JP6992322B2 - シート後処理装置およびそれを備えた画像形成システム - Google Patents

シート後処理装置およびそれを備えた画像形成システム Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンター等の画像形成装置によって画像形成された用紙等のシートに綴じ処理等の後処理を行うシート後処理装置およびそれを備えた画像形成システムに関する。
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置によって画像が形成された用紙(シート)を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理、及びパンチ穴形成装置でパンチ穴(穿孔)を空けるパンチ穴形成処理等の後処理を実行可能な用紙後処理装置が利用されている。
このような用紙後処理装置として、用紙束をステープル針により綴じるステープル装置と、綴じ処理時に綴じる用紙束の厚みに応じてステープル針の先端部の余剰部分をカットするカッター部と、カッター部によりカットされた針屑を回収する回収容器と、を備えた用紙後処理装置が知られている。
ステープル装置には、針屑を排出するための針屑排出口が設けられている。また、ステープル装置は、複数の綴じ処理位置と、回収容器に針屑を廃棄する針屑廃棄位置と、の間で移動可能に構成されている。
また、ステープル装置には、針屑排出口を開閉するシャッターが設けられている。シャッターは、ステープル装置が綴じ処理位置で綴じ処理を行っている際には閉じられており、ステープル装置が針屑廃棄位置に移動した際には開かれる。これにより、ステープル装置が綴じ処理位置に配置された状態で針屑が針屑排出口から排出されて飛散するのを抑制している。
なお、ステープル装置が複数の綴じ処理位置と針屑廃棄位置との間で移動可能に構成され、ステープル装置の針屑排出口にシャッターが設けられた用紙後処理装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2006-35450号公報
しかしながら、ステープル装置の針屑排出口にシャッターが設けられた従来の用紙後処理装置では、シャッターを開閉した際に針屑排出口とシャッターとの間に針屑が挟まり、シャッターが完全に閉じない場合がある。この場合、ステープル装置が綴じ処理位置で綴じ処理を行っている際に針屑が針屑排出口から排出されて飛散する場合があるという問題点があった。なお、この従来の用紙後処理装置では、シャッターを閉じることにより針屑を針屑排出口に一旦滞留させるので、シャッターを開いたとしても針屑が滞留したままになったり、針屑が塊になって針屑排出口から排出されにくくなりシャッターを閉じた際に針屑排出口とシャッターとの間に針屑が挟まりやすくなったりする。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、針屑が針屑排出口から排出されて飛散するのを抑制することが可能なシート後処理装置およびそれを備えた画像形成システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の構成のシート後処理装置は、画像が形成されたシート束をステープル針により綴じるステープル装置と、綴じ処理時に綴じるシート束の厚みに応じてステープル針の先端部の余剰部分をカットするカッター部と、カッター部によりカットされた針屑を回収する回収容器と、ステープル装置に設けられた針屑排出口から排出された針屑を捕集して回収容器に設けられた開口部に案内するガイド部材と、複数の綴じ処理位置にステープル装置を案内するレール部材を有し、ステープル装置をシート幅方向に移動可能に支持する位置変更機構と、を備える。ガイド部材は、複数の綴じ処理位置の全てにおいて、針屑排出口から排出された針屑を捕集可能に構成されている。
本発明の第1の構成のシート後処理装置によれば、ガイド部材は、複数の綴じ処理位置の全てにおいて、針屑排出口から排出された針屑を捕集可能に構成されている。これにより、ステープル装置が複数の綴じ処理位置のいずれの位置で綴じ処理を行っている場合であっても、針屑排出口から排出される針屑をガイド部材で捕集して回収容器に案内することができ、針屑排出口から排出された針屑が飛散するのを抑制することができる。
