JP6992835B2 - 基板処理装置、液処理方法、及び記憶媒体 - Google Patents

基板処理装置、液処理方法、及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、基板の周縁部の膜を除去する技術に関する。
例えば半導体装置の製造工程においては、他の機器との接触などによる膜剥がれやパーティクルの発生を抑制するため、基板の周縁部に形成された膜を除去する処理が行われる場合がある。
基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の周縁部の膜を除去する基板処理装置の一例として、ウエハを水平に保持し、鉛直軸周りに回転させながらその周縁部に処理液を供給して当該部に形成されたレジスト膜や金属膜、金属膜表面の酸化膜や無機膜などを除去するものが知られている。
例えば特許文献1には、基板の周縁部と対向する位置に配置された周縁処理ノズルから化学薬品や有機溶剤などの薬液を供給して当該部に形成されたメタル層やフォトレジスト層などの薄膜を、任意に設定した除去幅で除去する技術が記載されている。
しかしながら、基板の表面に形成される膜には様々な種別があり、膜の種別に応じて採用される処理液も異なる。また、同じ膜種であっても、膜の硬度や膜厚などのように、処理液による除去のしやすさに係る物理的性質が相違する場合もある。これらの場合において、基板周縁の同じ位置に処理液を供給しても設定通りの除去幅が得られないことがある。
特許文献1には、このような問題に対する着眼はなく、当該問題を解決する手法も開示されていない。
特開2007-36180号公報:段落0001、0026、0029~0030、図3
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、膜の特性の違いに伴う除去幅の変動を低減することが可能な基板処理装置、液処理方法、及びこの方法を記憶した記憶媒体を提供することにある。
本発明の基板処理装置は、基板に処理液を供給して基板上の膜を除去する基板処理装置であって、
基板を保持すると共に、基板を回転させる回転機構を備えた基板保持部と、
前記基板保持部に保持された基板に、前記処理液を吐出する吐出部と、
入力されたレシピに対応付けて処理液の吐出位置を設定する吐出位置設定部と、
前記吐出位置設定部により設定された吐出位置に基づき、基板の径方向に向けて前記吐出部からの処理液の吐出位置を移動させる移動機構と、
除去されるべき膜の特性情報を取得する特性情報取得部と、
前記特性情報取得部により取得された膜の特性情報に応じて、前記吐出位置設定部により設定された吐出位置を補正する補正量を取得する補正量取得部と、
前記吐出位置設定部により設定された吐出位置を、前記補正量取得部により取得された補正量に基づき補正する吐出位置補正部と、を備え、
前記特性情報取得部は、外部のサーバーとのネットワーク通信により前記特性情報を取得するネットワーク通信部であることと、
前記膜の特性情報は、膜の種別情報、または膜の物理的特性情報であることと、を特徴とする




本発明は、膜の特性の違いに伴う除去幅の変動を低減することができる。
本発明の実施の形態に係る処理ユニットを備えた基板処理システムの概要を示す平面図である。 前記処理ユニットの縦断側面図である。 前記処理ユニットの横断平面図である。 前記処理ユニットのブロック図である。 膜の特性情報に基づき、膜の種別を特定する手法に係る説明図である。 前記処理ユニットにて膜の特性情報を利用する動作の流れを示すフロー図である。 膜の特性情報に基づき、膜の硬度を特定する手法に係る説明図である。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウエハ(以下ウエハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウエハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウエハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウエハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウエハWを取り出し、取り出したウエハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウエハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウエハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウエハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
次に、基板処理システム1内に設けられている処理ユニット16の構成について図2~図4を参照しながら説明する。処理ユニット16は、本実施の形態の基板処理装置に相当し、ウエハWの周縁部に処理液を供給して、当該周縁部に形成された膜を除去する液処理を実行する。除去対象の膜としては、レジスト膜や金属膜、金属膜表面の酸化膜や無機膜を例示することができる。
図2に示すように処理ユニット16は、ウエハWを水平に保持して鉛直軸周りに回転させるためのウエハ保持機構30と、回転するウエハWに供給され、周囲に振り飛ばされた処理液を受け止めて、外部に排出するためのカップ部50と、ウエハWの上方を覆うためのトッププレート32と、ウエハWの周縁部の各々上面側及び下面側から処理液を供給するための第1、第2ノズル部411、421とを備えている。
