JP6998279B2 - 熱電対式液位計及び原子炉水位計 - Google Patents
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Description
したがって、熱電対とヒータ線からなる水位計では、電源切り替え時に高周波電流が発生しない構成とすることが望まれていた。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、熱電対とヒータを同一の金属製シース内に収納した複数のヒータ付熱電対と、複数のヒータ付熱電対に配置された複数のヒータへ電流を印加する少なくとも1つの電源と、複数のヒータと電源との接続を切り替える切り替え器と、切り替え器の接点の接続状態を検出する開閉センサと、切り替え器での切り替えとヒータへの電源の電圧印加を制御する制御部とを備える。
制御部は、切り替え器により複数のヒータと電源との接続を順次切り替える制御を行うと共に、開閉センサが接点の閉状態を検出している期間に、切り替え器により接続されたヒータへの電源の電圧印加を行う。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
[1.熱電対式液位計の構成]
図1は、本例の熱電対式液位計の全体構成を示す図である。
本例の熱電対式液位計は、容器1内の液体の液面2を計測するものである。容器1には、複数本(図1の例では4本)のヒータ付熱電対4a~4dが配置される。ヒータ付熱電対4a~4dは、支持材3により支持され、それぞれのヒータ付熱電対4a~4dの先端のセンサ部5a~5dが、それぞれ容器1の異なる高さに配置されている。ヒータ付熱電対4a~4dは、先端のセンサ部5a~5dにヒータと熱電対が内蔵され、ヒータによって加熱した時の熱電対で検出される温度に基づいて、センサ部5a~5dのそれぞれが液内と液外のいずれであるかを判別するものである。
図2は、ヒータ付熱電対4a~4dとして使用される水位計センサ101の内部構成を断面で示す。
水位計センサ101は、ヒータ102とヒータ線103からなるヒータ閉回路と、クロメル線105及びアルメル線106からなる熱電対107と、これらを絶縁する絶縁体108を、金属製シース109に収納する。
この水位計センサ101のヒータ102に電流を通電すると、ヒータ102が発熱して熱電対107で検出する温度が上昇する。ヒータ102及び熱電対107が配置された金属製シース109の先端部分が、図1に示すヒータ付熱電対4a~4dのセンサ部5a~5dに相当する。
本例の熱電対式液位計では、この水中と水外の応答の違いを利用し、温度上昇量にしきい値を設定することにより、温度上昇量がしきい値を超えた場合に水外(液外:気中)、超えない場合に水中(液中)と判定する。
制御部12は、熱電対温度変換器9から得た温度データに基づいて、4つのヒータ付熱電対4a~4dのそれぞれが、水中と水外のいずれであるかを判別し、判別結果に基づいて、液体の液面2を判定し、判定した液面2の位置を表示部14に表示する。
このため、制御部12が液体の液面2を判定する上では、ヒータ電源11とヒータ切り替え器10を制御して、各ヒータ付熱電対4a~4d内のヒータ102に電源を供給する必要がある。
図4は、ヒータ切り替え器10の構成を示す。
本例のヒータ切り替え器10は、4個のヒータ付熱電対4a~4dに対応した、4個のリレー15a~15dで構成されている。
それぞれのリレー15a~15dは、同じ構造であり、電磁コイル16a~16dと、固定端17a~17dを支点として可動する金属板18a~18dとを備える。電磁コイル16a~16dには、リレー駆動信号線27a~27dが接続され、このリレー駆動信号線27a~27dを介して制御部12(図1)から各電磁コイル16a~16dに駆動信号(励磁電圧)が供給される。そして、この励磁電圧が印加された電磁コイル16a~16dに対向する金属板18a~18dが各電磁コイル16a~16dに吸引される。
また、板23a~23dには接点24a~24dが取り付けられ、この板23a~23dの動きに連動して、固定板25a~25dに取り付けられた接点26a~26dと、板23a~23d側の接点24a~24dとが、接触状態と非接触状態との間で変化する。
