JP2006073293A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷量を正確に判別し、負荷量に応じた調理シーケンスを自動的に選択できるため、信頼性の高い自動調理を行うことができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】負荷量判別手段12の判別結果に応じて以降の加熱手段5の出力を制御することで、加熱手段5により調理容器1を底面より加熱する時、調理容器1と内容物2の熱伝達率が変化することにより調理容器1の底の温度上昇勾配が変化する点が存在するが、この温度上昇勾配が変化する点は加熱手段5と調理容器1の底に配置された温度検知手段6との位置関係により変化するため、その温度上昇勾配が変化する点を検知し、その変化点からの所定温度分上昇する時間から内容物2の負荷量を判別することができ、判別した負荷量に応じて加熱手段5の制御を行なうことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加熱物に温度検知手段が配置され、被加熱物と加熱手段の位置関係の変化などにより、被加熱物の底部温度と内部調理物の温度との関係が変化したとしても調理物の負荷量を正確に判別する負荷量判別手段を備えた自動調理可能な加熱調理器に関するものである。
従来、この種の加熱調理器には、ある温度から一定温度上昇するのに掛かる時間を計算、またはその時間の加熱出力の積算値を計算し、その計算値を基に負荷量を判別するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に記載された従来の加熱調理器の構成図である。図7において、被加熱物である調理容器101とその内容物である調理物102があり、調理容器101の底面は加熱調理器本体103の上部にある調理容器載置部104と接している。
調理容器載置部104の下部に調理容器101を加熱するための加熱手段105と調理容器101の温度を検知するための温度検知手段106が備えられている。加熱手段105を駆動するための加熱制御手段107と加熱手段105の出力値を測定する加熱出力測定手段108があり、制御手段109は温度検知手段106の検知結果と加熱出力測定手段108の測定結果から加熱制御手段107を制御することで調理物102の温度のコントロールをする。
制御手段109には調理シーケンスや各種閾値を記憶している記憶手段110と時間を計時する計時手段111がある。制御手段109が加熱制御手段107に加熱手段105を駆動するよう命令を送ると加熱手段105は加熱をはじめる。加熱手段105が加熱をはじめると調理容器101と調理物102の温度が上昇しはじめ、温度検知手段6の検知結果が変化する。制御手段9は記憶手段10に記憶されている所定温度に温度検知手段106の検知結果が到達すると、計時手段111に所定時間の計時をスタートする命令を送る。前記所定時間後の温度検知手段106の検知結果と前記所定時間前の検知結果を負荷量判別手段112に送る。負荷量判別手段112は加熱出力測定手段108の測定結果と前記所定時間と、温度検知手段106の検知結果から調理物102の量を判別する。ここで、調理容器101の熱容量は記憶手段110にあらかじめ記憶されているものとする。
このように制御することで調理物102の量を判別することができ、量に応じた調理シーケンスを自動的に選択することができる。
また、別の従来技術では、鍋に直接温度センサをとりつけて精度良く鍋の温度を検知するものがあった。即ち、図7においては、温度検知手段106を調理容器101の底板内部の中心に設置し、図示してないRTDセンサとICタグにより構成するものであり、また、ICタグと通信を行なうための、図示してないアンテナは加熱調理器本体103の上方且つ調理容器載置部104の下方に設置されていた。
ICタグは電磁誘導式のRFIDタグを使用し、アンテナが電磁波を出力するとICタグで電気エネルギーに変換されICタグ上のICが動作し、ICタグはRTDセンサの値を読み取り、A/D変換を行い温度データを送信する。制御手段109はアンテナを制御し、調理容器101の温度データを読み取ることができるものであった。
特開平5−21149号公報
