JP6999405B2 - 加飾シートの貼着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加飾シートの貼着方法に関し、詳しくは、所望形状に成形された加飾シートを被加飾体に貼着するための加飾シートの貼着方法に関する。
従来、車両や建造物などの内装や外装に、化粧材などの加飾シートを貼着し、意匠性を付与することが、知られている。より具体的には、例えば、自動車の外装パネル部分の外表面などに、カーボン調にプリントされた加飾シートを貼着し、軽量化された外装パネルのように加飾することが、知られている。
このような加飾シートとしては、例えば、剥離層、粘着層および表皮層を備え、剥離層が形状保持層および易剥離層を備える加飾シートが提案されている。また、そのような加飾シートを、真空成形により所望の形状に成形した後、剥離層を剥離し、露出した粘着層を介して被着体に貼着することが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記した加飾シートの貼着では、通常、水貼り(ウェット工法)が採用される。
水貼り(ウェット工法)では、例えば、界面活性剤の溶液を被着体に塗布し、その塗膜上で加飾シートを位置決めした後、水抜きおよび加圧することによって、被着体に加飾シートを貼着する。ウェット工法によれば、加飾シートの位置決めが容易であり、また、外観に優れた加飾面を得ることができる。
特開2016-168900号公報
しかしながら、ウェット工法では、作業者に熟練度が要求される。一方、実際は、非熟練者による加飾シートの貼り替え作業が要求されている。
そのため、ウェット工法に代替して、作業者の熟練度を必要としない簡易なドライ工法において、外観に優れる加飾面を得ることができる加飾シートの貼着方法が要求されている。
本発明は、作業者の熟練度を必要とせず、簡易な方法で、外観に優れる加飾面を得ることができる加飾シートの貼着方法である。
本発明[1]は、加飾層と前記加飾層の裏面に設けられる粘着層とを備える加飾シートを、被加飾体に貼着する加飾シートの貼着方法であって、前記加飾シートの前記粘着層の裏面に、複数の剥離フィルムを配置する準備工程と、前記複数の剥離フィルムを順次剥離して、前記加飾シートの前記粘着層を前記被加飾体に順次貼着する貼着工程とを備え、前記準備工程では、前記複数の剥離フィルムのそれぞれを、剥離方向に沿って順次配置するとともに、各剥離フィルムにおいては、その剥離方向下流側端部に、仮止めのために前記粘着層が一部露出するように、前記剥離フィルムを前記粘着層の裏面に配置し、前記貼着工程では、まず、各前記剥離フィルムにおいて、仮止めのために露出している前記粘着層を前記被加飾体に貼着することにより、前記被加飾体に対して前記加飾シートを位置決めし、次いで、前記複数の剥離フィルムを順次剥離しながら、前記加飾シートの前記粘着層を前記被加飾体に順次貼着する、加飾シートの貼着方法を含んでいる。
本発明[2]は、前記準備工程では、前記粘着層に対して各前記剥離フィルムを配置するときに、前記剥離フィルムの剥離時に前記剥離フィルムを把持できるタブができるように、前記剥離フィルムの前記剥離方向上流側端縁を、前記粘着層に対して離隔させるとともに、各前記剥離フィルムの下流側端縁を折り返すことにより、前記仮止めのために前記粘着層を露出させる、上記[1]に記載の加飾シートの貼着方法を含んでいる。
本発明の加飾シートの貼着方法では、加飾シートの粘着層に複数の剥離フィルムを剥離方向に沿って順次配置し、各剥離フィルムの剥離方向下流側端部において粘着層の一部をそれぞれ露出させ、各露出面によって被加飾体に仮止めし、その後、剥離フィルムを順次剥離しながら、加飾シートを被加飾体に順次貼着する。
このような加飾シートの貼着方法では、ドライ工法が採用されるため、ウェット工法が採用される場合のような作業者の熟練度を必要とせず、簡易である。
また、上記の加飾シートの貼着方法では、1つの被加飾体に対して複数の剥離フィルムを使用するため、1つの被加飾体に対して1つの剥離フィルムを使用する場合に比べて、貼着範囲をより小さい区画に分けることができ、その区画毎に貼着することができる。そして、各区画の貼着時には、各剥離フィルムの剥離方向下流側端部において、貼着層の露出面によって加飾シートが仮止めされているため、各剥離フィルムの剥離中における加飾シートの位置ずれを抑制でき、さらには、各剥離フィルムの剥離後、次の剥離フィルムを剥離する前に、加飾シートの貼着位置を微調整することができる。
そのため、上記の加飾シートの貼着方法によれば、より確実に位置決めして、外観に優れる加飾面を得ることができる。
図1は、本発明の加飾シートの貼着方法に使用される未成形加飾シートの一実施形態を示す概略構成図である。 図2は、未成形加飾シートの他の実施形態を示す概略構成図である。 図3は、加飾シートの成形方法を示す概略工程図であって、図3Aは、未成形加飾シートを用意する工程、図3Bは、未成形加飾シートを加熱する工程、図3Cは、未成形加飾シートを真空成形する工程、および、図3Dは、成形加飾シートを真空成形型から取り外す工程を、それぞれ示す。 図4は、本発明の加飾シートの貼着方法の一実施形態を示す概略工程図であって、図4Aは、加飾シートから離型層を剥離し、粘着面を露出させる工程、図4Bは、加飾シートの粘着面の裏面に、複数の剥離フィルムを配置する工程、および、図4Cは、剥離フィルムの剥離方向下流側端縁を折り返すことにより、粘着層を一部露出させる工程を、それぞれ示す。 図5は、図4に続いて、加飾シートの貼着方法を示す概略工程図であって、図5Aは、加飾シートを被加飾体に位置合わせし、粘着層により仮止めする工程、図5Bは、図5Aに示す工程における加飾シートの要部拡大図、および、図5Cは、剥離フィルムを剥離させる工程、を、それぞれ示す。 図6は、被加飾体を加飾する加飾シートの概略図であって、図6Aは、被加飾体を加飾する加飾シートの要部拡大図を示し、図6Bは、図6Aに示す加飾シートの全体図を示す。
