JP6998337B2 - 開脚型油圧ショベル - Google Patents

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Description

本発明は走行体上に旋回体が設けられた小型の油圧ショベルに関し、特に左右の走行装置の接地面の角度が異なる狭隘地においても機体が安定した状態で作業することができる開脚型油圧ショベルに係る。
ミニショベル(詳細には、機械質量6000kg未満の油圧ショベル)に代表される小型の油圧ショベルは一般に、クローラ式の走行体、走行体の上部に旋回可能に設けられた旋回体、及び旋回体に連結された多間接型の作業機を備えている。小型の油圧ショベルは狭隘地で稼働する機会も多く、左右の履帯の間隔が可変に構成されて車幅を狭めて狭いゲート等を通り抜けられるもの(特許文献1等参照)等、狭隘な現場での稼働を想定した機種も複数種存在する。
特開2012-31598号公報
小型の油圧ショベルは、その特性を活かして天井の低い狭隘な構造物の内部に入り込んで作業することもできる。セメント製造等の窯業で使用される回転式の窯であるロータリーキルン等、筒状の構造物の内壁の清掃等にも対応できる可能性がある。
しかし、筒状の構造物の内部においては走行体が線又は点で接地し、過度な面圧が作用して構造物を必要以上に傷付けかねない。筒状の構造物内における作業に限らず、排水路、幅の狭い河川のコンクリート護岸等の溝型の空間に入り込んで作業する場合にも同様の課題が生じ得る。
本発明の目的は、左右の走行装置の接地面の角度が異なる狭隘地においても広い接地面を確保して機体が安定した状態で作業することができる開脚型油圧ショベルを提供することにある。
上記目的を達成するために、走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、前記旋回体に取り付けた作業機、前記走行体に上下に回動可能に設けられた排土作業用のブレード、前記ブレードを昇降させるリフトシリンダ、前記旋回体に設けられ前記リフトシリンダを駆動する圧油を吐出する油圧ポンプ、及び前記油圧ポンプを駆動する原動機を備えた開脚型油圧ショベルにおいて、前記走行体が、センタフレームと、前記センタフレームから上方に延びて前記旋回体を支持する丸胴部と、前記センタフレームに対して走行方向に延びる連結軸を介して連結され、前記連結軸を支点に回動し走行方向から見て逆V字型に開脚可能なクローラ式の左右の走行装置と、前記左右の走行装置と前記センタフレームとに両端が連結され、前記油圧ポンプから吐出される圧油で駆動されて前記左右の走行装置を回動させ開脚及び閉脚させるチルトシリンダとを備え、前記連結軸が、接地面を水平にした状態における前記走行装置の重心位置よりも高位置に配置されており、前記チルトシリンダを最伸長させて前記左右の走行装置を最大限開脚させた状態でも前記左右の走行装置が前記旋回体の下面に接触しないように、前記センタフレームの丸胴部の上下の長さが確保されており、更に前記旋回体の旋回中心に配置したスイベルジョイントと、前記スイベルジョイントで中継された第1連絡配管及び第2連絡配管と、前記旋回体に設けられ、前記油圧ポンプの接続先を前記第1連絡配管と前記第2連絡配管とで切り換える方向切換弁と、前記走行体に設けられ、前記第1連絡配管及び前記第2連絡配管の接続先を前記リフトシリンダと前記チルトシリンダのいずれかに切り換える切換弁とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、走行方向から見て逆V字型に左右の走行装置が開脚するので、ロータリーキルン等の筒状構造物の内部に入り込み、V字状に傾斜した地面に対して走行装置の下面全体で接地することができる。このとき、走行装置の回動支点となる連結軸を走行装置の重心位置よりも高位置に配置したことにより、左右の走行装置を広く開脚できる。このように左右の走行装置の接地面の角度が異なる狭隘地(例えばV字型の傾斜面)においても広い接地面を確保して機体が安定した状態で作業することができる。
本発明の一実施形態に係る開脚型油圧ショベルの開脚状態の側面図 図1の開脚型油圧ショベルの開脚状態の正面図 図1の開脚型油圧ショベルの閉脚状態の正面図 図1に示した開脚型油圧ショベルの走行体の正面図 図3中のV-V線による矢視断面 図5中のVI-VI線による矢視断面 図1に示した開脚型油圧ショベルの駆動システムの要部を抽出して表した油圧回路図 図1に示した開脚型油圧ショベルが傾斜した筒状構造物の内部でブレードを接地させた状態を表す図 一変形例に係る開脚型油圧ショベルの走行体の正面図
