JP6990739B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤ電極を用いて放電加工を行うワイヤ放電加工装置に関し、特に、上下に延びるコラムから横に延びてワイヤ電極を上側で案内する上側ガイドユニットを支持する上側支持体と、コラムから横に延びてワイヤ電極を下側で案内する下側ガイドユニットを支持する下側支持体とを備えた放電加工装置に関する。
従来、ワイヤ電極を用いて被加工物を放電加工するワイヤ放電加工装置が用いられている。ワイヤ放電加工装置は、被加工物とワイヤ電極の間の放電現象を利用して加工を行うため、切削加工では不可能な硬い金属やセラミックス等の高硬度材を精密加工することができる。
近年、耐久性向上の観点から高硬度材が金型等の様々な部品に使用されるようになり、ワイヤ放電加工装置には高いレベルでの加工精度の実現が要求されるようになってきた。
また高精度の加工を行う場合、ワイヤ放電加工装置の設置環境は恒温室を推奨しているが、特に海外のユーザーにおいて準恒温室または簡易空調環境でも高精度の加工を実現したいという要望が多くなっており、多少の環境温度変化があっても加工精度が大きく悪化しない機械の開発が望まれていた。
被加工物を加工する場合、コラムから水平方向に延伸した上側支持体および下側支持体の先端にそれぞれ取り付けられた上側ガイドユニットと下側ガイドユニットの間にワイヤ電極を配置し、上側ガイドユニットと下側ガイドユニットの相対的な位置制御を行うことで、ワイヤ電極を所望の角度に配置して精密な形状に被加工物を加工する。
従来から外部環境の温度変化等によりワイヤ放電加工装置の上側ガイドユニットおよび下側ガイドユニットを支持する支持体等の温度が上昇または下降すると、支持体が膨張または収縮して熱変形が生じ、上側ガイドユニットと下側ガイドユニットの相対的な位置ずれが発生して、加工精度の低下を引き起こすという問題が生じていた。
このことから、熱による変形が少なく剛性の高い素材であるセラミックスを各部品に適用した放電加工装置(特許文献1、特許文献2)が知られている。
特開昭62-264818号公報 特開昭62-176735号公報 特許第5922995号公報
しかしながら、各支持体はその形状や構造などを実現するための製造上の制限から一部の部品を鋳鉄製とせざるを得ない場合が多い。上側支持体の一部を鋳鉄製とし、その他の部品をセラミックス等の材料から形成すると、2つの問題が発生する。
1点目は、放電加工中に環境温度が変化した場合に、材料の線膨張係数が異なるため、上側支持体の熱変化による水平方向の長さの変化量が、下側支持体の熱変化による水平方向の長さの変化量よりも大きくなり、上側ガイドユニットを支持する位置と下側ガイドユニットを支持する位置とが意図していた位置からずれてしまうという問題である。
この問題を解決するために、材質の違いを考慮して上側支持体の温度変化による変化量と下側支持体の温度変化による変化量が等しくなるように各部品の水平方向の長さの選定を行うワイヤ放電加工装置に関する発明(特許文献3)等が開示されている。
2点目は、材質の異なる部品を使用して支持体を構成する場合、部品同士を結合する締結面に熱膨張率の差により熱応力が生じ、接合強度が著しく低下するといった問題である。具体的には、温度が変化した際に内部応力により締結面周辺の部品がひずみ、外部からの衝撃によって締結面において部品同士がずれてしまうというものである。
上記2つの問題に関して、本願発明者らが鋭意検討を行った結果、支持体同士の水平方向の長さを調整するだけでなく上側支持体の構造に創意工夫を凝らすことで、さらに外部の熱の変化や外力を受けた際の傾きおよび変位が最小限となる上側支持体を発明するに至った。
また、熱膨張率の異なる部品同士を結合する締結面に創意工夫を凝らすことで、内部応力を分散させることが可能な上側支持体を発明するに至った。
このように、上側支持体の形状および構造にさらに改良を加えることで、上側ガイドユニットと下側ガイドユニットの温度変化によって生じる相対位置のずれおよび締結面の部品同士のずれを最小限に抑えた放電加工装置を提供することを目的とする。
本発明は、コラムに取り付けられワイヤ電極を下側で案内する下側ガイドユニットを支持する下側支持体と、前記ワイヤ電極を上側で案内する上側ガイドユニットを支持する上側支持体と、前記上側支持体を少なくとも1つの軸方向に移動させる軸駆動部を備えたワイヤ放電加工装置であって、前記上側支持体が、前記軸駆動部に移動可能に固定されたアーム支持部と、前記アーム支持部から伸延し水平面に対して傾斜して配置された傾斜アームと、上端が前記傾斜アームに固定され、下端に前記上側ガイドユニットが設けられて、水平面に対して垂直となるように配置された垂直アームを備えたことを特徴とする。
