JP6996442B2 - 車両用ワイパ - Google Patents

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本発明は、車両用ワイパに関する。
下記特許文献1に記載された車両用ワイパでは、ワイパブレードの長手方向中央部に連結レバー(ホルダ本体)が設けられており、当該連結レバーには、クリップの長手方向一端部が回動可能に連結されている。このクリップは、ワイパアームの先端部に設けられた両側被覆壁(一対の対向壁)の間に位置される。そして、この位置から、クリップがワイパアームの先端部に対して相対的にワイパアームの基端側へ移動されると、クリップに形成された一対の係合凸部が、一対の両側被覆壁に形成された一対の係合凹部に嵌合すると共に、クリップに形成された弾性突起が、ワイパアームの先端部に形成された係止孔に嵌合する。これにより、ワイパアームの先端部にクリップが係止され、ワイパアームの先端部に対するワイパブレードの連結状態となる。なお、下記特許文献2には、上記同様の技術が開示されている。
特許第6081116号公報 特表2007-524543号公報
しかしながら、上記の先行技術では、ワイパアームの係止孔に対するクリップの弾性突起の嵌合状態が解除されると、ワイパアームの先端部に対するクリップの係止が解除され、ワイパブレードがワイパアームから取り外し可能となる。このため、上記の係止が何らかの原因で意図せずに解除されると、ワイパブレードがワイパアームから外れる可能性があり、これを防止する観点で改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、ワイパアームの先端部に対するクリップの係止が意図せずに解除された場合でも、ワイパブレードがワイパアームから外れることを防止できる車両用ワイパを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の車両用ワイパは、払拭面を払拭するためのブレードラバーを有し、長手方向中央部にホルダ本体が設けられたワイパブレードと、前記ワイパブレードの長手方向を長手とし、前記ホルダ本体を挟んで払拭方向に対向する一対の側壁を有し、前記一対の側壁の長手方向一端部が前記ホルダ本体に対して払拭方向に延びる軸線回りに回動可能に連結されたクリップと、払拭方向に対向する一対の対向壁が先端部に形成され、前記一対の対向壁間に前記クリップが配置されて前記先端部に前記クリップが係止されるワイパアームと、前記ホルダ本体に形成され、前記クリップの前記ホルダ本体に対する第1の姿勢において前記一対の側壁の長手方向他端部と第1の間隔を有して前記ワイパブレードの長手方向に対向する抜止壁部と、前記一対の対向壁の内側面に形成され、前記クリップの前記第1の姿勢において前記第1の間隔よりも小さな寸法を有する一対の突起と、を備え、前記クリップの前記第1の姿勢から前記軸線周りに回動された第2の姿勢における前記一対の側壁の長手方向他端部と前記抜止壁部との間の第2の間隔は、前記一対の突起の前記寸法よりも小さく設定されている。
第1の態様の車両用ワイパでは、払拭面を払拭するためのブレードラバーを有するワイパブレードの長手方向中央部には、ホルダ本体が設けられている。このホルダ本体には、クリップが回動可能に連結されている。このクリップは、ワイパブレードの長手方向を長手とし、ホルダ本体を挟んで払拭方向に対向する一対の側壁を有しており、一対の側壁の長手方向一端部がホルダ本体に対して払拭方向に延びる軸線回りに回動可能に連結されている。また、ワイパアームの先端部には、払拭方向に対向する一対の対向壁が形成されている。そして、上記のクリップが一対の対向壁間に配置されてワイパアームの先端部に係止される。これにより、ワイパブレードがクリップを介してワイパアームの先端部に連結される。
上記のホルダ本体には、クリップのホルダ本体に対する第1の姿勢において、上記一対の側壁の長手方向他端部と第1の間隔を有してワイパブレードの長手方向に対向する抜止壁部が形成されている。また、ワイパアームが有する一対の対向壁の内側面には、上記第1の間隔よりも小さな寸法を有する一対の突起が形成されている。このため、ワイパアームの一対の対向壁間にクリップを配置させる際には、クリップを上記第1の姿勢とすることにより、一対の突起が一対の側壁の長手方向他端部と抜止壁部との間を通過可能となる。
一方、クリップが上記第1の姿勢から上記軸線周りに回動されて第2の姿勢とされた状態では、一対の側壁の長手方向他端部と抜止壁部との間の第2の間隔が、一対の突起の上記寸法よりも小さくなる。このため、ワイパアームの先端部に対するクリップの係止が解除された場合、クリップが第2の姿勢となることで、一対の突起が一対の側壁の長手方向他端部と抜止壁部との間を通過不能となり、クリップが一対の対向壁間から抜け出せなくなる。このように構成されているので、ワイパアームの先端部に対するクリップの係止が意図せずに解除された場合でも、ワイパブレードがワイパアームから外れる(ワイパブレードとワイパアームが分離してしまう)ことを防止できる。
本発明の第2の態様の車両用ワイパは、第1の態様において、前記クリップを前記第1の姿勢から前記第2の姿勢に向けて付勢する付勢部を備えている。
第2の態様の車両用ワイパでは、クリップが付勢部によって第1の姿勢から第2の姿勢(即ち一対の側壁の長手方向他端部と抜止壁部との間の第2の間隔が、一対の突起の寸法よりも小さくなる姿勢)に向けて付勢されている。これにより、ワイパアームの先端部に対するクリップの係止が解除された場合に、クリップが意図せずに第2の姿勢から第1の姿勢になることを防止できる。
本発明の第3の態様の車両用ワイパは、第2の態様において、前記付勢部は、前記クリップと一体に形成されている。