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
-開脚型油圧ショベル-
本実施形態では小型の油圧ショベル(いわゆる後方超小旋回機)をベースにした開脚型油圧ショベルを例に挙げて説明する。以下、開脚型油圧ショベルについては油圧ショベルと適宜略称し、特に断りなく油圧ショベルと記載した場合には、同図に示した油圧ショベルを指すこととする。本願明細書では運転席の前方(図1では右方向)を油圧ショベルの前方として扱う。
図1は本発明の一実施形態に係る開脚型油圧ショベル(開脚状態)の側面図、図2はその正面図である。図3は閉脚状態の油圧ショベルの正面図、図4は図1に示した油圧ショベルに備えられた走行体の正面図である。図5は図3中のV-V線による矢視断面、図6は図5中のVI-VI線による矢視断面である。これらの図に示したように、本実施形態に係る油圧ショベルは、走行体10、旋回体20及び作業機40を備えている。なお、図2及び図3では作業機とブレードを図示省略してある。
-走行体-
走行体10は、左右の走行装置11及びセンタフレーム12を含んで構成されている。センタフレーム12は左右の走行装置11のフレームであるサイドフレーム11aを連結すると共に上部に旋回体20を支持する。このセンタフレーム12は左右のサイドフレーム11aと共に走行体10のフレーム、つまりトラックフレームを構成する。
左右の走行装置11はクローラ式であり、サイドフレーム11a、従動輪(不図示)、駆動輪(不図示)、図7に示す走行モータ11L(又は11R)、履帯11fをそれぞれ含んで構成されている。左右のサイドフレーム11aは走行方向に延び、長手方向の一方側(図5では右側)に従動輪を、他方側(図5では左側)に駆動輪を支持している。左右の走行モータ11L,11Rはそれぞれ左右のサイドフレーム11aの長手方向の他方側に支持されており、出力軸が駆動輪に連結されている。左右の走行装置11において、それぞれ従動輪と駆動輪との間に履帯11fが掛け回されている。走行モータ11L,11Rが駆動されると駆動輪に回転動力が伝達され、駆動輪と従動輪との間で履帯11fが循環駆動する。
なお、本実施形態においては、左右の走行装置11がセンタフレーム12に対して回動し走行方向から見て逆V字型に開脚するように構成されている(図2)。この開脚機構については後述する。
-旋回体-
旋回体20は、旋回フレーム21、カウンタウェイト22、シートベース23、運転席24、フロアパネル25等を含んで構成されている。旋回フレーム21は旋回体20のベースフレームであり、旋回輪26を介して走行体10の上部に旋回可能に設けられている。旋回輪26は水平に(つまり中心線を上下に延ばした姿勢で)設置された大型のベアリングである。
旋回フレーム21における後側のエリアには、エンジン51(図1中の破線参照)やエンジン51によって駆動される油圧ポンプ52(図7)等の機器類が搭載されている。本実施形態では油圧ポンプを駆動する原動機としてエンジン51(内燃機関)を用いた場合を例示したが、エンジン51の代わりに電動機を用いる場合もある。旋回フレーム21における右前部分には作動油タンクT(図7)及び燃料タンク(不図示)が搭載されており、これらはタンクカバー27で覆われている。また、旋回フレーム21の前側部分には支持ブラケット31(図1)が設けられている。支持ブラケット31には鉛直な軸を介してスイングポスト37が連結されている。スイングポスト37はスイングシリンダ(不図示)により左右に回動駆動される。
カウンタウェイト22は作業機40とのバランスをとるための錘であり、旋回フレーム21の後縁部に設けられている。カウンタウェイト22の後縁部の旋回半径が油圧ショベルの後方旋回径となるが、本実施形態の油圧ショベルは小型機種であり、後方旋回径が走行体10の車幅程度に抑えられている。
シートベース23はカウンタウェイト22の前側に位置するように旋回フレーム21に支持されている。このシートベース23はエンジンカバーを兼ね、エンジン51や油圧ポンプ52(図7)等の機器類を覆っており、カウンタウェイト22や運転席24を含め油圧ショベルの運転に必要な機器や部品を旋回フレーム21と共に支持している。シートベース23の外周は外装カバー28で覆われている。運転席24はシートベース23上に固定して設置されている。
