最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る放送再送信装置は、ストリームを含む衛星放送波を受信する放送再送信装置であって、受信された前記衛星放送波に含まれる前記ストリームを生成するストリーム生成部と、前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームの一部を、前記放送再送信装置によって受信された放送すべき対象情報に置き換え、置き換え後の前記ストリームを、前記衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力するストリーム再構成部と、前記ストリーム再構成部から受けた前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成する放送波生成部とを備える。
このような構成により、放送再送信システムの運用主体および設置地域等の種々のケースに応じて、衛星放送波に含まれる情報の一部を置き換えて放送することができる。また、衛星放送波に含まれるクロックを用いてストリームを出力する構成により、単に対象情報をネットワークから受信して放送波に含めて送信する構成と比べて、たとえばネットワーク側の不具合によって対象情報を受信することができず、衛星放送波に含まれる上記情報の再送信に切り替えた場合における画像の乱れ等の発生を抑制することができる。したがって、放送波をネットワーク経由で加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
(2)好ましくは、前記放送再送信装置は、さらに、前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームを前記ネットワークへ送信するネットワーク通信部を備え、前記ネットワーク通信部は、前記ネットワークへ送信する前記ストリームに基づく置き換え用の前記ストリームを受信して前記ストリーム再構成部へ出力する。
このような構成により、ネットワーク側において、衛星放送波に含まれるストリームの情報を用いて対象情報を生成し、より多様な放送サービスを提供することができる。
(3)好ましくは、前記ストリーム再構成部は、前記ネットワークからの前記対象情報が所定のタイミングにおいて前記放送再送信装置に到着しない場合、前記対象情報の置き換えが行われていない前記ストリームを出力する。
このような構成により、簡易な構成で、対象情報を生成する装置等のネットワーク側の異常に対して、自律的に放送を継続し、放送障害に対する耐性を高めることができ、より安定した放送システムを構築することができる。
(4)好ましくは、前記ストリーム再構成部は、バッファを含み、前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームおよび前記対象情報をバッファに蓄積し、前記バッファにおける前記ストリームの一部を前記バッファにおける前記対象情報に置き換えた前記ストリームを、前記衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力する。
このような構成により、簡易な構成で、衛星放送波に含まれる情報の一部を置き換えるとともに、衛星放送波に含まれるクロックを用いて、対象情報に置き換えられたストリームを出力することができる。
(5)本開示の実施の形態に係る放送再送信方法は、放送再送信装置における放送再送信方法であって、ストリームを含む衛星放送波を受信するステップと、受信した前記衛星放送波に含まれる前記ストリームを生成するステップと、生成した前記ストリームの一部を、前記放送再送信装置によって受信された放送すべき対象情報に置き換えるステップと、置き換え後の前記ストリームを、前記衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力するステップと、出力した前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成するステップとを含む。
このような構成により、放送再送信システムの運用主体および設置地域等の種々のケースに応じて、衛星放送波に含まれる情報の一部を置き換えて放送することができる。また、衛星放送波に含まれるクロックを用いてストリームを出力する構成により、単に対象情報をネットワークから受信して放送波に含めて送信する構成と比べて、たとえばネットワーク側の不具合によって対象情報を受信することができず、衛星放送波に含まれる上記情報の再送信に切り替えた場合における画像の乱れ等の発生を抑制することができる。したがって、放送波をネットワーク経由で加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、放送再送信システム301は、放送再送信装置101と、加入者網10と、複数のSTB(Set Top Box)131と、サーバ201とを備える。STB131は、TVモニタ133に接続されている。
なお、放送再送信システム301は、複数のSTB131を備える構成に限らず、1つのSTB131を備える構成であってもよい。
放送再送信装置101は、たとえば、ケーブルテレビ放送を提供する事業者の局舎151に設けられる。STB131およびTVモニタ133は、加入者宅152に設けられる。
局舎151において、放送再送信装置101は、たとえば、スイッチングハブ33およびLAN(Local Area Network)であるネットワーク30を介してサーバ201と接続されている。
なお、放送再送信装置101は、たとえば、ネットワーク30を介することなくサーバ201と通信用のケーブル等により1対1で接続されてもよい。
また、サーバ201は、局舎151の外部に設けられ、IP網20およびスイッチングハブ33を介して放送再送信装置101と接続されてもよい。
放送再送信装置101には、たとえば、外部アンテナ81が接続されている。放送再送信装置101は、たとえばストリームを含む放送波を受信する。
ストリームは、番組の情報等を含む。番組の情報は、たとえば、音声情報、映像情報、EPG(Electronic Program Guide)情報、SI情報(Service Information)および字幕情報等を含む。
音声情報および映像情報は、たとえば、所定の方式に従って、圧縮および暗号化が施されている。
放送再送信装置101は、たとえば、放送局からのストリームを中継するための、図示しない高度広帯域衛星デジタル放送用の放送衛星から送信された放送波である衛星放送波を外部アンテナ81経由で受信する。
図2は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて、放送波によって伝送されるデータのプロトコルスタックの一例を示す図である。図2では、TLVパケットを用いるプロトコルスタックが示されている。