本発明の第3の態様の車両用ワイパによれば、クリップと一体に形成された付勢部によって、クリップがホルダ本体に対して上側へ付勢されている。このため、クリップとは別体の付勢部が設けられる構成と比較して、構成を簡素化することができる。
本発明の第4の態様の車両用ワイパは、第2又は第3の態様において、前記クリップの前記第1の姿勢における前記一対の側壁の長手方向他端部と前記抜止壁部との間には、前記一対の突起が通過可能な通路が形成され、該通路は、上側の部位が下側の部位よりも前記一対の側壁の長手方向一端部側に位置するようにクランク状に曲がった形状となる。
第4の態様の車両用ワイパでは、クリップの第1の姿勢において、一対の側壁の長手方向他端部と抜止壁部との間には、一対の突起が通過可能な通路が形成される。この通路は、上側の部位が下側の部位よりも一対の側壁の長手方向一端部側に位置するようにクランク状に曲がった形状となる。このように構成されているので、クリップが有する一対の側壁の長手方向他端部には、それぞれ段部が形成される。このため、ワイパアームの一対の対向壁間にクリップを配置させる際に、一対の突起を上記各段部に宛がうことにより、クリップを付勢部の付勢力に抗して第2の姿勢から第1の姿勢へと回動させることができる。これにより、ワイパアームの先端部に対するクリップの組付け作業が容易になる。
本発明の第5の態様の車両用ワイパは、第1~第4の態様の何れか1つの態様において、前記一対の抜止壁部は、前記一対の突起が前記ワイパアームの基端側に向けて接触したとき、前記一対の突起に対して下向きの分力を付与する分力付与面を有する。
第5の態様の車両用ワイパによれば、ブレードラバーによる払拭面の払拭時に、ワイパアームの先端部に対するクリップの係止が解除された場合、抜止壁部が有する分力付与面に対して一対の突起がワイパアームの基端側向きに接触する。これにより、ワイパアームの一対の突起には、下向きの分力、即ちワイパアームの先端部がクリップから外れる向きとは逆向きの分力が作用する。これにより、ワイパブレードとワイパアームとが外れる(分離されてしまう)ことを一層効果的に防止できる。
一実施の形態におけるワイパの斜視図。 一実施の形態におけるワイパの一部分解斜視図。 一実施の形態におけるワイパの一部断面図。 一実施の形態におけるワイパの一部断面図。 (a),(b)は一実施の形態における連結レバーの斜視図。 一実施の形態におけるバッキング、連結レバー、及びクリップを組み付けた斜視図。 一実施の形態におけるクリップの斜視図。 一実施の形態におけるバッキング、連結レバー、及びクリップを組み付けた側面図。 一実施の形態におけるワイパブレードの斜視図。 一実施の形態におけるワイパアームの斜視図。 一実施の形態におけるクリップ及び抜止壁部の側面図。 一実施の形態における抜止壁部及び突起の側面図。 一実施の形態の変形例におけるクリップ及び抜止壁部の側面図。 一実施の形態の変形例における抜止壁部及び突起の側面図。 一実施の形態におけるワイパの一部側面図であり、ワイパアームの先端連結部に対するクリップの組み付け手順を説明するための第1図。 上記組み付け手順を説明するための第2図。 上記組み付け手順を説明するための第3図。 上記組み付け手順を説明するための第4図。 上記組み付け手順を説明するための第5図。 図15~図19に対応した一部側面図であり、ワイパアームの先端連結部からのクリップの取り外し手順を説明するための第1図。 上記取り外し手順を説明するための第2図。 上記取り外し手順を説明するための第3図。 比較例における抜止壁部及び突起を示す図12及び図14に対応した側面図。
以下、図1~図22を用いて、本発明の一実施の形態に係る車両用ワイパ1について説明する。尚、図1~図22では、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。
先ず、車両用ワイパ1の全体構成について説明し、その後に本実施の形態の要部について説明する。図1に示すように、車両用ワイパ1は、自動車の払拭面としてのフロントガラスに付着した雨滴等を払拭するためのものであって、ワイパアーム2と、該ワイパアーム2に連結されるワイパブレード3とから構成されている。ワイパアーム2は、その基端部がワイパモータ(図示略)の駆動力にて所定角度で往復回動されるピボット軸(図示略)に固定され、該ピボット軸の往復回動に伴って往復揺動運動を行う。尚、このワイパアーム2は、図示しない付勢機構により、フロントガラス(払拭面)側に付勢される。そして、ワイパアーム2の先端連結部4には、ワイパブレード3が連結される。
図2~図4に示すように、ワイパブレード3は、払拭面(フロントガラス)を払拭するための払拭部11aを有した長尺状のブレードラバー11と、ブレードラバー11の長手方向に沿って設けられ該ブレードラバー11に剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキング12とを備える。本実施の形態のブレードラバー11は、図3に示すように、長手方向直交方向断面が略長方形の基部11bと、該基部11bの幅方向中央から下方に延びる括れ部11cと、該括れ部11cから更に下方に延びる前記払拭部11aとを有する。又、本実施の形態のバッキング12は、図2及び図3に示すように、ワイパブレード3に1本のみ設けられるものであって、その長手方向の中央にバッキング係合部12aが形成されている。バッキング係合部12aは、バッキング12の幅方向の両側が幅方向中央側に切り欠かれた形状に形成されている。
又、図3に示すように、ワイパブレード3は、ブレードラバー11及びバッキング12の長手方向中央部におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲してそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部13aを有したホルダ本体としての連結レバー13を備える。
