最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る放送再送信装置は、高度広帯域衛星デジタル放送に用いられる放送再送信装置であって、番組の情報およびTMCC情報を含む衛星放送波を受けて復調し、前記番組の情報を含む復調データを出力し、前記復調データに含まれない前記TMCC情報は記憶部から部分的に読み出せるチューナと、前記チューナの前記記憶部から前記TMCC情報の一部である第1の情報を読み出す読み出し部と、前記TMCC情報に含まれる情報であって前記第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成する情報作成部と、前記読み出し部によって読み出された前記第1の情報および前記情報作成部によって作成された前記第2の情報を合わせることにより、前記TMCC情報の一部または全部を復元する情報復元部と、前記チューナから受けた前記復調データ、および前記情報復元部によって復元された前記TMCC情報を含むストリームを生成するストリーム生成部と、前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成する放送波生成部とを備える。
このように、チューナからTMCC情報の一部を読み出し、さらに、読み出した部分を除くTMCC情報を自己が作成することにより、受信した衛星放送波に含まれるTMCC情報を復元する構成により、TMCC情報の少なくとも一部が出力されないチューナを用いて衛星放送波の再送信を行うことができる。また、チューナから出力される復調データを再変調することにより、搬送波対雑音比を元の衛星放送波より大きくすることができるため、たとえば加入者宅において、放送再送信装置を介して送信された放送波を受信し、受信した放送波に含まれる番組を安定して再生することができる。したがって、高度広帯域衛星デジタル放送を、ケーブルテレビ網等のネットワークを介して加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
(2)好ましくは、前記衛星放送波は、複数のフレームを含み、前記放送再送信装置は、さらに、前記チューナから受けた前記復調データに基づいて前記フレームのタイミングを検出し、検出した前記タイミングに基づいて、前記ストリーム生成部および前記放送波生成部において用いられるクロックの周波数を調整する調整部を備える。
このような構成により、再送信用放送波のクロックの周波数を、簡易な処理で衛星放送波の送信クロックの周波数に合わせることができる。
(3)本発明の実施の形態に係る放送再送信方法は、高度広帯域衛星デジタル放送に用いられ、番組の情報およびTMCC情報を含む衛星放送波を受けて復調し、前記番組の情報を含む復調データを出力し、前記復調データに含まれない前記TMCC情報は記憶部から部分的に読み出せるチューナを備える放送再送信装置における放送再送信方法であって、前記チューナの前記記憶部から前記TMCC情報の一部である第1の情報を読み出すステップと、前記TMCC情報に含まれる情報であって前記第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成するステップと、読み出した前記第1の情報および作成した前記第2の情報を合わせることにより、前記TMCC情報の一部または全部を復元するステップと、前記チューナから受けた前記復調データ、および復元した前記TMCC情報を含むストリームを生成するステップと、生成した前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成するステップとを含む。
このように、チューナからTMCC情報の一部を読み出し、さらに、読み出した部分を除くTMCC情報を自己が作成することにより、受信した衛星放送波に含まれるTMCC情報を復元する構成により、TMCC情報の少なくとも一部が出力されないチューナを用いて衛星放送波の再送信を行うことができる。また、チューナから出力される復調データを再変調することにより、搬送波対雑音比を元の衛星放送波より大きくすることができるため、たとえば加入者宅において、放送再送信装置を介して送信された放送波を受信し、受信した放送波に含まれる番組を安定して再生することができる。したがって、高度広帯域衛星デジタル放送を、ケーブルテレビ網等のネットワークを介して加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、放送再送信システム301は、放送再送信装置101と、ケーブルテレビ網10と、複数のSTB(Set Top Box)131とを備える。STB131は、TVモニタ133に接続されている。
なお、放送再送信システム301は、複数のSTB131を備える構成に限らず、1つのSTB131を備える構成であってもよい。
放送再送信装置101は、たとえば、ケーブルテレビ放送を提供する事業者の局舎151に設けられる。STB131およびTVモニタ133は、加入者宅152に設けられる。