しかしながら、このような従来の技術では調理容器101に温度検知手段106が配置され、調理容器101と温度センサ106が一緒に移動して加熱手段105との位置関係が正規に載値された場合と大きく変化すると、調理容器101の検知温度と内容物102の温度の関係が変化するので、あらかじめ決められた温度域や時間域、例えば、炊飯工程の湯沸かし時の温度上昇時間により合数判定する場合、における積算電力値が大きく変化するため正確に負荷量を判別することが難しいという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被加熱物と加熱手段の位置関係の変化により、調理容器の温度と内容物の温度の関係が変化した場合にも正確に負荷量を判別することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、所定単位時間あたりの温度上昇値を測定し、その温度上昇値の変化点を検出し、その変化点から所定温度上昇にかかる時間を計測し、その計測結果から負荷量を判別することで、調理容器の温度と内容物の温度の関係が変化した場合にも正確に負荷量を判別することができる加熱調理器を提供することができる。
本発明の加熱調理器は、所定単位時間あたりの温度上昇値を測定し、その温度上昇値の変化点を検出し、その変化点から所定温度上昇にかかる時間を計測し、その計測結果から負荷量を判別することで、正確に負荷量を判別することができ、負荷量に応じた調理シーケンスを自動的に選択できるため、信頼性の高い自動調理を行なうことができる加熱調理器を提供できる。
第1の発明は、被加熱物を加熱する加熱手段と、被加熱物の底に配置され底面温度を検知する温度検知手段と、時間を計時する計時手段と、単位時間あたりの温度上昇値の変化点又は単位温度上昇するのに要する時間の変化点を検出する変化点検出手段と、前記変化点検出手段が変化点を検出し、変化点検出以降の前記温度検知手段の検知結果の変化量を観測し、その観測結果に応じて、前記被加熱物の負荷量を判別する負荷量判別手段とを備え、前記負荷量判別手段の判別結果に応じて判別以降の前記加熱手段の出力を制御することにより、加熱手段により被加熱物を底面より加熱する時、被加熱物の容器と内容物の熱伝達率が変化することにより底面温度の温度上昇勾配が変化する点が存在するが、この温度上昇勾配が変化する点は加熱手段と温度検知手段の位置関係により変化するため、その温度上昇勾配が変化する点を検知し、その変化点からの所定温度1上昇する時間から負荷量を判別することができ、正確に負荷量を判別することができるため負荷量に応じた加熱手段の制御を行なうことができる加熱調理器を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の負荷量判別手段を加熱手段駆動後に変化点検出手段により検出された変化点より所定温度1上昇するまでの時間により、被加熱物の負荷量を判別することにより、加熱手段と温度検知手段の位置関係により、被加熱物の底部温度と内温の関係が変化しても正確に負荷量を判別することができるため負荷量に応じた加熱手段の制御を行なうことができる加熱調理器を提供することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の負荷量判別手段を変化点検出手段により検出された変化点より所定温度2上昇後、前記所定温度2から所定温度1上昇するまでの時間より被加熱物の負荷量を判別することのより、内容物の対流などにより、温度上昇勾配の変化した後の温度上昇勾配が安定するまでに時間がかかる時にも、その不安定な温度上昇勾配のときは負荷量判別に用いないことで、正確に負荷量を判別することができる加熱調理器を提供することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の加熱調理器を、加熱手段の出力を測定する加熱出力測定手段を備え、前記加熱出力測定手段は、変化点検出手段により検出された変化点から所定温度1上昇するまでの時間の測定結果を積算し、負荷量判別手段は前記加熱出力測定手段の積算値より被加熱物の負荷量を判別することにより、自動調理時に使用する加熱出力の出力値を変更しても負荷量判別手段に使用する閾値を変更することなく正確に負荷量を判別することができる加熱調理器を提供することができる。
