JP6857759B2 - 半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム - Google Patents

半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラムに関する。
半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に膜を形成する処理が行われることがある(例えば特許文献1参照)。
特開2010−118462号公報
本発明の目的は、基板上に形成される膜の基板面内膜厚分布を制御することが可能な技術を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対して原料を供給し第1層を形成する工程と、
(b)前記基板に対して反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する工程と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する工程を有し、
(a)では、
(a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する工程と、
(a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する工程と、
をこの順に行う技術が提供される。
本発明によれば、基板上に形成される膜の基板面内膜厚分布を制御することが可能となる。
本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の一部の概略構成図であり、処理炉の一部を図1のA−A線断面図で示す図である。 本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 本発明の一実施形態の成膜シーケンスを示す図である。 基板上への第1層の形成レートの変化を例示する図である。 (a)、(b)は、それぞれ、縦型処理炉の変形例を示す横断面図であり、反応管、バッファ室およびノズル等を部分的に抜き出して示す図である。 (a)は実施例における基板面内膜厚分布の評価結果を示す図であり、(b)は比較例における基板面内膜厚分布の評価結果を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)等の金属材料により構成され、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。反応管203はヒータ207と同様に垂直に据え付けられている。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成される。処理容器の筒中空部には処理室201が形成される。処理室201は、基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。この処理室201内でウエハ200に対する処理が行われる。
処理室201内には、第1供給部としてのノズル249a、および、第2供給部としてのノズル249b,249cが、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a〜249cには、ガス供給管232a〜232cがそれぞれ接続されている。第2供給部は、第1供給部とは異なる供給部であり、第1供給部に隣接して設けられている。ノズル249a,249b,249cはそれぞれ異なるノズルであり、ノズル249b,249cのそれぞれは、ノズル249aに隣接して設けられている。
ガス供給管232a〜232cには、ガス流の上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a〜241cおよび開閉弁であるバルブ243a〜243cがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a,232bのバルブ243a,243bよりも下流側には、ガス供給管232e,232dがそれぞれ接続されている。ガス供給管232e,232dには、ガス流の上流側から順に、MFC241e,241dおよびバルブ243e,243dがそれぞれ設けられている。
図2に示すように、ノズル249a〜249cは、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の配列方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a〜249cは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249aは、平面視において、処理室201内に搬入されるウエハ200の中心を挟んで、後述する排気口231aと一直線上に対向するように配置されている。ノズル249b,249cは、ノズル249aを挟んでその両側に、すなわち、反応管203の内壁(ウエハ200の外周部)に沿ってノズル249aを両側から挟み込むように配置されている。ノズル249a〜249cの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a〜250cがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250a〜250cは、それぞれが、平面視において排気口231aと対向するように開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250a〜250cは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
ガス供給管232aからは、原料(原料ガス)として、例えば、膜を構成する所定元素(主元素)としてのSiおよびハロゲン元素を含むハロシラン系ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。原料ガスとは、気体状態の原料、例えば、常温常圧下で液体状態である原料を気化することで得られるガスや、常温常圧下で気体状態である原料等のことである。ハロシランとは、ハロゲン基を有するシランのことである。ハロゲン基には、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基、ヨード基等が含まれる。すなわち、ハロゲン基には、塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)、ヨウ素(I)等のハロゲン元素が含まれる。ハロシラン系ガスとしては、例えば、SiおよびClを含む原料ガス、すなわち、クロロシラン系ガスを用いることができる。クロロシラン系ガスは、Siソースとして作用する。クロロシラン系ガスとしては、例えば、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガスを用いることができる。
ガス供給管232bからは、原料とは化学構造(分子構造)が異なる反応体(リアクタント)として、例えば、窒素(N)含有ガスとしての窒化ガスである窒化水素系ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。窒化水素系ガスは、Nソースとして作用する。窒化水素系ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)ガスを用いることができる。
ガス供給管232c〜232eからは、不活性ガスとして、例えば、窒素(N)ガスが、それぞれMFC241c〜241e、バルブ243c〜243e、ガス供給管232c〜232a、ノズル249c〜249aを介して処理室201内へ供給される。Nガスは、パージガス、キャリアガス、希釈ガス等として作用し、さらに、ウエハ200上に形成される膜の面内膜厚分布を制御する膜厚分布制御ガスとして作用する。
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、原料供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、反応体供給系が構成される。主に、ガス供給管232c〜232e、MFC241c〜241e、バルブ243c〜243eにより、不活性ガス供給系が構成される。
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a〜243eやMFC241a〜241e等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a〜232eのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a〜232e内への各種ガスの供給動作、すなわち、バルブ243a〜243eの開閉動作やMFC241a〜241eによる流量調整動作等が、後述するコントローラ121によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a〜232e等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、集積型供給システム248のメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