図1において、加飾シート1は、剥離層2と、剥離層2の表面に配置される粘着層3と、粘着層3の表面に配置される加飾層としての表皮層4とを備えている。
なお、加飾シート1は、後述する方法により成形加工された後、剥離層2が剥離されて、被着体に貼着される。
以下において、成形前の加飾シート1を、未成形加飾シート1Aとする。また、成形後の加飾シート1を、成形加飾シート1Bとする。
剥離層2は、粘着層3を保護するとともに表皮層4を支持するために、粘着層3に貼着されるとともに、粘着層3から容易に剥離可能とされるシート部材であって、形状保持層5の上面に配置され、形状保持層5と、粘着層3および形状保持層5の間に介在される易剥離層6とを備えている。
形状保持層5は、未成形加飾シート1Aを、後述するように成形する場合に、所望の形状を保持するために、剥離層2に備えられている。
形状保持層5は、例えば、面方向に(厚み方向に対する直交方向、すなわち、左右方向および前後方向)に延びるシート形状をなし、平面視略矩形状を有している。
形状保持層5としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔などが挙げられ、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。形状保持層5として、好ましくは、樹脂シートが挙げられる。
また、形状保持層5としては、収縮率および軟化開始温度が、所定範囲であるものが、選択される。
より具体的には、形状保持層5の収縮率は、例えば、0/1000以上、好ましくは、1/1000以上、より好ましくは、2/1000以上、さらに好ましくは、4/1000以上であり、例えば、9/1000以下、好ましくは、8/1000以下、より好ましくは、6/1000以下である。
なお、収縮率は、JIS K 7152(1999年)に準拠して測定される(以下同様)。
また、形状保持層5の軟化開始温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、80℃以上、より好ましくは、95℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、110℃以下、より好ましくは、105℃以下である。
なお、軟化開始温度は、測定対象を無負荷状態で加熱したときに変形が開始する温度であり、JIS K 7196(1999年)に準拠して測定される。
また、形状保持層5としては、好ましくは、熱変形温度が、所定範囲であるものが、選択される。
また、形状保持層5の熱変形温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、85℃以上、より好ましくは、95℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、110℃以下である。
なお、熱変形温度は、測定対象を有負荷状態で加熱したときに変形が開始する温度であり、ASTM D648に準拠して測定される。
具体的には、熱変形温度は、上記試験法の規格に決められた荷重(4.6kg/cm)を与えた状態で、測定対象を昇温し、たわみの大きさが所定の値になる温度を示す(以下同様)。
なお、形状保持層5が樹脂シートである場合、収縮率、軟化開始温度および熱変形温度は、樹脂シートを構成する樹脂の種類や、その構造などにより異なる。
そのため、形状保持層5として、好ましくは、上記範囲の収縮率、軟化開始温度および熱変形温度を有する樹脂シートが、選択される。
形状保持層5(樹脂シート)を構成する樹脂として、具体的には、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA、収縮率7/1000~9/1000、軟化開始温度89~113℃、熱変形温度77~81℃)などの結晶性樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS、収縮率0/1000~9/1000、軟化開始温度95~105℃、熱変形温度95~110℃)、ポリスチレン(PS、収縮率4/1000~7/1000、軟化開始温度95~105℃、熱変形温度70~90℃)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS、収縮率2/1000~7/1000、軟化開始温度110~120℃、熱変形温度87~104℃)、ポリ塩化ビニル(PVC、収縮率1/1000~5/1000、軟化開始温度65~85℃、熱変形温度54~74℃)などの非晶性樹脂などが挙げられる。
これら形状保持層5を構成する樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