ウエハ保持機構30は、プーリーとベルトとなどからなる動力伝達部301を介してモーター302に接続されると共に、軸受304に保持され、鉛直方向に伸びる回転中心周りに回転自在に構成された回転軸303の上端部に、円板状の保持部(基板保持部)31を設けた構成となっている。回転軸303、軸受304、動力伝達部301、及びモーター302は、保持部31に保持されたウエハWを回転させる回転機構に相当する。
保持部31及び回転軸303には、一端側が保持部31の上面に開口する一方、他端側が不図示の真空ポンプ並びに窒素ガス供給部に切り替え自在に接続されたガス流路305が設けられている。保持部31は、ウエハWの処理を行う際に、真空ポンプによりガス流路305内を真空排気することにより、保持部31の上面にてウエハを吸着保持する真空チャックとして構成されている。
トッププレート32は、ウエハ保持機構30に保持されたウエハWの周縁部側の上面を覆う円板状の部材であり、その中央部には開口部321が形成されている。
図2、図3に示すようにトッププレート32は、円板の外周部の一部が切り欠かれ、この切り欠き内には、ウエハWの周縁部に上面側から処理液を供給するための第1ノズル部411が配置されている。第1ノズル部411は、ウエハWの周縁部の膜を除去するための処理液や、リンス洗浄用のリンス液であるDIW(Deionized Water)などを切り替えて、下方側へ向けて吐出することができる。
第1ノズル部411から供給される処理液として、レジスト膜の除去には溶剤や現像液、金属膜や酸化膜、無機膜の除去には希フッ酸などの酸性の薬液やアンモニアなどのアルカリ性の薬液を例示することができる。
膜の除去を行う処理液を吐出するという観点において、第1ノズル部411は本例の吐出部に相当する。当該第1ノズル部411の上流側には、処理液の供給源や処理液の流量調節機構から構成される不図示の処理液供給部が設けられている。
第1ノズル部411には、トッププレート32の直径方向、即ち、ウエハWの直径方向に向けて第1ノズル部411を移動させるためのロッドやシリンダモーターを含む移動機構412が設けられている。移動機構412は、制御部18からの指示に基づき第1ノズル部411を移動させる。
図2に示すようにカップ部50は、ウエハ保持機構30に保持されたウエハWの周囲を囲むように配置される円環状の部材であり、その内周面に沿って、ウエハWから振り切られた処理液を受け止める溝部51が形成されている。この溝部51には、不図示の排液管及び排気管が接続され、カップ部50に受け止められた処理液や開口部321を介して流れ込んできたガスを外部に排出する。
カップ部50の溝部51よりも内側の領域には、ウエハWの周縁部に下面側から処理液を供給するための第2ノズル部421を配置するための切り欠きが形成されている。ウエハWの下面側まで回り込んで形成された膜を除去するための処理液やリンス液などを切り替えて供給可能な点、移動機構422を用いて第2ノズル部421の配置位置をウエハWの直径方向に移動させることにより、処理液の吐出位置を調節することが可能な点において、第2ノズル部421は、既述の第1ノズル部411と共通の機能を備えている。
以上に説明したトッププレート32(第1ノズル部411、移動機構412を含む。トッププレート32の昇降動作の説明において以下同じ)及びカップ部50(第2ノズル部421、移動機構422を含む。カップ部50の昇降動作の説明において以下同じ)は、不図示の昇降機構を備えており、ウエハ保持機構30へウエハWを載置する際には、トッププレート32を上方側へ、カップ部50を下方側へ退避させる。そして、周縁部の処理を実行する際にはこれらの部材220、210が上下に重なり合うように退避位置から処理位置まで移動し、ウエハWの処理を行う処理空間を形成する。なお、図2は、トッププレート32、及びカップ部50を処理位置に移動させた状態を示している。
さらに処理ユニット16は、保持部31の回転中心と、ウエハWの中心とを一致させるセンタリングを行うための位置決め機構を備えている。位置決め機構は、ウエハWの側周面に当接する第1位置決め部材611が設けられた第1位置決め機構部61と、ウエハWの側周面に当接する第2位置決め部材621が設けられた第2位置決め機構部62と、を備えている。
また図2に示すように、第1位置決め部材611は、レール613上を移動自在に構成された支持部612を介して第1駆動部614に接続されている。同様に、第2位置決め部材621は、レール623上を移動自在に構成された支持部622を介して第2駆動部624に接続されている。
これらの構成により、第1位置決め部材611、第2位置決め部材621をウエハWの側周面に当接させて、ウエハWを挟むことにより、前記回転中心に対してウエハWの中心を一致させることができる。
以上に説明したトッププレート32、カップ部50、第1、第2ノズル部411、421やその移動機構412、422、及び位置決め機構(第1位置決め機構部61、第2位置決め機構部62)は、共通のチャンバー20内に配置されている(図3)。チャンバー20には、シャッター部202により開閉自在な搬入出口201が設けられ、搬送部15内の基板搬送装置17は、この搬入出口201を介してチャンバー20内に進入し、保持部31との間でのウエハWの受け渡しを行う。
さらに図1を用いて説明した基板処理システムの制御装置4は、図4に模式的に示すように各処理ユニット16の制御装置4としての機能も兼ね備える。制御装置4には、タッチパネルなどにより構成される入力部181が接続され、この入力部181を介してオペレーターから、処理対象のウエハWの処理に係る情報の設定を受け付ける。
