JP6999785B2 - インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置に関する。
圧電部材に設けられた複数の溝に流入したインクを圧電部材のシェアモード変形により吐出するインクジェットヘッドがある。このようなインクジェットヘッドは、溝の側壁に圧電部材を挟むように電極が形成されている。この圧電部材を挟んだ一対の電極に対して電圧が印加されると、圧電部材が変形する。インクジェットヘッドは、圧電部材を変形させることで、溝内の圧力を変化させてインクを吐出させる。
上記のように構成されたインクジェットヘッドは、インクを吐出させる溝の側壁を構成する圧電部材を変形させるため、この溝に対して両隣の溝も一方の側壁が変形する。このため、両隣の溝からもインクが吐出される可能性がある。そこで、1つ置きの溝にインクを流入させるインクジェットヘッドがある。
上記のインクジェットヘッドは、インクが流入する複数の溝にそれぞれ形成された電極に対して共通電極を介して駆動波形を入力し、インクが流入しない複数の溝にそれぞれ形成された各電極に対して印刷データに応じた駆動波形を入力する。しかし、共通電極を駆動するひとつの駆動回路から共通電極を介して駆動波形を入力する場合、そのとき圧電部材がいくつ同時駆動されるかによって、駆動波形を出力する駆動回路及び共通電極のインピーダンスに生じる電圧降下が異なる。その結果印刷データによって電極に入力される駆動波形に差が生じる可能性がある。この為、印刷の信頼性が損なわれる可能性がある。
特開平10-315451号公報
本発明が解決しようとする課題は、信頼性が高いインクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置を提供することである。
一実施形態に係るインクジェットヘッドは、圧電部材と、ノズルプレートと、複数の第1電極と、複数の第2電極と、駆動回路と、を具備する。圧電部材は、複数の第1溝および複数の第2溝を交互に備える。ノズルプレートは、圧電部材の表面を塞ぎ、ノズルが配置される。第1電極は、第1溝の側面に設けられる。第2電極は、第2溝の圧電部材を挟んで第1電極と対向した側面に設けられる。駆動回路は、第1電極毎に設けられ且つ共通の第1電極の波形を第1電極に入力する複数の第1ドライバと、第2電極毎に設けられ且つ印刷データに対応した第2電極の波形を第2電極に入力する複数の第2ドライバと、を有する。
図1は、一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成の例について説明する為の図である。 図2は、一実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の構成の例について説明する為の図である。 図3は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の例について説明する為の図である。 図4は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの一部の構成の例について説明する為の図である。 図5は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの一部の構成の例について説明する為の図である。 図6は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの一部の構成の例について説明する為の図である。 図7は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの一部の構成の例について説明する為の図である。 図8は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの一部の構成の例について説明する為の図である。 図9は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの駆動回路の構成の例について説明する為の図である。 図10は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの第1ドライバの構成の例について説明する為の図である。 図11は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの第2ドライバの構成の例について説明する為の図である。 図12は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの動作の例について説明する為の図である。
以下、一実施形態に係るインクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置について図面を参照して説明する。
まず、一実施形態に係るインクジェットプリンター1について説明する。図1は、一実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成例を示す説明図である。図2は、インクジェットプリンター1の制御系の主要部の構成例を示す説明図である。
インクジェットプリンター1は、インクジェット記録装置の一例である。なお、インクジェット記録装置はこれに限らず、複写機のような他の装置であっても良い。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、例えば、記録媒体である記録紙Pを搬送しながら画像形成等の各種処理を行う。インクジェットプリンター1は、筐体10と、給紙カセット11と、排紙トレイ12と、搬送装置13と、保持ローラ(ドラム)14と、保持装置15と、画像形成装置16と、除電剥離装置17と、反転装置18と、クリーニング装置19とを備える。また、インクジェットプリンター1は、主な制御系として主制御部31と、操作I/F32と、通信I/F33と、搬送制御部34と、印刷データ出力部35と、インク供給部36とを備える。