また本発明のワイヤ放電加工装置は、前記傾斜アーム、前記垂直アームおよび前記下側支持体は、セラミックスで形成されていることを特徴とする。
さらに本発明のワイヤ放電加工装置は、前記傾斜アームの水平面に対する傾斜角度は、30°以上60°以下であることを特徴とする。
ここで「軸駆動部」とは、上側支持体を移動させるための駆動機構の総称であり、本実施形態においては、コラム、U軸サドル、V軸スライダーおよびZ軸ベースを指すものとする。
また「水平面」とは、X軸およびY軸によって形成されるXY平面のことを指すものとする。
さらに「軸方向」とは、X軸、Y軸、Z軸、U軸、V軸のいずれかの方向を指すものとする。
本発明によれば、上側支持体が傾斜アームおよび垂直アームから形成されておりさらに材質がセラミックスで形成されているため、熱による変形が少なく剛性の高いワイヤ放電加工装置を提供することが可能となる。
さらに、傾斜アームの水平面に対する傾斜角度を30°以上60°以下とすることで、上側支持体をより剛性の高い構造とすることができる。
本発明は、前記アーム支持部は鋳鉄で形成されており、前記傾斜アームとの締結面に複数の溝が設けられていることを特徴とする。
アーム支持部と傾斜アームの材質が異なる場合、熱膨張率の差により締結面に熱応力が発生し、接合強度が著しく低下することがある。具体的には、温度が変化した際に内部応力により締結面周辺の部品がひずみ、外部からの衝撃によって締結面において部品同士がずれてしまう。
しかしながら本発明によれば、アーム支持部の傾斜アームとの締結面に複数の溝が設けられているため、線膨張係数の違いによる伸びの差をアーム支持部側の曲げとして逃がし、締結面に応力が集中するのを防ぐことが可能となる。
本発明のワイヤ放電加工装置は、前記下側支持体の前記コラムへの固定位置を基準位置として、前記下側支持体の温度変化による水平1軸方向の前記基準位置から前記下側ガイドユニットの水平1軸方向の端部までの長さの変化量と、前記上側支持体の温度変化による水平1軸方向の前記基準位置から前記上側ガイドユニットの水平1軸方向の端部までの長さの変化量が等しくなるように、前記軸駆動部、前記アーム支持部、前記傾斜アームおよび前記垂直アームの長さが構成されることを特徴とする。
ここで「水平1軸方向」とは、ワイヤ放電加工機で規定されたXY平面のうち1軸を指し、本実施形態ではY軸方向を指している。
本発明によれば、下側支持体と上側支持体との温度変化による変位量の差が小さくなり、下側支持体に支持された下側ガイドユニットに対する上側支持体に支持された上側ガイドユニットの温度変化による位置のずれをさらに抑制できる。
ここで「等しくなる」とは、変化量が必ずしも厳密に一致する必要はなく、放電加工における所望の加工精度を実現可能な範囲の近い値であればよい。例えば、下側支持体のコラムへの固定位置を基準位置として、下側支持体の温度変化による水平1軸方向の前記基準位置から下側ガイドユニットの水平1軸方向の端部までの長さの変化量と、上側支持体の温度変化による水平1軸方向の前記基準位置から上側ガイドユニットの水平1軸方向の端部までの長さの変化量の差が30%以下になるようにすることが好ましく、20%以下になるようにすることがより好ましく、10%以下になるようにすることがさらに好ましい。
本発明のワイヤ放電加工装置は、上側支持体および下側支持体をセラミックスで形成して、各部材の長さの選定を行い、さらに傾斜アームを導入することで、上側ガイドユニットと下側ガイドユニットの温度変化によって生じる相対位置のずれおよび上側支持体の反りや変形を抑制し、剛性の高い放電加工装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るワイヤ放電加工装置100の概略を示す側面図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6の第1の実施形態を示す斜視図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6の第1の実施形態を示す側面図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6のアーム支持部61周辺が熱変形した状態を示す模式図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6のアーム支持部61周辺を示す断面拡大図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6のアーム支持部61の傾斜アーム取付面611を示す模式図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6および下側支持体7の水平方向の長さの計算方法を示す説明図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体26の第2の実施形態を示す斜視図である。 