(A)第1の実施形態
以下、本発明によるネットワークシステム、センサ情報処理装置、センサ情報処理プログラム、及び管理方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明のセンサ情報取得装置をセンサ情報登録装置に適用し、本発明のセンサ情報管理装置をセンサ情報処理装置に適用した例について説明する。
(A-1)第1の実施形態の構成
図1は、この実施形態のネットワークシステム1の全体構成を示すブロック図である。なお、図1において、括弧内の符号は、後述する第2の実施形態でのみ用いられる符号である。
ネットワークシステム1は、所定の領域に複数のセンサ装置40が配置されたセンサネットワークSNを用いてセンサデータ(各センサ装置40のセンサで取得されるセンサデータ)を収集するシステムである。この実施形態の例では、センサネットワークSNには、19個のセンサ装置40-0~40-18が配置されているものとするが、センサネットワークSN内のセンサ装置40の数は限定されないものである。
また、ネットワークシステム1には、センサ情報登録装置10及びセンサ情報管理装置20が備えられている。なお、センサ情報登録装置10やセンサ情報管理装置20の数についても複数としても良い。
センサ情報登録装置10、センサ情報管理装置20、及びセンサネットワークSNは、ネットワークNに接続されている。ネットワークNの構成は限定されないものであるが、例えば、インターネット等のIPネットワークを適用することができる。
センサネットワークSNでは、各センサ装置40-0~40-18のセンサデータが基地局装置30(ゲートウェイ)により収集される。そして、基地局装置30は、収集したセンサデータを図示しない外部装置に供給する。本発明では、基地局装置30が収集したセンサデータの処理自体は直接関連しないため、図1においてはセンサデータを収集して処理(例えば、統計処理や監視処理等)を行うセンサデータ処理装置については図示を省略している。
図2は、センサネットワークSNにおける各装置(基地局装置30、及びセンサ装置40)の実際の配置位置の例について示した説明図である。
図2では、センサネットワークSNを構成するセンサ装置40-0~40-Nのうち、19個のセンサ装置40-0~40-18の位置について図示している。図2では、上方向を北方向として図示している。図2では、センサネットワークSNの各装置は、山道Rに沿って山道Rの西側に並べて配置されている。この実施形態では、基地局装置30は、少なくともセンサ装置40A-0と直接無線通信可能な位置に配置されているものとする。この実施形態では、基地局装置30はセンサ装置40と別個の装置であるものとして説明するが、代表となるセンサ装置40に基地局装置30の機能(例えば、基地局装置30に対応するソフトウェア)を併せて搭載するようにしてもよい。
図2では、基地局装置30の南側に、センサ装置40-0~40-18が配置されている。
センサネットワークSN内の各ノード間の通信方式は限定されないものであるが、この実施形態では、IEEE 802.15.4を利用した通信(例えば、Zigbee等の規格に基づく通信)が行われるものとする。すなわち、この実施形態では、センサネットワークSNは、無線マルチホップネットワークであるものとする。
この実施形態では、センサネットワークSN上の各ノードには、IEEE802.15.4で規定される64ビットのMACアドレスに加えて、16ビットのショートアドレス(IEEE 802.15.4のショートアドレス)が割り当てられているものとする。ここでは、センサ装置40-0~40-18にはそれぞれ0x0000~0x0012(16進数)が割り当てられているものとする。
次に、各センサ装置40の構成について説明する。この実施形態では、各センサ装置40の構成は全て同じであるものとして説明する。
図3は、センサ装置40の概略構成について示した図である。図3(a)は、センサ装置40の正面図である。図3(b)は、センサ装置40の概略側断面図である。
図3に示すように、センサ装置40は、略四角柱形状の杭401と、杭401の側面につけられた防水ケース402と、杭401の側面につけられた識別情報表示部403とを有している。図3に示すように、防水ケース402は、杭401の一方の端部付近に付けられているものとする。以下では、杭401において、防水ケース402の付けられている方の端部を上端と呼び、他方の端部の下端と呼ぶものとする。
略四角柱形状の杭401は、通常時下端が地面に打ち込まれた状態で設置される。
図3(b)に示すように、防水ケース402の中には、センサ通信装置400が内蔵されている。杭401の下端の内部空間には、地中の土中水分量を測定するための土中水分量センサ404が配置されている。なお、センサ通信装置400は必ずしも防水ケース402に内蔵させるようにしなくても良い。すなわち、センサ装置40において、センサ通信装置400の設置位置は限定されないものである。
また、この実施形態では、センサ装置40は杭型のセンサであるものとして説明するが、センサ装置40の外形は限定されないものであり、球形や直方体等の他の形状としてもよい。
またこの実施形態では、図3(a)に示すように、当該センサ装置40の防水ケース402の外周面(図3(a)では正面)に、センサネットワークSN上での当該センサ通信装置400の識別子(例えば、センサネットワークSN上で用いられるショートアドレスやMACアドレス等;以下、「装置識別情報」と呼ぶ)を示す画像(識別子が符号化された二次元バーコード等の画像)が表示されているものとする。図3(a)では、防水ケース402の正面に、センサ通信装置400の装置識別情報を示す画像が付されている。図3(a)では、防水ケース402の正面に、装置識別情報として、ショートアドレスが符号化された二次元バーコードの画像が付されている。なお、装置識別情報は、センサ通信装置400のショートアドレスに限定されず、MACアドレス等の他の識別情報(センサネットワークSN上で当該センサ通信装置400にアクセス可能な他の識別情報)としてもよい。また、複数の識別情報(例えば、MACアドレスおよびショートアドレス)をまとめて装置識別情報として取り扱うようにしてもよい。なお、この実施形態では、図3(a)に示すように、装置識別情報を示す画像を、防水ケース402に付しているが、センサ装置40において、装置識別情報を示す画像の位置は限定されないものである。例えば、装置識別情報を示す画像を、防水ケース402の中のセンサ通信装置400自体に付すようにしてもよいし、杭401や識別情報表示部403に付すようにしてもよい。
識別情報表示部403は、当該センサ装置40を視覚的に識別することが可能な情報(以下、「物体識別情報」と呼ぶ)が表示された部分である。
