以下、実施形態に係る駆動装置について図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<シャッター装置の構成>
最初に、図1A~図1Cを参照しながら、第1の実施形態に係る駆動装置1を有するシャッター装置100について説明する。図1Aは、第1の実施形態に係る駆動装置1を有するシャッター装置100の全体構成を示す斜視図であり、図1Bは、第1の実施形態に係る駆動装置1を有するシャッター装置100の構成を示す拡大斜視図であり、図1Cは、第1の実施形態に係る駆動装置1を有するシャッター装置100を別の向きから見た場合の拡大斜視図である。
図1A~図1Cに示すように、第1の実施形態に係るシャッター装置100は、駆動装置1と、回転機構2と、支持部101とを備える。支持部101は、駆動装置1と回転機構2とを支持し、たとえば、支持部101を家屋の壁にねじなどの固定手段で固定させることで、シャッター装置100はかかる壁に取り付けられる。
駆動装置1は、ギヤ2dを経由して回転機構2を回転させる駆動力を発生し、発生された駆動力を回転機構2に伝達することで、回転機構2を回転駆動させる。駆動装置1の詳細については後述する。
図1Aに示すように、回転機構2は、駆動装置1による駆動の対象となる装置であり、被駆動部の一例である。第1の実施形態では、回転機構2に、図示しない複数のスラッドで構成されるシャッターの一端が固定されている。そして、駆動装置1により回転機構2が正逆回転されることで、回転機構2によりシャッターが巻き上げられたり、巻き戻されたりして、シャッターの開閉が行われる。
回転機構2は、シャフト2aと、ドラム2bと、ロール2cと、ギヤ2dとを備える。シャフト2aは、図示しないシャフトガイドに固定される。したがって、シャフト2a自体は回転しない。ドラム2bは、シャフト2aを回転軸として、シャフト2a周りを回転可能に設けられる。ドラム2bは、たとえば、シャフト2aの両方の側部に1つずつ設けられる。
ロール2cは、シャフト2aの両方の側部に1つずつ設けられるドラム2bに両端がそれぞれ固定され、ドラム2bと一体的に回転する。ロール2cは、たとえば、ドラム2bの周方向に等間隔に2つ設けられる。そして、ロール2cには、シャッターの一端が固定される。
これにより、ドラム2bおよびロール2cの回転に伴って、シャッターが開閉する。なお、ドラム2bおよびロール2cの数は上記の数に限定されない。ロール2cに取り付けられるシャッターが開閉可能であれば、ドラム2bおよびロール2cの数は問わない。
ギヤ2dは、ドラム2bおよびロール2cに連結され、ドラム2bおよびロール2cと同期して回転するギヤである。かかるギヤ2dに駆動装置1からの駆動力が伝達されることにより、ドラム2bおよびロール2cが回転する。
図1Bおよび図1Cに示すように、駆動装置1は、モータ3と、ギヤ群4と、クラッチ機構10と、ラッチ機構20と、ワイヤ50と、操作部51(図5参照)とを含む。
モータ3は、図示しない電源からの電力の供給を受けて、モータ3の出力軸であるヘリカルギヤ3aを正逆回転することにより、ドラム2bとロール2cとを正逆回転させる駆動力を発生する。第1の実施形態に係るモータ3は、回転機構2の外側に設けられており、いわゆる外付けのモータである。モータ3は、駆動部の一例である。なお、実施形態ではモータ3の出力軸をヘリカルギヤで構成しているが、ウォームギヤや平歯車などで構成してもよい。
ギヤ群4は、直列に連結される複数のギヤで構成され、モータ3により発生された駆動力をギヤ2dに伝達する。ギヤ群4は、クラッチ機構10の一部である第1ギヤ11(図2参照)と、第2ギヤ13(図2参照)とを含む。
クラッチ機構10は、ワイヤ50につながっている操作部51をユーザが操作することにより、回転機構2とモータ3との連結状態を切り替える。かかる連結状態は、回転機構2とモータ3とが連結する状態(以下、「第1の状態」と呼称する。)と、回転機構2とモータ3とが連結しない状態(以下、「第2の状態」と呼称する。)とを有する。
ラッチ機構20は、クラッチ機構10により切り替えられたモータ3と回転機構2との連結状態を保持することができる。以降においては、まずクラッチ機構10の構成について説明し、つづいてラッチ機構20の構成について説明する。
<クラッチ機構の構成(第1の実施形態)>
まずは、第1の実施形態に係るクラッチ機構10の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係るクラッチ機構10の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、第1の実施形態に係るクラッチ機構10は、モータ3の出力軸であるヘリカルギヤ3aに噛み合うように設けられている。クラッチ機構10は、ギヤ群4の一部である第1ギヤ11と、第2ギヤ13とを含む。
第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、円筒形状の軸支部材14の上下で積み重なるように配置され、それぞれ直接的または間接的に軸支部材14に軸支されている。すなわち、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、同じ回転軸A(図3参照)で回転する。
図3は、第1の実施形態に係るクラッチ機構10の断面斜視図である。図3に示すように、クラッチ機構10は、上述の第1ギヤ11と、第2ギヤ13と、軸支部材14のほかに、連結部材12と、付勢部材15と、シャフト部材16と、ワッシャー17と、支持部材18とを含む。
連結部材12は、第2ギヤ13の内側で第2ギヤ13と噛み合うとともに、軸支部材14に軸支されている。すなわち、連結部材12は、回転軸Aで第2ギヤ13と同期して回転する。
また、ユーザが操作部51(図5参照)を操作することにより、ワイヤ50とシャフト部材16とを介して、連結部材12を第2ギヤ13の内側で回転軸Aに沿った方向D1と、かかる方向D1と反対方向である方向D2とに往復移動させることができる。ここで、方向D1とは第1ギヤ11に近づく方向であり、方向D2とは第1ギヤ11から離れる方向である。
そして、連結部材12を方向D1に移動させた際、第1ギヤ11は連結部材12の方向D1側に設けられることから、第1ギヤ11の底部側に設けられる第1結合部11g(図4B参照)と、連結部材12の上部側に設けられる第2結合部12c(図4C参照)とが結合することにより、第1ギヤ11と連結部材12とが噛み合う状態となる。
ここで、連結部材12は第2ギヤ13と同期して回転することから、連結部材12を方向D1に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、連結部材12を介して同期して回転する。すなわち、連結部材12を方向D1に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結する状態(すなわち、第1の状態)となる。
一方で、連結部材12を方向D2に移動させた際、第1ギヤ11の第1結合部11gと、連結部材12の第2結合部12cとが離間することにより、第1ギヤ11と連結部材12とは噛み合わない状態となる。したがって、連結部材12を方向D2に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、連結しない状態(すなわち、第2の状態)となる。
付勢部材15は、たとえば、バネで構成され、連結部材12の方向D2側に設けられる。付勢部材15は、連結部材12を方向D1に付勢する。換言すると、付勢部材15は、連結部材12を第1ギヤ11に付勢する。
すなわち、かかる付勢の力に抗する力が加わらない限り、連結部材12は第1ギヤ11に付勢され、連結部材12と第1ギヤ11とが噛み合う状態となることから、クラッチ機構10は第1の状態を維持する。
シャフト部材16は、本体部16aとシャフト16bとを含み、軸支部材14の内側に設けられる。本体部16aには、ワイヤ50の先端部50aが係止される。シャフト16bは、連結部材12の底面部12f(図4C参照)に係止される。
ここで、ユーザが操作部51を操作して、ワイヤ50の先端部50aが方向D2に向かうような力を加えると、シャフト部材16を介して、連結部材12に方向D2へ向かう力が加わる。そして、かかる方向D2へ向かう力が、上述の付勢部材15による付勢力よりも大きくなると、連結部材12は方向D2に移動し、第1ギヤ11とは離間する。したがって、クラッチ機構10は第2の状態となる。
ワッシャー17は、シャフト16bと連結部材12との間に設けられる。ワッシャー17は、たとえば樹脂製であり、シャフト16bと連結部材12との擦れを防止する機能を有する。
支持部材18は、たとえばリング状であり、軸支部材14における第1ギヤ11が配置される箇所よりも方向D1側に係止される。支持部材18は、第1ギヤ11が方向D1側に移動するのを防止し、第1ギヤ11が軸支部材14における所定の位置で回転するように支持する機能を有する。
つづいて、クラッチ機構10の主要部材である第1ギヤ11と、連結部材12と、第2ギヤ13と、軸支部材14と、シャフト部材16との詳細な構成について図4A~図4Gを用いて説明しながら、上述のクラッチ機構10の詳細な部分について説明する。
図4Aは、第1の実施形態に係る第1ギヤ11の平面斜視図であり、図4Bは、第1の実施形態に係る第1ギヤ11の底面斜視図である。図4Aに示すように、第1ギヤ11は、円筒状の第1本体部11aと、円筒状の第2本体部11bとを有し、第1本体部11aと第2本体部11bとが上下に積み重なるように構成される。ここで、上方の第1本体部11aは、下方の第2本体部11bよりも径が小さい。
そして、第1本体部11aと第2本体部11bとの中心部を貫通するように、複数の径を有する円孔である貫通部11cが形成される。また、第1本体部11aの外周側の側面には、ギヤ状であるギヤ部11dが設けられる。かかるギヤ部11dは、ギヤ群4の一部として機能する。
図4Bに示すように、第2本体部11bの底面側には、貫通部11cを取り囲むように、リング状の溝である溝部11eが形成される。また、かかる溝部11eと貫通部11cとの間には、方向D2側に突出する円筒形状の筒部11fが設けられる。
そして、かかる筒部11fの外周側の側面には、外周側に畝状に突出し、方向D2に沿って延びる第1結合部11gが設けられる。第1結合部11gは、筒部11fの周方向に等間隔に複数(第1の実施形態では6個)設けられ、隣接する第1結合部11gの間には縦溝部11hが形成される。さらに、第1結合部11gにおける方向D2側(すなわち連結部材12側)の端部には、先細り形状の第1山形部11iが設けられる。
図4Cは、第1の実施形態に係る連結部材12の斜視図である。図4Cに示すように、連結部材12は、円筒状の本体部12aを有する。そして、本体部12aの中心部を貫通するように、複数の径を有する円孔である貫通部12bが形成される。
本体部12aの内周側の側面には、内周側に畝状に突出し、方向D1に沿って延びる第2結合部12cが設けられる。第2結合部12cは、本体部12aの周方向に等間隔に複数(第1の実施形態では6個)設けられ、隣接する第2結合部12cの間には縦溝部12dが形成される。さらに、第2結合部12cにおける方向D1側(すなわち第1ギヤ11側)の端部には、先細り形状の第2山形部12eが設けられる。
ここで、第1ギヤ11の第1結合部11gは、連結部材12の縦溝部12dと対応する位置に設けられ、かかる縦溝部12dと対応する形状を有する。さらに、連結部材12の第2結合部12cは、第1ギヤ11の縦溝部11hと対応する位置に設けられ、かかる縦溝部11hと対応する形状を有する。
これにより、図3に示したように、連結部材12が付勢部材15により第1ギヤ11に付勢された場合、第1ギヤ11の第1結合部11gは連結部材12の縦溝部12dに嵌まり込み、連結部材12の第2結合部12cは第1ギヤ11の縦溝部11hに嵌まり込むことができる。したがって、連結部材12が第1ギヤ11に付勢された場合に、第1ギヤ11と連結部材12とを噛み合わせることができる。
また、第1ギヤ11の第1結合部11gには、連結部材12側の端部に第1山形部11iが設けられ、連結部材12の第2結合部12cには、第1ギヤ11側の端部に第2山形部12eが設けられる。
これにより、クラッチ機構10が第2の状態から第1の状態に切り替わる際に、第1結合部11gと第2結合部12cとが周方向において互いに噛み合わない位置であったとしても、第1山形部11iと第2山形部12eとが互いに摺動して、第2結合部12cを連結部材12の縦溝部12dに嵌まり込むように誘導させることができるとともに、第2結合部12cを第1ギヤ11の縦溝部11hに嵌まり込むように誘導させることができる。
したがって、第2の状態において第1ギヤ11と連結部材12とがどのような位置関係であったとしても、第1山形部11iと第2山形部12eとにより、クラッチ機構10を第2の状態から第1の状態に円滑に切り替えることができる。
また、第1の実施形態において、第1山形部11iに形成される斜面と、第2山形部12eに形成される斜面とを、それぞれの傾斜角度が異なるように形成するとよい。これにより、クラッチ機構10が第2の状態から第1の状態に切り替わり、第1山形部11iと第2山形部12eとが互いに摺動する際に、第1山形部11iの斜面と第2山形部12eの斜面とを面接触ではなく線接触にすることができる。
したがって、第1山形部11iと第2山形部12eとの接触面積を小さくすることができることから、接触抵抗が小さくなり、第1山形部11iと第2山形部12eとを滑らかに摺動させることができる。
なお、第1の実施形態では、第1山形部11iに形成される斜面は、第2山形部12eに形成される斜面に比べて傾斜角度が急になるように形成されている。しかしながら、第1山形部11iに形成される斜面と、第2山形部12eに形成される斜面とは、それぞれの傾斜角度が異なるように形成されていれば、どちらの傾斜角度が急であってもよい。