ワイヤ放電加工装置100の上側支持体26の第2の実施形態を示す側面図である。 比較例1の上側支持体500を示す斜視図である。 比較例2の上側支持体600を示す斜視図である。
<1. 第1の実施形態>
(1.1 ワイヤ放電加工装置100の全体構成)
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るワイヤ放電加工装置100の概略を示す側面図である。図2は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6の第1の実施形態を示す斜視図であり、図3は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6の第1の実施形態を示す側面図である。
ワイヤ放電加工装置100は、設置面に載置されたベッド1と、水平方向であるY軸方向に往復移動可能にベッド1上に設置されたコラム2と、このコラム2の上にX軸方向と平行な水平1軸方向(U軸方向)に往復移動可能に水平に設置されたU軸サドル51と、U軸サドル51の上にY軸方向と平行な水平1軸方向(V軸方向)に往復移動可能に水平に設置されたV軸スライダー52とを備え、さらにV軸スライダー52の一端にはZ軸方向に往復移動可能なZ軸ベース9が取り付けられている。ここで、コラム2、U軸サドル51、V軸スライダー52およびZ軸ベース9を総称して軸駆動部10と記す。
またY軸方向と垂直な方向(X軸方向)に移動可能に設置されたテーブル3を備え、テーブル3には加工槽4が取り付けられ、被加工物を加工槽4内のワークスタンド上に載置することができる。
また、Z軸ベース9には水平方向に伸延した上側支持体6が固定され、上側支持体6の他端には上側ガイドユニット82が固定されている。また、コラム2の下方の側壁には、コラム2から延びた下側支持体7が固定されており、他端には下側ガイドユニット81が固定されている。
ベッド1の上部にはY軸方向に延びる複数のレール11と、X軸方向に延びる複数のレール13が固定され、レール11はコラム2の底部に固定された複数のリニアガイド21と係合し、レール13はテーブル3の底部に固定された複数のリニアガイド31と係合している。それによりコラム2はY軸方向に直線移動可能となっており、テーブル3はX軸方向に直線移動可能となっている。同様に、コラム2の上部にはU軸方向に延びる複数のレール22が固定され、これらのレール22は、U軸サドル51の底部に固定された複数のリニアガイド51aと係合している。それによりU軸サドル51は、U軸方向に直線移動可能となっている。またU軸サドル51の上部にはV軸方向に延びる複数のレール51bが固定され、これらのレール51bは、V軸スライダー52の底部に固定された複数のリニアガイド52aと係合している。それによりV軸スライダー52は、V軸方向に直線移動可能となっている。
なおリニアガイド21,31,51a,52aは公知のものが適宜利用可能であり、コラム2、U軸サドル51、V軸スライダー52、Z軸ベース9、テーブル3は、モータ等の駆動部材により各方向に往復移動する。
Z軸ベース9は、U軸サドル51に固定された支持体91と、支持体91の前端に設けられたZ軸方向に延びる複数のレール92から構成される。これらのレール92は、上側支持体6に設けられたアーム支持部61の支持体91に対向する面に固定された複数のリニアガイド61aと係合している。これにより上側支持体6は、支持体91に対して上下方向つまりZ軸方向に相対直線移動可能となっている。
ワイヤ放電加工装置100は、図示しない放電加工用の電源装置から被加工物とワイヤ電極Wとに加工電圧を供給しつつ、図示しない制御装置により、ワークスタンドに載置された被加工物を上側ガイドユニット82と下側ガイドユニット81の間に掛け渡されたワイヤ電極Wに対して所望の経路に沿って相対的に移動させ、放電加工を行うことができる。