フロアパネル25は、シートベース23及び運転席24の前側に位置し、オペレータの乗降通路等を形成する。このフロアパネル25の下側には、走行モータ11L,11R等の油圧ショベルに搭載された各油圧アクチュエータに対して油圧ポンプ52(図7)から供給される圧油の方向及び流量を制御する方向切換弁ユニット53(図1中の破線参照)が配置されている。
フロアパネル25の前側部分には、左右の走行装置11を操作するための走行レバーペダル32L,32Rが配置されている。シートベース23上の運転席24の左右には、作業機40及び旋回体20を操作するための左右の操作レバー33がそれぞれ配置されている。シートベース23上において右側の操作レバー33よりも右側に排土装置13(後述)を操作するためのブレード昇降レバー34が配置されている。また、旋回体20には2柱式のキャノピ35が設けられている。キャノピ35は、シートベース23の後部から立ち上がる左右のピラー35aと、左右のピラー35aに支持されたルーフ35bとを有している。運転席24の上方がルーフ35bで覆われている。
-作業機-
作業機40は、土砂の掘削等、種々の作業をするための多関節型のフロント作業機(本実施形態ではスイングポスト式)である。この作業機40は、旋回体20の前部に設けた作業腕41及び作業腕41に装着した作業具(アタッチメント)44を含んで構成されている。作業腕41は、ブーム42、アーム43、ブームシリンダ45、アームシリンダ46及び作業具シリンダ47を含んで構成されている。ブーム42は旋回体20の前部(上記スイングポスト37)に回動可能に連結され、アーム43はブーム42の先端に、作業具44はアーム43の先端に、それぞれ回動可能に連結されている。ブーム42、アーム43及び作業具44はいずれも左右に水平に延びる回転軸を支点にして回動する。図1では作業腕41のアーム43の先端に作業具44としてバケットを装着した例を表しているが、装着されるアタッチメントの種類はこれに限られず、ブレーカ等の他のアタッチメントに交換可能である。また、ブームシリンダ45は旋回体20(スイングポスト37)及びブーム42に、アームシリンダ46はブーム42及びアーム43に、それぞれ両端が連結されている。作業具シリンダ47は、基端がアーム43に連結される一方、先端がリンク48を介してアーム43の先端部及び作業具44に連結されている。ブームシリンダ45、アームシリンダ46及び作業具シリンダ47はいずれも油圧アクチュエータであり、油圧ポンプから吐出される圧油で駆動され、伸縮動作により作業機40を駆動する。
-開脚機構-
図4~図6に示したように、トラックフレームのセンタフレーム12は脚部12aと丸胴部12bを備えている。脚部12aは車幅方向に延びて左右のサイドフレーム11aを連結する部位である。丸胴部12bは脚部12aの中央部から上方に延びる大径の円筒状の部位である。丸胴部12bの上部には上記の旋回輪26を介して旋回フレーム21が支持されている。
トラックフレームを構成する左右のサイドフレーム11aは、センタフレーム12の脚部12aに対して走行方向に延びる連結軸14を介して連結されている。これにより、左右の走行装置11が連結軸14を支点にして回動し、互いの下部の間隔を広げて走行方向から見て逆V字型に開脚可能な構成となっている(図2)。
また、走行体10には左右のチルトシリンダ15が備わっている。これらチルトシリンダ15は油圧ポンプ52(図7)から吐出される圧油で駆動される油圧アクチュエータであり、左右の走行装置11を回動させて開脚及び閉脚させる。左側のチルトシリンダ15は左側の走行装置11のサイドフレーム11aとセンタフレーム12の脚部12aとに両端が回動自在に連結されている。同様に、右側のチルトシリンダ15は右側の走行装置11のサイドフレーム11aとセンタフレーム12の脚部12aとに両端が回動自在に連結されている。左右のチルトシリンダ15を伸長させると図2に示したように走行方向から見て左右の走行装置11が逆V字型に開脚し、最収縮した状態では図3に示したように閉脚する(一般の油圧ショベルと同様に接地面を水平にした状態になる)。閉脚時においては、走行体10の幅が旋回体20の幅(左右の幅)以下となる。特に本実施形態においては、開脚した状態でも左右の走行装置11の上面が旋回体20の幅からはみ出さないように(図2)、走行体10の幅が旋回体20の幅よりも狭く設定してある(図3)。
