい。研磨筒11は上下方向、横方向など、任意の方向に配置できるが、本実施形態では基本的に横方向に配置され、若干下方向に傾斜するように設けられ、粒状物1の移動に重力を利用できるようにされている。
研磨筒11の始端部側の旋回流路12の上部に形成される乱流形成空間23は、円筒、楕円筒または近似形状の研磨筒11の軸心に回転研磨体13の回転軸17が設けられている状態で、始端部側の旋回流路12が上側に拡大した形状の乱流形成空間23が形成されている。乱流形成空間23が形成される部分の横断面形状は、回転方向に連続的に拡大、縮小するためには円筒または楕円形とされるが、卵形あるいは近似の形状でもよい。乱流形成空間23は、研磨筒11の中ほどから始端部側よりも終端部側の横断面形状が小さくなるように形成されているが、始端部側よりも終端部側の横断面形状が連続的に小さくなるように形成されていてもよい。研磨筒11は基本形状が円筒形であり、終端部側では円筒形の軸心に沿って回転研磨体13の回転軸17が設けられるが、始端部側の上部に乱流形成空間が形成される部分では回転軸17は終端部側からそのまま伸びるので、円筒または楕円筒形等の偏心位置に回転軸17が設けられている。
研磨筒11は内周部に、矢印R3方向の旋回流および矢印R4方向の乱流により回転、移動する粒状物1に対して抵抗となるように、抵抗部材24が形成されている。すなわち内周面に沿って回転移動する粒状物1が旋回流路12、乱流形成空間23を通過する際、粒状物1に対して抵抗となる抵抗部材24が内周部に形成されているので、回転研磨体13の回転により回転、移動する粒状物1が研磨筒11内周部の抵抗を受けることにより、研磨筒11内周部でも粒状物1の表層部の研磨が行われることになり、粒状物1の表層部の研磨が促進される。抵抗部材24は凹凸部を有する部材としてパンチングメタル等の多孔板の筒状体が研磨筒11の内周部に積層された構造となっており、抵抗部材24(多孔板)の小孔24aの部分に粒状物1がはまり込んで一時的に保持される構造にすることにより、粒状物1が小孔24aから離脱するときに粒状物1が応力を受け、表層部の研磨が行われる。多孔板の小孔24aの縁部または他の内周部に内向きの突起を設けると、さらに有効に研磨が行われる。抵抗部材24は研磨筒11の形状に合わせて内周部のほぼ全体に形成されている。
研磨筒11および抵抗部材24は単一または複数の板状部材から円筒状に構成し、筒径を変化させる筒径調節材36、36a、36bを設け、筒径調節材36、36a、36bは外部から操作して筒径を変化させられるようにされている。筒径調節材36、36a、36bを操作して筒径を変化させることにより、研磨筒11および抵抗部材24の内側に形成される旋回流路12および乱流形成空間23の大きさを調整することができ、これにより粒状物の表面研磨率を調節できるようにされている。詳細には研磨筒11は、図2ないし図5に示すように、単一または複数の板状部材11aを筒状に丸め、円周方向端部の接合部11b、11cをスライド可能に重ねて接合して構成され、図1に示すように筒径調節材36、36a、36bにより接合部分の拡大縮小が調製可能にされている。筒径調節材36、36a、36bは結束バンドからなり、結束部を外部から操作して筒径を変化させるようになっている。抵抗部材24は多孔板(パンチングメタル)が研磨筒11の内周に貼り付けられた構造とされており、多孔板の端部を接合部として研磨筒11の場合と同様にスライド可能に重ねて接合され、接合部分の拡大縮小が調製可能に構成されている。これにより研磨筒11および抵抗部材24の大きさの調整が容易になる。この場合外部からの操作で圧縮荷重を付加して筒径を変化させるようにされている。
回転研磨体13は、研磨筒11の内周面との間に旋回流路12を形成するように、研磨筒11内に回転可能に配置される。回転研磨体13は、粒状物1の表層部を研磨する研磨部15aを円形基盤の周縁部に有する研磨部材15と、研磨筒11の内周面側に粒状物1を分散させる分散部材16とが、回転研磨体13の回転軸17を通して積層されて研磨分散材14が形成されている。研磨部材15は研磨部15aを周縁部に有し、回転により旋回流路12内の粒状物1を研磨するようにディスク状に構成されている。分散部材16は回転により研磨筒11の内周面側に粒状物1を分散させるようにタービン翼が円形基盤の周縁部に形成されている。研磨部材15と分散部材16は先端部がほぼ同径のものを交互に回転軸17を通して積層されて研磨分散材14が形成されている。分散部材16間に積層する研磨部材15の積層数は、目標とする研磨率(米等の場合は搗精率)に応じて変えることができる。
研磨部材15は、ディスク状砥石すなわちグラインダが用いられ、周縁部が研磨部15aとして粒状物の研磨が行われ、異なる粗さのものを組み合わせて使用でき、周縁部が摩耗すれば新しい砥粒が現れて周縁部に研磨部15aが更新されるようになっている。研磨分散材14は始端部側に粗研磨部材15b、好ましくは粗くて剛性の高い粗研磨部材15bが配置され、終端部側に細研磨部材15c、好ましくは微細で剛性の低い細研磨部材15cが配置されている。
分散部材16は回転により研磨筒11の内周面側に粒状物1を分散させるように、円形基盤の周縁部にタービン翼が形成されている。タービン翼に相当する部分は粒状物1と直接接触して研磨筒11の内周面側に押出すことにより分散させるので、粒状物1に衝撃を与えないように、緩やかなサインカーブ状に突出する突部16aがディスク状基部16bの周縁部に沿って形成されている。詳細には分散部材16は、山部(突部16a)と谷部16cが外周部に均等に分散する花びら形のものが用いられているが、粒状物の量、回転研磨体の回転数等に応じて、粒状物の分散が可能な形状にすることができる。
