JP6990756B2 - 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム - Google Patents

半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラムに関する。
半導体装置の製造工程の一工程として、基板に対して原料と反応体とを非同時に供給し、基板上に膜を形成する処理が行われることがある(例えば特許文献1参照)。
特開2013-140944号公報
表面にパターンが形成された基板上に膜を形成する場合、表面にパターンが形成されていない基板上に膜を形成する場合と比較して、形成される膜の膜厚が薄くなる現象(以下、この現象を膜厚ドロップ現象とも称する)が生じる場合がある。本発明の目的は、表面にパターンが形成された基板上に膜を形成する際における膜厚ドロップ現象の発生を抑制することが可能な技術を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
(a)表面にパターンが形成された基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素を含む原料を供給することで、前記主元素を含む第1層を形成する工程と、
(b)前記基板に対して炭素および窒素を含む第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する工程と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記パターン上に、前記主元素、炭素および窒素を含む膜を形成する工程を有し、
前記(b)では、前記パターンの少なくとも上面、側面および下面のそれぞれに形成される前記物質の吸着層の密度が、それぞれ同等となるまで、前記第1反応体を供給する技術が提供される。
本発明によれば、基板上に膜を形成する際における膜厚ドロップ現象の発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の一部の概略構成図であり、処理炉の一部を図1のA-A線断面図で示す図である。 本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 (a)は本発明の一実施形態の成膜シーケンスを示す図であり、(b)は本発明の一実施形態の成膜シーケンスの変形例を示す図である。 (a)は表面にパターンが形成された基板の断面拡大図であり、(b)は表面にパターンが形成された基板に対して原料を供給した後の状態を示す模式図であり、(c)(d)は、それぞれ、表面にパターンが形成された基板に対して原料、反応体を順に供給した後の状態を示す模式図である。 (a)~(c)は、それぞれ、基板上に形成された膜の膜厚の評価結果を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図1~図5を参照しながら説明する。
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の筒中空部には、処理室201が形成される。処理室201は、基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。
処理室201内には、ノズル249a,249bが、反応管203の下部側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a,249bには、ガス供給管232a,232bがそれぞれ接続されている。
ガス供給管232a,232bには、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a,241bおよび開閉弁であるバルブ243a,243bがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a,232bのバルブ243a,243bよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管232c,232dがそれぞれ接続されている。ガス供給管232c,232dには、上流側から順に、MFC241c,241dおよびバルブ243c,243dがそれぞれ設けられている。
ノズル249a,249bは、図2に示すように、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の配列方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a,249bは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249a,249bの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a,250bがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の中心を向くようにそれぞれ開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
ガス供給管232aからは、原料(原料ガス)として、形成しようとする膜を構成する主元素としてのシリコン(Si)およびハロゲン元素を含むハロシラン系ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。原料ガスとは、気体状態の原料、例えば、常温常圧下で液体状態である原料を気化することで得られるガスや、常温常圧下で気体状態である原料等のことである。ハロゲン元素には、塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)、ヨウ素(I)等が含まれる。ハロシラン系ガスとしては、例えば、Clを含むクロロシラン系ガスを用いることができる。クロロシラン系ガスとしては、例えば、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガスを用いることができる。
ガス供給管232bからは、第1反応体(第1反応ガス)として、炭素(C)および窒素(N)を含むガスであるアミン系ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。アミン系ガスは、N、CおよびHの3元素で構成されるガスである。アミン系ガスとしては、例えば、トリエチルアミン((CN、略称:TEA)ガスを用いることができる。
ガス供給管232bからは、第2反応体(第2反応ガス)として、酸素(O)を含むガスである酸化ガス(酸化剤)が、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。酸化ガスとしては、例えば、酸素(O)ガスを用いることができる。
ガス供給管232c,232dからは、不活性ガスが、それぞれMFC241c,241d、バルブ243c,243d、ガス供給管232a,232b、ノズル249a,249bを介して処理室201内へ供給される。不活性ガスとしては、例えば、窒素(N)ガスを用いることができる。
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、原料供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、第1、第2反応体供給系がそれぞれ構成される。主に、ガス供給管232c,232d、MFC241c,241d、バルブ243c,243dにより、不活性ガス供給系が構成される。
