JP6991426B2 - ラッチ錠および把手部材 - Google Patents

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Description

本発明は扉に取り付けられるラッチ錠とその把手部材に関するものである。
一般に扉30に取り付けられるラッチ錠とその把手部材としては、従来からレバーハンドル錠と呼ばれ、図14に示すような略棒状のハンドル28を手で握って回転させることにより施解錠するものが知られている。上記の構成としては扉30を挟み込むように部屋外と部屋内に装着した、角軸3を有するハンドル28と、台座29とからなる面付け操作部分と、扉30の戸先側厚み部分に掘り込んで配置した箱形状のラッチ錠ケース1とからなる。そしてその機構は図13に示すように、ハンドル28に固定された角軸3をラッチ錠ケース1に設けてあるハブ23の角孔24に貫通させることによりラッチ錠ケース1とハンドル28を連動させ、ハンドル28を角軸3を中心として回転させることによりハブ23が回転し、枠体の戸先面に設けたラッチ受けに対してラッチ25を出没させて施解錠する方式であり、通常ではハンドル28を水平位置から下方に回転させて操作するのが一般的である。そしてラッチ25はラッチ復帰用ばね26で、ハンドル28はハンドル復帰用ばね27で戻るようになっている。
また、これらのハンドル28は手で握って操作するために比較的横方向に長い形状をしており、ハンドル28の先端を握って体重を掛けて操作すると非常に大きな荷重がハンドル28の角軸3とラッチ錠ケース1のハブ23に掛かり、角軸3が捻れてしまったりハブ23が破損することが想定されるため、現行品においては両者共に非常に高強度に設定されている。また同様の荷重がかかることにより、長期間の使用による角軸3とハンドル28の固定個所がぐらつく不具合が頻繁に発生することが問題とされており、特開2004-3356号公報や特開2006-104857号公報等に解決方法が報告されている。
さらにはハンドル28の回転操作により施解錠するレバーハンドル方式のものは、扉30を押して開く側、引いて開く側の、どちら側からの開閉においてもハンドル28を下方に一定角度回転させた状態で一旦保持し、そのままさらに扉30を押し引きする必要があり比較的大きな動作が必要である。またハンドル28は手で握って操作することが前提となっており、その結果扉面からかなり離れた位置にハンドル28の握り手部分を持ち出しておかなければならないことになる。するとどうしてもハンドル28の先端部分が扉面から突起状に出っ張った状態になり、通行の際にハンドル28の先端部分に衣服を引っ掛けて破いたり、鞄の紐等を引っ掛けて破損させるようなことが頻繁に起こってしまう。
そこで本発明者は、扉面から大きく突出せず、鞄や衣服等を引っ掛ける危険性がないと共に、ハンドル自体に必要以上の大きな荷重をかけることができない構成のラッチ錠の操作ハンドルを特開2015-063822号公報にて報告した。その構成としては、ラッチ錠は従来のものを用い、角軸を回転させる動作で施解錠するようになっており、ラッチ錠を挟んだ扉の両面にベース部材と角軸を備えた回転部材と操作面を有した操作部材を設け、角軸が扉面に対して垂直方向に配置された状態で回転部材を回動自在にベース部材に装着する。次に回転部材と操作部材に連動部分を設けて互いを係合させ、ベース部材に対して平行移動動作か若しくは揺動移動動作が可能なように操作部材を配置する。そしてラッチ錠の角孔に角軸を挿入した状態で扉の両面に操作部材を装着する。すると操作部材の操作面を扉面と平行な面上で押し込む操作により、回転部材と角軸の回転動作を得、その結果ラッチ錠の解錠が可能となり、そのまま扉を押し引きする動作により扉を開放可能とする構成になっている。
しかしながら、上記の構成においては前述のレバーハンドル錠ほどの突出度合ではないものの、やはりベース部材と操作部材が扉面に張り付いた状態で配置されることになり、解錠のために操作部材を扉面と平行な面で押し引きする操作が必要で、さらにそのまま扉を押し引きする操作になるため、指の掛かり等を考慮すると一定以上の厚みを有し、縦横方向においても一定のサイズを有した操作部材が扉面から出っ張って形成される状態が不可欠とされる。その結果レバーハンドルとはまた違った矩形の薄い箱状の操作ハンドルが扉面にとりついた状態での突出感が残ってしまう。そこでさらに扉面と一体化された、さらに突出感のないフラットな操作ハンドルが望まれる。