詳しくは、連結レバー13は、硬質の樹脂材よりなり、図2~図4、及び図5(a),(b)に示すように、略直方体形状のレバー本体部13bと、図3及び図5(b)に示すように、該レバー本体部13bの下端面における幅方向両側から下方に延びてさらに幅方向内側に延びた腕状の前記レバー保持部13aとを有する。本実施の形態のレバー保持部13aは、図3に示すように、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた(載置した)状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲する構成とされている。
又、図2~図4、及び図5(a)に示すように、レバー本体部13bにおける長手方向一端側には、上方から前記レバー保持部13aまで連通するように貫通した上下貫通部13cが形成されている。上下貫通部13cは、上下方向から見て略4角形に形成されている。又、上下貫通部13cの下端部は、図4に示すように、その長手方向の間隔が小さくされ、後述するサポートパーツ14(図2参照)を収容するためのパーツ収容部13dとされている。
又、レバー本体部13bにおける長手方向一端側(上下貫通部13cと対応した位置)には、図2~図4、及び図5(a),(b)に示すように、その両側面(幅方向の側面)と直交する方向に貫通した軸挿通孔13eが形成されている。即ち、この軸挿通孔13eは、外部と前記上下貫通部13c(前記パーツ収容部13d)とを連通するように、言い換えると、前記上下貫通部13cの幅方向の内側面から外部に抜けるように形成されている。
又、図2及び図5(a),(b)に示すように、レバー本体部13bの両側面における略中央には、上下方向に延びる、詳しくは前記軸挿通孔13eの軸中心(回動軸中心)と同心の円弧に沿って延びる案内溝13fが形成されている。
又、図5(a),(b)に示すように、レバー本体部13bの両側面における長手方向他端部には、上下方向に延びる抜止壁部13gが突出して形成されている。又、レバー本体部13bの上面における長手方向他端部には、図5(a)に示すように、前記抜止壁部13gの上端を繋ぐように幅方向に延びる上壁部13hが突出して形成されている。
又、レバー本体部13bの両側面における下端部には、図5(a)に示すように、前記抜止壁部13gの下端から長手方向一端側まで延びる下壁部13iが突出して形成されている。又、下壁部13iの長手方向一端側端部には、図5(a)に示すように、前記軸挿通孔13eの軸中心(回動軸中心)と同心の円弧凹状に形成された対向面13jが形成されている。
図4及び図5(a)に示すように、又、レバー本体部13bの上面における略中央には、逃がし溝13kが形成されている。又、図1、図2及び図9に示すように、連結レバー13には、レバー本体部13bにおける長手方向一端側から長手方向先端に延びるとともに、後述するケース15のフィン部16に滑らかに繋がる形状の湾曲連結部13lが形成されている。
このように構成された連結レバー13は、バッキング12との長手方向の移動が規制されて組み付けられる。詳しくは、まず連結レバー13のレバー保持部13a内に、バッキング12が長手方向に沿って挿入され、前記パーツ収容部13d(図3及び図4参照)と前記バッキング係合部12a(図2参照)の長手方向の位置が一致するように、長手方向の位置決めがなされる。そして、サポートパーツ14が、上方から上下貫通部13cを通されてパーツ収容部13dに嵌め込まれて(落とされて)、バッキング12(バッキング係合部12a)及び連結レバー13(パーツ収容部13d)と長手方向に係合するように組み付けられることで、連結レバー13とバッキング12とは長手方向の移動が規制(長手方向に位置決め)される。尚、本実施の形態のサポートパーツ14は、図3に示すように、長手方向から見て幅方向に延びる中央部14aと、該中央部14aの両端から下方に延びる一対の腕部14bとを有し、その中央部14aがパーツ収容部13d内に没入してパーツ収容部13dと長手方向に係合するとともに、各腕部14bがそれぞれバッキング係合部12aと長手方向に係合する構成となっている。
そして、連結レバー13には、前記ワイパアーム2に連結される連結部材としてのクリップ17がその両側面と直交する回動軸中心(前記ブレードラバー11の幅方向に沿った軸中心であって、前記軸挿通孔13eの軸中心)に回動可能に組み付けられる。
図2に示すように、クリップ17は、樹脂製であり、前記回動軸中心(前記軸挿通孔13eの軸中心)と対応した位置から組み付け状態で前記レバー本体部13bの両側面に沿って長手方向基端側に延びる一対の側壁17aと、それら一対の側壁17aの上端を繋ぐとともにレバー本体部13bの上面に沿って延びる上壁17bとを有する。
このクリップ17の一対の側壁17aにおける内側面には、図2及び図3に示すように、前記軸挿通孔13eに挿入されることでクリップ17を回動可能に支持する支持軸17cが形成されている。そして、この支持軸17cは、図3に示すように、前記上下貫通部13c内に突出する長さに設定され、その先端部が前記パーツ収容部13dに嵌め込まれたサポートパーツ14の上面と当接して該サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17eとされている。尚、本実施の形態では、前記軸挿通孔13eと支持軸17cとが回動連結部を構成している。
又、図2、図6~図8に示すように、クリップ17の一対の側壁17aにおける外側面には、それぞれ係合凸部17fが形成されている。係合凸部17fは、側壁17aの長手方向一端側端部(支持軸17cの裏側)に形成されている。又、係合凸部17fは、側壁17aにおける上下方向の中央に形成されている。又、係合凸部17fは、上下の端面が長手方向に略沿って形成され、その下端面における長手方向他端部のみ他端側に向かうほど上方に湾曲した曲面とされている。
