本出願は、その内容が依拠され、ここに引用される、2015年10月21日に出願された米国仮特許出願第62/244462号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
ここで、本開示の例示の実施の形態が示されている添付図面を参照して、装置および方法をここにより完全に説明する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部品を称するために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化してよく、ここに述べられた実施の形態に制限されると解釈すべきではない。
範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとここに表現することができる。そのような範囲が表現された場合、別の実施の形態は、そのある特定値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が「約」という先行詞を使用して、近似として表現されている場合、その特定の値が別の実施の形態を形成することが理解されよう。範囲の各々の端点は、他方の端点に関してと、他方の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
ここに使用されるような方向の用語、例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部などは、描かれたような図面に関してのみに用いられ、絶対的な向きを暗示する意図はない。
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを要すると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない、または工程が特定の順序に限定されることが、請求項または説明に他に具体的に述べられていない場合、いかなる点に関しても、順序が示唆されることは決して意図されていない。これは、工程または作業の流れの配列に関する理論事項;文章構成または句読法に由来する明白な意味;明細書に記載された実施の形態の数またはタイプを含む、解釈のどの可能な非表現基準でも有効である。
ここに用いたように、名詞は、特に明記のない限り、複数の対象も指す。それゆえ、例えば、構成要素に対する言及は、特に明記のない限り、そのような構成要素を2つ以上有する態様を含む。
本開示の態様は、バッチを溶融ガラスに処理するための装置を含み、より詳しくは、溶融ガラスを処理するための装置を含む。本開示の炉は、気体、液体および/または固体を加熱するための幅広い用途のために提供されることがある。一例において、本開示の装置は、バッチを溶融ガラスに溶融し、その溶融ガラスを下流の処理装置に搬送するように構成されたガラス溶融システムに関して記載されている。
本開示の方法は、多種多様な様式で溶融ガラスを処理することがある。例えば、溶融ガラスは、溶融ガラスを初期温度より高い温度に加熱することによって処理されることがある。さらなる例において、溶融ガラスは、溶融ガラスの温度を維持することによって、または溶融ガラスに熱エネルギーを供給することによりそうでなければ生じるかもしれない熱損失速度を低下させ、それにより溶融ガラスの冷却速度を制御することによって、処理されることがある。
本開示の装置は、清澄容器または混合容器、例えば、撹拌容器で溶融ガラスを処理することがある。必要に応じて、前記装置は、溶融ガラスをある位置から別の位置に輸送する搬送容器(導管)を含むガラス製造装置の作動を促進するために、熱管理装置、電子装置、電気機械装置、支持構造または他の構成要素などのさらなる構成要素を1つ以上含むことがある。
図1には、例示のガラス製造装置10が示されている。ある例では、ガラス製造装置10は、溶融容器14を含み得るガラス溶融炉12を備え得る。溶融容器14に加え、ガラス溶融炉12は、必要に応じて、バッチを加熱し、そのバッチを溶融ガラスに転化させるように構成された加熱素子(例えば、燃焼バーナまたは電極)などの追加の構成要素を1つ以上含み得る。さらなる例において、ガラス溶融炉12は、溶融ガラスの温度を制御するように構成された熱管理措置(例えば、断熱、加熱および/または冷却構成要素)を含むことがある。さらに他の例において、ガラス溶融炉12は、バッチ材料のガラス溶融物への溶融を促進するように構成された電子装置および/または電気機械装置を含むことがある。さらにまた、ガラス溶融炉12は、支持構造(例えば、支持筐体、支持部材など)または他の構成要素を含むことがある。
ガラス溶融容器14は、典型的に、耐火セラミック材料などの耐火材料からなる。ある例では、ガラス溶融容器14は、耐火セラミックれんが、例えば、アルミナまたはジルコニアから作られた耐火セラミックれんがから構成されることがある。
ある例では、前記ガラス溶融炉は、ガラスリボンを製造するように構成されたガラス製造装置の構成要素として組み込まれることがある。ある例では、本開示のガラス溶融炉は、スロットドロー装置、フロート浴装置、フュージョンダウンドロー装置を含むダウンドロー装置、アップドロー装置、プレス圧延装置、チューブドロー装置または他のガラスリボン製造装置を含むガラス製造装置の構成要素として組み込まれることがある。一例として、図1は、後でガラスシートに加工するためのガラスリボンをフュージョンドローするためのフュージョンダウンドロー装置10の構成要素としてガラス溶融炉12を概略示している。
そのガラス製造装置(例えば、フュージョンダウンドロー装置10)は、必要に応じて、溶融ガラスの流れ方向に対してガラス溶融容器14の上流に配置された上流のガラス製造装置16を備えても差し支えない。ある例では、上流のガラス製造装置16の一部または全部が、ガラス溶融炉12の一部として組み込まれることがある。
図示された例に示されるように、上流のガラス製造装置16は、バッチ貯蔵器18、バッチ供給装置20およびバッチ供給装置20に接続されたモータ22を備えることができる。貯蔵器18は、矢印26により示されるように、ガラス溶融炉12の溶融容器14に供給できる量のバッチ24を貯蔵するように構成されることがある。ある例では、バッチ供給装置20は、貯蔵器18から溶融容器14に所定量のバッチ24を供給するように構成されたモータ22によって駆動できる。さらなる例において、モータ22は、バッチ供給装置20を駆動して、溶融容器14の下流の溶融ガラスの検出レベルに基づく制御された速度でバッチ材料24を導入することができる。溶融容器14内のバッチ24は、その後、溶融ガラス28を形成するように加熱することができる。
ガラス製造装置10は、必要に応じて、溶融ガラスの流動方向に対してガラス溶融炉12の下流に配置された下流のガラス製造装置30も備え得る。ある例では、下流のガラス製造装置30の一部は、ガラス溶融炉12の一部として組み込まれることがある。例えば、下記に述べられる第1の接続導管32、または下流のガラス製造装置30の他の部分は、ガラス溶融炉12の一部として組み込まれることがある。第1の接続導管32を含む、下流のガラス製造装置の要素は、貴金属から形成されることがある。適切な貴金属としては、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびパラジウム、並びにその合金からなる金属の群から選択される白金族金属が挙げられる。例えば、そのガラス製造装置の下流の構成要素は、70から90質量%の白金および10から30質量%のロジウムを含む白金・ロジウム合金から形成されることがある。
下流のガラス製造装置30は、溶融容器14より下流に位置し、上述した第1の接続導管32を経由して溶融容器14に接続された清澄容器34などの第1の状態調節容器を備えることができる。ある例では、溶融ガラス28は、第1の接続導管32を経由して溶融容器14から清澄容器34に重力送りされることがある。例えば、重力により、溶融ガラス28が溶融容器14から清澄容器34まで第1の接続導管32の内部通路を通過することがある。
清澄容器34内で、気泡が様々な技術によって溶融ガラス28から除去されるであろう。例えば、バッチ24は、加熱されたときに、化学的還元反応を経て、酸素を放出する酸化スズなどの多価化合物(すなわち、清澄剤)を含むことがある。他の適切な清澄剤としては、制限なく、ヒ素、アンチモン、鉄およびセリウムが挙げられる。清澄容器34は、溶融容器の温度より高い温度に加熱され、それにより、清澄剤を加熱する。清澄剤の温度により誘発された化学的還元により生じた酸素の気泡が、清澄容器内で溶融ガラスを通って上昇し、溶融炉内で生じた溶融物中の気体は、清澄剤により生じた酸素の気泡と合体し得る。次いで、拡大された気泡は、清澄容器内の溶融ガラスの自由表面へと上昇し、その後、放出され得る。
下流のガラス製造装置30は、清澄容器34より下流に位置することがある、溶融ガラスを混合するための混合容器36などの第2の状態調節容器をさらに備えることができる。そのガラス溶融物の混合容器36は、均質なガラス溶融組成物を提供し、それにより、清澄器から出る清澄された溶融ガラス内にそうしなければ存在するかもしれない異質の脈理を減少させるまたはなくすために使用することができる。図から分かるように、清澄容器34は第2の接続導管38を経由して溶融ガラスの混合容器36に接続されることがある。ある例では、溶融ガラス28は第2の接続導管38を経由して清澄容器34から混合容器36に重力送りされることがある。例えば、重力により、溶融ガラス28が清澄容器34から混合容器36まで第2の接続導管38の内部通路を通過することがある。
下流のガラス製造装置30は、混合容器36より下流に位置する、送達容器40などの別の状態調節容器をさらに備えることができる。送達容器40は、下流の成形装置に供給すべき溶融ガラス28を状態調節することがある。例えば、送達容器40は、溶融ガラス28の一貫した流れを調節し、それを、出口導管44を経由して成形体42に提供するためのアキュムレータおよび/または流量調整器として機能することができる。図から分かるように、混合容器36は第3の接続導管46を経由して送達容器40に接続されることがある。ある例では、溶融ガラス28は第3の接続導管46を経由して混合容器36から送達容器40に重力送りされることがある。例えば、重力により、溶融ガラス28が混合容器36から送達容器40まで第3の接続導管46の内部通路を通過することがある。
下流のガラス製造装置30は、入口導管50を有する上述した成形体42を含む成形装置48をさらに備えることができる。出口導管44は、溶融ガラス28を送達容器40から成形装置48の入口導管50に送達するように配置することができる。フュージョン成形過程において、成形体42は、その成形体の上面に配置されたトラフ52および成形体の底部エッジ(基部)56に沿って集束する集束成形面54を含み得る。送達容器40、出口導管44および入口導管50を通じて成形体のトラフ52に送達される溶融ガラスは、そのトラフの壁を溢れ、集束成形面54に沿って溶融ガラスの別々の流れとして降下する。溶融ガラスの別々の流れは、基部56の下でそれに沿って接合して、単一のガラスリボン58を生じる。このガラスリボンは、ガラスが冷め、ガラスリボン58が粘弾性転移を経て、ガラスリボン58に安定した寸法特徴を与える機械的性質を有するように溶融ガラスの粘度が上昇するときに、ガラスリボンの寸法を制御するために、重力および牽引ロール(図示せず)などにより、ガラスリボンに張力を印加することによって、基部56から延伸される。そのガラスリボンは、続いて、ガラス分割装置(図示せず)によって、個々のガラスシートに分割されるであろう。
下流のガラス製造装置の他の構成要素とは異なり、成形体42は、典型的に、アルミナ(酸化アルミニウム)またはジルコニア(酸化ジルコニウム)などの耐火セラミック材料から形成されるが。他の耐火材料を使用してもよい。ある例では、成形体42は、静水圧プレス成形され、焼結され、次いで、適切な形状に機械加工されたセラミック材料のモノリスブロックである。他の例では、成形体は、耐火材料、例えば、セラミック耐火材料の2つ以上のブロックを接合することによって形成されることがある。成形体42は、溶融ガラスの流れをその成形体に向け、そこから他に向けるように構成された1つ以上の貴金属構成要素を含んでもよい。
溶融ガラス28が溶融容器14から成形体42に移動するときに、その溶融ガラスは、溶融ガラスが中を流れる様々な貴金属容器内で熱的に状態調節される。例えば、溶融ガラス28が第1の接続導管32を通って清澄容器34中に移動するときに、溶融ガラスは、溶融容器内の溶融ガラスの温度より高い温度に加熱されて、清澄過程を促進させることができる。溶融ガラス28は、その溶融ガラスが清澄容器の長さに沿って流動するときに、清澄容器内でさらに加熱することができる。先に述べたように、溶融容器と比べて清澄容器内の比較的高い温度は、清澄剤の化学的還元を促進させ、それによって清澄剤による酸素の放出を増加させ、溶融ガラスの粘度を低下させ、それによって、溶融ガラス内に同伴された気泡の溶融ガラスの自由表面への上昇を促進させる。したがって、第1の接続導管32および清澄容器34は、その第1の接続導管および清澄容器の壁を通じて電流を流すためのフランジを含むように構成されることがある。
溶融ガラスが第2の接続導管38を通じて清澄容器34から混合容器36に搬送されているときに、その溶融ガラスの温度は、溶融ガラスが、例えば、混合容器内に回転自在に配置された撹拌機により、容易に混合(均質化)できる温度より低く低下するのを防がなければならない。混合容器内の溶融ガラスが粘性になり過ぎた場合、混合効率がマイナスの影響を受け、それによって、溶融ガラスを均質化する混合過程の有効性が低下し得る。したがって、清澄容器34と混合容器36との間に配置された第2の接続導管38、およびその混合容器自体は、第2の接続導管および混合容器の壁を通じて電流を流すためのフランジを有するように構成されることがある。
送達容器40により成形体42に送達される溶融ガラス28は、ガラスリボンの成形を可能にするのに適切な粘度のものでなければならない。その溶融ガラスの粘度が低すぎると、ガラスリボンに適切な張力を印加するのが、難しいかまたは不可能になるであろう。粘度が高すぎると、厚さ制御が問題となるであろう。さらに、溶融ガラス28が成形体42の成形面54上を流れるときの溶融ガラスの温度は、溶融ガラス自体の結晶化(失透)を防ぎ、溶融ガラスが成形体の成形面上を流れるときに溶融ガラスに溶け込むかもしれない成形体の材料の結晶化および析出を防ぐように制御しなければならない。溶融ガラス28が成形体42に送達されるときの溶融ガラスの適切な温度と粘度を達成するために、溶融ガラスが第3の接続導管46を通って移動するときの溶融ガラスからの正味の熱損失を十分に制御しなければならない。したがって、第3の接続導管46は、その第3の接続導管の壁を通じて電流を流すためのフランジを有するように構成されることがある。
