JP6998730B2 - カバーフィルム - Google Patents
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Description
前記基材フィルムの少なくとも一方の面に積層されたハードコート層と、
を備え、
前記ハードコート層の厚みが、30μm以上であり、
紫外線の積算光量が0である初期状態から50J/cm2となった後のCIE規格の色度b*が3.0以下である、カバーフィルム。
本発明に係る基材フィルムは、透明の種々の材料で形成することができ、例えば、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリレート系ポリマー、ポリエステル、ポリイミドなどで形成することができる。特に、ポリイミドは、屈曲に対して強く、また、屈曲しても癖が付きにくいため、好ましい。また、この基材フィルムには、必要に応じて種々の添加剤を添加することができる。例えば、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
マルテンス硬さ[N/mm2]=荷重[μN]/(24.5×(深さ最大値hmax(μm)2)
次に、ハードコート層について説明する。ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂、光重合開始剤などを含有するハードコート層形成用樹脂組成物を硬化させたものである。また、この組成物には、必要に応じて、後述する添加剤を配合することもできる。
電離放射線硬化型樹脂とは、電離放射線(紫外線または電子線)により高分子化または架橋反応するラジカル重合性を有する化合物を含み、例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含む化合物、またはこれらの混合物とすることができる。
重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンジルメチルケタール類、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のα-ヒドロキシケトン類、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1等のα-アミノケトン類、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,2‘-ビス(o-クロロフェニル)-4,4‘,5,5‘-テトラフェニル-1,1‘-ビイミダゾール、ビス(2,4,5-トリフェニル)イミダゾール等のビスイミダゾール類、N-フェニルグリシン等のN-アリールグリシン類、4,4‘-ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3‘,4,4‘-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボキシル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物類をはじめ、J.Photochem.Sci.Technol.,2,283(1987).に記載される化合物を挙げることができる。
ハードコート層形成用樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、レベリング、表面スリップ性、低水接触角性等を付与するシリコーン系、フッ素系の添加剤(例えば、レベリング剤)を挙げることができる。このような添加剤を配合することにより、ハードコート層の表面の耐擦傷性を向上することができる。また、光重合の際に、紫外線を利用する場合は、上述した添加剤の空気界面へのブリードによって、酸素による樹脂の硬化阻害を低下させることができる。したがって、低照射強度条件下においても有効な硬化度合を得ることができる。これらの添加剤の配合量は、ハードコート層形成用樹脂組成物100重量部に対し、0.01~0.5重量部とすることができる。
ハードコート層の厚みは、30μm以上であることが好ましく、33μm以上がさらに好ましく、35μm以上が特に好ましい。これは、後述するように、ハードコート層の厚みが小さいと、十分な表面硬度が得られないからである。一方の厚みの上限としては、例えば、50μm以下が好ましく、45μm以下がさらに好ましく、40μm以下が特に好ましい。これは、後述するように、ハードコート層の厚みが大きいと高い表面硬度は得られるものの、耐光性が低下し、屋外での使用に支障を来すおそれがあることによる。すなわち、紫外線などの屋外環境でハードコート層が変色するのを防止することができる。
本発明に係るカバーフィルムの製造方法は、特には限定されないが、例えば、上記基材フィルムに、ハードコート層形成用樹脂組成物を塗布し、これを乾燥させた後、光重合により硬化させることで、カバーフィルムを得ることができる。
本実施形態に係るカバーフィルムによれば、適度な表面硬度と耐光性とを両立することができる。したがって、例えば、スマートフォンやタブレットPC等の表示装置の表面に取付けられると、表示装置の表面を保護できるとともに、屋外で使用したときに、紫外線の照射などでハードコート層が変色するのを防止することができる。また、表面硬度が高いため、傷がつくのを防止することができる。
以下では、実施例1~4及び比較例1,2に係るカバーフィルムの作製について説明する。
・多官能モノマー:アクリル酸エステルを含むビニル化合物(分子量10万) 30重量部
・多官能モノマー:ウレタンアクリレート(分子量3000) 5重量部
・添加剤:コロイダルシリカ 20重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(BASFジャパン社製) 1重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
上記のように作製した実施例1~4及び比較例1,2に対し、UV照射装置(アイグラフィックス株式会社製高圧水銀UVランプ)を用いて、1000mJ/cm2の積算光量で紫外線を50回照射した。これは、積算光量が50J/cm2の条件と等価である。そして、紫外線の照射の前後でCIE規格の色度b*を測定した。測定には、分光光度計(日立ハイテクノロジー社製U4100)を用い、透過色相測定モードにて行った。結果は、以下の通りである。
実施例1~4及び比較例1,2のハードコート層に対し、JIS-K5600-5-4に準拠する表面鉛筆硬度試験を行った。すなわち、ハードコート層の表面に750gの荷重をかけた硬度2Hから9Hの鉛筆(三菱UNI)を順に用い、試験を行った。そして、ハードコート層の表面の傷による外観の変化を目視で評価した。また、この試験を、上述した条件による紫外線の照射後にも行った。以下の表3では、目視による傷が確認できなかったときの鉛筆硬度を示している。
Claims (4)
- セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリレート系ポリマー、ポリエステル、ポリイミドから選択される、透明の基材フィルムと、
前記基材フィルムの少なくとも一方の面に積層され、(メタ)アクリレートを含有する、ハードコート層と、
を備え、
前記ハードコート層の厚みが、30μm以上50μm以下であり、
紫外線の積算光量が0である初期状態から50J/cm2となった後のCIE規格の色度b*が3.0以下であり、且つ鉛筆硬度が6H以上である、カバーフィルム。 - 紫外線の積算光量が0である初期状態と、積算光量が50J/cm2となった状態とのCIE規格の色度b*の差が1.5以下である、請求項1に記載のカバーフィルム。
- 紫外線の積算光量が50J/cm2となった後の鉛筆硬度が8H以上である、請求項1または2に記載のカバーフィルム。
- 前記ハードコート層の厚みが、35μm以上40μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のカバーフィルム。
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