連結部材12におけるその他の部位についての説明に戻る。本体部12aの内周側における底面側には、第2結合部12cに隣接してリング状の底面部12fが設けられる。また、本体部12aの外周側の側面には、複数の畝状の突起を有する第1同期部12gが設けられる。かかる畝状の突起は、方向D1(すなわち回転軸A(図3参照))に沿って延びるように形成される。
図4Dは、第1の実施形態に係る第2ギヤ13の斜視図である。図4Dに示すように、第2ギヤ13は、円筒状の第1本体部13aと、円筒状の第2本体部13bとを有し、第1本体部13aと第2本体部13bとが上下に積み重なるように構成される。ここで、上方の第1本体部13aは、下方の第2本体部13bよりも径が小さい。そして、第1本体部13aと第2本体部13bとの中心部を貫通するように、円孔である貫通部13cが形成される。
第1本体部13aおよび第2本体部13bの内周側の側面(すなわち貫通部13cの側面)には、複数の畝状の突起を有する第2同期部13dが設けられる。かかる畝状の突起は、方向D1(すなわち回転軸A(図3参照))に沿って延びるように形成されており、連結部材12の第1同期部12gと噛み合うような形状を有する。
ここで、図3に示したように、第2ギヤ13の貫通部13cには連結部材12が配置され、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとが互いに噛み合っている。これにより、連結部材12と第2ギヤ13とは、互いに同期して回転することができる。
また、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、いずれも回転軸Aに沿って延びるような畝状の突起が形成されている。これにより、連結部材12は、第2ギヤ13の貫通部13c内で回転軸Aに沿って移動することができる。
さらに、図3に示したように、第2ギヤ13の貫通部13cには、付勢部材15と、連結部材12とが下から順に積み重なるように配置される。かかる付勢部材15により、連結部材12は、貫通部13c内において方向D1に向かって付勢され、方向D1側に配置される第1ギヤ11に付勢される。
なお、第1の実施形態において、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、それぞれギヤ状である。しかしながら、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、互いに噛み合うような形状を有していれば、必ずしもギヤ状でなくともよい。
図4Eは、第1の実施形態の変形例に係る連結部材12および第2ギヤ13の斜視図である。たとえば、図4Eに示すように、平面視で矩形状である連結部材12の第1同期部12gと、同様に平面視で矩形状である第2ギヤの第2同期部13dとが互いに噛み合っていてもよい。
図4Dを参照しながら、第2ギヤ13におけるその他の部位についての説明に戻る。第2本体部13bの外周側の側面には、ギヤ状であるギヤ部13eが設けられる。かかるギヤ部13eは、ギヤ群4の一部として機能する。
図4Fは、第1の実施形態に係る軸支部材14の斜視図である。図4Fに示すように、軸支部材14は、円筒状の第1本体部14aと、円筒状の第2本体部14bとを有し、第1本体部14aと第2本体部14bとが上下に積み重なるように構成される。
ここで、上方の第1本体部14aは、下方の第2本体部14bよりも径が小さく、第1本体部14aと第2本体部14bとは中心軸が一致する。かかる中心軸は、回転軸Aに対応する。また、第2本体部14bにおける第1本体部14a側には、リング状の面である支持部14cが設けられる。
ここで、図3に示したように、第1ギヤ11の貫通部11cと連結部材12の貫通部12bとに、軸支部材14の第1本体部14aが挿通され、かかる第1本体部14aに、第1ギヤ11と連結部材12とが上から順に積み重なるように軸支される。また、付勢部材15が連結部材12と支持部14cとの間に配置され、連結部材12を方向D1に付勢する。さらに、第2ギヤ13の貫通部13cに、軸支部材14の第2本体部14bが挿通され、かかる第2本体部14bに第2ギヤ13が軸支される。
すなわち、第1の実施形態によれば、軸支部材14により、第1ギヤ11と連結部材12と第2ギヤ13とを、同じ回転軸Aで回転させることができる。
軸支部材14におけるその他の部位についての説明に戻る。第1本体部14aと第2本体部14bとの中心部には、方向D2側の底面から方向D1に沿って延びる円穴である縦穴部14dが形成される。また、かかる縦穴部14dと第1本体部14aの外側面とを貫通し、方向D1に沿って延びる貫通孔である一対の貫通部14eが形成される。ここで、一対の貫通部14eは、周方向に等間隔に形成される。
図4Gは、第1の実施形態に係るシャフト部材16の斜視図である。シャフト部材16は、方向D1に沿って延びる円柱状の本体部16aと、方向D1とは垂直な方向に沿って延びる円柱状のシャフト16bとを含む。本体部16aには、方向D1とは垂直な方向に貫通する四角孔である貫通部16cと、かかる貫通部16cの底面と本体部16aの底面との間を切り欠くように形成される切欠部16dとが形成される。
ここで、図3に示したように、シャフト部材16の本体部16aは軸支部材14の縦穴部14dに配置される。また、シャフト部材16のシャフト16bは軸支部材14の貫通部14eから外方に突出し、ワッシャー17を介して連結部材12の底面部12fに係止される。また、貫通部16cにはワイヤ50の先端部50aが係止され、切欠部16dにはワイヤ50が挿通される。
ここで、ワイヤ50につながっている操作部51(図5参照)をユーザが操作して、シャフト部材16に方向D2へ向かう力を加えることにより、シャフト16bに係止された連結部材12に方向D2へ向かう力を加えることができる。
そして、かかる方向D2へ向かう力が付勢部材15に抗する力となった場合、連結部材12を方向D2に移動させることができる。これにより、クラッチ機構10を第1の状態から第2の状態に切り替えることができる。
第1の実施形態に係るクラッチ機構10は、図3に示したように、方向D1と方向D2とに往復移動する連結部材12が、第1ギヤ11と第2ギヤ13と軸支部材14とで、周囲がすべて囲まれるように配置されている。これにより、連結部材12の周囲に外部からのゴミなどが入り込むことを抑制することができることから、かかる外部からのゴミなどにより連結部材12の往復移動が妨げられることを抑制することができる。
また、駆動装置1は、ここまで説明したクラッチ機構10が第2の状態を維持するための機構であるラッチ機構20を有する。かかるラッチ機構20の構成について以下に説明する。
<ラッチ機構の構成(第1の実施形態)>
図5は、第1の実施形態に係るラッチ機構20の構成を示す斜視図である。
図5に示すように、第1の実施形態に係るラッチ機構20は、収容部材21と、ピン22と、第1ラッチ部材23と、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25と、付勢部材26とを含む。また、ラッチ機構20は、両端側に先端部50aと操作部51とを有するワイヤ50の途中の位置に設けられる。
収容部材21は、第1ラッチ部材23と、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25と、付勢部材26とを収容する。ピン22は、第3ラッチ部材25の横孔部25g(図6E参照)に挿入され、第3ラッチ部材25とワイヤ50との間を固定する。
第1ラッチ部材23は、中心部に円孔である貫通部23b(図6A参照)が形成される円筒形状であり、収容部材21に固定される。そして、かかる貫通部23bには、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25とが配置される。
円筒形状である第2ラッチ部材24には、第3ラッチ部材25の第1本体部25a(図6E参照)が挿通されて支持される。第3ラッチ部材25は、中心部に円孔である貫通部25c(図6E参照)が形成され、かかる貫通部25cにワイヤ50が挿通される。そして、第3ラッチ部材25はかかるワイヤ50に軸支され、ワイヤ50の周囲を回転可能に構成される。
付勢部材26は、バネ部26aとワッシャー26bとを含み、収容部材21における操作部51側の側面21aと、第3ラッチ部材25の円板部25d(図6E参照)との間に配置される。そして、付勢部材26は、ラッチ機構20において先端部50a側を向く方向である方向D3に第3ラッチ部材25を付勢する。
なお、以下の説明において、たとえばワイヤ50の配線を川と仮定し、先端部50aを上流とし、操作部51を下流とした場合、「先端部50a側」とは上流側のことであり、「操作部51側」とは下流側のことである。
さらに、上述の第1ラッチ部材23には、方向D3に沿って延びる縦溝部23dが形成される。かかる縦溝部23dには、第2ラッチ部材24の側面に設けられる突起部24cと、第3ラッチ部材25の側面に設けられるラッチ部25eとが嵌まり込んでいる。
ここで、ユーザが操作部51を引っ張るように操作すると、ピン22によりワイヤ50に固定される第3ラッチ部材25は、方向D3とは反対の方向(すなわち、ラッチ機構20において操作部51側を向く方向)である方向D4に移動する。
また、第3ラッチ部材25の上面近傍にワッシャー27を介して支持される第2ラッチ部材24が、第3ラッチ部材25に押圧され、方向D4に移動する。すなわち、ユーザが操作部51を引っ張るように操作すると、第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが方向D4に移動する。
ここで、第3ラッチ部材25が方向D4に移動して、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23の縦溝部23dから抜け出すと、第3ラッチ部材25は所定の回転方向R1に回転する。そして、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23の第1斜面部23eに乗り上げた後に、回転方向R1に約1/4回転した第3ラッチ部材25は、第1ラッチ部材23に係止される。
これにより、第3ラッチ部材25が方向D4側、すなわち操作部51側の位置を保持することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも操作部51側の位置を保持することができる。したがって、先に示したクラッチ機構10において、連結部材12が操作部51側の位置(すなわち、第1ギヤ11と離間する位置)を保持することができる。すなわち、ラッチ機構20により、クラッチ機構10における第2の状態を保持することができる。
また、第3ラッチ部材25のラッチ部25eが、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eに乗り上げて第1ラッチ部材23に係止された状態において、ユーザが再度操作部51を引っ張るように操作すると、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23に係止された状態から外れ、第3ラッチ部材25は回転方向R1に回転する。
そして、回転方向R1に1/4回転した第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の縦溝部23dに嵌まり込む。ここで、第3ラッチ部材25は付勢部材26により方向D3に付勢されていることから、ラッチ部25eが縦溝部23dに嵌まり込みながら、第3ラッチ部材25は方向D3に移動する。
これにより、第3ラッチ部材25が図5に示した方向D3側の位置、すなわち元の位置に復帰することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも元の位置に復帰することができる。したがって、先に示したクラッチ機構10において、連結部材12が先端部50a側の位置(すなわち、第1ギヤ11と噛み合う位置)に復帰することができる。
ここまで説明したように、ユーザが操作部51をくり返し操作すると、ラッチ機構20により、クラッチ機構10において第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。
つづいて、ラッチ機構20の主要部材である第1ラッチ部材23と、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25との詳細な構成について図6A~図6Eを用いて説明しながら、上述のラッチ機構20の詳細な部分について説明する。
図6Aは、第1の実施形態に係る第1ラッチ部材23の平面斜視図であり、図6Bは、第1の実施形態に係る第1ラッチ部材23の底面斜視図である。図6Aに示すように、第1ラッチ部材23は、円筒状の本体部23aを有する。そして、本体部23aの中心部を貫通するように、円孔である貫通部23bが形成される。
また、本体部23aの上面側には、平面視で略D字形状の嵌合部23cが設けられる。かかる嵌合部23cは、収容部材21の所定の溝部に嵌合され、第1ラッチ部材23を収容部材21に固定する機能を有する。
さらに、本体部23aには、方向D3に沿って延びる一対の縦溝部23dが形成される。かかる一対の縦溝部23dは、本体部23aの周方向に等間隔に形成される。
図6Bに示すように、本体部23aの底面側には、一対の縦溝部23dの間に、第1斜面部23eと、壁部23fと、第2斜面部23gとが、この順に回転方向R1に沿って設けられる。ここで、第1斜面部23eと第2斜面部23gとは、いずれも回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D3側に向かうように構成され、壁部23fは、回転方向R1に向かい合うように構成される。