ガラス製造装置10の上述した構成要素のいずれかまたは全ては、1つ以上のフランジを有するように構成することができる。そのフランジは、フランジに供給される電流が様々な温度帯を生じるように別々の制御可能であるように構成することができる。例えば、清澄容器34は複数のフランジを含むことがあり、ここで、2つ以上のフランジの群は、清澄容器に沿って異なる温度帯を与えるように制御することができる。そのような異なる温度帯は、下流のガラス製造装置の金属部材に沿ったいずれか1つ以上の位置で確立できることが明白であろう。以下の記載は、その構造と操作を含む、下流のガラス製造装置内などのガラス製造装置内に使用するのに適したフランジのより詳しい議論を与える。
図2には、本開示の実施の形態による容器102に取り付けられた例示のフランジ100の断面側面図が示されている。容器102は、例えば、第1、第2および第3の導管32、38および46、清澄容器34、混合容器36、送達容器40、出口導管44と入口導管50、またはガラス製造装置10を構成することがあるいずれか他の金属容器または他の金属構成要素を含む、上述した溶融炉12と成形体42との間の下流のガラス製造装置30を構成する金属容器のいずれか1つであってよい。容器102は、溶融ガラスの流れを受け入れるように構成された内容積106を取り囲む壁104を備え、容器の長さに沿って延在する中心縦軸108、および縦軸108に対して垂直なフランジの面の断面形状を有する。縦軸108は、容器の円形断面の中心に位置しており、容器中心線108と称されることもある。容器102の断面形状は、容器の長さに沿った(縦軸108に沿った)位置の関数として縦軸108に対して垂直な面における形状とサイズの両方で変動してよいが、図2の例では、円形断面として示されている。例えば、下流のガラス製造装置内の特定の導管は、ある断面形状の導管から、異なる断面形状を有する別の導管まで移行片を形成する移行導管を含んでもよい。
フランジ100は、第1のリング112、第2のリング114、および本体部分110の最も外側のリングに取り付けられた電極部分116を含む本体部分110を備える。第2のリング114は、ある例では、最も外側のリングであることがある。電極部分116は、最も外側のリング、例えば、図2に示されるように第2のリング114に直接接続されている。ある例では、電極部分116は、最も外側のリングと一体であり、それと共に形成されることがある。他の例では、電極部分116は、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング114に取り付けられることがある。ここに用いたように、第1のリング112は、最も内側のリングであることがあり、例えば、第1のリング112の内縁を容器の壁104に溶接することにより、容器102と密接に接触していることがある。
図2に示された実施の形態において、第1のリング112は第1の金属から作られ、この金属は、第1のリング112が最も内側のリングである場合、容器102に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の外面(例えば、壁104)での高温環境に耐えることができる。例えば、第1のリング112は、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器102と同じ貴金属を含むことがある。例えば、第1のリング112は、白金が合金の約70%から約90%を占め、ロジウムが合金の約20%から約30%を占める、白金・ロジウム合金から作られることがある。第1のリング112の全ては、同じ金属から形成されていても、または第1のリング112は異なる金属を含んでもよい。例えば、第1のリング112は、第1のリングの電気抵抗を変えるため、第1のリングの強度または硬度などの第1のリングの機械的性質を変えるため、もしくは必要に応じてまた合金化により達成されるであろうように任意の他の所望の属性を得るために、異なる百分率の組合せの白金・ロジウム合金から作られても、または他の合金化材料を含んでもよい。第1のリング112は幅W1をさらに有し、幅W1は、縦軸108に対して垂直な線に沿ってとられる。いくつかの実施の形態において、幅W1は第1のリングの周りの角度位置に関して変動することがある。他の実施の形態、例えば、図2に示された実施の形態において、幅W1は角度的に一定であることがある。
第2のリング114は、容器102の壁104から間隔が置かれており、第1のリング112の周りで閉ループで配置され、第1のリング112よりも容器の壁104から離れており、したがって、第1のリング112よりも低い温度に暴露され、所望であれば、第1のリング112の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング112は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング114は、例えば、制限なく、ニッケル、銅またはその合金などの、それほど高価ではないおよび/またはそれほど耐温度性ではないが、導電性である金属から形成されることもある。しかしながら、先に記載したように、ある例では、第2のリング114は白金含有リングであることがある。第2のリング114は幅W2をさらに有し、幅W2は、縦軸108に対して垂直な線に沿ってとられる。幅W2は、容器102(例えば、縦軸108)に対する角度位置の関数として変動してもよい、または幅W2は実質的に一定であってもよい。いくつかの実施の形態において、第2のリング114は、溶接などによって第1のリング112に直接接合することができる。他の実施の形態において、第2のリング114は、第1のリング112から間隔が置かれ、第1のリング112と直接接触していないことがある。例えば、フランジ100は、第1のリング112と第2のリング114との間に1つ以上の中間リングを備えることがある。
いくつかの実施の形態において、例えば、フランジ100の主面に垂直な方向における、最も外側のリングの厚さは、そのフランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分116と隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。そのようなより厚い部分は、電極部分116と隣接しているが、電極部分116と第1のリング112の第1の部分118との直接間にはないことがある(例えば、図6、7および8参照のこと)。例えば、より厚い部分は、他の部分よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲であることがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分116に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分の中とその周りで高いために生じ得る。電極部分116と隣接しているが、電極部分116と第1のリング112との間にはない最も外側のリングのより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度および抵抗加熱による低下した温度を示す。このように、電極部分116と隣接した最も外側のリングの部分は、その電極部分と反対の最も外側のリングの部分よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング114であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング114は、最も外側のリングと第1のリング112との間の中間にあるリングであることがある。
先に述べたように、第1のリング112は、容器102の周りに閉ループで延在し、第1のリング112が最も内側のリングである場合、第1のリング112は第1のリング112の内縁に沿って容器の壁104の外周で容器102に取り付けられることがある。例えば、第1のリング112の内縁が容器の壁104の外面に溶接されることがある。同様に、図2に示された例などの例において、第2のリング114の内縁は、第1のリング112の外縁に直接取り付けることができる。他の例において、先に述べたように、第1のリング112と第2のリング114との間、すなわち、第2のリング114の内縁と第1のリング112の外縁との間に、介在する追加のリングが配置されることがある。そのような介在する追加のリングは、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがある。さらに、追加のリング、例えば、最も外側のリングが第2のリング114の外側に配置されることがある。
図2にさらに示されるように、第1のリング112は、第1の厚さT1を有する第1の部分118を含む。T1は、例えば、約40ミル(約0.1cm)から約50ミル(約0.13cm)の範囲にあり得る。第1の部分118は、いくつかの実施の形態において、容器102の全周の半分未満(<180°)の周りに延在することがある。いくつかの実施の形態において、第1の部分118は、容器102の全周の半分以上であるが、容器102の全周未満(180°以上から360°未満)の周りに延在することがある。例えば、円形断面を有する図2に示された容器を考えると、この図は、容器102の上部から垂直に離れて延在する電極部分116をさらに示す。図2は、容器102から離れる方向にフランジ100から延在するただ1つの電極部分116しか示していないが、フランジは2つ以上の電極部分を備えることがある。電極部分116および容器102を通ることを含む、紙面(すなわち、フランジの面)でフランジ100を通って延在する縦軸108に垂直な線120を考えると、容器102の第1の直径122は線120上にある。線120に垂直であり、縦軸108を通りそれに垂直な第2の線124も考えると、容器102の第2の直径126は線124上にある。図示した実施の形態において、線120は、水平として示されている線124に垂直かつ直角として示されているが、垂直および水平以外の方向も適用できる。図2に示された実施の形態によれば、第1のリング112の第1の部分118は、水平線124に対して容器の壁104の全上半分より大きく周りに延在する。これが、水平線124を超えて(それより下に)容器の壁104の周りに延在する第1の部分118により示されている。
先の記載は、フランジ100の面内の縦軸(中心線)108に対して垂直にそこから外方に無限に延在する2つの放射状の直線である、第1の放射状の直線130および第2の放射状の直線132を想像することによって、別の様式で見ることができ、ここで、第1の放射状の直線130は、垂直線120の片側の第1の部分118上の1つの点(点A)のみと交差し、第2の放射状の直線132は、垂直線120の反対側の第1の部分118上の異なる1つの点(点B)のみと交差する。第1の部分118が容器102の周りに延在する領域に亘る、第1の放射状の直線130および第2の放射状の直線132の間のそれらにより囲まれた弧は、360°-αの角度の範囲を定める。この例において、角度αは180°未満であることがある。それに加え、第1のリング112が最も内側のリングである図2の例において、第1の部分118は、角度360°-αに亘り容器の壁104と接触することがある。このように、角度αは、第1の部分118が延在しない、または容器の壁と接触していない容器の壁104の領域を表すことがある。
第1の部分118が、電極部分116に隣接し、電極部分116と水平線124の同じ側にあることも留意すべきである。この点の重要性が、下記にさらに詳しく説明されている。
第1のリング112は、第2の厚さT2を有する第2の部分128をさらに含む。第2の厚さT2は第1の厚さT1と異なることがある。例えば、第2の厚さT2は第1の厚さT1より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、T2は約80ミル(約0.2cm)から約100ミル(約0.25cm)の範囲にあることがある。第2の部分128は、第1の部分118が例えば、少なくともαの角度範囲に亘り延在しない容器の壁104の部分の周りに延在する。図2に示された実施の形態において、第2の部分128は、αの角度範囲に亘り容器の壁104と接触している。いくつかの実施の形態において、第2の部分128は、αより大きい角度範囲に亘り容器の壁104の周りに延在することがある。他に見ると、フランジ100の面の縦軸(中心線)108に対して垂直にそこから外方に無限に延在する2つの追加の放射状の直線である、第3の放射状の直線134および第4の放射状の直線136を想像すると、第3の放射状の直線134は、第2の部分128上の1つの点(点C)のみと交差し、第4の放射状の直線136は、垂直線120の反対側の第2の部分128上の異なる1つの点(点D)のみと交差する。図2の例示のフランジにおいて、第1と第2の放射状の直線130、132は水平線124に対して下方に延在するのに対し、第3と第4の放射状の直線134、136は水平線124に対して概して上方に延在する。第2の部分128が延在する領域に亘る、第3の放射状の直線134および第4の放射状の直線136の間の弧は、360°-βの角度の範囲を定める。角度βは180度未満の角度であることがあり、第2の部分128は、少なくとも、360°-βにより定義される壁104の部分の周りに延在する。図2に示された実施の形態において、角度βは、第1の部分118が、外側に隣接するリング、例えば、第2のリング114と接触している角度範囲も表す。第2の部分128が容器102の周りに延在する角度範囲(360°-β)は、図示された実施の形態において、第2の部分128と容器の壁104との間の接触線が180度未満(角度α)の範囲を定めるけれども、180度より大きいことがある。フランジ100の面内で第1の部分118と第2の部分128との間に容器102に対するエッジ間の重複があることも認識すべきである。図2によれば、重複の領域は、第1の放射状の直線130と第3の放射状の直線134との間、および/または間第2の放射状の直線132と第4の放射状の直線136との間にある。図2に関連して、重複の少なくとも1つの領域の角度範囲は、垂直線120の周りのフランジ100の右半分と左半分との間の対称性を仮定すれば、(360°-α-β)/2である。この文脈において、そのような重複は、フランジ100の面内にあり、縦軸108に対して垂直にそこから外方に無限に延在する少なくとも1つの任意の放射状の直線138が、第1の部分118と第2の部分128の両方の幅に亘り延在することを意味する。動きに関して見ると、直線138に沿って縦軸108から離れる方向に動くと、第1の部分118を通り、次いで、第2の部分128を連続して通る。このように、任意の直線138に沿って、第1の部分118は、第2の部分128と容器の壁104との間にある。他の角度方位において、任意の直線138などの任意の直線は、第1の部分118のみと交差することがあり、さらに他の方位では、第2の部分128のみと交差することがあることに留意すべきである。