形状保持層5を構成する樹脂として、好ましくは、非晶性樹脂が挙げられ、より好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)が挙げられる。換言すれば、形状保持層5として、好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂からなる樹脂シートが挙げられる。
形状保持層5として、上記の樹脂シートを用いれば、優れた形状保持性を得ることができる。
形状保持層5の厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上、より好ましくは、300μm以上であり、例えば、800μm以下、好ましくは、600μm以下、より好ましくは、500μm以下である。
易剥離層6は、粘着層3に対して易剥離性を有するシート部材であって、剥離層2(形状保持層5)を粘着層3から剥離するために備えられている。
易剥離層6は、例えば、面方向に延びるシート形状をなし、平面視略矩形状を有している。
易剥離層6としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔などが挙げられ、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。易剥離層6として、好ましくは、樹脂シートが挙げられる。
なお、易剥離層6の収縮率、軟化開始温度および熱変形温度は、特に制限されず、適宜選択される。
このような易剥離層6(樹脂シート)を構成する樹脂として、具体的には、例えば、ポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン(PE、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA、ナイロン6、ナイロン6,6など)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの結晶性樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチルエステル(PMMA)などの非晶性樹脂などが挙げられる。
これら易剥離層6を構成する樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
易剥離層6を構成する樹脂として、好ましくは、結晶性樹脂、より好ましくは、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。
易剥離層6を構成する樹脂として、上記の樹脂を用いれば、優れた易剥離性を得ることができる。
易剥離層6の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上、より好ましくは、50μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、80μm以下、より好ましくは、60μm以下である。
また、易剥離層6の厚みは、形状保持層5の厚みに対して、例えば、1%以上、好ましくは、5%以上、より好ましくは、10%以上であり、例えば、50%以下、好ましくは、30%以下、より好ましくは、20%以下である。
易剥離層6は、公知の方法で、形状保持層5に積層される。具体的には、例えば、形状保持層5と易剥離層6とを公知の接着剤(図示せず)によって接着させればよい。これにより、易剥離層6と形状保持層5とが貼り合わされ、離型層2が得られる。
離型層2の厚み(形状保持層5と易剥離層6との総厚み)は、例えば、150μm以上、好ましくは、200μm以上、より好ましくは、350μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下、より好ましくは、600μm以下である。
粘着層3は、例えば、公知の粘着剤から形成される。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤、ゴム系粘着剤などが挙げられる。
これら粘着剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
粘着剤として、好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられる。
アクリル系粘着剤は、例えば、(メタ)アクリル系アルキルエステルを主成分とする粘着剤であって、公知の方法により得ることができる。
また、粘着剤の形態は、特に制限されず、例えば、固形粘着剤、溶剤系粘着剤、エマルジョン系粘着剤、オリゴマー系粘着剤など、種々の形態を採用することができる。
離型層2に粘着層3を積層する方法としては、特に制限されず、例えば、離型層2の表面に、公知の方法で粘着剤を塗布し、必要により加熱する。これにより、離型層2の表面に、粘着層3が積層される。
粘着層3の表面は、粘着性(表面タック性)を有する。
粘着層3の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、70μm以下である。
表皮層4は、詳しくは後述するように、未成形加飾シート1Aから得られる成形加飾シート1B(後述)が被着体(後述)に貼着される場合に、被着体(後述)に意匠性を付与するために、備えられている。
表皮層4は、例えば、面方向に延びるシート形状をなし、平面視略矩形状を有している。
表皮層4としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔などが挙げられ、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。表皮層4として、好ましくは、樹脂シートが挙げられる。