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a~243dやMFC241a~241d等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a~232dのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a~232d内への各種ガスの供給動作、すなわち、バルブ243a~243dの開閉動作やMFC241a~241dによる流量調整動作等が、後述するコントローラ121によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a~232d等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、集積型供給システム248のメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が接続されている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ウエハ200を処理室201内外に搬入および搬出(搬送)する搬送装置(搬送機構)として構成されている。
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25~200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される断熱板218が多段に支持されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、反応管203の内壁に沿って設けられている。
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート121dは、上述のMFC241a~241d、バルブ243a~243d、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a~241dによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a~243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作等を制御するように構成されている。
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(2)成膜処理
上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板としてのウエハ200上にシリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)を形成するシーケンス例について、図4(a)を用いて説明する。ここでは、ウエハ200として、パターン(凹凸構造)が表面に形成されたパターンウエハを用いる例について説明する。図5(a)は、上面200a、側面200bおよび下面(底面)200cを備えるパターンが表面に形成されたウエハ200の凹凸構造の一部だけを抜き出した断面拡大図である。パターンウエハは、表面にパターンが形成されていないベアウエハに比べ、大きな表面積を有している。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
図4(a)に示す成膜シーケンスでは、
表面にパターンが形成されたウエハ200に対してHCDSガス(原料)を供給することで、Siを含む第1層を形成するステップAと、
ウエハ200に対してTEAガス(第1反応体)を供給することで、第1層上にTEAガスの一部が分解した物質を吸着させて、Si、CおよびNを含む第2層を形成するステップBと、
ウエハ200に対してOガス(第2反応体)を供給することで、第2層を酸化させて、Si、O、CおよびNを含む第3層を形成するステップCと、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、パターン上に、SiOCN膜を形成する。
なお、ステップBでは、パターンの少なくとも上面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるTEAガスの一部が分解した物質の吸着層の密度が、それぞれ同等となるまで、TEAガスを供給する。
本明細書では、図4(a)に示す成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともある。以下の変形例等の説明においても、同様の表記を用いる。
(HCDS→TEA→O)×n ⇒ SiOCN
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものを意味する場合や、ウエハとその表面に形成された所定の層や膜との積層体を意味する場合がある。本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものの表面を意味する場合や、ウエハ上に形成された所定の層等の表面を意味する場合がある。本明細書において「ウエハ上に所定の層を形成する」と記載した場合は、ウエハそのものの表面上に所定の層を直接形成することを意味する場合や、ウエハ上に形成されている層等の上に所定の層を形成することを意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハ200をボート217に装填(ウエハチャージ)する。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
(圧力調整および温度調整)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって処理室201内が真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。また、処理室201内のウエハ200が所望の温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。また、回転機構267によるウエハ200の回転を開始する。処理室201内の排気、ウエハ200の加熱および回転は、いずれも、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(成膜ステップ)
その後、ステップA~Cを順次実行する。
[ステップA]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してHCDSガスを供給する。
具体的には、バルブ243aを開き、ガス供給管232a内へHCDSガスを流す。HCDSガスは、MFC241aにより流量調整され、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気管231より排気される。このとき、ウエハ200に対してHCDSガスが供給される。このときバルブ243c,243dを開き、ガス供給管232c,232d内へNガスを流すようにしてもよい。
本ステップにおける処理条件としては、
HCDSガス供給流量:1~2000sccm、好ましくは10~1000sccm
HCDSガス供給時間T:1~120秒、好ましくは1~60秒
ガス供給流量:0~10000sccm
処理温度:250~800℃、好ましくは400~750℃、より好ましくは550~700℃
処理圧力:1~2666Pa、好ましくは67~1333Pa
が例示される。
処理温度が250℃未満となると、ウエハ200上にHCDSが化学吸着しにくくなり、実用的な成膜速度が得られなくなることがある。処理温度を250℃以上とすることで、これを解消することが可能となる。処理温度を400℃以上、さらには550℃以上とすることで、ウエハ200上にHCDSをより充分に吸着させることが可能となり、より充分な成膜速度が得られるようになる。
処理温度が800℃を超えると、過剰な気相反応が生じることで、膜厚均一性が悪化しやすくなり、その制御が困難となる場合がある。処理温度を800℃以下とすることで、適正な気相反応を生じさせることができ、膜厚均一性の悪化を抑制でき、その制御が可能となる。特に処理温度を750℃以下、さらには700℃以下とすることで、気相反応よりも表面反応が優勢になり、膜厚均一性を確保しやすくなり、その制御が容易となる。