放送再送信装置101には、たとえば、外部アンテナ81が接続されている。放送再送信装置101は、たとえばストリームを含む衛星放送波を受信する。
ストリームは、番組の情報等を含む。番組の情報は、たとえば、音声情報、映像情報、EPG(Electronic Program Guide)情報、SI情報(Service Information)および字幕情報等を含む。
音声情報および映像情報は、たとえば、所定の方式に従って、圧縮および暗号化が施されている。
放送再送信装置101は、たとえば、放送局からのストリームを中継するための、図示しない高度広帯域衛星デジタル放送用の放送衛星から送信された衛星放送波を外部アンテナ81経由で受信する。
図2は、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて、衛星放送波によって伝送されるデータのプロトコルスタックの一例を示す図である。図2では、TLVパケットを用いるプロトコルスタックが示されている。
図2を参照して、TLVパケットは、たとえば、2160pまたは4320p等の規格に従う、4K UHDTV(Ultra High Definition Television)または8K UHDTV等の送信に用いられることが多い。
図2に示す例では、衛星放送波は、たとえば、TMCC情報、AC情報およびTLVパケットを含む。
図3は、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて、衛星放送波によって伝送されるTLVパケットの一例を示す図である。図3には、データ種別を示す情報が格納されたヘッダを有するパケットの一例である、International Telecommunication Union Radiocommunications Sector、”Recommendation ITU-R BT.1869”、2010年3月、[online]、[平成29年10月12日検索]、インターネット〈URL:http://www.itu.int/dms_pubrec/itu-r/rec/bt/R-REC-BT.1869-0-201003-I!!PDF-E.pdf〉(非特許文献2)の規格に従うTLVパケットのフォーマットが示されている。
TLVパケットは、TLVヘッダと、TLVペイロードとを含む。TLVヘッダは、「01」の値が格納された「スタートコード」のフィールド、「将来予約」のフィールド、「パケットタイプ」のフィールド、および「長さ」のフィールドを含み、これらのフィールドの長さは、それぞれ2ビット、6ビット、8ビットおよび16ビットである。
「パケットタイプ」のフィールドには、「0x01」、「0x02」、「0x03」または「0xFF」等の値が格納される。ここで、「0x」で始まる数字は、「0x」以降の数字が16進数で表されていることを意味する。
「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0x01」が格納される場合、TLVパケット61は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるIPv4パケットを含む。
また、「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0x02」が格納される場合、TLVパケット62は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるIPv6パケットを含む。
また、「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0x03」が格納される場合、TLVパケット63は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるIPパケットを含む。圧縮IPパケットは、たとえばIPヘッダが圧縮されたIPパケットである。
また、「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0xFF」が格納される場合、TLVパケット64は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるヌルデータを含む。以下、TLVペイロードにおいてヌルデータを含むTLVパケットを、TLVヌルパケットとも称する。
再び図2を参照して、たとえば、時刻同期用のNTP(Network Time Protocol)データ、IP-SIデータ、時刻情報、MMTパケット、またはデータ伝送方式は、UDP(User Datagram Protocol)/IPパケットに格納される。MMTパケットには、映像情報、音声情報、MMT-SIデータ、および他の情報が格納される。
TLVパケット61~63(以下、TLV情報パケットとも称する。)は、このようなUDP/IPパケットを格納する。