なお、入力部181はオペレーターからの処理パラメータの入力を直接、受け付けるタッチパネルによって構成する場合に限定されない。例えば、基板処理システム1が設けられた半導体工場内のコンピューターネットワークを介し、基板処理システム1の外部のサーバーから処理パラメータの情報を取得するネットワーク通信部を入力部181としてもよい。
本例の処理ユニット16おいて、入力部181からは、ウエハWに対する処理(本例ではウエハWの周縁部の膜を除去する処理)の作業手順が処理パラメータと共に記載されたレシピに係る情報が設定される。
レシピの処理パラメータには、第1ノズル部411から供給される処理液によって除去される膜の除去幅の設定値が含まれている。例えば除去幅としては、ウエハWの外周端位置から径方向へ向けて「1mm」といった除去幅の寸法が設定される。当該除去幅の設定値を含むレシピ191は、制御装置4の記憶部19に登録される(図4)。
制御部18は、記憶部19からレシピ191を読み出し、レシピ191に記載されている作業手順に沿って、ウエハ保持機構30によるウエハWの回転や第1、第2ノズル部411、412から供給する液の切り替えなどを実行する。このとき、入力部181に記載されている処理パラメータに基づき、ウエハWの回転数制御やウエハWに供給される液体の流量制御などが行われる。
またウエハWの周縁部の膜の除去に関し、制御部18は、レシピ191に記載されている除去幅の設定値に基づき、膜の除去幅が前記設定値(例えば「1mm」)となる位置に第1ノズル部411を移動させるように、移動機構412に対して第1ノズル部411の移動先に係る情報を出力する。例えば図2の第1ノズル部411に示すように、第1ノズル部411の下面に形成された処理液の吐出口から、鉛直下方へ向けて処理液が吐出される場合には、当該処理液がウエハWに到達する着液点の内端の位置が、膜が除去される領域の内端と一致するように、第1ノズル部411の移動先が設定される。レシピ191から読み出した膜の除去幅と、第1ノズル部411が処理液の吐出を行う吐出位置との対応関係は、予備実験などによって予め把握され、例えば記憶部19や、制御部18内のレジスタなどに予め登録されている。
上述の観点において制御部18は、本例の処理ユニット16における吐出位置設定部としての役割を果たしている。
上述の処理ユニット16は、さらに処理液によって除去される膜の特性情報を取得するための分析用センサーであるセンサー部7を備えている。本例のセンサー部7は、除去対象の膜の膜種を特定するための分光エリプソメーターとして構成されている。分光エリプソメトリー(偏光解析)は、偏光させた光を分析対象に照射し、当該分析対象にて反射した反射光における偏光状態の変化に基づいて分析対象の特性を検出する公知の手法である。
半導体装置の製造工程において、分光エリプソメトリーは、例えばウエハWの表面に形成される膜の膜厚測定への適用が検討されている。これに対して本例の処理ユニット16においては、センサー部7から得られた膜の特性情報を、処理液により除去される膜の種別(レジスト膜の場合は個別のフォトレジスト樹脂、酸化膜や無機膜の場合は、SiOやAlNなど、金属膜の場合はアルミニウム、銅など、各種の膜の構成物質)を識別するための種別情報として活用する点に特徴を有している。
以下、図3~図5を参照しながらセンサー部7の構成、及び、センサー部7を用いて取得した特性情報に基づき、除去対象の膜種を特定する手法について説明する。
図3、図4に示すように、センサー部7は膜種の分析用の光をウエハWに入射させる投光部71と、ウエハWにて反射した光を受光する受光部72とを備える。投光部71は、複数の波長成分を含む例えば白色光を出力する光源部711と、光源部711から出力された光を偏光する偏光子712とを備える。
また受光部72は、受光した反射光を所要周波数(例えば50kHz)で位相変調して直線偏光から楕円偏光までを得るPEM(Photoelastic Modulator)721と、PEM721にて位相変調された光を検出する検出子722とを備える。
図3に示すように、本例の投光部71及び受光部72は、ウエハWの処理が行われるチャンバー20内に配置されている。詳細には、投光部71は、トッププレート32を上昇させた状態にて、保持部31に保持されたウエハWの膜の除去が行われる領域である周縁部へ向けて分析用の光を入射させる位置に配置されている。また受光部72は、ウエハWの前記周縁部にて反射した分析用の光を受光する位置に配置されている。
例えばウエハWの面内には、異なる膜が露出した領域が混在している場合がある。そこで、実際に膜の除去が行われる領域であるウエハWの周縁部に分析用の光を照射することにより、処理対象となる膜の膜種を正しく特定することができる。
なお、図3や図4には、投光部71から出力され、ウエハWの上面にて反射され受光部72によって受光される分析用の光の光路を長い破線の矢印にて模式的に示してある。但し、これらの図における投光部71、受光部72の配置位置や光の出力方向、受光方向などは、実際の処理ユニット16における配置を厳密に示したものではない。
