JP6999131B2 - 活性炭の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性炭の製造方法に関する。
活性炭は、微細孔が発達し細孔表面積が大きいという特徴から、下水処理、廃液処理、電気二重層キャパシタ用電極、ガスセンサー電極、及び排ガス処理等に用いられる吸着材料、触媒担体等として用いられるものであり、その微細孔をより高度に発達させるために、通常では、炭素化した微細孔を有する多孔質の炭素材料に対して、さらに、水蒸気雰囲気下で加熱する賦活処理を行うことがある。
また、多孔質の炭素材料としては、椰子殻等の木質材料を炭素化処理したものが一般的に用いられているが、近年、フェノール類化合物とアルデヒド類化合物とを水溶媒中でゾル-ゲル反応により重合して得られる有機ヒドロキシゲルを乾燥してクライオゲルを得、該クライオゲルを炭素化処理することにより製造することができる多孔質の炭素材料が知られている(特許文献1等)。
また、本発明者らは、このような炭素材料として賦活処理することなく、三次元的ネットワークを有し、かつBET表面積が500~1000m/gであり、平均メソ細孔直径が2~50nmであり、メソ細孔容積が0.5~2ml/gであるものを製造する方法を開発している(特許文献2)。さらに、このようにして得られた炭素材料に二酸化炭素を賦活剤とするガス賦活により効率的にミクロ孔を導入できることを確認している(非特許文献1)。
特開2002-003211号公報 特開2013-159515号公報
T. Tsuchiya, T. Mori, S. Iwamura, I. Ogino, S. R. Mukai, Binderfree synthesis of high-surface-area carbon electrodes via CO2 activation of resorcinol-formaldehyde carbon xerogel disks: Analysis of activation process, Carbon, 76 (2014) 240-249.
しかし、上述の非特許文献1の炭素材料は、マクロ孔の割合が多くなり、メソ孔、ミクロ孔が成長し、種々の用途において優れた物性(物質の吸着能力等)が期待されるようになってきているものの、製造効率の面で改善の余地があった。すなわち、賦活処理を行う場合に、処理工程に多くのエネルギーと時間を要するため、より効率よく賦活処理を行える活性炭の製造方法が求められている。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、物性の優れた活性炭を、より効率よく製造する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の活性炭の製造方法の特徴構成は、
有機ヒドロキシゲルを炭素化させて得られる炭素材料に対して、二酸化炭素を賦活用ガスとしてマイクロ波照射する賦活工程を行い、前記賦活工程により得られる活性炭が、BET比表面積が1500m /g以上、孔径2nm以上のメソ孔とマクロ孔との合計細孔容積が1.5ml/g以上である点にある。
上記構成によると、有機ヒドロキシゲルを炭素化させて得られる炭素材料を原料として活性炭を製造するから、メソ孔、ミクロ孔が発達した活性炭を製造することができる。
また、後述の実施形態より明らかなように、二酸化炭素を賦活用ガスとして用い、マイクロ波照射する賦活工程を行うから、きわめて迅速にかつメソ孔、ミクロ孔が発達した活性炭を得ることができる。
また、前記賦活工程により得られる活性炭が、BET比表面積が1500m /g以上、孔径2nm以上のメソ孔とマクロ孔との合計細孔容積が1.5ml/g以上であるものを製造できるので、得られた活性炭は、下水処理、廃液処理、電気二重層キャパシタ用電極、ガスセンサー電極、及び排ガス処理等に用いられる吸着材料、触媒担体等としてきわめて有用に用いられるものとなる。
また、有機ヒドロキシゲルを乾燥する乾燥工程と、不活性ガス中にて200℃以上1200℃以下の温度まで昇温して炭素化する炭素化工程とを行った炭素材料は、上記活性炭の製造方法における出発原料として適切な多孔質構造を備えたものとして有用である。よって、この多孔質構造を有効に利用して、マクロ孔を損なうことなく、メソ孔、ミクロ孔が発達した活性炭を得ることができる。
また、上述の炭素材料は、前記有機ヒドロキシゲルが、フェノール類化合物とアルデヒド類化合物を水‐有機溶剤混合溶液中で重合させて容易に得ることができる。