接点24a~24dと接点6a~26dには、リレー端子28a~28dが接続されている。4個のリレー端子28a~28dは、ヒータ電源11と各ヒータ付熱電対4a~4dのヒータ102との間に接続される。
また、電磁コイル16a~16dに駆動信号が供給されない状況では、接点24a~24dと接点26a~26dは非接触状態(開状態)になり、対応したヒータ付熱電対4a~4dのヒータ102がヒータ電源11と非接続状態になる。
すなわち、制御部12は、最初に、最下のセンサ部5d内のヒータ102へ通電する前のセンサ部5dの温度を熱電対温度変換器9から読み込む。同時に、制御部12は、ヒータ切り替え器10に対し、ヒータ電源11をヒータ付熱電対4dに接続されたリレー15dに閉信号を送信し、それ以外のリレー15a,15b,15cに開信号を送信する。
図5は、開閉センサ13の構成を示す。
図5に示すように、ヒータ切り替え器10とヒータ電源11を接続するケーブルから分岐したケーブル13a,13bに、開閉センサ13が接続されている。分岐した2本のケーブル13a,13bには、微小電圧源31が接続される。この微小電圧源31は、ヒータ電源11が印加する電圧よりも十分に小さい電圧で、かつ非常に小さな電流(例えば0.1mAよりも小さな電流)を発生させるものとする。微小電圧源31の電圧出力は、制御部12により制御される。そして、一方のケーブル13aの途中にはシャント抵抗32が接続され、このシャント抵抗32の両端の電圧は微小電圧計33により検出される。
微小電圧計33で検出されたシャント抵抗32の両端電圧の信号は、制御部12(図1)に供給される。すなわち、この微小電圧計33の検出信号が、開閉センサ13の開閉検出信号になる。
図6は、リレー15dの開閉動作と、センサ部5dが備えるヒータ102の通電動作との関係を示すタイミングチャートである。図6(A)は、制御部12からリレー15dに供給するリレー開信号又はリレー閉信号の状態(励磁電圧のオフ信号又はオン信号)を示す。図6(B)は、リレー15dの開状態又は閉状態を示す。図6(C)は、ヒータ電源11からヒータ102に供給されるヒータ電圧の状態を示す。
図6ではリレー15dの動作を示すが、他のリレー15a~15cについても、制御部12は同様のタイミングで制御を行う。
その後、制御部12は、同様の手順で、別のリレー15c,15b,15aの動作と、それぞれのリレー15c,15b,15aに接続されたセンサ部5c,5b,5aが備えるヒータ102の通電動作との制御を順に行う。
そして開閉センサ13は、微小電圧計33で両端電圧を測定し、電流が所定の値よりも大きい場合にリレー閉の検出信号を制御部12に送信する。制御部12は、このリレー閉の検出信号を取得すると、図6(C)に示すように、ヒータ電圧をオンとして、水中か気中かの判別処理を開始する。
一方、微小電圧計33で両端電圧を測定し、電流が所定の値よりも小さい場合はリレー開、すなわち異常状態であることの信号を微小電圧計33から制御部12に送信する。
図7は、制御部12によるヒータ通電時の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部12は、リレー閉信号(図6(A))を送信する(ステップS11)。そして、制御部12は、リレー閉信号の送信開始からTc秒(数100ms)経過したか否かを判断し(ステップS12)、Tc秒の経過を判断するまで待機する(ステップS12のNo)。
また、ステップS15で、やり直し回数が3回を超えていると判断した場合には(ステップS15のNo)、制御部12は、表示部14に異常信号を送信し、表示部14で液位計の異常を表示する(ステップS16)。
したがって、リレーに動作遅れがある場合にも、ヒータ電源11がオンの状態でリレー15a~15dが動作することを防止ことができ、高周波電流が発生して周囲の電気設備への電磁ノイズの誘導を防ぐことができる。
この制御部12による液位の判定処理は、例えば所定の周期で繰り返し行い、最新の液位を表示部14に表示させて、使用者が常時液位を監視できるようにする。
図8は、ヒータ切り替え器の別の構成例を示す。
図8に示すヒータ切り替え器40は、強制ガイド式リレー40a~40dを用いたものである。4個の強制ガイド式リレー40a~40dは同じ構成であり、図8では、1個のリレー40aのみを示し、他のリレー40b~40dの構成については省略する。