また、ステープル装置が綴じ処理位置で綴じ処理を行っている際に針屑排出口を閉じる必要がないので、針屑排出口にシャッターを設ける必要がない。このため、針屑を針屑排出口に一旦滞留させることがないので、針屑が針屑排出口で滞留したり、針屑が塊になって針屑排出口から排出されにくくなったりするのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態の用紙後処理装置、及び用紙後処理装置が連結される画像形成装置から構成される画像形成システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置が連結される画像形成装置の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置のステープル装置周辺の構造を示す図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置のステープル装置により用紙束にステープル針を突き刺した状態を示す図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置のステープル装置の構造を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置のステープル装置を綴じ処理位置に移動させた状態を示す図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置のステープル装置および回収容器周辺の構造を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置のステープル装置および回収容器周辺の構造を示す斜視図であり、回収容器を取り出した状態を示した図である。 本発明の第1実施形態の用紙後処理装置の回収容器および満杯検知機構の構造を示す図である。 本発明の第2実施形態の用紙後処理装置のステープル装置および回収容器周辺の構造を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1~図10を参照して、本発明の第1実施形態に係る用紙後処理装置(シート後処理装置)30、及び用紙後処理装置30が連結される画像形成装置10から構成される画像形成システムについて説明する。なお、本実施形態においては画像形成装置10の一例として複合機を例示しているが、本発明の用紙後処理装置30は、複合機以外の、例えばプリンター、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも同様に連結可能である。
図1に示すように、画像形成装置10は、用紙後処理装置30と連結されて用いられる。画像形成装置10は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データや、画像形成装置10の上部に配置された画像読取部11によって読み取られた画像データに基づいて、用紙(シート)に画像を印刷する。図2に示すように、画像形成装置10は、用紙を給紙する給紙部15と、用紙上にトナー画像を形成する画像形成部18と、用紙上のトナー画像を定着するための定着部19と、定着後の用紙を搬送して排紙部21および用紙後処理装置30にそれぞれ排出する排出ローラー対23および24と、本体制御部100と、を備える。なお、本体制御部100は、画像形成装置10の動作を制御するとともに、用紙後処理装置30の後述する後処理制御部101との間で通信可能に構成されており後処理制御部101を制御する。
用紙後処理装置30は、画像形成装置10から搬送された用紙に対してパンチ穴形成処理や綴じ処理、中折り処理などの後処理を行う。なお、用紙後処理装置30は、画像形成装置10から自動搬送された用紙に後処理を行うものに限られず、ユーザーによって不図示のトレイにセットされた用紙を自ら後処理可能な位置まで搬送して、当該用紙に後処理を行うものであってもかまわない。
図3に示すように、用紙後処理装置30は、用紙後処理装置30の上側を構成する上部本体31と、下側を構成する下部本体32とを備える。また、用紙後処理装置30は、用紙後処理装置30を統括的に制御する後処理制御部101を備える。
上部本体31は、下部本体32の上側に設けられており、パンチ穴形成装置33と、収容容器34と、ステープルユニット35と、レジストローラー対37と、複数の搬送ローラー対38と、上段トレイ36Aと、下段トレイ36Bとを備える。これらは、用紙後処理装置30のケーシングや内部フレームを構成する筐体に設けられている。レジストローラー対37および搬送ローラー対38の各々は、駆動ローラー及び従動ローラーから構成されており、画像形成装置10から搬送された用紙を搬送する。パンチ穴形成装置33は、画像形成装置10から搬送された用紙に対してパンチ穴形成処理を行う。ステープルユニット35は、用紙に対して綴じ処理を行う。上段トレイ36A及び下段トレイ36Bは、用紙後処理装置30から排出された用紙を保持する。