より具体的には、前記フェノール類化合物がレゾルシノール、前記アルデヒド類化合物がホルムアルデヒドとすることができ、前記炭素材料が三次元的ネットワークを有し、かつBET表面積が500~1000m/gであり、平均メソ細孔直径が2~50nmであり、メソ細孔容積が0.5~2ml/gであるものが好適に利用できる。
前記賦活工程は、二酸化炭素気流中に載置された前記炭素材料にマイクロ波照射するものとでき、賦活に必要な二酸化炭素の供給と、賦活によって生じた一酸化炭素等の生成ガスの排気とを効率よく行い、賦活工程を円滑に進行させることができる。
したがって、より物性の優れた活性炭を、より効率よく製造することができるようになった。
加熱装置の概略図 加熱時間と炭素の重量損失割合(B.O.)との関係を示すグラフ 吸着等温線を示すグラフ 比較例2における加熱時間とB.O.との関係を示すグラフ 比較例2における加熱時間と比表面積との関係を示すグラフ 比較例2における加熱時間とミクロ孔容積との関係を示すグラフ
以下に、本発明の実施形態にかかる活性炭の製造方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の実施形態にかかる活性炭の製造方法は、
有機ヒドロキシゲルを炭素化させて得られる炭素材料に対して、二酸化炭素を賦活用ガスとしてマイクロ波照射する賦活工程を行うものである。
ここで、前記炭素材料は、たとえば、特許文献2に記載のように、有機ヒドロキシゲルを乾燥する乾燥工程と、不活性ガス中にて1000℃まで昇温して炭素化する炭素化工程とにより製造することができる。また、前記有機ヒドロキシゲルは、たとえば、フェノール類化合物とアルデヒド類化合物を水‐有機溶剤混合溶液中で重合させて得られる。
フェノール類化合物としては、いずれの価数のものも用いることができる。一価フェノール類化合物ではフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、チモール、ナフトール、二価フェノール類化合物ではレゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、三価フェノール類化合物ではピロガロール、フロログルシロール等があげられる。このうち、一価フェノール類化合物、より好ましくはフェノールの使用が生産性を高めるうえで好ましい。
また、アルデヒド類化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等などがあげられる。このうち、反応性の高さからホルムアルデヒドを用いることが好ましい。アルデヒド類は予め水溶媒等に溶解させた原料を使用してもかまわない。
有機溶媒としては、水に混和できる親水性有機溶媒であれば好ましく、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ギ酸、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、酢酸、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド等があげられる。このうち、汎用性の高さや経済性の面で優れるエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、t-ブタノールなどの低級アルコールがゾル-ゲル反応を効率的に行う水‐有機溶剤混合溶液を調製しやすい。
また、上述のように得られた炭素材料としては、前記炭素材料が三次元的ネットワークを有し、かつBET表面積が500~1000m/gであり、平均メソ細孔直径が2~50nmであり、メソ細孔容積が0.5~2ml/gであるものが知られており、好適に用いることができる。
さらに、前記賦活工程は、二酸化炭素気流中に載置された炭素材料にマイクロ波照射することによって、賦活に必要な二酸化炭素の供給と、賦活によって生じた一酸化炭素等の生成ガスの排気とを効率よく行い、賦活工程を円滑に進行させることができる。
この賦活工程により得られる活性炭として、BET比表面積が1000m/g以上、孔径2nm以上のメソ細孔容積が2ml/g以上のものを製造することとすれば、得られた活性炭は、下水処理、廃液処理、電気二重層キャパシタ用電極、ガスセンサー電極、及び排ガス処理等に用いられる吸着材料、触媒担体等としてきわめて有用に用いられるものとなる。
より具体的には、本実施形態にかかる活性炭の製造方法の好適な例は、以下の工程により行われる。
(1)フェノール類化合物とアルデヒド類化合物とを用いて有機ヒドロキシゲルを得るゲル化工程
(2)得られた有機ヒドロキシゲルを乾燥する乾燥工程
(3)乾燥した有機ヒドロキシゲルを炭素化する炭素化工程
(4)炭素化工程で得られた炭素材料を賦活する賦活工程