上述の条件下でウエハ200に対してHCDSガスを供給することにより、ウエハ200の表面上、すなわち、ウエハ200の表面に形成されたパターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに、第1層(初期層)として、例えば1原子層(1分子層)未満から数原子層(数分子層)程度の厚さのClを含むSi含有層が形成される。第1層は、ウエハ200の表面に、HCDSが物理吸着したり、HCDSの一部が分解した物質が化学吸着したり、HCDSが熱分解したりすること等により形成される。本明細書では、Clを含むSi含有層を構成する物質を、便宜上、SiCl(1≦x≦2、0≦y≦6)とも称する。また、Clを含むSi含有層を、便宜上、単にSi含有層とも称する。
Clを含有するHCDSガスは、N、CおよびHのみから構成されるTEAガスと比べて活性であり(分解しやすく)、ウエハ200の表面への吸着効率が高いガスである。そのため、HCDSガスの供給時間Tを上述の範囲内の時間とすることで、すなわち、後述するTほど長い時間としなくても、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成される第1層の密度を、それぞれ同等とすることが可能となる。図5(b)は、ステップAを実施することにより、第1層が、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに、高い密度(同等の密度)で連続的に形成された状態を示す模式図である。図5(b)において、〇印はSiClを示している。この点は、図5(c)、図5(d)においても同様である。
第1層が形成された後、バルブ243aを閉じ、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を停止する。そして、処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。このとき、バルブ243c,243dを開き、処理室201内へNガスを供給する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内がパージされる。
原料としては、HCDSガスの他、例えば、モノクロロシラン(SiHCl、略称:MCS)ガス、ジクロロシラン(SiHCl、略称:DCS)ガス、トリクロロシラン(SiHCl、略称:TCS)ガス、テトラクロロシラン(SiCl、略称:STC)ガス、オクタクロロトリシラン(SiCl、略称:OCTS)ガス等のクロロシラン系ガスを用いることができる。また、原料ガスとしては、テトラフルオロシラン(SiF)ガス、テトラブロモシラン(SiBr)ガス、テトラヨードシラン(SiI)ガス等を用いることができる。すなわち、原料ガスとしては、フルオロシラン系ガス、ブロモシラン系ガス、ヨードシラン系ガス等のクロロシラン系ガス以外のハロシラン系ガスを用いることができる。
また、原料としては、1,2-ビス(トリクロロシリル)エタン((SiCl、略称:BTCSE)ガス、ビス(トリクロロシリル)メタン((SiClCH、略称:BTCSM)ガス等のアルキレンハロシラン系ガスや、1,1,2,2-テトラクロロ-1,2-ジメチルジシラン((CHSiCl、略称:TCDMDS)ガス、1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラメチルジシラン((CHSiCl、略称:DCTMDS)ガス、1-モノクロロ-1,1,2,2,2-ペンタメチルジシラン((CHSiCl、略称:MCPMDS)ガス等のアルキルハロシラン系ガスを用いることができる。これらのガスは、いずれもSi-C結合を含むことから、最終的に形成されるSiOCN膜のC濃度を高めることが可能となる。
また、原料としては、モノシラン(SiH、略称:MS)ガス、ジシラン(Si、略称:DS)ガス、トリシラン(Si、略称:TS)ガス等の水素化ケイ素ガスを用いることができる。
また、原料としては、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH、略称:4DMAS)ガス、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH、略称:3DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C、略称:BDEAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH[NH(C)]、略称:BTBAS)ガス、ジイソプロピルアミノシラン(SiHN[CH(CH、略称:DIPAS)ガス等のアミノシラン系ガスを用いることができる。これらはいずれもSi-N結合を含むことから、最終的に形成されるSiOCN膜のN濃度を高めることが可能となる。
不活性ガスとしては、Nガスの他、例えば、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。この点は、ステップB,Cにおいても同様である。
[ステップB]
ステップAが終了した後、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200上に形成された第1層に対してTEAガスを供給する。
このステップでは、バルブ243b~243dの開閉制御を、ステップAにおけるバルブ243a,243c,243dの開閉制御と同様の手順で行う。TEAガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231より排気される。このとき、ウエハ200に対してTEAガスが供給される。
本ステップにおける処理条件としては、
TEAガス供給流量:1~2000sccm、好ましくは10~1000sccm
TEAガス供給時間T:上述のTよりも長い時間であって、好ましくはTの2倍以上、より好ましくはTの4倍以上、さらに好ましくはTの10倍以上、さらに好ましくはTの15倍以上の時間
処理圧力:1~4000Pa、好ましくは1~3000Pa
が例示される。他の処理条件は、ステップAにおける処理条件と同様とする。
上述の条件下でウエハ200に対してTEAガスを供給することにより、ステップAでウエハ200上に形成された第1層と、TEAガスと、を反応させることができる。すなわち、第1層に含まれるClと、TEAガスに含まれるエチル基と、を反応させることができる。それにより、第1層に含まれるClのうち少なくとも一部のClを第1層から引き抜く(分離させる)とともに、TEAガスに含まれる複数のエチル基のうち少なくとも一部のエチル基をTEAガスから分離させることができる。そして、少なくとも一部のエチル基が分離したTEAガスのNと、第1層に含まれるSiと、を結合させて、Si-N結合を形成することが可能となる。またこのとき、TEAガスから分離したエチル基(-CHCH)に含まれるCと、第1層に含まれるSiと、を結合させて、Si-C結合を形成することも可能となる。これらの結果、第1層中からClが脱離すると共に、第1層の上に、TEAの一部が分解した物質の吸着層が形成される。本明細書では、TEAの一部が分解した物質を、便宜上、N(C(0≦x≦2、0≦y≦5、0≦z≦3)とも称する。ウエハ200上には、第2層として、第1層と、第1層上に形成されたN(Cの吸着層と、を含む層、すなわち、Si、CおよびNを含む層であるシリコン炭窒化層(SiCN層)が形成される。
TEAガスは、Clを含有するHCDSガスと比較すると、活性の度合が小さく(分解しにくく)、ウエハ200の表面への吸着効率が低いガスである。そのため、TEAガスの供給時間TをHCDSガスの供給時間T以下の時間(T≦T)とすると、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層の密度が、互いに異なってしまう場合がある。図5(c)は、T≦Tとした場合における、ウエハ200の表面上(第1層の表面上)に形成されるN(Cの吸着層の密度を示す模式図である。図5(c)において、◎印はN(Cを示している。この点は、図5(d)においても同様である。