また上記の構成においては、ベース部材に対して操作部材が扉面と平行な面にて直線移動動作で押し引きさせることが重要になる。ところが動作させる方向に対して直交する側のガイド部分の距離が不足すると円滑な操作がしにくいことが問題とされる。例えばかなり横長の長方形の操作部材を上下方向に移動させて施解錠しようとする構成では、当然ベース部材も横長形状になり、この場合においては必然的にガイド部分はベース部材の短い両側面辺になり、操作部材の横方向の端部を押し下げるような解錠操作においては、操作部材が傾向こうとする力ばかりが大きくなり、円滑な操作が得にくいことも改良点としてまだ残っている。ところがデザイン面においてはこの点が非常に重要であり、操作ハンドルとしては縦長もしくは横長のどちらの形状にせよ、より細長い方がデザイン的に好まれる傾向が顕著である。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、鞄の紐や衣服等を引っ掛ける危険性があるハンドルの突起状部分をさらに薄く面一にし、かつ操作部材のどの場所を操作しても常に円滑な解錠動作が得られることを目標とする。
本発明では上記目的を達成するために次の技術手段を講じた。まず従来のラッチ錠の角孔に角軸を挿入し、その両端に歯車を角軸に対して回転不可な状態で装着する。するとラッチ錠ケースの両外側に歯車が配置されることになり、この歯車の回転動作により角軸が回転してラッチを出没させることができる構成になる。次にラッチ錠ケースに対して左右方向のみに移動可能に規制された操作部材を設け、操作部材に2か所のラック部分を形成し、ラック部分がラッチ錠ケース両側に配置されるように構成しておく。そして両歯車に両ラック部分が係合した状態で操作部材とラッチ錠ケースを組み付ける。このとき操作部材には操作面とガイド面を設けておき、ラッチ錠ケースにガイド面を被せるように配置し、ラッチ錠と操作部材間に常に操作部材がラッチ錠から離れる方向に付勢させた状態でばね部材を組み込んでおく。そして操作部材の操作面のみが露出した状態でラッチ錠外ケースを被せて、スライド式ラッチ錠として構成する。
すると、操作部材の操作面を左右方向に移動操作させることでラック部分と係合した歯車と共に角軸が回転してラッチを出没させることができ、そのまま放置するとばね部材により操作部材が元の位置に復帰する動作が得られることになる。次にこの状態のスライド式ラッチ錠を扉の戸先側に彫り込んだ状態で配置する。そして扉の両正面側の、操作面が位置する部分を矩形形状で彫り込み、その部分に扉面とほぼ平らな形状で、かつ凹形状部分と側面開口部を有する把手部材を埋め込んだ状態で配置する。その結果把手部材の凹形状部分に指を差し込んで横方向に操作部材の操作面を戸先方向に押し込み、ラッチを没した状態でそのまま扉を押し引きすることで開閉動作が実施可能になる。
この把手部材の形状は、縦長の平坦な形状でフロント面と凹形状部分とからなり、凹形状部分の周辺に側面開口部と手前ひっかけ部分とを備えている。そして2個の把手部材を扉の両正面の彫り込み部分に向かい合った配置で嵌め込んで装着し、側面開口部が操作部材の操作面に近接するように配置しておく。すると指等で凹形状部分から側面開口部を通して操作面を押し込むことで解錠することができる。しかし上記の構成であると、把手部材が縦方向に長い形状の時などは、角軸を有した歯車位置から離れた操作面位置を押してしまうと操作部材が傾こうとする力が大きくなり、円滑な操作が得にくいことが考えられる。そこで把手部材に傾斜案内面を設け、操作の際に指等が傾斜案内面に沿って操作部材の歯車とラック部材が係合している位置付近に半強制的に案内するような設定にしておくとよい。
また上記での角軸を有した歯車位置から上下方向に離れた操作面位置を押してしまうと操作部材が傾こうとする力が大きくなり、円滑な操作が得にくい現象を解消させる構成としては、さらに複数の歯車を互いにかみ合った状態でラッチ錠ケース両側面の上方位置に配置し、操作部材は上下に2か所ずつのラック部分を設けた長い操作面を有し、下方のラック部分は角軸が装着された歯車に係合させ、上方のラック部分には上方に配置された歯車を係合させるような構成が考えられる。すると操作部材には上下に長い操作面を形成しておき、操作面の上方のラック部分付近を操作しても、複数の歯車の連動動作により常に垂直を保持したままの操作部材の移動動作が得られ、操作面の上下方向のどの位置を押す解錠操作においても円滑な解錠操作が実施できることになる。