給紙カセット11は、複数の記録紙Pを収容する。給紙カセット11は、例えば筐体10内に配置される。
排紙トレイ12は、筐体10に設けられる。排紙トレイ12は、インクジェットプリンター1によって画像形成されて排出された記録紙Pを収容する。
搬送装置13は、記録紙Pが搬送される経路に沿って配置された複数のガイドおよび複数の搬送ローラを有する。搬送ローラは、搬送制御部34の制御に基づいて動作するモータによって駆動されて回転することで記録紙Pを搬送する。複数のうちの一部のガイドは、搬送制御部34の制御に基づいて動作するモータによって回転させることで記録紙Pを搬送する搬送路を切り替える。搬送装置13は、給紙カセット11に収容されている記録紙Pを保持ローラ14に搬送する。また、搬送装置13は、保持ローラ14から供給された記録紙Pを排紙トレイ12または反転装置18に搬送する。搬送装置13は、例えば搬送制御部34の制御に基づいて記録紙Pを搬送する搬送先を排紙トレイ12と反転装置18とで切り替える。
保持ローラ14は、導体によって形成された円筒状のフレームと、このフレームの表面に形成された薄い絶縁層(図示せず)とを有する。このフレームは接地(グランド接続)されている。保持ローラ14は、フレームの表面上に記録紙Pを保持した状態でフレームを回転させることにより、記録紙Pを搬送する。
保持装置15は、搬送装置13から搬送された記録紙Pを、保持ローラ14のフレームの表面に吸着させて保持させる。保持装置15は、例えば、記録紙Pを保持ローラ14のフレームに対して押圧した後、記録紙Pを帯電させることにより発生する静電気力で記録紙Pを保持ローラ14のフレームの表面に吸着させる。
画像形成装置16は、保持ローラ14により搬送された記録紙Pに画像を形成する。画像形成装置16は、複数のインクジェットヘッド21を有する。画像形成装置16は、例えば、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、及びブラック等の各色にそれぞれ対応した複数のインクジェットヘッド21を有する。インクジェットヘッド21は、インクを吐出するノズルを有する。インクジェットヘッド21は、インクを吐出するノズルが保持ローラ14のフレームの表面に対向する向きで設けられている。
画像形成装置16は、保持ローラ14のフレームの表面に保持された記録紙Pに対してインクジェットヘッド21によってインクを吐出することにより記録紙Pの一方の面に画像を形成する。画像形成装置16は、印刷データ出力部35から出力される印刷データに基づいて、各インクジェットヘッド21を動作させることにより、記録紙Pに印刷データに応じた画像を形成する。
除電剥離装置17は、保持ローラ14のフレームに保持された記録紙Pの静電気力を除電することにより、記録紙Pを保持ローラ14から剥離する。例えば、除電剥離装置17は、記録紙Pに電荷を供給することにより記録紙Pを除電し、且つ記録紙Pと保持ローラ14のフレームの表面との間に爪を挿入することにより、保持ローラ14から記録紙Pを剥離する。保持ローラ14から剥離された記録紙Pは、搬送装置13に供給される。
反転装置18は、記録紙Pの表面と裏面、及び/または前後を反転させ、記録紙Pを保持ローラ14に供給する。即ち、反転装置18は、保持ローラ14から除電剥離装置17によって剥離された記録紙Pの画像が形成された面を保持ローラ14のフレームの表面に向けて記録紙Pを保持ローラ14に供給する。
クリーニング装置19は、保持ローラ14のフレームの表面に付着したインク及び紙粉を除去する。
主制御部31は、インクジェットプリンター1の搬送装置13による記録紙Pの搬送及び画像形成装置16による記録紙Pに対する画像の形成を制御する。主制御部31は、CPU等のプロセッサ、プログラムメモリ、ワーキングメモリ及び各種インターフェースなどに構成される。主制御部31は、プロセッサがプログラムメモリに記憶したプログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現する。
例えば、主制御部31は、通信I/F33を介して受信したデータ(例えば印刷指示)に基づいて、画像形成装置16により画像を形成する為の印刷データを生成する。印刷データは、例えば、複数のピクセルから成るラインが複数ライン並べられて構成される。主制御部31は、生成した印刷データを印刷データ出力部35に供給する。
操作I/F32は、図示されない操作部に接続されている。操作I/F32は、操作部に対する操作入力に応じた操作信号を主制御部31に供給する。
通信I/F33は、図示されないネットワーク、または電子機器などに接続されている。通信I/F33は、他の電子機器と直接またはネットワークを介してデータを送受信することができる。通信I/F33は、例えば、LANコネクタ、USBポート、無線LANモジュールなどとして構成される。
搬送制御部34は、搬送装置13の動作を制御する。例えば、搬送制御部34は、搬送装置13の搬送ローラを駆動する為のモータの動作を制御する。また、例えば、搬送制御部34は、ガイドを回転させる為のモータの動作を制御する。
印刷データ出力部35は、画像形成装置16により画像形成させる為の印刷データを画像形成装置16に出力する。印刷データ出力部35は、例えば印刷データを一時的に記憶する画像メモリを備える。印刷データ出力部35は、主制御部31から供給された印刷データを画像メモリに記憶し、画像メモリに記憶されている印刷データを逐次画像形成装置16に出力する。
インク供給部36は、インクが保持されているインクタンク(図示せず)内のインクを主制御部31の制御に基づいて画像形成装置16のインクジェットヘッド21に供給する。インク供給部36は、例えばインクタンクとインクジェットヘッド21とを連通するチューブと、このチューブを介してインクタンク内のインクをインクジェットヘッド21に供給するポンプとを備える。