上述した説明を纏めると、第1のリング112は容器102の周りに閉ループで延在する。第1のリング112は少なくとも2つの部分、第1の部分118と第2の部分128を含み、第1または第2の部分のいずれも、容器102の周りに閉ループで個別に延在しない。第1の部分118と第2の部分128は、第1の部分118の外縁の全てではなく少なくとも一部が、第2の部分128の内縁の全てではなく一部と接触しているエッジ間で重複する領域があるという点で少なくとも部分的に入れ子となっている。容器の中心線に対して、第1の部分118は容器102の少なくとも一部の周りに延在し、縦軸108に対して180度より大きい角度に亘り延在することがある。同様に、第2の部分128は、容器102の少なくとも一部の周りに延在し、縦軸108に対して180度より小さい角度に亘り延在することがある。例示の実施の形態において、第1の部分118の第1の厚さT1は、第2の部分128の第2の厚さT2より小さいことがある。他の実施の形態において、第1の部分118と第2の部分128の材料は、異なる固有の電気抵抗を提供するために選択されることがある。
図2と先の記載により、フランジ100の面内にあり、第1のリング112に関して、第2の部分128ではなく第1の部分118のみの幅を横断する、縦軸108に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線150が少なくとも1つあることがさらに明白であろう。放射状の直線150は、電極部分116とさらに交差することがある。同様に、フランジ100の面内にあり、第1のリング112に関して、第1の部分118ではなく第2の部分128のみの幅を横断し、電極部分116とは交差しないことがある、縦軸108に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線152が少なくとも1つある。
ただ1つの電極部分116を示す図2に関して、第1の部分118は、電極部分116に概して隣接し、水平線124に対して電極部分116と同じ容器102の側にあることが先に言及された。第2の部分128は反対に位置している。限定ではなく、議論の目的のために、フランジ140が1つのリングおよび1つの電極部分142のみを備える、図3Aに示された例示の一般的なフランジ140を考え、便宜上、参考のために、電極部分142が垂直に向けられ、一般的な容器144の上部から離れる方向に上方に延在するものと仮定する。次に図3Bを参照して、第1のフランジ140と同一であり、容器144上にその縦軸に沿って第1のフランジ140から間隔が置かれた第2のフランジ140も考える。最後に、第1と第2のフランジ140の各々が、容器144を通じて第1のフランジ140と第2のフランジ140との間に電流が流れるように電源に接続されていると考える。この例によれば、最大の電流密度は、第1のフランジの電極を通って容器の上部へと下方に通る線に沿っている。これは、この線が電極と容器との間の最短の経路を示すからである。ここで、図3Aの矢印は電流を表し、矢印の間の距離は電流密度を表す。容器内では、最大の電流密度はフランジ140間の容器の上部143に沿って見ることができる。何故ならば、これが、第1のフランジの上の内側部分(フランジが容器と接合するところ)と第2のフランジの上の内側部分との間の最短経路を示すからである。第2のフランジでは、最大の電流密度が、容器144の上部からそれぞれのフランジの電極部分に延在する線に沿って存在するという点で、その状況は、第1のフランジに関する状況と同じである。
先の現象によって、容器を通って流れる溶融ガラスの加熱が不均一になり得る。何故ならば、容器の特定の部分が、容器の他の部分と異なる電流密度を有するからである。電流の相当な部分が、電極部分および容器の上部に沿った線に集中することがより重要である。電極部分に最も近い容器の壁に沿った線に沿ったこの高い電流濃度により、この線に沿った領域、および特にフランジと電極部分に最も高い容器の部分との間の接合部近くの領域におけるフランジの過剰加熱が生じ得る。フランジおよび/または容器の選択された部分の過剰加熱は、最悪の場合のシナリオでは、フランジまたは容器に熱損傷(例えば、溶融)が生じ得る。その上、溶融ガラスの不均一な加熱は、続いて、その容器を通って流れる溶融ガラスのある領域が、その溶融ガラスの他の領域と異なる粘度を示すような不均一な粘度を生じ得る。例えば、容器144が、その中を流れる溶融ガラスで満たされている場合、その断面において、溶融ガラスの流れの底部は、溶融ガラスの流れの上部よりも冷たく(より少ない加熱を受け)、したがって、溶融ガラスの流れの上部より高い粘度を示すことがある。このことは、容器を通る溶融ガラスの流れに摂動を与え得るだけでなく、後続処理を乱すかもしれない。例えば、撹拌容器の上流とその近くで不均一加熱が行われる場合、不均一粘度が混合および均質化を妨げるであろう。成形体の上流とその近くで不均一粘度が生じる場合、不均一粘度は成形過程を妨げ、均一な厚さの高品質ガラスシートの製造を妨げ得る。
特定の容器のタイプ、例えば、溶融ガラスが完全には満たされていない容器について、先の状況は特に問題となり得る。例えば、運転中の清澄容器は溶融ガラスで不完全に満たされることがあり、したがって、溶融ガラスは自由表面を有する。溶融ガラスを含まない清澄容器の容積は、溶融ガラスの自由表面と清澄容器の上部内面との間に気体雰囲気を含む。清澄容器を通って流れる溶融ガラスは、気体雰囲気よりも良好な熱導体であり得、フランジの電極が垂直上方に向けられている場合、抵抗加熱の最大量が、少なくとも先の理由のために最小量の熱伝導を示す容器のその部分に生じ得る。すなわち、容器の上部は、少なくとも、高い電流密度により生じる望ましくない高温、および気体雰囲気の比較的不十分な熱伝導のために、損傷を避けるのに十分な熱を放射または伝導させられない、電流経路に沿った容器の同時に生じる能力により損傷し得る。
電流の相当な部分が電極部分116と容器との間の最短の伝導経路をたどるので、電流経路に関する上述した類似の難点をフランジ自体が経験し得ることも留意すべきである。したがって、フランジ100も、高い電流密度から生じる熱損傷を被り得る。したがって、いくつかの実施の形態において、フランジ100は、最も外側のリングの外周(例えば、外縁)に周りに典型的に配置された冷却導管145を備えることがあり、その冷却導管は、適切な流体、例えば、空気または水などの冷却流体を運ぶように構成されている。
さらにより問題となるのは、溶融ガラスを下流の製造装置に導入する準備におけるその装置の初期予熱である。この操作中、溶融ガラスの流れの導入前に、その装置の構成要素を適切に加熱するために、非常に高い電流値が必要なことがある。これらの条件下で、容器全体は気体雰囲気で満たされているであろうから、容器の壁の特定の部分は、非常に高い電流密度および高温に曝されるであろう。
様々な実施の形態においてここに記載されたフランジにより、電流が安全に分配される-上述した最短の伝導経路から離れて-ように電流を効果的に導くことによって、上述した問題などの問題が軽減されるまたは避けられる。例えば、上述したような最短の伝導経路上にある第1のリング112の第1の部分118が、その第1のリングの他の部分(例えば、第2の部分128)より薄く作られている場合、そのより薄い第1の部分が示す、より高い電気抵抗により、電流を第1の部分118から離れるように効果的に導くことによって電流をより均一に分布させる。これにより、フランジ100の全体温度がより低くなり、それゆえ、著しいホットスポットが避けられる。このことは、より大きい電流を受け入れるための手段としての、容器自体、または容器に直接取り付けられたフランジのその部分のいずれかにおける、容器の外周全体の周りのより厚い領域を利用する従来のフランジ設計とははっきりと異なる。したがって、図2に関して記載されたように、第1のリング112は、少なくとも、電極部分116に近い第1の部分を含み、したがって、電極部分116と容器102との間の最短の伝導経路上で、それは第1のリングの残りよりも薄い。さらに、モデル化により、第1と第2の部分118、128の重複構造は、フランジおよび/または容器の電極に近い部分での電流密度を減少させるように電流を導くだけでなく、第1のリング112を取り付けられる容器102の周りの電流の均一性にも寄与するであろう。第1のリング112の記載は、容器102に取り付けられた場合でさえ、第1のリング112と容器の壁104との間に配置されることがある溶接材料の存在を考慮しておらず、その溶接材料自体は、容器への電流分布に最小の影響しかないことも留意すべきである。本記載の全体に亘り、「リング」という用語は、閉じた形状を表す目的であり、必ずしも円形ではないことにも留意すべきである。それゆえ、リングという用語はどの閉じた形状も称してよく、前述の記載は、以下により詳しく述べるように、非円形容器およびフランジの設計にも適用できる。
図4には、容器202に取り付けられた別の例示のフランジ200の断面前面図が示されている。容器202は、第1、第2および第3の導管32、38および46、清澄容器34、混合容器36、送達容器40、出口導管44と入口導管50、またはガラス製造装置10を構成することがあるいずれか他の金属容器を含む、上述した下流のガラス製造装置30を構成する容器の内のいずれか1つであってよい。容器202は、内容積206を画成する壁204を備える。容器202は、その中心で容器の長さに沿って延在する縦軸208、および縦軸208に対して垂直なフランジの面の断面形状をさらに備える。その断面形状は、容器の長さに沿った位置の関数として形状とサイズの両方で変動してもよいが、図4の例においては長円形状として示されている。長円形状により意味するものは、その両方とも縦軸208に対して垂直である長(主)軸210および短軸212を含む形状であり、ここで、主軸は短軸よりも長い。その長円断面形状は、卵形、楕円、長方形、もしくはこれらまたは他の形状の組合せであってよい。例えば、図4の例に示された長円断面形状は、2つの半円末端部分などの2つの弓形末端部分を有する略長方形を含む。
フランジ100と似たフランジ200は、第1のリング216、第2のリング218および最も外側のリングに取り付けられた電極部分220を含む本体部分214を備える。第2のリング218は、ある例では、最も外側のリングであることがあり、ここでは、電極部分220が、図示されたように第2のリング218に直接結合されている。例えば、電極部分220は、第2のリング218と一体であり、それと共に形成されることがある。ある例では、電極部分220は、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング218に取り付けられることがある。第1のリング216は、第2のリング218と容器202との間に配置され、最も内側のリングであり、容器の壁204と密接に接触していることがある。例えば、第1のリング216は、第1のリング216の内縁の周りで容器の壁204に溶接されることがある。
図4に示される実施の形態において、第1のリング216は、特に最も内側のリングとして構成されている場合、容器202に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の表面での高温環境に耐えることができる第1の金属から作られることがある。例えば、第1のリング216は、先に述べたように、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器の壁204と同じ貴金属を含むことがある。第1のリング216の全てが同じ金属から形成されていても、または第1のリング216が異なる金属を含んでもよい。そのような異なる金属としては、同じ元素であるが、異なる割合の合金が挙げられる。例えば、第1のリング216は、厚さの違いの有無にかかわらずに使用してよい様式でその第1のリングの領域の電気抵抗を調整するように、リングの異なる区域で異なる電気抵抗を有する金属を利用することがある。例えば、第1のリング216は、高い電気抵抗を有する第1の金属の領域および電気抵抗がそれより低い他の領域を含むことがある。第1のリング216は、滑らかに湾曲し連続した外周囲(縁)を含むことがあり、幅W1をさらに有する。幅W1は、一定であっても、容器202の周りの角度位置の関数として変動してもよい。
第2のリング218は、容器202の壁204から間隔が置かれており、第1のリング216の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング216は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング218は、例えば、制限なく、ニッケル、銅またはその合金などの、それほど高価ではない導電体から形成することができる。第2のリング218は幅W2をさらに有する。幅W2は、一定であっても、容器202の周りの角度位置の関数として変動してもよい。
第1のリング216が、最も内側のリングであり、容器の壁204に接続されている例において、第1のリング216の内縁は、容器の壁204に取り付けることができ、容器202の周りに閉ループで延在することができる。例えば、第1のリング216の内縁は、容器の壁204に溶接されることがある。同様に、図4に示された例において、第2のリング218の内縁は、第1のリング216の外縁に取り付けることができる。ある例では、第1のリング216と第2のリング218との間に介在する追加のリングが配置されることがある。ある例では、第2のリング218は最も外側のリングであることがある。しかしながら、他の例では、追加のリングが、第2のリング218、例えば、最も外側のリングの外側に配置されても、もしくは追加のリングが、第1のリング216と容器の壁204との間の、第1のリング216の内側に配置されてもよい。
いくつかの実施の形態において、最も外側のリングが第2のリング218であるか否かにかかわらず、最も外側のリングの厚さは、フランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分220と隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。そのようなより厚い部分は、電極部分220と隣接しているが、電極部分220と第1のリング216の第1の部分222との直接間にはないことがある(例えば、図6、7および8参照のこと)。例えば、より厚い部分は、他の部分よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲であることがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分220に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分の中とその周りで高いために生じ得る。電極部分220と隣接しているが、電極部分220と第1のリング216との間にはない最も外側のリングのより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度を示す。このように、電極部分220と隣接した最も外側のリングの部分は、電極部分と反対の最も外側のリングの部分などの最も外側のリングの他の部分よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング218であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング218は、最も外側のリングと第1のリング216との間の中間にある、または最も外側のリングと容器の壁204との間の中間にあるリングであることがある。