また、表皮層4は、収縮率および軟化開始温度が所定範囲となるよう、選択される。
表皮層4の収縮率は、例えば、0/1000以上、好ましくは、2/1000以上、より好ましくは、4/1000以上であり、例えば、9/1000以下、好ましくは、8/1000以下、より好ましくは、5/1000以下である。
また、表皮層4の収縮率は、形状保持層5の収縮率と同程度であることが好ましく、表皮層4の収縮率と、形状保持層5の収縮率との差は、例えば、10/1000以下、好ましくは、6/1000以下、より好ましくは、5/1000以下であり、通常、0/1000以上である。
また、表皮層4の軟化開始温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、63℃以上、より好ましくは、65℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下、より好ましくは、85℃以下である。
また、表皮層4の軟化開始温度は、形状保持層5の軟化開始温度よりも低いことが好ましく、表皮層4の軟化開始温度と形状保持層5の軟化開始温度との差は、例えば、10℃以上、好ましくは、15℃以上であり、通常、200℃以下である。
また、表皮層4としては、好ましくは、熱変形温度が、所定範囲であるものが、選択される。
また、表皮層4の熱変形温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、52℃以上、より好ましくは、54℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、100℃以下、さらに好ましくは、74℃以下である。
また、表皮層4の熱変形温度は、形状保持層5の熱変形温度よりも低いことが好ましく、表皮層4の熱変形温度と、形状保持層5の熱変形温度との差は、例えば、10℃以上、好ましくは、15℃以上、より好ましくは、20℃以上であり、通常、200℃以下である。
なお、表皮層4が樹脂シートである場合、収縮率、軟化開始温度および熱変形温度は、樹脂シートを構成する樹脂の種類や、その構造などにより異なる。
そのため、表皮層4として、好ましくは、上記範囲の収縮率、軟化開始温度および熱変形温度を有する樹脂シートが、選択される。
表皮層4(樹脂シート)を構成する樹脂として、具体的には、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA、収縮率7/1000~9/1000、軟化開始温度89~113℃、熱変形温度77~81℃)などの結晶性樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS、収縮率0/1000~9/1000、軟化開始温度95~105℃、熱変形温度95~110℃)、ポリスチレン(PS、収縮率4/1000~7/1000、軟化開始温度95~105℃、熱変形温度70~90℃)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS、収縮率2/1000~7/1000、軟化開始温度110~120℃、熱変形温度87~104℃)、ポリ塩化ビニル(PVC、収縮率1/1000~5/1000、軟化開始温度65~85℃、熱変形温度54~74℃)などの非晶性樹脂などが挙げられる。
これら表皮層4を構成する樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
表皮層4を構成する樹脂として、好ましくは、結晶性樹脂が挙げられ、より好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられる。
表皮層4として、上記の樹脂シートを用いれば、優れた形状保持性を得ることができる。
表皮層4の厚みは、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上、より好ましくは、150μm以上であり、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下、より好ましくは、200μm以下である。
また、表皮層4の厚みは、粘着層3の厚みに対して、例えば、100%以上、好ましくは、200%以上、より好ましくは、300%以上であり、例えば、600%以下、好ましくは、500%以下、より好ましくは、400%以下である。
また、表皮層4の厚みは、剥離層2の厚みに対して、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上、より好ましくは、30%以上であり、例えば、70%以下、好ましくは、60%以下、より好ましくは、50%以下である。
表皮層4は、公知の方法で、粘着層3の表面に積層される。これにより、剥離層2と表皮層4とが粘着層3を介して貼り合わされ、未成形加飾シート1Aが得られる。
また、図1において破線で示すように、未成形加飾シート1Aは、さらに、コート層7を備えることができる。
コート層7は、例えば、表皮層4を保護するために、表皮層4の表面に配置される。
コート層7は、例えば、公知のコーティング剤から形成される。
コーティング剤としては、例えば、アクリル系コーティング剤、ウレタン系コーティング剤、フッ素系コーティング剤、シリコーン系コーティング剤などが挙げられる。