研磨分散材14を構成する研磨部材15および分散部材16の各部材は交互に、係合部25(キー25aと溝25b)により回転を防止した状態で、回転軸17を通して積層されている。このとき各部材と回転軸17間、ならびに各部材と係合部25(キー25aと溝25b)間にわずかな隙間26が存在し、回転方向に揺動または摺動して衝撃を吸収するように、緩やかに取り付けられている。また軸方向に揺動または摺動できるようにするためには、回転研磨体13の終端部は、ダブルナットとばね座金等で構成される末端固定具27により、軸方向にわずかな隙間が存在するように固定されている。これにより研磨分散材14を構成する各部材が粒状物1に当たるときの衝撃を緩和して、粒状物1の過度の研磨を防止し、表面を万遍なく平滑に研磨することができるようにされている。
原料供給部18は研磨筒11始端部の旋回流路12へ原料粒状物1aを供給するように構成されている。すなわち原料供給部18は、研磨筒11の始端側に連なる搬送筒18a内にスクリューフィーダ18bが設けられており、原料粒状物1aを原料供給路18cから旋回流路12および乱流形成空間23の始端部に供給するようにされている。ここで原料供給部18は、研磨筒11に連なるほぼ同じ形状、大きさの搬送筒18a内に、回転研磨体13に対応する形状、大きさの回転体18dの外周面にスクリューフィーダ18bが形成された構造とされ、研磨筒11内における研磨に適した量の原料粒状物1aを旋回流路12および乱流形成空間23に送り込むようにされている。
原料供給部18の搬送筒18aの始端側は、支持体28に取り付けられた保持部材29により保持されている。搬送筒18aの終端側の外周部は、乱流形成空間23に挿入された間隔保持部材31を介して、研磨筒11の始端側の内周側に固定具30により固定されている。間隔保持部材31は分離型とすることができ、この場合、下部は搬送筒18a終端部の外周に接する円弧状、上部は研磨筒11の始端側の内周側に接する円弧状の鞍形または近似形であり、研磨筒11の始端側の形状が円形、楕円形、卵形あるいは近似の形状になるように形成してもよく、あるいは搬送筒18aの終端部を楕円形に加工しても良いが、円形、卵形あるいは近似の形状に加工しても良い。研磨筒11の終端側は、筒径調節材36bによって始端側より小筒径に調整されるので、その差に相当する厚みの間隔保持部材31aを介在させて、支持体28aに取り付けられた保持部材29aにより保持されている。スクリューフィーダ18bは、回転研磨体13を取り付ける回転軸17に取り付けられており、回転軸17の始端側は、支持体28に取り付けられた駆動装置32にカップリング33を介して連結している。回転軸17の終端側は、保持部材29aに取り付けられたベアリング34に回転可能に取り付けられている。
研磨筒11の始端側の下部には空気流入部21が旋回流路12に開口するように形成されており、この空気流入部21は研磨筒11の相当する部分を切欠いて形成されている。多孔板からなる抵抗部材24は空気流入部21に対応する部分がそのまま残っていて空気流入部21を横切るスクリーンを形成している。これにより狭隘な空気流入部21が形成され、この空気流入部21から抵抗部材24を通して空気を流入することにより、旋回流路12の粒状物1を噴流により浮上させて流動床が形成され、回転研磨体13の回転により旋回流路12に旋回流動床が形成されるようにされている。空気流入部21における抵抗部材24の小孔24aは、空気を通過させ、粒状物1を通過させない大きさに形成されている。
研磨滓排出部22は研磨筒11の終端部側上部の開口部22aを覆うように設けられ、旋回流路12に開口するように構成されている。ここでは研磨筒11上部の研磨滓排出部22に相当する部分に切欠により開口部22aが形成され、この開口部22aに残留する多孔板製の抵抗部材24(スクリーンを形成)を覆うように研磨滓捕集部22bが設けられ、研磨滓排出路22cを通して外部のバグフィルタ等の吸引部(図示せず)に連結している。この研磨滓捕集部22bから抵抗部材24を通して吸引することにより、研磨筒11内の粒状物1を浮遊させて流動層を形成させるとともに、剥離した微細な異物および研磨滓9が研磨筒11外へ排出されるように構成されている。研磨滓排出部22における抵抗部材24の小孔24aは、空気、微細な異物、研磨滓9を通過させ、粒状物1を通過させない大きさに形成されている。
製品取出部19は研磨筒11終端部の旋回流路12から製品粒状物1cを取出すように構成される。ここで製品取出部19は、研磨筒11の終端部から取出される製品粒状物1cを選別する選別部35を備えており、製品粒状物1cを選別して取出すようにされている。選別部35としては異物、不良品などを選別して除去できるものが用いられる。製造装置10の構成材料に鋼材等の磁性材料を用いる場合は、その破片を異物として磁選機により除去することができるようにされている。このほか可視光等の電磁波による選別、篩別、風選などが採用できる。研磨滓排出部22から排出できない重質の研磨滓を除去するためには、篩別装置が選別部35として設けられる。
