JP6996899B2 - 反射部材及びトンネルの内装構造 - Google Patents
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Description
また、このような反射部材220は、光源230から受光した少しの光を反射しているだけなので、トンネル200の延在方向への視線誘導効果はあるものの、視認状況に変化がなく、走行位置での人や車両への注意喚起効果が十分ではなかった。
図1は、トンネルの内装構造を示す斜視図である。図2は、内装パネルの構成を説明するための図であり、(a)は内装パネルの斜視図であり、(b)は(a)における内装パネルのI-I断面図である。図3は、反射部材を設けたトンネルの内装構造を示す斜視図である。図4は、第1の実施の形態に係る反射部材の構成を説明する図であり、(a)は反射部材の斜視図であり、(b)は反射部材の平面図であり、(c)は側面図であり、(d)は背面図である。
内装構造100は、複数の内装パネル1と、複数の連結具2と、反射部材3と、裏込材4とを有している。
図2に示すように、内装パネル1は、トンネルTの内面に沿って設けられるものである。内装パネル1は、トンネルTの内面に面するプレート11と、プレート11の縁部に立設されたフランジ12,13とを備えている。
プレート11は、その主面がトンネルTの内面に面して配置され、トンネルTの内面からコンクリート片が崩落した場合にそのコンクリート片を受け止める部分である。プレート11は、平面視矩形状に構成されており、例えば、鋼板をその短手方向に沿って波形状に湾曲させると共に、その長手方向に沿って円弧状に湾曲させて形成したものである。
また、プレート11は、波形状又は円弧状に湾曲させて形成したものだけに限らず、平板状に形成されていてもよい。
なお、フランジ12は、プレート11に一体に形成される場合に限らず、フランジ13と同様にプレート11に溶接によって接合されていてもよい。各フランジ12には、隣接する内装パネル1同士を互いに連結して固定する連結具2を挿通する複数の孔(挿通部)12aがその延在方向に沿って形成されている。
なお、フランジ12の高さ寸法は、波形状のプレート11の高さ寸法よりも大きくなっていることが好ましい。
図3に示すように、連結具2は、隣接する内装パネル1同士を連結するものである。連結具2は、ボルト(頭部のみ示す。)と、このボルトに螺合するナット(フランジ12,13により隠れている。)とを備えている。
内装パネル1同士は、トンネルTの内部側(人や車両が通行する内面に露出する側)で、ボルトを、連結される双方の内装パネル1のフランジ12,13の孔12a,13aに挿通し、挿通した側とは反対側にある内装パネル1側でナットを介して締め付けることで連結されている。
図1及び図3に示すように、反射部材3は、互いに隣接した内装パネル1のフランジ12,12を挟むようにして内装パネル1に設けられるクリップ型の反射部材である。
なお、開口34において、挟持板31の先端部31aと、挟持板32の先端部32aとの間の最大の間隔d1は、互いに隣接する2つのフランジ12,12の厚さt1(図5参照。)よりも大きく設定されている(d1>t1)。
また、開口34側の挟持板31と挟持板32との間の間隔d3は、2つのフランジ12,12の厚さt1よりも小さく設定されている(t1>d3)。
挟持板31,32は、この状態が出発状態であり、例えば、開口34が押し拡げられた場合には、挟持板31,32は、当該出発状態に弾性的に戻ろうとするようになっている。
ここで、「再帰反射性」とは、外部の光源から入射された光を入射方向と同じ方向に反射させる性質をいう。再帰反射性材料からなる反射部35は、表面の一部に反射膜が形成されている透明のビーズである自反射ビーズと透明樹脂とを有しており、自反射ビーズが互いの間に隙間を空けた状態で透明樹脂により挟持板32の外表面に固定されている。すなわち、挟持板32の外表面上において、自反射ビーズが透明樹脂により被覆された状態で島状に存在している。
なお、反射部35の構成については、再帰反射性材料から構成されているものに限定する必要はなく、受光した光を少しでも反射するものであればよい。
図1に示すように、裏込材4は、複数の内装パネル1が連結具2によって連結されてなる内装壁体の外面(プレート11の外面)とトンネルTの内面との間に形成された隙間に充填されている。裏込材4は、例えば、モルタルから形成されており、固化することで内装パネル1とトンネルTとを一体化し、トンネルT全体としての強度を高める機能を有している。裏込材4は、内装パネル1のプレート11に予め形成された注入孔から注入する。
次に、図3及び図5を用いて、トンネルTに設置されている内装パネル1への反射部材3の取付け工程について説明する。