図5(c)に示すように、T≦Tとした場合、パターンの表面200aにおいては、N(Cの吸着層がある程度高い密度で形成される場合もある。しかしながら、パターンの側面200bにおいては、N(Cの吸着量が大きく減少し、N(Cの吸着層は不連続な層となる場合がある。また、パターンの下面200cにおいては、N(Cがほとんど吸着せず、N(Cの吸着層が形成されない場合もある。N(Cの吸着層の密度が図5(c)に示すように不均等になると、最終的に形成されるSiOCN膜の膜厚が、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれで大きく異なってしまう。結果として、ウエハ200上に形成されるSiOCN膜の膜厚(平均膜厚)が、本ケースと同様の処理手順、処理条件によりベアウエハ上に形成されるSiOCN膜の膜厚(平均膜厚)よりも薄くなる現象、すなわち、膜厚ドロップ現象が発生しやすくなる。また、N(Cの吸着層の密度が図5(c)に示すように不均等になると、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層におけるN濃度およびC濃度のうち、少なくともいずれかが互いに異なってしまう。結果として、最終的に形成されるSiOCN膜の組成が、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれで大きく異なってしまう。
これに対し、本実施形態のように、TEAガスの供給時間TをHCDSガスの供給時間Tよりも長くする(T>T)ことで、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層の密度を、それぞれ同等とすることが可能となる。図5(d)は、T>Tとすることにより、N(Cの吸着層が、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに、高い密度(同等の密度)で連続的に形成された状態を示す模式図である。N(Cの吸着層の密度分布を図5(d)のように面内で揃えることで、最終的に形成されるSiOCN膜の膜厚を、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれで同等とすることが可能となる。結果として、本実施形態によれば、ウエハ200としてパターンウエハを用いる場合であっても、SiOCN膜の膜厚(平均膜厚)の低下を回避すること、すなわち、膜厚ドロップ現象の発生を抑制することが可能となる。また、N(Cの吸着層の密度分布を図5(d)のように面内で揃えることで、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層におけるN濃度およびC濃度のうち、少なくともいずれかを同等とすることができる。結果として、最終的に形成されるSiOCN膜の組成を、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれで同等とすることも可能となる。なお、TをTの2倍以上の時間(T≧2T)とすることで、上述の効果が充分に得られるようになり、TをTの4倍以上の時間(T≧4T)とすることで、上述の効果がより充分に得られるようになる。また、TをTの10倍以上の時間(T≧10T)とすることで、上述の効果が確実に得られるようになり、TをTの15倍以上の時間(T≧15T)とすることで、上述の効果がより確実に得られるようになる。例えばTを10~13秒の範囲内の時間とした場合、Tを100~130秒以上とすることで上述の効果が確実に得られるようになり、Tを150~195秒以上とすることで上述の効果がより確実に得られるようになる。ただし、生産性を考慮すると、TをTの20倍以下の時間(T≦20T)とするのが好ましい。
なお、上述の効果を得るには、TEAガスの供給時間Tを長くするだけでなく、TEAガスの供給流量を大きくすることも有効である。しかしながら、TEAガスは、常温常圧下で液体状態である液体原料を気化させることで得られるガスであり、その流量を大流量化させることは困難である場合が多い。したがって、TEAガスのような液体原料を気化させて得たガスを第1反応体として用いる場合には、本実施形態のように、TEAガスの供給時間Tを調整する手法、すなわち、T>T、好ましくはT≧2T、より好ましくはT≧4T、さらに好ましくはT≧10T、さらに好ましくはT≧15Tとする手法が特に有効となる。
第2層が形成された後、バルブ243bを閉じ、ウエハ200に対するTEAガスの供給を停止する。そして、ステップAと同様の処理手順により、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。
第1反応体としてのアミン系ガスとしては、TEAガスの他、ジエチルアミン((CNH、略称:DEA)ガス、モノエチルアミン(CNH、略称:MEA)ガス等のエチルアミン系ガスや、トリメチルアミン((CHN、略称:TMA)ガス、ジメチルアミン((CHNH、略称:DMA)ガス、モノメチルアミン(CHNH、略称:MMA)ガス等のメチルアミン系ガスや、トリプロピルアミン((CN、略称:TPA)ガス、ジプロピルアミン((CNH、略称:DPA)ガス、モノプロピルアミン(CNH、略称:MPA)ガス等のプロピルアミン系ガスや、トリイソプロピルアミン([(CHCH]N、略称:TIPA)ガス、ジイソプロピルアミン([(CHCH]NH、略称:DIPA)ガス、モノイソプロピルアミン((CHCHNH、略称:MIPA)ガス等のイソプロピルアミン系ガスや、トリブチルアミン((CN、略称:TBA)ガス、ジブチルアミン((CNH、略称:DBA)ガス、モノブチルアミン(CNH、略称:MBA)ガス等のブチルアミン系ガスや、トリイソブチルアミン([(CHCHCHN、略称:TIBA)ガス、ジイソブチルアミン([(CHCHCHNH、略称:DIBA)ガス、モノイソブチルアミン((CHCHCHNH、略称:MIBA)ガス等のイソブチルアミン系ガスを用いることができる。
また、第1反応体としては、アミン系ガスの他、有機ヒドラジン系ガスを用いることもできる。有機ヒドラジン系ガスとしては、モノメチルヒドラジン((CH)HN、略称:MMH)ガス、ジメチルヒドラジン((CH、略称:DMH)ガス、トリメチルヒドラジン((CH(CH)H、略称:TMH)ガス等のメチルヒドラジン系ガスや、エチルヒドラジン((C)HN、略称:EH)ガス等のエチルヒドラジン系ガスを用いることができる。
[ステップC]
ステップBが終了した後、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200上に形成された第2層に対してOガスを供給する。
このステップでは、バルブ243b~243dの開閉制御を、ステップAにおけるバルブ243a,243c,243dの開閉制御と同様の手順で行う。Oガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231より排気される。このとき、ウエハ200に対してOガスが供給される。
本ステップにおける処理条件としては、
ガス供給流量:100~10000sccm
ガス供給時間T:1~120秒、好ましくは1~60秒
処理圧力:1~4000Pa、好ましくは1~3000Pa
が例示される。他の処理条件は、ステップAにおける処理条件と同様とする。
上述の条件下でウエハ200に対してOガスを供給することにより、ステップBを実施することでウエハ200上に形成された第2層の少なくとも一部を改質(酸化)させることができる。すなわち、Oガスに含まれていたO成分の少なくとも一部を第2層に添加させ、第2層中にSi-O結合を形成することができる。第2層が改質されることで、ウエハ200上に、第3層として、Si、O、CおよびNを含む層であるシリコン酸炭窒化層(SiOCN層)が形成される。第3層を形成する際、第2層に含まれていたC成分やN成分の少なくとも一部は、第2層から脱離することなく第2層中に維持(保持)される。第3層を形成する際、第2層に含まれていたClは、Oガスによる改質反応の過程において、少なくともClを含むガス状物質を構成し、処理室201内から排出される。すなわち、第2層中のCl等の不純物は、第2層中から引き抜かれたり、脱離したりすることで、第2層から分離する。これにより、第3層は、第2層に比べてCl等の不純物が少ない層となる。