上記の装置10による表面研磨粒状物の製造は、駆動装置32を駆動して原料供給部18から原料供給路18cを通して原料粒状物1aを供給し、スクリューフィーダ18bにより研磨筒11始端部の旋回流路12および乱流形成空間23へ原料粒状物1aを供給するとともに、研磨滓排出部22に連結しているバグフィルタ等の吸引部により吸引することにより、空気流入部21から抵抗部材24を通して旋回流路12に空気が矢印R1方向に流入し、原料粒状物1aが浮上して流動層が形成される。この状態で回転研磨体13が矢印R2方向に回転することにより、旋回流路12において矢印R3方向の旋回流動層が形成されるとともに、乱流形成空間23において矢印R4方向の乱流が形成されて、細研磨および粗研磨により粒状物1の表面研磨が行われる。このとき研磨筒11の内周面および回転研磨体13と接触する粒状物1は、旋回流路12における旋回流および乱流形成空間23における乱流のいずれの場合も、粒状物1が浮上して流動層が形成された状態であるため、従来法における圧送下の接触の場合とは異なり、接触による衝撃は小さく、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮2層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨することができる。特に研磨分散材14を構成する各部材が、回転方向および/または軸方向に揺動または摺動できるように回転研磨体13の回転軸17に緩やかに取り付けられているので、接触による衝撃はさらに小さくなり、さらに均一かつ平滑に研磨することができる。
上記の場合、図2、図3に示すように回転研磨体13の矢印R2方向の回転により旋回流路12において矢印R3方向の旋回流が形成され、研磨部材15により粒状物1が研磨され、分散部材16により研磨筒11の内周面側に粒状物1が分散させられる。このとき旋回流路12では粒状物1、研磨により発生する細表皮研磨滓9aおよび粗表皮研磨滓9bが気相中で混相状態になった高速の旋回流動層が形成される。旋回流動層における粒状物1の流れは場所によって異なるが、気流による流動化ならびに重力により下降する力などを受けながら、粒状物1は分散部材16により形成される気流に巻き込まれて研磨筒11の内周面側に分散させられ、研磨筒11の内周面に衝突して跳ね返され、さらに研磨部材15に研磨されるとともに分散部材16により分散させられる動きを繰り返す。このため旋回流路12の中では粒状物1は波状あるいはスパイラル状に移動するものと考えられる。従って旋回流路12において粒状物1が移動する間に粒状物1は研磨部材15および研磨筒11の内壁に接触して研磨を受ける。しかし旋回流動層における粒状物1の接触は全体にわたってほぼ均一に緩やかに行われ、その衝撃は小さいので、強靭な表皮2層の研磨を十分に行うことができず、偏摩耗が生じやすい。
これに対して研磨筒11始端部側の旋回流路12上部の偏心位置に乱流形成空間23を形成し、研磨筒11の内周面との間に旋回流路12と乱流形成空間23からなる不斉空間を形成すると、乱流形成空間23に矢印R4方向の乱流が形成され、分散部材16により粒状物1が研磨筒11の内周面にまで分散され、内周面に接触した後に回転研磨体13側に戻り、再び研磨部材15に接触する動きが激しくなる。このように研磨筒11始端部側の乱流形成空間23では乱流が形成されるので、回転研磨体13の研磨部材15と粒状物1が激しく接触して表皮2層の細かい剥離が始まり、細研磨により細表皮研磨滓9aが形成された後、ランダムに表皮2層に生じた細かい傷の部分から粗い剥離が進行し、粗研磨により粗表皮研磨滓9bが形成され、その後果皮が剥離して果皮研磨滓9cが形成される。回転研磨体13を構成する研磨部材15として始端部側に粗研磨部材15bが配置されている場合、特に粗くて剛性の高い粗研磨部材15bが配置されている場合はこの傾向が強くなる。
一方、図4に示すように乱流形成空間23が存在しない研磨筒11終端部側では、研磨筒11の全内周にわたって均一な旋回流路12が形成されているので、均一な旋回流路12の全周にわたって矢印R3方向の旋回流が形成され、研磨部材15と粒状物1が緩やかに接触し、仕上げ細研磨が行われて粒状物1表面が平滑化するとともに、細表皮研磨滓9a、粗表皮研磨滓9bおよび果皮研磨滓9cが凝集して凝集研磨滓9dが形成される。回転研磨体13を構成する研磨部材15として終端部側に微細な細研磨部材15cが配置されている場合、特に微細で剛性の低い細研磨部材15cが配置されている場合はこの傾向が強くなる。乱流形成空間23は研磨筒11の始端部側よりも終端部側が連続的に小さくなるように形成されているため、乱流は始端部側から終端部側にかけて次第に小さくなるので、研磨部材15と粒状物1の接触が次第に緩やかになり、研磨が次第に繊細になる。そして最終的には乱流形成空間23のない均一な旋回流路12に入り、均一な仕上げ研磨を受ける。
上記の研磨は主に研磨部材15と粒状物1の接触により行われるが、研磨筒11の内周部でも付随的に行われ、旋回流および乱流により移動する粒状物1に対して抵抗となる抵抗部材24、特に多孔板などの凹凸部を有する抵抗部材24が内周部に形成されているので、抵抗部材24と粒状物1の接触によっても研磨が行われ、研磨効果がさらに高くなる。抵抗部材24の研磨力が研磨部材15より弱い場合でも、表皮2層に生じた傷の部分から剥離することができる。抵抗部材24が多孔板からなる場合は、粒状物1が多孔板の小孔24aに嵌まり込み、また脱離するときに剥離が進行する。