図2を参照して、TLVパケットは、たとえば、2160pまたは4320p等の規格に従う、4K UHDTV(Ultra High Definition Television)または8K UHDTV等の送信に用いられることが多い。
図2に示す例では、放送波は、たとえば、TMCC(Transmission&Multiplexing Configuration Control)情報、AC情報およびTLVパケットを含む。
図3は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて、放送波によって伝送されるTLVパケットの一例を示す図である。図3には、データ種別を示す情報が格納されたヘッダを有するパケットの一例である、International Telecommunication Union Radiocommunications Sector、”Recommendation ITU-R BT.1869”、2010年3月、[online]、[平成31年3月8日検索]、インターネット〈URL:http://www.itu.int/dms_pubrec/itu-r/rec/bt/R-REC-BT.1869-0-201003-I!!PDF-E.pdf〉(非特許文献3)の規格に従うTLVパケットのフォーマットが示されている。
TLVパケットは、TLVヘッダと、TLVペイロードとを含む。TLVヘッダは、「01」の値が格納された「スタートコード」のフィールド、「将来予約」のフィールド、「パケットタイプ」のフィールド、および「長さ」のフィールドを含み、これらのフィールドの長さは、それぞれ2ビット、6ビット、8ビットおよび16ビットである。
「パケットタイプ」のフィールドには、「0x01」、「0x02」、「0x03」または「0xFF」等の値が格納される。ここで、「0x」で始まる数字は、「0x」以降の数字が16進数で表されていることを意味する。
「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0x01」が格納される場合、TLVパケット61は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるIPv4パケットを含む。
また、「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0x02」が格納される場合、TLVパケット62は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるIPv6パケットを含む。
また、「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0x03」が格納される場合、TLVパケット63は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるIPパケットを含む。圧縮IPパケットは、たとえばIPヘッダが圧縮されたIPパケットである。
また、「パケットタイプ」のフィールドにおいて「0xFF」が格納される場合、TLVパケット64は、TLVペイロードにおいて、「長さ」のフィールドに格納された値の総データ長となるヌルデータを含む。以下、TLVペイロードにおいてヌルデータを含むTLVパケットを、TLVヌルパケットとも称する。
再び図2を参照して、たとえば、時刻同期用のNTP(Network Time Protocol)データ、IP-SIデータ、時刻情報、MMTパケット、またはデータ伝送方式は、UDP(User Datagram Protocol)/IPパケットに格納される。MMTパケットには、映像情報、音声情報、MMT-SIデータ、および他の情報が格納される。
TLVパケット61~63(以下、TLV情報パケットとも称する。)は、このようなUDP/IPパケットを格納する。
再び図1を参照して、放送再送信装置101は、たとえば上記ストリームが分割されて格納されたIPパケットを含む放送波であるIP放送波をIP網20経由で受信する。
図4は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおけるIP放送波に含まれるIPパケットのフォーマットの一例を示す図である。
図4を参照して、IPパケットは、先頭から順に、IP(Internet Protocol)ヘッダ、UDP(User Datagram Protocol)ヘッダ、RTP(Real-time Transport Protocol)ヘッダおよびペイロードのフィールドで構成されている。
IPパケットにおけるペイロードには、たとえば、上記ストリームが分割されたストリーム(以下、分割ストリームとも称する。)が格納される。
再び図1を参照して、放送再送信装置101は、衛星放送波またはIP放送波から番組の情報を取得し、取得した番組の情報を含む放送波を加入者網10を介して各加入者宅152へ送信する。
STB131は、たとえば、放送再送信装置101から送信される放送波を加入者網10を介して受信する。
STB131は、放送再送信装置101からの放送波を受信すると、受信した放送波から番組の情報を取得し、取得した番組の情報に基づいて音声情報および映像情報をデコードし、デコード後の音声情報および映像情報をTVモニタ133へ送信する。
TVモニタ133は、STB131から受信した音声情報および映像情報に基づいて番組を再生する。
[課題]
放送再送信システムにおいて、たとえばケーブルテレビ放送を提供する事業者が、衛星放送波およびIP放送波に含まれる情報のうちの一部を差し替えた放送波を送信するサービスを提供することが考えられる。
この場合、たとえば、衛星放送波およびIP放送波に含まれる番組の情報を差し替えた放送波を再送信すると、当該情報の差し替えにより、加入者宅152において、再生された番組の画像の乱れ等が発生してしまう可能性がある。
これに対して、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムでは、以下のような構成および動作により、上記課題を解決する。
[放送再送信装置]
図5は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおける放送再送信装置の構成を示す図である。
図5を参照して、放送再送信装置101は、チューナ11と、ネットワーク通信部12と、ストリーム再構成部14と、ストリーム生成部15と、放送波生成部16と、クロック再生部17と、VCO(Voltage-Controlled Oscillator)18と、検出部19とを備える。ストリーム再構成部14は、バッファ32A,32Bと、スイッチ36A,36Bとを含む。ストリーム生成部15は、FIFO(First In First Out)31A,31Bを含む。