このとき、上記連結軸14は、走行装置11よりも車幅方向の内側に位置しており、また図3に示したように接地面を水平にした状態の走行装置11の重心位置よりも高位置に配置されている。仮に連結軸14のレイアウトを下げると、開脚時に左右の走行装置11の上面の間隔が狭まる一方で下面(接地面)の間隔はあまり変化しない。それに対し、連結軸14を走行装置11の重心位置よりも上方にレイアウトすることで、開脚時における左右の走行装置11の上面の間隔の変化に対して下面(接地面)の間隔の拡大率が大きくなる。これにより、本実施形態においては、開脚時に左右の走行装置11の下部(接地面)が旋回体20の左右の幅を超えて拡がる。
また、左右のチルトシリンダ15を最伸長させることで左右の走行装置11が最大限開脚して旋回体20に最も接近する(履帯11fの車幅方向における外側の角が旋回体20に接近する)。本実施形態においては、この走行装置11の動作を阻害しないように、チルトシリンダ15を最伸長させた状態でも左右の走行装置11が旋回体20の下面(旋回フレーム21)に接触しないようにセンタフレーム12の丸胴部12bの上下の長さが確保されている。そのため、同クラスの一般的な油圧ショベルよりも丸胴部12bの長さが長く設定されている。
-ブレード-
走行体10には排土装置13が備わっている。本実施形態においては、走行方向の両側(図1中の左右両側)に排土装置13が設けられており、2つの排土装置13はそれぞれリフトシリンダ13a(図6)及びブレード13b(同)を含んで構成されている。2つの排土装置13は、大きさ、形状、構成とも同様である。ブレード13bはセンタフレーム12に向かって延びるアーム13cを備えており、アーム13cを介してセンタフレーム12の脚部12aに連結されている。アーム13cはセンタフレーム12に上下に回動可能に連結されており、ブレード13bはアーム13cを介してセンタフレーム12に対して昇降する構成である。リフトシリンダ13aはセンタフレーム12の脚部12aとブレード13bとに両端が連結されており、伸縮動作に伴ってセンタフレーム12に対してアーム13cを上下に回動させてブレード13bを昇降させる。
ここで、ブレード13bは、車幅方向の両側部Sに比べて中央部Cが下方に突出した形状に成形されている(図4)。図4に示したようにブレード13bの中央部Cの下縁は水平であるのに対し、両側部Sの下縁は中央部Cの下縁から車幅方向の外側に向かって上方に傾斜している。ブレード13bの中央部Cの下縁には滑り止めとしてのストッパ16が、両側部Sの下縁には形状調整用のパッド17が装着されている。ストッパ16は例えばゴム製であり、両側部Sにはみ出さないようにブレード13bの中央部Cの下部にのみ設置されている。ストッパ16は交換が容易なように着脱可能な構造であることが好ましい。
パッド17は、図4に示したように複数のボルトによりブレード13bの両側部Sの排土面(センタフレーム12と反対側を向いた面)に対して着脱可能に設けられていて、両側部Sから下方に突出している。パッド17はブレード13bに装着した状態で下縁が中央部Cの下縁から車幅方向の外側に向かって上方に傾斜した形状をしている。パッド17の下縁は図4に示したように直線的形状であっても良いし、例えば下に突の弧状の形状であっても良い。そして、下縁の傾斜の度合いの異なる複数種のパッド17を予め用意しておき、パッド17を適宜選択してブレード13bに装着することで、ブレード13bの下縁の形状がこれを沿わせる地形に応じて変更可能である。この点の説明のために、図4ではブレード13bの一方側と他方側とで下縁の傾斜角の異なるパッド17を装着した様子を例示してある。同図の例では、図中の右側に装着したパッド17の下縁の水平に対する傾斜角θ1に対して、左側に装着したパッド17の下縁の傾斜角θ2が小さい。
-駆動システム-