上記の研磨では、粒状物1が旋回流路12において空気により浮上して流動層の状態で旋回流となって回転移動するが、研磨筒11の始端部側では乱流形成空間23において乱流が形成されて研磨が行われるので、これにより表層部に強靭な膜が存在する場合でも、強靭な膜の全域にわたりランダムに傷が生じる。このような状態が続くと次第に強靭な膜が破壊されて剥離していく。乱流形成空間23が小さくなっていくと、研磨が緩やかになるが、強靭な膜が残っていても部分的に破壊されたところから強靭な膜が剥離し、表層部の強靭な膜が全体的に除去されていく。このように粗研磨が行われても、粒状物1が流動層の状態で研磨されるため衝撃は小さく、また空気流により蓄熱が防止できるので、有用物の熱変性、変質あるいは実質的な除去は起こらない。研磨筒11終端部側の乱流形成空間23がない旋回流路12に入ると、粒状物1はほぼ均一な流動層の状態で研磨され、均一な表面研磨により、表皮2層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物1が得られる。ここでは初期に除去される表皮2の剥離片からなる細表皮研磨滓9aおよび粗表皮研磨滓9bは付着性がないが、後で除去される果皮3の一部の剥離片からなる果皮研磨滓9cは付着性があるため、これらが混合して生じる凝集物からなる凝集研磨滓9dが形成され効率よく除去される。
研磨により発生する細表皮研磨滓9a、粗表皮研磨滓9b、果皮研磨滓9cおよび凝集研磨滓9dの混合物からなる研磨滓9は、研磨筒11の終端部側に設けられた研磨滓排出部22から排出される。研磨滓9は粒状物1の表面に付着した異物(土壌、細菌等)、剥離した粒状物1の表層部、粒状物1や装置10の構成材等の破片のうち気流により搬出可能なものがあげられる。研磨滓排出部22では、研磨筒11の終端部側上部から抵抗部材24の小孔24aを通して吸引することにより、粒状物1を浮遊させるとともに、剥離した微細な異物および研磨滓9が開口部22aにおける抵抗部材24の小孔24aを通して矢印R5方向に流れ、研磨滓捕集部22bに捕集されて矢印R6方向に研磨筒11外へ排出され、バグフィルタ等により捕集される。研磨滓排出部22は本来このような研磨滓9を排出するために設けられるが、粒状物1を浮上し流動層を形成して研磨の衝撃を緩和するとともに、研磨による粒状物1の発熱を防止するという効果も得られ、有用物の熱変性、変質あるいは実質的な除去を妨げるとともに、発芽性なども維持される。これにより研磨滓9の粒状物1への再付着を防止するほか、発臭、発熱、蓄熱なども防止することができる。
原料粒状物1aが植物の種子を起源とする粒状食品原料などの表層部に難破壊性および/または難透水性の表皮2層を有する粒状物の場合は、乱流形成空間23がなく、旋回流路12のみが形成された研磨筒11において研磨を行うと研磨が偏在的に行われ、研磨されない部分と、研磨され過ぎる部分が現れ、均一な研磨は行われない。これに対して研磨筒11の始端部側に乱流形成空間23を形成すると、研磨筒11の始端部側では乱流形成空間23において乱流により粗い研磨が行われ、このとき難破壊性および/または難透水性の表皮2層の全域に不規則に傷がつく。その後研磨筒11の終端部側の乱流形成空間23がなくなる領域に至るまでの間に、この傷ついた部分から次第に表皮2層の全体が剥離し、さらにその下層の果皮3層あるいはその一部が剥離する。これにより有用物の熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく、粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、均一な表面研磨により難破壊性および/または難透水性の表皮2層の全部または一部を除去した表面研磨粒状物が製造される。
原料粒状物1aが植物の種子を起源とする粒状食品原料などの表層部に難破壊性および/または難透水性の表皮2を有する粒状物1の研磨を行う際、研磨筒11の始端部側においては剥離した付着物や表皮2層の破片は付着性がなく、これらはそのまま研磨筒11の終端部側に移動する。ところが研磨筒11の終端部側において、表皮2層の内側に存在する果皮3等から剥離する剥離物は付着性を有するので、この付着性の剥離物と前記付着性を有しない表皮2層の破片が混合されると、両者が付着して凝集物が形成され、研磨滓排出部22から混合物または凝集物の研磨滓9として排出される。こうして非付着性の剥離物も付着性の剥離物も全てが凝集物として一体化し排出されるので、残留する表面研磨粒状物1には、粉塵成分、濁度成分、付着性成分等が含まれず、無洗米等として利用可能であり、不飽和脂肪酸を含む脂質の酸化などに起因する糠臭あるいはふすま臭に起因する風味の低下も抑制される。
製品取出部19では研磨筒11の終端部から取出される表面研磨粒状物1bを選別部35において選別し、異物や不良品を除去して、製品粒状物1cとして取出す。製造装置10の構成材料、特に研磨筒11および回転研磨体13の構成材料として鋼材等の磁性材料を用いる場合は、その摩耗片等が粒状物1に混入しても選別部35において磁選により除去される。小石、プラスチック等の他の異物は、可視光その他の電磁波、重力等により除去される。研磨滓排出部22から排出されない破砕物なども選別部35において除去され、製品粒状物1cが選別される。
製品粒状物1cは、原料粒状物1aの表面に付着した異物が除去されるとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく、表層部が薄く除去されて万遍なく平滑に研磨されている。粒状物1の表面に凹凸がある場合でも、乱流による粒状物1同士の接触や、粒状物1と研磨筒11内周面または回転研磨体13等との接触により、表層部が薄く研磨され、平滑に調製した表面研磨粒状物1が得られる。研磨滓排出部22からの吸引により細菌類その他の汚染物質が除去され、熱も除去されるので、有用物が熱変性、変質あるいは実質的に除去されず、発芽性などが維持された表面研磨粒状物1が製造される。玄米あるいは原麦などの場合、残留する糊粉層や胚芽にはビタミン類、食物繊維などの豊富な栄養素が含まれており、これらの穀類を水に浸漬して発芽状態にするとグルタミン酸脱炭酸酵素により抑制性の神経伝達物質として機能するγ-アミノ酪酸が生成するが、その活性を維持するためには窒素封入包装などの酸化防止手段をとることができる。