VCO18は、基準クロックを生成する。より詳細には、VCO18は、33.7571メガヘルツを含む所定の周波数範囲において、クロック再生部17から受ける電圧の大きさに応じた周波数を有するクロックを生成することが可能である。
[ストリームの生成1]
たとえば、チューナ11は、衛星放送波を受けて復調し、当該衛星放送波に含まれるフレームの一部または全部を含む復調データを出力する。
より詳細には、チューナ11は、高度広帯域衛星デジタル放送用の放送衛星から送信された番組の情報等を含む衛星放送波を外部アンテナ81経由で受信し、受信した衛星放送波に含まれるストリームを取得する。
放送再送信システム301における衛星放送波は、たとえば、上述の、番組の情報を含むTLVパケットであるTLV番組パケット、および協定世界時を用いて装置間における時刻合わせを行うための時刻合わせ情報等を含み、かつMMT方式に従う。NTPデータは、時刻合わせ情報の一例である。
具体的には、チューナ11は、受信した衛星放送波を復調してデジタル信号に変換する。そして、チューナ11は、当該デジタル信号に基づいて、TLV番組パケット、時刻合わせ情報、およびTMCC情報の一部または全部等を含む復調データを生成し、生成した復調データをストリーム生成部15および検出部19へ出力する。
また、チューナ11は、たとえば、復調データに対応するクロックをストリーム生成部15へ出力する。
なお、チューナ11は、たとえば、取得したストリームのうちの一部または全部を記憶部21に保存してもよい。
衛星放送波において、フレームを構成する1または複数のストリームが含まれることが規定されている。衛星放送波を用いて、フレームの構造を維持したままストリームの伝送が行われることにより、複数のストリームを効率良く伝送することができる。
フレームには、最大で16の放送局の番組にそれぞれ対応する複数のストリームを含めることが可能である。各ストリームは、たとえばTLVパケットにおけるMMTパケットに含まれる伝送ストリームIDを用いることにより区別される。
図6は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて伝送されるストリームのフレームの一例を示す図である。図6には、非特許文献2の規格に従うフレームの構造が示されている。
図6は、1つのフレームが3つの放送局の番組にそれぞれ対応する3つのストリームを含む場合を示す。
図6を参照して、フレームは、120個のスロットにより構成される。すなわち、1つのストリームには、たとえば40個のスロットが割り当てられる。たとえば、ストリーム番号SN1のストリームには、スロット1からスロット40が割り当てられ、ストリーム番号SN2のストリームには、スロット41からスロット80が割り当てられ、ストリーム番号SN3のストリームには、スロット81からスロット120が割り当てられる。
スロットには、ストリームが分割されて格納される。また、フレームの時間の長さは、33ミリ秒である。
スロットは、先頭から順に、44880ビットの復調データと、1600ビットのTMCC情報とを含む。
復調データは、先頭から順に、スロットヘッダ、主信号、BCH符号パリティ、スタッフビットおよびLDPC(Low Density Parity Check)符号パリティのフィールドで構成されている。
スロットヘッダのデータ長は、176ビットである。
主信号のデータ長は、可変長である。主信号のフィールドには、1または複数の分割されたTLVパケット等が格納される。
復調データがTLVパケットを含む場合、スロットヘッダの先頭から16ビットは、先頭TLV指示を示す。
先頭TLV指示は、各スロットの主信号における最初のTLVパケットの先頭ヘッダの位置を、主信号のフィールドの先頭からのバイト数で示したものである。
BCH符号パリティのデータ長は、192ビットである。スタッフビットのデータ長は、6ビットである。LDPC符号パリティのデータ長は、可変長である。
TMCC情報は、先頭から順に、280ビットの固定長の基本TMCC情報のフィールドと、1320ビットの固定長の伝送TMCC情報等が格納されるフィールドとで構成される。
基本TMCC情報のフィールドは、先頭から順に、120ビットの固定長の同期信号のフィールドと、160ビットの固定長の信号点配置情報のフィールドとを含む。
TMCC情報は、複数のスロットに分割されて格納される。より詳細には、同期信号は、24スロットにわたり格納される。信号点配置情報は、変調方式の組み合わせに応じて24スロット~120スロットにわたり格納される。
また、1320ビット×7スロットの9240ビットと8スロット目の182ビットとを足し合わせた9422ビットの伝送TMCC情報に、BCH符号パリティ192ビットおよびLDPC符号パリティ22066ビットを付加した31680ビットの情報が、24スロットにわたり格納される。
再び図4を参照して、ストリーム生成部15は、チューナ11によって受信された放送波に含まれるストリームを生成して、FIFO31Aに蓄積する。FIFO31Aは、たとえば、1フレームのデータ量に応じた量のデータを蓄積する。
たとえば、ストリーム生成部15は、チューナ11から受けた復調データに一部または全部が含まれるストリーム、具体的には1または複数のストリームを含むフレームを生成する。
より詳細には、ストリーム生成部15は、たとえば、チューナ11からフレームの一部を含む復調データ、たとえばTMCC情報が含まれない復調データを受けた場合、当該復調データを保持する。
そして、ストリーム生成部15は、たとえば、チューナ11によって保存されたストリームのうちの一部のデータをチューナ11における記憶部21から読み出し、読み出した当該一部のデータおよび保持した復調データを合わせることにより、ストリームを生成する。
ストリーム生成部15は、生成した1または複数のストリームを含むフレームをFIFO31Aに書き込む。
ストリーム生成部15は、たとえば、放送波に含まれるクロックすなわちチューナ11から受けたクロックを用いて、33.7561Mbaudのシンボルレートすなわち33ミリ秒あたり1115520シンボルを、フレームに含まれるTMCC情報の変調方式に応じたビットレートでFIFO31Aに書き込む。
あるいは、ストリーム生成部15は、たとえば、チューナ11からフレームの全部、すなわちストリームの全部を含む復調データを受けた場合、当該フレームをFIFO31Aに書き込む。
[ストリームの生成2]
放送再送信装置101におけるネットワーク通信部12は、たとえば、IPパケットを含む放送波であるIP放送波をIP網20およびスイッチングハブ33経由で受信する。
そして、ネットワーク通信部12は、受信した各IPパケットに含まれるストリームを取得し、取得したストリームからフレームを生成して出力する。
より詳細には、ネットワーク通信部12は、たとえば、受信したIP放送波に含まれるIPパケットから分割ストリームを取得する。