センサー部7の構成の説明に戻ると、図4に示すように検出子722の出力は、光ファイバーを介してセンサー本体73内の分光器731に入力される。分光器731は、波長ごとに偏光度の測定を行い、測定結果をディジタル信号に変換して解析部732に出力する。解析部732は、分光器731から取得したディジタル信号に基づき反射光の偏光状態(p偏光、s偏光)を示す振幅比Ψ及び位相差Δを波長毎に算出する。そして、これら振幅比Ψ及び位相差Δからは、分析対象である膜を構成する物質に固有の光学定数(屈折率(n値)、消衰係数(k値))を算出することが可能である(例えば特開2002-131136参照)。解析部732は、振幅比Ψ及び位相差Δから、これらn値、k値を算出する機能も備えている。
本例においてn値、k値は、分析対象であるウエハWの周縁部から除去されるべき膜の特性情報に相当する。従ってセンサー部7は、前記除去されるべき膜の分析により、特性情報の取得を行う特性情報取得部に相当している。
図4に示すように、解析部732にて算出されたn値、k値は、制御部18に出力される。制御部18は、センサー部7から取得したn値、k値をレジスタなどに登録し、記憶部19に予め登録されている膜情報テーブル192に記載のn値範囲、k値範囲との照合を行う。
ここで既述のセンサー部7にて取得されるn値、k値は、分析対象の膜を構成する物質に固有の値である一方、当該膜の膜厚や表面粗さなどに応じて、ある程度の変動範囲を持っている。このとき、図5に概略のイメージを示すように、これらn値、k値の変動範囲(n値範囲、k値範囲)が、膜種間で重なり合わない場合には、分析対象の膜種を識別するための種別情報として活用することができる。なお、図5は、次際に存在する膜のn値範囲、k値範囲の例を示したものではない。
既述の膜情報テーブル192には、各膜種について、例えば予備実験により多数枚のウエハWに形成された膜のn値、k値を取得した結果に基づいて定めたn値範囲、k値範囲の組が登録されている(後掲の表1参照)。
さらに、膜情報テーブル192には、n値範囲、k値範囲の組(膜種の種別情報)と対応付けて、レシピ191から膜の除去幅の設定値を読み出した結果に基づいて設定される第1ノズル部411からの処理液の吐出位置を補正するための補正量が登録されている。
既述のように、ウエハWに形成された膜においては、膜種に応じて処理液に対する濡れ性や除去に要する時間などが異なる場合がある。このような場合に、レシピ191から読み出した除去幅の設定値に基づいて第1ノズル部411からの処理液の吐出位置を一律に設定してしまうと、当該吐出位置から処理液を供給して除去された膜の除去幅が、レシピ191の設定値からずれてしまうおそれがある。
そこで、膜情報テーブル192には、実際の除去幅をレシピ191における除去幅の設定値に近づけるために、当該除去幅の設定値に応じて設定される第1ノズル部411からの処理液の吐出位置を補正するための補正量が登録されている。
例えば図5を用いて説明した膜種A~Cについて、上述のn値範囲、k値範囲、吐出位置の補正量をまとめた膜情報テーブル192の構成例を表1に示す。
Figure 0006992835000001
表1において、膜種Aは、レシピ191から読み出した膜の除去幅の設定値に対して、第1ノズル部411からの吐出液の吐出位置を決定する際の基準となった基準膜種であるとする。このとき、実際の除去幅は、許容差(例えば設定値±10μm)の範囲内であり、吐出位置の補正は行われない(補正量「0.0mm」)。
次に膜種Bにおいて、レシピ191にて除去幅の設定値が「1mm」と設定されているとき、当該設定値に対応する吐出位置まで第1ノズル部411を移動させて処理を行った結果、実際の除去幅が「0.9mm」となり、同じく設定値が「1.1mm」と設定されているときの実際の除去幅が「1.0mm」となったとする。この場合、膜種Bの補正量は「+0.1mm」と設定される(表1)。
上述の例とは反対に膜種Cにおいて、レシピ191にて除去幅の設定値が「1mm」と設定されているとき、実際の除去幅が「1.2mm」となり、同じく設定値が「0.8mm」と設定されているときの実際の除去幅が「1.0mm」とする。この場合、膜種Cの補正量は「-0.2mm」と設定される(表1)。
なお、上述の膜種B、Cの例は、吐出位置の移動距離と除去幅との間に正比例の関係がある場合(処理液の吐出位置を「+0.1mm」移動させると、除去幅も「+0.1mm」変化する)における補正量の設定例を示している。この点、当該補正量は、吐出位置の移動距離と除去幅との実際の応答関係に応じて適宜、調整してよい。
また、説明の便宜上、表1には、膜種の表示(膜種A、B、C)と対応付けて、n値範囲、k値範囲は第1ノズル部411からの処理液の吐出位置の補正量を記載しているが、膜情報テーブル192に膜種を示す情報を設定することは必須ではない。図5に例示するように、膜種間でn値範囲、k値範囲に重複がない場合には、これらn値範囲、k値範囲自体が膜種を示す情報に相当している。
制御部18は、センサー部7から処理対象の膜のn値、k値を取得すると、これらn値、k値が膜情報テーブル192に設定されているいずれかのn値範囲、k値範の組に含まれる値であるか否かを照合する。そして、該当するn値範囲、k値範の組が存在する場合には、当該組と対応付けられている補正量を読み出す。この観点において、制御部18は補正量取得部としての役割を果たす。
さらに制御部18は、移動機構412による第1ノズル部411の実際の移動に先立ち、レシピ191における除去幅の設定値に基づき設定した第1ノズル部411からの処理液の吐出位置の補正を行う。ここでは、膜情報テーブル192から読み出した補正量に相当する距離分だけ第1ノズル部411を移動させるように吐出位置を変更する補正を行う。ここで制御部18は、吐出位置補正部としての役割を果たす。そして、制御部18は、補正された吐出位置に基づき、移動機構412に対して第1ノズル部411の移動先に係る情報を出力する。この結果、ウエハWに対しては、レシピ191に基づいて設定された吐出位置を、センサー部7による膜種の特定結果に基づいて決定した補正量にて補正した位置(以下、「吐出実行位置」という)から、処理液の吐出が行われることとなる。