上記の表面研磨粒状物の製造方法および装置においては、任意の搗精率(搗精歩合)の表面研磨粒状物の製造を行うことができ、例えば植物の種子を起源とする粒状物の表面研磨粒状物の場合、搗精率0.1%(搗精歩合99.9%)~10%(搗精歩合90%)の範囲で表面研磨粒状物の製造を行うことができる。このうち搗精率0.5%(搗精歩合99.5%)ないし搗精率4%(搗精歩合96%)の表面研磨粒状物は、精密精米に属するものであって、難破壊性および/または難透水性の表皮層、ならびにその内側の果皮層の全部または一部が除去され、果皮の内側に形成された種皮、糊粉層、胚乳、胚芽および胚盤が残留している表面研磨粒状物であり、生菌数は1×10/g以下、好ましくは1×10/g以下、胚芽残存率は80%以上、好ましくは85%以上となる。洗浄したときの洗浄排水濁度は40ppm以下となるが、搗精率0.5%(搗精歩合99.5%)ないし搗精率2%(搗精歩合98%)の表面研磨粒状物では28ppm以下となる。表面研磨処理は均一に行われるが、その均一性の評価のために、均質化処理を施さないで複数の試料を採取し、白度を測定して標準偏差および変動係数を求めたとき、白度の変動係数((標準偏差/平均値)×100(%))が5%以下、好ましくは1%以下の表面研磨粒状物が得られる。
搗精率は研磨筒11の長さ、板状部材11aの構成、旋回流路12の構成と大きさ、回転研磨体13の構成、大きさ、回転数、研磨分散材14の構成、特に研磨部材15と分散部材16の構成、大きさ、積層数(割合)、乱流形成空間23の構成と大きさ、原料粒状物1aの供給量、空気量などを適正に選ぶことにより上記の範囲に調整することができる。前記範囲外の搗精率の製品粒状物1cを製造することも本発明の範囲に入り、この場合は上記項目を調整することにより可能になる。生菌数は異物の除去により上記範囲に入るが、上記範囲を超える場合は原料粒状物1aを替えることにより調整することができる。洗浄排水濁度は上記搗精率となるように研磨することにより上記範囲に入るが、上記範囲を超える場合は旋回流路12と乱流形成空間23の構成、大きさ、比率、粗研磨部材15b、細研磨部材15cの構成、大きさ、比率などを調整することにより、凝集効率を高めて研磨滓9の残留、付着などをなくすように調整することができる。
本発明の表面研磨粒状物の加工品は、上記のようにして製造された表面研磨粒状物から製粉、調理などの2次加工により得られる加工品である。このような加工品は、精密精米により表面研磨粒状物に付与された原料粒状物にない特性が、2次加工によって新たな特性として具現したものである。2次加工が製粉の場合、表層部が微細に粉砕されて胚乳部に分散する粉製品が得られ、また2次加工が調理である場合、分散性、吸水性、調理性などの改善により、外観形質、風味、食感等に優れた加工品が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
図1ないし図5の装置を用いて原料玄米(富山産コシヒカリ)の表面研磨処理試験を行った。試験では回転研磨体13に組込む研磨部材15の数を変えて搗精率を調整した。本実施例では、表面加工処理は乾式条件下で行われ、生じた研磨滓は保持筒外部に吸引除去され、表面加工粒状物表面への付着残存が防止されている。そこで富山産コシヒカリ(うるち米)の玄米を供試して製造した各種表面研磨玄米を洗米して濁度を測定し、加工滓の付着残存について検討した。試験洗米法は、全国無洗米協会および米穀公正取引推進協議会方式(旧食糧庁方式)に従い、濁度測定はディジタル濁度計(野田通信株式会社 M204)で日本工業規格K0101(工業用水試験方法)に準拠して行った。この濁度計では、濁度は「ppm」で表示されるが、これはJIS K0101における「mg/L」または「度」に相当する。
胚芽残存率は、100粒の検体を目視にて分析し、胚芽が残存している粒の割合を質量%で表した((胚芽残存粒量/供試米重)×100(%))。胚芽残存粒は、胚芽がほとんど残っている検体を1.0、わずかに残っている検体を0.5として換算した(準拠:お米の品質評価テキスト 社団法人日本精米工業会編)。
また、外観形質を評価するために白度計を用いて分光反射率を測定した。分光反射率計の測定は、青色光(440nm)による反射率測定(45度)、白色および黒色標準板による等分割計測で行った(JISZ8722準拠、ケット科学研究所白度計C-300)。一部の製品については、均質化処理を施さないで5箇所の異なる箇所から試料を採取し、白度を測定して標準偏差および変動係数を求め、均一研磨性を評価した。
上記の参考例として、市販の家庭用のインペラー式精米機で表面研磨処理を行った表面研磨粒状物のほか、表面研磨処理を行わない原料玄米、精米施設で製造した市販の白米(搗精歩合90.8%)、市販の胚芽米AおよびBを標品として供試し、同様の試験を行った。各試験の結果を表1および図7に示す。図7は実施例における表面研磨粒状物の搗精率の変化が白度、濁度および胚芽残存率に及ぼす影響を示すグラフであるが、白米は処理条件が異なるため、他のプロットと細線で結んで対応関係を示している。