そして、ネットワーク通信部12は、たとえば、取得した複数の分割ストリームを合わせることによりストリームを生成し、生成したストリームからフレームを生成してストリーム生成部15および検出部19へ出力する。
ストリーム生成部15は、たとえば、ネットワーク通信部12からフレームを受けて、当該フレームをFIFO31Bに書き込む。すなわち、ストリーム生成部15は、ネットワーク通信部12から受けたフレームをFIFO31Bに蓄積する。FIFO31Bは、たとえば、1フレームのデータ量に応じた量のデータを蓄積する。
[クロックの調整]
検出部19は、チューナ11またはネットワーク通信部12によって受信された放送波に含まれるフレームのタイミングを検出する。たとえば、検出部19は、チューナ11から受けた復調データ、またはネットワーク通信部12から受けたフレームに基づいて、フレームのタイミングを検出する。
より詳細には、検出部19は、たとえば、チューナ11から受けた復調データに一部または全部が含まれるフレームの時間の長さを計測する。具体的には、検出部19は、チューナ11から受けた復調データにおけるフレームの先頭タイミングを検出する。
フレームに含まれる最初のTLVパケットには、NTPデータが含まれる。検出部19は、NTPデータを検出すると、検出したNTPデータが含まれるTLVパケットにおけるMMTパケットを参照することにより、当該TLVパケットの伝送ストリームIDを取得する。
そして、検出部19は、上記MMTパケットに含まれる、伝送ストリームIDとフレームに含まれる複数のストリームの番号との対応関係を示すMH-SDT(MH-Service Description Table:MHサービス記述テーブル)を用いて、取得した伝送ストリームIDがフレームにおけるいずれのストリーム番号に対応しているかを照合する。
検出部19は、取得した伝送ストリームIDがフレームにおけるストリーム番号SN1のストリームであった場合、当該ストリームの先頭のTLVパケットにおけるNTPデータが含まれるスロットのスロットヘッダをフレームの先頭であると判断し、フレームの先頭のタイミングを示す情報TI1をクロック再生部17へ出力する。
クロック再生部17は、たとえば、検出部19によって検出されたフレームのタイミングに基づいて、衛星放送波に含まれるクロックを再生する。
より詳細には、クロック再生部17は、検出部19から情報TI1を受けて、VCO18から受けるクロックのパルスのカウントを開始する。
そして、クロック再生部17は、検出部19から次の情報TI1を受けると、カウントを停止し、現在のカウント値を保持する。そして、クロック再生部17は、カウント値をゼロにリセットして、カウントを再開する。
クロック再生部17は、保持したカウント値に基づいて、VCO18の発振周波数を調整するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
より詳細には、クロック再生部17は、VCO18が出力するクロックのパルスを1115520カウントすることにより、フレームが33ミリ秒より長いか否かを判断し、判断結果に基づいて、VCO18の発振周波数を調整するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
具体的には、クロック再生部17は、たとえば、取得したクロックのカウント値が1115520より大きい場合、VCO18における発振周波数が小さくなるようにVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
また、クロック再生部17は、たとえば、取得したクロックのカウント値が1115520より小さい場合、VCO18における発振周波数が大きくなるようにVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
なお、クロック再生部17は、情報TI1を複数回受けるまでクロックのパルスをカウントし、カウント値に基づいてVCO18の発振周波数を調整してもよい。
VCO18は、クロック再生部17から受けた電圧の大きさに応じた周波数のクロックを出力する。
[出力するフレームの選択1]
ストリーム生成部15は、クロック再生部17によって再生された、衛星放送波に含まれるクロックを用いて、自己が生成したストリームをFIFO31Aから読み出す。
より詳細には、ストリーム生成部15は、VCO18から受けたクロックを用いて、FIFO31Aに蓄積されたフレームを読み出す。
そして、ストリーム生成部15は、読み出したフレームをストリーム再構成部14およびネットワーク通信部12へ出力する。
より詳細には、ストリーム生成部15は、たとえば、VCO18から受けたクロックを用いて、読み出したフレームをストリーム再構成部14におけるバッファ32Aに蓄積する。すなわち、ストリーム生成部15は、生成したストリームをフレーム単位でバッファ32Aに蓄積する。
また、ストリーム生成部15は、FIFO31Bに蓄積された、ネットワーク通信部12からのフレームを読み出してストリーム再構成部14へ出力する。
ネットワーク通信部12は、ストリーム生成部15によって生成されたストリームをネットワーク30へ送信した後、当該ストリームに基づく置き換え用のストリームを受信する。
より詳細には、ネットワーク通信部12は、ストリーム生成部15から受けたフレームをスイッチングハブ33およびネットワーク30経由でサーバ201へ送信する。
サーバ201は、放送再送信装置101から送信されたフレームを受信し、受信したフレームに含まれるストリームの一部を、放送すべき対象情報に置き換える。
図7は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおいて、ストリームの一部が対象情報に置き換えられたフレームの一例を示す図である。図7は、図6に示すフレーム構成の一例を模式的に示している。
図7を参照して、サーバ201は、たとえば、図6に示すフレームに含まれるストリーム番号SN2のストリームにおける主信号のフィールドに格納された1または複数の分割されたTLVパケット等を、対象情報に置き換える。
そして、サーバ201は、置き換え後のストリームを含むフレームをネットワーク30経由で放送再送信装置101へ送信する。
放送再送信装置101におけるネットワーク通信部12は、ストリームの一部の情報が対象情報に置き換えられたストリームを含むフレームをネットワーク30およびスイッチングハブ33経由でサーバ201から受信し、受信したフレームをストリーム再構成部14へ出力する。
より詳細には、ネットワーク通信部12は、当該フレームを、VCO18から受けたクロックを用いてストリーム再構成部14におけるバッファ32Bに書き込む。すなわち、ネットワーク通信部12は、ネットワーク30から受信したストリームをフレーム単位でバッファ32Bに蓄積する。