第3層が形成された後、バルブ243bを閉じ、ウエハ200に対するOガスの供給を停止する。そして、ステップAと同様の処理手順により、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。
第2反応体としての酸化ガスとしては、Oガスの他、水蒸気(HOガス)、一酸化窒素(NO)ガス、亜酸化窒素(NO)ガス、二酸化窒素(NO)ガス、一酸化炭素(CO)ガス、二酸化炭素(CO)ガス、オゾン(O)ガス、水素(H)ガス+Oガス、Hガス+Oガス等のO含有ガスを用いることができる。
[所定回数実施]
ステップA~Cを非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを1回以上(n回)行うことにより、ウエハ200上に、所望組成、所望膜厚のSiOCN膜を形成することができる。上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、1サイクルあたりに形成される第3層の厚さを所望の膜厚よりも薄くし、第3層を積層することで形成されるSiOCN膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
(アフターパージ~大気圧復帰)
ウエハ200上に所望組成、所望膜厚のSiOCN膜が形成されたら、ノズル249a,249bのそれぞれからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231より排気する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
(ボートアンロード及びウエハディスチャージ)
ボートエレベータ115によりシールキャップ219を下降させ、反応管203の下端を開口させる。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態で、反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。処理済のウエハ200は、反応管203の外部に搬出された後、ボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
(a)ステップBにおいて、T>Tとすることで、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層の密度を、それぞれ同等とすることが可能となる。これにより、最終的に形成されるSiOCN膜の膜厚を、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれで同等とすることができ、結果として、膜厚ドロップ現象の発生を抑制することが可能となる。
(b)ステップBにおいて、T>Tとすることで、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層のN濃度およびC濃度のうち少なくともいずれかを、それぞれ同等とすることが可能となる。これにより、最終的に形成されるSiOCN膜の組成を、パターンの表面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれで同等とすることも可能となる。
(c)ステップBにおいて、T>Tとしたり、T>Tとしたりすることで、1サイクルあたりに形成されるSiOCN層の厚さを厚くすること、すなわち、サイクルレートを高めることが可能となる。
(d)ステップBにおいて、T>Tとしたり、T>Tとしたりすることで、最終的に形成されるSiOCN膜の組成を微調整することが可能となる。具体的には、Tを長くするほど、SiOCN膜のC濃度を増加させる方向に、また、N濃度を低下させる方向に、それぞれ制御することが可能となる。
(e)Tではなく、Tだけを長くすることから、最終的に形成されるSiOCN膜のウエハ面内膜厚均一性、段差被覆性の低下をそれぞれ回避しつつ、膜厚ドロップ現象の発生を抑制することが可能となる。これに対し、Tだけでなく、TをもTと同様に長くした場合には、たとえ膜厚ドロップ現象の発生を抑制できたとしても、ウエハ200上におけるHCDSの分解が過剰となり、最終的に形成されるSiOCN膜のウエハ面内膜厚均一性、段差被覆性がそれぞれ低下しやすくなる。
(f)上述の効果は、HCDSガス以外の上述の原料を用いる場合や、TEAガス以外の上述の第1反応体を用いる場合や、Oガス以外の上述の第2反応体を用いる場合や、Nガス以外の上述の不活性ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。
(4)変形例
本実施形態は、以下の変形例のように変更することができる。また、これらの変形例は任意に組み合わせることができる。
(変形例1)
上述の成膜シーケンスでは、主にT>Tとする手法について説明したが、T>Tとする場合であっても、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。また、TをTの1.5倍以上の時間(T≧1.5T)とすることで、上述の効果が充分に得られるようになり、TをTの3倍以上の時間(T≧3T)とすることで、上述の効果がより充分に得られるようになる。また、TをTの5倍以上の時間(T≧5T)とすることで、上述の効果が確実に得られるようになり、TをTの10倍以上の時間(T≧10T)とすることで、上述の効果がより確実に得られるようになる。ただし、生産性を考慮すると、TをTの20倍以下の時間(T≦20T)とするのが好ましい。他の処理手順、処理条件は、上述の成膜シーケンスの処理手順、処理条件と同様とすることができる。
(変形例2)
図4(b)や以下に示す成膜シーケンスのように、1サイクルにおけるステップBでは、TEAガスを分割(パルス、間欠)供給するようにしてもよい。すなわち、1サイクルにおけるステップBでは、ウエハ200に対するTEAガスの供給と、処理室201内のパージと、を交互に複数回(m回)繰り返すようにしてもよい。
(HCDS→TEA×m→O)×n ⇒ SiOCN
本変形例においても、ステップBでは、パターンの少なくとも上面200a、側面200bおよび下面200cのそれぞれに形成されるN(Cの吸着層の密度が、それぞれ同等となるまで、TEAガスの分割供給を継続する。例えば、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの合計供給時間(各パルスの合計供給時間)を、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tよりも長くしたり、1サイクルあたりのステップCにおけるOガスの供給時間Tよりも長くしたりすることにより、これを実現することが可能となる。
なお、本変形例においては、1サイクルにおけるステップBでの1パルスあたりのTEAガスの供給時間を、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tよりも短くし、TEAガスの分割供給を複数回行うのが好ましい。また、1サイクルにおけるステップBでの1パルスあたりのTEAガスの供給時間を、1サイクルあたりのステップCにおけるOガスの供給時間よりも短くし、TEAガスの分割供給を複数回行うのが好ましい。他の処理手順、処理条件は、図4(a)に示す成膜シーケンスの処理手順、処理条件と同様とすることができる。
本変形例においても、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。