反応管203の側壁下方には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口231aが設けられている。図2に示すように、排気口231aは、平面視において、ウエハ200を挟んでノズル249a〜249c(ガス供給孔250a〜250c)と対向(対面)する位置に設けられている。排気口231aは、反応管203の側壁の下部より上部に沿って、すなわち、ウエハ配列領域に沿って設けられていてもよい。排気口231aには排気管231が接続されている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ウエハ200を処理室201内外に搬入および搬出(搬送)する搬送装置(搬送機構)として構成されている。マニホールド209の下方には、シールキャップ219を降下させボート217を処理室201内から搬出した状態で、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシャッタ219sが設けられている。シャッタ219sは、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シャッタ219sの上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220cが設けられている。シャッタ219sの開閉動作(昇降動作や回動動作等)は、シャッタ開閉機構115sにより制御される。
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される断熱板218が多段に支持されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、反応管203の内壁に沿って設けられている。
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート121dは、上述のMFC241a〜241e、バルブ243a〜243e、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115、シャッタ開閉機構115s等に接続されている。
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a〜241eによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a〜243eの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、シャッタ開閉機構115sによるシャッタ219sの開閉動作等を制御するように構成されている。
コントローラ121は、外部記憶装置123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。外部記憶装置123は、例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ等を含む。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(2)基板処理工程
上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板としてのウエハ200上に膜を形成する基板処理シーケンス例、すなわち、成膜シーケンス例について、図4を用いて説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
図4に示す成膜シーケンスでは、
ウエハ200に対して原料としてHCDSガスを供給するステップA(図中Aで示す)と、
ウエハ200に対して反応体としてNHガスを供給するステップB(図中Bで示す)と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、ウエハ200上に、膜として、SiおよびNを含む膜であるシリコン窒化膜(SiN膜)を形成する。
図4に示す成膜シーケンスでは、ステップAにおいて、
ウエハ200に対して、第1供給部としてのノズル249aから第1流量で不活性ガスとしてNガスを供給しつつHCDSガスを供給すると共に、ノズル249aに隣接して設けられた第2供給部としてのノズル249b,249cから第2流量でNガスを供給するステップA1(図中A1で示す)と、
ウエハ200に対して、ノズル249aから第1流量および第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量でNガスを供給しつつHCDSガスを供給するか、ノズル249aからのNガスの供給を停止しつつノズル249aからHCDSガスを供給すると共に、ノズル249b,249cから第4流量でNガスを供給するステップA2(図中A2で示す)と、
をこの順に行うことで、ウエハ200上に形成されるSiN膜のウエハ面内膜厚分布(以下、単に面内膜厚分布ともいう)を制御する。
ここでは一例として、ウエハ200として、表面に凹凸構造が作り込まれていない表面積の小さいベアウエハを用い、上述の成膜シーケンスおよび流量制御により、SiN膜の面内膜厚分布を、ウエハ200の中央部で最も厚く、外周部(周縁部)に近づくにつれて徐々に薄くなる分布(以下、中央凸分布とも称する)とする場合について説明する。ベアウエハ上に中央凸分布を有する膜を形成することができれば、表面に微細な凹凸構造が作り込まれた表面積の大きいパターンウエハ(プロダクトウエハ)上に、その中央部から外周部にわたって膜厚変化の少ない平坦な膜厚分布(以下、フラット分布とも称する)を有する膜を形成することが可能となる。
また、ここでは一例として、ステップA1における第1流量を第2流量よりも大きい流量とし、ステップA2においてノズル249aからのNガスの供給を停止する(第3流量をゼロとする)と共に、第4流量を第2流量と等しい流量とする場合について説明する。
本明細書では、図4に示す成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともある。以下の変形例等の説明においても、同様の表記を用いる。
(HCDS→NH)×n ⇒ SiN
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものを意味する場合や、ウエハとその表面に形成された所定の層や膜との積層体を意味する場合がある。本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものの表面を意味する場合や、ウエハ上に形成された所定の層等の表面を意味する場合がある。本明細書において「ウエハ上に所定の層を形成する」と記載した場合は、ウエハそのものの表面上に所定の層を直接形成することを意味する場合や、ウエハ上に形成されている層等の上に所定の層を形成することを意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、シャッタ開閉機構115sによりシャッタ219sが移動させられて、マニホールド209の下端開口が開放される(シャッタオープン)。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
(圧力調整および温度調整)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。また、処理室201内のウエハ200が所望の成膜温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。また、回転機構267によるウエハ200の回転を開始する。処理室201内の排気、ウエハ200の加熱および回転は、いずれも、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(成膜ステップ)
その後、次のステップA,Bを順次実行する。
[ステップA]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してHCDSガスを供給する。具体的には、バルブ243aを開き、ガス供給管232a内へHCDSガスを流す。HCDSガスは、MFC241aにより流量調整され、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気口231aより排気される。このとき、ウエハ200に対してHCDSガスが供給される。ステップAにおいては、ノズル249a〜249cを介して処理室201内へNガスを供給するステップA1,A2を行うが、その詳細については後述する。
ステップAにおける処理条件としては、後述するステップA1,A2におけるNガスの供給条件を除き、
HCDSガス供給流量:0.001〜2slm、好ましくは0.01〜1slm
HCDSガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
処理温度:250〜800℃、好ましくは400〜700℃
処理圧力:1〜2666Pa、好ましくは67〜1333Pa
が例示される。
上述の条件下でウエハ200に対してHCDSガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、第1層として、Clを含むSi含有層が形成される。Clを含むSi含有層は、ウエハ200の最表面に、HCDSが物理吸着したり、HCDSの一部が分解した物質(以下、SiCl)が化学吸着したり、HCDSが熱分解することでSiが堆積したりすること等により形成される。Clを含むSi含有層は、HCDSやSiClの吸着層(物理吸着層や化学吸着層)であってもよく、Clを含むSi層であってもよい。本明細書では、Clを含むSi含有層を、単に、Si含有層とも称する。
なお、HCDSガスを供給する前のウエハ200の最表面上には、Siの吸着サイトが豊富に存在することから、図5に示すように、HCDSガスの供給初期には比較的大きい形成レートで第1層が形成され、この比較的大きい形成レートが所定期間(期間T)にわたって維持されることとなる。その後、HCDSガスの供給を継続することで第1層の形成は更に進行するが、ウエハ200の最表面上に存在する吸着サイトの量が減少すると、第1層の形成レートが大きく低下するタイミング(変曲点)を迎える。変曲点を迎えた後、ウエハ200の最表面上へのSiの吸着が完全に飽和するまでの期間(期間T)は、形成レートが大きく低下した状態が維持されることとなる。以下、期間Tにおける第1層の形成レートのことを、第1レートとも称する。また、期間Tにおける第1層の形成レートのことを、第2レートとも称する。第2レートは、第1レートよりも小さいレートとなる(第1レート>第2レート)。