上記の構成を備えるインクジェットプリンター1は、通信I/F33を介して印刷を指示するデータを受信した場合、主制御部31により印刷データを生成する。主制御部31は、生成した印刷データを印刷データ出力部35を介して画像形成装置16に供給する。搬送制御部34は、記録紙Pを給紙カセット11から取り出し保持ローラ14に供給する。保持ローラ14は、記録紙Pを保持した状態で搬送する。画像形成装置16は、印刷データに基づいて各インクジェットヘッド21を動作させることにより、保持ローラ14により搬送されている記録紙Pに対して画像を形成する。
次に、インクジェットヘッド21の詳細な構成について説明する。図3乃至図8は、インクジェットヘッド21の構成例について説明する為の図である。
図3は、インクジェットヘッド21の分解斜視図である。
図3に示すように、インクジェットヘッド21は、例えば、サイドシュータ型のシェアモード方式のオンデマンドインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド21は、上記インクジェットプリンター1に搭載され、記録紙Pに向けてインクを吐出する。
インクジェットヘッド21は、基材100と、ノズルプレート300と、枠部材200と、筐体400と、を備える。筐体400には、インクタンク及びインクジェットヘッド21を動作させる駆動回路40が設けられている。
インクジェットヘッド21は、基材100の実装面121の中央部に基材100の長手方向に延びる2本の圧電部材118を有している。
また、後に詳述するように、インクジェットヘッド21の内部には、基材100とノズルプレート300と枠部材200によって囲まれたインク室116(図7)が設けられている。
図3に示すように、基材100は、矩形の板状に形成される。本実施の形態では、基材100の材料としてアルミナを用いた。基材100の材料としては、これに限られず、例えば、炭化シリコン(SiC)やゲルマニウム基板のような他の半導体であっても良い。また、基材100の材料は、セラミックス、ガラス、石英、樹脂、または金属のような他の材料であっても良い。セラミックスとして、例えば、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、またはチタン酸バリウムのような窒化物、炭化物、または酸化物を用いることができる。樹脂として、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、またはポリエーテルサルフォンのようなプラスチック材を用いることができる。金属として、例えばアルミまたはチタンを用いることができる。なお、基材100として、金属材料を用いる場合には、実装面121を絶縁材料で被覆する必要がある。
基材100は、実装面121を有している。実装面121の中央部に圧電部材118が、2列に並べて設けられている。各圧電部材118は、列間の方向の断面が台形であり、互いに離間して平行に配置されている。基材100には、圧電部材118の長手方向に沿って複数の供給口125および複数の排出口126が設けられている。
複数の供給口125は、2本の圧電部材118の間、すなわち、基材100の中央部に沿って基材100の長手方向に並んで設けられている。各供給口125は、基材100を貫通してインクタンク(図示せず)に連通している。言い換えれば、インクタンクから供給口125を通ってインクジェットヘッド21へ供給されたインクは、インク室116へ流入する。
図3に示すように、排出口126は、供給口125を間に挟んで2本の圧電部材118の外側に2列に並んで設けられている。各排出口126は、基材100を貫通してインクタンク(図示せず)に連通しており、インク室116内のインクをインクタンクへ排出する。よって、インクは、インクタンクとインク室116との間で、供給口125および排出口126を通って循環する。
図3に示すように、ノズルプレート300は、例えばポリイミドの矩形の薄膜(フィルム)により形成される。ノズルプレート300の材料としては、これに限られず、例えば、炭化シリコン(SiC)やゲルマニウム基板のような他の半導体であっても良い。その他の樹脂材料として、例えば、他の種類のポリイミド、ABS、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォンのようなプラスチック材を用いることができる。また、セラミックスとして、例えば、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸バリウムなどの窒化物、または酸化物を用いることができる。また、ノズルプレート300は、金属材料によって形成されても良い。金属材料として、例えば、アルミ、SUS、またはチタンを用いることができる。なお、ノズルプレート300に金属材料を用いた場合には、第1電極134、第2電極135と接する箇所に絶縁材料を形成する。
ノズルプレート300のインク吐出側の表面302には、撥インク膜が形成されている(図示せず)。撥インク膜は、例えば、撥液性を有するシリコン系撥液材料またはフッ素含有系有機材料によって形成される。
ノズルプレート300は基材100の実装面121に枠部材200を介して対向して配置されている。ノズルプレート300は、ノズルプレート300を貫通した複数のノズル301を有する。複数のノズル301は、ノズルプレート300の長手方向に沿って2列に並んで配置される。