この実施形態において、物体識別情報としては、例えば、センサ装置40の外観や設置場所を撮影した写真(又は動画像)であっても良い。また、物体識別情報としては、センサ装置40を識別するために割り振られたラベルや識別番号を撮影した写真(又は動画像)であっても良い。この実施形態のセンサ情報登録装置10では、上述の通り、識別情報表示部403に表示された情報(文字列)を含む画像を、センサ装置40の物体識別情報として取得するものとして説明する。
図3では、識別情報表示部403は、物体識別情報(図3では、「001」という文字列)が表示された板となっている。この実施形態では、各センサ装置40-0~40-18の識別情報表示部403に、それぞれ「000」~「018」という文字列(番号)が表示されているものとする。各センサ装置40の物体識別情報には、少なくとも識別情報表示部403に表示された文字列(番号)の画像が含まれるものとする。これにより、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や保守作業者)は、物体識別情報の画像と見比べることで、設置現場にて各センサ装置40を視覚的に識別することが可能となる。
識別情報表示部403に表示される物体識別情報は、必ずしも防水ケース402内部のセンサ通信装置400を指し示す情報でなくても良い。例えば、識別情報表示部403に表示される物体識別情報は、杭401自体の識別情報であっても良い。この実施形態では、杭401は、最初からセンサ装置40を構成するセンサ通信装置400を取り付ける物体(媒体)として製造されたものとして説明するが、杭401を電柱(例えば、送電線や電話線を架け渡すための柱)や鉄塔(例えば、電波送受信アンテナの鉄塔)等の別の目的で設置された物を適用するようにしてもよい。すなわち、センサ通信装置400を、電柱に取り付けて、全体をセンサ装置40として取り扱うようにしてもよい。この場合、物体識別情報としては、当該電柱自体の識別子(当該電柱の設備としての識別子等)を適用することができる。この場合、識別情報表示部403としては、当該電柱の識別子が表示されたラベル等が該当する。
ネットワークシステム1では、センサ装置40の動作(杭401の動作)を検知することにより、センサ装置40が配置された領域の地面や地中の変異(例えば、がけ崩れ、地滑り等の土砂移動)に関するデータ収集や監視を行うことができる。
次に、センサ通信装置400の内部構成について説明する。
図4は、センサ通信装置400内部の機能的構成について示したブロック図である。
センサ通信装置400は、通信部41、制御部42、装置識別情報通知部43、温度センサ44、及び加速度センサ45を有している。また、センサ通信装置400には、杭401の内部に設置された土中水分量センサ404も接続されている。
温度センサ44は、周囲の温度を検知してその検知結果を出力するものである。
加速度センサ45は、加速度(センサ通信装置400自体が動作した場合の加速度)が発生した場合にその加速度を検知してその検知結果を出力するものである。センサ通信装置400では、加速度センサ45により、杭401の動作(例えば、杭401が倒れた角度や移動した距離)を検知することができる。
土中水分量センサ404は、土中の水分量を検知するセンサである。
この実施形態では、センサ通信装置400自体に温度センサ44及び加速度センサ45を内蔵し、センサ通信装置400の外部に土中水分量センサ404を配置したが、センサ通信装置400で各センサのデータを保持する方式は限定されないものである。例えば、センサ通信装置400においてセンサを内蔵せずにすべて外部のセンサからデータを保持する構成としてもよい。また、センサ通信装置400において、接続するセンサ(センサデータを保持する対象のセンサ)の種類や数は限定されないものである。
通信部41は、無線通信を行うためのインタフェースである。通信部41は、センサネットワークSNに接続可能な無線通信方式(この実施形態には、IEEE 802.15.4に対応した無線通信方式)に対応しているものとする。
制御部42は、通信部41を用いて行う通信処理や装置全体の制御を行うものである。制御部42は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータ上にプログラム(実施形態に係るセンサ通信プログラムを含む)をインストールすることにより実現することができる。
制御部42は、センサデータ処理部421を有している。
センサデータ処理部421は、各センサ(この実施形態では、温度センサ44、加速度センサ45、及び土中水分量センサ404)の検知結果に基づきセンサデータを生成し、当該センサデータを処理するものである。センサデータ処理部421は、例えば、取得したセンサデータを通信等により外部に送信(通信部41を用いて基地局装置30宛に送信)する処理等を行う。
装置識別情報通知部43は、外部装置(例えば、センサ情報登録装置10)に、自装置の装置識別情報を通知(伝達)する手段である。装置識別情報通知部43が、外部装置に自装置の装置識別情報を通知する具体的手段は限定されないものであるが、例えば、無線通信により実現するようにしてもよいし、ディスプレイ等の表示装置により表示(例えば、二次元バーコードや文字列等により表示)するようにしてもよい。なお、この実施形態では、センサ装置40の識別情報表示部403に装置識別情報を示す画像(二次元バーコード)が表示されているため、当該識別情報表示部403を装置識別情報通知部43として機能させるようにしてもよい。すなわち、センサ装置40(センサ通信装置400)では、センサ通信装置400から装置識別情報通知部43を除外し、識別情報表示部403のみを用いて外部装置に装置識別情報を通知(伝達)するようにしてもよい。
次に、基地局装置30の内部構成について説明する。
図5は、基地局装置30内部の機能的構成について示したブロック図である。
基地局装置30は、第1の通信部31、制御部32、及び第2の通信部33を有している。
第1の通信部31は、センサネットワークSNの各センサ装置40(センサ通信装置400)に接続するための通信インタフェースである。第1の通信部31は、各センサ通信装置400と同様の通信方式に対応しているものとする。
第2の通信部33は、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。第2の通信部33としては、ネットワークNに接続可能な種々のインタフェース(例えば、有線イーサネット(登録商標)のインタフェース等)を適用することができる。