発明者等の鋭意研究によれば、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始し上述の変曲点を迎えた後、ウエハ200の最表面上へのSiの吸着を完全に飽和させるには、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を長時間継続する必要があることが分かっている。この1つの要因として、ウエハ200の表面に形成されていた立体障害が成膜処理の進行中に解消され、隠れていた吸着サイトにSiが吸着する場合があることが考えられる。また、他の要因として、ウエハ200の表面に存在する吸着サイトに付着し、この吸着サイトへのSiの吸着を阻害するように作用していた不純物が、成膜処理の進行中に脱離し、隠れていた吸着サイトにSiが吸着する場合があることも考えられる。これらの理由から、ウエハ200上へのSiの吸着を完全に飽和させるには、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を長時間継続する必要があり、期間Tは、期間Tよりも長い期間となる(T<T)。
本明細書では、上述の期間T、すなわち、第1層の形成レートが第1レートであり、HCDSガスに含まれるSiの下地への吸着が不飽和である状態のことを擬似不飽和状態と称し、HCDSガスに含まれるSiの下地への吸着が擬似不飽和状態である期間のことを、擬似不飽和期間とも称する。また、上述の期間T、すなわち、第1層の形成レートが第2レートであり、HCDSガスに含まれるSiの下地への吸着が不飽和ではあるが飽和に近い状態のことを擬似飽和状態と称し、HCDSガスに含まれるSiの下地への吸着が擬似飽和状態である期間のことを、擬似飽和期間とも称する。
なお、期間Tにおいて、ノズル249aから供給されたHCDSガスは、ウエハ200の外周部で活発に消費され、ウエハ200の中央部へは届きにくい傾向がある。そのため、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始した後、例えば変曲点を迎える前の時点でウエハ200に対するHCDSガスの供給を停止した場合、ウエハ200の面内における第1層の厚さの分布(以下、第1層の面内厚さ分布とも称する)は、ウエハ200の中央部で最も薄く、外周部に近づくにつれて徐々に厚くなる分布(以下、中央凹分布とも称する)となる。
一方、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始した後、例えば変曲点を迎えた後もウエハ200に対するHCDSガスの供給を長時間継続することで、ウエハ200の外周部でのHCDSガスの消費はいずれ収束することになり、それに伴い、ウエハ200の中央部へ届くHCDSガスの量を徐々に増加させることが可能になると考えられる。そのため、第1層の面内厚さ分布を中央凹分布からフラット分布へと近づける1つの手法として、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を、変曲点を迎えた後も停止することなく長時間継続することが考えられる。
しかしながら、この手法では、ガスコストの増加を招いたり、ステップAの所要期間、すなわち、1サイクルあたりの処理時間、つまり、トータルでの処理時間が増加して成膜処理の生産性低下を招いたりする場合がある。また、この手法では、第1層の面内厚さ分布を中央凹分布からフラット分布へ近づけることがたとえ理論的には可能であるとしても、それを中央凸分布とすることは困難である。
また、期間TやTにおいてウエハ200に対してHCDSガスを供給する際、同時に、ノズル249b,249cのそれぞれからNガスを大流量で供給することで、反応管203の内壁とウエハ200との間の平面視において円環状の空間(以下、単に「円環状の空間」とも称する)の圧力を、ノズル249b,249cのそれぞれからNガスを大流量で供給しない場合よりも大きくすることが可能となる。この場合、円環状の空間へのHCDSガスの流出を抑制することができ、ウエハ200の中央部へのHCDSガスの供給量を増加させることができると考えられる。また、この場合、円環状の空間におけるHCDSガスの分圧(濃度)を低下させ、ウエハ200の外周部へのHCDSガスの供給量を減少させることができるとも考えられる。そのため、第1層の面内厚さ分布を、中央凹分布からフラット分布へ近づけたり、さらには、中央凸分布へ近づけたりする1つの手法として、期間TやTにおいてノズル249b,249cのそれぞれからNガスを大流量で、例えば、HCDSガスの流量よりも大きい流量で流すことが考えられる。
しかしながら、この手法では、HCDSガスの過剰な希釈化により第1層の形成レートが低下し、成膜処理の生産性低下を招く場合がある。
また、発明者等の鋭意研究によれば、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始した後、変曲点を迎える前、すなわち、期間Tにおけるノズル249b,249cからのNガスの供給をたとえ上述のように制御しても、期間Tにおいて、HCDSガスがウエハ200の外周部で活発に消費され、ウエハ200の中央部へは届きにくいという傾向を変えることは、困難な場合があることが分かっている。例えば、原料ガスの種類等によっては、期間Tにおけるノズル249b,249cからのNガスの供給を上述のように制御しても、期間Tで形成される第1層の面内厚さ分布が中央凹分布となる傾向に変化はなく、この分布をフラット分布としたり、中央凸分布としたりすることは、困難な場合があることが分かっている。このように、この手法だけでは、第1層の厚さ分布を充分に制御できない場合がある。
また、発明者等の鋭意研究によれば、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始し変曲点を迎えた後、すなわち、期間Tにおけるノズル249b,249cからのNガスの供給をたとえ上述のように制御しても、期間Tで形成された第1層の面内厚さ分布を変化させることは困難な場合があることが分かっている。例えば、原料ガスの種類等によっては、期間Tにおけるノズル249b,249cからのNガスの供給を上述のように制御しても、期間Tで形成された第1層の面内厚さ分布の傾向を期間Tにおいて変化させることは難しく、この分布をフラット分布へ近づけたり、さらには、中央凸分布へ近づけたりすることは、困難な場合があることも分かっている。
そこで本実施形態では、上述の各種課題を回避するため、ステップAにおいて、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始してから、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を停止する迄の期間に、ステップA1,A2をこの順に行うようにしている。具体的には、ステップA1を、上述の期間T、すなわち、第1層の形成レートが第1レートから第1レートよりも小さい第2レートへ変化するまで(変曲点を迎えるまで)の期間を含む期間に行うようにしている。また、ステップA2を、上述の期間T、すなわち、第1層の形成レートが第1レートから第2レートへ変化した後(変曲点を迎えた後)の期間に行うようにしている。ウエハ200上に形成するSiN膜の面内膜厚分布の制御性を高めるには、期間Tにおいて、ステップA2を不実施とすることが有効である。上述したように、期間Tは期間Tよりも短いことから、ステップA1の実施時間はステップA2の実施時間よりも短くなる。
以下、ステップA1,A2の詳細について順に説明する。
ステップA1では、バルブ243e,243aを開き、ウエハ200に対して、ノズル249aから第1流量でNガスを供給しつつHCDSガスを供給すると共に、バルブ243d,243cを開き、ノズル249aに隣接して設けられたノズル249b,249cから第2流量でNガスを供給する。ここでいう第2流量とは、ノズル249b,249cのそれぞれから供給するNガスの流量の合計流量のことをいう。ノズル249b,249cのそれぞれから供給するNガスの流量は、互いに略均等な流量とすることができる。
ステップA1では、ノズル249aからのNガスの供給を上述のように制御することで、ノズル249aから供給されるNガスをキャリアガスとして作用させ、ノズル249aから供給されるHCDSガスを、ウエハ200の外周部から中央部へ向けて押し出すことが可能となる。この作用により、ステップA1でのHCDSガスのウエハ200の中央部への到達量を、後述するステップA2でのHCDSガスのウエハ200への中央部への到達量よりも多くすることが可能となる。これにより、ステップA1でのウエハ200の中央部におけるHCDSガスの濃度を、ステップA2でのウエハ200の中央部におけるHCDSガスの濃度よりも高くすることが可能となる。また、上述の作用により、ステップA1では、HCDSガスのウエハ200の中央部への到達量を、HCDSガスのウエハ200の外周部への到達量よりも多くすることが可能となる。これにより、ステップA1では、ウエハ200の中央部におけるHCDSガスの濃度を、ウエハ200の外周部におけるHCDSガスの濃度よりも高くすることが可能となる。これらの結果、ステップA1では、ウエハ200の中央部における第1層の形成レートを、ウエハ200の外周部における第1層の形成レートよりも、大きくすることができる。そして、期間Tにおいてウエハ200上に形成される第1層の面内厚さ分布を、中央凹分布ではなく、フラット分布としたり、さらには中央凸分布としたりすることが可能となる。