図4にさらに示されるように、第1のリング216は、第1の厚さT1を有する第1の部分222を含む。第1の部分222は、壁204の一部の周りに延在しており、フランジの面内の容器202の全周の半分未満(<180°)の周りに延在し得る。他の実施の形態において、第1の部分222は、フランジの面内で容器202の全周の半分以上(≧180°)であるが、全周未満(<360°)の壁204の一部の周りに延在し得る。例えば、電極部分220が容器202から垂直に離れるように延在している、図4に示された長円容器を考える。さらに、電極部分220がその中にある、縦軸208に対して垂直にそこを通って延在するフランジ200の面内にある無限に延在する垂直線224を考える。例えば、電極部分220が垂直に延在している実施の形態において、垂直線224は、フランジ200および容器202を対称の右半分と左半分に二等分することがあり、容器202の短軸212は垂直線224上にある。フランジ200の面内にある無限に延在する水平線226を考えると、水平線226は、垂直線224に対して垂直であり、縦軸208で垂直線224と交差し、容器202の長(主)軸210は水平線226上にある。図4に示された実施の形態によれば、第1の部分222は、容器の壁204の周囲の半分超であるが、全周未満の周りに延在することがある。例えば、第1の部分222は、容器の壁204の周囲の半分超であるが、全周未満と接触していることがある。このことが、第1の部分222が、壁の上半分の全体に亘り容器の壁204の周りに延在し、容器の右側と左側の両方で長軸を超えて壁上に下方に延在している、図示した実施の形態に示されている。図4の実施の形態に示されるように、第1のリング216が最も内側のリングであることがあり、第1の部分222は、容器の壁204の周囲の半分超であるが、全周未満で容器の壁204と接触するまたはその周りに延在する。このことは、第1の部分222は、180度超の弧に亘り容器の壁204と接触(またはその周りに延在)し得ることに気付くことによって、別な様式で見ることができる。第1の部分222は、電極部分220に隣接しており、電極部分220と水平線226の同じ側にある(上部側と底部側との間の境界として水平線226を使用する)ことも留意すべきである。しかしながら、いくつかの実施の形態において、第1の部分222は、容器202の周りに180度未満に亘り延在することがある。
第1のリング216は、第2の厚さT2を有する第2の部分228をさらに含む。第2の厚さT2は第1の厚さT1と異なることがある。図4に示された実施の形態において、第2の部分228は、第1の部分222が接触していない容器の壁204の部分と接触していることがある。他に見ると、第1の部分222が、αが180度未満である、360°-αの角度範囲に亘り容器の壁204と接触している場合、ひいては、第2の部分228は、角度範囲αに亘り容器の壁204と接触しているであろう。しかしながら、第2の部分228は、第1の部分222と容器の壁204との間の接触線を超えて容器202の周りに延在することがあることも図4から明白である。このように、第2の部分228が容器202の周りに延在する角度範囲は、第2の部分228と容器の壁204との間の接触線が180度未満の範囲を定めるけれども、180度超であることがある。これにより、フランジ200の面内で第1の部分222と第2の部分228との間にエッジ間の重複が生じる。この文脈において、そのような重複は、フランジ200の面内にあり、縦軸208から外方に無限に延在する少なくとも1つの任意の放射状の直線230について、任意の放射状の直線230が、第1の部分222と第2の部分228の両方の幅を別々に横切って延在することを意味する。動きに関して見ると、任意の直線230に沿って容器の壁204から離れる方向に動くと、第1の部分222または第2の部分228の一方を通り、次いで、第2の部分228または第1の部分222の他方を連続して通る。重複した領域において、第1の部分222の外縁の一部は、第1の部分222の一部がフランジ200の面内で第2の部分228の一部と容器の壁204との間にあるように、第2の部分228の内縁の一部と接触している。
先の記載から、第1のリング216は容器202の周りに閉ループで延在し、第1のリング216は少なくとも2つの部分222、228を含むことが分かる。部分222または228のいずれも、容器の周りに完全には延在していない。これらの部分222、228は、第1の部分222の外縁が第2の部分228の内縁と接触しているエッジ間で重複する領域があるという点で入れ子となっている。さらに別に見てみると、フランジ200の面内で、縦軸208に対して垂直にそこから外方に無限に延在し、第1の部分222の1つの点(点E)のみと交差する放射状の直線232を考える。縦軸208に対して垂直にそこから外方に無限に延在し、垂直線224の反対側で第1の部分222の別の1つの点Fと交差する放射状の直線234も考える。第1と第2の放射状の直線232、234の間の弧は、180度未満の角度αの範囲を定めることがあり、第1の部分222は、少なくとも360°-αの角度だけ容器202の周りに延在する。同様に、縦軸208に対して垂直にそこから外方に延在し、第2の部分228の1つの点Gのみと交差する放射状の直線236を考える。縦軸208に対して垂直にそこから外方に延在し、点Gと異なる第2の部分228の1つの点Hのみと交差する放射状の直線238も考える。第3と第4の放射状の直線236および238の間の弧は、180度未満の角度βの範囲を定めることがあり、第2の部分228は、少なくとも360°-βの角度だけ容器202の周りに延在する。例示の実施の形態において、第1の部分222の厚さT1は第2の部分228の厚さT2より小さいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分222および第2の部分228の材料は、異なる固有の電気抵抗を与えるように選択されることがある。
図4と先の記載により、フランジ200の面内にあり、第1のリング216に関して、第2の部分228ではなく第1の部分222のみの幅を横断する、縦軸208に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線240が少なくとも1つあることが明白であろう。放射状の直線240は、電極部分220とさらに交差する。同様に、フランジ200の面内にあり、第1のリング216に関して、第1の部分222ではなく第2の部分228のみの幅を横断し、縦軸208に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線242が少なくとも1つある。
図5に示されたさらに別の実施の形態において、容器302に取り付けられた別の例示のフランジ300が示されている。容器302は、第1、第2および第3の導管32、38および46、清澄容器34、混合容器36、送達容器40、出口導管44と入口導管50、またはガラス製造装置10を構成することがあるいずれか他の金属容器を含む、上述した下流のガラス製造装置30を構成する容器の内のいずれか1つであってよい。容器302は、内容積306を画成する壁304を備える。容器302は、容器の長さに沿って延在する中心縦軸308、および縦軸308に対して垂直なフランジの面の断面形状をさらに備える。その断面形状は、容器の長さに沿った位置の関数として形状とサイズの両方で変動してもよいが、図5の例においては長円形状として示されている。他の実施の形態において、その長円断面形状は、卵形、楕円、長方形、もしくはこれらまたは他の形状の組合せであってよい。例えば、図5に示された長円断面形状は、2つの半円末端部分などの2つの弓形末端部分を有する略長方形を含む。
フランジ100および200と似たフランジ300は、第1のリング316、第2のリング318および最も外側のリングに取り付けられた電極部分320を含む本体部分314を備える。第2のリング318は、ある例では、最も外側のリングであることがあり、ここでは、電極部分320が、図示されたように第2のリング318に直接結合されることがある。例えば、電極部分320は、第2のリング318と一体であり、それと共に形成されることがある。ある例では、電極部分320は、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング318に取り付けられることがある。第1のリング316は、いくつかの実施の形態において、最も内側のリングであることがあり、容器の壁304と密接に接触していることがある。
いくつかの実施の形態において、最も外側のリングの厚さは、フランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分320と隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。そのようなより厚い部分は、電極部分320と隣接しているが、電極部分320と第1のリング316の第1の部分322との直接間にはないことがある(例えば、図6、7および8参照のこと)。例えば、より厚い部分は、他の部分よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲であることがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分320に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分の中とその周りで高いために生じ得る。電極部分320と隣接しているが、電極部分320と第1のリング316との間にはない最も外側のリングのより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度を示す。このように、電極と隣接した最も外側のリングの部分は、最も外側のリングの他の部分、例えば、電極部分320と反対の最も外側のリングの部分よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング318であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング318は、最も外側のリングと第1のリング316との間の中間にある、または最も外側のリングと容器の壁304との間の中間にあるリングであることがある。
図5に示された実施の形態において、第1のリング316は、容器302に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の表面での高温環境に耐えることができる第1の金属から作られることがある。例えば、第1のリング316は、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器の壁304と同じ貴金属を含むことがある。第1のリング316の全てが同じ金属から形成されていても、または第1のリング316が異なる金属を含んでもよい。そのような異なる金属としては、同じ元素であるが、異なる割合の合金が挙げられる。第1のリング316は幅W1をさらに有する。幅W1は、一定であっても、容器302の周りの角度位置の関数として変動してもよい。第1のリング316は、いくつかの実施の形態において、滑らかに湾曲し連続した外周囲を含むことがある。
第2のリング318は、容器302の壁304から間隔が置かれており、したがって、第2のリング318は、第1のリング316の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング316は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング318は、例えば、制限なく、ニッケル、銅またはその合金などの、それほど高価ではない導電体から形成することができる。第2のリング318は幅W2をさらに有する。幅W2は一定であっても、または幅W2は容器302の周りの角度位置の関数として変動してもよい。
第1のリング316が最も内側のリングである例において、第1のリング316の内縁は、容器302の周りに閉ループで容器の壁304に取り付けることができる。例えば、第1のリング316の内縁は、容器の壁304に溶接されることがある。同様に、図5に示された例において、第2のリング318の内縁は、第1のリング316の外縁に取り付けることができる。他の例では、第1のリング316と第2のリング318との間に介在する追加のリングが配置されることがある。さらに、最も外側のリングなどの追加のリングが、第2のリング318の外側、もしくは第1のリング316と容器の壁304との間など第1のリング316の内側に配置されてもよい。
図5にさらに示されるように、第1のリング316は、第1の厚さT1を有する第1の部分322を含む。第1の部分322は、フランジの面内の容器302の全周の半分未満(<180°)に亘り壁304の一部の周りに延在し得る。他の実施の形態において、第1の部分322は、フランジの面内で容器302の全周の半分以上(≧180°)であるが、全周未満(<360°)の壁304の一部の周りに延在し得る。例えば、電極部分320が容器302から垂直に離れるように延在している、図5に示された長円容器を考える。さらに、電極部分320を含むフランジ300、および容器302を対称な右半分と左半分に二等分する無限に延在する垂直線324を考え、ここで、容器302の短軸312は垂直線324上にある。垂直線324に対して垂直な無限に延在する水平線326を考えると、容器302の長(主)軸310は垂直線326上にある。図5に示された実施の形態によれば、第1の部分322は、フランジの面内で容器の壁304の周囲の半分超(>180°)であるが、全周未満(<360°)の周りに延在し得る。例えば、第1の部分322は、容器の壁304の周囲の半分超であるが、全周未満と接触していることがある。このことが、第1の部分322が、壁の上半分の全体に亘り容器の壁304の周りに延在し、容器の右側と左側の両方で長軸を超えて壁上に下方に延在している、図示した実施の形態に示されている。図5の実施の形態において、第1のリング316が最も内側のリングであり、第1の部分322は、容器の壁304の周囲の半分超であるが、全周未満で容器の壁304と接触している。第1の部分322は、電極部分320に隣接しており、電極部分320と水平線326の同じ側にあることも留意すべきである。