また、かかる第1斜面部23eと、壁部23fと、第2斜面部23gとは本体部23aの底面側にそれぞれ一対ずつ設けられており、貫通部23bの中心軸に対してそれぞれ点対称な位置および形状になるように配置されている。
図6Cは、第1の実施形態に係る第2ラッチ部材24の平面斜視図であり、図6Dは、第1の実施形態に係る第2ラッチ部材24の底面斜視図である。図6Cに示すように、第2ラッチ部材24は、円筒状の本体部24aを有する。そして、本体部24aの中心部を貫通するように、円孔である貫通部24bが形成される。
また、本体部24aの外側面には、第1ラッチ部材23の縦溝部23dに対応する位置に、かかる縦溝部23dに対応する形状である一対の突起部24cが設けられる。かかる一対の突起部24cは、本体部24aの周方向に等間隔に形成される。
図6Dに示すように、本体部24aの底面側には、突起部24cの近傍から順に、回転方向R1に沿って、第1斜面部24dと、第2斜面部24eと、第3斜面部24fと、第4斜面部24gとが1/2周にわたって設けられる。
かかる第1斜面部24dと、第2斜面部24eと、第3斜面部24fと、第4斜面部24gとは、本体部24aの底面側にそれぞれ一対ずつ設けられており、貫通部24bの中心軸に対してそれぞれ点対称な位置および形状になるように配置されている。
また、第1斜面部24dと第3斜面部24fとは、いずれも回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D3側に向かうように構成され、第2斜面部24eと第4斜面部24gとは、いずれも回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D4側に向かうように構成される。
なお、第2ラッチ部材24の第1斜面部24dおよび第3斜面部24fは、上述した第1ラッチ部材23の第1斜面部23eおよび第2斜面部23gと略等しい傾斜角度を有する。その理由については後述する。
図6Eは、第1の実施形態に係る第3ラッチ部材25の斜視図である。図6Eに示すように、第3ラッチ部材25は、円筒状の第1本体部25aと、円筒状の第2本体部25bとを有し、第1本体部25aと第2本体部25bとが上下に積み重なるように構成される。ここで、上方の第1本体部25aは、下方の第2本体部25bよりも径が大きい。
そして、第1本体部25aと第2本体部25bとの中心部を貫通するように、円孔である貫通部25cが形成される。また、第1本体部25aの上部には、かかる貫通部25cと第1本体部25aの外側面とを貫通する横孔部25gが形成される。かかる横孔部25gはピン22を挿通可能に形状され、横孔部25gにピン22を挿通することにより、第3ラッチ部材25とワイヤ50との間が固定される。なお、ピン22は第3ラッチ部材25の外側面から飛び出ない長さで埋め込まれる形となっていることから、第2ラッチ部材24の動作を阻害することはない。
さらに、第1本体部25aと第2本体部25bとの間には、第1本体部25aよりも径の大きい円板形状の円板部25dが設けられる。
ここで、第1本体部25aの外周側の側面には、外周側に畝状に突出し、円板部25dから方向D3に沿って延びる突起である一対のラッチ部25eが設けられる。かかる一対のラッチ部25eは、第1本体部25aの周方向に等間隔に形成される。
さらに、ラッチ部25eにおける方向D3側の端部には、斜面部25fが設けられる。かかる斜面部25fは、回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D3側に向かうように構成される。なお、斜面部25fは、上述した第2ラッチ部材24の第1斜面部24dおよび第3斜面部24fと(すなわち、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eおよび第2斜面部23gとも)略等しい傾斜角度を有する。
ここで、図5に示したように、第3ラッチ部材25の第1本体部25aが第2ラッチ部材24の貫通部24bに挿通されるとともに、第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが第1ラッチ部材23の貫通部23bに挿通される。
さらに、クラッチ機構10が第1の状態の場合、ラッチ機構20は、図5に示したように、第2ラッチ部材24の突起部24cと第3ラッチ部材25のラッチ部25eとが、いずれも第1ラッチ部材23の縦溝部23dに嵌まり込み、第3ラッチ部材25が方向D3側に配置されている状態である。なお、この状態において、第3ラッチ部材25に設けられる斜面部25fは、第2ラッチ部材24の底面に設けられる第1斜面部24dと当接している。
かかる状態のラッチ機構20において、ユーザが操作部51を引っ張ることにより、第3ラッチ部材25に方向D4へ向かう力が印加され、かかる力が付勢部材26の付勢力に抗する力となると、上述のように、第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが方向D4に移動する。
すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eが第1ラッチ部材23の縦溝部23dから抜け出す。さらに、第1ラッチ部材23の底面に設けられる第1斜面部23eと、第2ラッチ部材24の底面に設けられる第1斜面部24dとが隣り合う。
ここで、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eと第2ラッチ部材24の第1斜面部24dとは略等しい傾斜角度を有することから、第1斜面部23eと第1斜面部24dとは略面一となる。
さらに、ラッチ部25eに設けられる斜面部25fは、かかる第1斜面部23eおよび第1斜面部24dと略等しい傾斜角度を有するとともに、第1斜面部23eの斜面と、第1斜面部24dの斜面と、斜面部25fの斜面とは、いずれも回転方向R1に進むに従い、位置が方向D3側に向かうように構成される。
したがって、この段階で操作部51からの方向D4の外力が解放されると、第3ラッチ部材25は付勢部材26により方向D3に付勢されていることから、第3ラッチ部材25の斜面部25fと、面一となった第1斜面部23eおよび第1斜面部24dとが摺動することにより、第3ラッチ部材25は回転方向R1に向かって回転する。
そして、第3ラッチ部材25の斜面部25fが第1ラッチ部材23の第1斜面部23eに摺動しながら、第3ラッチ部材25が回転方向R1に約1/4回転すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の壁部23fに係合する。ここで、第3ラッチ部材25は付勢部材26で方向D3に付勢され、壁部23fは回転方向R1に向かい合うように構成されることから、第3ラッチ部材25は第1ラッチ部材23の壁部23fに係止される。
これにより、第3ラッチ部材25が方向D4側、すなわち操作部51側の位置を保持することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも操作部51側の位置を保持することができる。
したがって、先に示したクラッチ機構10において、連結部材12が操作部51側の位置(すなわち、第1ギヤ11と離間する位置)を保持することができる。すなわち、ラッチ機構20により、クラッチ機構10における第2の状態を保持することができる。
かかる第2の状態では、モータ3による機械的なロックが解除されるため、ユーザは、手動で容易にシャッターの開閉を行うことができる。すなわち、シャッター装置100を電動から手動に切り替えた上でシャッターの開閉を行おうとするユーザは、操作部51を操作して、所定の方向D4に外力を印加すればよい。
さらに、第1の実施形態では、操作部51からの外力が解放された後も、ラッチ機構20により第2の状態を保持することができることから、ユーザは第2の状態を容易に維持しつつ、シャッターを手動で開閉することができる。
つづいて、図5に示した状態から、ここまで説明したように、第3ラッチ部材25が方向D4に移動するとともに回転方向R1に約1/4回転して、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23の壁部23fに係止された状態において、操作部51から方向D4に外力が再度印加された場合のラッチ機構20の各部材の動作について説明する。
かかる状態のラッチ機構20において、ユーザが再度操作部51を引っ張ることにより、第3ラッチ部材25に方向D4へ向かう力が印加され、かかる力が付勢部材26の付勢力に抗する力となると、上述のように、第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが方向D4に移動する。なお、この際、第3ラッチ部材25の斜面部25fは第2ラッチ部材24の第3斜面部24fと当接している。
すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の壁部23fをせり上がって壁部23fから外れる。さらに、第1ラッチ部材23の底面に設けられる第2斜面部23gと、第2ラッチ部材24の底面に設けられる第3斜面部24fとが隣り合う。
ここで、第1ラッチ部材23の第2斜面部23gと第2ラッチ部材24の第3斜面部24fとは略等しい傾斜角度を有することから、第2斜面部23gと第3斜面部24fとは略面一となる。
さらに、ラッチ部25eに設けられる斜面部25fは、かかる第2斜面部23gおよび第3斜面部24fと略等しい傾斜角度を有するとともに、第2斜面部23gの斜面と、第3斜面部24fの斜面と、斜面部25fの斜面とは、いずれも回転方向R1に進むに従い、位置が方向D3側に向かうように構成される。
したがって、この段階で操作部51からの方向D4の外力が解放されると、第3ラッチ部材25は付勢部材26により方向D3に付勢されていることから、第3ラッチ部材25の斜面部25fと、面一となった第2斜面部23gおよび第3斜面部24fとが摺動することにより、第3ラッチ部材25は回転方向R1に向かって回転する。
そして、第3ラッチ部材25の斜面部25fが第1ラッチ部材23の第2斜面部23gに摺動しながら、第3ラッチ部材25が回転方向R1に約1/4回転すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の縦溝部23dに係合する。ここで、第3ラッチ部材25は付勢部材26で方向D3に付勢され、ラッチ部25eと縦溝部23dとはいずれも方向D3に沿って形成されることから、ラッチ部25eが縦溝部23dに嵌まり込みながら、第3ラッチ部材25は方向D3に移動する。
これにより、第3ラッチ部材25が図5に示した方向D3側、すなわち元の位置に復帰することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも元の位置に復帰することができる。
したがって、クラッチ機構10において、連結部材12が先端部50a側の位置(すなわち、第1の状態)に復帰することができる。すなわち、ユーザが操作部51をくり返し操作すると、ラッチ機構20により、クラッチ機構10において第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。
ここで、ラッチ機構20の各部材においては、上述のように、縦溝部23dが周方向に等間隔に形成されており、第1斜面部23eや壁部23f、第2斜面部23g、突起部24c、第1斜面部24d、第2斜面部24e、第3斜面部24f、第4斜面部24g、ラッチ部25eが、それぞれ周方向に等間隔に設けられている。
したがって、方向D4への外力の印加と解放とをくり返すことにより、ラッチ機構20の第3ラッチ部材25は、方向D3側に移動した状態と、方向D4側に移動した状態とを交互に切り替えることができる。
すなわち、ユーザは、シャッター装置100を手動から電動に切り替える場合には、上述のように、操作部51を再度操作して、方向D4へ向かう力を再度加えるだけでよい。方向D4へ向かう力を再度加えるだけで、ラッチ機構20の第3ラッチ部材25が方向D3に移動し、クラッチ機構10が第1の状態に復帰することから、モータ3からの駆動力を回転機構2に伝達可能となる。
以上、説明したように、第1の実施形態に係る駆動装置1は、簡易な構成のクラッチ機構10を用いて、モータ3による機械的なロックの解除および設定を行うことができる。これにより、コストを抑制しつつモータ3による機械的なロックの解除および設定を行うことができる。したがって、駆動装置1は、コストを抑制しつつシャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、第1の実施形態に係る駆動装置1は、簡易な構成のラッチ機構20を用いて、機械的なロックの解除または設定を行うことができる。したがって、駆動装置1では、簡易な構成で、シャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、第1の実施形態に係る駆動装置1は、クラッチ機構10とラッチ機構20とがそれぞれ別体で構成されている。すなわち、クラッチ機構10の連結部材12と、ラッチ機構20とが別体で構成されている。
これにより、第1の実施形態によれば、ギヤ群4に配置する必要があるクラッチ機構10をコンパクトにすることができる。さらに、第1の実施形態によれば、ラッチ機構20をシャッター装置100の空きスペースに配置することができることから、シャッター装置100の空きスペースを有効に活用することができる。
<クラッチ機構の構成(第2の実施形態)>
つづいて、第2の実施形態に係る駆動装置1について説明する。第2の実施形態に係る駆動装置1は、クラッチ機構10Aとラッチ機構20Aとが一体的に構成されている点が第1の実施形態と異なる。そこで、以降の説明においては、第1の実施形態と共通の箇所については共通の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
