JP6993541B1 - 工作機械および工作機械システム - Google Patents
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Abstract
加工室を取り囲む遮蔽カバー（３）の開口部を開閉するドア（５）と、ドア（５）の開閉状態を検出する２系統のスイッチを備えるとともに、ドア（５）を閉状態にロック可能な電磁ロック装置（６）と、ドア（５）の位置を検出するドア位置検出部と、電磁ロック装置（６）の２系統のスイッチの状態を監視して、状態が所定時間にわたって異なり、かつ、ドア位置検出部によりドア（５）が閉位置ではないことが検出された場合に、ドア（５）の保守を促す報知部とを備える工作機械（１）である。
Description
本開示は、工作機械および工作機械システムに関するものである。
工作機械の遮蔽カバーに備えられたドアには、ドアを閉じた状態でロックする電磁ロック装置が装備されている（例えば、特許文献１参照。）。この電磁ロック装置は、遮蔽カバー側に配置された装置本体と、ドア側に設けられたキーとを備え、ドアを閉じると、キーが装置本体に挿入されて、装置本体に内蔵されたスイッチング機構により、ドアの閉状態が検出される。また、ドアが閉じられるとロック方向に付勢されたロック機構が働いて自動的にロックがかかる。ドアの開放を許容するには、電磁ソレノイドに通電してロック機構を解除することが行われる。
工作機械は、一般には、デュアルチェックセーフティのために、電磁ロック装置のスイッチング機構に備えられた２系統の接点の状態を独立したＣＰＵにより監視して、状態が一定時間異なるとアラームを出力する。
アラームが出力される原因としては、電磁ロック装置の故障の他、遮蔽カバーの開口部における切り屑の堆積等により、ドアが不完全に閉じられる場合が考えられる。
アラームが出力される原因としては、電磁ロック装置の故障の他、遮蔽カバーの開口部における切り屑の堆積等により、ドアが不完全に閉じられる場合が考えられる。
電磁ロック装置が故障している場合には、電磁ロック装置の保守または交換を行う必要があるが、切り屑の堆積の場合には、切り屑の除去によりアラームを解消できる。したがって、アラームが出力された場合に、一律に電磁ロック装置の保守または交換が行われてしまうことを防止することが好ましい。
本開示の一態様は、加工室を取り囲む遮蔽カバーの開口部を開閉するドアと、該ドアの開閉状態を検出する２系統のスイッチを備えるとともに、前記ドアを閉状態にロック可能な電磁ロック装置と、前記ドアの位置を検出するドア位置検出部と、前記電磁ロック装置の２系統の前記スイッチの状態を監視して、状態が所定時間にわたって異なり、かつ、前記ドア位置検出部により前記ドアが閉位置ではないことが検出された場合に、前記ドアの保守を促す報知部とを備える工作機械である。
本開示の一実施形態に係る工作機械１について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る工作機械１は、図１に示されるように、制御装置（ドア位置検出部、報知部）２と、加工室を取り囲む遮蔽カバー３と、遮蔽カバー３の開口部４を開閉するドア５と、ドア５を閉状態にロック可能な電磁ロック装置６とを備えている。
本実施形態に係る工作機械１は、図１に示されるように、制御装置（ドア位置検出部、報知部）２と、加工室を取り囲む遮蔽カバー３と、遮蔽カバー３の開口部４を開閉するドア５と、ドア５を閉状態にロック可能な電磁ロック装置６とを備えている。
ドア５は、図１に示されるように、遮蔽カバー３の開口部４を閉じた閉位置と、図２に示されるように、開口部４を開放した開位置との間で移動する。
電磁ロック装置６は、遮蔽カバー３の開口部４近傍に固定された装置本体７と、ドア５に固定されたキー８とを備えている。
電磁ロック装置６は、遮蔽カバー３の開口部４近傍に固定された装置本体７と、ドア５に固定されたキー８とを備えている。
