JP6992387B2 - 治具ユニット、試験装置および試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、曲げ試験において使用される治具ユニット、試験装置および試験方法に関する。
従来、疲労試験を行うための種々の試験装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された疲労試験装置では、負荷装置から下方に延びるように負荷装置に負荷棒が取り付けられ、負荷棒の下端部に、負荷伝達部材を介して試験体が取り付けられる。この疲労試験装置では、負荷装置によって負荷棒が上下動されることにより、試験体に繰り返し負荷を作用させることができる。
上記のような疲労試験装置では、特許文献1にも記載されているように、負荷棒を上下動させる際に、負荷棒に曲げ力が作用することが知られている。また、負荷棒に曲げ力が作用することによって、負荷棒を適切に往復運動させることができなくなり、試験を適切に行うことができない場合があることも知られている。
そこで、特許文献1に開示された疲労試験装置では、負荷棒を第1負荷棒および第2負荷棒に2分割し、第1負荷棒の上端を負荷装置に取り付け、第2負荷棒の下端を負荷伝達部材に取り付けている。また、第1負荷棒の下端と第2負荷棒の上端とは、ベアリングとこれを嵌合するレール溝を介して連結されている。
特許文献1には、上記のようにベアリングとレール溝を設けることにより、第2負荷棒に曲げ力が加わった場合、ベアリングがレール溝を転動することにより、第2負荷棒は微小量回転するが、第1負荷棒には曲げ力が作用しないので、第1負荷棒の往復運動が阻害されないことが記載されている。
実開平5-14895号公報
しかしながら、本発明者らの種々の検討の結果、特許文献1の負荷棒を用いて曲げ試験を行う場合、負荷装置から負荷伝達部材に繰返し荷重を円滑に継続して伝達することが難しいことが分かった。
そこで、本発明の目的は、負荷棒を用いて試験体に円滑に継続して繰返し荷重を伝達することができる治具ユニット、試験装置および試験方法を提供することにある。
本発明は、下記の治具ユニット、試験装置および試験方法を要旨とする。
(1)第1方向に延びかつ片持ち梁状に支持された長尺状の試験体に対して、前記第1方向に直交する第2方向において前記試験体から離れた位置で前記第2方向に直線運動する移動体の前記直線運動を前記第2方向に延びる負荷棒を介して伝達する治具ユニットであって、
前記負荷棒の前記第2方向における一端部と前記移動体とを連結する第1治具と、
前記負荷棒の前記第2方向における他端部と前記試験体とを連結する第2治具とを備え、
前記第1治具は、前記第1方向と前記第2方向とに直交する前記第3方向に延びる第1揺動軸を揺動中心として、前記負荷棒が前記移動体に対して前記第1方向に揺動できるように前記負荷棒と前記移動体とを連結し、
前記第2治具は、前記第3方向から見て前記試験体を通るように前記第3方向に延びる第2揺動軸を揺動中心として、前記負荷棒が前記試験体に対して前記第1方向に揺動できるように前記負荷棒と前記試験体とを連結する、治具ユニット。
(2)前記試験体において前記第2治具よりも自由端側に設けられ、前記第2治具の前記自由端側への移動を規制する第3治具をさらに備える、上記(1)に記載の治具ユニット。
(3)前記第2治具は前記試験体が通る孔を有している、上記(1)または(2)に記載の治具ユニット。
(4)前記第2治具は前記試験体を締め付けて把持する、上記(3)に記載の治具ユニット。
(5)前記試験体は鉄道用の車軸である、上記(1)から(4)のいずれかに記載の治具ユニット。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載された治具ユニットと、
前記試験体が前記第1方向に延びるように前記試験体を片持ち梁状に支持する支持部と、
前記第2方向において前記試験体から離れた位置で前記第2方向に直線運動する前記移動体と、
前記第2方向に延びるように設けられ、かつ前記移動体の前記直線運動を前記治具ユニットを介して前記試験体に伝達する前記負荷棒と、を備えた試験装置。
(7)上記(6)に記載された試験装置を用いて、前記移動体を前記第2方向に移動させて、前記試験体に曲げ荷重を与える、試験方法。