さらには、ラッチ錠ケースの両外側面にもう1個ずつの歯車を角軸を有する歯車から離した上方位置に配置し、連動ラック部材を設けて両歯車を連結させた状態にて係合する構成であっても良い。この構成においても同様に操作面の上下方向のどの位置を押す解錠操作においても常に垂直を保持したままの操作部材の移動動作が得られることになる。しかし上記の構成においては、把手部材の凹形状部分が常に見えている状態であり、このままでは彫り込み引手に類似した外観になり、デザイン性においてはそれほど好ましくはないと考えられる。
そこで、さらに把手部材の凹形状部分に入り込むことが可能なフラップ部材を設け、フラップ部材を押し込んで操作部材の操作面を戸先方向に押す動作で解錠可能とし、操作終了後はばね部材の付勢力により把手部材のフロント面と面一である元の位置にフラップ部材が戻るように装着しておくと、通常時には把手部材とフラップ部材により完全な面として形成することができる。そしてフラップ部材が把手部材の凹形状部分に入り込む手段としては、上下方向にフラップ軸を設けたフラップ部材を把手部材の凹形状部分に配置して回転動作により実施する構成が簡単である。またフラップ部材は扉の室内室外両方に配置され、室内もしくは室外のどちらか片方のフラップ部材を押し込むことにより他方のフラップ部材を押し込む動作が阻止されるようにしておくと、指を挿入する範囲を深く設定でき操作性を向上することができると共に室内外から同時に操作してしまうこともなく効果的である。
また操作後に指を把手部材の凹形状部分から離した際に、フラップ部材が急速にパタンと戻る動作は好ましくなく、そこで把手部材とフラップ部材に、歯車が回転する際に負荷が発生するロータリーダンパーと制動ラックを振り分けて互いに係合させた状態で装着しておくとよく、その結果フラップ部材が戻る際に低速度でかつ衝撃の無い動作を得ることが可能になる。さらにはロータリーダンパーと制動ラックを配置するスペースが少なくなりがちであるため、把手部材とフラップ部材にロータリーダンパーと円弧状の制動ラックを振り分けて装着する際に、扉の室内側の把手部材とフラップ部材には上下どちらか片方の同一水平面にて両者を係合させ、室外側の把手部材とフラップ部材には他方の同一水平面にて両者を係合させるとよい。
従来のレバーハンドル錠やプッシュプル錠のようなハンドル端部の突出した部分を回転させたり押し引きする操作ではなく、扉面とほぼ面一な把手部材の凹形状部分に指を挿入して操作部材の操作面を戸先方向に押す動作でラッチ錠を解錠することができ、そのまま扉を押し引きして開放する新しい操作感覚を有した構成であり、極端な突起状の部分は全く無く、通行時に鞄の紐や衣服等を引っ掛ける危険性を完全に排除することができる。
把手部材の凹形状部分にフラップ部材を設ける構成においては、全体としてさらに平坦な面一の形状で扉面と一体化することができ、よりデザイン性を向上させることが可能になる。
さらにスライド式ラッチ錠として、複数の歯車を互いにかみ合った状態でラッチ錠ケース両側面の上方位置に配置し、操作部材は上下に2か所のラック部分を有した長い操作面を設けて両者を係合させるような構成や、もう1個ずつの歯車をラッチ錠ケースの両外側面の角軸を有する歯車から離した上方位置に配置し、連動ラック部材を設けて両歯車を連結させた状態にて係合する構成を用いることで、常に垂直を保持したままの操作部材の移動動作が得られ、操作面の上下方向のどの位置を押す解錠操作においても円滑な解錠操作が実施できることになる。
レバーハンドル錠のように比較的大きく重いハンドルを操作後に復帰させるための強力なばね部材は必要なく、操作部材を戸先方向に移動させるだけの非常に軽い操作で解錠可能であり、その結果操作部材を復帰させるばね部材はごく弱いものでよい。またほぼ扉面と面一な形状であるため、根本的にハンドルにぶら下がる等の無茶な操作ができないことになり、極端な大きな力が角軸やラッチ錠のハブに掛かることは無く、必要強度面や耐久性能面においても非常に有利である。
把手部材とフラップ部材に、歯車が回転する際に負荷が発生するロータリーダンパーと制動ラックを振り分けて装着しておく構成では、フラップ部材が戻る際に低速度でかつ衝撃の無い動作が得られ、操作感覚においても向上させることが可能になる。
比較的大きな台座とハンドルが必需である従来のレバーハンドルに比べて、扉面に配置される部材としては把手部材のみである。またフラップ部材を用いる構成においてもやはり部品点数は少なく、安価に製作することが可能である。