電磁ロック装置６によれば、ドア５が閉じられると、キー８が装置本体７に挿入されて、装置本体７に内蔵されたスイッチング機構９により、ドア５の閉状態が検出される。また、ドア５が閉じられるとロック方向に付勢された図示しないロック機構が働いて自動的にロックがかかる。電磁ロック装置６は、ロックがかかった状態で、ロック信号を出力する。ドア５の開放を許容するには、図示しない電磁ソレノイドに通電してロック機構を解除することが行われる。
スイッチング機構９には、２系統のスイッチ１０，１１が備えられている。これらのスイッチ１０，１１は、図３および図４に示されるように、ドア５が閉位置に配置されたときにＯＮ状態となり、ドア５が閉位置から離れるとＯＦＦ状態となる。これらのスイッチ１０，１１は同時にＯＮ状態かＯＦＦ状態に切り替わるよう設定されているが、厳密にはＯＮＯＦＦの切替には時間差がある。このため、図３の状態と図４の状態との間には図５に示される状態が存在する。
制御装置２は、図６に示されるように、電磁ロック装置６のスイッチング機構９に接続されたドア閉端信号監視部１２を備える。ドア閉端信号監視部１２は、タイマー（図示略）と、スイッチング機構９における２系統のスイッチ１０，１１の状態を別々に監視する２つのＣＰＵ（図示略）とを備え、２系統のスイッチ１０，１１の状態が所定時間にわたって相違している場合にはアラームを出力する。
また、制御装置２は、アラームが出力された場合に、電磁ロック装置６から出力されているロック信号の有無を確認する判定部（ドア位置検出部）１３を備えている。ロック信号が出力されている場合には、ドア５は正常な閉位置に配置されているので、判定部１３は、アラームの原因は電磁ロック装置６にあると判定する。
制御装置２は、アラームの原因が電磁ロック装置６にあると判定部１３が判定したときには、「電磁ロック装置を交換してください。」等の電磁ロック装置６の保守を促す第１メッセージを表示する表示部（報知部）１４を備えている。
一方、ロック信号が出力されていない場合には、ドア５は正常な閉位置に配置されていない可能性が高い。
一方、ロック信号が出力されていない場合には、ドア５は正常な閉位置に配置されていない可能性が高い。
この場合には、判定部１３は、「ドア５が閉じている場合には、ドア５周りを確認し、切り屑の清掃を行ってください。ドア５が開いている場合には、電磁ロック装置６を交換または保守してください。」等の第２メッセージを表示部１４に表示する。
このように構成された本実施形態に係る工作機械１の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る工作機械１によれば、図７に示されるように、まず、ドア閉端信号監視部１２のタイマーＴがリセットされ（ステップＳ１）、カウンタＮがＮ＝１にリセットされる（ステップＳ２）。
本実施形態に係る工作機械１によれば、図７に示されるように、まず、ドア閉端信号監視部１２のタイマーＴがリセットされ（ステップＳ１）、カウンタＮがＮ＝１にリセットされる（ステップＳ２）。
次いで、電磁ロック装置６に備えられているスイッチング機構９の２系統のスイッチ１０，１１の状態が相違しているか否かが常時監視される（ステップＳ３）。
この場合において、制御装置２においては、手動により、あるいは、制御装置２からの指令によりドア５が閉じられた状態のみならず、ドア５が開いている状態においても２系統のスイッチ１０，１１の監視が行われる。
この場合において、制御装置２においては、手動により、あるいは、制御装置２からの指令によりドア５が閉じられた状態のみならず、ドア５が開いている状態においても２系統のスイッチ１０，１１の監視が行われる。
ドア５が完全に閉じられたとき、２系統のスイッチ１０，１１は、図４に示されるように、両方ともＯＮ状態となり、ドア５が開かれた状態では、２系統のスイッチ１０，１１は、図３に示されるように両方ともＯＦＦ状態となる。
その一方で、ドア５が完全に閉じられるまでの遷移状態では、２系統のスイッチ１０，１１の開閉の時間差により、図５に示されるように、一方のスイッチ１０がＯＮ状態、他方のスイッチ１１がＯＦＦ状態となる場合がある。
その一方で、ドア５が完全に閉じられるまでの遷移状態では、２系統のスイッチ１０，１１の開閉の時間差により、図５に示されるように、一方のスイッチ１０がＯＮ状態、他方のスイッチ１１がＯＦＦ状態となる場合がある。