再び図1を参照して、放送再送信装置101は、衛星放送波から番組の情報を取得し、取得した番組の情報を含む放送波をケーブルテレビ網10を介して各加入者宅152へ送信する。
STB131は、たとえば、放送再送信装置101から送信される放送波をケーブルテレビ網10を介して受信する。
STB131は、放送再送信装置101からの放送波を受信すると、受信した放送波から番組の情報を取得し、取得した番組の情報に基づいて音声情報および映像情報をデコードし、デコード後の音声情報および映像情報をTVモニタ133へ送信する。
TVモニタ133は、STB131から受信した音声情報および映像情報に基づいて番組を再生する。
図4は、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムにおける放送再送信装置の構成を示す図である。
図4を参照して、放送再送信装置101は、チューナ11と、読み出し部12と、情報作成部13と、情報復元部14と、ストリーム生成部15と、放送波生成部16と、調整部17と、VCO(Voltage-Controlled Oscillator)18とを備える。チューナ11は、受信部21と、復調部22と、記憶部23とを含む。ストリーム生成部15は、FIFO31を含む。
VCO18は、基準クロックを生成する。より詳細には、VCO18は、33.7571メガヘルツを含む所定の周波数範囲において、調整部17から受ける電圧の大きさに応じた周波数を有するクロックを生成することが可能である。
チューナ11は、番組の情報およびTMCC情報を含む衛星放送波を受けて復調し、番組の情報を含み、かつTMCC情報を含まない復調データを出力する。
より詳細には、チューナ11における受信部21は、高度広帯域衛星デジタル放送用の放送衛星から送信された番組の情報およびTMCC情報を含む衛星放送波を外部アンテナ81経由で受信し、受信した衛星放送波を復調部22へ出力する。
放送再送信システム301における衛星放送波は、たとえば、上述の、番組の情報を含むTLVパケットであるTLV番組パケット、および協定世界時を用いて装置間における時刻合わせを行うための時刻合わせ情報等を含み、かつMMT方式に従う。NTPデータは、時刻合わせ情報の一例である。
復調部22は、衛星放送波に含まれるストリームを取得する。より詳細には、復調部22は、受信部21から受けた衛星放送波を復調してデジタル信号に変換する。そして、復調部22は、当該デジタル信号に基づいて、TLV番組パケット、および時刻合わせ情報等を含むストリームを生成し、生成したストリームのうちのTMCC情報を記憶部23に保存する。
また、復調部22は、生成したストリームのうちのTMCC情報以外の情報を復調データとして情報作成部13、ストリーム生成部15および調整部17へ出力する。
衛星放送波において、高度広帯域衛星デジタル放送の複数のストリームを効率良く伝送するためのフレームが含まれることが規定されている。ストリームの伝送は、フレームの構造を維持したまま行われる。
フレームには、最大で16の放送局の番組にそれぞれ対応する複数のストリームを含めることが可能である。各ストリームは、たとえばTLVパケットにおけるMMTパケットに含まれる伝送ストリームIDを用いることにより区別される。
図5は、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて伝送されるストリームのフレームの一例を示す図である。図5には、非特許文献3の規格に従うフレームの構造が示されている。
図5は、1つのフレームが3つの放送局の番組にそれぞれ対応する3つのストリームを含む場合を示す。
図5を参照して、フレームは、120個のスロットにより構成される。すなわち、1つのストリームには、たとえば40個のスロットが割り当てられる。たとえば、ストリーム番号SN1のストリームには、スロット1からスロット40が割り当てられ、ストリーム番号SN2のストリームには、スロット41からスロット80が割り当てられ、ストリーム番号SN3のストリームには、スロット81からスロット120が割り当てられる。
スロットには、ストリームが分割されて格納される。また、フレームの時間の長さは、33ミリ秒である。
スロットは、先頭から順に、44880ビットの復調データと、1600ビットのTMCC情報とを含む。
復調データは、先頭から順に、スロットヘッダ、主信号、BCH符号パリティ、スタッフビットおよびLDPC(Low Density Parity Check)符号パリティのフィールドで構成されている。
スロットヘッダのデータ長は、176ビットである。
主信号のデータ長は、可変長である。主信号のフィールドには、1または複数の分割されたTLVパケット等が格納される。
復調データがTLVパケットを含む場合、スロットヘッダの先頭から16ビットは、先頭TLV指示を示す。
先頭TLV指示は、各スロットの主信号における最初のTLVパケットの先頭ヘッダの位置を、主信号のフィールドの先頭からのバイト数で示したものである。