このように、ストリーム再構成部14は、たとえば、衛星放送波に含まれるストリームの一部の情報が対象情報に置き換えられたストリームを含むフレームを蓄積する。
そして、ストリーム再構成部14は、バッファ32Aに蓄積されたフレームに含まれるストリームの一部をバッファ32Bにおける対象情報に置き換えたストリーム(以下、対象ストリームとも称する。)を生成して放送波生成部16へ出力する。
より詳細には、ストリーム再構成部14は、VCO18から受けたクロックを用いて、バッファ32Aに蓄積されたフレームを読み出し、また、バッファ32Bに蓄積された置き換え対象のストリームである対象ストリームを含むフレームを読み出す。
具体的には、ストリーム再構成部14は、VCO18から受けたクロックを用いて、バッファ32Aに蓄積されたフレームに含まれるストリームを読み出す。すなわち、バッファ32Aでは、衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って、ストリーム再構成部14によって蓄積されたフレームが読み出され、ストリーム生成部15によって次のフレームが蓄積される。
また、ストリーム再構成部14は、VCO18から受けたクロックを用いて、バッファ32Bに蓄積されたフレームを読み出す。すなわち、バッファ32Bでは、衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って、ストリーム再構成部14によって蓄積されたフレームが読み出され、ネットワーク通信部12によって次のフレームが蓄積される。
ここで、ストリーム再構成部14は、スイッチ36Aを切り替えることにより、バッファ32Aから読み出されたフレームを放送波生成部16へ出力するか、バッファ32Bから読み出されたフレームを放送波生成部16へ出力するかを切り替える。
また、ストリーム再構成部14は、スイッチ36Bを切り替えることにより、バッファ32Aまたはバッファ32Bから読み出されたフレームを放送波生成部16へ出力するか、ストリーム生成部15から受けたフレームすなわちストリーム生成部15によってFIFO31Bから読み出されたフレームを放送波生成部16へ出力するかを切り替える。
スイッチ36Aは、バッファ32Aおよびバッファ32Bとスイッチ36Bとの間に接続されている。
スイッチ36Aは、ストリーム再構成部14の制御に従い、スイッチ36Bをバッファ32Aに接続するかバッファ32Bに接続するかを切り替える。
スイッチ36Bは、スイッチ36Aおよびストリーム生成部15におけるFIFO31Bと放送波生成部16との間に接続されている。
スイッチ36Bは、ストリーム再構成部14の制御に従い、放送波生成部16をスイッチ36Aに接続するかFIFO31Bに接続するかを切り替える。
ストリーム再構成部14は、スイッチ36Bを制御することにより、スイッチ36Bを介して放送波生成部16とスイッチ36Aとを接続する。
また、ストリーム再構成部14は、スイッチ36Aを制御することにより、スイッチ36Aを介してバッファ32Aとスイッチ36Bとを接続する。
これにより、ストリーム再構成部14によってバッファ32Aから読み出されたフレームがスイッチ36A,36B経由で放送波生成部16へ出力される。
そして、ストリーム再構成部14は、スイッチ36Aを制御することにより、バッファ32Bに蓄積されたフレームのうちの対象ストリームを読み出している期間において、スイッチ36Aを介してバッファ32Bとスイッチ36Bとを接続する。
より詳細には、ストリーム再構成部14は、バッファ32Aに蓄積されたフレームのうち、ストリーム番号SN1のストリームが読み出された後、スイッチ36Aを制御することにより、スイッチ36Aを介してバッファ32Bとスイッチ36Bとを接続する。
これにより、ストリーム再構成部14によってバッファ32Bから読み出された対象ストリームであるストリーム番号SN2のストリームがスイッチ36A,36B経由で放送波生成部16へ出力される。
そして、ストリーム再構成部14は、ストリーム番号SN2のストリームが読み出された後、スイッチ36Aを制御することにより、スイッチ36Aを介してバッファ32Aとスイッチ36Bとを接続する。
これにより、ストリーム再構成部14によってバッファ32Aから読み出されたストリーム番号SN3のストリームがスイッチ36A,36B経由で放送波生成部16へ出力される。
このようにして、衛星放送波に含まれるストリーム番号SN1のストリーム、ストリーム番号SN2のストリームおよびストリーム番号SN3のストリームのうち、ストリーム番号SN2のストリームが対象ストリームに置き換えられたフレームが、放送波生成部16へ出力される。
たとえば、ストリーム再構成部14は、ネットワーク30からの対象情報を含むストリームが所定のタイミングにおいて放送再送信装置101に到着しない場合、対象情報の置き換えが行われていないストリームを出力する。
より詳細には、ストリーム再構成部14は、たとえば、スイッチ36Bの接続先がバッファ32Aとなるようにスイッチ36Aを切り替えてから所定時間が経過した後、バッファ32Bを参照し、バッファ32Bにネットワーク30からの対象情報を含む新たなフレームが蓄積されていない場合、バッファ32Aとスイッチ36Bとの接続を維持する。すなわち、ストリーム再構成部14は、スイッチ36Aの切り替えを行わない。これにより、ストリーム再構成部14によりバッファ32Aから読み出されたストリーム番号SN2のストリームがスイッチ36A,36B経由で放送波生成部16へ出力される。
すなわち、衛星放送波に含まれるストリーム番号SN1のストリーム、ストリーム番号SN2のストリームおよびストリーム番号SN3のストリームを含むフレームが、放送波生成部16へ出力される。
[出力するフレームの選択2]
ストリーム再構成部14は、スイッチ36Bを制御することにより、スイッチ36Bを介して放送波生成部16とストリーム生成部15におけるFIFO31Bとを接続することも可能である。
より詳細には、ストリーム生成部15は、IP放送波に含まれるクロックに従って、FIFO31Bに蓄積された、ネットワーク通信部12からのフレームを読み出してストリーム再構成部14へ出力する。
この場合、クロック再生部17は、IP放送波に含まれるクロックを再生する。より詳細には、クロック再生部17は、検出部19によって検出されたIP放送波に含まれるフレームのタイミングに基づいて、IP放送波に含まれるクロックを再生するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
具体的には、検出部19は、上記と同様に、ネットワーク通信部12から受けたフレームの先頭のタイミングを検出し、検出したフレームの先頭のタイミングを示す情報TI2をクロック再生部17へ出力する。