図3に示すように、枠部材200は、例えばニッケル合金よって、矩形の枠状に形成される。枠部材200の材料としては、これに限られず、例えば、炭化シリコン(SiC)やゲルマニウム基板のような他の半導体であっても良い。その他の樹脂材料として、例えば、他の種類のポリイミド、ABS、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォンのようなプラスチック材を用いることができる。また、セラミックスとして、例えば、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸バリウムなどの窒化物、または酸化物を用いることができる。枠部材200は、基材100の実装面121とノズルプレート300との間に配置される。枠部材200は、2本の圧電部材118を囲むとともに、全てのノズル301を囲む大きさを有する。なお、枠部材として金属材料を用いた場合には第1配線136、及び第2配線137と接する箇所に絶縁材料を形成する。
圧電部材118は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)によって形成される。圧電部材118は、板状の二つの圧電体を互いの分極方向が対向するように張り合わせて形成されている。本実施の形態に係る圧電部材118は、長手方向に伸びた棒状の外形を有する。なお、圧電材料としてはこれに限らず、例えば、PTO(PbTiO3:チタン酸鉛)、PMNT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)、PZNT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)、ZnO、およびAlNのような種々の圧電性材料を用いることができる。
図3に示すように、圧電部材118は、基材100の実装面121に接着されている。この接着材としては、例えば、熱硬化性を有するエポキシ系接着材が用いられる。
図4は、基材100に2列に並べられた圧電部材118の近傍を拡大して示す斜視図である。図4では、圧電部材118等の構造を見やすくするため、ノズルプレート300の一部を省略して示してある。
図4に示すように、圧電部材118は、基材100の実装面121と平行な上面118c、およびこの上面118cの短手方向の両端辺から実装面121に向けて広がるように傾斜した2つの傾斜面118bを有する。圧電部材118は、その表面118aに基材100の短手方向に延びた複数の第1溝131(以下、圧力室131とも言う。)と複数の第2溝132(以下、空気室132ともいう。)を交互に有する。第1溝131および第2溝132の両端は傾斜面118bにつながっている。本実施の形態においては、第1溝131と第2溝132とは、それぞれ同一形状に形成された溝である。なお、第1溝131と第2溝132との形状は異なっていても良い。見方を変えると、圧電部材118は、これらの第1溝131および第2溝132を形成する複数の側壁133を有している。側壁133は、言い換えれば、第1溝131と第2溝132の間に設けられた凸部である。
そして、第2溝132の両端部には、壁材117が設けられている。壁材117は、第2溝132の両端を封止する。壁材117は、圧電部材118の上面118cと面一に設けられた上面117aを有する。圧電部材118の上面118cおよび壁材117の上面117aは、ノズルプレート300と接着される。これにより、インク室116へ充填されたインクが第2溝132へ侵入することを防いでいる。
図5は、図3のインクジェットヘッド21を長手方向にF4-F4で切断した部分の拡大断面図である。
図5に示すように、ノズルプレート300のノズル301は、一つの第1溝131に一つのノズル301が連通するように設けられている。つまり、ノズルプレート300は、2列の圧電部材118に設けられた第1溝131に対応して、2列のノズル301を有する。一方、第2溝132に対応するノズルはない。
ここで、インク室116の構造およびインクの流れ方について詳細に説明する。
図6は、図3に示したインクジェットヘッド21の圧電部材118の一方を部分的に拡大した平面図である。図7は、図6に示したインクジェットヘッド21をF7-F7で切断した断面図である。そして、図8は、図6に示したインクジェットヘッド21をF8-F8で切断した断面図である。
インク室116は、基材100の実装面121とノズルプレート300と枠部材200とに囲まれた空間である。インク室116には、第1インク室116aと第2インク室116bとを含む。第1インク室116aは2つの圧電部材118の間の空間である。第1インク室116aには、複数の供給口125が連通する。一方、第2インク室116bは、2つの圧電部材118の枠部材200側(外側)の空間である。第2インク室116bには、それぞれ複数の排出口126が連通している。
インクタンク内のインクは、ポンプ(図示せず)によってインク室116へ供給される。このとき、インクは、インクタンクから第1インク室116aに供給される。インク室116は、供給されるインクにより徐々に満たされる。具体的には、第1インク室116aに流入したインクは、その両側にある圧電部材118の複数の第1溝131を通って、外側にある2つの第2インク室116bへ向けて流出する。これにより、枠部材200で囲まれたインク室116全体がインクで満たされる。そして、第2インク室116bへ流れたインクは、複数の排出口126を介してインクタンクへ戻される。
複数の第1溝131の間に交互に配置された複数の第2溝132は、図7に示すように、その両端が壁材117により塞がれているため、インクが侵入することがない。このため、複数の第1溝131がインクを循環させる流路の一部として機能する一方で、複数の第2溝132はインクが侵入しないダミー室として機能する。
次に、基材100および圧電部材118に配置される電極および配線について説明する。
図5に示すように、第1溝131に第1電極134が形成され、第2溝132に第2電極135が形成されている。図5の例では、1つの第1溝131に1つの第1電極134が形成され、1つの第2溝132に2つの第2電極135が形成されている。第1電極134は、第1溝131の一対の側面138と底面139に亘って形成されている。第2電極135は、第2溝132の各側面140と、底面141の一部とに亘ってそれぞれ形成されている。