又、図6に示すように、クリップ17の前記上壁17bにおける前記回動軸中心側の端部(支持軸17c側端部であって長手方向一端側端部)には、自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されている。即ち、クリップ17の一対の側壁17aは、図2に示すように、前記支持軸17cよりも長手方向一端側にも僅かに延びているため、その部分にも上壁があると、その上壁が回動時にレバー本体部13bの上面に衝突する方向に回動することになるが、その上面に凹部を形成することなく、回動が許容されるように切り欠き17gが形成されている。
又、図7及び図8に示すように、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には、前記回動軸中心(支持軸17c及び軸挿通孔13eの軸中心)を中心とした円弧面17hが形成されている。この円弧面17hは、図8に示すように、前記連結レバー13の前記対向面13jと対向するように設定されている。尚、本実施の形態の円弧面17hは、初期状態(組み付けた直後の状態)で前記対向面13jと僅かな隙間を有して対向するように設定され、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)で摩耗が生じた際に対向面13jと摺接するように設定されている。
又、クリップ17の両側壁17aにおける前記回動軸中心(支持軸17c)から長手方向他端側に離間した位置の下端面は、図7及び図8に示すように、前記回動軸中心と対応した位置の下端面(即ち円弧面17h)より位置が高い上方下端面17iとされている。
即ち、本実施の形態のクリップ17における両側壁17aの下端面は、回動軸中心(支持軸17c)の下方部分のみが上方下端面17iより円弧凸状に突出した円弧面17hとされている。
又、図8に示すように、クリップ17の両側壁17aの長手方向他端部は、前記連結レバー13に組み付けられた状態で、前記抜止壁部13gとの長手方向の間に上下方向に沿って延びる隙間Sが生じるように設定されている。
又、図7に示すように、クリップ17の両側壁17aにおける内側面には、前記案内溝13f(図5参照)に嵌る案内凸部17jが形成されている。この案内凸部17jは、前記案内溝13fに嵌った状態で該案内溝13fに案内されつつ案内溝13fの上下方向の終端位置に応じて連結レバー13に対するクリップ17のそれ以上の回動を規制するためのものである。
又、図2に示すように、クリップ17には、ワイパアーム2に設けられた後述する係止孔4eに嵌りワイパアーム2の着脱方向(ブレードラバー11等の長手方向)に係合する押下可能な係止凸部17kが形成されている。詳述すると、クリップ17は、ワイパアーム2の着脱方向(ブレードラバー11等の長手方向)とは異なる方向(本実施形態の弾性片部17lはワイパブレード3の幅方向、より詳しくは、ワイパブレード3の長手方向と直交する方向)に延びて先端部に前記係止凸部17kが接続された弾性片部17lと、ワイパアーム2の抜け方向(図4中、右方向)への係止凸部17kの移動を規制する規制部17mとを有する。
本実施形態の弾性片部17lでは、その基端部、より詳しくは弾性片部17lと側壁17aとの接続部位が、弾性片部17lの撓み軸Z(図11参照)となり、その撓み軸Zはワイパアーム2(先端連結部4)の着脱方向に沿うように形成されている。そして、弾性片部17lは、その基端部が側壁17aの上下方向中間部に接続され、まず側壁17aに沿って上方に延び、側壁17aと上壁17bとの境界部分に折曲部17nを有して折曲部17nから上壁17bに沿って該上壁17bの幅方向中間部まで延び、その先端部に係止凸部17kが接続され、係止凸部17kは上壁17bから上方に突出するように設けられている。尚、本実施形態の係止凸部17kは上方から見てほぼ正方形に形成されている。又、本実施形態の弾性片部17lは、その全体が、係止凸部17kの前記着脱方向(ブレードラバー11等の長手方向)の寸法よりも小さい寸法の狭部とされている。
又、本実施形態の係止凸部17k及び弾性片部17lは、上壁17b及び側壁17aの同一平面上にスリット17pにて区画されて形成されるものであり、前記規制部17mは、係止凸部17kと対応した上壁17bのスリット側端面にて構成されている。又、係止凸部17kは、連結レバー13の前記逃がし溝13k(図2及び図4参照)と対応した位置に形成され、該逃がし溝13kによって、組み付けられた状態(図4及び図6参照)での押下が許容されることになる。
又、図1及び図2に示すように、ワイパブレード3は、連結レバー13(レバー保持部13a)の長手方向両側におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲してそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するケース保持部15a(図2参照)をそれぞれ有した一対のケース15を備えている。
ケース15は、軟質の(可撓性を有する)樹脂材よりなり、そのケース保持部15aの形状は、前記レバー保持部13aと同様の形状とされている。即ち、レバー保持部13aと各ケース保持部15aとは、組み付けられた状態で長手方向に連なって、ブレードラバー11の基部11b及びバッキング12をその長手方向全体に亘って包囲(収容)する構成とされている。
又、ケース15の上面には、ゴム材又はエラストマー材よりなり、走行風を払拭面側への押圧力に変換するためのフィン部16がニ色成形により設けられている。具体的には、フィン部16は、ワイパブレード3の停止位置において車両後方側に向かうほど(払拭面から)高くなる湾曲面を有した形状に形成されている。そして、連結レバー13の前記湾曲連結部13lは、図2及び図9に示すように、略直方体形状のレバー本体部13bからフィン部16側に向かって徐々に前記湾曲面と対応した形状となるように形成されている。