上部本体31は、画像形成装置10との連結面44(図3において右側面)に、画像形成装置10から搬送された画像形成後の用紙を受け入れる入り口となる用紙搬入口46を有する。上部本体31の上面近傍には、用紙後処理装置30から用紙を外部に排出するための排出口47が設けられている。排出口47に連続するように上段トレイ36Aが設けられている。また、上部本体31の側面45(図3において左側面)には、用紙後処理装置30から用紙を外部に排出するための排出口48が設けられている。排出口48に連続するように下段トレイ36Bが設けられている。
上部本体31の内部には、用紙搬入口46から水平に延びる用紙搬送路50が形成されている。用紙搬送路50には、パンチ穴形成装置33が設けられており、パンチ穴形成装置33の用紙搬送方向下流側には、レジストローラー対37が設けられている。
パンチ穴形成装置33は、用紙搬送路50を搬送される用紙に対してパンチ穴形成を行うことが可能である。用紙搬送路50における所定位置に用紙が搬送されると、パンチ穴形成装置33によって用紙の端部にパンチ穴が形成される。収容容器34は、パンチ穴形成装置33の下方に設けられており、パンチ穴形成装置33によるパンチ穴形成によって生じた用紙の切れ端(パンチ屑)を回収して収容する。
用紙搬送路50は、側面45へ向かう用紙搬送路52に繋がっている。用紙搬送路52の所定位置から、上部本体31の上面側へ向かう用紙搬送路51と、下部本体32へ向かう用紙搬送路53と、が分岐している。用紙搬送路51は、排出口47に至っており、用紙搬送路52は、ステープルユニット35を経て排出口48に至っている。用紙搬送路53は、下部本体32が備える後述する中折りユニット72に至っている。
用紙搬送路52と用紙搬送路51との分岐部には、モーターやソレノイドなどの不図示の駆動部によって回動される分岐部材55が設けられている。分岐部材55が適宜の位置に回動されることによって、用紙が用紙搬送路52の下流側または用紙搬送路51へ搬送される。同様に、用紙搬送路52と用紙搬送路53との分岐部には、モーターやソレノイドなどの不図示の駆動部によって回動される分岐部材56が設けられている。分岐部材56が適宜の位置に回動されることによって、用紙が用紙搬送路52の下流側または用紙搬送路53へ搬送される。
ステープルユニット35は、パンチ穴形成装置33よりも用紙搬送方向の下流側であって、用紙搬送路52の近傍に設けられている。ステープルユニット35は、処理トレイ57と、ステープル装置80とを備えている。
用紙搬送路52を下流側へ搬送された用紙は、順次処理トレイ57に積載される。ステープル装置80は、処理トレイ57に積載された所定枚数の用紙束(シート束)に対して、綴じ処理を行う。綴じ処理が行われた用紙束は、搬送ローラー対38によって下段トレイ36Bへ排出される。なお、ステープル装置80周辺の詳細な構成については後述する。
下部本体32は、中折りユニット72と、外部トレイ78と、複数の搬送ローラー対74とを備える。これらは、用紙後処理装置30のケーシングや内部フレームを構成する筐体に設けられている。
用紙搬送路53は、側面65側(図3の左側)へ曲げられて、中折りユニット72に至っている。また、下部本体32の下側部分に中折りユニット72及び外部トレイ78が設けられている。下部本体32の側面65(図3の左側面)には、中折りユニット72によって中折りされた用紙を排出するための排出口75が設けられている。また、排出口75近傍には、排出口75から排出された用紙を下方へ押さえ付ける用紙押さえ76が設けられている。
後処理制御部(制御部)101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などによって構成されている。また、後処理制御部101は、パンチ穴形成装置33、ステープルユニット35、中折りユニット72および各ローラー対に対して通信可能に構成されており、パンチ穴形成処理、綴じ処理、中折り処理、用紙搬送動作等を実行する。
次に、ステープル装置80周辺の詳細構造について説明する。
図4に示すように、処理トレイ57は、積載される用紙束の後端側(図4の右側)に向かって下向きに傾斜するように設けられている。処理トレイ57の用紙排出方向の上流端(図4の右端)には、用紙束の後端を揃える上流端支持部材57aが設けられている。
ステープル装置80は、処理トレイ57の上流端(図4の右端)近傍に設けられており、用紙束の後端に綴じ処理を行う。
ステープル装置80は図5に示すように、コの字状に折り曲げられたステープル針89を用紙束Qの下面に突き刺し、用紙束Qの上面から突出したステープル針89の先端部を折り曲げることによって、綴じ処理を行う。
具体的には、ステープル装置80は図6に示すように、ステープル本体部81と、ステープル本体部81に対して上下方向に移動する可動部82と、ステープル本体部81に対して引き出し可能なホルダー83と、を備えている。
ホルダー83には、ステープル針89を収容する針カートリッジ84が着脱可能に装着されている。ステープル針89は、例えば普通紙100枚からなる用紙束Qを綴じることが可能な長さを有している。針カートリッジ84には、例えばステープル針89が5000本収容されている。
