JP6993685B2 - コイル整形装置 - Google Patents
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Description
コアの軸方向両端側に存在する折り返し部分は製造上コアの径方向に膨らむことを避けられないため、回転電機の外部を覆う外枠やコア内への回転子挿入時の支障とならないように、外形形状(輪郭)を整形する必要がある。トランス等においてもコイルの省スペース化の観点から整形が必要となる。
その各押圧片は、径方向内側中心をコアの軸方向に移動する柱状カムの外面(駆動カム面)で押圧されることにより、径方向に同時移動するようになっている。
このため、押圧されなかった部分をプラスチックハンマー等で叩いて整形するなどの後処理が必要であり、面倒であるとともに整形作業の効率低下を来していた。また、手作業による後処理のために整形品質の均一性が得られなかった。
このため、整形機能の観点からは極めて不十分であった。即ち、コアの軸方向においてコイルの折り返し部分の押圧むらが生じることを避けられなかった。
これにより、後処理の必要がなく整形作業の効率向上を図ることができるとともに、押圧むらのない高精度の整形を行うことができる。
図1に示すように、本実施形態に係るコイル整形装置2は、ステータ4が備えるコア6の上端部に一部を挿入して位置決めされた上部整形部2Aと、コア6の下端部に一部を挿入して位置決めされた下部整形部2Bとから構成されている。
ステータ4は、円筒状のコア6と、コア6の内溝を介して装着され、軸方向の両端部で折り返されたコイルとを備えている。
コア6内への上部整形部2Aと下部整形部2Bの挿入は、不図示のサーボモータ等の駆動源によってなされる。
ワークセッティング装置10の上下部間は、軸方向に延びる位置決めロッド45によって間隔を保持されている。
コア6の上下端部には、仮想線(二点鎖線)で示すように、コイルの折り返し部分8A、8Bがコア6の軸方向端部の外側に膨らんだ状態で露出している。上部整形部2Aと下部整形部2Bは同じ構成であるため、以下では上部整形部2Aのみについて説明する。
外側押圧部材14は、ベース部材12上においてコイルの折り返し部分8Aのコア6の径方向外側に配置されている。
複数の内側押圧部材16は、コア6の径方向内側に配置されるとともに径方向に移動可能に設けられ、外側押圧部材14との間でコイルの折り返し部分8Aを挟んで押圧する。
カム支持体34は、ベース部材12に固定され、駆動機構20を構成する後述のカム部材22の軸方向の移動を支持するとともに、内側押圧部材16と補助押圧部材18の径方向の移動をガイドする。
具体的には、各内側押圧部材16を囲むようにコイルバネ30aが巻回され、これとは別個に各補助押圧部材18を囲むようにコイルバネ30bが巻回されている。
具体的には、各内側押圧部材16を囲むようにコイルバネ31aが巻回され、これとは別個に各補助押圧部材18を囲むようにコイルバネ31bが巻回されている。
折り返し部分8Aは、その外側面8A-1が外側押圧部材14によって押圧整形され、内側面8A-2が内側押圧部材16及び補助押圧部材18によって押圧整形される。また、折り返し部分8Aの上面8A-3は可動支持体35によって押圧整形される。
内側押圧部材16と補助押圧部材18は折り返し部分8Aの内側において周方向に複数(ここでは6個)放射状に配置され、且つ、径方向に移動可能に設けられている。
カム部材22は、その外周面に、内側押圧部材16と補助押圧部材18とをタイミングをずらして径方向に移動させる駆動カム面を有している。駆動カム面の形状については後で詳細に説明する。
カム支持体34はベース部材12の中央部に固定されており、カム部材22は上端部をベース部材12とカム支持体34とに支持されて軸方向に摺動可能に設けられている。
カム支持体34の下端は、凹状の蓋部材37で着脱自在に覆われている。
カム支持体34の上端部34dはフランジ状に形成されて、ネジ孔34eを介してベース部材12に固定可能となっている。カム支持体34の下端部34fには上記のように図1に示した蓋部材37が固定される。
符号34hは、カム支持体34の上端部34dに形成された、ベース部材12に対する位置決め用のU字状溝を、34iは蓋部材37を取り付けるためのネジ孔を示している。
カム部材22は、図4に示すように、取付部22Aと、カム面部22Bとを有し、カム面部22Bには、内側押圧部材16を押圧する広幅の駆動カム面24と、補助押圧部材18を押圧する細幅の駆動カム面25とが周方向に交互に形成されている。