又、本実施の形態では、前記湾曲連結部13lと対応した側のケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定、言い換えれば、両者の連結部分の形状が連続的に移行するように形成されている。又、そのケース15(フィン部16含む)には、図2及び図9に示すように、前記連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されている。
又、ワイパブレード3は、図1に示すように、バッキング12の長手方向両端に固定されて、該バッキング12の長手方向端部と、ケース15(フィン部16含む)の長手方向端部と、ブレードラバー11の基部11bにおける長手方向端部とを覆うキャップ18を備えている。
上記のように構成されたワイパブレード3は、クリップ17を介してワイパアーム2の先端部(先端連結部4)に連結される。具体的には、図2及び図10に示すように、ワイパアーム2の先端連結部4には、クリップ17の(上壁17bの)上面を略覆う上被覆壁4aと、クリップ17の両側面(両側壁17aの外側面)を略覆う一対の対向壁4bとが形成されている。一対の対向壁4bは、幅方向(払拭方向)に互いに対向している。一対の対向壁4bには、それぞれ係合凹部4cが形成されている。各係合凹部4cは、一対の対向壁4bにおける上下方向の中央部分に、ワイパアーム2の先端側(長手方向一端側)が開口するように形成されている。
クリップ17は、ワイパアーム2の下側から一対の対向壁4bの間に嵌合され、先端連結部4に対して相対的にワイパアーム2の基端側へ移動される。これにより、クリップ17の係合凸部17fが一対の対向壁4bの係合凹部4cに挿入され、係合凸部17fと係合凹部4cとが上下方向に係合する。又、上記のようにクリップ17が先端連結部4に対して相対移動されると、クリップ17の係止凸部17kがワイパアーム2の係止孔4eに嵌合する。これにより、クリップ17が先端連結部4に係止される。尚、一対の対向壁4bには、上下方向に前記バッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されている。
又、図10に示すように、先端連結部4が有する一対の対向壁4bの内側面には、互いに幅方向中央側に突出する突起4dがそれぞれ打ち出し形成されている。これら一対の突起4dは、前述した隙間S(図8及び図11参照)に対応している。隙間Sは、両側壁17a(一対の側壁17a)の長手方向他端面17rと、両抜止壁部13g(一対の抜止壁部13g)との間にそれぞれ形成されている。つまり、一対の側壁17aの長手方向他端面17rと一対の抜止壁部13gとは、一対の隙間Sを隔ててワイパブレード3の長手方向に対向している。そして、上記のように一対の対向壁4b間にクリップ17が嵌合される際には、一対の突起4dが上側から下側へ向けて一対の隙間Sを通過する構成になっている。
又、図8に示すように、一対の突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、クリップ17の上方下端面17iと当接する位置に形成されている。又、一対の突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、案内凸部17j(図7参照)の下端と当接する位置に形成され、案内溝13f(図5参照)の下方の終端と当接することで連結レバー13に対するクリップ17及び先端連結部4の一方の回動を規制するように設けられている。即ち、一対の突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態では、前記案内凸部17jと一体的となり剛性を互いに高め合いつつ、前記一方の回動を規制するように設けられている。
(本実施の形態の要部)
次に、本実施の形態の要部について説明する。尚、本実施の形態では、ワイパアーム2の先端連結部4、ワイパブレード3の連結レバー13、及びクリップ17が、幅方向(払拭方向)において対称な形状に形成されている。このため、以下の説明では、一対の対向壁4b、一対の抜止壁部13g、一対の側壁17a、一対の突起4d、及び一対の隙間Sを、単に「対向壁4b」、「抜止壁部13g」、「側壁17a」、「突起4d」、及び「隙間S」と称する場合がある。
本実施の形態では、図11に示されるように、抜止壁部13gは、払拭方向から見てクランク状(略クランク状)に形成されている。具体的には、抜止壁部13gは、上壁部13hの幅方向端部から下側へ延びる上部13g1と、上部13g1の下端から下側かつワイパブレード3の長手方向他端側へ斜めに延びる傾斜部13g2と、傾斜部13g2の下端から下側へ延びる下部13g3とによって構成されている。上記の傾斜部13g2は、ワイパブレード3の長手方向一端側を向く面が、ワイパブレード3の長手方向他端側へ向かって下り勾配の傾斜面13mとされている。尚、図11では、図面を見易くするために、クリップ17を概略的に記載している。
又、本実施の形態では、クリップ17の一対の側壁17aの長手方向他端面(長手方向他端部)17rは、払拭方向から見て略クランク状に形成されている。具体的には、一対の側壁17aの長手方向他端面17rは、クリップ17の上壁17bの上面から下側かつワイパブレード3の長手方向他端側へ斜めに延びる上傾斜面17r1と、上傾斜面17r1の下端から下側へ延びる上縦面17r2と、上縦面17r2の下端から下側かつワイパブレード3の長手方向他端側へ斜めに延びる下傾斜面17r3と、下傾斜面17r3の下端から下側へ延びる下縦面17r4とによって構成されている。尚、長手方向他端面17rに関して記載した上記の方向は、クリップ17が連結レバー13に対して最も下側へ回動した姿勢(図11に実線で示すクリップ17参照;以下、この姿勢を「第1の姿勢」と称する)とされた状態での方向を示すものとする。