図7は油圧ショベルの駆動システムの要部を抽出して表した油圧回路図である。同図に示した駆動システムは、エンジン51、油圧ポンプ52、方向切換弁ユニット53、減圧弁54等を含んで構成されている。油圧ポンプ52はエンジン51で駆動され、作動油タンクTから作動油を吸い込んで左右の走行モータ11L,11R,リフトシリンダ13a、チルトシリンダ15を含む車載された油圧アクチュエータを駆動する圧油を吐出する。油圧ポンプ52の吐出配管にはリリーフ弁(不図示)が設けられており、吐出配管の圧力の上限値が規定されている。方向切換弁ユニット53は、方向切換弁53A,53L,53Rを含む複数の方向切換弁で構成されている。方向切換弁53Lは左側の走行モータ11Lへの圧油の供給方向を切り換える3位置切換弁、方向切換弁53Rは右側の走行モータ11Rへの圧油の供給方向を切り換える3位置切換弁である。方向切換弁53Aはリフトシリンダ13a及びチルトシリンダ15への圧油の供給方向を切り換える3位置切換弁である。
方向切換弁53Aは減圧弁54から出力されるパイロット圧により駆動される。減圧弁54は2つの減圧弁を含んで構成され、ブレード昇降レバー34が操作されると作動し、パイロットポンプ55の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成して方向切換弁53Aのいずれかの受圧室に出力する。方向切換弁53Aの一次側には油圧ポンプ52及び作動油タンクTが接続し、二次側には連絡配管A1,A2が接続している。方向切換弁53Aにより、油圧ポンプ52の接続先が連絡配管A1と連絡配管A2とで切り換えられる。
連絡配管A1,A2は経路の途中がスイベルジョイント50で中継されており、旋回体20に搭載された方向切換弁53Aと走行体10に搭載された切換弁56とを連絡している。スイベルジョイント50は、旋回体20に搭載された方向切換弁ユニット53と走行体10に搭載された各油圧アクチュエータとの間を接続するものであり、センタフレーム12の脚部12aに支持されて旋回体20の旋回中心に配置されている。
切換弁56は連絡配管A1,A2の接続先をリフトシリンダ13aとチルトシリンダ15のいずれかに切り換える2位置切換弁である。この切換弁56はパイロットポンプ55から出力されるパイロット圧で駆動して切り換わる油圧駆動式であるが、電磁切換弁を用いることもできる。切換弁56を駆動するパイロット圧は、旋回体20に搭載した電磁弁57により入り切りされる。電磁弁57も2位置切換弁であり、旋回体20において運転席24の付近に設けた切換スイッチ58が入り操作されるとソレノイドが励磁され、パイロットポンプ55と切換弁56の受圧室とを接続する。これにより切換弁56が駆動され、連絡配管A1,A2を介して方向切換弁53Aがチルトシリンダ15に接続する。切換スイッチ58が切り操作されると電磁弁57のソレノイドが消磁され、パイロットポンプ55と切換弁56の受圧室との接続が遮断される。これにより切換弁56がばね力で元のポジションに復帰し、連絡配管A1,A2を介して方向切換弁53Aがリフトシリンダ13aに接続する。
つまり、本実施形態では、リフトシリンダ13aの操作とチルトシリンダ15の操作にブレード昇降レバー34が兼用される。例えばブレード昇降レバー34を一方側に操作すると、パイロットポンプ55のパイロット圧を元圧として減圧弁54で生成されたパイロット圧が方向切換弁53Aの図中上側の受圧室に作用し、方向切換弁53Aのスプールが図中下側に移動する。この際、切換スイッチ58が切り状態であれば切換弁56が右側のポジションとなり、油圧ポンプ52が連絡配管A2を介してリフトシリンダ13aのボトム側油室に接続し、作動油タンクTが連絡配管A1を介してリフトシリンダ13aのロッド側油室に接続する。その結果、リフトシリンダ13aが伸長してブレード13bが下降する。反対にブレード昇降レバー34を他方側に操作すれば、方向切換弁53Aのスプールが図中上側に移動する。切換スイッチ58が切り状態であれば、油圧ポンプ52が連絡配管A1を介してリフトシリンダ13aのロッド側油室に接続し、作動油タンクTが連絡配管A2を介してリフトシリンダ13aのボトム側油室に接続する。その結果、リフトシリンダ13aが収縮してブレード13bが上昇する。ブレード昇降レバー34を中立位置に戻すと方向切換弁53Aのスプールがばね力で中立位置に復帰し、リフトシリンダ13aが保持される。