ステープル本体部81には、針カートリッジ84からステープル針89を1本ずつ取り出し、取り出したステープル針89をコの字状に形成するフォーミング部(図示せず)が設けられている。また、ステープル本体部81には、針カートリッジ84内のステープル針89の有無を検知する針検知部81a(図4参照)が設けられている。
可動部82には、用紙束Qの厚みに応じてステープル針89の先端部の余剰部分をカットするカッター部85(図5参照)と、用紙束Qの上面から突出したステープル針89の先端部を折り曲げて用紙束Qを綴じるクリンチ部86(図5参照)と、が設けられている。カッター部85は、可動部82と一体で上下方向に移動するように構成されており、可動部82が用紙束Qの上面を押圧した状態でステープル針89のうちの用紙束Qの上面から所定量だけ離れた位置をカットする。これにより、カット後のステープル針89の突出量が一定になる。
ステープル本体部81には図6に示すように、カッター部85(図5参照)によりカットされた針屑を針屑排出口81bまで案内する2つの排出経路81cが設けられている。ステープル装置80の下方には図4に示すように、針屑を回収する回収容器61が設けられている。回収容器61は、用紙後処理装置30本体(装置本体、ここでは上部本体31)に対してステープル装置80の移動方向に沿って取り出し可能に設けられている。針屑排出口81bの下方には、針屑排出口81bから排出された針屑を捕集して回収容器61に案内するガイド部材62が設けられている。なお、本実施形態では後述するように、ガイド部材62の一部は、回収容器61と一体で形成されている。
ステープル装置80は、位置変更機構90によって用紙幅方向(図4の紙面に対して垂直方向)に移動可能であり、綴じ処理の内容に応じて処理トレイ57の下端部(上流端)に沿って所定位置に移動する。
具体的には、位置変更機構90は図4、図7および図8に示すように、用紙幅方向に延びるとともに複数の綴じ処理位置P1~P4にステープル装置80を案内するレール部材91と、レール部材91に沿ってステープル装置80を移動させる駆動部92と、によって構成されている。なお、図8および後述する図9では、理解を容易にするためにステープル装置80を3個描いているが、ステープル装置80は1個のみ設けられている。
また、位置変更機構90は、ステープル装置80を用紙排出方向(図7の左方向)に対して所定角度傾斜するように回動させることが可能である。具体的には、ステープル装置80は、用紙束Qの手前側(図7の下側)のコーナー部を綴じる場合は綴じ処理位置P1に移動されるとともに、ホルダー83が装置手前側を向くように配置される。また、ステープル装置80は、用紙束Qの幅方向中央部の2カ所を綴じる場合は綴じ処理位置P2およびP3に移動されるとともに、ホルダー83が用紙排出方向とは逆方向(図7の右方向)を向くように配置される。また、ステープル装置80は、用紙束Qの奥側(図7の上側)のコーナー部を綴じる場合は綴じ処理位置P4に移動されるとともに、ホルダー83が装置奥側を向くように配置される。
ガイド部材62は図8に示すように、ステープル装置80の移動領域の全域において、針屑排出口81b(図6参照)から排出された針屑を捕集可能に構成されている。すなわち、ガイド部材62は、綴じ処理位置P1~P4の全てにおいて、針屑排出口81bから排出された針屑を捕集可能に構成されている。
ガイド部材62は、ステープル装置80に対して回収容器61の取り出し方向下流側(図8の左側)に配置される第1ガイド部62aと、ステープル装置80に対して回収容器61の取り出し方向上流側(図8の右側)に配置される第2ガイド部62bと、第1ガイド部62aおよび第2ガイド部62bの間に配置される第3ガイド部62cと、によって構成されている。第3ガイド部62cには、回収容器61の内部に繋がる開口部62d(図4参照)が形成されている。第1ガイド部62aおよび第2ガイド部62bのそれぞれは、針屑を開口部62dに案内する複数の傾斜面によって形成されている。
第2ガイド部62bは、上部本体31に固定されたレール部材91に固定されている。その一方、第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cは、回収容器61と一体で形成されている。このため、図9に示すように、回収容器61が用紙後処理装置30から取り出される際に、第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cも回収容器61と一体で取り出される。