本発明によれば、負荷棒を用いて試験体に円滑に継続して繰り返し荷重を伝達することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る試験装置を示す概略側面図である。 図2は、図1の試験装置を示す概略斜視図である。 図3は、円板部材に固定された状態の試験体を示す断面図である。 図4は、負荷棒および治具ユニットを、第1方向から見た図である。 図5は、図1のA-A線断面図である。 図6は、試験体の曲げ疲労試験を行う際の試験装置の状態を模式的に示した図である。 図7は、変形例に係る試験装置を示す概略側面図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る治具ユニット、試験装置および試験方法について説明する。なお、添付図面においては、位置関係を明確にするために、互いに直交する第1方向、第2方向および第3方向を適宜示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る試験装置を示す概略側面図であり、図2は、図1の試験装置を示す概略斜視図である。
図1および図2を参照して、本実施形態に係る試験装置10は、台座12上に設けられている。試験装置10は、支持部14と、移動体16(図1にのみ図示)と、負荷棒18と、治具ユニット20とを備えている。
支持部14は、一対の支持板41と、複数の補強板42と、円盤部材43とを含む。本実施形態では、一対の支持板41はそれぞれ側面視L字形状を有し、台座12に固定される第1板状部41aと、第1板状部41aから立ち上がるように第2方向に延びる第2板状部41bとを含む。図2を参照して、第2板状部41bの中央部には、貫通孔41cが形成されている。各支持板41に、一対の補強板42が取り付けられている。
図1および図2を参照して、本実施形態では、一対の支持板41は、第1方向において反対を向くように、かつ第1方向において隙間が形成されるように配置されている。一対の支持板41の間に形成された上記隙間に、円盤部材43が設けられている。本実施形態では、図示しない複数の固定部材(例えば、ボルト)によって、円盤部材43が各支持板41の第2板状部41bに固定されている。
本実施形態では、円盤部材43に、曲げ試験の対象となる試験体100が固定される。本実施形態では、試験体100は、円柱形状を有している。本実施形態では、試験体100は、鉄道用の車軸である。試験体100の直径は、例えば、100mm以上である。なお、詳細な説明は省略するが、試験体の形状は円柱形状に限定されず、角柱形状であってもよく、平板形状であってもよい。
図3は、円盤部材43に固定された状態の試験体100を示す断面図である。図2および図3を参照して、本実施形態では、円盤部材43は、中心部に貫通孔43aを有している。本実施形態では、円盤部材43は、車輪を模した部材である。
図3を参照して、試験体100の第1方向における一端部100aは、円盤部材43の貫通孔43aに圧入されている。これにより、試験体100は、円盤部材43の軸方向に延びるように、円盤部材43に固定されている。また、本実施形態では、試験体100の一端部100aには、複数の固定部材(例えば、ボルト)によって、板材102が固定されている。板材102は、円板形状を有し、かつ貫通孔43aの直径よりも大きい直径を有する。板材102は、後述する曲げ試験時に、試験体100が貫通孔43aから抜けることを防止するために取り付けられる。
図1および図2を参照して、上述したように、円盤部材43は、一対の支持板41に固定されている。このようにして、試験体100は、第1方向に延びるように、かつ片持ち梁状に、支持部14によって支持されている。
図1を参照して、移動体16は、第2方向において試験体100から離れた位置に設けられる。移動体16は、図示しない駆動源によって駆動されることにより、第2方向に直線運動する。本実施形態では、例えば、駆動源として、油圧シリンダを用いることができ、移動体16として、油圧シリンダによって駆動されるピストンを用いることができる。
移動体16の直線運動は、負荷棒18および治具ユニット20によって試験体100に伝達される。本実施形態では、負荷棒18は、円柱形状を有しかつ第2方向に延びるように設けられる。