制御部32は、装置全体の制御、及びセンサネットワークSNの制御等を行うものである。制御部32としては、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータ上にプログラム(実施形態に係る通信制御プログラムを含む)をインストールすることにより実現することができる。
制御部32は、センサ制御部321及びセンサデータ保持部322を有している。
センサ制御部321は、センサネットワークSN上の各センサ装置40(センサ通信装置400)と通信して制御する処理を行う。例えば、センサ制御部321は、各センサ装置40からセンサデータの送信を要求したり、各センサ装置40に対する通信制御処理等を行う。
センサデータ保持部322は、各センサ装置40(センサ通信装置400)に関するデータを保持し、保持しているデータを外部装置(例えば、センサ情報登録装置10)に送信する。センサデータ保持部322は、各センサ装置40から収集したセンサデータや、センサネットワークSNに参加する各センサ装置40のネットワーク構成に関する情報(以下、「ネットワーク構成情報」と呼ぶ)を保持する。ネットワーク構成情報には、例えば、各センサ装置40のアドレス情報(MACアドレス及び又はショートアドレス)や、センサ装置40間の接続状態を示すネットワークトポロジー情報等が含まれる。
次に、センサ情報登録装置10の内部構成について説明する。
図6は、センサ情報登録装置10内部の機能的構成について示したブロック図である。
センサ情報登録装置10は、通信部11、制御部12、測位部13、操作表示部14、及びカメラ15を有している。
センサ情報登録装置10は、ハードウェア的には、例えば、スマートホンやモバイルPC等の可搬端末を適用するようにしてもよい。
通信部11は、ネットワークNに接続するためのネットワークインタフェースである。センサ情報登録装置10(通信部11)が、ネットワークNに接続する具体的なインタフェースについては限定されないものであり、例えば、移動体通信網(無線通信網)を介してネットワークNに接続する構成としても良い。
測位部13は、自装置の位置を測位して位置情報を取得するデバイスである。測位部13が対応する測位方式については限定されないものであるが、例えば、衛星STからの信号を受信して自装置の位置を測位するGPS(Global Positioning System)機能や、自立航法等を用いて位置情報を取得する。
カメラ15は、ユーザの操作に応じた方向を撮像して画像データを出力するデバイスである。
操作表示部14は、制御部12の制御に応じた情報出力やユーザからの操作入力を受け付けることができるデバイス(ユーザインタフェース)である。操作表示部14の具体的なハードウェア構成については限定されないものであるが、例えば、タッチパネルディスプレイ等を用いることができる。
制御部12は、センサ情報登録装置10の全体を制御するものである。制御部12は、装置識別情報取得部121、センサ情報通知部122、物体識別情報取得部123、及び位置情報取得部124を有している。センサ情報登録装置10(制御部12)としては、例えば、メモリ及びプロセッサを備えるコンピュータにプログラム(実施形態にかかるセンサ情報取得プログラム)をインストールすることにより実現するようにしても良い。例えば、センサ情報登録装置10がスマートホンである場合、センサ情報登録装置10(制御部12)は、センサ情報登録プログラム(制御部12の各要素)に相当するアプリケーションをインストールすることにより実現するようにしても良い。また、制御部12を実現する一部の機能について、汎用的なアプリケーションを代用して用いる構成としても良い。
装置識別情報取得部121は、自装置の周囲のセンサ装置40(センサ通信装置400)から装置情報識別情報(この実施形態では、ショートアドレス)を取得する処理を行う。この実施形態では、センサ装置40(センサ通信装置400)には、ショートアドレスを示す二次元バーコードが付されているので、装置識別情報取得部121は、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)の操作によりカメラ15を用いて二次元バーコードが読み取られると、当該二次元バーコードからセンサ装置40(センサ通信装置400)の装置識別情報(ショートアドレス)を取得する処理を行う。
なお、センサ装置40(センサ通信装置400)が、他の方式(例えば、無線通信等)により装置識別情報を外部装置に通知(伝達)可能な場合には、装置識別情報取得部121は、当該方式に応じた手段により装置識別情報を取得する処理を行うようにしてもよい。
物体識別情報取得部123は、周囲のセンサ装置40(センサ通信装置400)に係る物体識別情報を取得する処理を行う。この実施形態では、物体識別情報取得部123は、ユーザの操作によりカメラ15を用いてセンサ装置40の物体識別情報が撮像された画像を物体識別情報として取得する処理を行う。
位置情報取得部124は、測位部13を用いて自装置の位置情報を取得する処理を行うものである。この実施形態のセンサ情報登録装置10では、自装置の位置(測位部13で取得した位置)を、装置識別情報取得部121や物体識別情報取得部123で情報取得したセンサ装置40(カメラ15で撮像したセンサ装置40)の位置とみなして取り扱うものとする。
センサ情報通知部122は、当該センサ情報登録装置10で取得したセンサ装置40(センサ通信装置400)ごとの情報を、外部装置(この実施形態では、センサ情報管理装置20)に送信する処理を行う。この実施形態では、センサ情報通知部122は、センサ装置40(センサ通信装置400)ごとに、装置識別情報取得部121で取得した装置識別情報と、位置情報取得部124(測位部13)で取得した位置情報と、物体識別情報取得部123で取得した物体識別情報とを対応付けて(紐づけて)センサ情報管理装置20に送信する処理を行う。
次に、センサ情報管理装置20の内部構成について説明する。
図7は、センサ情報管理装置20内部の機能的構成について示したブロック図である。
センサ情報管理装置20は、通信部21、制御部22、記憶部23、及び操作表示部24を有している。
センサ情報管理装置20は、ハードウェア的には、例えば、スマートホンやモバイルPC等の可搬端末(モバイル端末)を適用するようにしてもよい。
通信部21は、ネットワークNに接続するためのネットワークインタフェースである。センサ情報管理装置20(通信部21)が、ネットワークNに接続する具体的なインタフェースについては限定されないものであり、例えば、移動体通信網(無線通信網)を介してネットワークNに接続する構成としても良い。
操作表示部24は、制御部22の制御に応じた情報出力やユーザからの操作入力を受け付けることができるデバイス(ユーザインタフェース)である。操作表示部24の具体的なハードウェア構成については限定されないものであるが、例えば、タッチパネルディスプレイ等を用いることができる。