また、本変形例によれば、ステップBにおいてTEAガスを分割供給することにより、N(Cのウエハ200の表面に対する吸着効率を高めることができる。というのも、ウエハ200に対して供給されたTEAガスのうち、一部のTEAガスは、第1層との反応を生じさせることなく第1層の表面に留まり、第1層上へのN(Cの吸着層の形成を阻害する場合がある。また、N(Cの吸着層を形成する際に生じた反応副生成物が第1層の表面に留まり、第1層上へのN(Cの吸着層の形成を阻害する場合もある。これに対し、本変形例のように、ステップBにおいて、ウエハ200に対するTEAガスの供給と、処理室201内のパージと、を交互に複数回行うことにより、第1層上へのN(Cの吸着層の形成を阻害する要因(吸着反応に失敗したTEAガスや反応副生物)を、第1層の表面から速やかに除去することが可能となる。結果として、N(Cのウエハ200の表面に対する吸着効率を高めることができ、最終的に形成されるSiOCN膜における膜厚ドロップ現象の発生をさらに抑制することが可能となる。また、1サイクルあたりに形成されるSiOCN層の厚さをさらに厚くすること、すなわち、サイクルレートをさらに高めることが可能となる。
(変形例3)
以下に示す成膜シーケンスのように、ステップCを不実施とし、ウエハ200上にSi、CおよびNを含むシリコン炭窒化膜(SiCN膜)を形成するようにしてもよい。本変形例のステップA,Bの処理手順、処理条件は、図4(a)に示す成膜シーケンスのステップA,Bの処理手順、処理条件と同様とすることができる。
(HCDS→TEA)×n ⇒ SiCN
(HCDS→TEA×m)×n ⇒ SiCN
本変形例においても、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。ただし、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば本発明は、チタン酸炭窒化膜(TiOCN膜)、チタン炭窒化膜(TiCN膜)等の金属系薄膜を形成する場合にも、好適に適用できる。これらの膜は、例えば、チタニウムテトラクロライド(TiCl)ガス等の原料や、上述のアミン系ガス、酸化ガス等の反応体を用い、以下に示す成膜シーケンスにより形成することが可能である。これらの成膜シーケンスを行う場合においても上述の実施形態と同様な処理手順、処理条件にて成膜を行うことができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
(TiCl→TEA→O)×n ⇒ TiOCN
(TiCl→TEA×m→O)×n ⇒ TiOCN
(TiCl→TEA)×n ⇒ TiCN
(TiCl→TEA×m)×n ⇒ TiCN
基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、基板処理の内容に応じて、適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、処理を迅速に開始できるようになる。
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更するようにしてもよい。
上述の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態や変形例と同様なシーケンス、処理条件にて成膜を行うことができ、これらと同様の効果が得られる。
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
上述の実施形態や変形例等の手法により形成される各種膜は、絶縁膜、スペーサ膜、マスク膜、電荷蓄積膜、ストレス制御膜等として広く用いることが可能である。近年、半導体デバイスの微細化に伴い、ウエハ上に形成される膜に対してより正確な膜厚制御の実現が求められるようになっている。高密度パターンが表面に形成されたパターンウエハ上に形成される膜の膜厚を正確に制御することが可能な本発明は、この要求に答える技術として非常に有益である。
以下、実施例について説明する。
実施例1として、図1に示す基板処理装置を用い、図4(a)に示す成膜シーケンスにより、複数枚のウエハ上にSiOCN膜を形成する処理を2回実施した。1回目の成膜処理では、ボートに装填する100枚のウエハの全てをベアウエハとした。2回目の成膜処理では、ボートに装填するウエハのうち、上部側の25枚を、ベアウエハに対して10倍の表面積を有するパターンウエハとし、その他の75枚をベアウエハとした。いずれの成膜処理においても、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの供給時間Tを、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tの2~4倍程度とし、また、1サイクルあたりのOガスの供給時間Tの1~5倍程度とした。他の処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
実施例2として、図1に示す基板処理装置を用い、図4(a)に示す成膜シーケンスにより、複数枚のウエハ上にSiOCN膜を形成する処理を2回実施した。1回目の成膜処理では、ボートに装填する100枚のウエハの全てをベアウエハとした。2回目の成膜処理では、ボートに装填するウエハのうち、上部側の25枚を、ベアウエハに対して10倍の表面積を有するパターンウエハとし、その他の75枚をベアウエハとした。いずれの成膜処理においても、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの供給時間Tを、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tの10~15倍程度とし、また、1サイクルあたりのOガスの供給時間Tの10~20倍程度とした。他の処理条件は、実施例1の処理条件と同様とした。
実施例3として、図1に示す基板処理装置を用い、図4(b)に示す成膜シーケンスにより、複数枚のウエハ上にSiOCN膜を形成する処理を2回実施した。1回目の成膜処理では、ボートに装填する100枚のウエハの全てをベアウエハとした。2回目の成膜処理では、ボートに装填するウエハのうち、上部側の25枚を、ベアウエハに対して10倍の表面積を有するパターンウエハとし、その他の75枚をベアウエハとした。いずれの成膜処理においても、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの合計供給時間(各パルスの合計供給時間)を、実施例1における1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの供給時間Tと同等とした。他の処理条件は、実施例1の処理条件と同様とした。
比較例として、図1に示す基板処理装置を用い、ウエハに対するHCDSガスの供給、ウエハに対するTEAガスの供給、ウエハに対するOガスの供給を非同時に行うサイクルを複数回行う成膜シーケンスにより、複数枚のウエハ上にSiOCN膜を形成する処理を2回実施した。1回目の成膜処理では、ボートに装填する100枚のウエハの全てをベアウエハとした。2回目の成膜処理では、ボートに装填するウエハのうち、上部側の25枚を、ベアウエハに対して10倍の表面積を有するパターンウエハとし、その他の75枚をベアウエハとした。いずれの成膜処理においても、1サイクルあたりのTEAガスの供給時間を、1サイクルあたりのHCDSガスの供給時間と同等とした。他の処理条件は、実施例1の処理条件と同様とした。
そして、実施例1~3、比較例のそれぞれにおいて、1回目の成膜処理でベアウエハ上に形成したSiOCN膜の面内平均膜厚(AV)、および、2回目の成膜処理でパターンウエハ上に形成したSiOCN膜の面内平均膜厚(AV)をそれぞれ測定し、膜厚ドロップ現象の発生の度合を評価した。図6(a)~図6(c)は、それぞれ、比較例、実施例1、実施例3におけるSiOCN膜の膜厚測定結果を示す図である。各図の横軸は面内平均膜厚(Å)を、縦軸はボートに装填されたウエハの位置(120がTOP側、0がBOTTOM側)をそれぞれ示している。図中、◆は1回目の成膜処理でベアウエハ上に形成したSiOCN膜の面内平均膜厚(AV)を、◇は2回目の成膜処理でパターンウエハ上に形成したSiOCN膜の面内平均膜厚(AV)を、それぞれ示している。
図6(a)に示すように、比較例においては、パターンウエハ上に形成したSiOCN膜の面内平均膜厚(AV)が、ベアウエハ上に形成したSiOCN膜の面内平均膜厚(AV)よりも薄くなる膜厚ドロップ現象が発生しており、〔(AV-AV)/AV〕×100で表される膜厚ドロップ率は、14.9%に達することが分かった。