表1:玄米の表面研磨粒状物、参考表面研磨粒状物、原料玄米、白米の搗精率、搗精歩合、濁度、胚芽残存率、白度、その標準偏差および変動係数
Figure 0006999889000001
表1および図7の分析結果において、搗精率1.44%(搗精歩合98.56%)の表面研磨玄米の洗米水中の濁度測定の結果では、表面研磨玄米の濁度は18.3ppmで、洗米が不要とされている無洗米の濁度28ppmより低い値であった。全国無洗米協会の無洗米の濁度基準値は28ppmであるが、図7では濁度28ppmを示す横方向の破線との交点から、搗精率2%以下(搗精歩合98%以上)のものは無洗米の濁度基準値内であって、無洗米の基準値を満たしていることが分かる。一般的に数回の研米が行われる白米の濁度は37.5ppm、参考例の市販の家庭用インペラー式精米機で表面研磨処理を行った表面研磨粒状物の濁度は41.2ppm、市販胚芽米Aの濁度は47.0ppm、市販胚芽米Bの濁度は47.2ppmであった。また米飯製造などを行う施設では、工場排水に起因する水質汚濁防止の観点から生物化学的酸素要求量(BOD)および化学的酸素要求量(COD)に対する規制があるが、実施例で得られた表面研磨玄米は加工滓などの残存が少ないため、排水基準が適用される米飯工場などにおいて業務用無洗米として利用できる製品であった。
農林水産省告示第515号改(制定 平成12年3月31日)によると、玄米のぬか層の全部又は一部を取り除いて精白したうるち精米で胚芽を含む精米の製品に占める重量の割合が80%以上のものにあたっては「胚芽精米」と記載できるが、本試験で供試したうるち米コシヒカリの搗精率2.36%(搗精歩合97.64%)および搗精率3.75%(搗精歩合96.25%)の表面研磨玄米の胚芽残存率はそれぞれ86%、82%であって胚芽米の基準値を満たし、胚芽精米と記載できる製品であることが分かる。これに対して白米の胚芽残存率は4%、参考例の市販の家庭用インペラー式精米機で表面研磨処理を行った表面研磨粒状物の胚芽残存率は34%、市販胚芽米Aの胚芽残存率は93%、市販胚芽米Bの胚芽残存率は82%であった。
白度の分析に関し5箇所の異なる箇所から採取した試料につき均一性を評価した結果では、表面研磨粒状物(搗精率3.75%)および(搗精率1.10%)の白度は、それぞれ31.2±0.28および23.3±0.14であった。変動係数は、((標準偏差/平均値)×100(%))で表され、水質基準項目の測定精度などでは変動係数10%の精度確保が求められる例などがあるが、表面研磨粒状物の白度の変動係数は、1%以下の低い値で白度を指標とした外観形質の偏差が非常に小さく均一であると考えられる。なお、日本工業規格による白米の白度基準は40%(搗精歩留り約90%)であるが、分析に供した白米の白度は45.3%、市販胚芽米Aの白度は47.0%、市販胚芽米Bの白度は47.2%であった。
〔試験例2〕
原料玄米には、生産圃場の土壌微生物の付着や流通過程における雑菌混入などに起因する微生物汚染が生じる。そこで、実施例1における表面研磨粒状物の搗精率が製品粒状物の一般細菌数に及ぼす影響を検討するために、原料玄米、搗精率が1.1%および2.36%の試料を用いて一般細菌数(生菌数)を計測した。一般細菌数の計測は、一般財団法人日本食品分析センターに依頼した。
上記の細菌検査の計測値は、原料粒状物1aとして用いた原料玄米の一般細菌数(生菌数は)が1.5×10/gであったのに対し、製品粒状物1cとして得られた表面研磨粒状物の一般細菌数は、搗精率1.10%および2.36%がそれぞれ8.7×10/gおよび6.3×10/gであった。この結果は、搗精率が上がるにしたがって製品粒状物1cの一般細菌数は減少したことを示している。本実施例で一般細菌数の減少が認められたのは、製造装置11において空気流入部21から乱流形成空間23、旋回流路12および研磨滓排出部22に至る空気の移動相により、付着微生物の一部が研磨滓9とともに装置外に吸引除去されたことに起因すると考えられる。
〔試験例3〕
図1ないし図5の装置を用いて原料玄米(富山産コシヒカリ)の表面研磨処理試験を行った。試験では回転研磨体13に組込む研磨部材15の数を変えて搗精率を調整した。本実施例では、表面加工処理は乾式条件下で行われ、加工により発生した熱は吸引された吸気とともに保持筒外部に排熱として吸引除去され、表面加工粒状物の昇温および装置の蓄熱を防いでいる。そこで富山産コシヒカリ(うるち米)を供試して表面研磨玄米を製造し、製品粒状物1cと外部に露出している研磨筒11の側面の温度を測定し、製品粒状物の昇温と装置の蓄熱について検討した。製品粒状物1cの温度変化は、穿刺式のディジタル温度計(株式会社タニタ TT508)を用い、3kg毎に容量300mlのプラスチックビーカーに試料を分取して中心温度を測定した。研磨筒11の温度変化は、非接触式のレーザーポイント放射温度計(シンワ測定株式会社 73010)を用いて測定した。研磨筒11はステンレス製であるため黒体塗料を塗布して温度を測定した。表面研磨を行った実験室の室温は摂氏17.3℃、玄米の温度は16.3℃であった。結果を表2に示す。
表2:玄米の表面研磨が製品粒状物および研磨筒の温度変化に及ぼす影響
Figure 0006999889000002