これらコーティング剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
コーティング剤として、好ましくは、フッ素系コーティングが挙げられる。
コート層7の積層方法としては、特に制限されず、例えば、表皮層4の表面に、公知の方法でコーティング剤を塗布および乾燥させればよい。これにより、表皮層4の表面に、コート層7が積層される。また、表皮層4とは別途、コート層7を形成し、そのコート層7を、接着剤などによって表皮層4に積層することもできる。
また、例えば、コート層7として樹脂フィルム(例えば、アクリル系樹脂フィルム、ウレタン系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム、シリコーン系樹脂フィルムなど)を用いることもできる。そのような場合、コート層7(樹脂フィルム)は、必要により接着剤を介して、表皮層4に貼着される。
コート層7の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、70μm以下である。
また、未成形加飾シート1Aの厚み(総厚み)は、例えば、300μm以上、好ましくは、400μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、700μm以下である。
このような未成形加飾シート1Aには、意匠性の向上を図るため、任意の柄や模様を、公知の方法で付与することができる。例えば、表皮層4と粘着層3との間や、表皮層4とコート層7との間などに、任意の柄や模様を有する意匠層(図示せず)を介在させることができ、また、表皮層4やコート層7を直接加工し、任意の柄や模様を付与することもできる。
そして、このような未成形加飾シート1Aは、形状保持層5の収縮率、および、表皮層4の収縮率が、ともに、0/1000~9/1000であり、形状保持層5の軟化開始温度、および、表皮層4の軟化開始温度が、ともに、60℃以上120℃以下であるため、成形時において、所望外の形状に変形することや、破損を抑制することができる。
また、上記した説明では、粘着層3および形状保持層5の間に、易剥離層6が介在されているが、例えば、易剥離層6を用いることなく、未成形加飾シート1Aを得ることもできる。
図2において、未成形加飾シート1Aは、剥離層2と、剥離層2の表面に配置される粘着層3と、粘着層3の表面に配置される表皮層4とを備えている。そして、図2において、剥離層2は、易剥離層6を備えておらず、形状保持層5のみからなる。
そして、図2において、形状保持層5は、易剥離性を有している。
より具体的には、易剥離性の形状保持層5は、粘着層3に対して易剥離性を有するシート、すなわち、粘着層3から容易に剥離可能なシートであって、かつ、未成形加飾シート1Aを成形する場合(例えば、加熱成形する場合)などに、所望の形状を保持し、未成形加飾シート1Aが所望形状とは異なる形状に変形することを抑制するためのシートである。
易剥離性の形状保持層5は、上記の形状保持層5(好ましくは、樹脂シート)から、粘着層3に対して易剥離性を有するものが、適宜選択される。
また、易剥離性の形状保持層5としては、上記の形状保持層5(好ましくは、樹脂シート)の表面(粘着層3の接触面)に、公知の易剥離処理を施して用いることもできる。
易剥離処理としては、例えば、公知のフッ素処理などが挙げられる。
易剥離性の形状保持層5を用いれば、粘着層3および形状保持層5の間に易剥離層6を介在させることなく、未成形加飾シート1Aを得ることができるため、製造コストおよび工数を削減することができる。
そして、未成形加飾シート1Aは、3次元形状に立体加工された成形加飾シート1B(図3D参照)の製造において、好適に用いられる。すなわち、成形加飾シート1B(図3D参照)は、上記の未成形加飾シート1Aを成形することにより、得ることができる。
成形方法としては、特に制限されず、真空成形、熱プレス成形などの加熱成形などが挙げられ、好ましくは、真空成形が挙げられる。真空成形によれば、より効率よく、成形シートを得ることができる。
以下において、真空成形法による成形シートの製造方法について、詳述する。
より具体的には、この方法では、まず、図3Aに示すように、上記の未成形加飾シート1Aを用意する(準備工程)。
また、準備工程では、未成形加飾シート1Aを成形するための真空成形型11を、用意する。
真空成形型11は、公知の金型である。真空成形型11の形状は、特に制限されないが、未成形加飾シート1Aの張り付き面(すなわち、後述するように未成形加飾シート1Aが真空成形型11に対して張り付くときに、未成形加飾シート1Aと真空成形型11とが接触する面(図3C参照))が、被着体(後述)における成形加飾シート1Bの貼着面と、同形状であることが好ましい。
次いで、この方法では、上記未成形加飾シート1Aを、上記の真空成形型11を用いて、真空成形する。
より具体的には、この方法では、図3Bに示すように、未成形加飾シート1Aの表皮層4側、および、剥離層2側が、それぞれ加熱(予熱)される。
加熱温度(予熱温度)は、未成形加飾シート1Aの材料に応じて、適宜設定される。例えば、未成形加飾シート1Aの表皮層4が樹脂シートである場合、樹脂シートの軟化開始温度(および必要により熱変形温度)に応じて、表皮層4側の加熱温度が設定される。また、未成形加飾シート1Aの剥離層2が樹脂シートである場合、樹脂シートの軟化開始温度(および必要により熱変形温度)に応じて、剥離層2側の加熱温度が設定される。