BCH符号パリティのデータ長は、192ビットである。スタッフビットのデータ長は、6ビットである。LDPC符号パリティのデータ長は、可変長である。
TMCC情報は、先頭から順に、280ビットの固定長の基本TMCC情報のフィールドと、1320ビットの固定長の伝送TMCC情報等が格納されるフィールドとで構成される。
基本TMCC情報のフィールドは、先頭から順に、120ビットの固定長の同期信号のフィールドと、160ビットの固定長の信号点配置情報のフィールドとを含む。
TMCC情報は、複数のスロットに分割されて格納される。より詳細には、同期信号は、24スロットにわたり格納される。信号点配置情報は、変調方式の組み合わせに応じて24スロット~120スロットにわたり格納される。
また、1320ビット×7スロットの9240ビットと8スロット目の182ビットを足し合わせた9422ビットの伝送TMCC情報に、BCH符号パリティ192ビットおよびLDPC符号パリティ22066ビットを付加した31680ビットの情報が、24スロットにわたり格納される。
[課題]
高度広帯域衛星デジタル放送に用いられる衛星放送波におけるC/N(Carrier to Noise Ratio:搬送波対雑音比)は、たとえば16dB~18dBである。
一般に、高度広帯域衛星デジタル放送を再生するには、放送波において12dB以上のC/Nが必要であり、たとえば、放送波が伝送中に減衰してC/Nが12dBより小さくなる場合、受信した放送波に含まれる高度広帯域衛星デジタル放送を再生することが困難になる。
また、たとえばケーブルテレビ網を介して送信された、衛星放送波に基づく放送波を、加入者宅において受信し、受信した放送波に含まれる高度広帯域衛星デジタル放送を再生するには、TMCC情報のうちの伝送TMCC情報が必要である。しかしながら、伝送TMCC情報は、主信号としてチューナ11から出力されない。
このため、放送再送信システムにおいて衛星放送波に基づく放送波をケーブルテレビ網等を介して送信するには、たとえば伝送TMCC情報の作成を要する。
しかしながら、伝送TMCC情報は変更が禁止されているため、放送再送信システムにおいて、受信した衛星放送波における伝送TMCC情報を再現する必要がある。
そこで、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムでは、以下のような構成および動作により、上記問題を解決する。
放送再送信装置101では、TMCC情報をチューナ11の記憶部23から部分的に読み出すことができる。
より詳細には、放送再送信装置101における読み出し部12は、たとえば、I2C(Inter-Integrated Circuit)バスを用いて、TMCC情報の一部である第1の情報を、復調データより低いレートでチューナ11における記憶部23から読み出す。
図6は、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置における伝送TMCC情報のフォーマットの一例を示す図である。図6には、非特許文献3の規格に従う伝送TMCC情報のフォーマットが示されている。
図6を参照して、伝送TMCC情報は、先頭から順に、変更指示、伝送モード/スロット情報、ストリーム種別/相対ストリーム情報、パケット形式/相対ストリーム情報、ポインタ/スロット情報、相対ストリーム/スロット情報、相対ストリーム/伝送ストリームID対応表情報、送受信制御情報および拡張情報のフィールドで構成されている。
変更指示のデータ長は、8ビットである。伝送モード/スロット情報のデータ長は、192ビットである。ストリーム種別/相対ストリーム情報のデータ長は、128ビットである。パケット形式/相対ストリーム情報のデータ長は、896ビットである。ポインタ/スロット情報データ長は、3840ビットである。相対ストリーム/スロット情報のデータ長は、480ビットである。相対ストリーム/伝送ストリームID対応表情報のデータ長は、256ビットである。送受信制御情報のデータ長は、8ビットである。拡張情報のデータ長は、3614ビットである。
読み出し部12は、第1の情報として、変更指示、伝送モード/スロット情報、ストリーム種別/相対ストリーム情報、相対ストリーム/スロット情報、相対ストリーム/伝送ストリームID対応表情報、および送受信制御情報の値を記憶部23から読み出し、読み出した各値を情報復元部14へ出力する。
このように、読み出し部12は、9422ビットの伝送TMCC情報のうちの1072ビットを読み出すことにより、フレームの時間の長さである33ミリ秒の間に必要な情報を取得することが可能となる。
一方、情報作成部13は、伝送TMCC情報に含まれる情報であって第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成する。
より詳細には、伝送TMCC情報におけるポインタ/スロット情報は、各フレームで異なるため、フレームごとに設定する必要がある。