表2の分析結果では、製品粒状物1cの穀温は、加工によりわずかに上昇した。原料粒状物1aの初期穀温は16.3℃であったが、18kgの表面研磨後の製品粒状物1cの穀温は20.2℃で約4℃の上昇であった。また、研磨筒11の初期温度は17.7℃であったが、18kgの表面研磨後には20.7℃で温度上昇は3℃であった。玄米には酸化されやすい不飽和脂肪酸を含む脂質が約2.7%含まれており(七訂日本食品標準成分表、文部科学省)、脂質の自動酸化や酵素的酸化は、温度に依存しており、脂質の酸化によるフスマ臭などの発生を防止するためには低温で加工することが望ましいが、本装置では、取り込んだ外気により旋回流路12を発生させて装置内部を空冷した後、排気を研磨滓排出部22から強制的に吸引除去するため装置内部で蓄熱が発生せず研磨筒11の温度上昇が少ないものと考えられる。
〔試験例4〕
本発明の表面研磨粒状物は、原料粒状物1aの表層部を研磨して表皮および果皮の全部または一部が除去され、内側に形成された種皮、糊粉層、胚乳、胚芽および胚盤が残留していることを特徴としている。そこで、図1ないし図6の装置を用いて表面研磨した富山産コシヒカリの表面研磨粒状物(搗精率1.1%および3.75%)ならびに原料玄米を供試し、実体顕微鏡を用いて外観形質の比較検討を行った。結果を図8に示す。図8中、Aは搗精率1.1%の表面研磨粒状物の低倍率顕微画像、ALはA中の白枠部分の高倍率顕微画像、Bは搗精率3.75%の表面研磨粒状物の低倍率顕微画像、BLはB中の白枠部分の高倍率顕微画像、Cは原料玄米の低倍率顕微画像、CLはC中の白枠部分の高倍率顕微画像である。
図8において、Aの表面研磨粒状物(搗精率1.1%)の低倍率顕微画像では、表面研磨玄米の頂部上の胚芽E(胚芽残存率98%)は、胚盤Dに固着する状態で保持されており、表面研磨玄米の表層部に欠損などの大きな損傷は認められなかった。搗精率1.1%の表面研磨粒状物の白度は23.3%で原料玄米の白度21.7%より約7%上昇していたが、目視では原料玄米の色相を保持していた。図8において、ALの高倍率顕微画像では、表面研磨玄米の表層部に粗くランダムな研磨痕Lおよび微細な研磨痕Sが認められ、回転研磨体13の粗研磨材15bと細研磨材15cが機能していたと考えられる。表面研磨玄米(搗精率1.1%のコシヒカリ)を原料とした炊飯試験では、嗜好性にもよるが加水比は1.5~1.8で30分から1時間の浸漬時間で炊飯を開始でき、原料玄米炊飯時の一般的な浸漬時間(数時間以上)の短縮が可能であった。
図8において、Bの表面研磨粒状物(搗精率3.75%)の低倍率顕微画像では、表面研磨玄米の頂部下の胚芽の残存率は82%で胚芽精米の基準を満たしており胚盤に固着する状態で保持されていたが、胚芽の表面が研磨されて組織外観が縮小している個体が多く認められた。また、搗精率3.75%の表面研磨粒状物の表面は原料玄米の胚乳ESが一部露出しており、白度も31.2%で原料玄米の白度21.7%と白米の白度45.3%の中間値(33.5%)に近い値であった。図8において、BLの高倍率顕微画像では、糊粉層などを含む残存表層部ARLおよび表層部に至る研磨痕BDが認められた。また、胚乳部ESは、散乱光により微細組織の検鏡が困難であったが、大きな研磨痕は殆ど認められず微細研磨痕Sが散見した。表面研磨玄米(搗精率3.75%のコシヒカリ)は、濁度が39.6ppmで無洗米の基準濁度(28ppm以下)を満たすことはできなかったが、炊飯試験では、加水比は一般的な白米と同様の1.5、浸漬時間30分程度で炊飯でき、白米に近い炊飯特性を有していた。炊飯米の外観は白色に近く、広範な調理品の素材として利用できると考えられる。
図8において、Cの原料玄米(未処理)の低倍率顕微画像では、表面研磨玄米の頂部下の胚芽Eの残存率はほぼ100%であった。図8において、CLの高倍率顕微画像では、表層組織の皺が観察されるが、図8のALおよび図8のBLにおいて観察された粗研磨部材15bおよび細研磨部材15cによる研磨痕は認められなかった。
本発明は、植物の種子を起源とする粒状食品原料その他の原料粒状物の表面に付着した異物を除去するとともに、有用物を熱変性、変質あるいは実質的に除去することなく表層部に表面研磨を施して、表皮層ならびにその内側の層を均一に除去し、表面を万遍なく平滑に研磨した表面研磨粒状物を製造する装置、製造方法、表面加工粒状物、およびその2次加工品に利用可能である。
1 粒状物、 1a 原料粒状物、 1b 表面研磨粒状物、 1c 製品粒状物、 2 表皮、 3 果皮、 4 種皮、 5 糊粉層、 6 胚乳、 7 胚芽、 8 胚盤、 9 研磨滓、 9a 細表皮研磨滓、 9b 粗表皮研磨滓、 9c 果皮研磨滓、 9d 凝集研磨滓、 10 製造装置、 11 研磨筒、 11a 板状部材、 11b、11c 接合部、 12 旋回流路、 13 回転研磨体、 14 研磨分散材、 15 研磨部材、 15a 研磨部、15b 粗研磨部材、15c 細研磨部材、 16 分散部材、 16a 突部、 16b ディスク状基部、 16c 谷部、 17 回転軸、 18 原料供給部、 18a 搬送筒、 18b スクリューフィーダ、 18c 原料供給路、 18d 回転体、19 製品取出部、 21 空気流入部、22 研磨滓排出部、 22a 開口部、 22b 研磨滓捕集部、 22c 研磨滓排出路、 23 乱流形成空間、 24 抵抗部材、 24a 小孔、 25 係合部、 25a キー、 25b 溝、 26 隙間、 27 末端固定具、 28、28a 支持体、 29、29a 保持部材、 30 固定具、 31、31a 間隔保持部材、 32 駆動装置、 33カップリング、 34 ベアリング、 35 選別部、 36、36a、36b 筒径調節材

Claims (14)

  1. 研磨筒と、