以下、各工程の詳細な実施例を説明するが、以下の実施例は具体的な一例であって、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)ゲル化工程
レゾルシノール(R)、ホルムアルデヒド(F)、水(W)、炭酸ナトリウム(C)を所定の濃度(R/C=1000[molmol-1],R/F=0.5[molmol-1],R/W=0.5[gmL-1])で混合し、RFゾルを調製した。得られたRFゾルを密閉容器に移し、30℃で2h静置することでゲル化させた。得られた湿潤ゲルを、60℃で更に72hエージングを行い、有機ヒドロキシゲルを得た。
ゲル化工程において、ゾル-ゲル反応させる際の反応条件としては特に限定されないが、反応温度は、通常60~120℃、好ましくは80~100℃である。反応温度が60℃未満であると、ゾル-ゲル反応に時間がかかり過ぎて、生産性が大幅に低下しやすい。また反応温度が100℃を超えると、溶媒の沸点を超えるため反応容器内の圧力が急激に増加し、高価な圧力容器を利用する必要が生じるため経済的に好ましくない。また、反応時間は、通常7~240時間、好ましくは24~120時間である。反応時間が7時間未満であると、ゾル-ゲル反応の進行が不十分であるために有機ヒドロキシゲルの構造が不安定になりやすく強度の低下が生じやすい。また、反応時間が240時間を超えると、反応系中の溶媒の積算蒸発量が大きくなり、これに伴って有機ヒドロキシゲルが収縮して、有機ヒドロキシゲルの特異な構造が失われやすい。
(2)乾燥工程
この有機ヒドロキシゲル中に残存する混合溶媒を、48時間かけ6回に分けてtert-ブチルアルコールで置換した。その後、低圧条件(<40Pa)-10℃で48h凍結乾燥し、有機ヒドロキシゲルの乾燥したクライオゲルを得た。
乾燥工程における乾燥方法としては、当該有機ヒドロキシゲルを構成する微粒子の三次元的ネットワーク構造を保持したまま、三次元的ネットワーク構造中に残存する溶媒を除去できる乾燥方法を適宜選択することができる。具体的には乾燥方法には、温風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、超臨界乾燥、マイクロ波乾燥等があげられる。このうち、経済性の面から凍結乾燥、温風乾燥、マイクロ波乾燥が好ましい。
凍結乾燥において、凍結温度としては特に限定されないが、通常-30~-5℃、このましくは、-15~-10℃である。凍結温度が該範囲内にあると、一般的に利用される凍結乾燥装置を用いる事ができ、乾燥速度も比較的大きくすることができるため好ましい。また、マイクロ波乾燥を行う場合、マイクロ波の出力としては特に限定されないが、通常0.1~10kW/kg、好ましくは0.5~5kW/kgである。マイクロ波の出力が該範囲内にあると、溶媒の急激な気化による有機ヒドロキシゲルの構造破壊を抑制することができると共に、乾燥速度も比較的大きくすることができるため好ましい。また、温風乾燥を行う場合、設定温度としては特に限定されないが、通常20~150℃、好ましくは、30~90℃である。設定温度が該範囲内にあると、一般的に利用される温風器、乾燥器を用いる事ができ、乾燥速度も比較的大きくすることができるため好ましい。
(3)炭素化工程
得られたクライオゲルを、電気炉にて窒素流通下(100mLmin-1)1000℃で炭素化し、炭素材料を得た。得られた炭素材料は、三次元的ネットワークを有し、かつBET表面積が500~1000m/gであり、平均メソ細孔直径が2~50nmであり、メソ細孔容積が0.5~2ml/gであることがわかった。
炭素化工程は、上記のクライオゲルを非酸化性ガス(不活性ガス)雰囲気下で加熱することで、熱分解・炭素化させ微細孔を有する炭素材料を製造する工程である。炭素化温度としては特に限定されないが、通常200~1200℃、好ましくは300~1000℃である。炭素化温度が200℃より低すぎると該クライオゲルが十分に熱分解・炭素化されないため好ましくない。逆に炭素化温度が1200℃より高すぎると、熱分解が過度に進んで該クライオゲルの構造が崩れやすくなり、構造の破壊や強度の低下が起こりやすくなるため好ましくない。また処理時間としては特に限定されないが、通常1~20時間、好ましくは、2~10時間である。処理時間が1時間よりも少ないと、該クライオゲルが十分に熱分解・炭素化されないため好ましくない。逆に処理時間が20時間よりも多いと、熱分解が過度に進んで該クライオゲルの構造が崩れやすくなり、構造の破壊や強度の低下が起こりやすくなるため好ましくない。また、炭素化工程は不活性ガス流通下で行うことが好ましく、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が挙げられる。また、不活性ガスの流量としては、内径3~10mmの反応管として2~10cm/sec程度が好ましい。