各内装パネル1は、各フランジ12,13の孔12a,13aがトンネルT内に露出するように配置していく。また、隣接する内装パネル1は、図3に示すように、互いのフランジ12,13が横並びになるのではなく、内装パネル1の長手方向の長さの半分程度トンネルTの周方向にずらして千鳥状に配置されている。
例えば、光を反射する部材がトンネルTの内装構造100に設けられていない場合、又は、設けられているが長年の設置による汚れにより反射機能が低下している場合がある。このような場合、反射部材3を取り付けることで、既設の内装パネル1に反射部材3を設けて内装構造100を簡単かつ迅速に構築することができる。
さらに、挟持板31,32の開口34側の間隔d3は、2つのフランジ12,12の厚さt1よりも小さく設定されているが、間隔d3において押し拡げられた挟持板31,32は、弾性を有しているので出発状態に戻ろうとする。かくして、反射部材3は、フランジ12,12を強固に挟むことで内装パネル1に取り付けられている。
かくして、反射部材3により、内装構造100において確実な視認誘導を容易に達成することができる。
反射部材3をフランジ12,12に取り付けることにより、走行中の車両からの視認誘導範囲を広く確保することができるようになる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、本発明の範囲を超えない範囲で適宜変更が可能である。例えば、反射部35は、挟持板32ではなく挟持板31に設けられていてもよいし、挟持板31,32及び連結部33に設けられていてもよい。
次に、図6~9を用いて反射部材の変形例について説明する。
図6は、変形例に係る反射部材を設けたトンネルの内装構造を示す斜視図である。図7は、変形例に係る反射部材の構成を説明する図であり、(a)は反射部材の斜視図であり、(b)は反射部材の平面図であり、(c)は側面図であり、(d)は背面図である。図8は、図6に示すII-II線に沿って部分的に断面した図である。図9は、図7に示す反射部材を内装パネルに取り付ける方法を説明するための図である。
図7(a)、(b)に示すように、反射部材6は、平面視方形又は矩形の互いの主面部同士が対向した一対の挟持板(挟持部)61,62と、当該一対の挟持板61,62を連結する連結部63と、を備える。具体的には、挟持板61,62は、互いに所定の間隔だけ離間するように一端側で連結部63により互いに連結されており、他端側で開口64を持って互いに離間している。
なお、開口64において、挟持板61の先端部61aと、挟持板62の先端部62aとの間の最大の間隔d5は、互いに隣接する2つのフランジ12,12の厚さt1(図8参照。)よりも大きく設定されている(d5>t1)。
また、開口64側の挟持板61と挟持板62との間の間隔d7は、2つのフランジ12,12の厚さt1よりも小さく設定されている(t1>d7)。
挟持板61,62は、この状態が出発状態であり、例えば、開口64が押し拡げられた場合には、挟持板61,62は、当該出発状態に弾性的に戻ろうとするようになっている。
具体的には、突出部61tは、孔部61hの周縁部が挟持板62に向かって突出することにより形成されている。突出部61tは、孔部61hの全周にわたって形成されている。突出部61tは、例えば、孔部61hをバーリング加工により形成することで得られる。
突出部61tは、反射部材6を内装パネル1に取り付けた際、フランジ12の孔12aに嵌まり込むようにして係合する。
また、挟持板62は、その外表面(挟持板31を臨まない面)に反射部65を有する。反射部65は、外部の光源から入射された光を反射する性質を有する材料により構成された反射性塗膜である。なかでも、反射性塗膜は、再帰反射性を有していることが好ましい。
ここで、「再帰反射性」とは、外部の光源から入射された光を入射方向と同じ方向に反射させる性質をいう。再帰反射性材料からなる反射部65は、表面の一部に反射膜が形成されている透明のビーズである自反射ビーズと透明樹脂とを有しており、自反射ビーズが互いの間に隙間を空けた状態で透明樹脂により挟持板62の外表面に固定されている。すなわち、挟持板62の外表面上において、自反射ビーズが透明樹脂により被覆された状態で島状に存在している。
なお、反射部65の構成については、再帰反射性材料から構成されているものに限定する必要はなく、受光した光を少しでも反射するものであればよい。
トンネルTの内装構造100を構築する際には、既設のトンネルTの内壁面に沿って複数の内装パネル1を連結して覆っていく。このとき、プレート11がトンネルTの延在方向に沿って波形状に起伏するように内装パネル1を配置する。
例えば、互いに隣接する内装パネル1,1同士をトンネルTの延在方向に連結していく場合、長手側同士(フランジ12同士)を連結具2によって連結していく。図8に示すように、フランジ12,12同士を連結する際、連結具2による連結前に、フランジ12,12同士の互いに整合している複数の孔12a,12aのうち所望の高さ位置にある孔12a,12aの位置に反射部材6を取り付ける。