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のスライド式ラッチ錠10と把手部材11を扉30の戸先部分に配置した状態の全体斜視図であり、図2はスライド式ラッチ錠10の分解斜視図である。ここでラッチ25が出没する動作においては図13に示すような従来のラッチ錠とほぼ同様の機構を用いる。全体の構成としては図14に示すように、扉30を挟み込むように部屋外と部屋内に装着した角軸3を有するハンドル28と、台座29とからなる面付け操作部材と、扉30の厚み部分に掘り込んで配置した箱形状のラッチ錠ケース1とからなり、ハンドル28を下方向に回転させることにより解錠することができる。そしてラッチ錠ケース1の内部機構は図13に示すように、ハンドル28に固定された角軸3をハブ23の角孔24に貫通させることによりラッチ錠ケース1とハンドル28を連動させ、ハンドル28を扉面と平行に角軸3を中心として回転させることにより角軸3が回転し、ハブ23を連動させてラッチ25を没して解錠する方式である。そして没した状態からラッチ25が戻るために、ラッチ復帰用ばね26が配置されており、解錠のために下げた状態からハンドル28が水平位置に戻るために、ハンドル復帰用ばね27が組み込まれている。
ここで本発明のスライド式ラッチ錠10においても、ラッチ錠ケース1内のラッチ25と角孔24を有したハブ23と角軸3との関係は同様であり、角軸3をハンドル28と一体化する代わりにハブ23の角孔24にラッチ錠ケース1の厚み程度の長さの角軸3を挿入し、その両端に歯車2を角軸3に対して回転不可な状態で装着しておく。すると図2に示すようにラッチ錠ケース1の両外側に歯車2が配置されることになり、この歯車2の回転動作により角軸3が回転してラッチ25を出没させることができる構成になる。次にラッチ錠ケース1に対して左右方向のみに移動可能に規制された操作部材4を設け、ラッチ錠ケース1両側面に被さるように形成された2か所のラック部分5を操作部材4に設けておく。そして両歯車2に両ラック部分5が係合した状態で操作部材4とラッチ錠ケース1を組み付ける。
次に図2に示すように操作部材4には操作面6とガイド部分7を設けておき、ラッチ錠ケース1の上下面にガイド部分7を被せるように配置し、このときラッチ錠ケース1と操作部材4間に、常に操作部材4がラッチ錠ケース1から離れる方向に付勢した状態でばね部材8を組み込んでおく。そして操作部材4の操作面6のみが露出した状態でラッチ錠外ケース9を被せ、スライド式ラッチ錠10として組み付ける。図3はこの状態の正面図であり、図4はその上面図であり、操作部材4の操作面6を左右方向に移動させることでラック部分5と係合した歯車2が回転してラッチ25を出没させることができ、そのまま放置するとばね部材8により操作部材4が元の位置に復帰する動作が得られることになる。したがって従来のハンドル28を用いる場合に必要な、ハンドル28を戻すための非常に強いハンドル復帰用ばね27は不必要である。そしてこの状態のスライド式ラッチ錠10を図1に示すように扉30の戸先側に彫り込んだ状態で配置する。
次に扉30の両正面の、スライド式ラッチ錠10の操作部材4の操作面6が位置する付近の所定範囲を貫通させた状態で矩形形状に彫り込む。そしてその掘り込み部分に図5に示す縦長の平坦な形状で扉面とほぼ平らなフロント面12と凹形状部分13と傾斜案内面15と側面開口部14と手前ひっかけ部分16を有する把手部材11を嵌め込んだ状態で装着する。このとき側面開口部14が操作部材4の操作面6に近接しているように配置しておく。すると把手部材11の凹形状部分13に指を差し込んで、側面開口部から操作部材4の操作面6を戸先方向に押し込む動作でスライド式ラッチ錠10を解錠でき、ラッチ25が没した状態でそのまま押す、または手前ひっかけ部分16を引く一連の動作にて扉30を押し引きすることで開閉動作が実施可能になる。したがって把手部材11は図1に示すように扉30の室内側と室外側共に同形状にて配置しておくとよい。