まずは、第2の実施形態に係るクラッチ機構10Aの構成について説明する。図7は、第2の実施形態に係るクラッチ機構10Aの構成を示す斜視図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係るクラッチ機構10Aは、モータ3の出力軸であるヘリカルギヤ3aに噛み合うように設けられている。クラッチ機構10Aは、ギヤ群4の一部である第1ギヤ11と、第2ギヤ13とを含む。
第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、円筒形状の軸支部材14の上下で積み重なるように配置され、それぞれ直接的または間接的に軸支部材14に軸支されている。すなわち、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、同じ回転軸A(図8参照)で回転する。
図8は、第2の実施形態に係るクラッチ機構10Aの断面斜視図である。図8に示すように、クラッチ機構10Aには、底部側にラッチ機構20Aが一体的に設けられている。クラッチ機構10Aは、上述の第1ギヤ11と、第2ギヤ13と、軸支部材14のほかに、連結部材12と、付勢部材15と、シャフト部材16と、ワッシャー17と、支持部材18とを含む。ラッチ機構20Aの詳細については後述する。
連結部材12は、第2ギヤ13の内側で第2ギヤ13と噛み合うとともに、軸支部材14に軸支されている。すなわち、連結部材12は、回転軸Aで第2ギヤ13と同期して回転する。
また、ユーザがワイヤ50の一端側に設けられる操作部51(図示せず)を操作することにより、ワイヤ50とシャフト部材16とを介して、連結部材12を第2ギヤ13の内側で回転軸Aに沿った方向D1と、かかる方向D1と反対方向である方向D2とに往復移動させることができる。ここで、方向D1とは第1ギヤ11に近づく方向であり、方向D2とは第1ギヤ11から離れる方向である。
そして、連結部材12を方向D1に移動させた際、第1ギヤ11は連結部材12の方向D1側に設けられることから、第1ギヤ11の底部側に設けられる第1結合部11g(図9B参照)と、連結部材12の上部側に設けられる第2結合部12c(図9C参照)とが結合することにより、第1ギヤ11と連結部材12とが噛み合う状態となる。
ここで、連結部材12は第2ギヤ13と同期して回転することから、連結部材12を方向D1に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、連結部材12を介して同期して回転する。すなわち、連結部材12を方向D1に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結する状態(すなわち、第1の状態)となる。
一方で、連結部材12を方向D2に移動させた際、第1ギヤ11の第1結合部11gと、連結部材12の第2結合部12cとが離間することにより、第1ギヤ11と連結部材12とは噛み合わない状態となる。したがって、連結部材12を方向D2に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、連結しない状態(すなわち、第2の状態)となる。
付勢部材15は、たとえば、バネで構成され、連結部材12の方向D2側に設けられる。付勢部材15は、連結部材12を方向D1に付勢する。換言すると、付勢部材15は、連結部材12を第1ギヤ11に付勢する。
すなわち、かかる付勢の力に抗する力が加わらない限り、連結部材12は第1ギヤ11に付勢され、連結部材12と第1ギヤ11とが噛み合う状態となることから、クラッチ機構10Aは第1の状態を維持する。
シャフト部材16は、本体部16aとシャフト16bとを含み、軸支部材14の内側に設けられる。本体部16aには、ワイヤ50の先端部50aが係止される。シャフト16bは、連結部材12の底面部12f(図9C参照)に係止される。また、第2の実施形態では、クラッチ機構10Aのシャフト部材16と、ラッチ機構20Aの第2ラッチ部材24とが一体で構成される(図11C参照)。
ここで、ユーザが操作部51を操作して、ワイヤ50の先端部50aが方向D2に向かうような力を加えると、シャフト部材16を介して、連結部材12に方向D2へ向かう力が加わる。そして、かかる方向D2へ向かう力が、上述の付勢部材15による付勢力よりも大きくなると、連結部材12は方向D2に移動し、第1ギヤ11とは離間する。したがって、クラッチ機構10Aは第2の状態となる。
ワッシャー17は、シャフト16bと連結部材12との間に設けられる。ワッシャー17は、たとえば樹脂製であり、シャフト16bと連結部材12との擦れを防止する機能を有する。
支持部材18は、たとえばリング状であり、軸支部材14における第1ギヤ11が配置される箇所よりも方向D1側に係止される。支持部材18は、第1ギヤ11が方向D1側に移動するのを防止し、第1ギヤ11が軸支部材14における所定の位置で回転するように支持する機能を有する。
つづいて、クラッチ機構10Aの主要部材である第1ギヤ11と、連結部材12と、第2ギヤ13と、軸支部材14との詳細な構成について図9A~図9Eを用いて説明しながら、上述のクラッチ機構10Aの詳細な部分について説明する。なお、シャフト部材16は、上述のようにラッチ機構20Aの第2ラッチ部材24と一体化されて形成されていることから、ラッチ機構20Aの説明の際に説明する。
図9Aは、第2の実施形態に係る第1ギヤ11の平面斜視図であり、図9Bは、第2の実施形態に係る第1ギヤ11の底面斜視図である。図9Aに示すように、第1ギヤ11は、円筒状の第1本体部11aと、円筒状の第2本体部11bとを有し、第1本体部11aと第2本体部11bとが上下に積み重なるように構成される。ここで、上方の第1本体部11aは、下方の第2本体部11bよりも径が小さい。
そして、第1本体部11aと第2本体部11bとの中心部を貫通するように、複数の径を有する円孔である貫通部11cが形成される。また、第1本体部11aの外周側の側面には、ギヤ状であるギヤ部11dが設けられる。かかるギヤ部11dは、ギヤ群4の一部として機能する。
図9Bに示すように、第2本体部11bの底面側には、貫通部11cを取り囲むように、リング状の溝である溝部11eが形成される。また、かかる溝部11eと貫通部11cとの間には、方向D2側に突出する円筒形状の筒部11fが設けられる。
そして、かかる筒部11fの外周側の側面には、外周側に畝状に突出し、方向D2に沿って延びる第1結合部11gが設けられる。第1結合部11gは、筒部11fの周方向に等間隔に複数(第2の実施形態では6個)設けられ、隣接する第1結合部11gの間には縦溝部11hが形成される。さらに、第1結合部11gにおける方向D2側(すなわち連結部材12側)の端部には、先細り形状の第1山形部11iが設けられる。
図9Cは、第2の実施形態に係る連結部材12の斜視図である。図9Cに示すように、連結部材12は、円筒状の本体部12aを有する。そして、本体部12aの中心部を貫通するように、複数の径を有する円孔である貫通部12bが形成される。
本体部12aの内周側の側面には、内周側に畝状に突出し、方向D1に沿って延びる第2結合部12cが設けられる。第2結合部12cは、本体部12aの周方向に等間隔に複数(第2の実施形態では6個)設けられ、隣接する第2結合部12cの間には縦溝部12dが形成される。さらに、第2結合部12cにおける方向D1側(すなわち第1ギヤ11側)の端部には、先細り形状の第2山形部12eが設けられる。
ここで、第1ギヤ11の第1結合部11gは、連結部材12の縦溝部12dと対応する位置に設けられ、かかる縦溝部12dと対応する形状を有する。さらに、連結部材12の第2結合部12cは、第1ギヤ11の縦溝部11hと対応する位置に設けられ、かかる縦溝部11hと対応する形状を有する。
これにより、図8に示したように、連結部材12が付勢部材15により第1ギヤ11に付勢された場合、第1ギヤ11の第1結合部11gは連結部材12の縦溝部12dに嵌まり込み、連結部材12の第2結合部12cは第1ギヤ11の縦溝部11hに嵌まり込むことができる。したがって、連結部材12が第1ギヤ11に付勢された場合に、第1ギヤ11と連結部材12とを噛み合わせることができる。
また、第1ギヤ11の第1結合部11gには、連結部材12側の端部に第1山形部11iが設けられ、連結部材12の第2結合部12cには、第1ギヤ11側の端部に第2山形部12eが設けられる。
これにより、第1の実施形態と同様に、第2の状態において第1ギヤ11と連結部材12とがどのような位置関係であったとしても、第1山形部11iと第2山形部12eとにより、クラッチ機構10Aを第2の状態から第1の状態に円滑に切り替えることができる。
また、第2の実施形態において、第1山形部11iに形成される斜面と、第2山形部12eに形成される斜面とを、それぞれの傾斜角度が異なるように形成するとよい。これにより、第1の実施形態と同様に、第1山形部11iと第2山形部12eとが摺動する際の接触面積を小さくすることができることから、接触抵抗が小さくなり、第1山形部11iと第2山形部12eとを滑らかに摺動させることができる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1山形部11iに形成される斜面と、第2山形部12eに形成される斜面とは、それぞれの傾斜角度が異なるように形成されていれば、どちらの傾斜角度が急であってもよい。
連結部材12におけるその他の部位についての説明に戻る。本体部12aの内周側における底面側には、第2結合部12cに隣接してリング状の底面部12fが設けられる。また、本体部12aの外周側の側面には、複数の畝状の突起を有する第1同期部12gが設けられる。かかる畝状の突起は、方向D1(すなわち回転軸A(図8参照))に沿って延びるように形成される。
図9Dは、第2の実施形態に係る第2ギヤ13の斜視図である。図9Dに示すように、第2ギヤ13は、円筒状の第1本体部13aと、円筒状の第2本体部13bとを有し、第1本体部13aと第2本体部13bとが上下に積み重なるように構成される。ここで、上方の第1本体部13aは、下方の第2本体部13bよりも径が小さい。そして、第1本体部13aと第2本体部13bとの中心部を貫通するように、円孔である貫通部13cが形成される。
第2本体部13bの内周側の側面(すなわち貫通部13cの側面)には、複数の畝状の突起を有する第2同期部13dが設けられる。かかる畝状の突起は、方向D1(すなわち回転軸A(図8参照))に沿って延びるように形成されており、連結部材12の第1同期部12gと噛み合うような形状を有する。
ここで、図8に示したように、第2ギヤ13の貫通部13cには連結部材12が配置され、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとが互いに噛み合っている。これにより、連結部材12と第2ギヤ13とは、互いに同期して回転することができる。
また、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、いずれも回転軸Aに沿って延びるような畝状の突起が形成されている。これにより、連結部材12は、第2ギヤ13の貫通部13c内で回転軸Aに沿って移動することができる。
さらに、図8に示したように、第2ギヤ13の貫通部13cには、付勢部材15と、連結部材12とが下から順に積み重なるように配置される。かかる付勢部材15により、連結部材12は、貫通部13c内において方向D1に向かって付勢され、方向D1側に配置される第1ギヤ11に付勢される。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、それぞれギヤ状である。しかしながら、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、互いに噛み合うような形状を有していれば、必ずしもギヤ状でなくともよい。
第2ギヤ13におけるその他の部位についての説明に戻る。第2本体部13bの外周側の側面には、ギヤ状であるギヤ部13eが設けられる。かかるギヤ部13eは、ギヤ群4の一部として機能する。
図9Eは、第2の実施形態に係る軸支部材14の斜視図である。図9Eに示すように、軸支部材14は、円筒状の第1本体部14aと、円筒状の第2本体部14bと、円筒状の第3本体部14fとを有し、第1本体部14aと第2本体部14bと第3本体部14fとが上下に積み重なるように構成される。
ここで、上方の第1本体部14aと下方の第3本体部14fとは、中央の第2本体部14bよりも径が小さく、第1本体部14aと第2本体部14bと第3本体部14fとは中心軸が一致する。かかる中心軸は、回転軸Aに対応する。また、第2本体部14bにおける第1本体部14a側には、リング状の面である支持部14cが設けられる。
ここで、図8に示したように、第1ギヤ11の貫通部11cと連結部材12の貫通部12bとに、軸支部材14の第1本体部14aが挿通され、かかる第1本体部14aに、第1ギヤ11と連結部材12とが上から順に積み重なるように軸支される。また、付勢部材15が連結部材12と支持部14cとの間に配置され、連結部材12を方向D1に付勢する。さらに、第2ギヤ13の貫通部13cに、軸支部材14の第2本体部14bが挿通され、かかる第2本体部14bに第2ギヤ13が軸支される。
すなわち、第2の実施形態によれば、軸支部材14により、第1ギヤ11と連結部材12と第2ギヤ13とを、同じ回転軸Aで回転させることができる。
軸支部材14におけるその他の部位についての説明に戻る。第1本体部14aと第2本体部14bと第3本体部14fとの中心部には、底面から方向D1に沿って延びる円穴である縦穴部14dが形成される。また、かかる縦穴部14dと第1本体部14aの外側面とを貫通し、方向D1に沿って延びる貫通孔である一対の貫通部14eが形成される。ここで、一対の貫通部14eは、周方向に等間隔に形成される。