第5の発明は、特に、第1の発明の加熱調理気の負荷量判別手段を加熱手段駆動後に変化点検出手段により検出された変化点から所定時間1経過までに変化した温度変化値より前記被加熱物の負荷量を判別することにより、加熱手段と温度検知手段の位置関係により、被加熱物の底部温度と内温の関係が変化しても正確に負荷量を判別することができるため負荷量に応じた加熱手段の制御を行なうことができる加熱調理器を提供することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明の負荷量判別手段を変化点検出手段により検出された変化点より所定時間2経過後から前記所定時間1経過するまでに変化した温度変化値より前記被加熱物の負荷量を判別することにより、内容物の対流などにより、温度上昇勾配の変化した後の温度上昇勾配が安定するまでに時間がかかる時にも、その不安定な温度上昇勾配のときは負荷量判別に用いないことで、正確に負荷量を判別することができる加熱調理器を提供することができる。
第7の発明は、特に、第5または〜第6の発明の加熱調理器を、加熱手段の出力を測定する加熱出力測定手段を備え、前記加熱出力測定手段は、変化点検出手段により検出された変化点から所定時間1の間測定結果を積算し、負荷量判別手段は前記加熱出力測定手段の積算値より被加熱物の負荷量を判別することにより、自動調理時に使用する加熱出力の出力値を変更しても負荷量判別手段に使用する閾値を変更することなく正確に負荷量を判別することができる加熱調理器を提供することができる。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の加熱調理器に、自動調理を行なうための複数の調理工程を有する調理情報と、前記調理情報を記憶するための記憶手段とを備え、負荷量判別手段の判別結果に応じて判別以降の調理工程を選択することにより、負荷量に応じた調理工程を自動的に選択することができるため、使用者に負荷量に応じた調理工程を選択してもらうことなく自動調理ができる加熱調理器を提供することができる。
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか1つの発明の加熱調理器を、負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量1より多い場合、加熱手段の駆動を停止することにより、自動調理可能な量であるかを判別し、自動調理ができないほど内容物を多く入れられた場合や、選択された自動調理とは異なった材料を入れられた場合に、正確に調理ができないため加熱手段の駆動を自動的に停止することができる加熱調理器を提供することができる。
第10の発明は、特に、第1〜9のいずれか1つの発明の加熱調理器に、負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量1より多い場合、使用者に所定負荷量1より多い旨を報知する報知手段を備えることにより、自動調理ができないほど内容物を多く入れられた場合などに使用者にその旨を報知して注意を促すことができる加熱調理器を提供することができる。
第11の発明は、特に、第1〜10のいずれか1つの発明の加熱調理器を、負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量2より少ない場合、加熱手段の駆動を停止することにより、自動調理ができないほど内容物を少なく入れられた場合や、内容物の入れ忘れなどの場合に、正確に調理ができないため加熱手段の駆動を自動的に停止することができる加熱調理器を提供することができる。
第12の発明は、特に、第1〜11のいずれか1つの発明の加熱調理器を、負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量2より少ない場合、報知手段は使用者に所定負荷量2より少ない旨を報知することにより、自動調理ができないほど内容物を少なく入れられた場合などに使用者にその旨を報知することができる。
第13の発明は、特に、第1〜12のいずれか1つの発明の加熱調理器を、変化点検出手段に検出される変化点が加熱を開始してから所定時間3経過後又は所定温度3到達後までに検出されない場合、前記加熱手段の駆動を停止することにより、温度検知手段の不具合などで変化点が検出されない場合に、正確に調理ができないため加熱手段の駆動を自動的に停止することができる加熱調理器を提供することができる。