第1のリング316は、第2の厚さT2を有する第2の部分328をさらに含む。第2の厚さT2は第1の厚さT1と同じであっても異なってもよい。図5に示された実施の形態において、第2の部分328は、フランジの面内で容器302の全周の半分未満(<180°)で壁304の一部に亘り延在することができる。他の実施の形態において、第2の部分328は、フランジの面内で容器302の全周の半分以上(≧180°)であるが、全周未満(<360°)の壁304の一部の周りに延在し得る。第2の部分328は、第1の部分322が接触していない容器の壁304の少なくとも一部と接触し得る。別に見ると、第1の部分322が、αが180度未満である、360°-αの角度範囲に亘り容器の壁304と接触している場合、第2の部分328は、α以下の角度範囲に亘り容器の壁304と接触しているであろう。しかしながら、第2の部分328は、第1の部分322と容器の壁304との間の接触線を超えて容器302の周りに延在することがあることも図5から明白である。このように、第2の部分328が容器302の周りに延在し得る角度範囲は、第2の部分328と容器の壁304との間の接触線が180度未満の範囲を定めるけれども、180度超であり得る。
第1のリング316は、2つの別個の下位部分である部分332aおよび332bに分割された第3の部分をさらに含むことがあり、下位部分332aおよび332bの各々は、容器の壁304の少なくとも一部の周りに延在し、各々が厚さT3を有する。2つの下位部分332aおよび332bは、垂直線324の周りに反対かつ対称に配置されることがある。いくつかの実施の形態において、下位部分332aおよび332bは、第1の部分322と第2の部分328との間に配置されることがある。第3の厚さT3は、第2の厚さT2より小さいが、厚さT1より大きいことがある、例えば、T1<T3<T2。
いくつかの実施の形態において、第1のリング316の内縁は、容器の壁304に取り付けられ、容器302の周りに閉ループで延在することがある。例えば、第1のリング316の内縁は容器の壁304に溶接されることがある。同様に、図5に示された例において、第2のリング318の内縁は、第1のリング316の外縁に取り付けることができる。
図5にも示されているように、フランジ300の面内で第1の部分322と、下位部分332aおよび332bとの間にエッジ間の重複がある。そのような重複は、フランジ300の面内にあり、縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在する少なくとも1つの任意の放射状の直線330について、任意の放射状の直線330は、第1の部分322と、下位部分332aまたは332bの少なくとも一方との両方の幅を別々に横切って延在することを意味する。その上、放射状の直線330が第2の部分328と、下位部分332aおよび332bの少なくとも一方との両方の幅を横切って延在するように、下位部分332aおよび332bと第2の部分328との間にエッジ間の重複がある。最後に、第1の部分322と第2の部分328との間に重複があるが、エッジ間の(接触する)重複ではなく、放射状の直線330が、第1の部分322の幅および第2の部分328の幅を横切って延在する。このように、放射状の直線330は、第1のリング316の3つの部分の全て、例えば、322、328および332aおよび/または332bと交差する。
さらに別に見ると、フランジ300の面内で、縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在し、容器302に対して第1の部分322の1つの点(点J)のみと交差する放射状の直線336を考える。縦軸308から外方に無限に延在し、垂直線324の反対側で第1の部分322の別の1つの点(点K)と交差する放射状の直線338も考える。放射状の直線336、338の間の弧は、180度未満の角度αの範囲を定め、第1の部分322は、少なくとも360°-αの角度だけ容器302の周りに延在する。同様に、縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在し、下位部分332aの1つの点(点M)のみと交差する放射状の直線340を考える。縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在し、下位部分332aの1つの点(点L)のみと交差する放射状の直線342も考える。放射状の直線340および342の間の弧は、180度未満の角度φの範囲を定め、下位部分332aまたは332bの少なくとも一部は、第2の部分328と容器の壁304との間に配置されることがある。実際に、下位部分332aの少なくとも一部は、第2の部分328と第1の部分322との間に配置されることがある。
最後に、追加の放射状の直線348を考える。放射状の直線342および348の間の弧は、180度未満の角度ψの範囲を定め、第1の部分322が第2のリング318と接触している角度範囲を規定するであろう。同様に、放射状の直線340および344の間の弧は、180度未満の角度θの範囲を定めることができ、第2の部分328が容器の壁304と接触している角度範囲を規定するであろう。
図5と先の記載により、フランジ300の面内にあり、第1のリング316に関して、第2の部分328でも、下位部分332aまたは332bでもなく第1の部分322のみの幅を横断する、縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線350が少なくとも1つあることがさらに明白であろう。放射状の直線350は、電極部分320とさらに交差する。同様に、フランジ300の面内にあり、第1のリング316に関して、第1の部分322でも、下位部分332aまたは332bでもなく第2の部分328のみの幅を横断し、縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線352が少なくとも1つある。
図6に示されたさらに別の実施の形態において、容器402に取り付けられた別の例示のフランジ400が示されている。容器402は、第1、第2および第3の導管32、38および46、清澄容器34、混合容器36、送達容器40、出口導管44と入口導管50、またはガラス製造装置10を構成することがあるいずれか他の金属容器を含む、上述した下流のガラス製造装置30を構成する容器の内のいずれか1つであってよい。容器402は、内容積406を画成する壁404を備える。容器402は、容器の長さに沿って延在する中心縦軸408、および縦軸408に対して垂直なフランジの面の断面形状をさらに備える。その断面形状は、容器の長さに沿った位置の関数として形状とサイズの両方で変動してもよいが、図6の例においては長円形状として示されている。図6の断面形状は、長(主)軸410および短軸412を有し、その両方とも、縦軸408に対してと、互いに対して垂直である。その長円断面形状は、卵形、楕円、長方形、もしくはこれらまたは他の形状の組合せであってよい。例えば、図6に示された長円断面形状は、2つの半円末端部分などの2つの弓形末端部分を有する略長方形を含む。
フランジ100、200および300と似たフランジ400は、第1のリング416、第2のリング418および最も外側のリングに取り付けられた電極部分420を含む本体部分414を備える。第2のリング418は、ある例では、最も外側のリングであることがあり、ここでは、電極部分420が、図示されたように第2のリング418に直接結合されることがある。例えば、電極部分420は、第2のリング418と一体であり、それと共に形成されることがある。ある例では、電極部分420は、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング418に取り付けられることがある。第1のリング416は、最も内側のリングであることがあり、容器の壁404と密接に接触していることがある。例えば、最も内側のリング416は、第1のリング416の内縁の周りで容器の壁404に溶接されることがある。
いくつかの実施の形態において、最も外側のリングの厚さは、フランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分420と隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。図示された実施の形態において、第2のリング418でもある、図6の実施の形態の最も外側のリングの部分419は、その最も外側のリングの部分421よりも厚いことがある。例えば、部分419は、部分421よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲で厚いことがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分420に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分の中とその周りで高いために生じ得る。電極部分420と隣接しているが、電極部分420と第1のリング416との間にはない最も外側のリングのより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度を示す。このように、電極部分420と隣接した最も外側のリングの部分は、最も外側のリングの他の部分、例えば、電極部分420と反対の最も外側のリングの部分421よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング418であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング418は、最も外側のリングと第1のリング416との間の中間にある、または最も外側のリングと容器の壁404との間の中間にあるリングであることがある。
図6に示された実施の形態において、第1のリング416は、容器402に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の表面での高温環境に耐えることができる第1の金属から作られることがある。例えば、第1のリング416は、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器の壁404と同じ貴金属を含むことがある。第1のリング416の全てが同じ金属から形成されていても、または第1のリング416が異なる金属を含んでもよい。そのような異なる金属としては、同じ元素であるが、異なる割合の合金が挙げられる。第1のリング416は幅W1をさらに有する。幅W1は、一定であっても、容器402の周りの角度位置の関数として変動してもよい。図6に示された実施の形態において、W1は容器402の周りの角度位置の関数として変動する。第1のリング416は、滑らかに湾曲し連続した外周囲(縁)を含むことがある。
第2のリング418は、容器402の壁404から間隔が置かれており、第1のリング416の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング416は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング418は、例えば、制限なく、ニッケル、銅またはその合金などの、それほど高価ではない導電体から形成することができる。第2のリング418は幅W2をさらに有する。幅W2は一定であっても、または幅W2は容器402の周りの角度位置の関数として変動してもよい。図6に示された実施の形態において、W2は容器402の周りの角度位置の関数として変動する。
図6に示されたフランジ400は、図5が、第1の部分322により生じた角度α(放射状の直線336および338の間の角度)が、放射状の直線340および344の間の下位部分332aおよび下位部分332bの角度θより大きく、上述した放射状の直線が先の例におけるように1つの点のみでそれぞれの下位部分と触れているフランジの実施の形態を示すことを除いて、図5に示されたフランジと同一である。図6は、第1のリング416の第1の部分422により生じた角度α(放射状の直線436および438の間の角度)が、無限に延在する放射状の直線440および442の間の第1のリング416の下位部分432aおよび432bの間の角度θより小さく、上述した放射状の直線が1つの点のみでそれぞれの下位部分と触れている実施の形態を示している。したがって、図5の実施の形態において、下位部分332a(および332b)は容器の壁304と接触しているのに対し、図6の実施の形態において、下位部分432aおよび432bは、容器402の壁404に接触していない。
図7に示されたさらに別の実施の形態において、容器502に取り付けられた別の例示のフランジ500が示されている。容器502は、第1、第2および第3の導管32、38および46、清澄容器34、混合容器36、送達容器40、出口導管44と入口導管50、またはガラス製造装置10を構成することがあるいずれか他の金属容器を含む、上述した下流のガラス製造装置30を構成する容器の内のいずれか1つであってよい。容器502は、内容積506を画成する壁504を備える。容器502は、容器の中心で容器の長さに沿って延在する中心縦軸508、および縦軸508に対して垂直なフランジの面の断面形状をさらに備える。その断面形状は、容器の長さに沿った位置の関数として形状とサイズの両方で変動してもよいが、図7の例においては長円形状として示されている。その長円断面形状は、卵形、楕円、長方形、もしくはこれらまたは他の形状の組合せであってよい。例えば、図7に示された長円断面形状は、2つの半円末端部分などの2つの弓形末端部分を有する略長方形を含む。
フランジ100、200、300および400と似たフランジ500は、第1のリング516、第2のリング518および最も外側のリングに取り付けられた電極部分520を含む本体部分514を備える。したがって、主な構成要素に関するフランジ200、300および400の先の記載は、フランジ500に適用することができる。第2のリング518は、ある例では、最も外側のリングであることがあり、ここでは、電極部分520が、図示されたように第2のリング518に直接結合されることがある。例えば、電極部分520は、第2のリング518と一体であり、それと共に形成されることがある。ある例では、電極部分520は、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング518に取り付けられることがある。第1のリング516は、いくつかの実施の形態において、最も内側のリングであることがあり、容器の壁504と密接に接触していることがある。
図7に示された実施の形態において、第1のリング516は、容器502に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の表面での高温環境に耐えることができる第1の金属から作られることがある。例えば、第1のリング516は、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器の壁504と同じ貴金属を含むことがある。第1のリング516の全てが同じ金属から形成されていても、または第1のリング516が異なる金属を含んでもよい。そのような異なる金属としては、同じ元素であるが、異なる割合の合金が挙げられる。第1のリング516は幅W1をさらに有する。幅W1は、一定であっても、容器502の周りの角度位置の関数として変動してもよい。第1のリング516は、滑らかに湾曲し連続した外周囲(縁)を含むことがある。