また、ステップA1では、ノズル249b,249cからのNガスの供給を上述のように制御することで、上述の円環状の空間の圧力を、上述のような制御を行わない場合よりも大きくすることができ、円環状の空間へのHCDSガスの流出を抑制し、ウエハ200の中央部へのHCDSガスの供給量を増加させることが可能となる。また、ノズル249b,249cからのNガスの供給を上述のように制御することで、ノズル249b,249cから排気口231aに向けて供給されるNガスの流れを、ノズル249aから供給されるHCDSガス等をウエハ200の中央部に向けて導くガイドとして作用させることが可能となる。この作用によっても、ウエハ200の中央部へのHCDSガスの供給量を増加させることが可能となる。また、円環状の空間におけるHCDSガスの分圧を低下させ、ウエハ200の外周部へのHCDSガスの供給量を減少させることも可能となる。これらの結果、ステップA1では、ウエハ200の中央部における第1層の形成レートを、ノズル249b,249cからのNガスの供給を不実施とする場合におけるウエハ200の中央部における第1層の形成レートよりも、大きくすることができる。そして、ノズル249aから供給されるNガスにより得られる上述の作用、すなわち、ウエハ200上に形成される第1層の面内厚さ分布を、フラット分布としたり、さらには中央凸分布としたりする効果が、より確実に得られるようになる。
なお、ステップA1においては、第1流量および第2流量のうち少なくともいずれか、好ましくは、これらの両方を、ステップA1におけるHCDSガスの供給流量よりも大きくするのが望ましい。これにより、ウエハ200上に形成される第1層の面内厚さ分布を、フラット分布としたり、さらには中央凸分布としたりする上述の効果が、より確実に得られるようになる。また、ステップA1においては、ノズル249b,249cのそれぞれから供給するそれぞれのNガスの流量のうち少なくともいずれか、好ましくは、これらの両方を、ステップA1におけるHCDSガスの供給流量よりも大きくするのが望ましい。これにより、ウエハ200上に形成される第1層の面内厚さ分布を、フラット分布としたり、さらには中央凸分布としたりする上述の効果が、より確実に得られるようになる。
また、ステップA1では、図4に示すように、ノズル249aからのNガスの供給を、HCDSガスの供給よりも先行して開始するのが好ましい。すなわち、ノズル249aからウエハ200の中央部へ向かうNガスの流れを予め生成してから、ウエハ200に対するHCDSガスの供給を開始することが好ましい。これにより、ノズル249aから供給されるNガスをキャリアガスとして作用させる上述の効果を、HCDSガスの供給開始直後から確実に得ることができるようになる。また、HCDSガスの供給開始時にHCDSガスの濃度がウエハ200の面内において過渡的にばらついてしまうことを抑制することが可能となる。結果として、期間Tにおいてウエハ200上に形成される第1層の面内厚さ分布を、安定的に、再現性よく制御できるようになる。
ステップA1における処理条件としては、
第1流量(ノズル249a):3〜20slm、好ましくは、5〜10slm
第2流量(ノズル249b,249c合計):3〜20slm、好ましくは、5〜10slm
ステップA1の実施時間:ステップAにおけるHCDSガス供給時間の1/10〜1/4
が例示される。他の処理条件は、上述のステップAにおける処理条件と同様である。
ステップA2では、MFC241eを調整し、ウエハ200に対して、ノズル249aから第1流量および第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量でNガスを供給しつつHCDSガスを供給するか、バルブ243eを閉じ、ノズル249aからのNガスの供給を停止しつつノズル249aからHCDSガスを供給すると共に、MFC241d,241cを調整し、ノズル249b,249cから第4流量でNガスを供給する。ここでいう第3流量とは、第2流量と同様に、ノズル249b,249cのそれぞれから供給するNガスの流量の合計流量のことをいう。ノズル249b,249cのそれぞれから供給するNガスの流量は、互いに略均等な流量とすることができる。なお、上述したように、図4は、一例として、ステップA2においてノズル249aからのNガスの供給を停止し(第3流量をゼロとし)、また、第4流量を第2流量と等しい流量(第4流量=第2流量)とする場合を示している。
ステップA2において、ノズル249aからのNガスの供給を上述のように制御することで、ノズル249aからウエハ200に対して供給されるHCDSガスの過剰な希釈化を抑制することが可能となる。その結果、第1層の形成レートの低下が抑制され、成膜処理の生産性低下を回避することが可能となる。なお、ステップA2においてノズル249aからのNガスの供給を行う場合(第3流量をゼロとしない場合)、ノズル249aから供給されるNガスをキャリアガスとして作用させることによるステップA1で述べた効果が、ステップA2でも同様に得られるようになる。ただし、この場合においても、第3流量を、ステップA2におけるHCDSガスの供給流量よりも小さい流量とすることが好ましい。これにより、第1層の形成レートの低下を抑制する上述の効果が、確実に得られるようになる。また、ステップA2において、ノズル249aからのNガスの供給を不実施とする場合(第3流量をゼロとする場合)、第1層の形成レートの低下を抑制する上述の効果が、より確実に得られるようになる。
また、ステップA2では、ノズル249b,249cからのNガスの供給を上述のように制御することで、ステップA1で述べた理由と同様の理由から、ウエハ200の中央部へのHCDSガスの供給量を増加させ、ウエハ200の外周部へのHCDSガスの供給量を減少させることが可能となる。また、ノズル249b,249cから排気口231aに向けて供給されるNガスの流れを、ノズル249aから供給されるHCDSガスをウエハ200の中央部に向けて導くガイドとして作用させること等によるステップA1で述べた効果が、ステップA2でも同様に得られるようになる。なお、ステップA2において、第4流量を、ステップA2におけるHCDSガスの供給流量よりも大きくする場合、ノズル249b,249cから供給されるNガスをHCDSガスのガイドとして作用させること等によるステップA1で述べた効果が、より確実に得られるようになる。
ステップA2における処理条件としては、
第3流量(ノズル249a):0〜0.8slm、好ましくは、0〜0.2slm
第4流量(ノズル249b,249c合計):3〜20slm、好ましくは、5〜10slm
ステップA2の実施時間:ステップAにおけるHCDSガス供給時間の3/4〜9/10
が例示される。他の処理条件は、上述のステップAにおける処理条件と同様である。
ウエハ200上に第1層を形成した後、バルブ243aを閉じ、処理室201内へのHCDSガスの供給を停止する。そして、処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。このとき、バルブ243c〜243eを開いた状態とし、ノズル249c〜249aを介して処理室201内へNガスを供給する。ノズル249c〜249aから供給されるNガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内がパージされる(パージステップ)。パージステップにおいて、ノズル249c〜249aのそれぞれから供給するNガスの流量は、それぞれ例えば0.1〜2slmの範囲内の流量とする。他の処理条件は、上述のステップAにおける処理条件と同様である。
原料としては、HCDSガスの他、モノクロロシラン(SiHCl、略称:MCS)ガス、ジクロロシラン(SiHCl、略称:DCS)ガス、トリクロロシラン(SiHCl、略称:TCS)ガス、テトラクロロシラン(SiCl、略称:STC)ガス、オクタクロロトリシラン(SiCl、略称:OCTS)ガス等のクロロシラン原料ガスを用いることができる。
不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。この点は、後述するステップBにおいても同様である。
[ステップB]
ステップAが終了した後、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200上に形成された第1層に対してNHガスを供給する。具体的には、バルブ243bを開き、ガス供給管243b内へNHガスを流す。NHガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気口231aより排気される。このとき、ウエハ200に対してNHガスが供給される。なお、このとき、バルブ243c〜243eのうち少なくともいずれかを開き、ノズル249c〜249aのうち少なくともいずれかを介して処理室201内へNガスを流すようにしてもよい。図4は、ノズル249bからのNガスの供給を不実施とし、ノズル249a,249cからのNガスの供給を実施する場合を示している。
本ステップにおける処理条件としては、
NHガス供給流量:1〜10slm
NHガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
ガス供給流量(ガス供給管毎):0〜2slm
処理圧力:1〜4000Pa、好ましくは1〜3000Pa
が例示される。他の処理条件は、ステップAにおける処理条件と同様な処理条件とする。
上述の条件下でウエハ200に対してNHガスを供給することにより、ウエハ200上に形成された第1層の少なくとも一部が窒化(改質)される。第1層が改質されることで、ウエハ200上に、SiおよびNを含む第2層、すなわち、SiN層が形成される。第2層を形成する際、第1層に含まれていたCl等の不純物は、NHガスによる第1層の改質反応の過程において、少なくともClを含むガス状物質を構成し、処理室201内から排出される。これにより、第2層は、第1層に比べてCl等の不純物が少ない層となる。
第2層が形成された後、バルブ243bを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。そして、ステップAのパージステップと同様の処理手順、処理条件により、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。
反応体としては、NHガスの他、例えば、ジアゼン(N)ガス、ヒドラジン(N)ガス、Nガス等の窒化水素系ガスを用いることができる。