しかしながら、ポインタ/スロット情報のデータ長は、3840ビットと大きい。このため、通信レートが復調データのレートより低いI2Cバスを用いて、フレームの時間の長さである33ミリ秒より短い時間で記憶部23からポインタ/スロット情報を読み出すことは、困難である。
また、ポインタ/スロット情報を復調データに対応付けて読み出すことが困難であるため、読み出したポインタ/スロット情報がいずれの復調データに対応しているかを判別することが困難である。
そこで、情報作成部13は、復調部22から受けた復調データに基づいて、第2の情報として伝送TMCC情報におけるポインタ/スロット情報を作成する。
図7は、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置における伝送TMCC情報のポインタ/スロット情報の構成の一例を示す図である。図7には、非特許文献3の規格に従うポインタ/スロット情報の構成が示されている。
図7を参照して、伝送TMCC情報のポインタ/スロット情報のフィールドには、各スロットのトップポインタとラストポインタとをそれぞれ示す16ビットの値が順番に格納されている。
より詳細には、トップポインタの値は、各スロットに含まれる複数のTLVパケットのうちの最初のTLVパケットにおける上述の先頭TLV指示の値となる。
ラストポインタの値は、各スロットに含まれる複数のTLVパケットのうちの最後のTLVパケットにおける末尾の位置を、主信号のフィールドの先頭からのバイト数で示したものである。
具体的には、図7を参照して、情報作成部13は、復調部22から受けた復調データの各スロットにおける最初の先頭TLV指示の値を取得し、取得した先頭TLV指示の値を各スロットにおけるトップポインタの値として設定する。
また、情報作成部13は、当該各スロットの主信号フィールドに含まれる最後の先頭TLV指示の値を取得する。
そして、情報作成部13は、取得した先頭TLV指示が含まれるTLVパケットを参照して当該TLVパケットにおける「長さ」のフィールドの値を取得する。
情報作成部13は、取得した先頭TLV指示の値および「長さ」のフィールドの値に基づいて、各スロットにおけるラストポインタの値を算出する。
情報作成部13は、設定した各スロットにおけるトップポインタの値、および算出した各スロットにおけるラストポインタの値を順番に並べてポインタ/スロット情報のフィールドの値として設定する。
情報作成部13は、設定したポインタ/スロット情報の値を情報復元部14へ出力する。
情報復元部14は、読み出し部12によって読み出された第1の情報および情報作成部13によって作成された第2の情報を合わせることにより、伝送TMCC情報の一部または全部を復元する。
より詳細には、情報復元部14は、読み出し部12から受けた変更指示、伝送モード/スロット情報、ストリーム種別/相対ストリーム情報、相対ストリーム/スロット情報、相対ストリーム/伝送ストリームID対応表情報、および送受信制御情報の各々の値を伝送TMCC情報のフォーマットに従って並べる。
また、情報復元部14は、情報作成部13から受けたポインタ/スロット情報の値を上記伝送TMCC情報のポインタ/スロット情報のフィールドに格納する。
そして、情報復元部14は、上記伝送TMCC情報のパケット形式/相対ストリーム情報のフィールドおよび拡張情報のフィールドに、チューナ11が受信した衛星放送波に含まれる伝送TMCC情報と同じ固定値を格納することにより、伝送TMCC情報の全部を復元し、復元した伝送TMCC情報をストリーム生成部15へ出力する。
なお、情報復元部14は、上記伝送TMCC情報のパケット形式/相対ストリーム情報のフィールドおよび拡張情報のフィールドに、チューナ11が受信した衛星放送波に含まれる伝送TMCC情報と異なる固定値を格納することにより、伝送TMCC情報の一部を復元し、復元した伝送TMCC情報をストリーム生成部15へ出力する構成であってもよい。
ストリーム生成部15は、チューナ11から受けた復調データ、および情報復元部14によって復元された伝送TMCC情報を含むストリームを生成する。
より詳細には、ストリーム生成部15は、チューナ11から受けた復調データに情報復元部14から受けた伝送TMCC情報を付加することによりストリームを生成し、生成したストリームをFIFO31へ書き込む。
また、ストリーム生成部15は、FIFO31に蓄積されたストリームを読み出して放送波生成部16へ出力する。
ここで、調整部17は、チューナ11から受けた復調データに基づいてフレームのタイミングを検出し、検出したタイミングに基づいて、ストリーム生成部15において用いられるクロックの周波数を調整する。
調整部17は、復調部22から受けた復調データに含まれるフレームの時間の長さを計測する。より詳細には、調整部17は、復調部22から受けた復調データにおけるフレームの先頭を検出する。