これにより、カム部材22は回り止めされた状態で軸方向に移動する。図1に示したガイド片28aは、カム支持体34に固定されるリング部材28に一体に形成されている。カム支持体34にはリング部材28を固定するためのネジ孔34jが形成されている(図3(a)参照)。
駆動カム面25は、下から上に向って、第1傾斜面25a、第1駆動カム面25b、第2傾斜面25c及び第2駆動カム面25dを有している。
駆動カム面25の第1駆動カム面25b及び第2駆動カム面25dは、駆動カム面24の第1駆動カム面24b及び第2駆動カム面24dよりも上方に位置がずれており、これにより、カム部材22の軸方向下方への移動において、補助押圧部材18の径方向外側への移動は内側押圧部材16の同方向への移動に対してタイミングがずれる(遅れる)ことになる。
内側押圧部材16の外側の押圧部16Aには、コイル押圧面16eと、図1に示したコイルバネ30aのバネ座部16fと、コイルバネ31aのバネ座部16gとが設けられている。
補助押圧部材18の外側には、コイル押圧面18eと、図1に示したコイルバネ30bのバネ座部18fと、コイルバネ31bのバネ座部18gとが設けられている。
また、補助押圧部材18の外側の上端部には、後述する補助押圧部材戻し機構を構成する傾斜面18hが形成されている。
図7は待機位置から整形までの動作を示し、図8は整形終了から待機位置への戻り動作を示している。分かり易くするために、カム支持体34と外側押圧部材14は表示を省略し、外側押圧部材14は所定の押圧位置に設定されているものとする。
可動支持体35は、円筒部材44を有しており、内側押圧部材16と補助押圧部材18は円筒部材44の内周面44aによって径方向外側への所定以上の移動を制限されるとともに外側面を支持される。
戻し部材46はベース部材12に軸方向に摺動可能に設けられており、下端側にはリング状の戻し用カム部材48を有している。戻し用カム部材48の内面には補助押圧部材18の上端部外面に形成された傾斜面18hを押圧する傾斜したカム面48aを有している。戻し部材46は不図示のエアシリンダ(第2のカム駆動源)で軸方向に移動される。
可動支持体35の円筒部材44の下面44bは折り返し部分8Aの上面8A-3に対する押圧面としてなる。
この状態から第1のカム駆動源としての不図示のサーボモータが動作してカム部材22が下方に移動すると、図7(b)に示すように、まず内側押圧部材16の図5に示した第1被駆動面16bと第2被駆動面16dが、カム部材22の図4に示した駆動カム面24における第1駆動カム面24bと第2駆動カム面24dとで押圧され、内側押圧部材16が径方向外側に移動する。
一点鎖線の円Kの部位の拡大図から分かるように、周方向における内側押圧部材16間(隙間g)には押圧されない部分が内側へ突出した状態で残る。
そして、図10に示すように、各補助押圧部材18はカム部材22の移動に伴って同時に径方向外側に移動し、各内側押圧部材16間に形成される周方向の隙間g(図9参照)に先端部が進入して、コイルの折り返し部分8Aの内側面8A-2における、内側押圧部材16でプレスされなかった部位を所定量プレスする。
上記補助押圧部材18の動作時には内側押圧部材16の径方向における位置変化はない。
この動作において、内側押圧部材16と補助押圧部材18の径方向における位置変化はない。
図7(a)~図7(d)の動作により、折り返し部分8Aの所定量の整形が完了する。即ち、コイルの折り返し部分8Aは丸く膨らんだ状態から、最終的に輪郭が矩形の折り返し部分8A―4に整形(矯正)される。
また、押圧されなかった部分をプラスチックハンマー等で叩いて整形するなどの後処理が不要となるので、整形作業の効率を向上させることができるとともに、整形品質の均一化を図ることができる。
まず、図8(a)に示すように、第1のカム駆動源としてのサーボモータの動作によりカム部材22が上方に移動すると、これに伴って、図1に示した可動支持体35も、圧縮されているコイルバネ38の付勢力で上方に移動する。
また、傾斜面の位置の違いによって且つコイルバネ30a、30b、31a、31bの付勢力によって、補助押圧部材18が内側押圧部材16よりも早く径方向内側への移動を開始する。
補助押圧部材18が所定のタイミングで戻り動作を開始しないと、補助押圧部材18に遅れて径方向内側へ移動する内側押圧部材16間に補助押圧部材18が挟まってロックし、装置が緊急停止する事態を招くことになる。
この懸念を回避するための安全対策として補助押圧部材戻し機構が設けられている。