クロック再生部17は、検出部19から受けた情報TI2に基づいて、IP放送波に含まれるクロックを再生するためのVCO18への出力電圧の大きさを決定する。
VCO18は、クロック再生部17から受けた電圧の大きさに応じた周波数のクロックを出力する。
ストリーム生成部15は、VCO18から受けたクロックを用いて、FIFO31Bに蓄積されたフレームを読み出す。すなわち、FIFO31Bでは、IP放送波に含まれるクロックに従って、ストリーム生成部15によって蓄積されたフレームが読み出され、また、次のフレームが蓄積される。
このように、ストリーム生成部15によってFIFO31Bから読み出されたフレームがスイッチ36B経由で放送波生成部16へ出力される。
なお、放送再送信装置101は、ストリーム生成部15におけるFIFO31Bおよびストリーム再構成部14におけるスイッチ36Bを含まない構成であってもよい。この場合、放送再送信装置101は、IP網20経由で受信したIP放送波に基づく再送信用放送波を送信しない。
[再送信用放送波の生成]
放送波生成部16は、ストリーム再構成部14から受けたフレームを変調して再送信用放送波を生成する。
より詳細には、放送波生成部16は、VCO18から受けたクロック、すなわちクロック再生部17によって再生されたクロックを用いて、たとえば、ストリーム再構成部14から受けたフレームに含まれる伝送TMCC情報に従って、当該各ストリームの変調処理を行う。
そして、放送波生成部16は、変調後のフレームの周波数をたとえば加入者網10に対応する周波数に変換して再送信用放送波を生成する。
これにより、放送波生成部16は、放送波に含まれるクロックの周波数と同じ周波数のクロックのタイミングに従う再送信用放送波を生成することができる。
そして、放送波生成部16は、生成した再送信用放送波をたとえば加入者網10を介して各加入者宅152へ送信する。
[動作の流れ]
放送再送信システム301における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図8は、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置が、ストリームの一部を対象情報に置き換えて放送再送信を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図8を参照して、放送再送信装置101は、フレームを構成する1または複数のストリームを含む衛星放送波を受信して復調し、フレームの一部または全部を含む復調データを生成する(ステップS101)。
次に、放送再送信装置101は、生成した復調データに一部または全部が含まれるフレームを生成する(ステップS102)。
次に、放送再送信装置101は、生成したストリームをFIFO31Aに蓄積する(ステップS103)。
次に、放送再送信装置101は、FIFO31Aからフレームを読み出し、読み出したフレームをバッファ32Aに蓄積する(ステップS104)。
次に、放送再送信装置101は、FIFO31Aからフレームを読み出し、読み出したフレームをネットワーク30経由でサーバ201へ送信する(ステップS105)。
次に、放送再送信装置101は、サーバ201から送信された、ストリームの一部の情報が対象情報に置き換えられたストリームを含むフレームをネットワーク30経由で受信した場合(ステップS106でYES)、受信したフレームをバッファ32Bに書き込む(ステップS107)。
次に、放送再送信装置101は、生成したストリームの一部を、ネットワーク30経由で受信した放送すべき対象情報に置き換えた対象ストリームを生成する(ステップS108)。
次に、放送再送信装置101は、自己のスイッチ36Aを切り替えることにより、再生した衛星放送波に含まれるクロックすなわちVCO18から受けたクロックを用いて、バッファ32Aから読み出したフレームに含まれる、対象ストリームの置き換え対象以外のストリームと、バッファ32Bから読み出したフレームに含まれる対象ストリームとを含むフレームを放送波生成部16へ出力する(ステップS109)。
次に、放送再送信装置101は、出力したフレームを変調して再送信用放送波を生成する(ステップS110)。
一方、放送再送信装置101は、ストリームの一部の情報が対象情報に置き換えられたストリームを含むフレームの受信が確認できない場合(ステップ106でNO)、自己のスイッチ36Aの切り替えを行わず、バッファ32Aから読み出された、対象情報の置き換えが行われていないフレームを放送波生成部16へ出力する(ステップS111)。
次に、放送再送信装置101は、出力したフレームを変調して再送信用放送波を生成する(ステップS110)。
なお、ステップS104およびステップS105の動作は、順番を入れ替えてもよいし、並行して行われてもよい。
[変形例]
放送再送信システム301において、放送再送信装置が、衛星放送波に含まれるストリームの一部を、放送すべき対象情報に置き換えてもよい。以下で説明する内容以外は放送再送信装置101と同様である。
より詳細には、放送再送信装置102は、自己が生成したストリームをサーバ201へ送信することなく、当該ストリームの一部が放送すべき対象情報に置き換えられた対象ストリームを生成する。
図9は、本開示の実施の形態に係る放送再送信システムにおける放送再送信装置の変形例の構成を示す図である。
図9を参照して、放送再送信装置102は、図5に示す放送再送信装置101と比べて、ストリーム再構成部14の代わりにストリーム再構成部24を備える。ストリーム再構成部24は、記憶部34と、スイッチ36Bとを含む。
スイッチ36Bは、ストリーム生成部15におけるFIFO31AおよびFIFO31Bと放送波生成部16との間に接続されている。
スイッチ36Bは、ストリーム再構成部24の制御に従い、放送波生成部16をFIFO31Aに接続するかFIFO31Bに接続するかを切り替える。
たとえば、図示しない複数のサーバ等の装置は、それぞれ、対象情報をIP網20経由でスイッチングハブ33へ送信する。
スイッチングハブ33は、それぞれ、当該複数の装置によって生成された複数の対象情報を受信し、受信した複数の対象情報を切り替えて放送再送信装置102へ選択的に与える。
より詳細には、スイッチングハブ33は、たとえば、当該複数の対象情報を順番に1つずつ放送再送信装置102へ送信する動作を繰り返す。
放送再送信装置102におけるネットワーク通信部12は、スイッチングハブ33から送信された対象情報を受信し、受信した対象情報をストリーム再構成部24へ出力する。
このような構成により、複数種類の対象情報を切り替えながらストリームにおける情報の置き換えを行うことができるため、より多様な放送サービスを提供することができる。
ストリーム再構成部24は、たとえば、ネットワーク通信部12から受けた対象情報を自己の記憶部34に保存する。