[所定回数実施]
上述したステップA,Bを非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回、nは1以上の整数)行うことにより、ウエハ200上に、所定組成および所定膜厚のSiN膜を形成することができる。上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、上述のサイクルを1回行う際に形成される第2層の厚さを所望の膜厚よりも薄くし、第2層を積層することで形成されるSiN膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
(アフターパージおよび大気圧復帰)
成膜ステップが終了した後、ノズル249a〜249cのそれぞれからパージガスとしてのNガスを処理室201内へ供給し、排気口231aから排気する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ)
ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下端が開口される。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態でマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。ボートアンロードの後は、シャッタ219sが移動させられ、マニホールド209の下端開口がOリング220cを介してシャッタ219sによりシールされる(シャッタクローズ)。処理済のウエハ200は、反応管203の外部に搬出された後、ボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
(a)ウエハ200に対してHCDSガスを供給して第1層を形成するステップAにおいて、上述のステップA1,A2を行うことにより、第1層の面内厚さ分布を制御することが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布の制御性を高めることが可能となる。例えば、ベアウエハとして構成されたウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を、中央凸分布とすることが可能となる。これにより、ウエハ200としてパターンウエハを用いる場合に、このウエハ200上に、フラット分布を有するSiN膜を形成することが可能となる。
なお、ウエハ200上に形成される膜の面内膜厚分布はウエハ200の表面積に依存するが、これは、いわゆるローディング効果によるものと考えられる。成膜対象のウエハ200の表面積が大きくなるほど、HCDSガス等の原料がウエハ200の外周部で多量に消費され、その中央部へ届きにくくなる。その結果、ウエハ200上に形成される膜の面内膜厚分布が、中央凹分布となる傾向がある。本実施形態によれば、ウエハ200として表面積の大きいパターンウエハを用いる場合であっても、ウエハ200上に形成される膜の面内膜厚分布を中央凹分布からフラット分布へと矯正したり、さらには、中央凸分布へと矯正したりする等、自在に制御することが可能となる。
(b)ウエハ200に対してHCDSガスを供給して第1層を形成するステップAにおいて、上述のステップA1,A2を行うことにより、ウエハ200面内におけるSiN層の組成の分布、すなわち、ウエハ200上に形成されるSiN膜のウエハ面内組成分布(以下、面内組成分布ともいう)を制御することが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成されるSiN膜のウエハ面内膜質分布(以下、面内膜質分布ともいう)の制御性を高めることが可能となる。
例えば、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を中央凸分布とする場合、ウエハ200の中央部においては膜の組成をSiリッチにすることができ、ウエハ200の外周部においては膜の組成をNリッチにすることができる。また例えば、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を中央凹分布とする場合、ウエハ200の中央部においては膜の組成をNリッチにすることができ、ウエハ200の外周部においては膜の組成をSiリッチにすることができる。また例えば、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布をフラット分布とする場合、この膜の組成を、ウエハ200の面内全域にわたり均一化させることが可能となる。
このように、本実施形態では、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を制御することにより、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内組成分布、すなわち、面内膜質分布を広域に制御することが可能となり、例えば、その面内均一性を向上させることが可能となる。
(c)ステップA2では、ノズル249aからのNガスの供給を上述のように制御することにより、HCDSガスの希釈の度合いを小さくし、第1層の形成レートの低下を抑制することが可能となる。結果として、第1層の形成処理の効率低下を抑制することができ、成膜処理の生産性低下を回避することが可能となる。
また、ステップA1の実施時間をステップA2の実施時間よりも短くすることにより、第1層の形成レートの低下をより確実に抑制することが可能となる。すなわち、HCDSガスの希釈の度合いが大きいステップA1の実施時間を、HCDSガスの希釈の度合いが小さいステップA2の実施時間よりも短くすることにより、第1層の形成処理のトータルでの効率低下を抑制することができ、成膜処理の生産性低下を回避することが可能となる。
(d)上述の処理条件下でステップA1,A2を実施することにより、ステップA1におけるHCDSガスの処理室201内における分圧を、ステップA2におけるHCDSガスの処理室201内における分圧よりも小さくすることが可能となる。ステップA1におけるHCDSガスの分圧をこのように低下させることにより、ステップA1において形成される第1層の面内厚さ分布の制御性を高めることが可能となる。上述したように、第1層の形成初期における面内厚さ分布は、最終的に得られる第1層の面内厚さ分布を決定する大きな要因となり得る。そのため、上述の効果は、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布の制御性を高める上で、非常に重要である。
また、ステップA1におけるHCDSガスの分圧をこのように低下させることにより、ステップA1において形成される第1層の段差被覆性(ステップカバレッジ特性)を向上させることが可能となる。これにより、ウエハ200上に形成されるSiN膜のステップカバレッジ特性を向上させることが可能となる。
(e)ステップA1において、ノズル249aからのNガスの供給を、HCDSガスの供給よりも先行して開始することにより、ノズル249aから供給されるNガスをキャリアガスとして作用させる上述の効果を、HCDSガスの供給開始直後から確実に得られるようになる。また、HCDSガスの供給開始時に、HCDSガスの濃度がウエハ200の面内において過渡的にばらついてしまうことを抑制することが可能となる。結果として、ステップA1において形成される第1層の面内厚さ分布を、安定的に、再現性よく制御できるようになる。上述したように、第1層の形成初期における面内厚さ分布は、最終的に得られる第1層の面内厚さ分布を決定する大きな要因となり得る。そのため、上述の効果は、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を、安定的に、再現性良く制御する上で、非常に重要である。
(f)ノズル249b,249cを、ノズル249aを挟んでその両側に配置することにより、第1層の面内厚さ分布の制御性、すなわち,ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布の制御性を高めることが可能となる。
(g)ノズル249a〜249cを、排気口231aと対向するようにそれぞれ配置することにより、第1層の面内厚さ分布の制御性、すなわち,ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布の制御性を高めることが可能となる。
(h)上述の効果は、HCDSガス以外の原料を用いる場合や、NHガス以外の反応体を用いる場合や、Nガス以外の不活性ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。
(4)変形例
本実施形態における成膜ステップは、図4に示す態様に限定されず、以下に示す変形例のように変更することができる。また、これらの変形例は任意に組み合わせることができる。なお、特に説明がない限り、各変形例の各ステップにおける処理手順、処理条件は、上述の基板処理シーケンスの各ステップにおける処理手順、処理条件と同様とする。
(変形例1)
図4に示す成膜シーケンスでは、ステップA1において、ノズル249aからのNガスの供給を、HCDSガスの供給よりも先行して開始する例について説明したが、ノズル249aからのNガスの供給を、HCDSガスの供給と同時に開始するようにしてもよい。この場合、図4に示す成膜シーケンスよりも、1サイクルあたりの処理時間を短縮させ、成膜処理の生産性を向上させることが可能となる。
ただし、このようにした場合、ウエハ200の面内におけるHCDSガスの濃度が、HCDSガスの供給開始時に過渡的に変化し、第1層の面内厚さ分布に影響を与える場合がある。そのため、期間Tにおいてウエハ200上に形成される第1層の面内厚さ分布を、安定的に、再現性よく制御するには、図4に示すように、ステップA1において、ノズル249aからのNガスの供給を、HCDSガスの供給よりも先行して開始するのが好ましい。
(変形例2)