図4は、負荷棒18および治具ユニット20を、第1方向(試験体100の軸方向)から見た図である。また、図5は、図1のA-A線断面図である。
図1を参照して、本実施形態では、治具ユニット20は、負荷棒18の第2方向における一端部18a(図5参照)と移動体16とを連結する第1治具20aと、負荷棒18の第2方向における他端部18b(図5参照)と試験体100とを連結する第2治具20bとを備える。
図4および図5を参照して、第1治具20aは、第1連結部材30と、第2連結部材32と、連結ピン34とを備える。第1連結部材30は、直方体状の揺動支持部30aと、揺動支持部30aから第2方向に突出する円柱状の接続部30bとを含む。図5を参照して、揺動支持部30aの中心部には、第3方向に貫通する貫通孔300が形成されている。貫通孔300には、円筒状のすべり軸受36が嵌め込まれている。図1を参照して、接続部30bは、移動体16に接続される。これにより、第1連結部材30(揺動支持部30aおよび接続部30b)が移動体16と一体的に移動する。
図4および図5を参照して、第2連結部材32は、略U字形状を有し、板状の接続部32aと、接続部32aの第3方向における両端部から移動体16(図1参照)側に向かって第2方向に延びる一対のアーム部32bとを含む。第1連結部材30の揺動支持部30aは、一対のアーム部32bの間に設けられている。
図5を参照して、接続部32aの第3方向における中央部には、第2方向に貫通する貫通孔320が形成されている。接続部32aの貫通孔320に負荷棒18の一端部18aが挿入され、負荷棒18と第2連結部材32とが接続されている。本実施形態では、例えば、接続部32aの貫通孔320にねじ溝を形成し、負荷棒18の一端部18aにねじ山を形成し、貫通孔320に一端部18aをねじ込むことによって、第2連結部材32と負荷棒18とが固定されている。
各アーム部32bには、第3方向に貫通する断面円形状の貫通孔321が形成されている。各貫通孔321には、円筒状のすべり軸受38が嵌め込まれている。第1連結部材30と第2連結部材32とを連結するように、貫通孔300および一対の貫通孔321に、円柱状の連結ピン34が挿入されている。本実施形態では、連結ピン34は、すべり軸受36を介して第1連結部材30に回転可能に支持され、すべり軸受38を介して第2連結部材32に回転可能に支持されている。なお、図面が煩雑になることを避けるために図示は省略するが、連結ピン34の両端部には、連結ピン34が第1連結部材30および第2連結部材32から抜け落ちることを防止するための抜け止め部材(例えば、ボルト、ナット等)が取り付けられる。
上記のような構成により、第1治具20aは、第3方向に延びる第1揺動軸S1を揺動中心として、負荷棒18が移動体16に対して第1方向に揺動できるように、負荷棒18と移動体16とを連結している。なお、本実施形態では、第1揺動軸S1は、連結ピン34の軸心を通るように第3方向に延びる仮想的な軸線である。
図4および図5を参照して、第2治具20bは、第1連結部50と、第2連結部60と、一対の連結ピン70とを備える。第1連結部50は、略U字形状を有する。本実施形態では、第1連結部50は、接続部材51と、一対のアーム部材52と、接続部材53とを備える。一対のアーム部材52は、第3方向において互いに離れた位置において、第2方向に延びるように設けられる。一対のアーム部材52の第2方向における一端部(第1治具20a側の端部)同士を接続するように接続部材51が設けられ、一対のアーム部材52の第2方向における他端部同士を接続するように接続部材53が設けられる。図5を参照して、接続部材51と一対のアーム部材52とは、複数の固定部材(例えば、ボルト)によって固定されている。同様に、接続部材53と一対のアーム部材52とは、複数の固定部材(例えば、ボルト)によって固定されている。なお、図5に示した例では、複数のボルトを第2方向にねじ込むことによって、接続部材51および接続部材53と一対のアーム部材52とを固定しているが、第3方向にねじ込まれた複数のボルトによって互いに固定されるように接続部材および一対のアーム部材を構成してもよい。