そして、ストリーム再構成部24は、ストリーム生成部15によって読み出されたFIFO31Aにおけるフレームを受けて、受けたフレームに含まれるストリームの一部を、放送すべき対象情報に置き換える。
より詳細には、ストリーム再構成部24は、記憶部34から当該フレームに対応する対象情報を取得し、取得した対象情報を、置き換え対象のストリームに含まれる情報と置き換える。そして、ストリーム再構成部24は、当該対象情報に置き換えられたストリームを含むフレームを放送波生成部16へ出力する。
具体的には、ストリーム再構成部24は、スイッチ36Bを制御することにより、スイッチ36Bを介して放送波生成部16とFIFO31Aとを接続する。
これにより、ストリーム再構成部24によって置き換え対象のストリームに含まれる情報が対象情報に置き換えられたストリームを含むフレームがスイッチ36B経由で放送波生成部16へ出力される。
なお、ストリーム再構成部24は、たとえば、スイッチ36Bを制御することにより、スイッチ36Bを介して放送波生成部16とストリーム生成部15におけるFIFO31Bとを接続することも可能である。この場合、ストリーム再構成部24は、対象ストリームを生成しない。
また、放送再送信装置102は、ストリーム生成部15におけるFIFO31Bおよびストリーム再構成部24におけるスイッチ36Bを含まない構成であってもよい。この場合、放送再送信装置102は、IP網20経由で受信したIP放送波に基づく再送信用放送波を送信しない。
図10は、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置の変形例が、ストリームの一部を対象情報に置き換えて放送再送信を行うシーケンスの一例を示す図である。
図10を参照して、まず、複数のサーバが、それぞれ、対象情報J1~J3をIP網20経由でスイッチングハブ33へ送信する(ステップS201~ステップS203)。複数のサーバは、それぞれ、定期的または不定期にステップS201~ステップS203の処理を繰り返す。
次に、スイッチングハブ33は、複数のサーバからの対象情報J1~J3をそれぞれ受信し、受信した複数の対象情報を切り替えて放送再送信装置102へ送信することにより、複数の対象情報を放送再送信装置102に選択的に与える。
より詳細には、スイッチングハブ33は、たとえば、受信した各対象情報のうち、対象情報J1を選択し、選択した対象情報J1を放送再送信装置102へ送信する(ステップS204)。
次に、放送再送信装置102は、スイッチングハブ33から送信された対象情報J1を受信し、受信した対象情報J1を、置き換え対象のストリームに含まれる情報と置き換える(ステップS205)。
次に、放送再送信装置102は、対象情報J1に置き換えられたストリームを含むフレームを変調して再送信用放送波を生成し、生成した再送信用放送波を加入者網10を介して各加入者宅152へ送信する(ステップS206)。
次に、スイッチングハブ33は、たとえば、受信した各対象情報のうち、対象情報J2を選択し、選択した対象情報J2を放送再送信装置102へ送信する(ステップS207)。
次に、放送再送信装置102は、スイッチングハブ33から送信された対象情報J2を受信し、受信した対象情報J1を、置き換え対象のストリームに含まれる情報と置き換える(ステップS208)。
次に、放送再送信装置102は、対象情報J2に置き換えられたストリームを含むフレームを変調して再送信用放送波を生成し、生成した再送信用放送波を加入者網10を介して各加入者宅152へ送信する(ステップS209)。
次に、スイッチングハブ33は、たとえば、受信した各対象情報のうち、対象情報J3を選択し、選択した対象情報J3を放送再送信装置102へ送信する(ステップS210)。
次に、放送再送信装置102は、スイッチングハブ33から送信された対象情報J2を受信し、受信した対象情報J3を、置き換え対象のストリームに含まれる情報と置き換える(ステップS211)。
次に、放送再送信装置102は、対象情報J3に置き換えられたストリームを含むフレームを変調して再送信用放送波を生成し、生成した再送信用放送波を加入者網10を介して各加入者宅152へ送信する(ステップS212)。
なお、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置では、ストリーム再構成部14は、ネットワーク30からの対象情報が所定のタイミングにおいて放送再送信装置101に到着しない場合、バッファ32Aから出力された対象情報の置き換えが行われていないストリームを放送波生成部16へ出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。ストリーム再構成部14は、たとえば、バッファ32Bの参照を行わず、対象ストリームを読み出すべき期間において、スイッチ36Aを介してバッファ32Bとスイッチ36Bとを接続する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置101,102では、ストリーム再構成部14は、対象情報の置き換えを行う時間帯および対象情報の置き換えを行わない時間帯を設定可能であってもよい。このような構成により、時間帯に応じて対象情報の置き換えの有無を切り替えることができるため、より多様な放送サービスを提供することができる。
ところで、放送波をネットワーク経由で加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することが可能な技術が望まれる。
そこで、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置では、ストリーム生成部15は、チューナ11によって受信された衛星放送波に含まれるストリームを生成する。ストリーム再構成部14は、ストリーム生成部15によって生成されたストリームの一部を、放送再送信装置101によって受信された放送すべき対象情報に置き換え、置き換え後の対象ストリームを、衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力する。放送波生成部16は、ストリーム再構成部14から受けたストリームを変調して再送信用放送波を生成する。
このような構成により、放送再送信システム301の運用主体および設置地域等の種々のケースに応じて、衛星放送波に含まれる情報の一部を置き換えて放送することができる。また、衛星放送波に含まれるクロックを用いてストリームを出力する構成により、単に対象情報をネットワークから受信して放送波に含めて送信する構成と比べて、たとえばネットワーク側の不具合によって対象情報を受信することができず、衛星放送波に含まれる上記情報の再送信に切り替えた場合における画像の乱れ等の発生を抑制することができる。具体的には、対象情報を生成する補助装置の異常に対して、放送再送信を行う主要装置において、自律的に放送を継続し、放送障害に対する耐性を高めることができ、より安定した放送システムを構築することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置では、放送波をネットワーク経由で加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