フランジ12,12の長手方向に沿って複数設けることにより、内装パネル1,1同士は、互いに仮留めされた状態になる。
反射部材6においては、開口64の間隔d5が2つのフランジ12,12を合わせた厚さt1よりも大きくなっているので、反射部材6を開口64からフランジ12,12に簡単に押し込むことができる。
さらに、この状態において、挟持板61,62は、弾性的に出発状態に戻ろうとしているので、フランジ12,12を弾性的に挟み込んで内装パネル1,1同士のより強固な仮留め状態が形成される。互いに仮留めされた状態の内装パネル1,1を、トンネルTにおいて所定の位置に設置する。
これにより、反射部材6が、隣り合う内装パネル1,1同士にフランジ12において取り付けられる。フランジ12,12の整合している各孔12aにも連結具2を挿通させていくことで、隣り合う内装パネル1,1同士が連結される。
反射部材6により、内装構造100の構築作業時に、隣り合う内装パネル1,1同士を仮留めすることができ、連結具2による内装パネル1,1同士の連結作業を容易にすることができる。
反射部材6をフランジ12,12に取り付けることにより、走行中の車両からの視認誘導範囲を広く確保することができるようになる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、本発明の範囲を超えない範囲で適宜変更が可能である。例えば、反射部65は、挟持板62ではなく挟持板61に設けられていてもよいし、挟持板61,62及び連結部63に設けられていてもよい。
また、挟持板61の孔部61h及び挟持板62の孔部62hのいずれもが有していてもよい。
11 プレート
12 フランジ
12a 孔(挿通部)
2 連結具
3 反射部材
31,32 挟持板(挟持部)
33 連結部
34 開口
35 反射部
6 反射部材
61 挟持板(挟持部)
61h 孔部
61t 突出部
62 挟持板(挟持部)
62h 孔部
63 連結部
64 開口
65 反射部
100 内装構造
Claims (8)
- トンネルの内面を臨むプレートと、該プレートの縁に立設されたフランジとを備え、前記トンネルの内面に沿って前記フランジにおいて互いに隣り合う内装パネルに設けられて、受けた光を反射する反射部材であって、
前記反射部材は、一端同士が連結されるとともに互いに離間されて、前記トンネルの延び方向において互いに隣り合う前記フランジ同士を挟み込む一対の挟持部を備え、
前記一対の挟持部の少なくとも一方の挟持部は反射部を有する
ことを特徴とする反射部材。 - 前記一対の挟持部は、一端から他端に向かって互いに接近していることを特徴とする請求項1に記載の反射部材。
- 前記一対の挟持部の少なくとも一方の挟持部の他端は、対向する前記挟持部とは反対方向に曲げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射部材。
- 前記一対の挟持部は、隣り合う前記フランジ同士を弾性的に挟み込むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の反射部材。
- 前記一対の挟持部はそれぞれ、隣り合う前記フランジ同士を連結する連結具が挿通される、前記フランジに形成された挿通部に整合する孔部を有し、
前記一対の挟持部の少なくとも一方は、前記挿通部に係合し該挿通部と前記孔部とを整合させる突出部を有する
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の反射部材。 - 前記反射部は、再帰反射性塗膜であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の反射部材。
- トンネルの内面に設けられる内装パネルと、前記内装パネルに設けられて受けた光を反射する反射部材と、を備えるトンネルの内装構造であって、
前記内装パネルは、
前記トンネルの内部を臨むプレートと、
前記プレートの縁に立設されたフランジと、
を有し、
前記反射部材は、一端同士が連結され互いに離間された一対の挟持部を備え、該一対の挟持部の少なくとも一方の挟持部が反射部を有し、
前記反射部材は、前記トンネルの延び方向において互いに隣り合う前記フランジ同士を挟み込んで前記内装パネルに設けられている
ことを特徴とするトンネルの内装構造。 - 前記フランジは、互いに隣り合う内装パネルを連結する連結具が挿通される挿通部を有し、
前記一対の挟持部はそれぞれ、前記フランジの前記挿通部と整合する孔部を有し、
前記一対の挟持部の少なくとも一方は、前記挿通部に係合し該挿通部と前記孔部とを整合させる突出部を有する
ことを特徴とする請求項7に記載のトンネルの内装構造。
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