第14の発明は、特に、第1〜13のいずれか1つの発明の加熱調理器を、変化点点検出手段に検出される変化点が加熱を開始してから所定時間3経過後又は所定温度3到達後までに検出されない場合、報知手段は使用者に変化点が加熱を開始してから所定時間3経過後又は所定温度3到達後までに検出されない旨を報知するよう構成することで、温度検知手段の不具合などで変化点が検出されない場合や、選択された調理情報と異なった被加熱物により調理が開始された場合に、使用者にその旨を報知することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成図である。本実施の形態では加熱調理器を誘導式加熱調理器として説明する。なお、従来例と同等の機能には同じ符号を付し説明を省略する。
図1において、温度検知手段6は調理容器1の底板内部の中心に設置されており、RTDセンサとICタグにより構成される。ICタグと通信を行なうためのアンテナ13は加熱調理器本体3の上方且つ調理容器載置部4の下方に設置されている。
ICタグは電磁誘導式のRFIDタグを使用し、アンテナ13が電磁波を出力するとICタグで電気エネルギーに変換されICタグ上のICが動作する。ICタグはRTDセンサの値を読み取り、A/D変換を行い温度データを送信する。制御手段9はアンテナ13を制御し、温度データを読み取ることができる。
なお、本実施の形態では温度検知手段6にRTDセンサを用いる構成にて説明を行なうが、サーミスタなど他の温度検知用センサを用いて構成しても良い。また、温度検知手段6により検知される温度はRFID技術を用いて制御手段9に送られる構成としているが、調理容器1の底板内部の温度が検知できればこれに限られるものではない。また、温度検知手段6は調理容器1の底の中心に設置するとしたが、調理容器1の底の温度を検知できれば中心に限られるものではない。
調理容器載置部4の下部に調理容器1を加熱するための加熱手段5が配置されている。本実施の形態では加熱手段5に加熱コイルを用い、加熱制御手段7に高周波電流発生回路を用いる。加熱制御手段7は制御手段9により制御される。加熱出力測定手段8は加熱制御手段7の入力電圧と加熱手段5への出力電流から加熱手段5の出力電力を測定する。
本実施の形態における制御手段9はマイコンを用いて実現する。制御手段9はアンテナ13より送られてくる調理容器1の底部温度の単位時間当たりの温度上昇値を算出する。本実施の形態では単位時間を1秒とする。
変化点検出手段14は制御手段9において算出される温度上昇値が変化する点を検出するものであり、本実施の形態では単位時間ごとに算出される温度上昇値が記憶手段10に記憶している値より大きければ更新することで記憶手段10に最新の温度上昇値の最大値を記憶しておき、単位時間ごとに算出される温度上昇値が前記最大値の半分より小さくなったときを変化点とする。
なお、本実施の形態では変化点検出手段14を単位時間ごとに算出される温度上昇値の変化点を検出する手段として説明したが、単位温度上昇にかかる時間の変化点を検出する手段としてもよい。また、本実施の形態では変化点の検出方法を最大値の半分を閾値として説明したが、変化点を求めることができるならこの方法に限らなくともよい。
本実施の形態における負荷量判別手段12は変化点検出手段14により検出された変化点以降の温度検知手段6の検知結果の変化量を観測し、その観測結果に応じて、被加熱物の調理容器1の負荷量を判別するものである。
操作表示手段15は加熱調理器の操作を行なうためのスイッチと加熱調理器の状態を表示するためのLCDやLEDから構成される。報知手段16は使用者に加熱調理器の状態を報知するためのものであり、ブザーにより構成される。
なお、本実施の形態では報知手段16をブザーとして説明するが、音声などを報知できるスピーカ、アンプと音声情報から構成するものとしてもよい。
次に、図2を用いて負荷量判別手段12について詳しく説明する。図2は炊飯の沸騰までのRTDセンサの温度変化を表したグラフである。図2(a)は1合の場合、図2(b)は2合の場合である。図2(a)において横軸は時間を表し、縦軸はRTDセンサの温度を表す。本実施の形態では炊飯の沸騰には加熱手段5の出力に1000Wを使用する。
t=0で加熱が開始されると調理容器1の底が加熱されRTDセンサの温度が上昇し始める。変化点検出手段14により、t=t0にて変化点が検出されるとそのときのRTDセンサの温度であるT0を記憶手段10に記憶する。
あらかじめ記憶手段10に記憶されている所定温度1(本実施の形態では20℃とする)とT0を足したT1に到達するまでの時間△tを計時手段11により計測する。t1にて△tが求まると記憶手段10に記憶されている負荷量判別用閾値と比較し負荷量を判別する。