図6に示すように、第2インク室116bの基材100上には、第1溝131へ延びる第1配線136と、第2溝へ延びる第2配線137とが設けられている。図6の例では、第1溝131毎に1つの第1配線136が設けられ、第2溝132毎に2つの第2配線137が設けられている。第1配線136の一端は、第1溝131に形成された第1電極134に接続され、第1配線136の他端は、フレキシブル配線板40aを介して図3に示す駆動回路40に接続されている。また、2つの第2配線137の一端は、第2溝132に形成された2つの第2電極135にそれぞれ接続され、第2配線137の他端はフレキシブル配線板40aを介して、図3に示す駆動回路40に接続されている。
第1溝131および第2溝132に設けられる第1電極134及び第2電極135は、例えば、ニッケル薄膜により形成されている。第1電極134及び第2電極135は、これに限らず、例えば、Pt(白金)およびAl(アルミニウム)、Ti(チタン)の薄膜で形成してもよい。さらに第1電極134及び第2電極135の材料として、Cu(銅)、A1(アルミニウム)、Ag(銀)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Au(金)のような他の材料も用いることができる。
さらに、第2電極135に接続された第2配線137は、絶縁材料により形成された絶縁被膜119により覆われている。また、絶縁被膜119は、第1配線136をさらに覆うように設けられてもよい。絶縁被膜119は、第2配線137がインク室116bに充填されたインクと接触する箇所を覆うように設けられる。この構成により、第1電極134と第2配線137との間、または複数の第2配線137の相互間に生じる電位差がインクに印加されることを防ぐことができる。また、絶縁被膜119は、枠部材200と、第1配線136及び第2配線137との間の接着部分にまで延長させてもよい。
上記のような構成により、1つのノズルに対応する第1溝131に設けられた第1電極134と、第1電極134と圧電部材118を挟んで対向した第2溝132の側面140に設けられた第2電極135と、の電位差によって、圧電部材118を変形させることができる。即ち、圧電部材118と、圧電部材118を挟んだ第1電極134と、第2電極135と、によって、第1溝131の容積を変化させるアクチュエータが構成される。このように、圧電部材118、第1電極134、及び第2電極135からなるアクチュエータと、インクが満たされた第1溝131と、第1溝131に対応するノズル301と、から、インクを吐出する1つのチャネルが構成される。
次に、インクジェットヘッド21の駆動回路40の構成について説明する。図9乃至図11は、駆動回路40の構成について説明する為の図である。駆動回路40は、ノズル301と、第1溝131と、変形することにより第1溝131の容積を変化させるアクチュエータと、から成るチャネル毎に、ノズル301からのインクの吐出を制御する。この為に、駆動回路40は、印刷データに基づいて、1つのノズルに対応する第1溝131に設けられた第1電極134と、第1電極134と圧電部材118を挟んで対向した第2溝132の側面140に設けられた第2電極135と、の電位差を各チャネル毎に制御する。これにより、駆動回路40は、印刷データに応じたチャネルを構成するアクチュエータを駆動して第1溝131の容積を変化させて、ノズル301からインクを吐出させる。
図9に示すように、駆動回路40は、波形生成回路41、チャネル制御回路42、複数の第1ドライバ43、及び複数の第2ドライバ44を備える。例えば、駆動回路40は、第1電極134毎に第1ドライバ43を備え、第2電極135毎に第2ドライバ44を備える。即ち、駆動回路40は、チャネル毎に1つの第1ドライバ43と2つの第2ドライバ44とを備える。
波形生成回路41は、主波形と副波形とを生成し、出力する。主波形及び副波形は、それぞれハイレベルとローレベルの信号から成る矩形パルスである。波形生成回路41の主波形を出力する端子は、各第1ドライバ43に接続されている。また、波形生成回路41の副波形を出力する端子は、各第2ドライバ44に接続されている。即ち、波形生成回路41は、同じ主波形を各第1ドライバ43に入力し、同じ副波形を各第2ドライバ44に入力する。なお、波形生成回路41は、同じ副波形を各第2ドライバ44に入力するのではなく、チャネル毎に異なる副波形を第2ドライバ44に入力する構成であってもよい。
チャネル制御回路42は、第2ドライバ44のオン状態とオフ状態とを切り替える。チャネル制御回路42は、印刷データに基づいてチャネル毎にチャネル制御信号を生成して各チャネルに対応した第2ドライバ44に入力することにより、チャネル毎に第2ドライバ44のオン状態とオフ状態とを切り替える。チャネル制御信号は、ハイレベルとローレベルの信号から成る矩形パルスである。チャネル制御回路42は、ハイレベルのチャネル制御信号を第2ドライバ44に入力することにより、第2ドライバ44をオン状態にする。また、チャネル制御回路42は、ローレベルのチャネル制御信号を第2ドライバ44に入力することにより、第2ドライバ44をオフ状態にする。
チャネル制御回路42は、インクを吐出させるチャネルに対応する第2ドライバ44をオン状態にすることにより、ノズル301からインクを吐出させる。また、チャネル制御回路42は、インクを吐出させないチャネルに対応する第2ドライバ44をオフ状態にする。これにより、チャネル制御回路42は、インクを吐出するチャネルを構成するアクチュエータに電圧を印加して変形させる。これにより、チャネル制御回路42は、印刷データに応じたチャネルを構成するアクチュエータを駆動して第1溝131の容積を変化させて、ノズル301からインクを吐出させる。