上側支持体6は、Z軸ベース9にリニアガイド61aを介してZ軸方向に往復移動可能に取り付けられたアーム支持部61と、アーム支持部61のZ軸ベース9に対向する面に固定された傾斜アーム62と、傾斜アーム62のアーム支持部61に対向する面に固定された垂直アーム63から構成される。
アーム支持部61は、Z軸ベース9と上側支持体6を接続するための部材であり、断面矩形状の本体614と、本体614の側周に設けられた複数の補強板613から構成される。補強板613を設けることでアーム支持部61の剛性を強くでき、さらに軽量化を図ることができる。アーム支持部61は、製造上の制約から鋳鉄で形成されている。アーム支持部61の支持体91に対向する面には、複数のリニアガイド61aが固定されている。
傾斜アーム62は図2、図3に示すように、その一端がアーム支持部61に固定されており、他端は垂直アーム63の上端に固定されている。傾斜アーム62は、角柱形状もしくは円柱形状である上側水平部621、傾斜部622、下側水平部623から構成され、上側水平部621、傾斜部622および下側水平部623は一体的に形成されている。傾斜アーム62の両側面の中央部には、傾斜アーム62を軽量化するための溝624が設けられているとともに、同様に下側水平部623の上面にも軽量化のための溝626が設けられている。
上側水平部621および下側水平部623は、XY平面に対して平行に設けられ、傾斜部622はXY平面に対して傾斜角度θで傾斜した状態で設けられる。傾斜角度θは好ましくは30°以上60°以下がよい。
傾斜アーム62は熱による変形が少なく剛性の高い素材であるセラミックスで形成されている。
図4は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6のアーム支持部61周辺が熱変形した状態を示す模式図である。図5は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6のアーム支持部61周辺を示す断面拡大図であり、図6は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6のアーム支持部61の傾斜アーム取付面611を示す模式図である。
外部環境の変化により上側支持体6の温度が上昇すると、アーム支持部61と傾斜アーム62の材質の違いによる熱膨張率の差により、締結面に内部応力が発生する(図4)。傾斜アーム62の材質であるセラミックスは、アーム支持部61の材質である鋳鉄と比べると線膨張係数が約半分であるため、温度変化が大きい場合には締結面に平行に働く圧縮と引っ張り応力が大きくなり、比較的小さな衝撃が加えられた場合であっても締結部分がずれてしまう可能性がある。
よって、傾斜アーム取付面611に複数の溝612を設け、線膨張係数の違いによる伸びの差をアーム支持部61側の曲げとして逃がし、締結面に応力が集中しないように分散させる。溝612は、アーム支持部61と傾斜アーム62を接合するための複数の取付ボルト625の間に設ける(図5,図6)。
垂直アーム63は、長尺の角柱形状もしくは円柱形状の部材であって、上端が傾斜アーム62に固定され、下端には上側ガイドユニット82が設けられている。垂直アーム63は、XY平面に垂直に設けられている。
垂直アーム63も傾斜アーム62と同様にセラミックスで形成されている。
下側支持体7は、コラム2の下方の側壁に固定されてコラム2から延びる角柱形状もしくは円柱形状の部材であって、先端に下側ガイドユニット81が固定されている。下側支持体7はセラミックスで形成され、下側ガイドユニット81は、鋳鉄の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有する材料であるステンレスから形成される。
(1. 2 上側支持体6および下側支持体7の水平方向の長さの計算)
図7は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体6および下側支持体7の水平方向の長さの計算方法を示す説明図である。
本実施形態では、下側支持体7のコラム2への固定位置を基準位置Hとして、下側支持体7の温度変化による水平1軸方向の基準位置Hから下側ガイドユニット81の水平1軸方向の端部HLまでの長さの変化量と、上側支持体6の温度変化による水平1軸方向の基準位置Hから上側ガイドユニット82の水平1軸方向の端部HUまでの長さの変化量が等しくなるように、軸駆動部10、アーム支持部61、傾斜アーム62および垂直アーム63の長さを決定している。