以上の方法により、有機ヒドロキシゲルを構成する微粒子の三次元ネットワーク構造が実質的に保たれたまま三次元的ネットワーク構造中に残存する溶媒を除去することができ、乾燥時における構造の破壊が生じないクライオゲルが得られる。さらに該クライオゲルを炭素化することで三次元ネットワーク構造を保持したまま微細孔を発達させた炭素材料を得ることができる。本発明では、該クライオゲルあるいは炭素材料は、ミクロ孔、メソ孔の発達したものである。
(4)賦活工程
加熱装置は、図1に示すように、縦姿勢で両端にガス流入口1a及びガス排出口1bを形成した石英管1の中央部に通気性の石英フィルタ2を充填してある試料保持管3を、石英フィルタ2がマイクロ波照射装置4内に位置するように、当該マイクロ波照射装置4に装着し、二酸化炭素流通条件下で石英フィルタ2上に保持された炭素材料5にマイクロ波を照射可能に構成してある。
この加熱装置の石英フィルタ2上に炭素材料300mgを保持させ、試料保持管3に賦活用ガスとして二酸化炭素を所定の流量で流し、一定時間ガス置換したのち、二酸化炭素流通下で所定の時間、電源周波数50Hz、マイクロ波周波数、2.45GHz、電力700Wで加熱を行った。
なお、マイクロ波は、周波数300MHz~30GHz程度の電磁波であり、適切に加熱することができれば、任意の周波数のマイクロ波を使用することができる。本実施例では、2.45GHzのマイクロ波を照射した。
マイクロ波の照射に従ってB.O.が増加するとともに、炭素材料は多孔質構造に変化する。
(5)結果
炭素化工程を行った炭素材料は、ふるいにより、粒径125~212μmの試料A、粒径212~500μmの試料Bに分け、それぞれ賦活工程を行った場合、加熱時間(min)とバーンオフ(B.O.(%))との関係を調べた。
(バーンオフとは、加熱による炭素の重量損失割合(B.O.=((最初の質量-加熱後の質量)/最初の質量)×100)
その結果、いずれの試料についても約15分でB.O.が50%以上に増加し、賦活工程が速やかに進んでいることが分かった(図2参照)。
〔比較例1〕
実施例1における加熱装置をマイクロ波照射装置に替えて電気炉として賦活工程を行った。
(4)賦活工程
炭素材料300mgを入れた試料保持管を縦型の電気炉にセットし、Arガスを100ml/minで流し、一定時間置いたのち10℃/minで昇温した。1000℃になったことを確認したのち、Arガスを止め、COガスを所定の流量で所定の時間流し、賦活を行った。予定の賦活処理が終了したのち、再びガスを切り替え、加熱を止めた。
(5)結果
実施例1と同様に賦活工程におけるバーンオフ(B.O.(%))との関係を調べたところ、B.O.が50%以上になるまでに40分以上の時間を要し、実施例1に比べて緩やかに賦活工程が進んでいることが分かった(図2参照)。すなわち、本発明によると賦活工程がきわめて速やかに行えることが分かった。
また、得られた試料C~Fについての細孔構造を窒素吸着測定装置(MicrotracBEL,BELSORP-mini)により評価した。
試料A:粒径125~212μmの賦活前の炭素材料
試料B:粒径212~500μmの賦活前の炭素材料
試料C:試料Aを比較例1の賦活工程でB.O.=69%としたもの
試料D:試料Aを実施例1の賦活工程でB.O.=72%としたもの
試料E:試料Bを比較例1の賦活工程でB.O.=31%としたもの
試料F:試料Bを実施例1の賦活工程でB.O.=29%としたもの
窒素吸着測定に際し、試料の前処理を20mL/minの窒素流通条件下250℃で6h行った。得られた吸着等温線(相対圧p/pに対する総吸着量をプロットしたもの)を図3に示す。この結果から、二酸化炭素を用いた賦活工程により、細孔容積が大きく増加し、吸着性能の高い活性炭が得られていることがわかる。なお、試料CとDおよび試料EとFのグラフが良く重なっていることから、炭素材料の粒径や、電気炉による加熱や、マイクロ波照射による加熱の違いによらずB.O.が同程度であれば、ほぼ同程度の吸着性能の活性炭が得られていることがわかった。
さらに、吸着等温線に基づきBET法により比表面積(SBET)、相対圧0.20未満(細孔径2nm未満相当)の吸着量からミクロ孔容積(Vmicro)、相対圧0.20以上0.96未満(細孔径2nm以上50nm未満相当)における吸着量からメソ孔容積(Vmeso)を求めた。また、相対圧0.96以上0.99未満(細孔径50nm以上相当)における吸着量からマクロ孔容積(Vmacro)を求めた。
その結果、試料Bを用いた比表面積と各細孔容積の関係は表1のようになった。
Figure 0006999131000001