図4に示す成膜シーケンスでは、ステップA2において、第4流量を第2流量と等しくする例(第4流量=第2流量)について説明したが、第4流量を第2流量よりも小さくしてもよい(第4流量<第2流量)。また、第4流量をゼロとし、ノズル249b,249cからのNガスの供給を停止してもよい。もしくは、第4流量を第2流量よりも大きくしてもよい(第4流量>第2流量)。
ステップA2において、第4流量<第2流量とする場合、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を、例えば、中央凸分布の度合いを弱める方向に微調整することが可能となる。また、ステップA2において、第4流量をゼロとする場合、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を、例えば、中央凸分布の度合いをさらに弱める方向に微調整することが可能となる。また、ステップA2において、第4流量>第2流量とする場合、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を、例えば、中央凸分布の度合いを強める方向に微調整することが可能となる。
このように、ステップA2における第4流量の大きさを調整することで、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を微調整することが可能となる。
(変形例3)
図4に示す成膜シーケンスでは、ステップA2において、ノズル249aからのNガスの供給を停止する例について説明したが、上述したように、ノズル249aから、第1流量および第2流量のそれぞれよりも小さくゼロより大きい第3流量でNガスを供給しつつ、HCDSガスを供給するようにしてもよい。このようにすることで、ウエハ200上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布を、例えば、中央凸分布の度合いを強める方向に微調整することが可能となる。
(変形例4)
原料として、例えば、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジメチルジシラン((CHSiCl、略称:TCDMDS)ガスのようなアルキルハロシラン原料ガスや、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH、略称:3DMAS)ガスやビスジエチルアミノシラン(SiH[N(C、略称:BDEAS)ガスのようなアミノシラン原料ガスを用いてもよい。
また、反応体として、例えば、トリエチルアミン((CN、略称:TEA)ガスのようなアミン系ガスや、酸素(O)ガス、水蒸気(HOガス)、オゾン(O)ガス、プラズマ励起されたOガス(O )、Oガス+水素(H)ガスのようなO含有ガス(酸化剤)や、プロピレン(C)ガスのようなC含有ガスや、トリクロロボラン(BCl)ガスのようなB含有ガスを用いてもよい。
そして、例えば以下の成膜シーケンスにより、ウエハ200上に、シリコン酸窒化膜(SiON膜)、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)、シリコン酸炭化膜(SiOC膜)、シリコン炭窒化膜(SiCN膜)、シリコン硼炭窒化膜(SiBCN膜)、シリコン硼窒化膜(SiBN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)を形成するようにしてもよい。
(HCDS→NH→O)×n ⇒ SiON
(HCDS→TEA→O)×n ⇒ SiOC(N)
(HCDS→C→NH)×n ⇒ SiCN
(HCDS→C→NH→O)×n ⇒ SiOCN
(HCDS→C→BCl→NH)×n ⇒ SiBCN
(HCDS→BCl→NH)×n ⇒ SiBN
(HCDS→O+H)×n ⇒ SiO
(3DMAS→O)×n ⇒ SiO
(BDEAS→O )×n ⇒ SiO
これらの成膜シーケンスにおいても、原料供給時に、ステップA1,A2を、図4に示す成膜シーケンスや上述の変形例と同様に行うことで、これらと同様の効果が得られる。なお、原料や反応体を供給する際の処理手順、処理条件は、図4に示す成膜シーケンスや上述の各変形例と同様とすることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。但し、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、第2供給部がノズル249b,249cを有し、これらのノズルが、第1供給部としてのノズル249aを挟んでその両側に配置される例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、第2供給部がノズル249bのみを有し、ノズル249bをノズル249aに近接させて、或いは、離間させて配置するようにしてもよい。この場合であっても、原料供給時に、ステップA1,A2を、図4に示す成膜シーケンスや上述の各変形例と同様に行うことで、これらと同様の効果が得られる。但し、上述の実施形態におけるノズル配置の方が、ウエハ200上に形成される膜の面内膜厚分布の制御性を高めることが可能となる点で、好ましい。
上述の実施形態では、原料供給時にステップA1,A2を行う例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、HCDSガス供給時ではなく、反応体供給時にステップA1,A2を行うようにしてもよい。この場合、ウエハ200上に形成される膜の、ウエハ200の面内におけるN、C、O、B等の濃度分布を制御することが可能となる。反応体供給時に行うステップA1,A2は、図4に示す成膜シーケンスや上述の各変形例で示したステップA1,A2と同様の処理条件、処理手順により行うことができる。
上述の実施形態では、NHガス等の反応体を、ノズル249bから供給する例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、反応体を、ノズル249b,249cの両方から供給してもよい。また、処理室201内にノズル249a〜249cとは異なるノズルを新たに設け、この新たに設けたノズルを用いて反応体を供給するようにしてもよい。これらの場合であっても、原料供給時に、ステップA1,A2を、図4に示す成膜シーケンスや上述の各変形例と同様に行うことで、これらと同様の効果が得られる。
上述の実施形態では、基板上に主元素としてSiを含む膜を形成する例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。すなわち、本発明は、Siの他、ゲルマニウム(Ge)、ボロン(B)等の半金属元素を主元素として含む膜を基板上に形成する場合にも、好適に適用することができる。また、本発明は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)等の金属元素を主元素として含む膜を基板上に形成する場合にも、好適に適用することができる。
例えば、原料として、チタニウムテトラクロライド(TiCl)ガスやトリメチルアルミニウム(Al(CH、略称:TMA)ガスを用い、以下に示す成膜シーケンスにより、基板上に、チタン窒化膜(TiN膜)、チタン酸窒化膜(TiON膜)、チタンアルミニウム炭窒化膜(TiAlCN膜)、チタンアルミニウム炭化膜(TiAlC膜)、チタン炭窒化膜(TiCN膜)、チタン酸化膜(TiO膜)等を形成する場合にも、本発明を好適に適用することができる。
(TiCl→NH)×n ⇒ TiN
(TiCl→NH→O)×n ⇒ TiON
(TiCl→TMA→NH)×n ⇒ TiAlCN
(TiCl→TMA)×n ⇒ TiAlC
(TiCl→TEA)×n ⇒ TiCN
(TiCl→HO)×n ⇒ TiO
基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、基板処理の内容に応じて、適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、処理を迅速に開始できるようになる。
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更するようにしてもよい。
上述の実施形態では、第1、第2供給部が反応管の内壁に沿うように処理室内に設けられている例について説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば図6(a)に縦型処理炉の断面構造を示すように、反応管の側壁にバッファ室を設け、このバッファ室内に、上述の実施形態と同様の構成の第1、第2供給部を、上述の実施形態と同様の配置で設けるようにしてもよい。図6(a)では、反応管の側壁に供給用のバッファ室と排気用のバッファ室とを設け、それぞれを、ウエハを挟んで対向する位置に配置した例を示している。なお、供給用のバッファ室と排気用のバッファ室のそれぞれは、反応管の側壁の下部より上部に沿って、すなわち、ウエハ配列領域に沿って設けられている。また、図6(a)では、供給用のバッファ室を複数(3つ)の空間に仕切り、それぞれの空間に各ノズルを配置した例を示している。バッファ室の3つの空間の配置は、第1、第2供給部の配置と同様となる。また例えば、図6(b)に縦型処理炉の断面構造を示すように、図6(a)と同様の配置でバッファ室を設け、バッファ室内に第1供給部を設け、このバッファ室の処理室との連通部を両側から挟むとともに反応管の内壁に沿うように第2供給部を設けるようにしてもよい。なお、図6(a)、図6(b)で説明したバッファ室や反応管以外の構成は、図1に示す処理炉の各部の構成と同様である。これらの処理炉を用いた場合であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
上述の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態や変形例と同様なシーケンス、処理条件にて成膜を行うことができ、これらと同様の効果が得られる。