より具体的には、例えば、表皮層4の軟化開始温度が、形状保持層5の軟化開始温度よりも低い場合、好ましくは、表皮側4側の加熱温度(図2の紙面上側)が、剥離層2側の加熱温度(図2の紙面下側)よりも低くなるように、設定される。
このような場合において、表皮層4側の加熱温度は、例えば、110℃以上、好ましくは、120℃以上、より好ましくは、123℃以上であり、例えば、140℃未満、好ましくは、130℃未満、より好ましくは、127℃以下である。
また、剥離層2側の加熱温度は、例えば、120℃以上、好ましくは、130℃以上、より好ましくは、133℃以上であり、例えば、150℃以下、好ましくは、140℃以下、より好ましくは、137℃以下である。
加熱温度が上記範囲であれば、より効率よく成形加飾シート1Bを得ることができる。
また、加熱時間は、例えば、60秒以上、好ましくは、70秒以上であり、例えば、150秒以下、好ましくは、100秒以下である。
このような加熱により、未成形加飾シート1Aが軟化され、成形可能とされる。
次いで、この方法では、図3Cに示すように、未成形加飾シート1Aを、真空成形型11に真空圧着させ、真空成形する。
より具体的には、この工程では、未成形加飾シート1Aが真空成形型11の上に載置され、その後、減圧手段(図示せず)によって減圧され、未成形加飾シート1Aと真空成形型11との間の空気が抜かれる。
また、真空成形において、好ましくは、真空成形型11が、例えば、70~90℃(好ましくは、80℃)に加熱される。
その結果、未成形加飾シート1Aが、大気圧によって真空成形型11に張り付き、その接触面において、未成形加飾シート1Aが、真空成形型11の形状に沿って変形される。これにより、成形加飾シート1Bが得られる。このとき、被着体(後述)と同寸法および同形状の真空成形型11を用いていれば、上記の真空成形により、被着体(後述)と同寸法および同形状の成形加飾シート1Bが得られる。
その後、この方法では、得られた成形加飾シート1Bが放冷され、図3Dに示すように、真空成形型11から取り外される。また、必要に応じて、成形加飾シート1Bから、不要部分が切除される(破線参照)。
このようにして得られる成形加飾シート1Bは、上記の未成形加飾シート1Aを用いて得られるため、加工性に優れ、さらには、取り付け時の作業性にも優れる。
また、上記の成形加飾シート1Bの製造方法によれば、成形加飾シート1Bを、効率よく製造することができる。
そして、得られる成形加飾シート1Bは、図1~図2が参照されるように、加飾層としての表皮層4と、その表皮層4の裏面に設けられる粘着層3と、その粘着層3の裏面に設けられる離型層2とを備えている。そのため、成形加飾シート1Bは、粘着層3を介して表皮層4を被着体に貼着することにより、被着体を加飾することができる。
より具体的には、成形加飾シート1Bの離型層2が剥離され、次いで、粘着層3を介して、表皮層4が被着体に圧着(貼着)される。これにより、被着体に成形加飾シート1Bが貼着され、被着体に対して、意匠性が簡易に付与される。
被着体は、成形加飾シート1Bにより加飾される被加飾体であって、特に制限されず、例えば、自動車のバンパー、ルーフパネル、サイドパネル、スポイラー、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラーなどの自動車内外装材、その他、建造物の内外装材などが挙げられる。好ましくは、自動車外装材が挙げられる。
以下において、成形加飾シート1B(以下、単に加飾シート1と称する。)を、被加飾体としての自動車外装材(例えば、ルーフパネル、スポイラーなど)20に貼着する方法について、図4~図5を参照して詳述する。
図4~図5において、加飾シート1は、長手方向に沿って伸びるテーパー形状を有しており、自動車外装材20の加飾デザインに合わせて、例えば、断面が円弧状を有する3次元形状に立体加工されている。また、図4Aにおいて、加飾シート1は、拡大断面図として示されるように、表面側(表皮層4側)が紙面下側を向き、裏面側(剥離層2側)が紙面上側を向くように、配置されている。
そして、この加飾シート1の貼着方法では、まず、図4Aにおいて仮想線で示すように、加飾シート1の離型層2を剥離して、粘着層3を露出させる。離型層2を剥離する方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。
離型層2が剥離された加飾シート1は、図4Aにおいて拡大断面図として示されるように、加飾層としての表皮層4と、その裏面(紙面上側)に設けられる粘着層3とを備えており、また、必要により、表皮層4の表側(紙面下側)に、コート層7を備えている。
次いで、この方法では、図4Bに示すように、露出された粘着層3の裏面に、複数の剥離フィルム15を配置する(準備工程)。
剥離フィルム15は、粘着層3を一時的に被覆し、後述する貼着工程において、所定方向(剥離方向)に沿って剥離される樹脂フィルムである。
剥離フィルム15としては、特に制限されないが、易剥離性の観点から、好ましくは、可撓性の樹脂フィルムが挙げられる。また、作業性の観点から、好ましくは、透明樹脂フィルムおよび/または半透明樹脂フィルムが挙げられる。