第2の実施形態に係るクラッチ機構10Aは、図8に示したように、方向D1と方向D2とに往復移動する連結部材12が、第1ギヤ11と第2ギヤ13と軸支部材14とで、周囲がすべて囲まれるように配置されている。これにより、連結部材12の周囲に外部からのゴミなどが入り込むことを抑制することができることから、かかる外部からのゴミなどにより連結部材12の往復移動が妨げられることを抑制することができる。
<ラッチ機構の構成(第2の実施形態)>
図10は、第2の実施形態に係るラッチ機構20Aの構成を示す斜視図である。
図10に示すように、第2の実施形態に係るラッチ機構20Aは、第1ラッチ部材23と、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25と、付勢部材26とを含む。また、ラッチ機構20Aは、クラッチ機構10Aの底面側に、クラッチ機構10Aと一体的に設けられる。
そして、図8に示したように、ラッチ機構20Aは、クラッチ機構10Aの軸支部材14における縦穴部14dの内部に収容される。すなわち、軸支部材14が、第1の実施形態のラッチ機構20における収容部材21の機能を有する。
また、図10に示すように、第2ラッチ部材24は、クラッチ機構10Aのシャフト部材16と一体化されている。シャフト部材16は、方向D1に沿って延びる円柱状の本体部16aと、方向D1とは垂直な方向に沿って延びる円柱状のシャフト16bとを含む。本体部16aには、方向D1とは垂直な方向に貫通する四角孔である貫通部16cが形成される。
ここで、図8に示したように、シャフト部材16の本体部16aは軸支部材14の縦穴部14dに配置される。また、シャフト部材16のシャフト16bは軸支部材14の貫通部14eから外方に突出し、ワッシャー17を介して連結部材12の底面部12fに係止される。また、貫通部16cにはワイヤ50の先端部50aが係止され、貫通部24b(図11C参照)にはワイヤ50が挿通される。
ここで、ワイヤ50につながっている図示しない操作部51をユーザが操作して、シャフト部材16に方向D2へ向かう力を加えることにより、シャフト16bに係止された連結部材12に方向D2へ向かう力を加えることができる。
そして、かかる方向D2へ向かう力が付勢部材15に抗する力となった場合、連結部材12を方向D2に移動させることができる。これにより、クラッチ機構10Aを第1の状態から第2の状態に切り替えることができる。
ラッチ機構20Aの各構成部材の説明に戻る。第1ラッチ部材23は、中心部に円孔である貫通部23b(図11A参照)が形成される円筒形状であり、軸支部材14に固定される。そして、かかる貫通部23bには、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25とが配置される。
円筒形状である第2ラッチ部材24には、第3ラッチ部材25の第1本体部25a(図11E参照)が挿通されて支持される。第3ラッチ部材25は、中心部に円孔である貫通部25c(図11E参照)が形成され、かかる貫通部25cにワイヤ50が挿通される。そして、第3ラッチ部材25はかかるワイヤ50に軸支され、ワイヤ50の周囲を回転可能に構成される。
付勢部材26は、バネ部26aとワッシャー26bとを含み、軸支部材14の底面部と、第3ラッチ部材25のリング部25g(図11E参照)との間に配置される。そして、付勢部材26は、方向D1に第3ラッチ部材25を付勢する。
さらに、上述の第1ラッチ部材23には、方向D1に沿って延びる縦溝部23dが形成される。かかる縦溝部23dには、第2ラッチ部材24の側面に設けられる突起部24cと、第3ラッチ部材25の側面に設けられるラッチ部25eとが嵌まり込んでいる。
ここで、ユーザが操作部51を引っ張るように操作すると、ワイヤ50に固定されるシャフト部材16は方向D2に移動する。これにより、シャフト部材16と一体で構成される第2ラッチ部材24も方向D2に移動する。
さらに、第2ラッチ部材24の方向D2側に設けられる第3ラッチ部材25が、第2ラッチ部材24に押圧され、方向D2に移動する。すなわち、ユーザが操作部51を引っ張るように操作すると、シャフト部材16を介して、第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが方向D2に移動する。
ここで、第3ラッチ部材25が方向D2に移動して、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23の縦溝部23dから抜け出すと、第3ラッチ部材25は所定の回転方向R1に回転する。そして、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23の第1斜面部23eに乗り上げた後に、回転方向R1に約1/8回転した第3ラッチ部材25は、第1ラッチ部材23に係止される。
これにより、第3ラッチ部材25が方向D2側、すなわち操作部51側の位置を保持することから、それにともないシャフト部材16も操作部51側の位置を保持することができる。したがって、先に示したクラッチ機構10Aにおいて、連結部材12が操作部51側の位置(すなわち、第1ギヤ11と離間する位置)を保持することができる。すなわち、ラッチ機構20Aにより、クラッチ機構10Aにおける第2の状態を保持することができる。
また、第3ラッチ部材25のラッチ部25eが、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eに乗り上げて第1ラッチ部材23に係止された状態において、ユーザが再度操作部51を引っ張るように操作すると、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23に係止された状態から外れ、第3ラッチ部材25は回転方向R1に回転する。
そして、回転方向R1に1/8回転した第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の縦溝部23dに嵌まり込む。ここで、第3ラッチ部材25は付勢部材26により方向D1に付勢されていることから、ラッチ部25eが縦溝部23dに嵌まり込みながら、第3ラッチ部材25は方向D1に移動する。
これにより、第3ラッチ部材25が図10に示した方向D1側の位置、すなわち元の位置に復帰することから、それにともないシャフト部材16も元の位置に復帰することができる。したがって、先に示したクラッチ機構10Aにおいて、連結部材12が先端部50a側の位置(すなわち、第1ギヤ11と噛み合う位置)に復帰することができる。
ここまで説明したように、ユーザが操作部51をくり返し操作すると、ラッチ機構20Aにより、クラッチ機構10Aにおいて第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。
つづいて、ラッチ機構20Aの主要部材である第1ラッチ部材23と、第2ラッチ部材24と、第3ラッチ部材25との詳細な構成について図11A~図11Eを用いて説明しながら、上述のラッチ機構20Aの詳細な部分について説明する。
図11Aは、第2の実施形態に係る第1ラッチ部材23の平面斜視図であり、図11Bは、第2の実施形態に係る第1ラッチ部材23の底面斜視図である。図11Aに示すように、第1ラッチ部材23は、円筒状の本体部23aを有する。そして、本体部23aの中心部を貫通するように、円孔である貫通部23bが形成される。
また、本体部23aには、方向D1に沿って延びる4つの縦溝部23dが形成される。かかる4つの縦溝部23dは、本体部23aの周方向に等間隔に形成される。
図11Bに示すように、本体部23aの底面側には、隣接する縦溝部23dの間に、第1斜面部23eと、壁部23fと、第2斜面部23gとが、この順に回転方向R1に沿って設けられる。ここで、第1斜面部23eと第2斜面部23gとは、いずれも回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D1側に向かうように構成され、壁部23fは、回転方向R1に向かい合うように構成される。
また、かかる第1斜面部23eと、壁部23fと、第2斜面部23gとは本体部23aの底面側にそれぞれ4つずつ設けられており、貫通部23bの中心軸に対してそれぞれ点対称な位置および形状になるように配置されている。
図11Cは、第2の実施形態に係る第2ラッチ部材24の平面斜視図であり、図11Dは、第2の実施形態に係る第2ラッチ部材24の底面斜視図である。上述のように、第2の実施形態に係る第2ラッチ部材24には、シャフト部材16が一体化されて形成されている。かかるシャフト部材16についてすでに説明したことから、ここでは第2ラッチ部材24における各部位について説明する。
図11Cに示すように、第2ラッチ部材24は、シャフト部材16の本体部16aと一体となって形成される円筒状の本体部24aを有する。そして、本体部24aの中心部を貫通するように、円孔である貫通部24bが形成される。
また、本体部24aの外側面には、第1ラッチ部材23の縦溝部23dに対応する位置に、かかる縦溝部23dに対応する形状である4つの突起部24cが設けられる。かかる4つの突起部24cは、本体部24aの周方向に等間隔に形成される。
図11Dに示すように、本体部24aの底面側には、突起部24cの近傍から順に、回転方向R1に沿って、第1斜面部24dと、第2斜面部24eと、第3斜面部24fと、第4斜面部24gとが1/4周にわたって設けられる。
かかる第1斜面部24dと、第2斜面部24eと、第3斜面部24fと、第4斜面部24gとは、本体部24aの底面側にそれぞれ4つずつ設けられており、貫通部24bの中心軸に対してそれぞれ点対称な位置および形状になるように配置されている。
また、第1斜面部24dと第3斜面部24fとは、いずれも回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D1側に向かうように構成され、第2斜面部24eと第4斜面部24gとは、いずれも回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D2側に向かうように構成される。
なお、第2ラッチ部材24の第1斜面部24dおよび第3斜面部24fは、第1の実施形態と同様に、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eおよび第2斜面部23gと略等しい傾斜角度を有する。
図11Eは、第2の実施形態に係る第3ラッチ部材25の斜視図である。図11Eに示すように、第3ラッチ部材25は、円筒状の第1本体部25aを有する。そして、第1本体部25aの中心部を貫通するように、円孔である貫通部25cが形成される。また、第1本体部25aの方向D2側の端面には、第1本体部25aよりも径の大きい円板形状の円板部25dが設けられる。
ここで、第1本体部25aの外周側の側面には、外周側に畝状に突出し、円板部25dから方向D1に沿って延びる突起である4つのラッチ部25eが設けられる。かかる4つのラッチ部25eは、第1本体部25aの周方向に等間隔に形成される。
さらに、ラッチ部25eにおける方向D1側の端部には、斜面部25fが設けられる。かかる斜面部25fは、回転方向R1に進むに従い、面の位置が方向D1側に向かうように構成される。なお、斜面部25fは、第1の実施形態と同様に、第2ラッチ部材24の第1斜面部24dおよび第3斜面部24fと(すなわち、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eおよび第2斜面部23gとも)略等しい傾斜角度を有する。
ここで、図8に示したように、第3ラッチ部材25の第1本体部25aが第2ラッチ部材24の貫通部24bに挿通されるとともに、第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが第1ラッチ部材23の貫通部23bに挿通される。
さらに、クラッチ機構10Aが第1の状態の場合、ラッチ機構20Aは、図10に示したように、第2ラッチ部材24の突起部24cと第3ラッチ部材25のラッチ部25eとが、いずれも第1ラッチ部材23の縦溝部23dに嵌まり込み、第3ラッチ部材25が方向D1側に配置されている状態である。なお、この状態において、第3ラッチ部材25に設けられる斜面部25fは、第2ラッチ部材24の底面に設けられる第1斜面部24dと当接している。
かかる状態のラッチ機構20Aにおいて、ユーザが操作部51を引っ張ることにより、シャフト部材16に方向D2へ向かう力が印加され、かかる力が付勢部材26の付勢力に抗する力となると、上述のように、シャフト部材16を介して第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが方向D2に移動する。
すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eが第1ラッチ部材23の縦溝部23dから抜け出す。さらに、第1ラッチ部材23の底面に設けられる第1斜面部23eと、第2ラッチ部材24の底面に設けられる第1斜面部24dとが隣り合う。
ここで、第1ラッチ部材23の第1斜面部23eと第2ラッチ部材24の第1斜面部24dとは略等しい傾斜角度を有することから、第1斜面部23eと第1斜面部24dとは略面一となる。
さらに、ラッチ部25eに設けられる斜面部25fは、かかる第1斜面部23eおよび第1斜面部24dと略等しい傾斜角度を有するとともに、第1斜面部23eの斜面と、第1斜面部24dの斜面と、斜面部25fの斜面とは、いずれも回転方向R1に進むに従い、位置が方向D1側に向かうように構成される。
したがって、この段階で操作部51からの方向D2の外力が解放されると、第3ラッチ部材25は付勢部材26により方向D1に付勢されていることから、第3ラッチ部材25の斜面部25fと、面一となった第1斜面部23eおよび第1斜面部24dとが摺動することにより、第3ラッチ部材25は回転方向R1に向かって回転する。