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
上述の実施形態や変形例等の手法により形成されるSiN膜等は、絶縁膜、スペーサ膜、マスク膜、電荷蓄積膜、ストレス制御膜等として広く用いることが可能である。近年、半導体デバイスの微細化に伴い、ウエハ上に形成される膜に対して面内膜厚均一性の要求が厳しくなっている。高密度パターンが表面に形成されたパターンウエハ上へフラット分布を有する膜を形成することが可能な本発明は、この要求に答える技術として非常に有益であると考えられる。
以下、上述の実施形態で得られる効果を裏付ける実験結果について説明する。
実施例1〜3として、図1に示す基板処理装置を用い、図4に示す成膜シーケンスにより、複数枚のウエハ上にSiN膜をそれぞれ形成した。実施例1〜3では、ステップA1において、第1供給部としての1本のノズルから供給するNガスの流量(第1流量)を10slmに設定し、第2供給部としての2本のノズルから供給するNガスの合計流量(第2流量)を、順に、1slm(0.5slm×2)、4slm(2slm×2)、10slm(5slm×2)に設定した。また、ステップA2においては、第1供給部としての1本のノズルからのNガスの供給を停止し、第2供給部としての2本のノズルから供給するNガスの合計流量(第4流量)を、第2流量と同一流量に設定した。他の処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
比較例1〜3として、図1に示す基板処理装置を用い、ウエハに対してHCDSガスを供給するステップと、ウエハに対してNHガスを供給するステップと、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、複数枚のウエハ上にSiN膜を形成した。これらの比較例では、ステップA1,A2を不実施とし、第1供給部および第2供給部からのNガスの供給を以下のように制御した。すなわち、比較例1,2では、ウエハに対してHCDSガスを供給するステップにおいて、第1供給部としての1本のノズルからのNガスの供給を停止し、第2供給部としての2本のノズルから供給するNガスの合計流量を、順に、0.2slm(0.1slm×2)、10slm(5slm×2)に設定した。比較例3では、ウエハに対してHCDSガスを供給するステップにおいて、第1供給部としての1本のノズルから供給するNガスの流量を10slmに設定し、第2供給部としての2本のノズルから供給するNガスの合計流量を0.2slm(0.1slm×2)に設定した。他の処理条件は、実施例における処理条件と同様とした。
そして、実施例1〜3および比較例1〜3におけるSiN膜の面内膜厚分布をそれぞれ測定した。図7(a)、図7(b)にそれらの測定結果を示す。図7(a)、図7(b)の縦軸は、それぞれ、ウエハ外周部におけるSiN膜の膜厚に対する測定位置におけるSiN膜の膜厚の比率(測定位置膜厚/ウエハ外周部膜厚)を示している。図7(a)、図7(b)の横軸は、それぞれ、測定位置のウエハの中心からの距離[mm]を示している。図7(a)中の◆、■、▲印は、それぞれ、実施例1〜3の測定結果を示しており、図7(b)中の◆、■、▲印は、それぞれ、比較例1〜3の測定結果を示している。
図7(a)によれば、実施例3におけるSiN膜の面内膜厚分布は強い中央凸分布を示しており、実施例2,1の順に中央凸分布の度合いが弱まることが分かる。すなわち、ステップA1において、第1流量を大流量とした状態で第2流量を大流量と小流量との間で調整することにより、ウエハ上に形成されるSiN膜の面内膜厚分布の中央凸分布の度合いを強めたり弱めたりする等、面内膜厚分布を広範囲に制御することが可能であることが分かる。
図7(b)によれば、比較例1〜3におけるSiN膜の面内膜厚分布は、いずれも中央凸分布を示しておらず、いずれも外周部で最も厚くなる傾向を示しており、また、一部の比較例では中央凹分布の度合いが非常に強くなっていることが分かる。比較例1〜3で用いた成膜手法では、ウエハ上に形成するSiN膜の面内膜厚分布を、例えばフラット分布としたり、中央凸分布としたりする等の制御が困難であることが分かる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対して原料を供給し第1層を形成する工程と、
(b)前記基板に対して反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する工程と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する工程を有し、
(a)では、
(a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する工程と、
(a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する工程と、
をこの順に行う半導体装置の製造方法、または、基板処理方法が提供される。
(付記2)
付記1に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)の実施時間を、(a−2)の実施時間よりも短くする。
(付記3)
付記1または2に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)における前記原料の分圧を、(a−2)における前記原料の分圧よりも小さくする。
(付記4)
付記1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)を、前記原料に含まれる前記膜を構成する主元素の(下地への)吸着状態が擬似不飽和状態である期間に行う。また、(a−2)を、前記原料に含まれる前記膜を構成する主元素の(下地への)吸着状態が擬似飽和状態である期間に行う。なお、前記原料に含まれる前記膜を構成する主元素の(下地への)吸着状態が擬似不飽和状態である期間には、(a−2)を不実施とする。
(付記5)
付記1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)を、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化するまでの期間に行う。また、(a−2)を、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化した後の期間に行う。なお、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化するまでの期間には、(a−2)を不実施とする。
(付記6)
付記1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)での前記原料の前記基板の中央部への到達量を、(a−2)での前記原料の前記基板の中央部への到達量よりも多くする。
(付記7)
付記1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)では、前記原料の前記基板の中央部への到達量を、前記原料の前記基板の外周部(周縁部)への到達量よりも多くする。
(付記8)
付記1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)での前記基板の中央部における前記原料の濃度を、(a−2)での前記基板の中央部における前記原料の濃度よりも高くする。
(付記9)
付記1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)では、前記基板の中央部における前記原料の濃度を、前記基板の外周部(周縁部)における前記原料の濃度よりも高くする。
(付記10)
付記1〜9のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記第4流量を前記第2流量と等しくする。もしくは、前記第4流量を前記第2流量よりも小さくする。もしくは、前記第4流量を前記第2流量よりも大きくする。このように、前記第4流量を調整することで、前記基板上に形成される前記膜の前記基板の面内における膜厚分布を微調整する。
(付記11)
付記1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−1)では、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を、前記原料の供給よりも先行して開始する。
(付記12)
付記1〜11のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記第2供給部は複数の供給部を有し、それらは、前記第1供給部を挟んでその両側に配置される。
(付記13)
付記1〜12のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記第1流量および前記第2流量のそれぞれを、(a−1)における前記原料の供給流量よりも大きくする。
(付記14)
付記1〜13のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記第4流量を、(a−2)における前記原料の供給流量よりも大きくする。
(付記15)
付記1〜14のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記第3流量を、(a−2)における前記原料の供給流量よりも小さくする。
(付記16)
付記1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a−2)では、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止する。すなわち、前記第3流量をゼロとする。
(付記17)
本発明の他の態様によれば、
基板が処理される処理室と、
前記処理室内の基板に対して原料を供給する原料供給系と、