剥離フィルム15として、より具体的には、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルムなどが挙げられ、好ましくは、ポリプロピレンフィルムが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
剥離フィルム15の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、この準備工程では、図4Aに示されるように、粘着層3の裏面が上側を向くように加飾シート1が載置され、図4Bに示されるように、粘着層3の裏面に複数の剥離フィルム15が、後述する剥離方向に沿って順次配置される。
これにより、粘着層3の裏面には、各剥離フィルム15と接触する領域(配置領域)が、複数区画される。
また、この準備工程では、剥離フィルム15の剥離時(後述)において、剥離フィルム15を把持できる把持タブ16(後述)ができるように、剥離フィルム15を配置する。
より具体的には、例えば、剥離フィルム15を粘着層3上に配置する前に、剥離フィルム15の剥離方向上流側端部を、任意の幅で、剥離フィルム15の裏面側(紙面上側)に向けて折り返す。そして、その折り目を有する剥離フィルム15を、図4BにおいてA-A断面を拡大して示すように、粘着層3上に配置する。
これにより、剥離フィルム15の剥離方向上流側端縁17を、粘着層3に対して離隔させる。剥離フィルム15の粘着層3に対して離隔した部分は、後述する貼着工程において、把持タブ16として扱われる。
なお、把持タブ16は、図4Bにおいて実線で示されるように、剥離フィルム15の剥離方向下流側に向けて折り返されていてもよく、また、図4Bにおいて仮想線で示されるように、剥離フィルム14の上流側端縁17が、剥離フィルム15および粘着層3の接触部分の上流側端部よりも、さらに上流側に配置されていてもよい。
また、複数の剥離フィルム15は、剥離方向上流側および下流側において、隣接する剥離フィルム15と一部重複するように、配置される。
より具体的には、図4BにおいてA-A断面を拡大して示すように、剥離フィルム15Aの剥離方向下流側端部は、剥離方向下流側において隣接する剥離フィルム15Bの剥離方向上流側端部(把持タブ16)と、厚み方向において重複する。
すなわち、剥離フィルム15の剥離方向下流側端縁18も、粘着層3に対して離隔している。これにより、剥離フィルム15の剥離効率の向上を図ることができる。
また、この準備工程では、図4Cに示すように、各剥離フィルム15の剥離方向下流側端縁を剥離フィルム15の裏面側(紙面上側)に向けて折り返し、これにより、粘着層3を一部露出させる。
より具体的には、図4Cにおいて、丸Bとして示すように、剥離フィルム15の剥離方向下流側の角部を剥離フィルム15の内側へ向けて折り返すことにより、その下面の粘着層3を、平面視略三角形状に露出させる。
また、図示しないが、例えば、剥離フィルム15を部分的に裁断し、粘着層3の裏面から除去することにより、粘着層3を露出させることもできる。
粘着層3の露出部分3Aは、後述する貼着工程において、加飾フィルム1を自動車外装材20に仮止め(位置決め)するために使用される。
換言すれば、上記の準備工程では、複数の剥離フィルム15は、それぞれ、剥離方向上流側において把持タブ16を形成し、かつ、剥離方向下流側において仮止めのための粘着層3を露出させるように、粘着層3の裏面(紙面上側)に配置される。
次いで、この方法では、図5に示すように、複数の剥離フィルム15を順次剥離して、加飾シート1の粘着層3を、自動車外装材20に順次貼着する(貼着工程)。
より具体的には、貼着工程では、まず、図5Aおよび図5Bに示すように、加飾シートをひっくり返して、剥離フィルム15が自動車外装材20に対して接触するように、加飾シート1を自動車外装材20に位置合わせする。
そして、仮止めのために露出している全ての粘着層3(丸B参照)を、自動車外装材20に貼着することにより、自動車外装材20に対して加飾シート1を位置決めおよび仮止めする。
このとき、粘着層3の露出部分3Aは、図4Cに示すように、1つの加飾シート1に対して複数存在するため、それら複数の露出部分3Aによって、加飾シート1が、より正確に仮止めされる。
次いで、この方法では、図5Cに示すように、複数の剥離フィルム15を順次剥離しながら、加飾シート1の粘着層3を、自動車外装材20に順次貼着する。
より具体的には、剥離フィルム15の把持タブ16を把持して、図5Cに矢印Cとして示すように、自動車外装材20の長手方向に沿って(例えば、前側から後側に向けて)、剥離フィルム15を徐々に粘着層3から剥離させる。
このとき、剥離フィルム15の剥離によって粘着層3が露出した加飾シート1を、必要に応じて、図示しないスキージーなどを使用して、自動車外装材20に圧着させる。また、必要に応じて、図示しないドライヤーなどを使用して、加飾シート1を軟化させながら、自動車外装材20に圧着させる。これにより、加飾シート1を自動車外装材20に固定する。
そして、剥離フィルム15を剥離し、剥離方向下流側端縁における仮止め位置(丸B参照)に到達すると、剥離フィルム15を除去して、剥離フィルム15の下流側端部における仮止め位置(丸B参照)に合わせて、加飾シート1の貼着位置を微調整する。
その後、剥離方向下流側(後側)において隣接する剥離フィルム15を、上記と同様に剥離させ、加飾シート1を自動車外装材20に圧着させる。また、剥離フィルム15が1枚剥離される毎に、剥離フィルム15の下流側端部における仮止め位置(丸B参照)に合わせて、加飾シート1の貼着位置を微調整する。