第1ドライバ43は、入力される波形に応じて第1電極134に対して電位を与える。例えば、第1ドライバ43は、NOT回路として構成されている。図10は、第1ドライバ43の構成例を示す。例えば第1ドライバ43は、第1スイッチング素子51と、第2スイッチング素子52と、を備える。第1スイッチング素子51は、例えばp-MOSにより構成される。第2スイッチング素子52は、例えばn-MOSにより構成される。第1スイッチング素子51及び第2スイッチング素子52のゲートは、波形生成回路41の主波形の出力端子に接続されている。第1スイッチング素子51のソースは、電圧がVdである図示されない駆動電源に接続されている。第1スイッチング素子51のドレインは、第2スイッチング素子52のドレインと第1ドライバ43の出力端子に接続されている。第2スイッチング素子52のソースは、GNDに接続されている。
第2ドライバ44は、入力される波形に応じて第2電極135に対して電位を与える。例えば、第2ドライバ44は、チャネル制御信号によりオン状態とオフ状態とが制御可能なNOT回路として構成されている。図11は、第2ドライバ44の構成例を示す。例えば第2ドライバ44は、第1論理素子61、第2論理素子62、第3論理素子63、第1スイッチング素子64、及び第2スイッチング素子65を備える。
第1論理素子61は、例えば、NOT回路により構成される。第2論理素子62は、例えば、OR回路により構成される。第3論理素子63は、例えば、AND回路により構成される。第1スイッチング素子64は、例えば、p-MOSにより構成される。第2スイッチング素子65は、例えば、n-MOSにより構成される。
第1論理素子61には、チャネル制御回路42から出力されたチャネル制御信号が入力される。第1論理素子61は、チャネル制御信号を反転して出力する。
第2論理素子62には、第1論理素子61の出力と、波形生成回路41から出力された副波形とが入力される。第2論理素子62は、第1論理素子61の出力と、副波形と、の論理和(負論理の論理積)を出力する。
第3論理素子63には、チャネル制御回路42から出力されたチャネル制御信号と、波形生成回路41から出力された副波形とが入力される。第3論理素子63は、チャネル制御信号と、副波形と、の論理積を出力する。
第1スイッチング素子64のゲートは、第2論理素子62の出力端子に接続されている。第2スイッチング素子65のゲートは、第3論理素子63の出力端子に接続されている。第1スイッチング素子64のソースは、電圧がVdである図示されない駆動電源に接続されている。第1スイッチング素子64のドレインは、第2スイッチング素子65のドレインと第2ドライバ44の出力端子に接続されている。第2スイッチング素子65のソースは、GNDに接続されている。
なお、第1ドライバ43及び第2ドライバ44の構成は、上記の構成に限られるものではない。第1ドライバ43及び第2ドライバ44の構成は、上記の構成により得られる真理値と同じ真理値が得られる構成であれば、如何なる構成であってもよい。
次に、インクジェットヘッド21の動作について説明する。
例えば、主制御部31は、印刷指示を受信した場合、印刷データを生成し、印刷データを印刷データ出力部35を介してインクジェットヘッド21の駆動回路40に入力する。
また、インク供給部36は、主制御部31の制御に応じてチューブ及び複数の供給口125を介してインクタンク内のインクをインクジェットヘッド21に供給する。供給口125を通してインクジェットヘッド21へ供給されたインクは、第1インク室116aと連通する第1溝(圧力室)131の一端から第1溝131へ流入する。第1溝131から流出したインクは第2インク室116bへ流れる。第2インク室116bへ流出したインクは、複数の排出口126を介してインクタンクへ排出される。
インク室116に供給されるインクの供給量および排出量は、インク室116内部の空気泡を排出し、且つ、ノズル301からインクが押し出されることがない値に調節される。さらに、インク室116内にインクが滞留しないように、インク室116内のインクは供給口125と排出口126を通ってインク室116とインクタンクとの間を循環する。
印刷データを受信した駆動回路40は、各チャネルに対応する第1電極134及び第2電極135にそれぞれ電位を与えて第1電極134と第2電極135との間に印刷データに応じた電位差を発生させることによりチャネル毎にアクチュエータを駆動する。
図12は、駆動回路40における各信号及びアクチュエータの印加電圧について説明する為のタイミングチャートである。図12に示す時間Ttは、インクの吐出に必要な時間を示す。この時間Ttの中に、インクの吐出の為の準備時間、インクの吐出時間、及び後処理の為の時間が含まれる。図12では、第1電極134の電位に対する第2電極135の電位の差をアクチュエータに印加される印加電圧として示す。
波形生成回路41により生成される主波形は、1つの時間Ttの中でインクの吐出の為の準備時間に相当するタイミングでハイレベルに設定されている。また、波形生成回路41により生成される副波形は、1つの時間Ttの中でインクの吐出時間に相当するタイミングでハイレベルに設定されている。また、チャネル制御回路42により生成されるチャネル制御信号は、時間Ttに相当する長さを最小単位としてハイレベルとローレベルとが切り替えられる。
第1ドライバ43は、主波形がハイレベルである場合に出力端子に接続された第1電極134の電位をGNDに引き下げ、主波形がローレベルである場合に出力端子に接続された第1電極134の電位を駆動電源の電圧Vdに引きあげる。