以下、図6を参照しながら上述の構成を備える処理ユニット16の動作について説明する。
初めに、基板搬送装置17によって、処理が実行される処理ユニット16のチャンバー20内にウエハWが搬入される(図6のスタート、ステップS101)。このとき処理ユニット16は、トッププレート32及びカップ部50を上下に退避させた状態で待機している。チャンバー20内に進入した基板搬送装置17は、保持部31にウエハWを受け渡した後、チャンバー20内から退避する。
保持部31にウエハWが受け渡されたら、位置決め機構(第1位置決め機構部61、第2位置決め部材621)を作動させ、第1、第2位置決め部材611、621によってウエハWを挟みセンタリングを実施する(ステップS101)。このとき、ウエハWに当接させた第1、第2位置決め部材611、621間の距離に基づいて、ウエハWの直径を測定することにより、製造時の公差を考慮した正確なウエハWの端部位置を特定してもよい。
一方、制御部18においては、基板処理システム1によるキャリアC内のウエハWの処理開始前に、当該キャリアC内のウエハWに対して設定されているレシピ191から、膜の除去幅の設定値を読み込む(ステップS102)。そして、第1ノズル部411の移動機構412に対して出力すべき、当該除去幅の設定値に対応する処理液の暫定的な吐出位置を制御部18の内部のレジスタに登録する(ステップS103、吐出位置設定工程)。
さらに、センタリングが完了したら、トッププレート32が上方へ退避している状態にて、保持部31に保持されたウエハWに対し、センサー部7を用いて周縁部に形成されている膜の分光エリプソメトリーを実行し、n値、k値を取得する(ステップS104、特性情報取得工程)。このとき、例えばウエハWを所定角度ずつ回転させながら、ウエハWの周縁部の複数箇所の分光エリプソメトリーを行い、複数組のn値、k値を取得してもよい。
膜の分析が完了したら、第1、第2の位置決め機構部61、62を退避させた後、トッププレート32及びカップ部50を処理位置まで下降、上昇させ、処理空間を形成する。このとき、第1、第2のノズル部240、250は、ウエハWの外方位置に退避している。
一方、分光エリプソメトリーにより取得したn値、k値については、膜情報テーブル192に登録されているn値範囲、k値範囲との照合を行う(ステップS105)。複数組のn値、k値を取得した場合には、これらの組のn値、k値の平均値について照合を行ってもよいし、各組のn値、k値について照合を行ってもよい。
照合の結果、処理対象のウエハWに形成されている膜に対応する膜種が膜情報テーブル192に登録されている場合には(ステップS106;YES、)、膜情報テーブル192から対応する膜種の補正量を読み込み(補正量取得工程)、当該補正量を制御部18のレジスタに登録してある暫定的な吐出位置に反映させ吐出位置の補正(吐出位置補正工程)を行う(ステップS107)。この結果、ウエハWに対して処理液の吐出を実行する吐出実行位置が設定される。
ここで既述のように、複数組取得したn値、k値の各組について照合を行う場合には、全てのn値、k値が登録されたn値範囲、k値範囲内の値に相当する場合にのみ、ウエハWに形成されている膜が膜情報テーブル192に登録された膜種に該当すると判断してもよい。また、上記判断にしきい値を設け、登録されたn値範囲、k値範囲内の値に相当する組がしきい値数以上あれば、登録された膜種に該当すると判断してもよい。
処理ユニット16の動作説明に戻ると、トッププレート32及びカップ部50により処理空間が形成され、吐出実行位置が決定されると、処理ユニット16は、保持部31に保持されたウエハWを回転させる。ウエハWの回転数が予め設定された値となったら、処理液の吐出を行いながら、第1、第2ノズル部411、421をウエハWへ向けて移動させる。このとき、第1ノズル部411はウエハWに形成されている膜の膜種に対応して設定された吐出実行位置まで移動する(ステップS108、吐出部移動工程、除去工程)。一方、第2ノズル部421は膜情報テーブル192に基づいて設定された吐出位置まで移動してもよいし、移動機構422に対して固定された吐出位置を予め設定しておき、この吐出位置まで移動してもよい。
こうして第1、第2ノズル部411、421が所定の位置に到達したら、予め設定した時間、ウエハWの上下面側からウエハWの周縁部に処理液を供給して、当該部の膜の除去を行う(除去工程)。
しかる後、第1、第2ノズル部411、421から供給される液体をリンス液に切り替えて周縁部のリンス洗浄を実行する。所定時間リンス処理を行ったら、DIWの供給を停止し、ウエハWの回転を継続し、DIWの振り切り乾燥を実行する。
振り切り乾燥を終えたら、ウエハWの回転を停止し、トッププレート32及びカップ部50を上下方向に退避させてから、保持部31による保持を解除する。そして、基板搬送装置17を処理ユニット16のチャンバー20内に進入させてウエハWを受け渡し、処理ユニット16からウエハWを搬出する(ステップS110、エンド)。
次に、ウエハWに形成されている膜について取得したn値、k値の照合を行った結果、該当する膜種が膜情報テーブル192に登録されていない場合の対応につても概説しておく(ステップS106;NO)。この場合には、予め設定しておいた「登録膜種なし時対応」を実行する(ステップS109)。