具体的には、フレームに含まれる最初のTLVパケットには、NTPデータが含まれる。調整部17は、NTPデータを検出すると、検出したNTPデータが含まれるTLVパケットにおけるMMTパケットを参照することにより、当該TLVパケットの伝送ストリームIDを取得する。
そして、調整部17は、上記MMTパケットに含まれる、伝送ストリームIDとフレームに含まれる複数のストリームの番号との対応関係を示すMH-SDT(MH-Service Description Table:MHサービス記述テーブル)を用いて、取得した伝送ストリームIDがフレームにおけるいずれのストリーム番号に対応しているかを照合する。
調整部17は、取得した伝送ストリームIDがフレームにおけるストリーム番号SN1のストリームであった場合、当該ストリームの先頭のTLVパケットにおけるNTPデータが含まれるスロットのスロットヘッダをフレームの先頭であると判断して、VCO18から受けるクロックのパルスの数を当該スロットヘッダからカウントする。
そして、調整部17は、次のフレームの先頭を検出すると、クロックのカウントを停止し、カウント値を取得する。そして、調整部17は、クロックのカウント値をゼロにリセットして、カウントを再開する。
調整部17は、取得したクロックのカウント値に基づいて、VCO18の発振周波数を調整するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
より詳細には、調整部17は、VCO18が出力するクロックのパルスを1115520カウントすることにより、フレームが33ミリ秒より長いか否かを判断し、判断結果に基づいて、VCO18の発振周波数を調整するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
具体的には、調整部17は、たとえば、取得したクロックのカウント値が1115520より大きい場合、VCO18における発振周波数が小さくなるようにVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
また、クロック調整部43は、たとえば、取得したクロックのカウント値が1115520より小さい場合、VCO18における発振周波数が大きくなるようにVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
また、調整部17は、FIFO31におけるデータの蓄積量に基づいてVCO18の発振周波数を調整する。
より詳細には、ストリーム生成部15は、VCO18から受けたクロックを用いて、FIFO31に蓄積されたストリームを読み出す。ストリーム生成部15は、FIFO31がオーバーフローまたはアンダーフローを起こさないようにデータの蓄積量を監視し、監視結果を調整部17へ出力する。
FIFO31におけるデータの蓄積量は、VCO18から受けたクロックの周波数がFIFO31に対するストリームの書き込みに用いるクロックの周波数より大きい場合に減少し、VCO18から受けたクロックの周波数がFIFO31に対するストリームの書き込みに用いるクロックの周波数より小さい場合に増加する。
ストリーム生成部15は、FIFO31におけるデータの蓄積量が減少している旨の監視結果、またはFIFO31におけるデータの蓄積量が増加している旨の監視結果を調整部17へ出力する。
調整部17は、ストリーム生成部15から受けた監視結果に基づいて、VCO18の発振周波数を調整するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
より詳細には、調整部17は、ストリーム生成部15からFIFO31におけるデータの蓄積量が減少している旨の監視結果を受けた場合、VCO18における発振周波数が小さくなるようにVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
また、調整部17は、ストリーム生成部15からFIFO31におけるデータの蓄積量が増加している旨の監視結果を受けた場合、VCO18における発振周波数が大きくなるようにVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
このように、ストリーム生成部15および調整部17は、FIFO31におけるデータの蓄積量を監視して、VCO18から受けたクロックの周波数と、FIFO31に対する書き込みに用いるクロックの周波数とが所定の分周比または同じ周波数になるようにVCO18から受けたクロックの周波数を調整する。これにより、ストリーム生成部15が生成するストリームの送信クロックを、衛星放送波に含まれるストリームの送信クロックの周波数に周波数を合わせることができる。
VCO18は、調整部17から受けた電圧の大きさに従う発振周波数のクロックを出力する。
放送波生成部16は、ストリーム生成部15によって生成されたストリームを変調して再送信用放送波を生成する。