また、第2ドライバ44は、チャネル制御信号がハイレベルであり副波形がハイレベルである場合に出力端子に接続された第2電極135の電位をGNDに引き下げ、チャネル制御信号がハイレベルであり副波形がローレベルである場合に出力端子に接続された第2電極135の電位を駆動電源の電圧Vdに引き上げる。また、第2ドライバ44は、チャネル制御信号がローレベルである場合、副波形のハイレベル及びローレベルに係らず、出力端子に接続された第2電極135を開放する。これにより、第2電極135の電位は、圧電部材118の静電容量を介して、第1ドライバ43にから出力される主波形によって駆動される第1電極134の電位と同等の電位に引き上げ、又は引下げられる。即ち、チャネル制御信号がローレベルである場合、第2電極135の電位は、第1電極134と同等の電位に追従する。
このようにして制御された第1電極134の電位から第2電極135の電位を引いた電位差がアクチュエータへの印加電圧である。
この結果、図12に示されるように、チャネル制御信号がハイレベルであるチャネルにおいて、主波形がハイレベルであり、副波形がローレベルであるタイミングで第1電極134の電位がGNDに引き下げられ、第2電極135の電位が電圧Vdに引き上げられる。この結果、第1電極134と、第2電極135と、その間の圧電部材118と、から構成されるアクチュエータに対して印加電圧-Vdが印加される。
アクチュエータに対して印加電圧-Vdが印加されると、アクチュエータが第1電極134側から第2電極135側に湾曲する。即ち、第1溝131の側面138を構成する側壁133がそれぞれ第1溝131から第2溝132側に湾曲する。これにより、第1溝131の容積が増加し、第1溝131内の圧力が減少する。この結果、第1溝131に第1インク室116aからインクが流入する。
また、チャネル制御信号がハイレベルであるチャネルにおいて、主波形がローレベルであり、副波形がハイレベルであるタイミングで第1電極134の電位が電圧Vdに引き上げられ、第2電極135の電位がGNDに引き下げられる。この結果、第1電極134と、第2電極135と、その間の圧電部材118と、から構成されるアクチュエータに対して印加電圧+Vdが印加される。
アクチュエータに対して印加電圧+Vdが印加されると、アクチュエータが第2電極135側から第1電極134側に湾曲する。即ち、第1溝131の側面138を構成する側壁133がそれぞれ第2溝132から第1溝131側に湾曲する。これにより、第1溝131の容積が減少し、第1溝131内の圧力が増加する。この結果、第1溝131に連通したノズル301から第1溝131内のインクが吐出する。
一方、チャネル制御信号がローレベルであるチャネルにおいては、第1電極134の電位と第2電極135の電位とが常に一致するので主波形、副波形のレベルに関わらずアクチュエータに電位差は与えられず、インクは吐出しない。このようにしてチャネル制御信号によって選択したチャネルからのみインクをオンデマンド吐出できる。
次に、本実施形態に係るインクジェットヘッドの作用効果について説明する。
上記のような構成によると、インクジェットヘッドは、チャネル毎に設けられた複数の第1電極に対して第1電極毎に設けられた複数の第1ドライバによりそれぞれ電位を与え、各第1電極と圧電部材を挟んで対向して設けられた複数の第2電極に対して第2電極に対応した複数の第2ドライバによりそれぞれ電位を与える。即ち、インクジェットヘッドは、1つのドライバから共通電極によって各第1電極に電位を与えるのではなく、各第1電極、第2電極毎に設けられた各第1ドライバと第2ドライバのセットからそれぞれのチャネルごと独立して各第1電極と第2電極に電位を与える。こうして各圧電部材に共通に駆動波形を与える共通インピーダンス部分を排除している。このため従来の駆動回路のような、圧電部材がいくつ同時駆動されるかによって電圧降下が異なり印刷データの内容に依存して電極に入力される駆動波形に違いが生じてしまうといった問題が起きない。この結果、インクジェットヘッドは、印字内容に関わらず安定した印字を行うことができる。また、濃度ムラ、印字品質の低下を抑え、印刷の信頼性の向上を図ることができる。
また、インクジェットヘッドは、第1電極毎に第1ドライバを備えることにより、共通電極を立体的に配線する必要がなくなる為、製造コストを抑えることができる。
また、インクジェットヘッドは、第1電極と第2電極とに与える電位の組み合わせによって、アクチュエータの動作を三段階で制御することができる。即ち、インクジェットヘッドは、第1ドライバ及び第2ドライバの駆動電源の電圧の0倍、1倍、2倍に相当する振幅でアクチュエータを駆動することができる。アクチュエータの駆動電圧を駆動電源の電圧の最大二倍とすることによって駆動電源の電圧が低くてもアクチュエータの駆動振幅を大きく取ることができ、即ち電圧効率が向上する。また、アクチュエータの動作を三段階で制御することによって吐出速度や吐出体積、吐出後のダンピングなど印字品質や印字速度に関わる吐出特性を効率よくかつ細かく調節することが可能となる。
また、インクジェットヘッドは、各第1電極に電位を与える各第1ドライバを共通した主波形によって駆動することにより、各第1電極に電位を同じ値にすることができる。即ち、インクジェットヘッドは、異なる第1電極間で電位差が生じないように構成されている。これにより、インクジェットヘッドは、第1電極によってインクに対して電位差が与えられることを防ぐことができる。さらに、インクジェットヘッドは、第2電極が設けられた第2溝にインクが流入することを防ぐ壁材が設けられている。これにより、インクジェットヘッドは、第2電極によってインクに対して電位差が与えられることを防ぐことができる。このように構成されたインクジェットヘッドは、インクに対して電位差が与えられることによって、インクに電気化学反応が発生することを防ぐことができる。
なお、上記した実施形態では、インクジェットヘッド21は、第1溝131の一対の側面138を構成する一対の側壁133がそれぞれアクチュエータとして構成されるものとして説明したが、この構成に限定されない。インクジェットヘッドは、第1溝131の一対の側面138を構成する一対の側壁133のうちの一方がアクチュエータとして構成されるものであってもよい。