ここで図5に示すように把手部材11の凹形状部分13の上下位置に傾斜案内面15を設けているのは、操作面6のラック部分5付近から離れた位置にて押す動作を実施すると、操作面6が傾いてしまって完全に押し込めない現象が発生したり、押し込めたとしてもギクシャクした動作になることを防止するためである。つまり図2や図3に示すようなラック部分5が上下方向に1か所のみの構成であると、操作部材4自体の剛性が余程高く、さらには複数のガイド部分7の横方向の距離が長く、さらにはラッチ錠ケース1と操作部材4とのがたつきが最小限に規制されていないと円滑な操作が得にくいことが想定される。それに対して図5に示す傾斜案内面15を設けた形状であると、指等を凹形状部分13に差し込んで解錠しようとすると必然的に上下の両傾斜案内面15に案内され、操作面6の歯車2がラック部材5に係合している位置付近を押す動作を得ることができる。したがって把手部材11の側面開口部14は上下の両傾斜案内面15間である所定上下範囲位置として形成しておくとよい。
しかし図5のような傾斜案内面15が必要になる形状であると外観デザインにおいて制限が多くなるため、把手部材11としてはまだ改良の余地が残っている。また以上のことを鑑みると、やはり上下方向に長い操作面6のどこを押しても円滑な操作部材4の左右移動動作が得られる構成が望まれる。そこで図6に示すようにラッチ錠ケース1の歯車2を複数個連動した状態にて設け、操作部材4のラック部分5を上方向にもう一か所設定して上下方向に2か所にて係合させた状態で操作部材4が左右移動するように構成しておき、片方のラック部材5の移動がもう一か所のラック部分5を同方向に移動させるように設定しておくとよい。例えば図6の構成では歯車2を2個ずつ用い、操作面6の上部を押す動作でも、上部のラック部材5がまず上部の歯車2を時計と反対方向に回転させ、係合している下部の歯車2を時計回りに回転させる動作につながり、即ちこの動作は下部のラック部分5を押し込んで角軸3が固定されている下部の歯車2を解錠する方向に回転させる動作であり、その結果操作部材4は傾いたりギクシャクした動きになることなく、さらに円滑な解錠操作が実施可能となる。
さらに別の手段としては図7に示すように、角軸3を装着した歯車2から上方向に離れた位置にもう一つの歯車2を配置し、別途連動ラック部材17を上下方向にのみ移動可能なように規制しした状態で両歯車2に係合させておく構成が可能である。この構成での動作も同様であり、操作面6の上部を押す動作においても上下の歯車2を連動ラック部材17の上下運動を介して同時に下部の角軸3を固定している歯車2の解錠方向への回転動作に連動させることで、操作面6が垂直なままでの円滑な左右移動動作が実現できることになる。
また上記図1~図7ではラッチ25や角孔24を有するハブ23を備えた既存のラッチ錠ケース1に歯車2や角軸3や操作部材4を追加配置し、さらにラッチ錠外ケース9を被せるような手段にてスライド式ラッチ錠10の構成を説明してきたが、この構成に限定されることはなく、上記の各々の部品と機能を全て内蔵させた一つのパッケージとしての別の構成としてスライド式ラッチ錠10を最初から設定しても良い。次にスライド式ラッチ錠10として図6や図7の構成を用いた際には、上下に長い矩形の凹形状部分13を有する把手部材11を用いることができるのであるが、上記のような凹部形状部分13を有した把手部材11のままでは、引き戸の彫り込み引手のようなイメージでデザイン性においてはそれほど優れているとは考えられにくく、まだ発展の余地が残っていると考えられる。
そこで把手部材11の凹部形状部分13に入り込むことが可能な形状のフラップ部材18を設け、通常時においては把手部材11のフロント面12とフラップ部材18の正面が面一になっているとデザイン性において優位である。そして解錠時においては、指先にてフラップ部材18を押し込んで、そのまま操作部材4の操作面6を戸先側に移動させる構成が考えられる。このフラップ部材18を把手部材11の凹部形状部分13に押し込む手段においては特に限定されるものではないが、その一例としては図8に示すように、戸先側から離れた方向の上下位置にフラップ軸19を設けて把手部材11に対して奥側にのみ回転移動可能なようにし、フラップ復帰用ばね20を組み込んでおくとよい。すると指でフラップ部材18を押し込んで操作部材4の操作面6を戸先方向に押す動作で解錠可能とし、操作終了後はフラップ復帰用ばね20の付勢力によりフラップ部材18は把手部材11のフロント面12と面一である元の位置に戻る動作が得られる。したがって扉30の室内室外両方にフラップ部材18を配置する構成が容易であり、室内もしくは室外のどちらか片方のフラップ部材18を押し込むことにより他方のフラップ部材18を押し込む動作が阻止されるようにしておくと、指を挿入する範囲を深く設定でき操作性を向上することができると共に室内外から同時に操作してしまうこともなく効果的である。