本実施の形態における自動炊飯調理は1合から3合までの炊飯を行なえるものとし、負荷量判別用閾値は100秒以上200秒未満を1合、200秒以上300秒未満を2合、300秒以上400秒未満を3合とする。図2(a)において△tが150秒になったとすると負荷量判別手段用閾値と比較し1合と判別しその結果を記憶手段10に記憶する。
図2(b)のように2合の場合は変化点のT0と所定温度1を足したT1に到達するまでの時間△tは時間t2にて求められる。
ここで、負荷量判別手段12による判別結果が100秒未満であった場合には制御手段9は調理継続不可能と判断し加熱を停止し、報知手段16のブザーにより1秒ONと1秒OFFを5回繰り返し、操作表示手段のLCDに“ERR1“を表示し、使用者に内容物が少なく自動調理が継続できないことを報知する。
なお、使用者に内容物が少ないことを報知できればブザー報知の1秒ONと1秒OFFを5回、LCDの表示”ERR1“に限らなくてもよい。
また、負荷量判別手段12による判別結果が400秒以上であった場合には制御手段9は調理継続不可能と判断し加熱を停止し、報知手段16のブザーにより1秒ONと1秒OFFを5回繰り返し、操作表示手段のLCDに“ERR2“を表示し、使用者に内容物が多く自動調理が継続できないことを報知する。なお、使用者に内容物が多いことを報知できればブザー報知の1秒ONと1秒OFF5回、LCDの表示”ERR2“に限らなくてもよい。
また、加熱開始から所定時間3(本実施の形態では600秒とする)経過後、又はRTDセンサの温度が所定温度3(本実施の形態では70℃とする)に到達するまでに、変化点検出手段14により検出される変化点が検出されない場合には制御手段9は調理継続不可能と判断し加熱を停止し、報知手段16のブザーにより1秒ONと0.5秒OFFを6回繰り返し、操作表示手段のLCDに“FAILURE“を表示し、使用者にRTDセンサが異常であることを報知する。
なお、使用者にRTDセンサが異常であることを報知できればブザー報知の1秒ONと0.5秒OFF6回、LCDの表示”FAILURE“に限らなくてもよい。
次に、本実施の形態における自動調理の方法について炊飯調理を用いて説明する。図3は本実施の形態における炊飯の調理情報を示す図である。本実施の形態では調理情報は記憶手段10に記憶されているものとする。
まず、操作表示手段15にて使用者に炊飯調理が選択され、自動調理スタートスイッチが押されると調理工程1番の沸騰工程から自動調理をスタートする。沸騰工程では先ほど説明したように負荷量判別手段12により内容物の合数を判別する。合数を判別後、沸騰を検知するまで設定出力である1000Wにて加熱を続ける。
沸騰を検知すると次に調理工程2番の炊き上げ工程に移る。炊き上げ工程では合数の判別結果に応じて加熱出力を変更する。本実施の形態では合数に応じた加熱出力を記憶手段10に記憶しているものとする。本実施の形態における炊き上げ工程の加熱出力Waは1合の場合400W、2合の場合500W、3合の場合600Wとする。合数に応じたWaが選択されWaにて加熱を行ない、設定温度120℃にRTDセンサが到達するまで加熱を行なう。
炊き上げ工程において120℃にRTDセンサが到達すると調理工程3番の追い炊き工程に移り、10分間200Wにて加熱を行なう。追い炊き工程において10分経過すると調理工程4番のむらし工程に移り、10分間加熱手段5の出力を停止する。むらし工程において10分経過すると自動調理終了の報知を行い終了する。自動調理終了の報知はブザーを、例えば1秒ONと0.5秒OFFするのを3回繰り返す。
なお、調理終了報知は少し離れたところにいる使用者が終了したことを確認できればブザーを鳴らすパターンを1秒ONと0.5秒OFF3回に限らなくても良い。
なお、本実施の形態では炊飯を用いて自動調理の説明をおこなったが、負荷量を判別した後の工程を変化させる自動調理であれば炊飯に限られるものではない。
なお、本実施の形態では自動調理の調理情報、負荷量判別手段用閾値と合数に応じた加熱出力情報を記憶手段10にあらかじめ記憶しておくと説明したが、メモリーカードやICカードなどの外部2次記憶装置により調理前に差し替えて記憶手段10に読みこむことができる構成としてもよい。
なお、本実施の形態では負荷量を判別した結果に応じて調理工程の一部を変更すると説明したが、あらかじめ負荷量を判別した結果に応じた調理工程を全て用意しておいても良い。