上記第1の姿勢の状態では、隙間Sは、上側の部位が下側の部位よりも側壁17aの長手方向一端部側に位置するようにクランク状(略クランク状)に曲がった形状となる。この第1の姿勢の状態では、隙間Sの幅寸法が突起4dの幅寸法よりも若干広くなり、突起4dが隙間Sを上下に通過可能となるように構成されている。つまり、本実施の形態では、抜止壁部13gは、クリップ17の第1の姿勢において側壁17aの長手方向他端面17rと第1の間隔S1(図11参照)を有してワイパブレード3の長手方向に対向する構成になっており、突起4dは、第1の間隔S1よりも小さい幅寸法を有している。また、上記のようにクランク状に曲がった形状となった隙間Sは、本発明における「通路」に相当する。
一方、クリップ17が連結レバー13に対して最も上側へ回動した姿勢(図11に二点鎖線で示されるクリップ17参照;以下、この姿勢を「第2の姿勢」と称する)とされた状態では、上記第1の姿勢の状態よりも隙間Sが狭められる。この第2の姿勢の状態では、隙間Sの幅寸法S2(図11参照)が突起4dの幅寸法よりも狭くなり(図11においてS2<S1)、突起4dが隙間Sを上下に通過不能となるように構成されている。つまり、本実施の形態では、上記第2の姿勢における側壁17aの長手方向他端面17rと抜止壁部13gとの間の第2の間隔S2は、の突起4dの幅寸法よりも小さく設定されている
又、本実施の形態では、図2及び図6に示されるように、クリップ17の上壁17bにおいて、係止凸部17kよりもクリップ17の長手方向一端側には、付勢部としてのバネ片部17qが一体に形成されている。バネ片部17qは、上壁17bの一部が下側に切り起こされたものであり、クリップ17の長手方向他端側へ向かうほど下側へ向かうように傾斜している。このクリップ17は、先端部がレバー本体部13bの上面と接触しており、クリップ17を連結レバー13に対して上側へ(即ち第1の姿勢から第2の姿勢に向けて回動力が支持軸17cの軸線周りに回動力が作用するように)付勢している。このため、ワイパアーム2の先端連結部4にクリップ17が組み付けられていない状態では、クリップ17が第2の姿勢、即ち突起4dが隙間Sを通過不能となる姿勢に保持される構成になっている。
尚、上記第2の姿勢は、クリップ17の案内凸部17jが連結レバー13の案内溝13fの上端面に当接した状態であり、クリップ17は連結レバー13に対して第2の姿勢よりも上側への回動を規制される構成になっている。つまり、案内凸部17j及び案内溝13fは、突起4dが隙間Sを通過不能となる位置よりも上側へのクリップ17の回動を制限する制限部とされている。
又、本実施の形態では、ブレードレバー11による払拭面(フロントガラス)の払拭時に、先端連結部4に対するクリップ17の係止が解除された場合、即ち例えば係止凸部17kが破損した場合や係止凸部17kが意図せずに押下された場合、連結レバー13の抜止壁部13gとワイパアーム2の突起4dとが接触する。その際には、図12に示されるように、突起4dが抜止壁部13gの傾斜面13mに対してワイパアーム2の基端側向きに接触することにより、突起4dに対して下向きの分力Frが付与される構成になっている。つまり、上記払拭時に上記係止が解除された場合、ワイパブレード3に作用する遠心力によって、抜止壁部13g(連結レバー13)が対向壁4bに対して相対的にワイパアーム2の先端側へ移動し、抜止壁部13gの傾斜面13mが突起4dに押し当てられる。その際に突起4dが傾斜面13mから受ける反力Fの分力Frが下向きになるように、傾斜面13mの傾斜角度が設定されている。この傾斜面13mは、本発明における「分力付与面」に相当する。
尚、図13に示される変形例のように、クリップ17の第1の姿勢で隙間Sが斜めに傾斜した形状となる構成(抜止壁部13gが払拭方向から見て傾斜した形状に形成された構成)にしてもよい。この変形例に係る抜止壁部13gは、ワイパブレード3の長手方向他端側へ向かって下り勾配に傾斜しており、ワイパブレード3の長手方向一端側を向く面の全面が傾斜面13mとされている。また、この変形例では、クリップ17の側壁17aの長手方向他端面17rが、ワイパブレード3の長手方向他端側へ向かって下り勾配に傾斜した傾斜面とされている。この変形例においても、抜止壁部13gの傾斜面13mが突起4dに押し当てられた際に、突起4dに対して下向きの分力Frが作用するように、傾斜面13mの傾斜角度が設定されている。尚、本発明における「分力付与面」は、傾斜面13mに限らず、湾曲面であってもよい。
次に、図15~図22を用いて、ワイパアーム2の先端連結部4に対するクリップ17の組み付け手順及び取り外し手順について説明し、その説明の中で、先端連結部4からのクリップ17の外れ防止の原理について併せて説明する。なお、図16~図22では、バネ片部17qの図示を省略している。
図15には、クリップ17がワイパアーム2の先端連結部4に組み付けられる前の状態が図示されている。この状態では、クリップ17は、バネ片部17qの付勢力によって第2の姿勢に保持されている。このクリップ17が先端連結部4に組み付けられる際には、先ず図16に示されるように、一対の対向壁4b間にクリップ17が嵌合(配置)され、クリップ17の長手方向他端面17rの上傾斜面17r1(段部)に突起4dが宛がわれる。その状態で先端連結部4がワイパブレード3に対して相対的に押し下げられることにより、図17に示されるようにクリップ17がバネ片部17qの付勢力に抗して下側へ回動され、第1の姿勢とされる。これにより、隙間Sが広げられ、突起4dが隙間S(即ちクランク状の通路)を通過可能となる。