他方、切換スイッチ58を入り操作すると切換弁56が作動する。この状態でブレード昇降レバー34を一方側に操作すると、油圧ポンプ52が連絡配管A2を介してチルトシリンダ15のロッド側油室に接続し、作動油タンクTが連絡配管A1を介してチルトシリンダ15のボトム側油室に接続する。その結果、チルトシリンダ15が収縮して左右の走行装置11が図3のように閉脚する。反対にブレード昇降レバー34を他方側に操作すると、油圧ポンプ52が連絡配管A2を介してチルトシリンダ15のボトム側油室に接続し、作動油タンクTが連絡配管A1を介してチルトシリンダ15のロッド側油室に接続する。その結果、チルトシリンダ15が伸長して左右の走行装置11が図2のように開脚する。
なお、本実施形態では、連絡配管A1,A2に左右のチルトシリンダ15を並列に接続しているため、左右のチルトシリンダ15は実質的に同時に伸縮し、左右の走行装置11が左右対称に開脚動作するように構成されている。ブレード昇降レバー34を中立位置に戻すと方向切換弁53Aのスプールがばね力で中立位置に復帰し、チルトシリンダ15が保持される。
方向切換弁53L,53Rは方向切換弁53Aと同様の構成であり、左右の走行レバーペダル32L,32Rの動作に応じて減圧弁(不図示)から出力されるパイロット圧で駆動される。方向切換弁53Lの一次側には油圧ポンプ52及び作動油タンクTが、二次側には連絡配管L1,L2を介して左側の走行モータ11Lが接続している。方向切換弁53Rの一次側には油圧ポンプ52及び作動油タンクTが、二次側には連絡配管R1,R2を介して右側の走行モータ11Rが接続している。連絡配管L1,L2,R1,R2は連絡配管A1,A2と同様にスイベルジョイント50により旋回体20と走行体10との間で中継されている。左右の走行レバーペダル32L,32Rを操作することで方向切換弁53L,53Rが作動し、操作に応じて走行モータ11L,11Rが作動して油圧ショベルが走行する。
-効果-
(1)本実施形態においては、走行方向から見て逆V字型に左右の走行装置11が開脚するので、ロータリーキルン等の筒状構造物X(図2)の内部に入り込み、V字状に傾斜した地面に対して履帯11fの下面全体で接地することができる。図2に例示したように、油圧ショベルの走行方向を筒状構造物Xの中心軸方向に合わせ、筒状構造物Xの内部を筒状構造物Xの中心軸方向に走行するような場合である。このとき、前述した通り走行装置11の回動支点となる連結軸14を走行装置11の重心位置よりも高位置に配置したことにより、同じ傾斜角で走行装置11を傾けるにしても、連結軸14が重心より低い場合に比べて左右の走行装置11を広く開脚できる(図3)。このように左右の走行装置11の接地面の角度が異なる狭隘地(例えばV字型の傾斜面)においても広い接地面を確保して機体が安定した状態で作業することができる。
(2)また、ブレード13bの下部に滑り止めとしてストッパ16を設けたことで、図8のように筒状構造物Xが走行方向に傾斜している場合に、例えばブレード13bを下げて接地させることで走行方向に機体が滑らないように確りと固定することができる。特に本実施形態においては走行体10の走行方向の両側にブレード13bが備わっているため、これらブレード13bをアウトリガーのように利用することもできる。加えて、ブレード13bの中央部Cにのみストッパ16が設けられているので、V字型に傾斜した地面に対してブレード13bの中央部Cで確実に接地できる。
但し、本質的な上記効果(1)を得る限りにおいては、例えば排土装置13を1つ省略して走行方向の一方側にのみブレード13bが備わった構成としても良い。
(3)ブレード13bにおける両側部Sに対して形状調整用のパッド17が着脱可能であるため、例えば筒状構造物Xの内周面の曲率に応じた傾斜角のパッド17を選択して装着すれば、筒状構造物Xの内周面にブレード13bの下縁の形状を近付けることができる。筒状構造物Xの内周面に合わせてブレード13bの形状を変更することで、筒状構造物X内の底部に散在する土砂や礫等をブレード13bで押して筒状構造物Xの外に効率的に排出することができる。
(4)また、連絡配管A1,A2をスイベルジョイント50で中継し、走行体10側において切換弁56によって接続先をリフトシリンダ13aとチルトシリンダ15とで切り換える構成とした。つまり、中継する連絡配管A1,A2をリフトシリンダ13aの回路とチルトシリンダ15の回路で共用することで、スイベルジョイント50で中継する配管の増加を抑えることができる。これによりスイベルジョイント50のポート数に余裕がない場合でも左右の走行装置11の開脚構造を適用することができる。左右の走行装置11の開脚動作とブレード13bの昇降動作を同時に行う場面は実質的に想定されないため、このような構成でも実用上差し支えない。