第2のリング518は、容器502の壁504から間隔が置かれており、第1のリング516の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング516は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング518は、例えば、制限なく、ニッケル、銅またはその合金などの、それほど高価ではない導電体から形成することができる。第2のリング518は幅W2をさらに有する。幅W2は一定であっても、または幅W2は容器502の周りの角度位置の関数として変動してもよい。
いくつかの実施の形態において、最も外側のリングの厚さは、フランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分520と隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。図示された実施の形態において、第2のリング518でもある、図7の実施の形態の最も外側のリングの部分519は、その最も外側のリングの部分521よりも厚いことがある。例えば、部分519は、部分521よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲で厚いことがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分520に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分の中とその周りで高いために生じ得る。電極部分520と隣接しているが、電極部分520と第1のリング516との間にはない最も外側のリングのより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度を示す。このように、電極部分520と隣接した最も外側のリングの部分は、最も外側のリングの他の部分、例えば、電極部分と反対の最も外側のリングの部分よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング518であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング518は、最も外側のリングと第1のリング516との間の中間にある、または最も外側のリングと容器の壁504との間の中間にあるリングであることがある。
第1のリング516が最も内側のリングである例において、第1のリング516の内縁は、容器の壁504に取り付けられ、容器502の周りに閉ループで延在することができる。例えば、第1のリング516の内縁は、容器の壁504に溶接されることがある。同様に、図7に示された例において、第2のリング518の内縁は、第1のリング516の外縁に取り付けることができる。他の例では、第1のリング516と第2のリング518との間に、例えば、介在する追加のリングが配置されることがある。さらに、追加のリングが、第2のリング518の外側、もしくは第1のリング516と容器の壁504との間など第1のリング516の内側に配置されてもよい。
図5および6の実施の形態(フランジ300および400)と同様に、第1のリング516は、少なくとも3つの部分、例えば、それぞれ、厚さT1、T2およびT3を有する、第1の部分522、第2の部分528および2つの下位部分532aと532bに分割された第3の部分を含むことがある。これら3つの部分のどれも、容器502の周りに完全には延在していない。下位部分532aと532bは、反対かつ対称に配置されることがある。フランジ500は、少なくとも、第2の部分528の一部が下位部分532aおよび532bと第1の部分522との間に配置されているという点でフランジ300および400と異なる。したがって、3つの部分522、528および下位部分532aと532bの全ての幅を別々に横切って延在する、フランジ500の面内で縦軸508に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線550が少なくとも1つある。それらの部分の内の2つだけ、すなわち、第2の部分528および下位部分532aまたは532bの一方を横切って延在する、フランジ500の面内で縦軸508に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線552も少なくとも1つある。第1と第2の部分522および528のみを横切って横断するであろう、縦軸508から延在する放射状の直線(例えば、放射状の直線550)が存在するように、下位部分532aの角度範囲を短くする(点線556で下位部分532aを断ち切ることにより)などの他のフランジ構成も可能であることが図7から容易に分かるであろう。そのような短縮は、下位部分532bに関して行ってもよいことが容易に明白であろう。
図7と先の記載により、第1のリング516に関して、第1の部分522だけの幅であって、第2の部分528も、下位部分532aまたは532bも横切らない、フランジ500の面内で縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線558が少なくとも1つあることがさらに明白であろう。放射状の直線558は電極部分520とさらに交差する。同様に、第1のリング516に関して、第2の部分528だけの幅であって、第1の部分522も、下位部分532aまたは532bも横切らない、フランジ500の面内で縦軸308に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線560が少なくとも1つある。
図8に示されたフランジ600は、フランジ100、200、300、400および500と似ており、第1のリング616、第2のリング618および最も外側のリングに取り付けられた電極部分620を含む本体部分614を備える。したがって、主要構成要素に関するフランジ100、200、300、400および500の先の記載を、適切な場合には、図8のフランジに適用することができる。第2のリング618は、ある例では、最も外側のリングであることがあり、ここでは、電極部分620が、図示されたように第2のリング618に直接結合されることがある。例えば、電極部分620は、第2のリング618と一体であり、それと共に形成されることがある。ある例では、電極部分620は、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング618に取り付けられることがある。第1のリング616は、最も内側のリングであることがあり、容器602の壁604と密接に接触していることがある。
図8に示された実施の形態において、第1のリング616は、容器602に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の表面での高温環境に耐えることができる第1の金属から作られることがある。例えば、第1のリング616は、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器の壁604と同じ貴金属を含むことがある。第1のリング616の全てが同じ金属から形成されていても、または第1のリング616が異なる金属を含んでもよい。そのような異なる金属としては、同じ元素であるが、異なる割合の合金が挙げられる。第1のリング616は幅W1をさらに有する。幅W1は、一定であっても、容器602の周りの角度位置の関数として変動してもよい。第1のリング616は、滑らかに湾曲し連続した外周囲を含むことがある。
それに加え、第1のリング616は、例えば、それぞれ、フランジ200の部分222および228に対応する、第1の部分622および第2の部分628を含む。
第2のリング618は、容器602の壁604から間隔が置かれており、したがって、第2のリング618は、第1のリング616の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング616は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング618は、ニッケルや銅などの、それほど高価ではない導電体から形成することができる。第2のリング618は幅W2をさらに有する。幅W2は一定であっても、または幅W2は容器602の周りの角度位置の関数として変動してもよい。
いくつかの実施の形態において、最も外側のリングの厚さは、フランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分620と隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。図示された実施の形態において、第2のリング618でもある、図8の実施の形態の最も外側のリングの部分650は、その最も外側のリングの部分652よりも厚いことがある。例えば、部分650は、部分652よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲で厚いことがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分620に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分の中とその周りで高いために生じ得る。電極部分620と隣接しているが、電極部分620と第1のリング616との間にはない最も外側のリングのより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度を示す。このように、電極部分620と隣接した最も外側のリングの部分は、最も外側のリングの他の部分、例えば、電極部分と反対の最も外側のリングの部分よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング618であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング618は、最も外側のリングと第1のリング616との間の中間にある、または最も外側のリングと容器の壁604との間の中間にあるリングであることがある。
第1のリング616が最も内側のリングである例において、第1のリング616の内縁は、容器の壁604に取り付けられ、容器602の周りに閉ループで延在することができる。例えば、第1のリング616の内縁は、容器の壁604に溶接されることがある。同様に、図8に示された例において、第2のリング618の内縁は、第1のリング616の外縁に取り付けることができる。他の例では、第1のリング616と第2のリング618との間に、例えば、介在する追加のリングが配置されることがある。さらに、追加のリングが、第2のリング618の外側、もしくは第1のリング616と容器の壁604との間など第1のリング616の内側に配置されてもよい。
図8の実施の形態において、第1のリング616は、電流をさらに方向付けるためにその外縁にノッチ654を含み、そのノッチは、電極部分620から水平線626の反対側に位置している。さらに、先に記載された第1のリング114、216、316、416または516のいずれがノッチを含んでもよく、そのノッチは、それぞれ、水平線124、226、326、426、526に対して、電極部分120、220、320、420および520からその第1のリングの反対側に切り抜き部分を構成する。図8に示された実施の形態において、ノッチ654はV字形の切り抜きである。
容器702に取り付けられた例示のフランジ700の断面図が、図9に示されている。容器702は、例えば、第1、第2および第3の導管32、38および46、清澄容器34、混合容器36、送達容器40、出口導管44と入口導管50、またはガラス製造装置10を構成することがあるいずれか他の金属容器を含む、上述した溶融炉と成形体との間にある下流のガラス製造装置30を構成する容器の内のいずれか1つであってよい。容器702は、内容積706を取り囲む壁704により画成され、容器の長さに沿って延在する中心縦軸708、および縦軸708に対して垂直なフランジの面の断面形状をさらに備える。その容器の断面形状は、容器の長さに沿った位置の関数として形状とサイズの両方で変動してもよいが、図9の例においては円形断面として示されている。したがって、縦軸708は、その容器の円形断面の中心に位置している。
フランジ700は、第1のリング712および第2のリング714を含む本体部分710を備える。図9の実施の形態において、フランジ700は、本体部分710の最も外側のリングに取り付けられた2つの電極部分716aおよび716bを備え、それら2つの電極部分は180度ずらされている。第2のリング714は、ある例では、最も外側のリングであることがあり、電極部分716aおよび716bは、図示されたように第2のリング714に直接結合されている。例えば、電極部分716aおよび716bは、最も外側のリングと一体であり、それと共に形成されることがある。ある例では、電極部分716aおよび716bは、別々に形成され、溶接などによって、最も外側のリング、例えば、第2のリング714に取り付けられることがある。ここに用いたように、第1のリング712は、最も内側のリングであり、容器702と密接に接触していることがある。
図9に示された実施の形態において、第1のリング712は、容器702に適合しており、著しい劣化なく長期間に亘り容器の外面での高温環境に耐えることができる第1の金属から作られることがある。例えば、第1のリング712は、白金族金属またはその合金などの貴金属から作られることがあり、ある例では、容器702と同じ貴金属を含むことがある。第1のリング712の全てが同じ金属から形成されていても、または第1のリング712が異なる金属を含んでもよい。第1のリング712は幅W1をさらに有する。いくつかの実施の形態において、幅W1は、その第1のリングの周りの角度位置に関して変動することがある。他の実施の形態、例えば、図9の実施の形態において、幅W1は、実質的に角度によらず一定であることがある。
第2のリング714は、容器702の壁704から間隔が置かれており、第1のリング712の周りに閉ループで配置されており、第1のリング712よりも容器の壁704から離れており、したがって、第1のリング712よりも低い温度に暴露され、第1のリング712の製造に使用される金属と異なる金属から作ることができる。例えば、第1のリング712は、白金族金属またはその合金を含む貴金属から形成することができる一方で、第2のリング714は、ニッケルや銅などの、それほど高価ではない導電性である金属から形成することができる。第2のリング714は幅W2をさらに有する。幅W2は容器702に対する角度位置の関数として変動してもよい、または幅W2は実質的に一定であってもよい。いくつかの実施の形態において、第2のリング714の内縁は、溶接などによって、第1のリング712の外縁に直接結合させることができる。