    この研磨筒の内部に設けられた回転研磨体と、
    回転研磨体の回転により粒状物を研磨筒の内周面側に分散させるように回転研磨体に設けられた分散部材と、
    回転研磨体の回転により粒状物の表面研磨を行うように回転研磨体に設けられた研磨部材と、
    研磨筒と回転研磨体の間に形成される旋回流路と、
    研磨筒の始端部側に形成された乱流形成空間と、
    研磨筒の始端部側へ原料粒状物を供給する原料供給部と、
    研磨筒の始端部側に設けられた空気流入部と、
    研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部とを備え、
    研磨滓排出部からの吸引により空気流入部から空気が流入して原料粒状物の流動層が形成され、回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流動層が形成されるとともに、乱流形成空間において乱流が形成されて、粒状物の表面研磨が行われるように構成されていることを特徴とする表面研磨粒状物の製造装置。
  2. 内周面に沿って粒状物が回転移動するように構成された研磨筒と、
    この研磨筒の内周面との間に旋回流路を形成するように配置された回転研磨体と、
    この回転研磨体を構成する研磨分散材であって、粒状物の表層部を研磨する研磨部を周縁部に有する研磨部材、および研磨筒の内周面側に粒状物を分散させる分散部材が、回転研磨体の回転軸を通して積層されている研磨分散材と、
    研磨筒の始端部へ原料粒状物を供給する原料供給部と、
    研磨筒の終端部から製品粒状物を取出す製品取出部と、
    研磨筒の始端部側の下部に設けられた空気流入部と、
    研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部と、
    研磨筒始端部側の旋回流路の上部に形成された乱流形成空間とを備え、
    研磨滓排出部からの吸引により、空気流入部から空気が流入して原料粒状物の流動層が形成され、回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流が形成されるとともに、乱流形成空間において乱流が形成されて、粒状物の表面研磨が行われるように構成されていることを特徴とする表面研磨粒状物の製造装置。
  3. 回転研磨体の回転により旋回流路において旋回流が形成され、研磨部材により粒状物が研磨され、分散部材により研磨筒の内周面側に粒状物が分散され、乱流形成空間において乱流が形成されるように構成されている請求項1または2記載の製造装置。
  4. 回転研磨体を構成する研磨部材は、始端部側に粗研磨部材が配置され、終端部側に細研磨部材が配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の製造装置。
  5. 研磨筒は旋回流および乱流により移動する粒状物に対して抵抗となる抵抗部材が内周部に形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の製造装置。
  6. 抵抗部材が凹凸部を有する請求項5記載の製造装置。
  7. 抵抗部材が多孔板からなる請求項5または6記載の製造装置。
  8. 乱流形成空間は、研磨筒の始端部側よりも終端部側の横断面形状が小さくなるように形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の製造装置。
  9. 研磨筒は始端部側が終端部側よりも大径に形成され、偏心部位に回転研磨体の回転軸が設けられることにより乱流形成空間が形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の製造装置。
  10. 原料供給部は研磨筒に連なる搬送筒内に設けられたスクリューフィーダを含む請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
  11. 製品取出部は、研磨筒の終端部から取出される製品粉粒状物を選別する選別部を備える請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
  12. 研磨部材および分散部材を有する回転研磨体を内部に備えた研磨筒の始端部へ原料粒状物を供給し、
    研磨筒の終端部側に設けられた研磨滓排出部から吸引することにより、研磨筒の始端部側に設けられた空気流入部から空気を流入させて原料粒状物の流動層を形成させ、
    回転研磨体を回転させ、分散部材により粒状物を研磨筒の内周面側に分散させて、研磨筒の内周面との間に旋回流動層を形成させるとともに、研磨部材により粒状物の表面研磨を行い、
    研磨筒の始端部側に形成された乱流形成空間において乱流を形成させて細研磨および粗研磨を行い、
    研磨筒の終端部側では乱流形成空間が形成されない旋回流路において細研磨を行い、
    研磨滓排出部から研磨滓を排出する
    ことを特徴とする表面研磨粒状物の製造方法。
  13. 原料粒状物が表層部に難破壊性および/または難透水性の表皮および果皮を有する粒状物であり、表面研磨は難破壊性および/または難透水性の表皮および果皮の全部または一部を除去する研磨である請求項12記載の製造方法。
  14. 請求項1ないし11のいずれかに記載の装置を用いる請求項12または13記載の製造方法。
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