なお、本実施の形態では変化点からの一定温度上昇にかかる時間を用いて負荷量を判別するとしたが、変化点からある一定温度上昇するまでまってからの一定温度上昇にかかる時間を用いて負荷量を判別してもよい。図4は図2と同様に炊飯の沸騰までのRTDセンサの温度変化を表したグラフである。t0にて変化点が検出されると記憶手段10に記憶されている所定温度2(5℃)とT0を足したTaからTaと所定温度1(20℃)を足したT1に到達するまでの時間△tを算出し、記憶手段10に記憶されている負荷量判別手段用閾値と比較し負荷量を判別するよう負荷量判別手段12を構成してもよい。
なお、本実施の形態では変化点からの一定温度上昇にかかる時間を用いて負荷量を判別するとしたが、変化点からの一定温度上昇にかかる時間の加熱手段5の積算出力値を用いて負荷量を判別してもよい。図2及び図4の△tの間、加熱手段出力測定手段8の測定結果を単位時間ごとに積算し記憶手段10に記憶する。求められた積算出力値を負荷量判別手段用閾値と比較し負荷量を判別するよう負荷量判別手段12を構成してもよい。ここでの負荷量判別手段用閾値は電力量をもとに作成された閾値となる。
なお、本実施の形態では変化点からの一定温度上昇にかかる時間を用いて負荷量を判別するとしたが、変化点からの一定時間に上昇する温度を用いて負荷量を判別してもよい。図5は図2と同様に炊飯の沸騰までのRTDセンサの温度変化を表したグラフである。あらかじめ記憶手段10に記憶されている所定時間1(100秒とする)とt0を足したt1に到達するまでに変化した温度△Tを算出する。t1にて△Tが求まると記憶手段10に記憶されている負荷量判別用閾値と比較し負荷量を判別する。ここでの負荷量判別用閾値は温度をもとに作成された閾値となる。
本実施の形態における加熱調理器は調理容器1の底板中央にRTDセンサを配置する構成としているため調理容器1と加熱手段5の位置関係が変化することでRTDセンサの検知温度が変化する。図6は加熱手段5と調理容器1の位置による調理容器1の底部の温度分布をあらわしている。図6(a)は調理容器1と加熱手段5の断面図である。図6(b)は加熱手段5の図であり、図6(c)は調理容器1の底部の温度分布のグラフである。
図6(c)において縦軸は温度、横軸は位置を表している。位置X0の温度と位置X1の温度差は△Tp存在する。ここで調理容器1の中心を位置X1へずらすとRTDセンサの温度は調理容器1の中心がX0の時と比べ高くなる。これにより調理容器1の位置がずれることで変化点検出手段14により検出された変化点でのRTDセンサの温度も変化するが、変化点を検出してから負荷量を判別するため調理容器1の位置ずれの影響を受けずに負荷量を判別することができる。
このように加熱調理器を構成することで、被加熱物と加熱手段5の位置関係の変化などにより、調理容器1の温度と内容物の温度の関係が変化した場合にも正確に負荷量を判別することができ、負荷量に応じた調理工程を選択できるため精度よく自動調理を行なうことができる加熱調理器を提供できる。
なお、本実施の形態では加熱調理器を誘導式加熱調理器として説明したが、加熱手段5にシーズヒータなどの他の熱源を使用した加熱調理器としても同様の効果が得られる。
本発明に係る加熱調理器は被加熱物と加熱手段の位置関係の変化により、調理容器の温度と内容物の温度の関係が変化した場合にも正確に負荷量を判別することができるため、被加熱物を載置する加熱機器等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成図 (a)本発明の実施の形態1における調理容器の底温度の変化グラフ(b)同変化グラフ 本発明の実施の形態1における炊飯の調理情報を示す図 (a)本発明の実施の形態1における調理容器の底温度の変化グラフ(b)同変化グラフ (a)本発明の実施の形態1における調理容器の底温度の変化グラフ(b)同変化グラフ 本発明の実施の形態1における加熱手段と調理容器の位置による調理容器の底部の温度分布図 従来例の構成図
符号の説明
1 調理容器(被加熱物)
5 加熱手段
6 温度検知手段
8 加熱出力測定手段
10 記憶手段
11 計時手段
12 負荷量判別手段
14 変化点検出手段
16 報知手段

Claims (14)

  1. 被加熱物を加熱する加熱手段と、被加熱物の底に配置され底の温度を検知する温度検知手段と、時間を計時する計時手段と、単位時間あたりの温度上昇値の変化点又は単位温度上昇するのに要する時間の変化点を検出する変化点検出手段と、前記変化点検出手段が変化点を検出し、変化点検出以降の前記温度検知手段の検知結果の変化量を観測し、その観測結果に応じて、前記被加熱物の負荷量を判別する負荷量判別手段とを備え、前記負荷量判別手段の判別結果に応じて判別以降の前記加熱手段の出力を制御する加熱調理器。