前記処理室内の基板に対して反応体を供給する反応体供給系と、
前記処理室内の基板に対して不活性ガスを供給する不活性ガス供給系と、
前記処理室内において、(a)基板に対して前記原料を供給し第1層を形成する処理と、(b)前記基板に対して前記反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する処理と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する処理を行わせ、(a)では、(a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する処理と、(a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する処理と、をこの順に行わせるように、前記原料供給系、前記反応体供給系、および前記不活性ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
(付記18)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の処理室内において、
(a)基板に対して原料を供給し第1層を形成する手順と、
(b)前記基板に対して反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する手順と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する手順と、
(a)において、
(a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する手順と、
(a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する手順と、
をこの順に行わせる手順と、
をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム、または、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
200 ウエハ(基板)
249a ノズル(第1供給部)
249b ノズル(第2供給部)
249c ノズル(第2供給部)

Claims (19)

  1. (a)基板に対して原料を供給し第1層を形成する工程と、
    (b)前記基板に対して反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する工程と、
    を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する工程を有し、
    (a)では、
    (a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する工程と、
    (a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する工程と、
    をこの順に行い、
    (a−1)を、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化するまでの期間に行う半導体装置の製造方法。
  2. (a−2)を、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化した後の期間に行う請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. (a−1)を、前記原料に含まれる前記膜を構成する主元素の吸着状態が擬似不飽和状態である期間に行う請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. (a−2)を、前記原料に含まれる前記膜を構成する主元素の吸着状態が擬似飽和状態である期間に行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. (a−1)での前記原料の前記基板の中央部への到達量を、(a−2)での前記原料の前記基板の中央部への到達量よりも多くする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. (a−1)では、前記原料の前記基板の中央部への到達量を、前記原料の前記基板の外周部への到達量よりも多くする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. (a−1)での前記基板の中央部における前記原料の濃度を、(a−2)での前記基板の中央部における前記原料の濃度よりも高くする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. (a−1)では、前記基板の中央部における前記原料の濃度を、前記基板の外周部における前記原料の濃度よりも高くする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第4流量を調整することで、前記基板上に形成される前記膜の前記基板の面内における膜厚分布を微調整する請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. (a−1)では、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を、前記原料の供給よりも先行して開始する請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. (a−1)の実施時間を、(a−2)の実施時間よりも短くする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. (a−1)における前記原料の分圧を、(a−2)における前記原料の分圧よりも小さくする請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第2供給部は複数の供給部を有し、それらは、前記第1供給部を挟んでその両側に配置される請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第1流量および前記第2流量のそれぞれを、(a−1)における前記原料の供給流量よりも大きくする請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第4流量を、(a−2)における前記原料の供給流量よりも大きくする請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記第3流量を、(a−2)における前記原料の供給流量よりも小さくする請求項1〜15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  17. (a−2)では、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止し、前記第3流量をゼロとする請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 基板が処理される処理室と、
    前記処理室内の基板に対して原料を供給する原料供給系と、
    前記処理室内の基板に対して反応体を供給する反応体供給系と、
    前記処理室内の基板に対して不活性ガスを供給する不活性ガス供給系と、
    前記処理室内において、(a)基板に対して前記原料を供給し第1層を形成する処理と、(b)前記基板に対して前記反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する処理と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する処理を行わせ、(a)では、(a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する処理と、(a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する処理と、をこの順に行わせ、(a−1)を、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化するまでの期間に行わせるように、前記原料供給系、前記反応体供給系、および前記不活性ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  19. 基板処理装置の処理室内において、
    (a)基板に対して原料を供給し第1層を形成する手順と、
    (b)前記基板に対して反応体を供給し前記第1層を改質させて第2層を形成する手順と、
    を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に膜を形成する手順と、
    (a)において、
    (a−1)前記基板に対して、第1供給部から第1流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給すると共に、前記第1供給部に隣接して設けられた第2供給部から第2流量で不活性ガスを供給する手順と、
    (a−2)前記基板に対して、前記第1供給部から前記第1流量および前記第2流量のそれぞれよりも小さい第3流量で不活性ガスを供給しつつ前記原料を供給するか、前記第1供給部からの不活性ガスの供給を停止しつつ前記第1供給部から前記原料を供給すると共に、前記第2供給部から第4流量で不活性ガスを供給する手順と、
    をこの順に行わせる手順と、
    (a−1)を、前記第1層の形成レートが第1レートから前記第1レートよりも小さい第2レートへ変化するまでの期間に行わせる手順と、
    をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム。
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