接続部材51の第3方向における中央部には、第2方向に貫通する貫通孔51aが形成されている。接続部材51の貫通孔51aに負荷棒18の他端部18bが挿入され、負荷棒18と接続部材51とが接続されている。本実施形態では、例えば、接続部材51の貫通孔51aにねじ溝を形成し、負荷棒18の他端部18bにねじ山を形成し、貫通孔51aに他端部18bをねじ込むことによって、接続部材51と負荷棒18とが固定されている。
各アーム部材52には、第3方向に貫通する断面円形状の貫通孔52aが形成されている。各貫通孔52aには、円筒状のすべり軸受80が嵌め込まれている。
本実施形態では、板状部材53が設けられていることによって、高荷重の条件で試験を行う際に、一対のアーム部材52が変形すること(具体的には、接続部材53側の端部が第3方向に開くように変形すること)を抑制できる。これにより、一対のアーム部材52を接続部材51に固定するためのボルトが破損すること、アーム部材52の貫通孔52aにおいてアーム部材52とすべり軸受80とが固着すること、および連結ピン70とすべり軸受80とが固着することを十分に抑制できる。なお、本実施形態では、板状部材53において、一対のアーム部材52との接触部にそれぞれ溝が設けられており、各溝にアーム部材52を挿入した上で、ボルトによって接続部材53とアーム部材52とを締結している。
第2連結部60は、一対のアーム部材52の間に設けられている。第2連結部60の中心部には、試験体100を通すための孔60aが形成されている。本実施形態では、第2連結部60は、第2方向に延びる一対の支持部材61と、一対の支持部材61の一端部同士および他端部同士をそれぞれ接続するように第3方向に延びる一対の支持部材62とを備える。なお、図5に示した例では、複数のボルトを第2方向にねじ込むことによって、一対の支持部材61と一対の支持部材62とを固定しているが、第3方向にねじ込まれた複数のボルトによって互いに固定されるように複数の支持部材を構成してもよい。
一対の支持部材61はそれぞれ、第2連結部60の中心側に形成された円弧面61aを有する。また、一対の支持部材62はそれぞれ、第2連結部60の中心側に形成された円弧面62aを有する。本実施形態では、第2治具20bは、試験体100の外周面に各円弧面61aおよび各円弧面62aが接触するように、試験体100を締め付けて把持する。これにより、試験体100を第2連結部60によって適切に保持することができる。
図5を参照して、各支持部材61のアーム部材52側の面には、断面円形の凹部61bが形成されている。凹部61bは、第3方向において貫通孔52aに対向するように形成されている。各連結ピン70は円柱形状を有し、貫通孔52aおよび凹部61bに挿入され、複数の固定部材(例えば、ボルト)によって支持部材61に固定されている。本実施形態では、連結ピン70は、すべり軸受80を介してアーム部材52に回転可能に支持されている。なお、図4および図5に示した例では、支持部材61と連結ピン70とが別個の部品として設けられているが、支持部材と連結ピンとを一つの部品として製作しても良い。この場合、凹部61bを形成する必要が無く、さらに部品数も低減できるので、第2治具の加工コストを低減できる。また、支持部材と連結ピンとを固定するための固定部材(ボルト等)が不要になるので、該固定部材の試験中の破損回避を実現できる。
上記のような構成により、第2治具20bは、第3方向から見て試験体100を通るように第3方向に延びる第2揺動軸S2を揺動中心として、負荷棒18が試験体100に対して第1方向に揺動できるように、負荷棒18と試験体100とを連結している。なお、本実施形態では、第2揺動軸S2は、各連結ピン70の軸心を通るように第3方向に延びる仮想的な軸線である。
以上のような構成を有する試験装置10を用いた試験においては、移動体16を第2方向に移動させることによって、試験体100に曲げ荷重を与えることができる。例えば、移動体16を第2方向において往復移動させることによって、試験体100の曲げ疲労試験を行うことができる。