表1より、得られた活性炭は特にB.O.=11%以上に賦活するとメソ孔とマクロ孔とのの合計細孔容積が1ml/g以上となっており、メソ孔、ミクロ孔が発達し、ガス吸着材としてきわめて高い性能を有する活性炭が得られていることが予想される。特に、電源周波数50Hz、マイクロ波周波数、2.45GHz、電力700Wで、15分間のマイクロ波を照射した場合、BET比表面積1500m/g以上、孔径2nm以上のメソ孔とマクロ孔とのの合計細孔容積が1.5ml/g以上であるきわめて高性能な活性炭が得られることが分かった。
なお、B.O.=77%で得られた活性炭のデータにおいては、細孔構造の崩壊等が原因となって、BET比表面積が大きく低下した値として計算されているものと考えられる。
〔比較例2〕
実施例1、比較例1における賦活用ガスを二酸化炭素に替えて窒素として賦活工程を行った。
(4)賦活工程
実施例1及び比較例1における各加熱装置に炭素材料300mgを保持させ、賦活用ガスとして窒素を所定の流量で流し、一定時間ガス置換したのち、窒素流通下で所定の時間電源周波数50Hz、マイクロ波周波数、2.45GHz、電力700W(マイクロ波照射装置)または、1000℃(電気炉)で加熱を行った。
(5)結果
その結果図4~6のようになった。
すなわち、いずれのグラフからも、試料A,Bいずれについても二酸化炭素を用いた例では、マイクロ波照射による加熱が進むにつれ、15分程度で比表面積が増大し、細孔容積が増大し、賦活が進んでいるのに対して、特許文献2にも記載の窒素中における加熱処理では、炭素材料が賦活処理されていないことがわかる。
また、図5、6より、賦活工程におけるマイクロ波照射を行う場合、長時間続けるとBET比表面積が低下し始め、ミクロポア容積、マクロポア容積も上限に達するため、適切な賦活工程時間を設定することが必要になるものと考えられる。本発明の実施形態においては、電源周波数50Hz、マイクロ波周波数、2.45GHz、電力700Wの条件下で、10分~20分程度が好ましいものと推定できる。
〔総括〕
以上の結果より、有機ヒドロキシゲルを炭素化させて得られる炭素材料に対する賦活工程を、マイクロ波照射によって行った場合、電気炉による加熱に比べて、きわめて速やかに賦活工程を行え、活性炭としての比表面積も、B.O.を指標として、電気炉による賦活工程と同等水準の活性炭が得られることが分かった。また、マイクロ波照射を用いる場合、賦活用ガスとして水蒸気を用いると、照射されるマイクロ波のエネルギーがすべて水蒸気に奪われるため適さないことが判明している。そのため、賦活用ガスとして二酸化炭素を用い、かつ、マイクロ波照射による賦活工程を行うことが効果的であることがわかる。
本発明の活性炭の製造方法は、下水処理、廃液処理、電気二重層キャパシタ用電極、ガスセンサー電極、及び排ガス処理等に有用に用いられる活性炭を製造するのに用いられる。
1 :石英管
1a :ガス流入口
1b :ガス排出口
2 :石英フィルタ
3 :試料保持管
4 :マイクロ波照射装置
5 :炭素材料

Claims (6)

  1. 有機ヒドロキシゲルを炭素化させて得られる炭素材料に対して、二酸化炭素を賦活用ガスとしてマイクロ波照射する賦活工程を行い、
    前記賦活工程により得られる活性炭が、BET比表面積が1500m /g以上、孔径2nm以上のメソ孔とマクロ孔との合計細孔容積が1.5ml/g以上である活性炭の製造方法。
  2. 有機ヒドロキシゲルを乾燥する乾燥工程と、不活性ガス中にて1000℃まで昇温して炭素化する炭素化工程とを行い、前記炭素材料を得る請求項1に記載の活性炭の製造方法。
  3. 前記有機ヒドロキシゲルが、フェノール類化合物とアルデヒド類化合物を水‐有機溶剤混合溶液中で重合させて得られるものである請求項1または2に記載の活性炭の製造方法。
  4. 前記フェノール類化合物がレゾルシノール、前記アルデヒド類化合物がホルムアルデヒドである請求項3に記載の活性炭の製造方法。
  5. 前記炭素材料が三次元的ネットワークを有し、かつBET表面積が500~1000m/gであり、平均メソ細孔直径が2~50nmであり、メソ細孔容積が0.5~2ml/gである請求項1~4のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。
  6. 前記賦活工程が、二酸化炭素気流中に載置された前記炭素材料にマイクロ波照射するものである請求項1~5のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。
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