ガイド部材62および回収容器61は、帯電防止材料により形成されている。例えば、ガイド部材62および回収容器61は、導電材料としてカーボンを含有させたABS等の樹脂によって形成されている。なお、ガイド部材62および回収容器61は、SECC(亜鉛メッキ鋼板)等の板金を用いて形成されていてもよい。
また、ガイド部材62および回収容器61は、ステープル針89の材質(例えば軟鉄に亜鉛メッキ処理を施したもの)に対する摩擦係数が0.3以下、好ましくは0.1以下になるように形成されている。例えば、ガイド部材62および回収容器61をSECCにより形成すれば、ガイド部材62および回収容器61のステープル針89の材質に対する摩擦係数を0.3以下にすることができる。また、ガイド部材62および回収容器61を鏡面加工した金型を用いた樹脂成型により形成すれば、ガイド部材62および回収容器61のステープル針89の材質に対する摩擦係数を0.1以下にすることができる。
回収容器61は、ステープル装置80の移動方向(図8の左右方向)に延びるように形成されている。図10に示すように、回収容器61の底面61aは、ステープル装置80の移動方向の中央に向かって傾斜する2つの傾斜面61bと、2つの傾斜面61bの間に配置され下方に凹んだ凹部61cと、を有する。このため、傾斜面61bに落下した針屑は、傾斜面61bに沿って中央部(凹部61c)に向かって移動する。
回収容器61は図4に示すように、用紙後処理装置30に設けられた収容部42に配置されている。収容部42には、回収容器61の満杯検知を行う満杯検知機構110が設けられている。満杯検知機構110により回収容器61の満杯が検知されると、後処理制御部101から本体制御部100に満杯信号が送信される。これにより、画像形成装置10の操作パネル12(図2参照)は回収容器61が満杯になったことを通知し、ユーザーによって回収容器61が収容部42から取り出され針屑が廃棄される。なお、操作パネル12による通知とは、表示部に通知内容を表示することだけでなく、LEDランプの点灯や、音声による通知等を含む概念である。
満杯検知機構110は図10に示すように、回収容器61に沿って延びるように形成されるとともに回収容器61が上部に載置される板金製の載置板111と、載置板111を上方に付勢する圧縮コイルバネ等からなる付勢部材112と、検知センサー113と、によって構成されている。
載置板111は、取り出し方向下流側(図10の左側)に配置され収容部42の側面に軸支された軸部114を中心として、取り出し方向上流側(図10の右側)の端部が上下方向に揺動するように構成されている。載置板111の取り出し方向上流側の端部には、下方に突出する遮光部111aが設けられている。検知センサー113は、発光部および受光部(いずれも図示せず)が対向するように設けられたPIセンサーからなる。
回収容器61が満杯になっていない状態では、載置板111は付勢部材112によって押し上げられており、遮光部111aは検知センサー113の光路を遮断しない。その一方、回収容器61が満杯になると、載置板111は針屑の重量によって押し下げられ、遮光部111aは検知センサー113の光路を遮断する。これにより、検知センサー113は、回収容器61の満杯を検知し、満杯検知信号を後処理制御部101に送信する。
本実施形態では、上記のように、ガイド部材62は、綴じ処理位置P1~P4の全てにおいて、針屑排出口81bから排出された針屑を捕集可能に構成されている。これにより、ステープル装置80が綴じ処理位置P1~P4のいずれの位置で綴じ処理を行っている場合であっても、針屑排出口81bから排出される針屑をガイド部材62で捕集して回収容器61に案内することができ、針屑排出口81bから排出された針屑が飛散するのを抑制することができる。
また、ステープル装置80が綴じ処理位置P1~P4で綴じ処理を行っている際に針屑排出口81bを閉じる必要がないので、針屑排出口81bにシャッターを設ける必要がない。このため、針屑を針屑排出口81bに一旦滞留させることがないので、針屑が針屑排出口81bで滞留したり、針屑が塊になって針屑排出口81bから排出されにくくなったりするのを抑制することができる。
また、上記のように、ガイド部材62の一部(第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62c)は、回収容器61と一体で形成されている。これにより、ガイド部材62と回収容器61との接続部で針屑が滞留するのを抑制することができる。また、針屑が第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cで滞留した場合であっても、回収容器61と一体で第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cを取り出すことができるので、第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cに滞留した針屑を容易に廃棄することができる。また、回収容器61を容易に第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cと一体で取り出すことができる。