スイッチ１０，１１の状態が同じ場合には、ステップＳ２の工程に移行する。そして、スイッチ１０，１１の状態が相違している場合には、カウンタＮ＝１の場合（ステップＳ４）にのみ、タイマーＴの計時が開始され（ステップＳ５）、カウンタＮがインクリメントされる（ステップＳ６）。ステップＳ４の工程において、スイッチ１０，１１の状態が相違していない場合には、ステップＳ６の工程に移行する。
そして、タイマーＴが所定の閾値Ｔｓ以上であるか否かが判定される（ステップＳ７）。タイマーＴが閾値Ｔｓよりも小さい場合には、ステップＳ３からの工程が繰り返され、タイマーＴが閾値Ｔｓ以上である場合には、アラームが出力される（ステップＳ８）。
そして、タイマーＴが所定の閾値Ｔｓ以上であるか否かが判定される（ステップＳ７）。タイマーＴが閾値Ｔｓよりも小さい場合には、ステップＳ３からの工程が繰り返され、タイマーＴが閾値Ｔｓ以上である場合には、アラームが出力される（ステップＳ８）。
判定部１３はアラームが入力されてきたときには、電磁ロック装置６からロック信号が出力されているか否かを判定する（ステップＳ９）。
ドア５が遷移状態にある場合には、電磁ロック装置６はキー８をロックすることができず、ロック信号を出力しない。
ドア５が遷移状態にある場合には、電磁ロック装置６はキー８をロックすることができず、ロック信号を出力しない。
そして、ロック信号が出力されている場合には、判定部１３は第１メッセージを表示部１４に表示する（ステップＳ１０）。ステップＳ９において、ロック信号が出力されていない場合には、判定部１３は第２メッセージを表示部１４に表示する（ステップＳ１１）。
このように、本実施形態に係る工作機械１によれば、電磁ロック装置６に備えられた２系統のスイッチ１０，１１の状態を常時監視することにより、デュアルチェックセーフティ機能が働く。これにより、電磁ロック装置６に何らかの異常があっても、工作機械１の動作中にドア５のロックが解除される等の不都合の発生を防止することができる。
そして、２系統のスイッチ１０，１１の状態が所定時間にわたって相違する場合には、アラームが出力される。さらに、本実施形態に係る工作機械１によれば、アラームが出力されるときには、電磁ロック装置６のロック信号の有無が判定され、ロック信号の有無に応じて異なるメッセージが表示される。
すなわち、電磁ロック装置６からロック信号が出力されている場合には、電磁ロック装置６は正しいロック状態にあり、ドア５が完全に閉位置に配置されていると判断できる。それにも関わらず、アラームが出力されているので、電磁ロック装置６自体に、断線あるいはスイッチ１０，１１の接点不良等の異常があると判断することができる。
したがって、この場合には、電磁ロック装置６の保守を促すメッセージを表示することにより、ユーザは、迷わずに電磁ロック装置６を保守あるいは交換することができ、復旧に要する時間を短縮することができる。
一方、電磁ロック装置６からロック信号が出力されていない場合には、電磁ロック装置６は正しいロック状態にはなく、ドア５は開いているか、不完全な閉位置（遷移状態）に配置されると判断できる。ドア５が開いている場合には、２系統のスイッチ１０，１１は両方ともＯＦＦ状態にあるのが正常であり、アラームが出力されている場合には電磁ロック装置６自体の異常と判断できる。ドア５が閉じている場合には、切り屑の堆積等により、ドア５が不完全な閉位置にある可能性が高い。
したがって、制御装置２が両方のメッセージを表示することにより、ユーザがドア５の状態を目視で確認し、明らかに開いている場合および不完全に閉じている場合のいずれかに適した処置を行うことができる。
これにより、切り屑の堆積によりドア５が不完全な閉位置にある場合にも一律に電磁ロック装置６を交換する等の処置が行われてしまう不都合を未然に防止することができるという利点がある。