第1のリング712は容器702の周りで閉ループに延在しており、第1のリング712が最も内側のリングである場合、第1のリング712は、容器の壁704の外周の周りで容器702に取り付けられることがある。例えば、第1のリング712の内縁は容器の壁704の外面に溶接されることがある。同様に、図9に示された例において、第2のリング714の内縁は第1のリング712の外縁に取り付けることができる。他の例では、第1のリング712と第2のリング714との間に、例えば、介在する追加のリングが配置されることがある。さらに、追加のリング、例えば、最も外側のリングが、第2のリング714の外側に、もしくは第1のリング712の内側に、例えば、第1のリング712と容器の壁704との間に配置されてもよい。
いくつかの実施の形態において、最も外側のリングの厚さは、フランジが取り付けられた容器の周りの角度位置の関数として変動することがある。例えば、最も外側のリングは、白金またはその合金よりも高価ではなく耐温度性が低い、ニッケル、銅、もしくは他の金属から形成されることがあり、電極部分716a、716bと隣接する最も外側のリングの領域は、その最も外側のリングの他の領域よりも厚い。例えば、部分716a、716bは、最も外側のリングの他の領域よりも50%までまたはそれを超えて厚い、例えば、約30%厚いから約70%厚い範囲、約35%厚いから約60%厚い範囲、または約40%厚いから約55%厚い範囲などの約25%厚いから約75%厚い範囲で厚いことがある。最も外側のリングのより厚い部分は、容器の外周に供給された電流を誘導するのに役立ち、電極部分に近い最も外側のリング上のホットスポットの形成を、なくすなど最小にする。そのような過熱は、電流密度が電極部分716a、716bの中とその周りで高いために生じ得る。電極部分と隣接しているより厚い部分は、増加した断面積およびしたがって、減少した電流密度を示す。このように、電極部分と隣接した最も外側のリングの部分は、最も外側のリングの他の部分、例えば、電極部分とそれに隣接したより厚い部分との間の最も外側のリングの部分よりも厚くあり得る。先に述べたように、最も外側のリングは第2のリング714であることがある。しかしながら、他の実施の形態において、第2のリング714は、最も外側のリングと第1のリング712との間の中間にある、または最も外側のリングと容器の壁704との間の中間にあるリングであることがある。
図9にさらに示されるように、第1のリング712は、水平線720のそれぞれ反対側に配置された、厚さT1を有する2つの下位部分718aおよび718bを含むことがある。下位部分718aは、容器702の全周の半分以下の周りに延在し、それと接触することがある。同様に、下位部分718bも、容器702の全周の半分未満と接触している。例えば、図9の実施の形態において、下位部分718aおよび718bの両方とも、容器702の周りに、その容器の外周の半分未満に亘り延在し、したがって、個別の下位部分であり、それら下位部分のいずれも、容器の外周の周りに完全には延在していない。いくつかの実施の形態において、下位部分718aおよび718bは互いに接触していないことが明白であろう。例えば、下位部分718aおよび718bは、それぞれの電極部分716aおよび716bに隣接して配置されることがあり、縦軸708に対して垂直にそこを通って延在する垂直線724は、両方の下位部分を通って延在する。下位部分718aおよび718bは同じ厚さT1を有しても、または下位部分718aおよび718bは、異なるT1aおよびT1bを有してもよく、ここで、T1bはT1aと異なる。
第1のリング712は下位部分722aおよび下位部分722bをさらに含む。下位部分722aおよび722bは同じ厚さT2を有しても、または下位部分722aおよび722bは、異なるT2aおよびT2bを有してもよく、ここで、T2bはT2aと異なる。下位部分718aおよび718bと同様に、下位部分722aおよび722bは、離れており、容器702の周りに反対に配置されている。下位部分718aおよび718bと同様に、下位部分722aおよび722bの各々は、容器702の周りに180度未満に亘り延在する。いくつかの実施の形態において、T1はT2より小さい。いくつかの実施の形態において、T1aおよびT1bは等しく、T2aおよびT2bは等しく、T1a、ヵ1bはT2a、T2bより小さい。いくつかの実施の形態において、各下位部分の材料は、異なる固有の電気抵抗を有するように選択されることがある。
下位部分718a、718bおよび722a、722bが重複する下位部分であることが、図9および先の記載から明白である。したがって、下位部分722aまたは下位部分722bのいずれか一方と交差せずに、下位部分718aまたは718bの内の一方と交差する、縦軸708に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線726が少なくとも1つある。下位部分718aまたは718bの内の一方と、下位部分722aまたは下位部分722bの内の一方との両方と交差する、縦軸708に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線728も少なくとも1つある。最後に、下位部分718aまたは下位部分718bのいずれか一方と交差せずに、下位部分722aまたは722bの内の一方と交差する、フランジの面内で、縦軸708に対して垂直にそこから外方に無限に延在する放射状の直線730が少なくとも1つある。
先の開示の恩恵を受けた当業者には、多くのフランジ設計を作成できることが明白であろう。特に、フランジの角度位置の関数としてのフランジの通電容量が、フランジが交差する(取り付けられる)容器の壁に電流が均一に送達されるように調整できる、一貫した設計の方法論を構想できる。したがって、そのような方法の1つにおいて、第1の工程は、初期のフランジおよび容器の設計をパラメータ化する工程を含む。初期のフランジおよび/または容器の設計は、既存の物理的フランジおよび/または容器であって差し支えない、もしくは初期のフランジおよび/または容器の設計は、仮想設計であっても差し支えない。パラメータ化により意味することは、フランジおよび/または容器を、構造およびその動作特性を規定する必要なパラメータ値に変換することである。例えば、リングの最も内側の縁で、所定の壁厚を有する容器に取り付けられたただ1つのリングを有する単純な円形対称のフランジは、以下に限られないが、リングの外周囲を画成する外径、フランジの内縁を画成する内径、厚さ、および材料(少なくとも、例えば、電気抵抗によりそれ自体定義される)、容器の壁厚、並びにさらに、容器の中を通る溶融材料(例えば、溶融ガラス)の流量のようなパラメータ値によってパラメータ化することができる。そのようなパラメータ値は、フランジ内の所定の電流について、フランジ上または内の任意の点での電流密度を計算するために使用することができる。必要な計算は、例えば、電気回路解析ソフトウェアなどの、そのタスクのために設計されたまたは適応されたソフトウェアにより行うことができる。その上、その容器を通る材料の所定の流量について、所定の位置でのフランジまたは容器の壁の温度を決定するために、その電流密度を使用することができる。これらの計算結果は、所望の電流密度および/または温度と比較することができる。例えば、ANSYS Fluentソフトウェアを使用して、流動場および温度場を計算できる。
したがって、前記方法は、パラメータ化された値、並びに、例えば、フランジに供給される所定の電流およびある例では、容器を流れる材料(例えば、溶融ガラス)の流量を使用して、フランジおよび/または容器内の電流密度、および/またはフランジおよび/または容器内の温度を計算する工程をさらに含むことがある。計算された電流密度および/または温度は、フランジおよび/または容器を改良するための基準として使用できる。例えば、フランジの初期設計は、制限なく、フランジを構成する材料の第1のリングの個々の部分の数、第1のリングの個々の部分の厚さ、第1のリングの個々の部分の形状、第1のリングの幅の変動、およびリングまたはその部分を構成する1種類以上の材料の固有電気抵抗などの内の少なくとも1つを変更することにより改良できる。その変更が行われた場合、フランジおよび/または容器上の所定の地点での電流密度および/または温度を再計算し、フランジまたは容器上の関心のある領域間の電流密度および/または温度の所望の差、例えば、容器の上部と容器の側部または底部との間の電流密度および/または温度の差と再び比べることができる。その所定の地点での電流密度および/または温度は、所定の限界などの所定の値と比較することもできる。改良および計算の過程は、電流密度および/または温度の所望の差が達成されるまで、反復して適用することができる。完了の際に、最終的な設計のパラメータ値を使用して、最終的なパラメータ値を示すフランジおよび/または容器を製造することができる。
実施例1
図4のフランジ、すなわち、フランジ200によるフランジ設計に対して、内容積806を取り囲む壁804を有する長円容器802のために構成された、図10に示された空の従来のフランジ800を評価するために、FLUENTソフトウェアおよび電気回路解析用に開発されたソフトウェアを使用してモデル化を行った。容器の壁804は、40ミル(約0.1cm)の一定の厚さを有した。従来のフランジ800は、本体部分808およびそこから延在する電極部分810を備えた。本体部分808は、厚さ0.5インチ(1.27cm)のニッケル製の最も外側のリング810、および厚さが異なる2つの白金・ロジウムリング-80ミル(約0.2cm)の一定の厚さを有する最も内側のリング812および40ミル(約0.1cm)の一定の厚さを有する、最も外側のリング810と最も内側のリング812との間に配置された中間リング814を含んでいた。両方の白金・ロジウムリング812および814は、容器802の周りに完全に延在していた。容器802は、6インチ(15.24cm)の短軸816および20インチ(50.8cm)の主軸818を有していた。図4によるフランジであるフランジ200は、ニッケル製の最も外側のリング218および40ミル(約0.1cm)の一定の厚さを有する第1の部分222と80ミル(約0.2cm)の一定の厚さを有する第2の部分228を含む白金・ロジウム製の最も内側のリング216を備えていた。フランジ200を同じ容器802の周りに配置した。そのフランジは1つの電極部分220を備えていた。
モデル化において、両方にフランジに、60インチ(152.4cm)の間隔が置かれ同一構造の第2のフランジと対にし、10,000アンペアを供給した。すなわち、フランジ800を第2のフランジ800と対にし、フランジ200を第2のフランジ200と対にした。このモデル化は、従来のフランジ800において、白金の溶融温度(1768.3℃)よりかなり高い2030℃の最高温度を示した。その最高温度は、電極部分810と容器802の上部との間の直線上の中間リングで生じた。最大電流密度は、16A/mm2であり、容器の壁804の弓形部分に隣接する最も内側のリング812で生じた。ニッケル製リング810で生じた最高温度は、1096℃であった。
フランジ800とは対照的に、同じ条件下のフランジ200は、電極部分220と容器802の上部との間の直線上で第1の部分222に生じた1523℃の最高温度を示した。この最高温度は、白金の溶融温度より低かった。最大電流密度は、11A/mm2であり、フランジ800の場合と同じ位置で生じた。ニッケル製の最も外側のリングの最高温度は、650℃であった。
実施例2
図11は、フランジ200に関する電流密度と比べた、12,000A/mm2の電流を供給した容器(導管)の長さに沿った3つの位置でのフランジ800のモデル化電流密度を示す。9インチ(約22.9cm)の短軸および30インチ(76.2cm)の主軸を有する長円形容器(導管)上で、フランジ200および800を再び、同一のそれぞれのフランジと対にし、対にしたフランジの間の間隔は60インチ(152.4cm)であった。容器の上部、主軸(縁)、および容器の底部で、電流密度を計算した。従来のフランジ800は、本体部分808およびそこから延在する電極部分810を備えていた。本体部分808は、厚さ0.5インチ(1.27cm)のニッケル製の最も外側のリング810、および厚さが異なる2つの白金・ロジウムリング-80ミル(約0.2cm)の一定の厚さを有する最も内側のリング812および40ミル(約0.1cm)の一定の厚さを有する、最も外側のリング810と最も内側のリング812との間に配置された中間リング814を含んでいた。両方の白金・ロジウムリング812および814は、容器802の周りに完全に延在していた。容器802は、9インチ(22.9cm)の短軸816および30インチ(76.2cm)の主軸818を有していた。フランジ200は、厚さ0.5インチ(1.27cm)のニッケル製の最も外側のリング218および40ミル(約0.1cm)の一定の厚さを有する第1の部分222と80ミル(約0.2cm)の一定の厚さを有する第2の部分228を含む白金・ロジウム製の最も内側のリング216、並びに1つの電極部分220を備えていた。フランジ200を同じ容器802の周りに配置した。
図11は、左側のフランジ(-30インチ、-76.2cmの位置)で、従来のフランジ設計に関する電流密度は、容器の上部(曲線900)では、約7.3A/mm2であり、容器の底部(曲線904)では約5.3A/mm2であることを示す。容器のエッジ(曲線902)では、電流密度は約7.3A/mm2である。フランジ間の距離、この例では、60インチ(152.4cm)に亘り、電流密度は約0.55A/mm2変動する(約7.3A/mm2と約6.75A/mm2との間)。その上、電流は、容器とフランジとの接合部(すなわち、図面の-30インチ(-76.2cm)と+30インチ(+76.2cm))で最高であり、フランジ間の中点に向かって減少するのが分かった。
比較において、電流密度は、フランジ200の容器の上部(曲線906)では、フランジと容器との接合部(例えば、-30インチ(-76.2cm))において、たった約6.5A/mm2であり、容器の底部(曲線910)では、フランジと容器との接合部(例えば、-30インチ(-76.2cm))において、約5.8A/mm2である。容器の縁(側部)(曲線908)では、電流密度は約7.3A/mm2である。このように、容器とフランジとの接合部での容器の外周における電流の最大変動は、約1.5A/mm2であり、電流が容器の上部から離れる方向に誘導されたことを示す。
より重要なことには、フランジ間の距離に亘り、容器の上部(曲線906)に沿った電流密度は、従来のフランジに関して同じに供給された電流について、約0.26A/mm2(約6.76A/mm2と約6.5A/mm2との間)しか変動しない。この差は、容器の上部での最大電流密度の約4%になる。さらに、図からはっきりと分かるように、容器の上部に沿った電流密度は、従来のフランジと対照的に、容器とフランジとの接合部(すなわち、-30インチ(-76.2cm)および+30インチ(+76.2cm))で最低であり、一方のフランジから隣接するフランジに動くときに、最大電流密度に急激に増加する。図示した例において、電流密度は、容器とフランジとの接合部のすぐ近くでピークに達する。本発明の例において、電流密度は、フランジの約8インチ(20.32cm)以内、または隣接するフランジ間の総距離の約13%以内で最大に到達する。その上、その電流密度は、図11の例では、約-22インチおよび約+22インチの位置であるピークの間(44インチ、111.76cmの距離)で実質的に一定であり、約0.05A/mm2以下しか変動しない。