図6は、試験体100の曲げ疲労試験を行う際の試験装置の状態を模式的に示した図である。図6においては、上段に、本実施形態に係る試験装置10を示し、下段には、比較例として、第2揺動軸S2が試験体100よりも上方(第1治具20a側)を通るように構成された第2治具21bを有する試験装置200を示す。また、図6において(a)は、負荷棒18から試験体100に曲げ荷重が与えられていないときの試験装置の状態を示し、(b)は、試験体100の下方(台座12側)への曲げ量が最大になったときの試験装置の状態を示し、(c)は、試験体100の上方への曲げ量が最大になったときの試験装置の状態を示す。なお、図6では、図面が煩雑になることを避けるために、試験装置の各構成要素を簡略化して示している。
図6においては、移動体16および第1揺動軸S1の第1方向における位置を破線で示し、試験体100の下方への曲げ量が最大になったとき(図6(b)参照)の第2揺動軸S2の第1方向における位置を一点鎖線で示し、試験体100の上方への曲げ量が最大になったとき(図6(c)参照)の第2揺動軸S2の第1方向における位置を二点鎖線で示す。また、図6(a)には、疲労試験の1サイクル当たりの第2揺動軸S2の第1方向における移動範囲R1,R2を示している。
なお、本実施形態では、移動体16は第2方向に移動するので、移動体16の第1方向における位置は変化しない。また、第1揺動軸S1は、移動体16の移動に従って第2方向に移動するので、第1揺動軸S1の第1方向における位置も変化しない。
図6に示すように、試験装置10,200においてそれぞれ、移動体16を第2方向に移動させた場合、負荷棒18は、第1揺動軸S1を揺動中心として、第1方向に揺動する。
ここで、本実施形態に係る試験装置10では、第2揺動軸S2は、第3方向から見た場合に、試験体100に重なるように位置付けられている。一方、試験装置200では、第2揺動軸S2は、試験体100よりも上方に位置付けられている。このような第2揺動軸S2の位置の違いにより、試験装置10と試験装置200とで、第2揺動軸S2の第1方向における移動量に差が生じる。具体的には、図6(a)に示すように、試験装置10における第2揺動軸S2の移動範囲R1は、試験装置200における第2揺動軸S2の移動範囲R2よりも小さくなる。これにより、試験装置10では、試験装置200に比べて、移動体16の移動方向(第2方向)に対する負荷棒18の傾きを小さくすることができる。その結果、移動体16に作用する第1方向の力を小さくすることができる。
例えば、図6(b)に示す状態では、試験体100の復元力によって、移動体16には、試験体100から負荷棒18を介して圧縮方向の力が作用している。図6(b)に示す状態において、試験装置10では、試験装置200に比べて、移動体16の移動方向(第2方向)に対する負荷棒18の傾きが小さい。また、例えば、図6(c)に示す状態では、試験体100の復元力によって、移動体16には、試験体100から負荷棒18を介して引張方向の力が作用している。図6(c)に示す状態においても、試験装置10では、試験装置200に比べて、移動体16の移動方向(第2方向)に対する負荷棒18の傾きが小さい。
以上のように、第2揺動軸S2が第3方向から見て試験体100を通るように位置付けられた本実施形態に係る試験装置10では、曲げ試験を行う際に、移動体16の移動方向(第2方向)に対する負荷棒18の傾きを小さくすることができる。これにより、移動体16が第2方向に移動する際に、負荷棒18から移動体16に作用する第1方向の力を小さくすることができる。その結果、移動体16を駆動する駆動源(例えば、油圧シリンダ)の負担を軽減することができ、試験体100に円滑に継続して繰り返し荷重を与えることができる。
また、負荷棒18を介して移動体16から試験体100に円滑に荷重を伝達することができるので、移動体16を駆動するための力を必要以上に大きくしなくてもよい。これにより、試験コストを低減することができる。
また、本実施形態では、第1治具20aにおいて、断面円形状の貫通孔321に円筒状のすべり軸受38が嵌め込まれている。同様に、第2治具20bにおいて、断面円形状の貫通孔52aに円筒状のすべり軸受80が嵌め込まれている。すなわち、本実施形態では、負荷棒18を揺動可能に支持するための軸受け(すべり軸受38およびすべり軸受80)が断面円形状の外周面を有し、かつその外周面が断面円形状の面(貫通孔321を構成する面および貫通孔52aを構成する面)によって支持されている。この場合、例えば、特許文献1のような円筒と平面とが接触する構成(特許文献1では、円筒状のベアリングが直線状のレール溝に支持されている。)に比べて、軸受け(すべり軸受38およびすべり軸受80)と軸受けを支持する部材(アーム部32bおよびアーム部材52)との接触面圧を低くすることができる。これにより、軸受け(すべり軸受38およびすべり軸受80)および軸受けを支持する部材(アーム部32bおよびアーム部材52)の摩耗を抑制できる。その結果、負荷棒18を介して移動体16から試験体100に効率よく荷重を与えることができる。