また、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置では、ネットワーク通信部12は、ストリーム生成部15によって生成されたストリームをネットワーク30へ送信する。ネットワーク通信部12は、ネットワーク30へ送信するストリームに基づく置き換え用のストリームを受信してストリーム再構成部14へ出力する。
このような構成により、ネットワーク側において、衛星放送波に含まれるストリームの情報を用いて対象情報を生成し、より多様な放送サービスを提供することができる。
また、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置では、ストリーム再構成部14は、ネットワークからの対象情報が所定のタイミングにおいて放送再送信装置101に到着しない場合、対象情報の置き換えが行われていないストリームを出力する。
このような構成により、簡易な構成で、対象情報を生成する装置等のネットワーク側の異常に対して、自律的に放送を継続し、放送障害に対する耐性を高めることができ、より安定した放送システムを構築することができる。
また、本開示の実施の形態に係る放送再送信装置では、ストリーム再構成部14は、バッファ32A,32Bを含み、ストリーム生成部15によって生成されたストリームおよび対象情報を、それぞれバッファ32A,32Bに蓄積し、バッファ32Aにおけるストリームの一部をバッファ32Bにおける対象情報に置き換えたストリームを、衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力する。
このような構成により、簡易な構成で、衛星放送波に含まれる情報の一部を置き換えるとともに、衛星放送波に含まれるクロックを用いて、対象情報に置き換えられたストリームを出力することができる。
また、本開示の実施の形態に係る放送再送信方法では、まず、ストリームを含む衛星放送波を受信する。次に、受信した衛星放送波に含まれるストリームを生成する。次に、生成したストリームの一部を、放送再送信装置101によって受信された放送すべき対象情報に置き換える。次に、置き換え後のストリームを、衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力する。次に、出力したストリームを変調して再送信用放送波を生成する。
このような構成により、放送再送信システム301の運用主体および設置地域等の種々のケースに応じて、衛星放送波に含まれる情報の一部を置き換えて放送することができる。また、衛星放送波に含まれるクロックを用いてストリームを出力する構成により、単に対象情報をネットワークから受信して放送波に含めて送信する構成と比べて、たとえばネットワーク側の不具合によって対象情報を受信することができず、衛星放送波に含まれる上記情報の再送信に切り替えた場合における画像の乱れ等の発生を抑制することができる。具体的には、対象情報を生成する補助装置の異常に対して、放送再送信を行う主要装置において、自律的に放送を継続し、放送障害に対する耐性を高めることができ、より安定した放送システムを構築することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る放送再送信方法では、放送波をネットワーク経由で加入者宅へ再送信する優れたシステムを構築することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
ストリームを含む衛星放送波を受信する放送再送信装置であって、
受信された前記衛星放送波に含まれる前記ストリームを生成するストリーム生成部と、
前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームの一部を、前記放送再送信装置によって受信された放送すべき対象情報に置き換え、置き換え後の前記ストリームを、前記衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力するストリーム再構成部と、
前記ストリーム再構成部から受けた前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成する放送波生成部とを備え、
前記放送再送信装置は、フレームを構成する1または複数の前記ストリームを含む前記衛星放送波を受信し、
前記放送再送信装置は、さらに、
前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームを前記ネットワークへ送信するネットワーク通信部を備え、
前記ネットワーク通信部は、前記ネットワークへ送信した前記ストリームの一部の情報が前記対象情報に置き換えられた前記ストリームを受信して前記ストリーム再構成部へ出力し、
前記ストリーム再構成部は、バッファを含み、前記ストリーム生成部によって生成された前記ストリームおよび前記対象情報をバッファに蓄積し、前記バッファにおける前記ストリームの一部を前記バッファにおける前記対象情報に置き換えた前記ストリームを、前記衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力し、
前記ストリーム生成部は、生成した前記ストリームを前記フレーム単位で前記バッファに蓄積し、
前記ネットワーク通信部は、前記ネットワークから受信した前記ストリームを前記フレーム単位で前記バッファに蓄積し、
前記ストリーム再構成部は、前記対象情報の置き換えを行う時間帯および前記対象情報の置き換えを行わない時間帯を設定可能である、放送再送信装置。
[付記2]
放送再送信装置を備える放送再送信システムにおける放送再送信方法であって、
前記放送再送信装置が、ストリームを含む衛星放送波を受信するステップと、
前記放送再送信装置が、受信した前記衛星放送波に含まれる前記ストリームを生成するステップと、
前記放送再送信装置が、生成した前記ストリームの一部を、前記放送再送信装置によって受信された放送すべき対象情報に置き換えるステップと、
前記放送再送信装置が、置き換え後の前記ストリームを、前記衛星放送波に含まれるクロックのタイミングに従って出力するステップと、
前記放送再送信装置が、出力した前記ストリームを変調して再送信用放送波を生成するステップと、
複数の装置によってそれぞれ生成された複数の対象情報を切り替えて前記放送再送信装置に選択的に与えるステップとを含む、放送再送信方法。