基準位置Hから下側支持体7の端部までの温度変化による水平1軸方向の長さL21の変化量ΔL21と、下側ガイドユニット81の温度変化による水平1軸方向の長さL22の変化量ΔL22の和が、基準位置Hからアーム支持部61の端部までの温度変化による水平1軸方向の長さL11の変化量ΔL11と、傾斜アーム62および垂直アーム63の温度変化による水平1軸方向の長さL12の変化量ΔL12と、上側ガイドユニット82の温度変化による水平1軸方向の長さL13の変化量ΔL13の和と同じになるように、つまり下記式(1)が成立するように、軸駆動部10、アーム支持部61、傾斜アーム62および垂直アーム63の長さを決定する。
下記式(1a)では、軸駆動部10およびアーム支持部61を形成する材料である鋳鉄の線膨張係数をA11、傾斜アーム62、垂直アーム63および下側支持体7を形成する材料であるセラミックスの線膨張係数をA12、下側ガイドユニット81および上側ガイドユニット82を形成するステンレスの線膨張係数をA13、温度変化をΔtとすると、ΔL11=A11×L11×Δt、ΔL12=A12×L12×Δt、ΔL13=A13×L13×Δt、ΔL21=A12×L21×Δt、ΔL22=A13×L22×Δtと表すことができるため、これらを下記式(1)に代入して整理すると、結局、式(1)は、以下の式(1a)のように変形できる。
ΔL11+ΔL12+ΔL13=ΔL21+ΔL22・・・(1)
A11×L11+A12×L12+A13×L13=A12×L21+A13×L22
・・・・(1a)
本実施形態では、上記式(1a)を満たすように、長さL11、L12、L13、L21およびL22を演算し、軸駆動部10、アーム支持部61、傾斜アーム62および垂直アーム63の長さを決定する。軸駆動部10の長さとしては具体的にはZ軸ベース9の長さを決定するものであり、アーム支持部61の長さおよびその他の要素を加味し決定する。
このように構成することで下側支持体7と上側支持体6との温度変化による変位量の差が非常に小さくすることが可能で、下側支持体7に支持された下側ガイドユニット81に対する上側支持体6に支持された上側ガイドユニット82の温度変化による相対的な位置のずれを好適に抑制できる。
なお、上側支持体6の温度変化による水平1軸方向の変化量が、下側支持体7の温度変化による水平1軸方向の変化量の和と略等しいとは、必ずしも厳密に一致する必要はなく、放電加工における所望の加工精度を実現可能な範囲の近い値であればよい。
<2.第2の実施形態>
以下、図を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体26の第2の実施形態を示す斜視図であり、図9は、ワイヤ放電加工装置100の上側支持体26の第2の実施形態を示す側面図である。
本発明の第2の実施形態のワイヤ放電加工装置の上側支持体26は、第1の実施形態の上側支持体6を製品化するうえで検討用として作成した構造である。
上側支持体26は、アーム支持部261と、傾斜アーム62と、垂直アーム63から構成される。
アーム支持部261は、断面矩形状の本体2614と、本体2614の対抗する2側面に設けられた複数の補強板2613から構成されている。
第2の実施形態である上側支持体26を使用してシミュレーションを行い、第1の実施形態である上側支持体6の構造をさらに具体化し、製品化を行った。
<3.シミュレーション例>
第2の実施形態に係る上側支持体26と、傾斜していない水平アームを有する上側支持体500(比較例1、図10)および上側支持体600(比較例2、図11)について比較を行うために数値シミュレーションを行った。ここで、図10は、比較例1の上側支持体500を示す斜視図であり、図11は、比較例2の上側支持体600を示す斜視図である。
具体的には(1)周囲の温度を23℃から26℃に上昇させた場合、(2)周囲の温度を23℃から20℃に下降させた場合、(3)上側ガイドユニットに対してZ軸正方向(上方向)へ50Nの力を加えた場合、の3つの場合について、上側ガイドユニットのY方向変位(μm)、上側支持体の上端および下端のY方向変位(μm)、上側支持体のY方向からの傾き(長さ500μmあたりの傾き量(μm))をシミュレーションにて計算を行った。
<3.1 周囲の温度を23℃から26℃に上昇させた場合のシミュレーション例>
(表1)は、周囲の温度を23℃から26℃に上昇させた場合の上側支持体500(比較例1、図10)、上側支持体600(比較例2、図11)および第2の実施形態である上側支持体26の上側ガイドユニットのY方向変位、上側支持体の上端および下端のY方向変位、上側支持体のY方向からの傾きを示したものである。