このようにして、複数の剥離フィルム15を順次剥離しながら、加飾シート1の粘着層3を自動車外装材20に順次貼着する。これにより、加飾シート1を、より正確に、仮止め位置にあわせて位置決めして、自動車外装材20に貼着することができる。その結果、図6Aおよび図6Bに示すように、自動車外装材20を良好に加飾することができる。
そして、このような加飾シート1の貼着方法によれば、作業者の熟練度を必要とせず、簡易なドライ工法において、3次元形状に加工された大きな加飾シート1を自動車外装材20に貼着することができ、外観に優れる加飾面を得ることができる。
つまり、このような加飾シート1の貼着方法では、上記したように、加飾シート1の粘着層3に複数の剥離フィルム15を剥離方向に沿って順次配置し、各剥離フィルムの剥離方向下流側端部において粘着層3の一部をそれぞれ露出させ、各露出面によって自動車外装材20に仮止めし、その後、剥離フィルムを順次剥離しながら、加飾シート1を自動車外装材20に順次貼着する。
このような加飾シート1の貼着方法では、ドライ工法が採用されるため、ウェット工法が採用される場合のような作業者の熟練度を必要とせず、簡易である。
また、上記の加飾シート1の貼着方法では、1つの自動車外装材20に対して複数の剥離フィルム15を使用するため、1つの自動車外装材20に対して1つの剥離フィルム15を使用する場合に比べて、貼着範囲をより小さい区画に分けることができ、その区画毎に貼着することができる。そして、各区画の貼着時には、各剥離フィルム15の剥離方向下流側端部において、貼着層3の露出面によって加飾シート1が仮止めされているため、各剥離フィルム15の剥離中における加飾シート1の位置ずれを抑制でき、さらには、各剥離フィルム15の剥離後、次の剥離フィルム15を剥離する前に、加飾シート1の貼着位置を微調整することができる。
そのため、上記の加飾シート1の貼着方法によれば、より確実に位置決めして、外観に優れる加飾面を得ることができる。
なお、このような加飾シート1の貼着方法では、図示しないが、例えば、離型層2を剥離する前に(つまり、粘着層3が離型層2に被覆された状態で)、加飾シート1を自動車外装材20に対して位置合わせし、加飾位置に目印を付けることができる。
目印を付ける方法としては、特に制限されないが、例えば、加飾シート1を自動車外装材20に対して位置合わせした状態で、加飾シート1から自動車外装材20にわたって、マスキングテープなどを割印状に貼着する。このように目印を付けることにより、一度、加飾シート1を自動車外装材20から離した後であっても、割印状のマスキングテープを合わせるようにして、加飾シート1を自動車外装材20に対して同位置に配置することができる。
このような場合、加飾位置の目印に従って、加飾シート1を位置合わせして、上記した方法で、粘着層3の露出部分3Aにより仮止めし、また、剥離フィルム15を剥離して、微調整しながら加飾シート1を自動車外装材20に貼着させる。これにより、さらに正確に加飾シート1を貼着することができ、簡易に外観に優れる加飾面を得ることができる。
そのため、上記の加飾シート1の貼着方法は、意匠性を要する各種産業分野、具体的には、自動車などの車両、さらには、建造物、家具などの各種外装分野および内装分野において、好適に用いられる。
なお、上記した説明では、真空成形により3次元成形された加飾シート1を被加飾体に貼着しているが、例えば、未成形の加飾シート1を貼着してもよく、さらには、加飾シート1を平面加工(裁断など)して貼着してもよい。
1 加飾シート
3 粘着層
4 表皮層
5 形状保持層
15 剥離シート
20 自動車外装材

Claims (2)

  1. 加飾層と前記加飾層の裏面に設けられる粘着層とを備える加飾シートを、被加飾体に貼着する加飾シートの貼着方法であって、
    前記加飾シートの前記粘着層の裏面に、複数の剥離フィルムを配置する準備工程と、
    前記複数の剥離フィルムを順次剥離して、前記加飾シートの前記粘着層を前記被加飾体に順次貼着する貼着工程とを備え、
    前記準備工程では、
    前記複数の剥離フィルムのそれぞれを、剥離方向に沿って順次配置するとともに、
    各剥離フィルムにおいては、その剥離方向下流側端部に、仮止めのために前記粘着層が一部露出するように、前記剥離フィルムを前記粘着層の裏面に配置し、
    前記粘着層に対して各前記剥離フィルムを配置するときに、
    前記剥離フィルムの剥離時に前記剥離フィルムを把持できるタブができるように、前記剥離フィルムの前記剥離方向上流側端縁を、前記粘着層に対して離隔させ、
    前記貼着工程では、
    まず、各前記剥離フィルムにおいて、仮止めのために露出している前記粘着層を前記被加飾体に貼着することにより、前記被加飾体に対して前記加飾シートを位置決めし、
    次いで、前記複数の剥離フィルムを順次剥離しながら、前記加飾シートの前記粘着層を前記被加飾体に順次貼着する
    ことを特徴とする、加飾シートの貼着方法。
  2. 前記準備工程では
    各前記剥離フィルムの下流側端縁を折り返すことにより、前記仮止めのために前記粘着層を露出させる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の加飾シートの貼着方法。
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