また、上記した実施形態では、インクジェットヘッド21の第1電極134は、第1溝131の一対の側面138と底面139とに亘って形成されると説明したが、この構成に限定されない。第1電極134は、第1溝131の一対の側面138の全体または一部にそれぞれ形成されていてもよい。この場合、チャネル毎の第1溝131の一対の側面138にそれぞれ形成された第1電極134は、チャネルに対応した第1ドライバ43の出力端子に第1配線136によって接続される。
また、上記した実施形態では、インクジェットヘッド21の駆動回路40は、1つの第2ドライバ44がチャネルに対応する2つの第2電極135に対して電位を与える構成であると説明したが、この構成に限定されない。駆動回路40は、第2電極135毎に第2ドライバ44を備える構成であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲を付加する。
[C1]
表面にそれぞれ一対の側面と底面とから構成される複数の第1溝および複数の第2溝を交互に備えた圧電部材と、
少なくとも前記第1溝の位置に合わせてノズルが配置された前記圧電部材の表面を塞ぐノズルプレートと、
前記第1溝に連通しインクを供給するインク室と、
前記各第1溝の前記一対の側面の少なくとも一方に設けられた第1電極と、
前記各第2溝の前記圧電部材を挟んで前記第1電極と対向した前記側面に設けられた第2電極と、
前記第1電極毎に設けられ且つそれぞれ前記各第1の電極に対して共通した第1駆動波形を入力する複数の第1ドライバと、前記第2電極毎に設けられ且つそれぞれ印刷データに対応した前記第2電極毎の第2駆動波形を前記各第2電極に対して入力する複数の第2ドライバと、を有する駆動回路と、
を具備するインクジェットヘッド。
[C2]
前記第1電極は、前記第1溝を構成する一対の側面に亘って形成され、
前記第2電極は、前記第1溝と隣り合う一対の前記第2溝の前記圧電部材を挟んで前記第1電極と対向した前記側面にそれぞれ形成されるC1に記載のインクジェットヘッド。
[C3]
前記駆動回路は、前記第1溝と隣り合う一対の前記第2溝の前記圧電部材を挟んで前記第1電極と対向した前記側面にそれぞれ形成された一対の前記第2電極に対して共通した第2駆動波形を入力するC2に記載のインクジェットヘッド。
[C4]
前記第2溝は、前記インクが流入しない空隙として構成されるC1に記載のインクジェットヘッド。
[C5]
C1乃至C4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
前記ノズルと対向する位置に記録紙を搬送する搬送装置と、
を具備するインクジェット記録装置。
1…インクジェットプリンター、10…筐体、11…給紙カセット、12…排紙トレイ、13…搬送装置、14…保持ローラ、15…保持装置、16…画像形成装置、17…除電剥離装置、18…反転装置、19…クリーニング装置、21…インクジェットヘッド、31…主制御部、34…搬送制御部、35…印刷データ出力部、40…駆動回路、41…波形生成回路、42…チャネル制御回路、43…第1ドライバ、44…第2ドライバ、51…第1スイッチング素子、52…第2スイッチング素子、61…第1論理素子、62…第2論理素子、63…第3論理素子、64…第1スイッチング素子、65…第2スイッチング素子、100…基材、116…インク室、117…壁材、118…圧電部材、119…絶縁被膜、131…第1溝、132…第2溝、133…側壁、134…第1電極、135…第2電極、136…第1配線、137…第2配線、138…側面、139…底面、140…側面、141…底面、200…枠部材、300…ノズルプレート、301…ノズル、302…表面、400…筐体。

Claims (5)

  1. 複数の第1溝および複数の第2溝を交互に備えた圧電部材と、
    前記圧電部材の表面を塞ぎ、ノズルが配置されたノズルプレートと、
    前記第1溝の側面に設けられた第1電極と、
    記第2溝の前記圧電部材を挟んで前記第1電極と対向した側面に設けられた第2電極と、
    前記第1電極毎に設けられ且つ共通の第1電極の波形を前記第1電極に入力する複数の第1ドライバと、前記第2電極毎に設けられ且つ印刷データに対応した第2電極の波形を前記第2電極に入力する複数の第2ドライバと、を有する駆動回路と、
    を具備するインクジェットヘッド。
  2. 前記第1電極は、前記第1溝を構成する一対の側面に亘って形成され、
    前記第2電極は、前記第1溝と隣り合う一対の前記第2溝の前記圧電部材を挟んで前記第1電極と対向した前記側面にそれぞれ形成される請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記駆動回路の前記複数の第2ドライバは、前記第1溝と隣り合う一対の前記第2溝の前記圧電部材を挟んで前記第1電極と対向した前記側面にそれぞれ形成された一対の前記第2電極が同じ電位になる前記第2電極の波形を、前記第2電極に入力する請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記駆動回路は、前記複数の第2ドライバをオンさせるかオフさせるかを制御するチャネル制御信号を前記複数の第2ドライバに入力し、
    前記複数の第2ドライバは、前記チャネル制御信号によりオンされる場合に、前記第2電極に前記第2電極の波形を入力する請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記ノズルと対向する位置に記録紙を搬送する搬送装置と、
    を具備するインクジェット記録装置。
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