(変形例)
図7は、変形例に係る試験装置10aを示す側面図である。図7に示す試験装置10aが上述の試験装置10と異なる点は、治具ユニット20が第3治具20cをさらに備えている点である。第3治具20cは、試験体100において第2治具20bよりも自由端100b側において、試験体100に固定されている。
第3治具20cは、一対の固定部材90を含む。各固定部材90は、試験体100の外周面に沿って湾曲する半円筒状の湾曲部90aと、湾曲部90aの第3方向における両端部に設けられる一対のフランジ部90b(図7においては、一方のフランジ部90bのみ図示)とを有する。本実施形態では、一方の固定部材90の一対のフランジ部90bと、他方の固定部材90の一対のフランジ部90bとを、図示しない締結部材(ボルト、ナット等)によって互いに締め付けることによって、固定部材90が試験体100に固定されている。
上記の構成を有する試験装置10aでは、曲げ試験時に第2治具20bの位置がずれることを第3治具20cによって抑制することができる。これにより、曲げ試験をより適切に行うことができる。
本発明によれば、負荷棒を用いて試験体に円滑に荷重を伝達することができる。したがって、本発明は、曲げ試験において好適に利用できる。
10,10a 試験装置
16 移動体
18 負荷棒
20 治具ユニット
20a 第1治具
20b 第2治具
20c 第3治具
100 試験体
S1 第1揺動軸
S2 第2揺動軸

Claims (7)

  1. 第1方向に延びかつ片持ち梁状に支持された長尺状の試験体に対して、前記第1方向に直交する第2方向において前記試験体から離れた位置で前記第2方向に直線運動する移動体の前記直線運動を前記第2方向に延びる負荷棒を介して伝達する治具ユニットであって、
    前記負荷棒の前記第2方向における一端部と前記移動体とを連結する第1治具と、
    前記負荷棒の前記第2方向における他端部と前記試験体とを連結する第2治具とを備え、
    前記第1治具は、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向に延びる第1揺動軸を揺動中心として、前記負荷棒が前記移動体に対して前記第1方向に揺動できるように前記負荷棒と前記移動体とを連結し、
    前記第2治具は、前記第3方向から見て前記試験体を通るように前記第3方向に延びる第2揺動軸を揺動中心として、前記負荷棒が前記試験体に対して前記第1方向に揺動できるように前記負荷棒と前記試験体とを連結する、治具ユニット。
  2. 前記試験体において前記第2治具よりも自由端側に設けられ、前記第2治具の前記自由端側への移動を規制する第3治具をさらに備える、請求項1に記載の治具ユニット。
  3. 前記第2治具は前記試験体が通る孔を有している、請求項1または2に記載の治具ユニット。
  4. 前記第2治具は前記試験体を締め付けて把持する、請求項3に記載の治具ユニット。
  5. 前記試験体は鉄道用の車軸である、請求項1から4のいずれかに記載の治具ユニット。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載された治具ユニットと、
    前記試験体が前記第1方向に延びるように前記試験体を片持ち梁状に支持する支持部と、
    前記第2方向において前記試験体から離れた位置で前記第2方向に直線運動する前記移動体と、
    前記第2方向に延びるように設けられ、かつ前記移動体の前記直線運動を前記治具ユニットを介して前記試験体に伝達する前記負荷棒と、を備えた試験装置。
  7. 請求項6に記載された試験装置を用いて、前記移動体を前記第2方向に移動させて、前記試験体に曲げ荷重を与える、試験方法。
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