制御部22は、センサ情報管理装置20の全体を制御するものである。制御部22は、センサ情報取得部221、ネットワーク情報管理部222、センサ情報表示部223を有している。センサ情報管理装置20(制御部22)としては、例えば、メモリ及びプロセッサを備えるコンピュータにプログラム(実施形態にかかるセンサ情報管理プログラム)をインストールすることにより実現するようにしても良い。
センサ情報取得部221は、センサ情報登録装置10から受信したセンサ情報を保持して、記憶部23に記憶させる。1つのセンサ情報には、1つのセンサ装置40(センサ通信装置400)の装置識別情報と、位置情報と、物体識別情報が含まれている。
記憶部23には、センサ装置40(センサ通信装置400)ごとのセンサ情報を管理するためのセンサ情報DB231が格納されている。センサ情報取得部221は、受信したセンサ情報にもとづいて、センサ情報DB231の情報を更新する。この実施形態では、センサ情報DB231はセンサ情報管理装置20自体に格納されるものとして説明するが、センサ情報DB231を記憶する装置や論理的な位置は限定されないものである。例えば、センサ情報DB231をインターネットのクラウド上のストレージに保持しておき、複数のセンサ情報管理装置20で同じ内容のセンサ情報DB231を共有可能とするようにしても良い。
センサ情報DB231には、センサ装置40(センサ通信装置400)ごとのセンサ情報が登録されているものとする。センサ情報取得部221は、センサ情報を受信すると、当該センサ情報に対応するセンサ装置40のセンサ情報DB231が登録されていない場合にはセンサ情報DB231に受信したセンサ情報を追加し、すでに登録されている場合には登録されているセンサ情報を最新に受信したセンサ情報に置き換える処理を行う。センサ情報DB231において、各センサ装置40を識別するための主キーは限定されないものであるが、例えば、装置識別情報を適用するようにしても良い。
ネットワーク情報管理部222は、センサネットワークSNに参加する各ノード(センサ装置40や基地局装置30等)の通信制御に関する情報を管理する処理を行う。ネットワーク情報管理部222は、センサネットワークSNに参加する各ノードのアドレス情報(MACアドレス及び又はショートアドレス)や、センサ装置間の接続状態を示すネットワークトポロジー情報等を含むネットワーク構成情報を管理する。
ネットワーク情報管理部222は、基地局装置30を介して、センサネットワークSN上の各ノードのネットワーク構成情報を取得し、センサネットワークSN上の各ノードのネットワーク的な状態を管理する。
センサ情報表示部223は、センサ情報取得部221より取得したセンサ情報と、ネットワーク情報管理部222より取得したネットワーク構成情報とを関連付けて表示する画面(GUIを用いた操作画面)を生成するものである。そして、センサ情報表示部223は、操作表示部24を用いてユーザに提示する。以下では、センサ情報表示部223が生成する画面(操作画面)を、「センサ情報表示画面」とも呼ぶ。
また、センサ情報表示部223は、各センサ装置40(センサ通信装置400)の位置情報にもとづいて、各センサ装置40の周辺の地図情報を取得し、センサ情報表示画面の背景に表示する。すなわち、センサ情報表示部223は、各センサ装置40の位置を地図の画像に重ねて表示する処理を行う。センサ情報表示部223が地図情報を保持する手段については限定されないものであるが、例えば、ネットワークNに配置された図示しない地図情報提供サーバ(例えば、インターネット上の地図情報)から取得するようにしても良い。
図8は、センサ情報表示画面の構成例について示した説明図である。
図8に示すセンサ情報表示画面では、地図の画像の上に、各センサ装置40-0~40-18(センサ通信装置400)及び基地局装置30の位置のシンボル(円形のシンボル)が重ねて表示(マッピング)されている。また、図8に示すセンサ情報表示画面では、各センサ装置40-0~40-18を示すシンボルに当該センサ装置40のショートアドレス(0x0001~0x0012のいずれか)の画像が付されている。
図1では、基地局装置30の位置についてもセンサ情報表示画面に図示されているが、センサ情報表示画面から基地局装置30の情報については除外するようにしても良い。
センサ情報表示部223が、基地局装置30の位置情報を保持する方法については限定されないものである。
例えば、ネットワークシステム1において、ハードウェア的に、基地局装置30はセンサ装置40(センサ通信装置400)と同様の構成とし、センサ装置40(センサ通信装置400)と同様の処理により、センサ情報表示部223に基地局装置30の位置情報等のセンサ情報表示画面で必要となる情報を供給するようにしても良い。この場合、例えば、センサ装置40のセンサ通信装置400を、基地局装置30に置き換えた構成としても良い。
また、図8に示すように、センサ情報表示画面では、各センサ装置40(センサ通信装置400)間のトポロジの状態を示すネットワークトポロジー情報が表示されている。具体的には、図8に示すセンサ情報表示画面では、各センサ装置40を示すシンボルの間には、各センサ装置40間のトポロジが確立していること(正常に通信可能であること)を示す点線が図示されている。
さらに、図9に示すように、センサ情報表示画面では、各センサ装置40(センサ通信装置400)に対応するシンボルが操作(例えば、マウス等によるクリック)されると、各センサ装置40(センサ通信装置400)の詳細情報を表示するポップアップ画面が表示される。
以上のように、センサ情報表示部223が生成するセンサ情報表示画面では、実際に各センサ装置40(センサ通信装置400)の設置現場において、各センサ装置40(センサ通信装置400)を視覚的に識別可能にする物体識別情報(例えば、外観や設置場所、識別番号等を示す画像)が閲覧可能(表示可能)となっている。また、センサ情報表示部223が生成するセンサ情報表示画面では、ネットワークトポロジー情報が表示されるため、故障や電波障害等により周辺のノードと通信不可(接続ができない状態)となったセンサ装置40(センサ通信装置400)を視覚的に表示することができる。例えば、センサ情報表示画面において、いずれのノードともトポロジが表示されていないシンボルのセンサ装置40(センサ通信装置400)は、周囲のノードと通信不可となったことを示している。
また、センサ情報表示部223が生成するセンサ情報表示画面では、地図の画像と各センサ装置40(センサ通信装置400)に対応するシンボルをマッピングした画像を表示するので、各各センサ装置40(センサ通信装置400)の設置位置の間違い(例えば、予め定められた位置と異なる位置に設置されたこと等)を確認することもできる。