より詳細には、伝送TMCC情報における伝送モード/スロット情報は、ストリームの変調方式等を示す。放送波生成部16は、VCO18から受けたクロックを用いて、ストリーム生成部15から受けたストリームに含まれる伝送TMCC情報における伝送モード/スロット情報に従って、当該ストリームの変調処理を行う。
そして、放送波生成部16は、変調後のストリームの周波数をたとえばケーブルテレビ網10に対応する周波数に変換して再送信用放送波を生成する。
また、たとえば、放送波生成部16は、調整部17によって調整された周波数のクロックを用いる。
調整部17は、上述のようなクロックの周波数の調整を行うことにより、衛星放送波に含まれるストリームの送信クロックの周波数に、放送波生成部16において用いられるクロックの周波数を合わせる。
これにより、放送波生成部16は、衛星放送波に含まれるストリームの送信クロックの周波数と同じ周波数のクロックのタイミングに従う再送信用放送波を生成することができる。
そして、放送波生成部16は、生成した再送信用放送波をたとえばケーブルテレビ網10を介して各加入者宅152へ送信する。
[動作の流れ]
放送再送信システム301における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図8は、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置が再送信用放送波を生成する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図8を参照して、まず、放送再送信装置101は、衛星放送波を受信して、受信した衛星放送波を復調することによりストリームを生成し、生成したストリームのうちのTMCC情報を記憶部23に保存するとともに、生成したストリームのうちのTMCC情報を含まない復調データを出力する(ステップS101)。
次に、放送再送信装置101は、チューナ11における記憶部23からTMCC情報の一部である第1の情報を読み出す(ステップS102)。
次に、放送再送信装置101は、生成した復調データを用いて、TMCC情報に含まれる情報であって第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成する(ステップS103)。
次に、放送再送信装置101は、上述の固定値、読み出した第1の情報、および作成した第2の情報を合わせることにより伝送TMCC情報の一部または全部を復元する(ステップS104)。
次に、放送再送信装置101は、生成した復調データに復元した伝送TMCC情報を付加することにより、復元した伝送TMCC情報を含むストリームを生成する(ステップS105)。
次に、放送再送信装置101は、生成したストリームを変調することにより再送信用放送波を生成する(ステップS106)。
次に、放送再送信装置101は、生成した再送信用放送波をたとえばケーブルテレビ網10を介して各加入者宅152へ送信する(ステップS107)。
なお、ステップS102およびステップS103の動作は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る放送再送信システムでは、調整部17は、フレームのタイミングに基づいて、クロックの周波数を調整する構成であるとしたが、これに限定するものではない。調整部17は、フレームに含まれるスロット等のタイミングに基づいて、クロックの周波数を調整する構成であってもよい。
なお、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置では、チューナ11は、TMCC情報を含まない復調データを出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。チューナ11は、TMCC情報の一部を含む復調データを出力する構成であってもよい。この場合、チューナ11は、TMCC情報のうち、復調データに含まれないTMCC情報の一部は読み出し部12によって記憶部23から読み出し可能な構成である。さらに、チューナ11は、TMCC情報のうち、復調データに含まれるTMCC情報の一部も読み出し部12によって記憶部23から読み出し可能な構成であってもよい。
ところで、高度広帯域衛星デジタル放送を、ケーブルテレビ網等のネットワークを介して加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することが可能な技術が望まれる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置では、チューナ11は、番組の情報およびTMCC情報を含む衛星放送波を受けて復調し、番組の情報を含む復調データを出力し、復調データに含まれないTMCC情報は記憶部23から部分的に読み出せる。読み出し部12は、チューナ11の記憶部23からTMCC情報の一部である第1の情報を読み出す。情報作成部13は、TMCC情報に含まれる情報であって第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成する。情報復元部14は、読み出し部12によって読み出された第1の情報および情報作成部13によって作成された第2の情報を合わせることにより、TMCC情報の一部または全部を復元する。ストリーム生成部15は、チューナ11から受けた復調データ、および情報復元部14によって復元されたTMCC情報を含むストリームを生成する。放送波生成部16は、ストリーム生成部15によって生成されたストリームを変調して再送信用放送波を生成する。