また開閉操作後に指を把手部材11の凹形状部分13から抜き取った際に、フラップ復帰用ばね20の付勢力によりフラップ部材18が急速にパタンと戻る動作は好ましくないと想定される。そこで図8に示すようにフラップ部材18に歯車の回転の際に負荷が発生する構成のロータリーダンパー21を装着し、把手部材11の上下内部にロータリーダンパー21の歯車と係合する円弧形状の制動ラック22を配置しておくとよい。図9はその状態を示したフラップ部材18の斜視図であり、図10は円弧形状の制動ラック22の平面図である。またロータリーダンパー21と共にフラップ部材18を押し込むためには奥側に一定のスペースが必要と想定される。そこで図9に示すようにフラップ部材18の上下どちらかにのみロータリーダンパー21を配置し、図11に示すように扉30の室内側もしくは室外側どちらか片方のフラップ部材18の上側にロータリーダンパー21と制動ラック22とを一組配置し、他方のフラップ部材18には下側にもう一組のロータリーダンパー21と制動ラック22を配置すると、フラップ部材18に装着されたロータリーダンパー21が移動するスペースを上下に振り分けることができさらに効果的である。
図12(a)はフラップ部材18を押し込む前の、図12(b)は押し込んだ後の上面図であり、フラップ部材18を押し込んだ状態で図12(b)に示すように解錠操作の際の操作面6を戸先方向に押し込むための十分な指を差し込むスペースを確保することが可能になる。そして図12(b)の状態から指を抜き取ると、ロータリーダンパー21の負荷により低速度でフラップ部材18が戻る静かでかつ衝撃の無い復帰動作を得ることができる。また前述のフラップ復帰用ばね20の強さをロータリーダンパー21の負荷と適合するようにし、より優れた動作に設定しておくと良い。
本発明のスライド式ラッチ錠と把手部材を扉に装着した状態の斜視図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の分解斜視図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の正面図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の上面図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の傾斜案内面を有する把手部材の斜視図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、複数の歯車を係合させた構成の斜視図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、複数の歯車と連動ラック部材を用いた構成の正面図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、把手部材にフラップ部材を装着した状態の斜視図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、フラップ部材にロータリーダンパーを装着した状態の斜視図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、把手部材に配置する制動ラックの上面図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、把手部材にロータリーダンパーと制動ラックを備えたフラップ部材を装着した状態の正面図である。 本発明のスライド式ラッチ錠の、把手部材内でのフラップ部材とロータリーダンパーの動作を示す軌跡図である。 従来のラッチ錠の内部機構を示す正面図である。 従来のラッチ錠と、その操作部材である台座とハンドルの分解斜視図である。
1 ラッチ錠ケース
2 歯車
3 角軸
4 操作部材
5 ラック部分
6 操作面
7 ガイド部分
8 ばね部材
9 ラッチ錠外ケース
10 スライド式ラッチ錠
11 把手部材
12 フロント面
13 凹形状部分
14 側面開口部
15 傾斜案内面
16 手前ひっかけ部分
17 連動ラック部材
18 フラップ部材
19 フラップ軸
20 フラップ復帰用ばね
21 ロータリーダンパー
22 制動ラック
23 ハブ
24 角孔
25 ラッチ
26 ラッチ復帰用ばね
27 ハンドル復帰用ばね
28 ハンドル
29 台座