上記対応の例としては、レシピ191に記載された除去幅の設定値に対応して登録した暫定的な吐出位置に対して補正を行わずにそのまま周縁部の膜を除去する処理を実行してもよい。この場合は、例えば処理液の吐出位置の補正が行われていない旨の情報を基板処理システム1のディスプレイに表示したり、ウエハWの処理履歴などに対して当該情報を対応付けて登録したりしてもよい。
また、上記対応の他の例として、登録された膜種が存在しなかった場合には、当該処理ユニット16によるウエハWの処理を開始せず、基板処理システム1のディスプレイなどから、その旨の情報をアラームとして発報してもよい。この場合には、オペレーターから、そのままウエハWの処理を続行するか、ウエハWの処理を中断するかの指示を受け付けることができる。
登録膜種なし時対応が完了したら、処理ユニット16からウエハWを搬出し動作を終える(ステップS110、エンド)。
ここで同種の処理を大量のウエハWに対して実行する量産用の基板処理システム1に設けられている処理ユニット16の場合には、ウエハWに形成されている膜の膜種が1枚毎に変更される可能性は小さい。この場合には、同一キャリアCや同一ロット内の1枚目のウエハWについて図6に示した動作を実行し、当該1枚目の処理時に決定した吐出実行位置を利用して残るウエハWの処理を行ってもよい。さらにこのとき、1台の処理ユニット16にて決定された吐出実行位置を、同じ基板処理システム1に設けられている他の処理ユニット16にて使用してもよい。
一方で、ウエハWに対して実行され処理の内容が頻繁に変更される評価用の基板処理システム1においては、1つのキャリアC内に収容されている複数枚のウエハWに対して、各々異なる条件で成膜が行われていたり、ウエハWに対して実行される処理の内容が異なったりする場合もある。この場合には、処理ユニット16に搬入された各ウエハWについて図6に示した動作を実行し、吐出実行位置の決定を行ってもよい。
以上に説明した本実施の形態に係る処理ユニット16によれば以下の効果がある。除去対象の膜の特性情報(n値、k値)を取得し、ウエハWに形成されている膜の種別(膜種)を識別するための種別情報として使用する。そして、ウエハWに形成されている膜の膜種に応じ、膜を除去するための処理液の吐出位置を補正するので、膜種の違いに伴う除去幅の変動を低減することができる。
ここで従来、レシピ191に記載された除去幅の設定値と、実際の除去幅とのずれが確認された場合には、処理ユニット16内の機器の設定状態を変更する権限を持つオペレーターが、移動機構412が第1ノズル部411の移動量を把握するための原点位置を、ずれ量分だけ移動させるなど、人手による調整が行われる場合もあった。このような対応は、調整に係る操作が煩雑となるだけでなく、膜種やレシピ191の切り替えの際に変更した原点位置を後で戻し忘れるなど、ミスを引き起こす原因ともなりかねない。また、レシピ191作成の際に、ずれ量を反映して除去幅の設定値を入力する対応も考えられるが、処理条件の違いに応じて多数作成される全てのレシピ191に対して、異なる膜種毎にずれ量の管理を行い、ずれ量を考慮して除去幅の設定値の変更を行うことは、多大な労力を要し、非現実的である。
この点、本例の処理ユニット16は、センサー部7を活用して処理対象のウエハWに形成されている膜の膜種を識別し、予め記憶部19に登録されている膜情報テーブル192を用いて吐出位置の補正を行う動作を自動的に実行するので、オペレーターに新たな負担を課すことなく、除去幅の精度を向上させることができる。
ここで、図2、図4には、鉛直下方へ向けて処理液を吐出する第1ノズル部411の例を示したが、第1ノズル部411の構成はこの例に限られない。例えば、斜め下方へ向けて処理液を吐出してもよい。この場合には、ウエハWを平面視したとき、第1ノズル部411からの処理液の吐出位置と、ウエハWに処理液が供給される着液点とは、横方向にずれた位置に配置されることとなる。従って、吐出位置やその補正量についても、当該ずれを考慮した設定が行われる。
さらに、上述の例では、ウエハWの上面側に処理液を供給する第1ノズル部411の吐出位置の補正について説明した。ウエハWの上面には、半導体装置のパターンが形成されているため、例えばサブミリメートル単位での厳密な除去幅の管理が必要となる。これに対してウエハWの下面側は、パターンの形成面でなく、除去幅の制御が必要でない場合が多いため、第2ノズル部421からの処理液の吐出位置について、センサー部7を活用した補正を行う例は示さなかった。但し、必要に応じて、ウエハWの下面側に処理液を供給する第2ノズル部421についても、上面側の第1ノズル部411と同様の手法を用いて吐出位置の補正を行ってもよいことは勿論である。
また、膜の除去幅と、第1ノズル部411の吐出位置との対応関係を事前決定する際には、表1を用いて説明した例の如く基準膜種を用いて予備実験を行うことは必須ではない。保持部31に保持されたウエハWの外周端と、第1ノズル部411との相対的な位置関係のみに基づき、吐出位置の決定を行った後、全ての膜種(表1の例では、膜種A、B、C)について、予備実験の結果などから補正量を設定してもよい。
さらにまた、膜情報テーブル192に設定される吐出位置の補正量についても、レシピ191に基づいて設定される処理液の吐出位置と、実際の吐出実行位置との差分値[mm]を採用することは必須ではない。例えば吐出位置に対するパーセンテージを採用してもよい(例:設定値1mm、吐出実行位置1.2mmの場合は、補正量「120%」)。