このように、チューナ11からTMCC情報の一部を読み出し、さらに、読み出した部分を除くTMCC情報を自己が作成することにより、受信した衛星放送波に含まれるTMCC情報を復元する構成により、TMCC情報の少なくとも一部が出力されないチューナを用いて衛星放送波の再送信を行うことができる。また、チューナ11から出力される復調データを再変調することにより、搬送波対雑音比を元の衛星放送波より大きくすることができるため、たとえば加入者宅152において、放送再送信装置101を介して送信された放送波を受信し、受信した放送波に含まれる番組を安定して再生することができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置では、高度広帯域衛星デジタル放送を、ケーブルテレビ網等のネットワークを介して加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
また、本発明の実施の形態に係る放送再送信装置では、衛星放送波は、複数のフレームを含む。調整部17は、チューナ11から受けた復調データに基づいてフレームのタイミングを検出し、検出したタイミングに基づいて、ストリーム生成部15および放送波生成部16において用いられるクロックの周波数を調整する。
このような構成により、再送信用放送波のクロックの周波数を、簡易な処理で衛星放送波の送信クロックの周波数に合わせることができる。
また、本発明の実施の形態に係る放送再送信方法では、まず、チューナ11の記憶部23からTMCC情報の一部である第1の情報を読み出す。次に、TMCC情報に含まれる情報であって第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成する。次に、読み出した第1の情報および作成した第2の情報を合わせることにより、TMCC情報の一部または全部を復元する。次に、チューナ11から受けた復調データ、および復元したTMCC情報を含むストリームを生成する。次に、生成したストリームを変調して再送信用放送波を生成する。
このように、チューナ11からTMCC情報の一部を読み出し、さらに、読み出した部分を除くTMCC情報を自己が作成することにより、受信した衛星放送波に含まれるTMCC情報を復元する構成により、TMCC情報の少なくとも一部が出力されないチューナを用いて衛星放送波の再送信を行うことができる。また、チューナ11から出力される復調データを再変調することにより、搬送波対雑音比を元の衛星放送波より大きくすることができるため、たとえば加入者宅152において、放送再送信装置101を介して送信された放送波を受信し、受信した放送波に含まれる番組を安定して再生することができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る放送再送信方法では、高度広帯域衛星デジタル放送を、ケーブルテレビ網等のネットワークを介して加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
高度広帯域衛星デジタル放送に用いられる放送再送信装置であって、
番組の情報およびTMCC情報を含む衛星放送波を受けて復調し、前記番組の情報を含む復調データを出力し、前記復調データに含まれない前記TMCC情報は記憶部から部分的に読み出せるチューナと、
前記チューナの前記記憶部から前記TMCC情報の一部である第1の情報を読み出す読み出し部と、
前記TMCC情報に含まれる情報であって前記第1の情報とは異なる情報である第2の情報を作成する情報作成部と、
前記読み出し部によって読み出された前記第1の情報および前記情報作成部によって作成された前記第2の情報を合わせることにより、前記TMCC情報の一部または全部を復元する情報復元部と、
前記チューナから受けた前記復調データ、および前記情報復元部によって復元された前記TMCC情報を含むストリームを生成するストリーム生成部と、
前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成する放送波生成部とを備え、
前記放送波生成部は、前記取得部によって取得された前記第1の情報に基づいて前記再送信用放送波を生成し、
前記読み出し部は、前記復調データより低いレートで前記第1の情報を前記チューナの記憶部から読み出し、
前記調整部は、前記衛星放送波に含まれるストリームの送信クロックの周波数に、前記放送波生成部において用いられるクロックの周波数を合わせる、放送再送信装置。