(A-2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のネットワークシステム1の動作(実施形態に係る管理方法)を説明する。
まず、センサ情報登録装置10により、センサ装置40(センサ通信装置400)からセンサ情報が取得され、センサ情報管理装置20で保持される動作について図10のシーケンス図を用いて説明する。
センサ情報登録装置10では、例えば、ユーザの操作(例えば、この実施形態のセンサ情報取得プログラムに相当するアプリケーションの起動)に応じて、センサ情報を取得する処理(図10のステップS101~S104の処理)が実行される。
まず、センサ情報登録装置10の装置識別情報取得部121により、任意のセンサ装置40(センサ通信装置400)の装置識別情報が取得される(S101)。センサ情報登録装置10は、例えば、操作表示部14を介してユーザにいずれかのセンサ装置40の装置識別情報(二次元バーコード)をカメラで撮像するように誘導する処理(例えば、所定のメッセージの表示等)を行う。そして、当該誘導に応じて、ユーザが、操作表示部14を操作し、カメラ15でいずれかのセンサ装置40の装置識別情報(二次元バーコード)を撮像することで、装置識別情報取得部121は装置情報識別情報を取得(例えば、二次元バーコードを復号して得られるショートアドレスやMACアドレスを取得)することができる。
次に、センサ情報登録装置10の物体識別情報取得部123により、センサ装置40(ステップS101で装置識別情報を取得したものと同じセンサ装置40)の物体識別情報が取得される(S102)。物体識別情報取得部123は、例えば、操作表示部14を介してユーザに当該センサ装置40の物体識別情報が表示された識別情報表示部403をカメラで撮像するように誘導する処理(例えば、所定のメッセージの表示等)を行う。そして、当該誘導に応じて、ユーザが、操作表示部14を操作し、カメラ15でいずれかのセンサ装置40の物体識別情報(識別情報表示部403)を撮像することで、センサ情報表示部223は物体識別情報を取得することができる。
次に、センサ情報登録装置10の位置情報取得部124により、測位部13が制御され位置情報が取得される(S103)。
次に、センサ情報登録装置10のセンサ情報通知部122により、ステップ101~S104で取得された各情報(装置識別情報、物体識別情報、及び位置情報)を紐付けたセンサ情報が生成され、当該センサ情報が、センサ情報管理装置へ送信される(S104)。
次に、センサ情報登録装置10により送信されたセンサ情報が、センサ情報管理装置20の制御部22(センサ情報取得部221)により取得される。そして、センサ情報取得部221は、受信したセンサ情報にもとづいて、センサ情報DB231を更新する(S105)。
以上のように、ネットワークシステム1を構築する際、ユーザ(例えば、センサ装置40を設置する作業員等)がセンサ情報登録装置10を操作して、各センサ装置40についてセンサ情報を取得する操作が行われることで、センサ情報管理装置20に各センサ装置40のセンサ情報が保持されることになる。
なお、センサ情報管理装置20において、センサ情報を保持する方法は限定されないものであり、例えば、センサ情報登録装置10以外の装置で編集された情報(センサ情報に相当する情報)を読み込むようにしても良い。
次に、ユーザ(例えば、センサ装置40の保守等を行う作業員)の操作に応じて、センサ情報管理装置20がセンサ情報表示画面を表示する処理について図11のフローチャートを用いて説明する。
図12、図13は、センサ情報表示画面の遷移の例について示した説明図である。
上述のように、センサ情報管理装置20のセンサ情報表示部223は、地図の画像上で、センサ情報取得部221より取得したセンサ情報と、ネットワーク情報管理部222より取得したネットワーク構成情報とを視覚的に関連付けた(紐づけた)センサ情報表示画面を表示する処理を行う。センサ情報表示部223は、例えば、一定時間ごとにセンサネットワークSN(基地局装置30)から最新のネットワーク構成情報を取得し、前回取得したときと比較して変動があった場合その変動に応じて、センサ情報表示画面の内容も更新する処理を行う。例えば、全てのセンサ装置40-0~40-18で通信障害が発生していない場合には、図8に示すように、基地局装置30から、全てのセンサ装置40-0~40-18に通信可能なトポロジとなっている。その後、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)とセンサ装置40-9(ショートアドレス:0x0009)との間のリンクが途切れ、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)のみがセンサネットワークSNから孤立した状態となったものとする。この場合、図12に示すように、センサ情報表示画面においても、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)とセンサ装置40-9(ショートアドレス:0x0009)との間のリンクが消え、視覚的にセンサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)が孤立した状態となる。この場合、センサ情報表示画面では、図12に示すように、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)のシンボルの色を変更(図12では白色から黒色に変更)して、基地局装置30から通信不可となったことを視覚的に表示するようにしても良い。
以上のように、センサ情報管理装置20では、各センサ装置40の状態を監視し、異常が発生(問題が発生)したセンサ装置40に関する情報を視覚的に表示出力することができる。そして、ユーザ(センサネットワークSNの保守作業者等)は、センサ情報管理装置20の操作表示部24で表示されるセンサ情報表示画面を見て、センサネットワークSNの状態(異常発生の有無等)を視覚的に把握し、問題の発生したセンサ装置40を特定することができる。
ここでは、まず、センサ情報管理装置20のセンサ情報表示部223において、図12に示すように、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0012)で何らかの問題が発生し、通信が途切れた(センサネットワークSNから孤立した)ことを示す表示がなされたものとする(S105)。