また、上記のように、回収容器61の底面61aには、ステープル装置80の移動方向の中央に向かって下方に傾斜する傾斜面61bが形成されている。これにより、ステープル装置80が例えば綴じ処理位置P1又はP4のみで綴じ処理を行った場合であっても、針屑は傾斜面61bに沿って中央部(凹部61c)に向かって移動する。すなわち、針屑が綴じ処理位置P1又はP4の下方(図8に左端部)に偏って堆積するのを抑制することができる。このため、満杯検知機構110にかかるモーメントが綴じ処理位置に応じて変化するのを抑制することができるので、重量検知(満杯検知)の精度を向上させることができる。
また、上記のように、ガイド部材62は、ステープル装置80の移動領域の全域において、針屑排出口81bから排出された針屑を捕集可能に構成されている。これにより、ステープル装置80の移動途中や、ステープル装置80が綴じ処理位置P1~P4以外の位置に配置された状態で、針屑が針屑排出口81bから排出された場合であっても、ガイド部材62により針屑を捕集することができるので、針屑が飛散するのをより抑制することができる。
また、上記のように、ガイド部材62は、帯電防止材料により形成されている。これにより、針屑が静電気によりガイド部材62に付着するのを抑制することができるので、針屑がガイド部材62に滞留するのを抑制することができる。
また、上記のように、ガイド部材62のステープル針89の材質に対する摩擦係数は、0.3以下であり、好ましくは0.1以下である。これにより、針屑がガイド部材62に対して滑りやすくなるので、針屑がガイド部材62に滞留するのをより抑制することができる。
また、上記のように、ガイド部材62は、樹脂により形成されている。これにより、ガイド部材62のステープル針89の材質に対する摩擦係数を、容易に0.1以下にすることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る用紙後処理装置30では、図11に示すように、ガイド部材62は、上記第1実施形態と同様、ステープル装置80の移動領域の全域において、針屑排出口81b(図6参照)から排出された針屑を捕集可能に構成されている。すなわち、ガイド部材62は、綴じ処理位置P1~P4の全てにおいて、針屑排出口81bから排出された針屑を捕集可能に構成されている。
ここで、第1ガイド部62a、第2ガイド部62bおよび第3ガイド部62cは、上記第1実施形態と異なり、一体で形成されているとともに、レール部材91に固定されている。このため、回収容器61が用紙後処理装置30から取り出される際に、第1ガイド部62a、第2ガイド部62bおよび第3ガイド部62cはレール部材91に固定されたまま、回収容器61のみが取り出される。また、第3ガイド部62cは、収容部42の外部から内部に延びるように形成されており、第3ガイド部62cの下端は、収容容器61の上方に配置されている。
また、ガイド部材62および回収容器61は、上記第1実施形態と同様、帯電防止材料により形成されているとともに、ステープル針89の材質に対する摩擦係数が0.3以下、好ましくは0.1以下になるように形成されている。
第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態のように、第1ガイド部62a、第2ガイド部62bおよび第3ガイド部62cが一体で形成されている場合であっても、ガイド部材62を、綴じ処理位置P1~P4の全てにおいて、針屑排出口81bから排出された針屑を捕集するように構成することによって、針屑排出口81bから排出された針屑が飛散するのを抑制することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態においては、画像形成装置10と用紙後処理装置30とを直接接続した構成を例に挙げて説明したが、画像形成装置10と用紙後処理装置30との間に合紙を挿入するインサート装置が搭載された構成においても本発明を適用することができる。
また、例えば上記第1実施形態では、第1ガイド部62aおよび第3ガイド部62cのみを回収容器61と一体で形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、第1ガイド部62a、第2ガイド部62bおよび第3ガイド部62cの全てを回収容器61と一体で形成してもよい。この場合、例えば、回収容器61を一旦、用紙排出方向上流側(図8の下側)又は下方に移動させてから取り出せば、第2ガイド部62bがステープル装置80に接触するのを回避することが可能である。