次に、膜種に応じた補正量が決定された後、吐出位置の補正を行う手法のバリエーションについて述べておく。図6に示した例では、除去幅の設定値に基づく暫定的な吐出位置の設定のレジスタへの登録(ステップS103)と、ウエハWの膜種を対応した補正量の上記レジスタの設定への反映(ステップS107)とを、移動機構412に対する設定情報の出力に先立ち行っている。
これに対して例えば、ステップS103において、除去幅の設定値に基づいて得られた処理液の吐出位置を移動機構412に出力して第1ノズル部411を移動させ、次いで、ウエハWの膜種を対応した補正量を読み込んだ後、吐出位置補正の幅だけの移動設定を移動機構412に出力して再度、第1ノズル部411を移動させてもよい。
また、処理ユニット16へのウエハWの搬入の直後に、膜種の特定や補正量の読み込みを行い、当該ウエハWに対して実行されるレシピ191に設定されている膜の除去幅の設定値を当該補正量にて補正した値に書き替えてもよい。この例では、書き替え後の除去幅の設定値に基づいて吐出位置を決定すると、当該吐出位置は補正量が反映された吐出実行位置となる。
次いで既述のように、分光エリプソメトリーを採用したセンサー部7は、膜種を識別可能な特性情報として、2種類の情報(n値、k値)を取得することができる。このとき、n値またはk値のいずれか一方を利用して膜種の特定を行ってもよい。但し、図5の「測定値」に示すように、k値単独では膜種Aと膜種Bとの識別が困難である場合に、n値、k値の双方を用いることにより、これらの膜種が識別可能となる場合もある。
さらに、特性情報を取得するセンサー部7は、分光エリプソメーターによって構成する場合に限定されない。例えば、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry:EDX)や、X線光電子分光(X-ray Photoelectron Spectroscopy:PXP)を分析手法として採用したセンサー部7を用いてもよい。これらの分析手法においては、真空雰囲気が必要となるため、例えば基板処理システム1の搬入出ステーション2の外壁に真空チャンバーを接続し、この真空チャンバー内にセンサー部7を配置して特性情報の取得を行ってもよい。
この場合には、当該共通のセンサー部7を用い、基板処理システム1に設けられている複数の処理ユニット16について、第1ノズル部411の吐出位置の補正に係る特性情報が取得される。共通のセンサー部7を用いて取得した特性情報から、いずれの処理ユニット16における処理液の吐出位置を補正するかについては、例えば分析を行ったウエハWの搬送先などに基づいて判断される。
またここで、複数の処理ユニット16にて1つのセンサー部7を共用する手法は、分析手法としてEDXやPXPを採用する場合だけでなく、分光エリプソメトリーにも適用可能である。例えば基板処理システム1の搬送部12、15におけるウエハWの搬送経路上に分光エリプソメーターである共通のセンサー部7を配置してもよいし、搬入出ステーション2の外壁に設けられ、ウエハWの向きの調整を行うオリエンタを収容した不図示のオリエンタ室内に分光エリプソメーターである共通のセンサー部7を配置してもよい。
また、膜情報テーブル192に対して、処理液の吐出位置の補正量を予め登録しておくことも必須ではない。例えば、処理ユニット16内や搬送部12、15におけるウエハWの搬送経路上にウエハWの周縁部を撮像するカメラを設け、当該撮像結果に基づき測定した除去幅の実績値と、除去幅の設定値との差分値から、処理液の吐出位置の補正量を決定してもよい。当該補正量を決定した後に、ウエハWに形成されている膜の種別情報(n値、k値などの特性情報)と対応付けて補正量を登録した膜情報テーブル192を新たに作成しておくことにより、同種の膜が形成されたウエハWを後から処理する際に、吐出位置の補正に活用することができる。
上述の例に加え、処理対象のウエハWに形成されている膜の種別が特定された後に調整される設定項目は、処理液の吐出位置のみに限定されない。例えば、ウエハ保持機構30に保持されて回転するウエハWの単位時間の回転数や、第1ノズル部411から供給される処理液の供給流量を補正してもよい。これらの設定項目の補正量(回転数補正量、補正流量)についても、例えば表1に示すように、n値、k値などの膜の特性情報(種別情報)と対応付けて膜情報テーブル192に登録しておくことができる。この結果、制御部18によりこれらの補正量を読み出して、ウエハ保持機構30の回転機構のモーター302や第1ノズル部411の上流側の処理液供給部内の流量調節機構の制御に利用することができる(回転数補正工程、流量補正工程)。
さらには、処理対象のウエハWに形成されている膜の特性情報を取得する手法は、センサー部7を用いて実際にウエハWの分析を行った結果から得ることも必須ではない。例えば基板処理システム1が設けられた半導体工場内のコンピューターネットワークを介し、基板処理システム1の外部のサーバーから処理対象のウエハWの識別情報とともに特性情報を取得してもよい。この場合には、特性情報の取得を実行するネットワーク通信部が特性情報取得部を構成することとなる。
これらに加え、ウエハWから取得した特性情報を膜の種別情報として用いることも必須ではない。分光エリプソメーターであるセンサー部7を利用する例について述べると、既述のk値、n値は、ウエハWに形成されている膜の厚さ、膜の硬度、膜の表面のラフネスなどの物理的特性を特定するための物理的特性情報としても利用することができる。