これにより、補助押圧部材18の傾斜面18hと戻し用カム部材48のカム面48aとの間の当接で径方向内側への押圧力(分力)が発生し、補助押圧部材18は強制的に径方向内側へ移動して待機位置に戻る。
内側押圧部材16は周方向に延びる円弧状の押圧部16Aと、径方向に延びる被駆動部16Bとからなり、全体として水平断面がT字状となるように形成されている。
隣り合う内側押圧部材16の押圧部16A間には、補助押圧部材18を収容する凹状の収容部50が形成されている。
収容部50の周方向の幅は補助押圧部材18の同方向の幅よりも僅かに大きく設定されている。
収容部50を設けずに、周方向に開いた内側押圧部材16間の隙間を補助押圧部材18が移動する構成とすることもできるが、この場合には補助押圧部材18の押圧位置Pまでの移動ストロークがst1で示すように大きくなり、動作時間が長くなる。即ち、整形作業におけるダウンタイムが顕著となる。
本実施形態の如く、待機状態において補助押圧部材18が収容部50を介して内側押圧部材16内に入り込んだ構造とすれば、補助押圧部材18の移動ストロークをst2で示すように短くでき、上記各問題を解消できる。
なお、上記実施形態では、外側押圧部材14、内側押圧部材16、補助押圧部材18の配置数を6個として例示したが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、さらに各部材の個数が異なっていてもよい。
4 ステータ
6 コア
8A、8B コイルの折り返し部分
14 外側押圧部材
16 内側押圧部材
18 補助押圧部材
18h 傾斜面
20 駆動機構
22 カム部材
24、25 駆動カム面
30a、30b、31a、31b 付勢部材としてのコイルバネ
48 戻し用カム部材
50 収容部
Claims (7)
- 円筒状のコアの軸方向端部の外側に露出するコイルの折り返し部分を整形するコイル整形装置であって、
前記折り返し部分の前記コアの径方向外側に配置される外側押圧部材と、
前記コアの径方向内側において周方向に放射状に配置されるとともに前記径方向に移動可能に設けられ、前記外側押圧部材との間で前記折り返し部分を挟んで押圧する複数の内側押圧部材と、
前記周方向における前記複数の内側押圧部材間に配置されるとともに前記径方向に移動可能に設けられ、前記外側押圧部材との間で前記折り返し部分を挟んで押圧する複数の補助押圧部材と、
前記複数の内側押圧部材と前記複数の補助押圧部材とを前記径方向に移動させる駆動機構と、を備え、
前記駆動機構は、前記補助押圧部材を、前記内側押圧部材が前記径方向外側に移動することにより前記各内側押圧部材間に形成される前記周方向の隙間に進入するように移動させることを特徴とするコイル整形装置。 - 前記駆動機構が、前記軸方向に移動して前記複数の内側押圧部材と前記複数の補助押圧部材とを前記径方向外側に押圧して移動させるカム部材と、該カム部材を移動させる第1のカム駆動源と、を備え、
前記カム部材は、前記内側押圧部材と前記補助押圧部材とをタイミングをずらして前記径方向外側に移動させる駆動カム面を有していることを特徴とする請求項1に記載のコイル整形装置。 - 前記複数の内側押圧部材と前記複数の補助押圧部材とを前記径方向内側へ戻るように付勢して前記駆動カム面に当接させる付勢部材を有していることを特徴とする請求項2に記載のコイル整形装置。
- 前記内側押圧部材間に前記補助押圧部材を収容する収容部が形成され、前記各内側押圧部材が前記径方向外側に移動する前は前記収容部の前記径方向外側は前記周方向に連接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル整形装置。
- 前記外側押圧部材が前記周方向に複数放射状に配置されているとともに前記径方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコイル整形装置。
- 前記各補助押圧部材を、前記内側押圧部材が前記径方向内側へ戻る前に前記径方向内側へ戻す補助押圧部材戻し機構を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル整形装置。
- 前記補助押圧部材戻し機構が、前記各補助押圧部材に形成された傾斜面と、前記軸方向に移動して前記傾斜面を前記径方向内側へ押圧する戻し用カム部材と、該戻し用カム部材を移動させる第2のカム駆動源とを有していることを特徴とする請求項6に記載のコイル整形装置。
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