その後、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や保守担当者)により、センサ情報管理装置20が現地(各センサ装置40の設置された領域)まで運ばれたものとする。なお、上述の通り、センサ情報管理装置20は複数設置されていても良いため、そのうちの一台をモバイルPC等により構築したものをユーザが現地まで運び、センサ装置40の探索に利用するようにしても良い。
そして、センサ情報管理装置20で表示されたセンサ情報表示画面で、ユーザにより、問題の発生したセンサ装置40-17(ショートアドレス:0x0012)のシンボルが操作(例えば、マウスによるクリック操作)されたものとする。そうすると、センサ情報表示部223は、図13に示すように、センサ情報表示画面に、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0012)のセンサ情報が表示されたポップアップ画面を追加表示する(S106)。
これにより、ユーザは、問題の発生したセンサ装置40(探索対象のセンサ装置40)の物体識別情報を参照することができるので、実際のセンサ装置40の設置現場で、目的とするセンサ装置40を視覚的に識別する。この実施形態では、図13に示すように、物体識別情報としての画像(センサ装置40の外観と識別番号を含む画像)が紐付けられており、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)は、当該画像の内容に基づき、目的とするセンサ装置40を視覚的に識別する。また、ユーザは、他のセンサ装置40の物体識別情報(外観の画像)と位置情報をランドマークとして、目的とするセンサ装置を識別するとしても良い。
(A-3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態のセンサ情報登録装置10では、センサ装置40の装置識別情報、物体識別情報および位置情報を対応付けた(紐付けた)センサ情報を取得して、センサ情報管理装置20に供給している。そして、センサ情報管理装置20では、地図上にセンサ情報とネットワーク構成情報とを視覚的に紐づけた画像を表示している。
これにより、第1の実施形態では、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)に、センサ装置40の異常や誤設置を視覚的に認識させると共に、センサ装置40の設置現場において当該センサ装置40を視覚的に識別容易にさせる(当該センサ装置40の位置の特定を支援する)ことができる。
第1の実施形態では、例えば、センサネットワークSNに参加する任意のセンサ装置40になんらかの問題が生じた場合(例えば、通信障害等が発生したセンサ装置40)に、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や保守作業者)に、当該センサ装置40を視覚的により容易に識別させ、設置現場において当該センサ装置40の位置特定を容易とすることができる。
また、第1の実施形態では、例えば、探索対象のセンサ装置40の周辺の地図情報にランドマーク(地理的な目印)がない場合でも、他のセンサ装置40の物体識別情報(外観の写真)と位置情報を手掛かりに探索対象のセンサ装置40を識別することができる。
さらに、第1の実施形態では、例えば、センサ装置40の設置にあたり、誤設置があった場合(例えば、作業者が設置位置を間違えた場合)に、ネットワーク管理者が事前に与えられた配置情報と照らし合わせることで、誤設置したセンサ装置40の位置を視覚的に検出することができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明によるネットワークシステム、センサ情報処理装置、センサ情報処理プログラム、及び管理方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明のセンサ情報取得装置をセンサ情報登録装置に適用し、本発明のセンサ情報管理装置をセンサ情報処理装置に適用した例について説明する。
(B-1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態のネットワークシステム1Aの全体構成についても、上述の図1を用いて示すことができる。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を説明する。なお、図1において、括弧内の符号は第2の実施形態でのみ用いられる符号である。
第2の実施形態では、センサ情報登録装置10、センサ情報管理装置20、及びセンサ装置40(40-1~40-N)がセンサ情報登録装置10A、センサ情報管理装置20A、及びセンサ装置40A(40A-1~40A-N)に置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
図14は、センサ装置40Aの外観を示す図(正面図)である。
図14に示すように、第2の実施形態では、各センサ装置40Aに、特定支援部405が追加されている点で第1の実施形態と異なっている。
特定支援部405は、センサ装置40Aの設置現場において、自装置又は他のセンサ装置40Aの位置の特定(識別)を容易にするための支援を行うことが可能なデバイスである。特定支援部405を構成するデバイスは、自装置の周辺に自装置の位置を物理的に報知することができるものであれば限定されないものである。例えば、特定支援部405として、ランプ(例えば、LEDランプ等)や、所定の音声を表音出力することができるスピーカ等のデバイス(以下、「出力手段」と呼ぶ)を用いるようにしてもよい。また、特定支援部405は、ランプやスピーカ等の出力のタイミング(例えば、ランプを点灯させる間隔やスピーカから音声出力するタイミング)を制御するために図示しない時計やタイマー等の制御手段を備えるようにしてもよい。以上のように、特定支援部405は、自装置の周辺に自装置の位置を報知することで、周辺のユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)に対して、自装置や他のセンサ装置40の探索を支援することができる。
この実施形態では、図14に示すように、センサ装置40Aは、特定支援部405として、ランプ(例えば、LEDランプ)を備えているものとして説明する。図14では、特定支援部405(ランプ)は、杭401の上端に取り付けられているものとする。
また、第2の実施形態のセンサ装置40Aでは、センサ通信装置400がセンサ通信装置400Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
そして、特定支援部405は、センサ通信装置400Aの制御に応じて動作するものとする。