すなわち、強制ガイド式リレー40aは、可動する接点24aと、固定された接点26aとを備えて、電磁コイル16aへのリレー駆動信号の供給で、両接点24a,26aが閉状態と開状態に設定できる構成は、図4に示すリレー15a~15dと同じである。ここで、図8に示す強制ガイド式リレー40aは、ガイド21aが延長してあり、その先に固定端41aに取り付けられた板42aに接続されている。板42aには接点43aが取り付けてある。また、接点43aに向かい合う位置に接点44aが、固定板45aに取り付けて設置されている。板42aと固定板45aには、開閉センサ端子46aが接続されている。
ここで、金属板18aにはガイド21aが取り付けられており、そのガイド21aに取り付けられた板23aが引かれ、板23aに取り付けられた接点24aが相対する接点26aと接触する。ここまでは、リレー15a~15dの動作と同じである。
図9は、本例の熱電対式液位計を、原子炉水位計に適用した場合の全体構成を示す。
原子炉圧力容器51の内部には、周囲をシュラウド52で囲まれた炉心53が設置されており、炉心53内の多数の燃料集合体(不図示)が、炉心支持板54と上部格子板55に支持されている。
炉内計装管57の下部は、原子炉圧力容器51の下部に取り付けられた炉内計装ハウジング58および炉内計装案内管59に挿入されており、上部は上部格子板55に固定されている。
水位計測装置100の構成については、図1に示す水位計測装置100と同じであり、制御部12によるヒータ切り替え器10の切り替え時の動作や液位測定時の動作についても図1に示す水位計測装置100と同じである。
なお、上述した実施の形態例においては、制御部12がリレー15a~15dの閉状態を検出した後、一定時間待機してから、ヒータ通電を行うようにした。これに対して、例えば開閉センサ13が出力する閉状態の検出信号を、遅延回路により所定時間遅延させて、その遅延された検出信号により、ヒータ通電を行うようにしてもよい。このようにすることで、ヒータ通電の制御処理が簡単になる。
Claims (6)
- 熱電対とヒータを同一の金属製シース内に収納した複数のヒータ付熱電対と、
前記複数のヒータ付熱電対に配置された複数のヒータへ電流を印加する少なくとも1つの電源と、
前記複数のヒータと前記電源との接続を切り替える切り替え器と、
前記切り替え器の接点の接続状態を検出する開閉センサと、
前記切り替え器により前記複数のヒータと前記電源との接続を順次切り替える制御を行うと共に、前記開閉センサが前記接点の閉状態を検出している期間に、前記切り替え器により接続された前記ヒータへの前記電源の電圧印加を行う制御部と、を備える
熱電対式液位計。 - 前記制御部は、前記開閉センサが検出した閉信号を所定時間遅延して、前記電源の通電開始信号とする
請求項1に記載の熱電対式液位計。 - 前記開閉センサは、前記電源と前記ヒータとの間のケーブルの途中に接続した、微小電圧電源及び電圧計で構成し、前記制御部は、前記電圧計で検出した電圧に基づいて、前記切り替え器の前記ヒータへの接続を検出する
請求項1に記載の熱電対式液位計。 - 前記切り替え器は、常時開側の接点と常時閉側の接点が連動して開閉するリレーであり、
常時開側の接点を前記ヒータと前記電源との接続に使用し、前記常時閉側の接点を前記開閉センサとして使用する
請求項1に記載の熱電対式液位計。 - 熱電対とヒータを同一の金属製シース内に収納した複数のヒータ付熱電対を、原子炉内の異なる高さ位置に設置し、前記原子炉の内部の水位を計測する原子炉水位計において、
前記複数のヒータ付熱電対に配置された複数のヒータへ電流を印加する少なくとも1つの電源と、
前記複数のヒータと前記電源との接続を切り替える切り替え器と、
前記切り替え器の接点の接続状態を検出する開閉センサと、
前記切り替え器により前記複数のヒータと前記電源との接続を順次切り替える制御を行うと共に、前記開閉センサが前記接点の閉状態を検出している期間に、前記切り替え器により接続された前記ヒータへの前記電源の電圧印加を行う制御部と、を備える
原子炉水位計。 - 前記複数のヒータ付熱電対は、原子炉の出力監視用の中性子検出器集合体内の異なる高さ位置に設置する
請求項5に記載の原子炉水位計。
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