これにより、切り屑の堆積によりドア５が不完全な閉位置にある場合にも一律に電磁ロック装置６を交換する等の処置が行われてしまう不都合を未然に防止することができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、ドア５が正しく閉位置に配置されているか否かを電磁ロック装置６のロック信号の有無によって判定したが、これに限定されるものではなく、他の信号によって判定してもよい。例えば、ドア５がエアシリンダまたはサーボモータ等のアクチュエータによって駆動される場合には、アクチュエータの動作位置を検出する位置センサの出力によって、ドア５が正しく閉位置に配置されているか否かを判定してもよい。
アクチュエータがエアシリンダの場合には、ロッドの位置を検出するホールセンサ等の位置センサによりドア５の位置を検出してもよい。また、アクチュエータがサーボモータの場合には、エンコーダによりドア５の位置を検出してもよい。
また、工作機械１が、ドア５の端部あるいはドア５に固定されている取っ手等の位置を撮影する撮像装置を備え、制御装置２が、撮像装置により取得された画像を処理してドア５の位置を検出する画像処理装置を備えていてもよい。撮像装置は工作機械１に対して固定されていてもよいし、工作機械１に出し入れするワークを取り扱うためのロボットに装着されていてもよい。
また、本実施形態においては、工作機械１に備えられる制御装置２が、電磁ロック装置６の異常あるいはドア５の位置の異常を判定し、メッセージを表示することとした。これに代えて、複数の工作機械１と、複数の工作機械１が接続されている上位の制御装置２とを備える工作機械システムによって、異常の判定およびメッセージの表示を行ってもよい。
また、作業者へのメッセージの表示によりドア５の保守等を促すことを例示したが、これに代えて、音声その他の手段によって報知してもよい。
また、作業者へのメッセージの表示によりドア５の保守等を促すことを例示したが、これに代えて、音声その他の手段によって報知してもよい。
１ 工作機械
２ 制御装置
３ 遮蔽カバー
４ 開口部
５ ドア
６ 電磁ロック装置
１０，１１ スイッチ
１３ 判定部（ドア位置検出部）
１４ 表示部（報知部）
２ 制御装置
３ 遮蔽カバー
４ 開口部
５ ドア
６ 電磁ロック装置
１０，１１ スイッチ
１３ 判定部（ドア位置検出部）
１４ 表示部（報知部）
Claims (7)
- 加工室を取り囲む遮蔽カバーの開口部を開閉するドアと、
該ドアの開閉状態を検出する２系統のスイッチを備えるとともに、前記ドアを閉状態にロック可能な電磁ロック装置と、
前記ドアの位置を検出するドア位置検出部と、
前記電磁ロック装置の２系統の前記スイッチの状態を監視して、状態が所定時間にわたって異なり、かつ、前記ドア位置検出部により前記ドアが閉位置ではないことが検出された場合に、前記ドアの保守を促す報知部とを備える工作機械。 - 前記ドア位置検出部が、前記電磁ロック装置により前記ドアがロックされたときに該電磁ロック装置から発せられるロック信号に基づいて、前記ドアの位置が開位置であるか閉位置であるかを検出する請求項１に記載の工作機械。
- 前記ドアを駆動するアクチュエータと、該アクチュエータの動作位置を検出する位置センサとを備え、
前記ドア位置検出部が、前記位置センサにより検出された前記アクチュエータの動作位置に基づいて、前記ドアの位置が開位置であるか閉位置であるかを検出する請求項１に記載の工作機械。 - 前記アクチュエータがエアシリンダである請求項３に記載の工作機械。
- 前記アクチュエータがサーボモータである請求項３に記載の工作機械。
- 前記ドアを撮影する撮像装置を備え、
前記ドア位置検出部が、前記撮像装置により取得された画像を処理して前記ドアの位置を検出する画像処理装置を備える請求項１に記載の工作機械。 - 工作機械と、制御装置とを備え、
前記工作機械が、加工室を取り囲む遮蔽カバーの開口部を開閉するドアと、該ドアの開閉状態を検出する２系統のスイッチを備えるとともに、前記ドアを閉状態にロック可能な電磁ロック装置と、前記ドアの位置を検出するドア位置検出部とを備え、
前記制御装置が、前記電磁ロック装置の２系統の前記スイッチの状態を監視して、状態が所定時間にわたって異なり、かつ、前記ドア位置検出部により前記ドアが閉位置ではないことが検出された場合に、前記ドアの保守を促す工作機械システム。
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