図15は、第2の実施形態のセンサ通信装置400Aの構成について示したブロック図である。
第2の実施形態のセンサ通信装置400Aでは、制御部42が制御部42Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。そして、制御部42Aでは、特定支援依頼受信部422が追加されている点で、第1の実施形態と異なっている。
特定支援依頼受信部422は、外部から特定支援部405の制御に関する制御信号(以下、「特定支援依頼」と呼ぶ)を受信し、受信した特定支援依頼の内容に基づいて特定支援部405を制御する処理(以下、「特定支援処理」とも呼ぶ)を行う。特定支援依頼には、特定支援依頼の具体的な内容(特定支援部405を制御する内容)が含まれていても良い。例えば、特定支援部405がランプであった場合、特定支援依頼の具体的な内容として、ランプの点灯、点滅、消灯する命令や、当該命令の実行タイミング(例えば、点滅する間隔や点灯してから消灯するまでの時間)等が挙げられる。特定支援依頼受信部422は、受信した特定支援依頼を特定支援部405へ供給することで、特定支援部405を制御する。
この実施形態では、特定支援依頼受信部422は、センサ情報管理装置20Aから送出された特定支援依頼を受信して特定支援部405を制御するものとする。なお、特定支援依頼の送信元は、センサ情報管理装置20Aに限定されないものである。
次に、第2の実施形態のセンサ情報管理装置20Aの構成について説明する。
図16は、センサ情報管理装置20Aの構成について示したブロック図である。
第2の実施形態のセンサ情報管理装置20Aでは、制御部22が制御部22Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。第2の実施形態の制御部22Aでは、特定支援依頼送信部224が追加されている点で第1の実施形態と異なっている。
特定支援依頼送信部224は、任意のセンサ装置40A(例えば、何らかの問題が生じて、現地で探索が必要なセンサ装置40A)に対して、特定支援依頼を送信する処理を行うものである。特定支援依頼の具体的な形式は、宛先のセンサ装置40Aに対して、特定支援依頼の内容を記述した制御信号(メッセージ)を送信することができれば限定されないものである。
センサ情報管理装置20Aから、センサ装置40Aへ特定支援依頼を送信する際の経路については限定されないものである。センサ情報管理装置20Aは、例えば、ネットワークN及び基地局装置30を介して、宛先のセンサ装置40Aに特定支援依頼を送信するようにしてもよい。したがって、第2の実施形態において、基地局装置30(センサ制御部321)に特定支援依頼を含む種々のメッセージ(制御信号)を中継(宛先となるセンサ装置40Aへ中継)する機能に対応している必要がある。この場合、特定支援依頼送信部224は、宛先となるセンサ装置40Aのアドレス(例えば、装置識別情報等)と、特定支援依頼の内容を記述したデータ(パケット)を、基地局装置30(センサ制御部321)に対して送信する必要がある。
特定支援依頼送信部224は、例えば、ユーザにより探索対象のセンサ装置40Aを指定する操作(例えば、特定のボタンやシンボルのクリック)を受け付けると、ユーザに対して探索対象のセンサ装置40Aの探索を支援するための特定支援依頼を生成して送信する。具体的には、例えば、特定支援依頼送信部224は、探索対象のセンサ装置40Aの指定を受け付けると、探索対象のセンサ装置40A以外のセンサ装置40Aに対して特定支援依頼(例えば、ランプの点灯、点滅等)を送信する。この場合、特定支援依頼送信部224は、探索対象のセンサ装置40A以外の全てのセンサ装置40Aに対して特定支援依頼を送信するようにしてもよいし、探索対象のセンサ装置40Aから所定距離範囲内(例えば、数十m以内)に存在する全てのセンサ装置40Aに対して特定支援依頼(例えば、ランプの点滅)を送信するようにしてもよい。これにより、探索対象となるセンサ装置40Aの周辺にいるユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)は、探索対象となるセンサ装置40A以外のセンサ装置40Aの位置を確認することができるため、探索対象となるセンサ装置40Aの位置についても容易に推測することができる。
また、特定支援依頼送信部224は、ユーザに対して探索対象のセンサ装置40Aの探索(物理的アクセス)を支援するために、設置現場において所定の地点(例えば、予め設定されたランドマークが存在する位置)から、探索対象のセンサ装置40Aまでの道なりに存在するセンサ装置40Aに対して、特定支援依頼を送信するようにしてもよい。特定支援依頼送信部224は、例えば、道路情報を含む地図情報を取得(例えば、インターネット上の地図情報等から取得)し、所定の地点(例えば、予め設定された位置や、地図情報上で探索対象のセンサ装置40Aから最も近いランドマークの位置)から、探索対象となるセンサ装置40Aの位置までの最短経路(道路上の最短経路)となる道路の周辺(例えば、10m以内)に存在するセンサ装置40A(探索対象のセンサ装置40Aを除く)に対してランプを点灯させる特定支援依頼を送信するようにしてもよい。これにより、ユーザは、ランドマークから探索対象のセンサ装置40Aに到達するまでの道(経路)を容易に把握することができる。
以上のように、第2の実施形態のネットワークシステム1Aでは、センサ情報管理装置20A(特定支援依頼送信部224)が、探索対象のセンサ装置40A以外のセンサ装置40Aの一部または全部に対して特定支援依頼を送信することにより、探索対象のセンサ装置40Aが通信障害により通信できない状態であっても、探索対象のセンサ装置40Aの探索を支援することができる。
(B-2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のネットワークシステム1の動作(実施形態に係る管理方法)を説明する。
第2の実施形態では、センサ装置40Aの特定支援部405に関する処理(特定支援依頼の処理)のみが第1の実施形態と異なるため、以下では、特定支援部405に関する処理(特定支援依頼の処理)を中心に説明する。
第2の実施形態において、センサ情報登録装置10がセンサ情報を生成してセンサ情報管理装置20に供給する動作については、第1の実施形態と同様に図10を用いて示すことができるため、詳しい説明を省略する。
また、第2の実施形態において、センサ情報管理装置20Aがユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)の操作に応じて、センサ情報表示画面を表示する処理についても、第1の実施形態と同様に、図11を用いて示すことができるため、詳しい説明を省略する。