30 扉

Claims (8)

  1. ラッチ錠ケース内にラッチとラッチを出没させるハブとラッチ復帰用ばねが組み込まれ、ハブの角孔に角軸を挿入し、角軸を一定角度回転させることでラッチが出没して施解錠でき、その角軸の回転動作を操作部材の直線運動にて実施可能に変換した構成のスライド式ラッチ錠とその把手部材であって、操作部材の直線運動を角軸の回転動作に変換する構成としては、ラッチ錠ケースの両外側面に歯車が配置され、角軸によりハブの角孔を貫通させた状態で両歯車は連結され、さらに操作面とラック部分を有した操作部材が設けられ、歯車にラック部分が係合した状態でばね部材を介して両者が組み付けられる構成であり、扉の戸先厚み面から差し込んで内蔵させた状態でスライド式ラッチ錠は装着され、扉正面に彫り込んで設けられた把手部材の凹形状部分の側面開口部から操作部材の操作面を戸先方向に押す動作で解錠操作が実施されるように設定したことを特徴とするスライド式ラッチ錠。
  2. 前記扉正面に彫り込んで設けられた把手部材の凹形状部分には傾斜案内面が設けられ、解錠操作の際には指先等が傾斜案内面に沿って誘導され、必然的に操作部材の歯車とラック部分が係合している位置にて戸先方向に押す解錠操作が実施されるように設定したことを特徴とする請求項1に記載のスライド式ラッチ錠。
  3. 前記角軸はハブの角孔に貫通させた状態でラッチ錠ケースの両外側面の歯車に固定され、さらに複数の歯車を互いにかみ合った状態でラッチ錠ケース両側面の上方位置に配置し、操作部材は上下に2か所のラック部分と長い操作面を有し、下方のラック部分は角軸が装着された歯車に係合され、上方のラック部分には上方に配置された歯車に係合され、スライド式ラッチ錠の操作面が位置する扉正面の範囲を切り欠いて上下方向に長い側面開口部を有した把手部材を嵌め込み、操作面の上下方向のどの位置を押す解錠操作においても常に垂直を保持したままの操作部材の移動動作が得られることを特徴とする請求項1に記載のスライド式ラッチ錠。
  4. 前記角軸はハブの角孔に貫通させた状態でラッチ錠ケースの両外側面の歯車に固定され、もう1個ずつの歯車をラッチ錠ケースの両外側面の角軸を有する歯車から離した上方位置に配置し、連動ラック部材を設けて両歯車を連結させた状態にて係合し、操作部材は上下に2か所のラック部分と長い操作面を有し、スライド式ラッチ錠の操作面が位置する扉正面の範囲を切り欠いて上下方向に長い側面開口部を有した把手部材を嵌め込み、操作面の上下方向のどの位置を押す解錠操作においても常に垂直を保持したままの操作部材の移動動作が得られることを特徴とする請求項1に記載のスライド式ラッチ錠。
  5. 前記把手部材にさらにフラップ部材を組み付け、フラップ部材は凹形状部分に入り込む方向に移動可能に装着され、フラップ部材を押し込んだままの状態で操作部材の操作面を戸先方向に押す動作で解錠可能とし、操作終了後フラップ部材はフラップ復帰用ばねの付勢力により把手部材のフロント面と面一である元の位置に戻るように構成されたことを特徴とする請求項3または4に記載のスライド式ラッチ錠。
  6. 前記フラップ部材が把手部材の凹形状部分に入り込む手段が、扉の室内室外両方に上下方向にフラップ回転軸を設けたフラップ部材を配置して回転動作により実施する構成であり、室内もしくは室外のどちらか片方のフラップ部材を押し込むことにより他方のフラップ部材を押し込む動作が阻止され、両方同時の操作ができないように設定されたことを特徴とする請求項5に記載のスライド式ラッチ錠。
  7. 前記把手部材とフラップ部材に、歯車が回転する際に負荷が発生するロータリーダンパーと円弧状の制動ラックを同一水平面上になるように振り分けて装着し、互いに係合した状態でフラップ復帰用ばねを介して配置され、凹形状部分にフラップ部材を押し込んだ状態から解錠操作を実施した後に、フラップ部材が戻る際に低速度でかつ衝撃の無いフラップ部材の復帰動作が得られることを特徴とする請求項5に記載のスライド式ラッチ錠。
  8. 前記把手部材とフラップ部材にロータリーダンパーと円弧状の制動ラックを振り分けて装着する際に、扉の室内側の把手部材とフラップ部材には上下どちらか片方の同一水平面にて両者を係合させ、室外側の把手部材とフラップ部材には他方の同一水平面にて両者を係合させたことを特徴とする請求項7に記載のスライド式ラッチ錠。
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