そして、第3ラッチ部材25の斜面部25fが第1ラッチ部材23の第1斜面部23eに摺動しながら、第3ラッチ部材25が回転方向R1に約1/8回転すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の壁部23fに係合する。ここで、第3ラッチ部材25は付勢部材26で方向D1に付勢され、壁部23fは回転方向R1に向かい合うように構成されることから、第3ラッチ部材25は第1ラッチ部材23の壁部23fに係止される。
これにより、第3ラッチ部材25が方向D2側、すなわち操作部51側の位置を保持することから、それにともないシャフト部材16も操作部51側の位置を保持することができる。
したがって、先に示したクラッチ機構10Aにおいて、連結部材12が操作部51側の位置(すなわち、第1ギヤ11と離間する位置)を保持することができる。すなわち、ラッチ機構20Aにより、クラッチ機構10Aにおける第2の状態を保持することができる。
かかる第2の状態では、モータ3による機械的なロックが解除されるため、ユーザは、手動で容易にシャッターの開閉を行うことができる。すなわち、シャッター装置100を電動から手動に切り替えた上でシャッターの開閉を行おうとするユーザは、操作部51を操作して、所定の方向D2に外力を印加すればよい。
さらに、第2の実施形態では、操作部51からの外力が解放された後も、ラッチ機構20Aにより第2の状態を保持することができることから、ユーザは第2の状態を容易に維持しつつ、シャッターを手動で開閉することができる。
つづいて、図10に示した状態から、ここまで説明したように、第3ラッチ部材25が方向D2に移動するとともに回転方向R1に約1/8回転して、ラッチ部25eが第1ラッチ部材23の壁部23fに係止された状態において、操作部51から方向D2に外力が再度印加された場合のラッチ機構20Aの各部材の動作について説明する。
かかる状態のラッチ機構20Aにおいて、ユーザが再度操作部51を引っ張ることにより、シャフト部材16に方向D2へ向かう力が印加され、かかる力が付勢部材26の付勢力に抗する力となると、上述のように、シャフト部材16を介して第2ラッチ部材24と第3ラッチ部材25とが方向D2に移動する。なお、この際、第3ラッチ部材25の斜面部25fは第2ラッチ部材24の第3斜面部24fと当接している。
すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の壁部23fをせり上がって壁部23fから外れる。さらに、第1ラッチ部材23の底面に設けられる第2斜面部23gと、第2ラッチ部材24の底面に設けられる第3斜面部24fとが隣り合う。
ここで、第1ラッチ部材23の第2斜面部23gと第2ラッチ部材24の第3斜面部24fとは略等しい傾斜角度を有することから、第2斜面部23gと第3斜面部24fとは略面一となる。
さらに、ラッチ部25eに設けられる斜面部25fは、かかる第2斜面部23gおよび第3斜面部24fと略等しい傾斜角度を有するとともに、第2斜面部23gの斜面と、第3斜面部24fの斜面と、斜面部25fの斜面とは、いずれも回転方向R1に進むに従い、位置が方向D1側に向かうように構成される。
したがって、この段階で操作部51からの方向D2の外力が解放されると、第3ラッチ部材25は付勢部材26により方向D1に付勢されていることから、第3ラッチ部材25の斜面部25fと、面一となった第2斜面部23gおよび第3斜面部24fとが摺動することにより、第3ラッチ部材25は回転方向R1に向かって回転する。
そして、第3ラッチ部材25の斜面部25fが第1ラッチ部材23の第2斜面部23gに摺動しながら、第3ラッチ部材25が回転方向R1に約1/8回転すると、第3ラッチ部材25のラッチ部25eは、第1ラッチ部材23の縦溝部23dに係合する。ここで、第3ラッチ部材25は付勢部材26で方向D1に付勢され、ラッチ部25eと縦溝部23dとはいずれも方向D1に沿って形成されることから、ラッチ部25eが縦溝部23dに嵌まり込みながら、第3ラッチ部材25は方向D1に移動する。
これにより、第3ラッチ部材25が図10に示した方向D1側、すなわち元の位置に復帰することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも元の位置に復帰することができる。
したがって、クラッチ機構10Aにおいて、連結部材12が先端部50a側の位置(すなわち、第1の状態)に復帰することができる。すなわち、ユーザが操作部51をくり返し操作すると、ラッチ機構20Aにより、クラッチ機構10Aにおいて第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。
ここで、ラッチ機構20Aの各部材においては、上述のように、縦溝部23dが周方向に等間隔に形成されており、第1斜面部23eや壁部23f、第2斜面部23g、突起部24c、第1斜面部24d、第2斜面部24e、第3斜面部24f、第4斜面部24g、ラッチ部25eが、それぞれ周方向に等間隔に設けられている。
したがって、方向D2への外力の印加と解放とをくり返すことにより、ラッチ機構20Aの第3ラッチ部材25は、方向D1側に移動した状態と、方向D2側に移動した状態とを交互に切り替えることができる。
すなわち、ユーザは、シャッター装置100を手動から電動に切り替える場合には、上述のように、操作部51を再度操作して、方向D2へ向かう力を再度加えるだけでよい。方向D2へ向かう力を再度加えるだけで、ラッチ機構20Aの第3ラッチ部材25が方向D1に移動し、クラッチ機構10Aが第1の状態に復帰することから、モータ3からの駆動力を回転機構2に伝達可能となる。
以上、説明したように、第2の実施形態に係る駆動装置1は、簡易な構成のクラッチ機構10Aを用いて、モータ3による機械的なロックの解除および設定を行うことができる。これにより、コストを抑制しつつモータ3による機械的なロックの解除および設定を行うことができる。したがって、駆動装置1は、コストを抑制しつつシャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、第2の実施形態に係る駆動装置1は、簡易な構成のラッチ機構20Aを用いて、機械的なロックの解除または設定を行うことができる。したがって、駆動装置1では、簡易な構成で、シャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、第2の実施形態に係る駆動装置1は、クラッチ機構10Aとラッチ機構20Aとが一体的に構成されている。すなわち、クラッチ機構10Aの連結部材12とシャフト部材16とが一体的に構成されるとともに、かかるシャフト部材16とラッチ機構20Aの第2ラッチ部材24とが一体的に構成される。
これにより、第2の実施形態によれば、クラッチ機構10Aとラッチ機構20Aとを合わせた全体のサイズをコンパクトにすることができる。さらに、第2の実施形態によれば、シャッター装置100に適当な空きスペースがない場合においても、ラッチ機構20Aを配置することができる。
<クラッチ機構の構成(第3の実施形態)>
つづいて、第3の実施形態に係る駆動装置1について説明する。第3の実施形態に係る駆動装置1は、クラッチ機構10Bの構成が第1の実施形態と異なる一方で、ラッチ機構20の構成は第1の実施形態と同様である。すなわち、ラッチ機構20は、クラッチ機構10Bとは別体で設けられる。
そこで、以降の説明において、第3の実施形態に係るラッチ機構20の説明は省略するとともに、クラッチ機構10Bについても第1の実施形態と共通の箇所については共通の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
まずは、第3の実施形態に係るクラッチ機構10Bの構成について説明する。図12は、第3の実施形態に係るクラッチ機構10Bの構成を示す斜視図である。
図12に示すように、第3の実施形態に係るクラッチ機構10Bは、モータ3の出力軸であるヘリカルギヤ3aに噛み合うように設けられている。クラッチ機構10Bは、ギヤ群4の一部である第1ギヤ11と、第2ギヤ13とを含む。また、かかる第1ギヤ11と第2ギヤ13との間に、連結部材12が設けられる。
第1ギヤ11と連結部材12と第2ギヤ13とは、円筒形状の軸支部材14の上下で積み重なるように配置され、それぞれ直接的または間接的に軸支部材14に軸支されている。すなわち、第1ギヤ11と連結部材12と第2ギヤ13とは、同じ回転軸Aで回転する。
さらに、連結部材12は、第2ギヤ13の内側で第2ギヤ13と噛み合う。したがって、連結部材12は、回転軸Aで第2ギヤ13と同期して回転する。
クラッチ機構10Bは、上述の第1ギヤ11と、連結部材12と、第2ギヤ13と、軸支部材14のほかに、付勢部材15と、ベルクランク機構30を含む。かかるベルクランク機構30は、回動部材31と、固定部材32と、軸支部材33とを含む。
そして、ユーザがワイヤ50の一端側に設けられる操作部51(図示せず)を操作することにより、ワイヤ50とベルクランク機構30とを介して、連結部材12を第2ギヤ13の内側で回転軸Aに沿った方向D1と、かかる方向D1と反対方向である方向D2とに往復移動させることができる。ここで、方向D1とは第1ギヤ11に近づく方向であり、方向D2とは第1ギヤ11から離れる方向である。
そして、連結部材12を方向D1に移動させた際、第1ギヤ11は連結部材12の方向D1側に設けられることから、第1ギヤ11の底部側に設けられる第1結合部11g(図13A参照)と、連結部材12の上部側に設けられる第2結合部12c(図13B参照)とが結合することにより、第1ギヤ11と連結部材12とが噛み合う状態となる。
ここで、連結部材12は第2ギヤ13と同期して回転することから、連結部材12を方向D1に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、連結部材12を介して同期して回転する。すなわち、連結部材12を方向D1に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結する状態(すなわち、第1の状態)となる。
一方で、連結部材12を方向D2に移動させた際、第1ギヤ11の第1結合部11gと、連結部材12の第2結合部12cとが離間することにより、第1ギヤ11と連結部材12とは噛み合わない状態となる。したがって、連結部材12を方向D2に移動させた場合、第1ギヤ11と第2ギヤ13とは、連結しない状態(すなわち、第2の状態)となる。
付勢部材15は、たとえば、バネで構成され、連結部材12の方向D2側に設けられる。付勢部材15は、連結部材12を方向D1に付勢する。換言すると、付勢部材15は、連結部材12を第1ギヤ11に付勢する。
すなわち、かかる付勢の力に抗する力が加わらない限り、連結部材12は第1ギヤ11に付勢され、連結部材12と第1ギヤ11とが噛み合う状態となることから、クラッチ機構10Bは第1の状態を維持する。
ベルクランク機構30の回動部材31は、第2ギヤ13における方向D2側の底面と、連結部材12の方向D2側に設けられる円板部12hとの間に配置される。また、回動部材31は、軸支部材33に軸支され、連結部材12の円板部12hを方向D2側に押圧するように回動可能に構成されるとともに、回動部材31にはワイヤ50の先端部50aが係止されている。
ここで、ユーザが操作部51を操作して、ワイヤ50を引っ張るように力を加えると、ベルクランク機構30の回動部材31を介して、連結部材12の円板部12hに方向D2へ向かう力が加わる。そして、かかる方向D2へ向かう力が、上述の付勢部材15による付勢力よりも大きくなると、連結部材12は方向D2に移動し、第1ギヤ11とは離間する。したがって、クラッチ機構10Bは第2の状態となる。かかるベルクランク機構30の詳細な作用については後述する。
つづいて、クラッチ機構10Bの主要部材である第1ギヤ11と、連結部材12と、第2ギヤ13と、軸支部材14との詳細な構成について図13A~図13Dを用いて説明しながら、上述のクラッチ機構10Bの詳細な部分について説明する。
図13Aは、第3の実施形態に係る第1ギヤ11の斜視図である。図13Aに示すように、第1ギヤ11は、円筒状の第1本体部11aと、円筒状の第2本体部11bとを有し、第1本体部11aと第2本体部11bとが上下に積み重なるように構成される。ここで、上方の第1本体部11aは、下方の第2本体部11bよりも径が大きい。
そして、第1本体部11aと第2本体部11bとの中心部を貫通するように、複数の径を有する円孔である貫通部11cが形成される。また、第1本体部11aの外周側の側面には、ギヤ状であるギヤ部11dが設けられる。かかるギヤ部11dは、ギヤ群4の一部として機能する。
第2本体部11bの外周側の側面には、外周側に畝状に突出し、方向D2に沿って延びる第1結合部11gが設けられる。第1結合部11gは、第2本体部11bの周方向に等間隔に複数(第3の実施形態では6個)設けられ、隣接する第1結合部11gの間には縦溝部11hが形成される。さらに、第1結合部11gにおける方向D2側(すなわち連結部材12側)の端部には、先細り形状の第1山形部11iが設けられる。
図13Bは、第3の実施形態に係る連結部材12の斜視図である。図13Bに示すように、連結部材12は、円筒状の本体部12aを有する。そして、本体部12aの中心部を貫通するように、円孔である貫通部12bが形成される。
本体部12aの内周側の側面には、内周側に畝状に突出し、方向D1に沿って延びる第2結合部12cが設けられる。第2結合部12cは、本体部12aの周方向に等間隔に複数(第3の実施形態では6個)設けられ、隣接する第2結合部12cの間には縦溝部12dが形成される。さらに、第2結合部12cにおける方向D1側(すなわち第1ギヤ11側)の端部には、先細り形状の第2山形部12eが設けられる。
ここで、第1ギヤ11の第1結合部11gは、連結部材12の縦溝部12dと対応する位置に設けられ、かかる縦溝部12dと対応する形状を有する。さらに、連結部材12の第2結合部12cは、第1ギヤ11の縦溝部11hと対応する位置に設けられ、かかる縦溝部11hと対応する形状を有する。