そして、更に先端連結部4がワイパブレード3に対して相対的に押し下げられることにより、図18に示されるように突起4dが隙間Sを通過して上方下端面17iの下側に至る。その状態で、クリップ17が先端連結部4に対して相対的にワイパアーム2の基端側へ移動されると、図19に示されるように、クリップ17の係合凸部17fが一対の対向壁4bの係合凹部4cに挿入されると共に、クリップ17の係止凸部17kがワイパアーム2の係止孔4eに嵌合する。これにより、クリップ17が先端連結部4に係止され、ワイパアーム2に対するワイパブレード3の組付けが完了する。
一方、ワイパアーム2からワイパブレード3を取り外すために係止凸部17kが意図的に押下された場合や、係止孔4eに対する係止凸部17kの嵌合状態が意図せずに解除された場合には、図20に示されるように係合凸部17fが係合凹部4cから抜け出すことにより、クリップ17がバネ片部17qの付勢力によって上側へ回動され、第2の姿勢となる。この状態では、隙間Sが狭められ、突起4dが隙間Sを下側から上側に通過不能となる(突起4dの通過経路が遮断される)ので、クリップ17が一対の対向壁4b間から完全に抜け出せなくなり、ワイパアーム2に対するワイパブレード3の連結状態が維持される。つまり、本実施の形態では、先端連結部4に対するクリップ17の係止が解除された際には、少なくとも一対の対向壁4b間からクリップ17が抜け出す途中で一対の側壁17aが連結レバー13に対して上側へ回動して一対の隙間Sが狭まることにより、突起4dが隙間Sを通過不能となる構成になっている。
但し、ワイパブレード3がワイパアーム2から意図的に取り外される際には、図21に矢印Dで示されるように、クリップ17を故意に(意図して)押下げることにより、第1の姿勢とされる。これにより、隙間Sが広げられ、突起4dが隙間Sを通過可能となるので、図22に示されるように、先端連結部4からクリップ17を取り外すことが可能となる。
(作用及び効果)
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車両用ワイパ1では、ワイパアーム2の先端連結部4に係止されたクリップ17に対してワイパブレード3が回動可能とされている。そして、ワイパアーム2の先端連結部4が図示しない付勢機構によりフロントガラス(払拭面)側に付勢されることで、その付勢力がクリップ17、連結レバー13、バッキング12を介してブレードラバー11に伝達されて、ブレードラバーの払拭部11aが長手方向全長に亘ってフロントガラス(払拭面)に押圧接触される。又、車両の走行時には、フィン部16にて走行風がフロントガラス(払拭面)側への押圧力に変換されて、ブレードラバーの払拭部11aがフロントガラス(払拭面)に押圧接触される。これらのことから、ワイパアーム2がピボット軸中心に往復回動されると、良好な払拭動作が行われる。
本実施の形態のように、ワイパブレード3の回動軸(支持軸17c)を包むようにワイパアーム2の先端連結部4が配置される構造では、車両の払拭面からの車両用ワイパ1の突出高さを低くすることができるので、車両の空力性能を向上させることができる。尚、ワイパブレードとワイパアームとの連結部を、ワイパブレードの直上から幅方向にずらす構造でも、車両の払拭面からの車両用ワイパの突出高さを低くすることができる。しかしながら、そのような構造では、ワイパアーム2の押圧力がワイパブレード3に対して真直に伝わらず、払拭性能が悪化するという問題があるが、本実施の形態ではこれを回避することができる。
また、本実施の形態では、上記のクリップ17は、ワイパブレード3の長手方向を長手し、連結レバー13を挟んで払拭方向に対向する一対の側壁17aを有しており、一対の側壁17aの長手方向一端部が連結レバー13に対して払拭方向に延びる軸線回りに回動可能に連結されている。また、ワイパアーム2の先端連結部4には、払拭方向に対向する一対の対向壁4bが形成されている。そして、一対の対向壁4b間にクリップ17が配置されて先端連結部4にクリップ17が係止される。これにより、ワイパブレード3がクリップ17を介してワイパアーム2の先端連結部4に連結される。
上記の連結レバー13には、クリップ17の連結レバー13に対する第1の姿勢において一対の側壁17aの長手方向他端面17rと第1の隙間S1を有してワイパブレード3の長手方向に対向する一対の抜止壁部13gが形成されている。また、ワイパアーム2が有する一対の対向壁4bの内側面には、第1の隙間S1よりも小さな幅寸法を有する一対の突起4dが形成されている。このため、ワイパアーム2の一対の対向壁4b間にクリップ17を配置させる際には、クリップ17を上記第1の姿勢とすることにより、一対の突起4dが一対の隙間Sを通過可能となる。
一方、クリップ17が上記第1の姿勢から第2の姿勢へと回動された状態では、一対の側壁17aの長手方向他端面17rと抜止壁部13gとの間の第2の間隔S2が、一対の突起4dの幅寸法よりも小さくなる。このため、ワイパアーム2の先端連結部4に対するクリップ17の係止が解除された場合、クリップ17が第2の姿勢となることで、一対の突起4dが一対の隙間Sを通過不能となり、クリップ17が一対の対向壁4b間から抜け出せなくなる。このように構成されているので、ワイパアーム2の先端連結部4に対するクリップ17の係止が意図せずに解除された場合でも、ワイパブレード3がワイパアーム2から外れる(分離、脱落する)ことを防止できる。
また、本実施の形態では、付勢部としてのバネ片部17qがクリップ17を第1の姿勢から第2の姿勢に向けて支持軸17cの軸線周りに回動力が作用するように付勢している。これにより、ワイパアーム2の先端連結部4に対するクリップ17の係止が解除された場合に、クリップ17が意図せずに第2の姿勢から第1の姿勢になることを防止できるので、上述したワイパブレード3の脱落防止効果を高めることができる。