次に、センサ装置40Aが特定支援依頼を送信する処理について説明する。
図17は、センサ装置40Aが特定支援依頼を送信する処理について示したフローチャートである。
まず、センサ情報管理装置20A(特定支援依頼送信部224)が、ユーザから探索対象のセンサ装置40Aの指定受け付けたものとする(S301)。
センサ情報管理装置20A(特定支援依頼送信部224)が、探索対象のセンサ装置40Aの指定を受け付ける具体的な手段については限定されないものであるが、例えば、センサ情報表示画面上の操作(例えば、GUI画面のボタンやシンボルのクリック)により受け付けるようにしても良い。
例えば、図18に示すように、センサ情報表示画面で表示されるポップアップ画面(いずれかのセンサ装置40Aのシンボルをクリックすることにより表示されるポップアップ画面)に、特定支援依頼の探索対象の指定を受け付けるボタンを配置するようにしても良い。
図18では、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)のシンボルをクリックすることにより表示されるポップアップ画面に、当該ポップアップ画面に対応するセンサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)を、特定支援依頼の探索対象として指定するボタンB101が配置されている。
当該ポップアップボタンのボタンB101が押下されると、特定支援依頼送信部224は、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)を、特定支援依頼の探索対象として指定されたことを認識する。
次に、特定支援依頼送信部224は、特定支援依頼の探索対象として指定されたセンサ装置40Aの特定支援をするための特定支援依頼の宛先とその内容を決定し(S302)、決定した特定支援依頼のパケットを生成して送信する(S303)。
ここでは、特定支援依頼送信部224は、探索対象のセンサ装置40Aから所定距離範囲内(例えば、30m以内)に存在する全てのセンサ装置40Aに対して所定時間、特定支援部405(ランプ)を点灯させる内容の特定支援依頼を送信するものとする。
例えば、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)の所定距離範囲内(30m以内)に存在するセンサ装置40Aは、センサ装置40-9(ショートアドレス:0x0009)、センサ装置40-12(ショートアドレス:0x000c)、センサ装置40-15(ショートアドレス:0x000f)、センサ装置40-10(ショートアドレス:0x000a)の4台であるものとする。
したがって、この場合、特定支援依頼送信部224は、特定支援依頼の宛先として、センサ装置40-9(ショートアドレス:0x0009)、センサ装置40-12(ショートアドレス:0x000c)、センサ装置40-15(ショートアドレス:0x000f)、センサ装置40-10(ショートアドレス:0x000a)の4台を選択し、選択した宛先に特定送信依頼を送信する。
そうすると、図19に示すように、センサ装置40-9(ショートアドレス:0x0009)、センサ装置40-12(ショートアドレス:0x000c)、センサ装置40-15(ショートアドレス:0x000f)、センサ装置40-10(ショートアドレス:0x000a)の4台の特定支援部405(ランプ)が一定期間点灯するため、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)に対して、探索対象となるセンサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)の位置の特定支援(物理的アクセスの支援)を行うことができる。この場合、探索対象となるセンサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)についてはランプを点灯させる必要がないため、センサ装置40-17(ショートアドレス:0x0011)について通信障害が発生した状態であっても特定支援が可能となる。
(B-3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態のネットワークシステム1Aでは、各センサ装置40Aの特定支援部405を用いて、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)による探索対象のセンサ装置40Aの位置の特定を支援する。
これにより、第2の実施形態では、ネットワークSNに参加する任意のセンサ装置40Aになんらかの問題が生じた場合(例えば、通信障害等が発生した場合)に、周辺に似たようなセンサ装置40Aが設置(例えば、杭型センサがたくさん密集して設置)されていても、ユーザ(例えば、ネットワーク管理者や作業者)に対して、探索対象のセンサ装置40Aの位置を設置現場にて視覚的(直感的)に推測させ、探索対象のセンサ装置40Aの位置の特定を容易(物理的アクセスを容易)にさせることができる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C-1)上記の各実施形態において、センサ装置は必ずしもセンサを備えている必要はない。本明細書では、センサを備えず中継機能のみを有する通信装置もセンサ装置に含めるものとする。
(C-2)上記の各実施形態においって、センサ情報管理装置とセンサ情報登録装置は、ハードウェア的に同じ装置(コンピュータ)上に構築するようにしてもよい。
(C-3)上記の各実施形態のセンサ情報管理装置(センサ情報表示部)が表示するセンサ情報表示画面では、センサ情報やネットワーク構成情報を表示するものとして説明したが、それ以外の情報についても表示するようにしてもよい。例えば、センサ情報管理装置(センサ情報表示部)で、設置現場付近で作業する作業者(ネットワーク管理者や作業者)の位置情報を取得(例えば、作業者の所持する端末で取得した位置情報を取得)して、センサ情報表示画面に当該作業者の位置も表示(例えば、取得した位置情報に対応する位置に人型のシンボルに作業者の名前を付して表示)するようにしてもよい。
(C-4)第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、センサ情報に物体識別情報が含まれ、センサ情報表示画面のポップアップ画面でセンサ情報の一部として物体識別情報の画像を表示する構成となっていたが、第2の実施形態においてセンサ情報から物体識別情報に関する構成を除外するようにしてもよい。すなわち、第2の実施形態において、センサ情報登録装置10は物体識別情報を取得せず、センサ情報表示画面で物体識別情報を表示しない構成としてもよい。