Figure 0006990739000001
(表1)によれば、比較例1および比較例2の上側支持体500,600と比較して、傾斜アームを有する上側支持体26は、温度が上昇した場合であってもY方向の変位を抑えかつY方向の傾きを最小限に抑えることができる構造であることがわかる。
<3.2 周囲の温度を23℃から20℃に下降させた場合のシミュレーション例>
(表2)は、周囲の温度を23℃から20℃に下降させた場合の上側支持体500(比較例1、図10)、上側支持体600(比較例2、図11)および第2の実施形態である上側支持体26の上側ガイドユニットのY方向変位、上側支持体の上端および下端のY方向変位、上側支持体のY方向からの傾きを示したものである。
Figure 0006990739000002
(表2)によれば、比較例1および比較例2の上側支持体500,600と比較して、傾斜アームを有する上側支持体26は、温度が下降した場合であってもY方向の変位が抑えられかつY方向の傾きを最小限に抑えることができる構造であることがわかる。
<3.3 上側ガイドユニットに対してZ軸正方向(上方向)へ50Nの力を加えた場合のシミュレーション例>
(表3)は、上側ガイドユニットの下端からZ軸正方向(上方向)へ50Nの力を加えた場合の上側支持体500(比較例1、図10)、上側支持体600(比較例2、図11)および第2の実施形態である上側支持体26の上側ガイドユニットのY方向変位、上側支持体の上端および下端のY方向変位、上側支持体のY方向からの傾きを示したものである。
Figure 0006990739000003
(表3)によれば、比較例1および比較例2の上側支持体500,600と比較して、傾斜アームを有する上側支持体26は、外力を受けた場合にY方向の変位およびY方向の傾きを最小限に抑えることができる構造であることがわかる。
本実施形態では、上側支持体6,26をU軸、V軸、Y軸、Z軸方向に移動させ、テーブル3をX軸方向に移動する構成であったが、テーブル3をY軸およびX軸方向に移動させる構成としてもよい。
また本実施形態においては、コラム2の上に設けられたU軸サドル51がU軸方向に移動する構成であったが、Z軸ベース9と上側支持体6,26の間にU軸スライダーを設けて、U軸スライダーにより上側支持体6,26をU軸方向に往復移動させる構成とすることもできる。
以上説明した本発明は、この発明の精神および必須の特徴的事項から逸脱することなく他のいろいろな形態で実施することができる。したがって、本明細書に記載した実施例は例示的なものであり、これに限定して解釈されるべきものではない。
1 ベッド
2 コラム
3 テーブル
4 加工槽
51 U軸サドル
52 V軸スライダー
6 上側支持体
7 下側支持体
81 下側ガイドユニット
82 上側ガイドユニット
9 Z軸ベース
W ワイヤ電極
100 ワイヤ放電加工装置

Claims (4)

  1. コラムに取り付けられワイヤ電極を下側で案内する下側ガイドユニットを支持する下側支持体と、前記ワイヤ電極を上側で案内する上側ガイドユニットを支持する上側支持体と、前記上側支持体を少なくとも1つの軸方向に移動させる軸駆動部を備えたワイヤ放電加工装置であって、
    前記上側支持体が、前記軸駆動部に移動可能に固定されたアーム支持部と、前記アーム支持部から伸延し水平面に対して傾斜して配置された傾斜アームと、上端が前記傾斜アームに固定され、下端に前記上側ガイドユニットが設けられて、水平面に対して垂直となるように配置された垂直アームを備え
    前記下側支持体の温度変化による水平1軸方向の変化量と、前記上側支持体の温度変化による水平1軸方向の変化量が等しくなるように、前記軸駆動部、前記アーム支持部、前記傾斜アームおよび前記垂直アームの長さが構成されることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記傾斜アーム、前記垂直アームおよび前記下側支持体は、セラミックスで形成されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記アーム支持部は鋳鉄で形成されており、前記傾斜アームとの締結面に複数の溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記傾斜アームの水平面に対する傾斜角度は、30°以上60°以下であることを特徴とする請求項1記載のワイヤ放電加工装置。
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