(5)左右の走行装置11が左右対称に開脚動作するように構成したので、図2に示したような筒状構造物Xの内周面(つまり左右対称形の地面)に対して左右の走行装置11の接地面を合わせ易い。
-変形例-
以上の実施形態では、図7に示したように左右のチルトシリンダ15の回路で方向切換弁53Aを共用し、連絡配管A1,A2から左右のチルトシリンダ15に分岐して圧油が供給され、左右の走行装置11が対称に動作する構成とした。しかし、左右のチルトシリンダ15にそれぞれ対応する2つの方向切換弁を設け、左右のチルトシリンダ15を互いに単独で伸縮させられる構成としても良い。この場合、図9のように水平面Zと傾斜面Yの境界部で作業する必要がある状況において片側の走行装置11のみを傾斜させることで逆V字型に開脚し、一方の走行装置11を傾斜面Yに、他方の走行装置11を水平面Zに接地させることができる。
10…走行体、11…走行装置、12…センタフレーム、12b…丸胴部、13a…リフトシリンダ、13b…ブレード、14…連結軸、15…チルトシリンダ、16…ストッパ、17…パッド、20…旋回体、40…作業機、50…スイベルジョイント、51…エンジン(原動機)、52…油圧ポンプ、53A…方向切換弁、56…切換弁、A1…第1連絡配管、A2…第2連絡配管、C…中央部、S…両側部

Claims (5)

  1. 走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、前記旋回体に取り付けた作業機、前記走行体に上下に回動可能に設けられた排土作業用のブレード、前記ブレードを昇降させるリフトシリンダ、前記旋回体に設けられ前記リフトシリンダを駆動する圧油を吐出する油圧ポンプ、及び前記油圧ポンプを駆動する原動機を備えた開脚型油圧ショベルにおいて、
    前記走行体が、
    センタフレームと、
    前記センタフレームから上方に延びて前記旋回体を支持する丸胴部と、
    前記センタフレームに対して走行方向に延びる連結軸を介して連結され、前記連結軸を支点に回動し走行方向から見て逆V字型に開脚可能なクローラ式の左右の走行装置と、
    前記左右の走行装置と前記センタフレームとに両端が連結され、前記油圧ポンプから吐出される圧油で駆動されて前記左右の走行装置を回動させ開脚及び閉脚させるチルトシリンダとを備え、
    前記連結軸が、接地面を水平にした状態における前記走行装置の重心位置よりも高位置に配置されており、
    前記チルトシリンダを最伸長させて前記左右の走行装置を最大限開脚させた状態でも前記左右の走行装置が前記旋回体の下面に接触しないように、前記センタフレームの丸胴部の上下の長さが確保されており、更に
    前記旋回体の旋回中心に配置したスイベルジョイントと、
    前記スイベルジョイントで中継された第1連絡配管及び第2連絡配管と、
    前記旋回体に設けられ、前記油圧ポンプの接続先を前記第1連絡配管と前記第2連絡配管とで切り換える方向切換弁と、
    前記走行体に設けられ、前記第1連絡配管及び前記第2連絡配管の接続先を前記リフトシリンダと前記チルトシリンダのいずれかに切り換える切換弁とを備えている
    ことを特徴とする開脚型油圧ショベル。
  2. 請求項1に記載の開脚型油圧ショベルにおいて、前記ブレードの下部に滑り止めとしてストッパが設けられていることを特徴とする開脚型油圧ショベル。
  3. 請求項2に記載の開脚型油圧ショベルにおいて、前記ブレードは、車幅方向の両側部に比べて中央部が下方に突出した形状に成形されており、前記中央部に前記ストッパが設けられていることを特徴とする開脚型油圧ショベル。
  4. 請求項3に記載の開脚型油圧ショベルにおいて、
    前記ブレードにおける車幅方向の両側部の下部に着脱可能な形状調整用のパッドが装着されており、
    前記パッドを交換することで前記ブレードの下縁の形状が変更可能であることを特徴とする開脚型油圧ショベル。
  5. 請求項1に記載の開脚型油圧ショベルにおいて、前記左右の走行装置が左右対称に開脚動作するように構成されていることを特徴とする開脚型油圧ショベル。
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