これにより、図12に示したように、連結部材12が付勢部材15により第1ギヤ11に付勢された場合、第1ギヤ11の第1結合部11gは連結部材12の縦溝部12dに嵌まり込み、連結部材12の第2結合部12cは第1ギヤ11の縦溝部11hに嵌まり込むことができる。したがって、連結部材12が第1ギヤ11に付勢された場合に、第1ギヤ11と連結部材12とを噛み合わせることができる。
また、第1ギヤ11の第1結合部11gには、連結部材12側の端部に第1山形部11iが設けられ、連結部材12の第2結合部12cには、第1ギヤ11側の端部に第2山形部12eが設けられる。
これにより、第1の実施形態と同様に、第2の状態において第1ギヤ11と連結部材12とがどのような位置関係であったとしても、第1山形部11iと第2山形部12eとにより、クラッチ機構10Bを第2の状態から第1の状態に円滑に切り替えることができる。
また、第3の実施形態において、第1山形部11iに形成される斜面と、第2山形部12eに形成される斜面とを、それぞれの傾斜角度が異なるように形成するとよい。これにより、第1の実施形態と同様に、第1山形部11iと第2山形部12eとが摺動する際の接触面積を小さくすることができることから、接触抵抗が小さくなり、第1山形部11iと第2山形部12eとを滑らかに摺動させることができる。
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1山形部11iに形成される斜面と、第2山形部12eに形成される斜面とは、それぞれの傾斜角度が異なるように形成されていれば、どちらの傾斜角度が急であってもよい。
連結部材12におけるその他の部位についての説明に戻る。本体部12aの外周側の側面には、複数の畝状の突起を有する第1同期部12gが設けられる。かかる畝状の突起は、方向D1(すなわち回転軸A(図12参照))に沿って延びるように形成される。また、本体部12aの方向D2側の端部には、本体部12aよりも径の大きい円板形状の円板部12hが設けられる。
図13Cは、第3の実施形態に係る第2ギヤ13の斜視図である。図13Cに示すように、第2ギヤ13は、円筒状の第1本体部13aを有する。そして、第1本体部13aの中心部を貫通するように、貫通孔である貫通部13cが形成される。
第1本体部13aの内周側の側面(すなわち貫通部13cの側面)には、複数の畝状の突起を有する第2同期部13dが設けられる。かかる畝状の突起は、方向D1(すなわち回転軸A(図12参照))に沿って延びるように形成されており、連結部材12の第1同期部12gと噛み合うような形状を有する。
ここで、図12に示したように、第2ギヤ13の貫通部13cには連結部材12が配置され、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとが互いに噛み合っている。これにより、連結部材12と第2ギヤ13とは、互いに同期して回転することができる。
また、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、いずれも回転軸Aに沿って延びるような畝状の突起が形成されている。これにより、連結部材12は、第2ギヤ13の貫通部13c内で回転軸Aに沿って移動することができる。
さらに、図12に示したように、クラッチ機構10Bでは、付勢部材15と、連結部材12とが下から順に積み重なるように配置される。かかる付勢部材15により、連結部材12は、貫通部13c内において方向D1に向かって付勢され、方向D1側に配置される第1ギヤ11に付勢される。
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、それぞれギヤ状である。しかしながら、連結部材12の第1同期部12gと第2ギヤ13の第2同期部13dとは、互いに噛み合うような形状を有していれば、必ずしもギヤ状でなくともよい。
第2ギヤ13におけるその他の部位についての説明に戻る。第2本体部13bの外周側の側面には、ギヤ状であるギヤ部13eが設けられる。かかるギヤ部13eは、ギヤ群4の一部として機能する。
図13Dは、第3の実施形態に係る軸支部材14の斜視図である。図13Dに示すように、軸支部材14は、円筒状の第1本体部14aと、円筒状の第2本体部14bとを有し、第1本体部14aと第2本体部14bとが上下に積み重なるように構成される。
上方の第1本体部14aは、下方の第2本体部14bよりも径が小さく、第1本体部14aと第2本体部14bとは中心軸が一致する。かかる中心軸は、回転軸Aに対応する。また、第2本体部14bにおける第1本体部14a側には、リング状の面である支持部14cが設けられる。
ここで、第1ギヤ11の貫通部11cに軸支部材14の第1本体部14aが挿通され、かかる第1本体部14aに第1ギヤ11が軸支される。また、連結部材12の貫通部12bに軸支部材14の第2本体部14bが挿通され、かかる第2本体部14bに連結部材12が軸支される。さらに、上述のように、第2ギヤ13は、連結部材12と互いに同期して回転する。
すなわち、第3の実施形態によれば、軸支部材14により、第1ギヤ11と連結部材12と第2ギヤ13とを、同じ回転軸Aで回転させることができる。なお、第1ギヤ11は、支持部14cにより方向D2側の端面が支持される。
つづいて、図14Aおよび図14Bを参照しながら、ベルクランク機構30の詳細な作用について説明する。図14Aは、第3の実施形態に係るクラッチ機構10Bにおける第1の状態を模式的に示す側面図である。図14Aは、ユーザが操作部51(図示せず)を引っ張るように操作しておらず、連結部材12が付勢部材15により方向D1に付勢されている状態を示す図である。
この場合には、第1ギヤ11と連結部材12とが噛み合い、連結している。すなわち、ユーザが操作部51を引っ張るように操作していない場合には、連結状態が第1の状態となる。
次に、ベルクランク機構30を介して第1ギヤ11と連結部材12とが連結する第1の状態から、第1ギヤ11と連結部材12とが連結しない第2の状態に切り替える方法について説明する。図14Bは、第3の実施形態に係るクラッチ機構10Bにおける第2の状態を模式的に示す側面図である。
たとえば、シャッター装置100を電動から手動に切り替えた上でシャッターの開閉を行おうとするユーザは、操作部51(図5参照)を引っ張るように操作する。すると、ワイヤ50を介して、先端部50aと係合する回動部材31の係合部31aは、軸支部材33を軸に所定の回転方向R2に回転する。また、かかる係合部31aの回動にともない、軸支部材33を介して係合部31aの反対側に設けられる回動部材31の押圧部31bも、回転方向R2に回動する。
ここで、かかる押圧部31bの回転方向R2側には、連結部材12の円板部12hが配置されている。したがって、ユーザが操作部51を引っ張るように操作すると、連結部材12の円板部12hに回転方向R2へ向かう力が加わる。
また、第3の実施形態に係るクラッチ機構10Bでは、円板部12hに加わる回転方向R2へ向かう力を、連結部材12に加わる方向D2へ向かう力に変換できるように、ベルクランク機構30の各部材を配置している。したがって、ベルクランク機構30により、ユーザが操作部51を引っ張るように操作すると、連結部材12に方向D2へ向かう力が加わる。
そして、かかる方向D2へ向かう力が付勢部材15に抗する力となった場合、連結部材12を方向D2に移動させることができる。これにより、クラッチ機構10Bを第1の状態から第2の状態に切り替えることができる。
また、第3の実施形態にかかる駆動装置1は、第1の実施形態で説明したラッチ機構20を備える。したがって、第3の実施形態にかかる駆動装置1は、かかるラッチ機構20により、クラッチ機構10Bにおける第2の状態を維持することができるとともに、第1の状態と第2の状態とを容易に切り替えることができる。
以上、説明したように、第3の実施形態に係る駆動装置1は、簡易な構成のクラッチ機構10Bを用いて、モータ3による機械的なロックの解除および設定を行うことができる。これにより、コストを抑制しつつモータ3による機械的なロックの解除および設定を行うことができる。したがって、駆動装置1は、コストを抑制しつつシャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
<リモコン機構の構成(第4の実施形態)>
つづいて、第4の実施形態に係る駆動装置1について説明する。第4の実施形態に係る駆動装置1は、ラッチ機構20に代わりリモコン機構40が設けられる一方で、クラッチ機構10Bの構成は第3の実施形態と同様である。すなわち、クラッチ機構10Bは、ベルクランク機構30を含む。
そこで、以降の説明では、第4の実施形態に係るクラッチ機構10Bの説明は省略し、ラッチ機構20に代わるリモコン機構40の構成について説明する。
まずは、第4の実施形態に係るリモコン機構40の構成について説明する。図15は、第4の実施形態に係るリモコン機構40の構成を示す斜視図である。リモコン機構40は、収容部材41と、抽斗部材42と、クラッチ保持部材43と、付勢部材44と、固定部材45とを含む。
収容部材41は、細長い直方体状であり、抽斗部材42と、クラッチ保持部材43と、付勢部材44と、固定部材45とを収容する。
抽斗部材42は、収容部材41内で、収容部材41の長手方向に沿った方向D5と、かかる方向D5と反対方向である方向D6とに往復移動させることができる。ここで、方向D5とは、ワイヤ50の上流側(先端部50a(図12参照)に近づく方向)であり、方向D6とはワイヤ50の下流側(先端部50aから離れる方向)である。
クラッチ保持部材43は、柄杓状であり、収容部材41内で抽斗部材42と係合するとともに、収容部材41の短手方向に沿った方向D7と、かかる方向D7と反対方向である方向D8とに往復移動させることができる。
付勢部材44は、収容部材41の側面に設けられる支持部41aと、クラッチ保持部材43のクラッチ保持部43d(図16B参照)との間に配置される。そして、付勢部材44は、方向D7にクラッチ保持部材43を付勢する。
固定部材45は、たとえば、ナットとボルトとで構成され、ワイヤ50における先端部50aとは反対側の端部と、抽斗部材42のワイヤ固定部42bとの間を固定する。
ここで、ユーザが抽斗部材42の引き手部42eを引き出すように操作し、抽斗部材42を方向D6に移動させる。すると、抽斗部材42が方向D6に所定の距離引かれたところで、付勢部材44により方向D7に付勢されるクラッチ保持部材43が方向D7に移動し、クラッチ保持部材43のクラッチ保持部43dが抽斗部材42の開口部42j(図16A参照)に挿通される。
さらに、クラッチ保持部材43のクラッチ保持部43dは、抽斗部材42の開口部42jに係止可能な大きさおよび形状を有することから、抽斗部材42はクラッチ保持部材43に係止される。これにより、抽斗部材42が方向D6に所定の距離引かれた位置を保持することができることから、それにともないワイヤ50の先端部50aも所定の距離引かれた位置を保持することができる。
したがって、先に示したクラッチ機構10Bにおいて、連結部材12が方向D2側の位置(すなわち、第1ギヤ11と離間する位置)を保持することができる。すなわち、リモコン機構40により、クラッチ機構10Bにおける第2の状態を保持することができる。
また、クラッチ保持部材43のクラッチ保持部43dが抽斗部材42の開口部42jに挿通された状態において、ユーザがクラッチ保持部材43の方向D7側に設けられる押圧部43cを押圧して、クラッチ保持部材43を方向D8側に移動させると、クラッチ保持部43dが開口部42jに挿通された状態から外れる。
ここで、先に示したクラッチ機構10Bにおいて、連結部材12に付勢部材15から付勢される方向D1への力が、回動部材31と、先端部50aと、ワイヤ50とを介して、抽斗部材42に方向D5への力となって加わっている。したがって、かかる方向D5への力により、抽斗部材42は方向D5に移動し、抽斗部材42がクラッチ保持部材43に係止された状態が解除される。
これにより、抽斗部材42が方向D5側の位置、すなわち元の位置に復帰することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも元の位置に復帰することができる。したがって、先に示したクラッチ機構10Bにおいて、連結部材12が方向D1側の位置(すなわち、第1ギヤ11と噛み合う位置)に復帰することができる。
ここまで説明したように、ユーザがリモコン機構40における抽斗部材42の引き手部42eまたはクラッチ保持部材43の押圧部43cを操作することにより、クラッチ機構10Bにおいて第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。
すなわち、第4の実施形態に係るリモコン機構40は、第1の実施形態および第2の実施形態で示したラッチ機構20およびラッチ機構20Aと同様に、ラッチ機構の一種とみなすことができる。
つづいて、リモコン機構40の主要部材である抽斗部材42と、クラッチ保持部材43との詳細な構成について、図16Aおよび図16Bを用いて説明する。
図16Aは、第4の実施形態に係る抽斗部材42の斜視図である。図16Aに示すように、抽斗部材42は、矩形状の板状である本体部42aを有する。そして、本体部42aの方向D5側には、階段状に形成されるワイヤ固定部42bが設けられる。
なお、第4の実施形態にかかるリモコン機構40では、かかるワイヤ固定部42bにボルトとナットで構成される固定部材45を用いてワイヤ50を固定することから、かかるボルトを挿通するための貫通部42cがワイヤ固定部42bに形成される。
また、本体部42aの方向D6側には、階段状に形成される延伸部42dが設けられ、かかる延伸部42dの方向D6側の端部には、引き手部42eが壁状に設けられる。