また、図6(b)に示すように、実施例1における膜厚ドロップ率は、比較例におけるそれよりも小さくなっており、9.2%程度であることが分かった。すなわち、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの供給時間Tを、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tよりも大きくし、また、1サイクルあたりのステップCにおけるOガスの供給時間Tよりも大きくすることで、膜厚ドロップ現象の発生を抑制できることが分かった。
また、図示していないが、実施例2における膜厚ドロップ率は、比較例、実施例1におけるそれよりも小さくなっており、6.0%程度であることが分かった。すなわち、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの供給時間Tを、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tの10~15倍程度とし、また、1サイクルあたりのステップCにおけるOガスの供給時間Tの10~20倍程度とすることで、膜厚ドロップ現象の発生を大幅に抑制できることが分かった。
また、図6(c)に示すように、実施例3における膜厚ドロップ率は、比較例、実施例1におけるそれらよりも小さくなっており、6.0%程度であることが分かった。すなわち、TEAガスを分割供給し、また、1サイクルあたりのステップBにおけるTEAガスの合計供給時間を、1サイクルあたりのステップAにおけるHCDSガスの供給時間Tよりも大きくすることにより、膜厚ドロップ現象の発生を大幅に抑制できることが分かった。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
(a)表面にパターンが形成された基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素を含む原料を供給することで、前記主元素を含む第1層を形成する工程と、
(b)前記基板に対して炭素および窒素を含む第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する工程と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記パターン上に、前記主元素、炭素および窒素を含む膜を形成する工程を有し、
前記(b)では、前記パターンの少なくとも上面、側面および下面のそれぞれに形成される前記物質の吸着層の密度が、それぞれ同等となるまで、前記第1反応体を供給する半導体装置の製造方法、または、基板処理方法が提供される。
(付記2)
付記1に記載の方法であって、好ましくは、
前記(b)では、前記パターンの少なくとも上面、側面および下面のそれぞれに形成される前記物質の吸着層の窒素濃度および炭素濃度のうち少なくともいずれかが、それぞれ同等となるまで、前記第1反応体を供給する。
(付記3)
付記1または2に記載の方法であって、好ましくは、
前記サイクルは、さらに、
(c)前記基板に対して酸素を含む第2反応体を供給することで、前記第2層を酸化させて、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む第3層を形成する工程を、前記(a)(b)のそれぞれと非同時に行うことを含む。
(付記4)
付記1~3のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間よりも長くする。
(付記5)
付記1~3のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の2倍以上、好ましくは4倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは15倍以上とする。
(付記6)
付記3~5のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間よりも長くする。
(付記7)
付記3~6のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の1.5倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上とする。
(付記8)
付記1~7のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の20倍以下、もしくは、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の20倍以下とする。
(付記9)
付記1~8のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルにおける前記(b)では、前記第1反応体を分割供給する。
(付記10)
付記1~9のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルにおける前記(b)では、前記第1反応体の供給と、前記基板が存在する空間のパージと、を交互に複数回繰り返す。
(付記11)
付記9または10に記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルにおける前記(b)での1パルスあたりの前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間よりも短くする。
(付記12)
付記9~11のいずれかに記載の方法であって、好ましくは、
1サイクルにおける前記(b)での1パルスあたりの前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間よりも短くする。
(付記13)
基板に対して処理が行われる処理室と、
前記処理室内の基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素を含む原料を供給する原料供給系と、
前記処理室内の基板に対して、炭素および窒素を含む第1反応体を供給する第1反応体供給系と、
前記処理室内において、(a)表面にパターンが形成された基板に対して、前記原料を供給することで、前記主元素を含む第1層を形成する処理と、(b)前記基板に対して前記第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する処理と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記パターン上に、前記主元素、炭素および窒素を含む膜を形成する処理を行わせ、前記(b)では、前記パターンの少なくとも上面、側面および下面のそれぞれに形成される前記物質の吸着層の密度が、それぞれ同等となるまで、前記第1反応体を供給するように、前記原料供給系および前記第1反応体供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
(付記14)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の処理室内において、
(a)表面にパターンが形成された基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素を含む原料を供給することで、前記主元素を含む第1層を形成する手順と、
(b)前記基板に対して炭素および窒素を含む第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する手順と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記パターン上に、前記主元素、炭素および窒素を含む膜を形成する手順と、
前記(b)において、前記パターンの少なくとも上面、側面および下面のそれぞれに形成される前記物質の吸着層の密度が、それぞれ同等となるまで、前記第1反応体を供給する手順と、
をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム、または、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
200 ウエハ(基板)
200a パターンの上面
200b パターンの側面
200c パターンの下面

Claims (18)

  1. (a)表面に凹凸構造が形成された基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素とハロゲン元素とを含む原料を供給することで、前記主元素とハロゲン元素とを含む第1層を形成する工程と、
    (b)前記基板に対して、炭素、窒素および水素の3元素で構成される第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する工程と、
    (c)前記基板に対して、酸素を含む第2反応体を供給することで、前記第2層を酸化させて、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む第3層を形成する工程と、
    を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記凹凸構造上に、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む膜を形成する工程を有し、
    1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の2倍以上であって、かつ、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の1.5倍以上とする半導体装置の製造方法。
  2. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の4倍以上とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の10倍以上とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の3倍以上とする請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の5倍以上とする請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の20倍以下とする請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の20倍以下とする請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を100秒以上とする請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を130秒以上とする請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を150秒以上とする請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を195秒以上とする請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 1サイクルにおける前記(b)では、前記第1反応体を分割供給する請求項1~11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 1サイクルにおける前記(b)では、前記第1反応体の供給と、前記基板が存在する空間のパージと、を交互に複数回繰り返す請求項1~12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 1サイクルにおける前記(b)での1パルスあたりの前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間よりも短くする請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 1サイクルにおける前記(b)での1パルスあたりの前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間よりも短くする請求項12~14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記第1反応体は、アミン系ガスまたは有機ヒドラジン系ガスを含む請求項1~15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 基板に対して処理が行われる処理室と、
    前記処理室内の基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素とハロゲン元素とを含む原料を供給する原料供給系と、
    前記処理室内の基板に対して、炭素、窒素および水素の3元素で構成される第1反応体を供給する第1反応体供給系と、
    前記処理室内の基板に対して、酸素を含む第2反応体を供給する第2反応体供給系と、
    前記処理室内において、(a)表面に凹凸構造が形成された基板に対して、前記原料を供給することで、前記主元素とハロゲン元素とを含む第1層を形成する処理と、(b)前記基板に対して前記第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する処理と、(c)前記基板に対して、前記第2反応体を供給することで、前記第2層を酸化させて、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む第3層を形成する処理と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記凹凸構造上に、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む膜を形成する処理を行わせ、1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の2倍以上であって、かつ、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の1.5倍以上とするように、前記原料供給系、前記第1反応体供給系、および前記第2反応体供給系を制御するよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  18. 基板処理装置の処理室内において、
    (a)表面に凹凸構造が形成された基板に対して、形成しようとする膜を構成する主元素とハロゲン元素とを含む原料を供給することで、前記主元素とハロゲン元素とを含む第1層を形成する手順と、
    (b)前記基板に対して、炭素、窒素および水素の3元素で構成される第1反応体を供給することで、前記第1層上に前記第1反応体の一部が分解した物質を吸着させて、前記主元素、炭素および窒素を含む第2層を形成する手順と、
    (c)前記基板に対して、酸素を含む第2反応体を供給することで、前記第2層を酸化させて、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む第3層を形成する手順と、
    を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記凹凸構造上に、前記主元素、酸素、炭素および窒素を含む膜を形成する手順と、
    1サイクルあたりの前記(b)における前記第1反応体の供給時間を、1サイクルあたりの前記(a)における前記原料の供給時間の2倍以上であって、かつ、1サイクルあたりの前記(c)における前記第2反応体の供給時間の1.5倍以上とする手順と、
    をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム。
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