  2. 負荷量判別手段は、加熱手段駆動後に変化点検出手段により検出された変化点より所定温度1上昇するまでの時間により、被加熱物の負荷量を判別する請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 負荷量判別手段は、変化点検出手段により検出された変化点より所定温度2上昇後、前記所定温度2から所定温度1上昇するまでの時間より被加熱物の負荷量を判別する請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 加熱手段の出力を測定する加熱出力測定手段を備え、前記加熱出力測定手段は、変化点検出手段により検出された変化点から所定温度1上昇するまでの時間の測定結果を積算し、負荷量判別手段は前記加熱手段出力測定手段の積算値により被加熱物の負荷量を判別する請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  5. 負荷量判別手段は、加熱手段駆動後に変化点検出手段により検出された変化点の検出時から所定時間1経過までに変化した温度検知手段の検知結果の変化量により被加熱物の負荷量を判別する請求項1に記載の加熱調理器。
  6. 負荷量判別手段は、変化点検出手段により検出された変化点の検出時より所定時間2経過後から所定時間1経過するまでに変化した温度検知手段の検知結果の変化量により前記被加熱物の負荷量を判別する請求項5に記載の加熱調理器。
  7. 加熱手段の出力を測定する加熱出力測定手段を備え、前記加熱出力測定手段は、変化点検出手段により検出された変化点の検出時から所定時間1経過するまでの間測定結果を積算し、負荷量判別手段は前記加熱出力測定手段の積算値により被加熱物の負荷量を判別する請求項5または6に記載の加熱調理器。
  8. 自動調理を行なうための複数の調理工程を有する調理情報と、前記調理情報を記憶するための記憶手段とを備え、負荷量判別手段の判別結果に応じて判別以降の調理工程を選択する請求項1〜7いずれか1項に記載の加熱調理器。
  9. 負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量1より多い場合、加熱手段の駆動を停止する請求項1〜8のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  10. 負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量1より多い場合、使用者に所定負荷量1より多い旨を報知する報知手段を備えた請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  11. 負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量2より少ない場合、加熱手段の駆動を停止する請求項1〜10のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  12. 負荷量判別手段の判別結果が所定負荷量2より少ない場合、報知手段は使用者に所定負荷量2より小さい旨を報知する請求項1〜11のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  13. 変化点検出手段に検出される変化点が加熱を開始してから所定時間3経過後又は所定温度3到達後までに検出されない場合、加熱手段の駆動を停止する請求項1〜12のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  14. 変化点検出手段に検出される変化点が加熱を開始してから所定時間3経過後又は所定温度3到達後までに検出されない場合、報知手段は使用者に変化点が加熱を開始してから所定時間3経過後又は所定温度3到達後までに検出されない旨を報知する請求項1〜13のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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