さらに、本体部42aの方向D7側には、壁状の第1壁部42fが設けられ、本体部42aの方向D8側には、第1壁部42fと向かい合う壁状の第2壁部42gが設けられる。
また、第1壁部42fには、方向D5に沿って延び第1壁部42fを貫通する貫通部42hが形成され、第2壁部42gには、方向D5に沿って延び第2壁部42gを貫通する貫通部42iが形成される。かかる貫通部42hと貫通部42iとは、略等しい高さに形成される。
さらに、第2壁部42gには、貫通部42iの方向D5側に、矩形状の開口である開口部42jが形成される。かかる開口部42jの上部と、隣接する貫通部42iの上部とは略等しい高さに形成される。
図16Bは、第4の実施形態に係るクラッチ保持部材43の斜視図である。クラッチ保持部材43は、直方体状の本体部43aを有する。そして、本体部43aの方向D7側には、方向D7に沿って延びる延伸部43bが設けられ、かかる延伸部43bの方向D7側の端部に押圧部43cが設けられる。
また、本体部42aには、延伸部43bの根元部分に矩形状の板状であるクラッチ保持部43dが設けられる。換言すると、クラッチ保持部43dは、本体部42aの方向D7側の板部分である。クラッチ保持部43dは、上述のように抽斗部材42の開口部42jに係止可能な大きさおよび形状を有する。
さらに、本体部42aには、本体部42aにおける方向D5側の板部分と方向D6側の板部分とから、それぞれ上方に突出する一対のリブ部43eが設けられる。かかる一対のリブ部43eは、クラッチ保持部43dに隣接して設けられる。そして、本体部43aの内部には、方向D8側に突出する突出部43fが設けられる。かかる突出部43fは、付勢部材44を支持する機能を有する。
つづいて、図17Aおよび図17Bを参照しながら、リモコン機構40の詳細な作用について説明する。図17Aは、第4の実施形態に係るリモコン機構40における第1の状態を模式的に示す上面図である。図17Aは、ユーザが引き手部42eを引き出すように操作しておらず、抽斗部材42がクラッチ機構10Bにおける付勢部材15の付勢力により方向D5に付勢されている状態を示す図である。
この際、クラッチ保持部材43の延伸部43bは、抽斗部材42の貫通部42hと貫通部42iとに挿通され、貫通部42hと貫通部42iとの方向D6側のそれぞれの端部に当接している。また、クラッチ保持部43dは、第2壁部42gにおける方向D8側の側面に当接するように配置され、付勢部材44により方向D7側に(すなわち、第2壁部42gに)付勢される。
ここまで説明した図17Aに示した状態から、シャッター装置100を電動から手動に切り替えた上でシャッターの開閉を行おうとするユーザは、引き手部42eを方向D6側に引き出すように操作し、抽斗部材42を方向D6に移動させる。
そして、抽斗部材42が方向D6に所定の距離(ここでは、貫通部42iの方向D6における長さ)移動したところで、抽斗部材42の開口部42jとクラッチ保持部材43のクラッチ保持部43dとが、それぞれ向かい合う位置となることから、付勢部材44によりクラッチ保持部材43が方向D7に移動し、クラッチ保持部43dが開口部42jに挿通される。なお、クラッチ保持部材43の方向D7への移動は、一対のリブ部43eが第2壁部42gに当接することにより停止する。
さらに、クラッチ保持部43dは開口部42jに係止可能な大きさおよび形状を有することから、抽斗部材42はクラッチ保持部材43に係止される。これにより、抽斗部材42が方向D6に所定の距離引かれた位置を保持することができることから、それにともないワイヤ50の先端部50aも所定の距離引かれた位置を保持することができる。
したがって、先に示したクラッチ機構10Bにおいて、連結部材12が方向D2側の位置(すなわち、第1ギヤ11と離間する位置)を保持することができる。
ここまで説明した状態は、図17Bに示す状態となる。図17Bは、第4の実施形態に係るリモコン機構40における第2の状態を模式的に示す上面図である。
ここまで説明したように、リモコン機構40における第2の状態では、抽斗部材42が方向D6に所定の距離移動したところで、クラッチ保持部43dが開口部42jに挿通されることにより、抽斗部材42はクラッチ保持部材43に係止されている。
図17Bに示した状態から、シャッター装置100を手動から電動に再度切り替えようとするユーザは、クラッチ保持部材43の押圧部43cを方向D8に向けて押圧し、クラッチ保持部43dが開口部42jから抜け出るまで、クラッチ保持部材43を方向D8に移動させる。
すると、クラッチ機構10Bにおける付勢部材15の付勢力により、方向D5に付勢されている抽斗部材42は、方向D5に移動し、抽斗部材42がクラッチ保持部材43に係止された状態が解除される。
これにより、抽斗部材42が方向D5側の位置、すなわち図17Aに示した元の位置に復帰することから、それにともないワイヤ50の先端部50aも元の位置に復帰することができる。したがって、先に示したクラッチ機構10Bにおいて、連結部材12が方向D1側の位置(すなわち、第1ギヤ11と噛み合う位置)に復帰することができる。
また、第4の実施形態にかかる駆動装置1は、第3の実施形態で説明したクラッチ機構10Bを備える。したがって、第4の実施形態にかかる駆動装置1は、かかるクラッチ機構10Bにより、第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。
以上、説明したように、第4の実施形態に係る駆動装置1は、簡易な構成のリモコン機構40を用いて、第1の状態と第2の状態とを容易に切り替えることができる。したがって、駆動装置1は、コストを抑制しつつシャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
なお、上述の第4の実施形態では、クラッチ機構10Bとリモコン機構40との組み合わせで駆動装置1が構成されているが、駆動装置1の構成はかかる組み合わせに限られない。たとえば、第1の実施形態にかかるクラッチ機構10と、リモコン機構40との組み合わせで、駆動装置1を構成してもよい。
また、ここまで示した各実施形態に係る駆動装置1を、手動であるシャッター装置のシャフトやドラムに適用することにより、かかるシャッター装置を手動から電動に容易に転換することができる。すなわち、既存の手動のシャッター装置を用いて電動のシャッター装置100を容易に構成することができるので、コスト削減につなげることができる。
また、各実施形態に係る駆動装置1は、モータ3と、クラッチ機構10(10A、10B)と、ラッチ機構20(20A)またはリモコン機構40とが、回転機構2の外部に設けられている。たとえば、駆動装置1は、モータ3と、クラッチ機構10(10A、10B)と、ラッチ機構20(20A)またはリモコン機構40とが、シャフト2aの外部に設けられている。
ここで、従来のチューブラモータを用いたシャッター装置のように、シャフトの内部に電源やモータやギヤなどの複数の部品が格納されている場合には、いずれか1つの部品が故障した場合であっても、シャフトごと交換する必要があるため、修理に大きなコストがかかる。
しかし、各実施形態の駆動装置1は、モータ3と、クラッチ機構10(10A、10B)と、ラッチ機構20(20A)またはリモコン機構40とがシャフト2aの外部に設けられているため、いずれかの部品が故障した場合には、故障した部品のみ交換すればよい。したがって、第1の実施形態の駆動装置1は、部品の一部に故障が発生した場合に、修理のコストを抑えることができる。
なお、各実施形態では、駆動装置1および被駆動部(回転機構2)を備えるものとして、シャッター装置100を例に挙げて説明したが、これに限定されない。たとえば、スクリーンや垂れ幕、仕切り布などの巻上げ装置などに適用してもよい。
また、各実施形態において、クラッチ機構10、10A、10Bはいずれもヘリカルギヤ3aに噛み合うように設けられている。しかしながら、クラッチ機構10、10A、10Bは必ずしもヘリカルギヤ3aに噛み合うように設けられなくともよく、ギヤ群4のいずれかの位置に設けられていればよい。
以上のように、実施形態に係る駆動装置1は、駆動部(モータ3)と、ギヤ群4と、連結部材12とを備える。駆動部(モータ3)は、被駆動部(回転機構2)を回転駆動させる駆動力を発生し、被駆動部(回転機構2)の外部に設けられる。ギヤ群4は、第1ギヤ11と、第1ギヤ11の回転軸Aと同じ軸で回転する第2ギヤ13とを含み、駆動部(モータ3)により発生された駆動力を被駆動部(回転機構2)に伝達する。連結部材12は、第1ギヤ11または第2ギヤ13と同期して回転し、回転軸Aに沿って往復移動することにより第1ギヤ11と第2ギヤ13との連結状態を切り替え可能である。これにより、コストを抑制しつつ、駆動部(モータ3)による機械的なロックの解除および設定を行うことができる駆動装置1を提供することができる。
また、実施形態に係る駆動装置1において、第1ギヤ11は、連結部材12と向かい合う位置に第1結合部11gを有し、連結部材12は、第2ギヤ13の内側に配置され、第1結合部11gと対応する位置に第2結合部12cを有する。そして、第1結合部11gと第2結合部12cとが互いに噛み合うことにより、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結する(第1の状態)。これにより、簡易な構成で、シャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、実施形態に係る駆動装置1において、連結部材12が第1ギヤ11から離れる方向D2に移動し、第1結合部11gと第2結合部12cとが離間することにより、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結する状態を解除する(第2の状態)。これにより、簡易な構成で、シャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、実施形態に係る駆動装置1において、第1ギヤ11の第1結合部11gは、連結部材12側に第1山形部11iを有し、連結部材12の第2結合部12cは、第1ギヤ11側に第2山形部12eを有する。そして、第1結合部11gと第2結合部12cとが離間して第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結しない状態(第2の状態)から、連結部材12が第1ギヤ11に近づく方向D1に移動する際に、第1山形部11iと第2山形部12eとが互いに摺動して、第1結合部11gと第2結合部12cとが互いに噛み合うように誘導させる。これにより、第2の状態において第1ギヤ11と連結部材12とがどのような位置関係であったとしても、第1山形部11iと第2山形部12eとにより、クラッチ機構10(10A、10B)を第2の状態から第1の状態に円滑に切り替えることができる。
また、実施形態に係る駆動装置1において、第1山形部11iと第2山形部12eとは、互いに摺動する傾斜面の傾斜角度が異なる。これにより、第1山形部11iと第2山形部12eとが摺動する際の接触面積を小さくすることができることから、接触抵抗が小さくなり、第1山形部11iと第2山形部12eとを滑らかに摺動させることができる。
また、実施形態に係る駆動装置1は、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結しない状態(第2の状態)を保持するラッチ機構20(20A、リモコン機構40)をさらに備える。これにより、ユーザは第2の状態を容易に維持しつつ、シャッターを手動で開閉することができる。
また、実施形態に係る駆動装置1は、ユーザが操作可能な操作部51をさらに備える。そして、ラッチ機構20(20A)は、操作部51をくり返し操作することにより第1ギヤ11と第2ギヤ13との連結状態を切り替えることができる。これにより、簡易な構成で、シャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、実施形態に係る駆動装置1において、ラッチ機構20(20A)は、中心部に貫通孔(貫通部23b)が形成される円筒形状である本体部23aと、貫通孔(貫通部23b)の中心軸に沿って延びる縦溝部23dが形成される第1ラッチ部材23と、第1ラッチ部材23の貫通孔(貫通部23b)に挿通される第2ラッチ部材24と、第1ラッチ部材23の貫通孔(貫通部23b)に挿通されるとともに第2ラッチ部材24に隣接して設けられ、縦溝部23dに嵌まり込むラッチ部25eを有する第3ラッチ部材25と、を含み、操作部51が操作されると、第3ラッチ部材25が所定の方向D4(D2)に移動してラッチ部25eが縦溝部23dから抜け出し、第3ラッチ部材25が所定の回転方向R1に回転してラッチ部25eが第1ラッチ部材23の底面側(壁部23f)に係止されることにより、第1ギヤ11と第2ギヤ13とが連結しない状態(第2の状態)を保持する。これにより、簡易な構成で、シャッター装置100を手動または電動に切り替えることができる。
また、実施形態に係る駆動装置1において、ラッチ機構20は、連結部材12から離れて設けられる。これにより、ギヤ群4に配置する必要があるクラッチ機構10をコンパクトにすることができる。さらに、ラッチ機構20をシャッター装置100の空きスペースに配置することができることから、シャッター装置100の空きスペースを有効に活用することができる。
また、実施形態に係る駆動装置1は、連結部材12を第1ギヤ11から離れる方向D2に移動させるシャフト部材16をさらに備える。そして、シャフト部材16と、ラッチ機構20Aの第2ラッチ部材24とが一体で構成される。これにより、クラッチ機構10Aとラッチ機構20Aとを合わせた全体のサイズをコンパクトにすることができる。さらに、シャッター装置100に適当な空きスペースがない場合においても、ラッチ機構20Aを配置することができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。