例えば図7は、ウエハWに形成された膜の硬度とn値、k値との関係を概略的に示している。この膜の例では、n値及びk値が小さい程、ウエハWに形成されている膜は柔らかく、n値及びk値が大きい程、膜は硬い。また、膜厚などについても、n値、k値の変化から特定すること可能である。
ここで硬い膜(厚い膜)に対しては、柔らかい膜(薄い膜)よりもより長い時間、処理液を供給しなければならない場合がある。一方で、処理液の供給時間(処理時間)が長時間化すると、膜が除去される領域の内周端が、ウエハWの径方向の内側に広がってしまうことがある。そこで、予め設定された基準の処理時間に対し、実際の処理時間が変化する場合には、当該処理時間の変化に伴う膜の除去幅の変化の相殺するように、補正量を定めてもよい。
例えば、膜種の違いに伴う補正量(第1補正量)が、上述の「基準の処理時間」に基づいて定められているとき、さらに処理時間の変化に伴う補正量(第2補正量)を用いることにより、精度の高い除去幅の制御を行うことができる。但し、これら第1、第2補正量の双方を用いることは必須の要件ではなく、いずれか一方の影響の大きい補正量を採用してもよい。
さらにまた、物理的特性情報から得られた膜の厚さや膜の硬度などに基づいて、ウエハWの単位時間当たりの回転数や処理液の供給流量を調整してもよいことは勿論である。
W ウエハ
16 処理ユニット
18 制御部
181 入力部
19 記憶部
191 レシピ
192 膜情報テーブル
20 チャンバー
30 ウエハ保持機構
411 第1ノズル部
412 移動機構
421 第2ノズル部
422 移動機構
7 センサー部

Claims (7)

  1. 基板に処理液を供給して基板上の膜を除去する基板処理装置であって、
    基板を保持すると共に、基板を回転させる回転機構を備えた基板保持部と、
    前記基板保持部に保持された基板に、前記処理液を吐出する吐出部と、
    入力されたレシピに対応付けて処理液の吐出位置を設定する吐出位置設定部と、
    前記吐出位置設定部により設定された吐出位置に基づき、基板の径方向に向けて前記吐出部からの処理液の吐出位置を移動させる移動機構と、
    除去されるべき膜の特性情報を取得する特性情報取得部と、
    前記特性情報取得部により取得された膜の特性情報に応じて、前記吐出位置設定部により設定された吐出位置を補正する補正量を取得する補正量取得部と、
    前記吐出位置設定部により設定された吐出位置を、前記補正量取得部により取得された補正量に基づき補正する吐出位置補正部と、を備え、
    前記特性情報取得部は、外部のサーバーとのネットワーク通信により前記特性情報を取得するネットワーク通信部であることと、
    前記膜の特性情報は、膜の種別情報、または膜の物理的特性情報であることと、を特徴とする基板処理装置。
  2. 前記膜の物理的特性情報は、膜の硬度、または膜厚であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. さらに前記補正量取得部は、特性情報取得部により取得された膜の特性情報に応じて、前記回転機構によって回転される基板の単位時間当たりの回転数を補正する回転数補正量、または、前記吐出部への処理液の供給流量を調節可能な処理液供給部から供給され、吐出部から吐出される処理液の供給流量を補正する補正流量の少なくとも一方を取得し、
    前記回転機構は、前記回転数補正量に基づき、基板の回転数を補正し、前記処理液供給部は前記補正流量に基づき処理液の供給流量を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 基板に処理液を供給して基板上の膜を除去する液処理方法であって、
    レシピに対応付けて、基板に対向して配置された吐出部からの処理液の吐出位置を設定する吐出位置設定工程と、
    コンピュータネットワークを介した外部のサーバーとのネットワーク通信により、除去されるべき膜の特性情報を取得する特性情報取得工程と、
    前記特性情報取得工程にて取得した膜の特性情報に応じて、前記吐出位置設定工程にて設定された吐出位置を補正する補正量を取得する補正量取得工程と、
    前記吐出位置設定工程にて設定された吐出位置を、前記補正量取得工程にて取得された補正量に基づき補正する吐出位置補正工程と、
    前記吐出位置補正工程にて補正した吐出実行位置へと前記吐出部を移動させる吐出部移動工程と、
    前記吐出実行位置へと移動した吐出部より処理液を吐出して、回転する基板に処理液を供給し、当該基板の膜を除去する除去工程と、を含み、
    前記膜の特性情報は、膜の種別情報、または膜の物理的特性情報であることを特徴とする液処理方法。
  5. 前記膜の物理的特性情報は、膜の硬度または膜厚であることを特徴とする請求項4に記載の液処理方法。
  6. 特性情報取得工程にて取得した膜の特性情報に応じて、前記除去工程における基板の回転数を補正する回転数補正工程、または、前記特性情報に応じて、前記除去工程において前記吐出部から吐出される処理液の供給流量を補正する流量補正工程の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の液処理方法。
  7. 基板に処理液を供給して基板上の膜を除去する基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、請求項4ないし6のいずれか一つに記載の液処理方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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