しかも、本実施の形態では、クリップ17と一体に形成されたバネ片部17q(付勢部)によって、クリップ17が第2の姿勢に向けて付勢されている。このため、クリップ17とは別体の付勢部が設けられる構成と比較して、構成を簡素化することができる。
さらに、本実施の形態では、一対の隙間Sは、一対の突起4dが一対の隙間Sを通過可能な状態、即ちクリップ17の第1の姿勢において、上側の部位が下側の部位よりも一対の側壁17aの長手方向一端側に位置するようにクランク状に曲がった形状となる。このように一対の隙間Sが構成されているので、クリップ17が有する一対の側壁17aの長手方向他端面17rには、それぞれ段部(上傾斜面17r1)が形成されている。このため、ワイパアーム2の一対の対向壁4b間にクリップ17を配置させる際には、一対の突起4dを各上傾斜面17r1に宛がうことにより、クリップ17をバネ片部17qの付勢力に抗して第2の姿勢から第1の姿勢へと回動させることができる。これにより、ワイパアーム2の先端連結部4に対するクリップ17の組付け作業が容易になる。
また、本実施の形態では、ブレードレバー11による払拭面の払拭時に、ワイパアーム2の先端連結部4に対するクリップ17の係止が解除された場合には、一対の抜止壁部13gが有する傾斜面13mが、ワイパアーム2の一対の突起4dと接触する。これにより、ワイパアーム2の一対の突起4dには、下向きの分力Fr、即ちワイパアーム2の先端連結部4がクリップ17から外れる向きとは逆向きの分力Frが作用する。これにより、ワイパブレード3とワイパアーム2とが意図せずに外れる(分離されてしまう)ことを一層効果的に防止できる。
つまり、図23に示される比較例のように、抜止壁部13gが上下方向に直線状に形成されている場合、抜止壁部13gが突起4dに押し当てられた際に、突起4dには上向きの分力Fu、即ちワイパアーム2の先端連結部4がクリップ17から外れる向きの分力Fuが作用する。その結果、ワイパアーム2からワイパブレード3が脱落する可能性があるが、本実施の形態では、これを回避することができる。
尚、上記実施の形態では、クリップ17と一体に形成されたバネ片部17qが付勢部とされた構成にしたが、これに限らず、クリップ17とは一体の弾性部材が付勢部とされた構成にしてもよい。
また、上記実施の形態では、クリップ17を連結レバー13に対して第1の姿勢から第2の姿勢に向けて付勢するバネ片部17q(付勢部)を備えた構成にしたが、これに限らず、付勢部が省略された構成にしてもよい。その場合、例えばワイパアーム2の一対の対向壁4b間からクリップ17が抜け出す途中において、一対の対向壁4bと一対の側壁17aとの間に作用する摩擦力により、クリップ17が連結レバー13に対して第1の姿勢から第2の姿勢へと回動される構成となる。
また、上記実施の形態では、ブレードラバー11を直接保持する連結レバー13がホルダ本体とされた構成にしたが、これに限らず、ホルダ本体は、間接的にブレードラバーを保持するものでもよい。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
2…ワイパアーム、3…ワイパブレード、4・・・先端連結部(ワイパアームの先端部)、4b・・・対向壁、4d・・・突起、11…ブレードラバー、13…連結レバー(ホルダ本体)、13g・・・抜止壁部、13m・・・傾斜面(分力付与面)、17…クリップ、17a…側壁、17q・・・バネ片部(付勢部)、17r・・・長手方向他端面(側壁の長手方向他端部)、S・・・隙間

Claims (5)

  1. 払拭面を払拭するためのブレードラバーを有し、長手方向中央部にホルダ本体が設けられたワイパブレードと、
    前記ワイパブレードの長手方向を長手とし、前記ホルダ本体を挟んで払拭方向に対向する一対の側壁を有し、前記一対の側壁の長手方向一端部が前記ホルダ本体に対して払拭方向に延びる軸線回りに回動可能に連結されたクリップと、
    払拭方向に対向する一対の対向壁が先端部に形成され、前記一対の対向壁間に前記クリップが配置されて前記先端部に前記クリップが係止されるワイパアームと、
    前記ホルダ本体に形成され、前記クリップの前記ホルダ本体に対する第1の姿勢において前記一対の側壁の長手方向他端部と第1の間隔を有して前記ワイパブレードの長手方向に対向する抜止壁部と、
    前記一対の対向壁の内側面に形成され、前記クリップの前記第1の姿勢において前記第1の間隔よりも小さな寸法を有する一対の突起と、
    を備え、
    前記クリップの前記第1の姿勢から前記軸線周りに回動された第2の姿勢における前記一対の側壁の長手方向他端部と前記抜止壁部との間の第2の間隔は、前記一対の突起の前記寸法よりも小さく設定されている車両用ワイパ。
  2. 前記クリップを前記第1の姿勢から前記第2の姿勢に向けて付勢する付勢部を備えた請求項1に記載の車両用ワイパ。
  3. 前記付勢部は、前記クリップと一体に形成されている請求項2に記載の車両用ワイパ。
  4. 前記クリップの前記第1の姿勢における前記一対の側壁の長手方向他端部と前記抜止壁部との間には、前記一対の突起が通過可能な通路が形成され、該通路は、上側の部位が下側の部位よりも前記一対の側壁の長手方向一端部側に位置するようにクランク状に曲がった形状となる請求項2又は請求項3に記載の車両用ワイパ。
  5. 前記抜止壁部は、前記一対の突起が前記ワイパアームの基端側に向けて接触したとき、前記一対の突起に対して下向きの分力を付与する分力付与面を有する請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用ワイパ。
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