また、上記実施形態では、ガイド部材62および回収容器61を樹脂により形成する場合に、導電材料としてカーボンを含有させる例について示したが、カーボン以外の導電材料を用いてもよい。
また、上記実施形態では、カッター部85を、可動部82と一体で上下方向に移動するとともに、可動部82が用紙束Qの上面を押圧した状態でステープル針89のうちの用紙束Qの上面から所定量だけ離れた位置をカットするように、構成する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、用紙束Qの厚みに関する情報を取得し、その情報に基づいてカッター部85を上下方向に移動させることによって、ステープル針89のカット位置を設定してもよい。この場合、用紙束Qの厚みを検知する厚みセンサーを設けたり、操作パネル12への入力情報から用紙束Qの厚みを算出したりすることによって、用紙束Qの厚みに関する情報を取得してもよい。
また、上述した実施形態および変形例の構成を適宜組み合わせて得られる構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
10 画像形成装置
30 用紙後処理装置(シート後処理装置)
31 上部本体(装置本体)
61 回収容器
61a 底面
61b 傾斜面
62 ガイド部材
62a 第1ガイド部
62b 第2ガイド部
62c 第3ガイド部
62d 開口部
80 ステープル装置
81b 針屑排出口
85 カッター部
89 ステープル針
90 位置変更機構
91 レール部材
P1~P4 綴じ処理位置
Q 用紙束(シート束)

Claims (7)

  1. 画像が形成されたシート束をステープル針により綴じるステープル装置と、
    綴じ処理時に綴じるシート束の厚みに応じてステープル針の先端部の余剰部分をカットするカッター部と、
    前記カッター部によりカットされた針屑を回収する回収容器と、
    前記ステープル装置に設けられた針屑排出口から排出された針屑を捕集して前記回収容器に設けられた開口部に案内するガイド部材と、
    複数の綴じ処理位置に前記ステープル装置を案内するレール部材を有し、前記ステープル装置をシート幅方向に移動可能に支持する位置変更機構と、
    を備え、
    前記ガイド部材は、前記複数の綴じ処理位置の全てにおいて、前記針屑排出口から排出された針屑を捕集可能に構成され
    前記ガイド部材の少なくとも一部は、前記回収容器と一体で形成され、
    前記回収容器は、装置本体に対して前記ステープル装置の移動方向に沿って取り出し可能に設けられ、
    前記ガイド部材は、前記ステープル装置に対して前記回収容器の取り出し方向下流側に配置される第1ガイド部と、前記ステープル装置に対して前記回収容器の取り出し方向上流側に配置される第2ガイド部と、前記第1ガイド部および前記第2ガイド部の間に配置される第3ガイド部と、によって構成されており、
    前記第1ガイド部および前記第3ガイド部は、前記回収容器と一体で形成されており、
    前記第2ガイド部は、前記装置本体に固定された前記レール部材に取り付けられていることを特徴とするシート後処理装置。
  2. 前記回収容器は、前記ステープル装置の移動方向に延びるように形成されており、
    前記回収容器の底面には、前記ステープル装置の移動方向の中央に向かって下方に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記ステープル装置の移動領域の全域において、前記針屑排出口から排出された針屑を捕集可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート後処理装置。
  4. 前記ガイド部材は、帯電防止材料により形成されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のシート後処理装置。
  5. 前記ガイド部材の前記ステープル針の材質に対する摩擦係数は、0.3以下であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のシート後処理装置。
  6. 前記ガイド部材は、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項に記載のシート後処理装置。
  7. 請求項1~のいずれか1 項に記載のシート後処理装置と、
    前記シート後処理装置に連結され、シートに画像を形成するとともに画像が形成されたシートを前記シート後処理装置に搬送する画像形成装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
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