纏めると、同じ入力電流について、ここに記載された実施の形態によるフランジは、従来のフランジと比べた場合、電極部分の位置に最も近い地点(電流がフランジ本体に導入されるところ)、例えば、この例の容器の上部で、フランジと容器の壁との間の接合部での電流密度を著しく減少させることができ、隣接するフランジ間の距離に亘り容器の上部に沿ってより一貫した(均一な)電流密度を生じることが示される。
図12は、12,000A/mm2の電流を供給した、容器(導管)の長さに沿った同じ3つの位置でのフランジ800および200の同じ構成に関するモデル化温度を示す。フランジ200および800を同一のそれぞれのフランジと再び対にし、温度を、容器の上部(12時の位置)、主軸(3時の位置)、および容器の底部(6時の位置)で計算した。図12は、左側のフランジ(-30インチ、-76.2cmの位置)で、従来のフランジ設計に関する、容器とフランジとの接合部での温度でのは、容器の上部(12時の位置)で約1360℃であり(曲線912)、容器の底部(6時の位置)で約1140℃である(曲線916)ことを示す。容器とフランジとの接合部での温度は、容器の側部(3時の位置)で、約1220℃である(曲線914)。
比較において、フランジ200に関する容器とフランジとの接合部での温度は、容器の上部(12時の位置)で、約1300℃であり(曲線918)、容器の底部で約1075である(曲線922)。容器とフランジとの接合部での温度は、容器の3時の位置で、約1220℃である(曲線920)。
図11および12のデータは、本開示の実施の形態によるフランジは、容器の上部に近いフランジにおける電流をフランジの他の領域に再分配することによって、フランジが取り付けられた容器の機能性を損なわずに、高い電流(例えば、>8000アンペア)を通電させることができることを示す。それに加え、そのデータは、電流分布および温度の均一性は、ここの様々な実施の形態に記載されたようなフランジ設計を使用して改善できることを示す。例えば、約-25インチ(約-63.5cm)(図11の線924)の位置で、従来のフランジを用いた容器の周囲(上部、側部および底部)の電流密度は、約5.5から約7.25A/mm2の範囲で変動し、約1.75A/mm2または約24.1%の差がある。フランジ200について、容器の周囲の電流密度は、約6.15から約6.75A/mm2の範囲で変動し、約0.6A/mm2または約8.9%の差がある。
図12の約-25インチ(約-63.5cm)(図12の線926)の位置で、従来のフランジ800を用いた容器の温度は、容器の周囲で、約1170℃から約1225℃の範囲で変動し、約55℃または約5.5%の差がある。フランジ200について、同じ位置で、その温度は、容器の周囲で、約1180℃から約1210℃の範囲で変動し、約30℃または約2.5%の差がある。このように、前記データは、両方のフランジ設計について、導管の中心(位置0)で実質的に均一に近づく温度を示すが、ここに記載された実施の形態によるフランジを用いた容器は、従来のフランジよりも、フランジと容器との接合部で、特に、電極部分に最も近い位置で、より低い電流密度を、フランジのより近くで、より大きい周囲温度の均一性を示すことができ、フランジ間の容器のかなりの長さに亘り電流密度と温度の著しい均一性を維持することができる。
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本開示の実施の形態に、様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、そのような実施の形態の改変および変更を、それらが、付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲に入るという条件で、網羅することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
溶融材料を処理するための装置において、
前記溶融材料を搬送するために配置された、壁を有する容器、および
前記容器に取り付けられ、電流を該容器の壁に送達するように構成されたフランジであって、該フランジは閉ループで前記容器の周りに完全に延在する第1のリングを備え、該第1のリングは、第1の厚さを有する第1の部分および該第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2の部分を含み、該第1の部分および該第2の部分は、該第1の部分が該第2の部分と前記容器との間に配置されるように前記フランジの面において重複しており、該第1の部分または該第2の部分のいずれも前記容器の周りに完全には延在していない、フランジ、
を備えた装置。
実施形態2
前記第1のリングの前記第1の部分の厚さが、該第1のリングの前記第2の部分の厚さより小さい、実施形態1に記載の装置。
実施形態3
前記第1のリングの周りに閉ループで延在する第2のリングをさらに備える、実施形態1または2に記載の装置。
実施形態4
前記第2のリングの厚さが、前記第2の部分の厚さより大きい、実施形態3に記載の装置。
実施形態5
前記第1のリングが第1の金属から作られ、前記第2のリングが、該第1の金属と異なる第2の金属から作られている、実施形態3または4に記載の装置。
実施形態6
前記第2のリングが最も外側のリングである、実施形態3から5いずれか1つに記載の装置。
実施形態7
前記フランジの面内で前記容器の中心線に対して垂直にそこから延在する第1の放射状の直線上で、該第1の放射状の直線が、前記第1のリングの前記第2の部分と交差せずに、該第1のリングの前記第1の部分と交差する、実施形態1から6いずれか1つに記載の装置。
実施形態8
前記第1の放射状の直線が、前記容器の短軸に対して平行である、実施形態7に記載の装置。
実施形態9
前記第1のリングが、前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置された第3の部分をさらに含み、該第3の部分が前記容器の周りに完全には延在していない、実施形態1から8いずれか1つに記載の装置。
実施形態10
前記溶融材料が溶融ガラスである、実施形態1から9いずれか1つに記載の装置。
実施形態11
前記第1のリングが白金から作られている、実施形態1から10いずれか1つに記載の装置。
実施形態12
前記第2のリングがニッケルから作られている、実施形態3から11いずれか1つに記載の装置。
実施形態13
最も外側のリングをさらに備え、該最も外側のリングの厚さが前記容器の周りの角度位置の関数として変動する、実施形態1に記載の装置。
実施形態14
前記最も外側のリングに取り付けられた電極をさらに備え、該電極に隣接する該最も外側のリングの部分が、該電極と反対の該最も外側のリングの部分より厚い、実施形態13に記載の装置。
実施形態15
前記容器の縦軸に対して垂直な面の該容器の断面形状が長円形である、実施形態1に記載の装置。
実施形態16
前記容器が清澄容器である、実施形態15に記載の装置。
実施形態17
ガラスを製造するための装置において、
壁を有する容器と、
前記容器に取り付けられ、電流を該容器の壁に送達するように構成されたフランジと、
を備え、
前記フランジが、
前記容器の周りに完全に延在し、閉ループで該容器の壁に取り付けられた第1のリングであって、第1の厚さを有する第1の部分および該第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2の部分を含み、該第1の部分および該第2の部分の各々は、前記容器全体に満たない周りに延在し、前記フランジの面内で前記容器の中心線に対して垂直にそこから延在する放射状の直線が該第1の部分および該第2の部分の両方の幅を横切る、第1のリング、および
閉ループで前記第1のリングの周りに完全に延在する第2のリング、
を含む、装置。
実施形態18
前記第1のリングが第1の金属から作られ、前記第2のリングが、該第1の金属と異なる第2の金属から作られている、実施形態17に記載の装置。
実施形態19
前記第1のリングが、前記第1と第2の厚さと異なる第3の厚さを有する第3の部分を含み、該第3の部分が前記容器の周りに完全には延在していない、実施形態17または18に記載の装置。
実施形態20
前記第2のリングが、前記第1のリングの全周囲に亘り該第1のリングと接触しており、前記第1の部分および前記第2の部分の両方が該第2のリングと接触している、実施形態17から19いずれか1つに記載の装置。
実施形態21
前記容器の縦軸に対して垂直な面の該容器の断面形状が長円形である、実施形態17に記載の装置。
実施形態22
前記容器が清澄容器である、実施形態17に記載の装置。
実施形態23
電気フランジを備えた電気加熱される容器であって、該電気フランジは、それに取り付けられた前記容器に電流を供給するように構成され、該電気フランジは該容器の中心線に対して実質的に垂直な面で該容器を取り囲んでいる、容器を製造する方法において、
(a)前記電気フランジをパラメータ化する工程であって、該電気フランジは、第1の金属から作られた第1のリングおよび該第1の金属と異なる第2の金属から作られた第2のリングを備え、該第1のリングは、前記フランジの面に、厚さが異なる複数の半径方向に重複する部分を含み、該半径方向に重複する部分のいずれも前記容器の周りに完全には延在しておらず、該パラメータ化する工程は、該半径方向に重複する部分の厚さ、形状および位置を決定する工程を含むものである工程、
(b)前記フランジを通じて前記容器に供給される所定の全電流について、第1の位置での前記第1のリングにおける電流密度を計算する工程、
(c)前記容器の上部での前記フランジにおける前記電流密度間の差が所定の値より大きい場合、前記重複する部分のサイズ、形状および位置の少なくとも1つを変更する工程、および
(d)前記第1の位置での前記電流密度が前記所定の値より小さくなるまで、工程(b)および(c)を繰り返す工程、
を有してなる方法。
実施形態24
工程(b)で、前記第1の位置での計算された電流密度を使用して、前記容器の壁の温度を計算する工程をさらに含む、実施形態23に記載の方法。
実施形態25
ガラスを製造する方法において、
壁、第1のフランジおよび該第1のフランジに隣接した第2のフランジを備えた容器であって、該第1と第2のフランジがそれぞれの容器とフランジとの接合部で前記壁に取り付けられており、該第1と第2のフランジが前記壁に電流を供給するように構成されており、該第1と第2のフランジの各々が、本体部分から延在する電極部分を含むものである容器に、溶融ガラスを流す工程、および
前記第1と第2のフランジの間で前記壁に電流を流す工程、
を有してなり、
前記第1と第2のフランジの前記電極部分に最も近い前記壁の位置で該第1のフランジから該第2のフランジに延在する該壁上の線に沿って、該線に沿った電流密度が前記容器とフランジとの接合部で最小である、方法。
実施形態26
前記線上の最大電流密度と最小の前記電流密度との間の差が、10%以下である、実施形態25に記載の方法。
実施形態27
前記差が5%以下である、実施形態26に記載の方法。
実施形態28
前記最大電流密度が、前記第1と第2のフランジの間の総距離の20%以下の、該第1のフランジからの距離に位置している、実施形態26に記載の方法。
実施形態29
前記最大電流密度が、前記第1と第2のフランジの間の総距離の15%以下の、該第1のフランジからの距離に位置している、実施形態28に記載の方法。
実施形態30
前記容器の縦軸に対して垂直な面の該容器の断面形状が長円形である、実施形態26に記載の方法。
実施形態31
前記容器が清澄容器である、実施形態30に記載の方法。
実施形態32
ガラス製造装置において、
溶融炉、
前記溶融炉と流体連通した溶融ガラス処理容器であって、該溶融ガラス処理容器の縦軸に対して垂直な面の長円断面形状を有し、その内部を通る溶融ガラスを搬送するように構成されており、該溶融ガラスの流動方向に対して前記溶融炉の下流に配置された溶融ガラス処理容器、および
前記溶融ガラス処理容器に取り付けられ、該溶融ガラス処理容器の壁に電流を送達するように構成されたフランジであって、該フランジは、閉ループで前記容器の周りに完全に延在する第1のリングを備え、該第1のリングは、第1の厚さを有する第1の部分および該第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2の部分を含み、該第1の部分および該第2の部分は、該第1の部分が該第2の部分と前記溶融ガラス処理容器との間に配置されるように前記フランジの面において重複していおり、該第1の部分または該第2の部分のいずれも前記溶融ガラス処理容器の周りに完全には延在していない、フランジ、
を備えた装置。
実施形態33
前記溶融ガラス処理容器と流体連通した成形体をさらに備え、該成形体は、前記溶融ガラスの流動方向に対して該溶融ガラス処理容器の下流に配置されている、実施形態32に記載の装置。
実施形態34
前記第1のリングの前記第1の部分の厚さが、該第1のリングの前記第2の部分の厚さより小さい、実施形態32に記載の装置。
実施形態35
前記第1のリングの周りに閉ループで延在する第2のリングをさらに備える、実施形態32に記載の装置。
実施形態36
前記第2のリングの厚さが、前記第2の部分の厚さより大きい、実施形態35に記載の装置。
実施形態37
前記第1のリングが第1の金属から作られ、前記第2のリングが、該第1の金属と異なる第2の金属から作られている、実施形態35に記載の装置。
実施形態38
前記第2のリングが最も外側のリングである、実施形態35に記載の装置。
実施形態39
前記フランジの面内で前記容器の中心線に対して垂直にそこから延在する第1の放射状の直線上で、該第1の放射状の直線が、前記第1のリングの前記第2の部分と交差せずに、該第1のリングの前記第1の部分と交差する、実施形態32に記載の装置。
実施形態40
前記第1の放射状の直線が、前記容器の短軸に対して平行である、実施形態39に記載の装置。
実施形態41
前記第1のリングが、前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置された第3の部分をさらに含み、該第3の部分が前記容器の周りに完全には延在していない、実施形態32に記載の装置。
実施形態42
前記第1のリングが白金から作られている、実施形態32に記載の装置。
実施形態43
前記第2のリングがニッケルから作られている、実施形態35に記載の装置。
実施形態44
最も外側のリングをさらに備え、該最も外側のリングの厚さが前記容器の周りの角度位置の関数として変動する、実施形態32に記載の装置。
実施形態45
前記最も外側のリングに取り付けられた電極をさらに備え、該電極に隣接する該最も外側のリングの部分が、該電極と反対の該最も外側のリングの部分より厚い、実施形態44に記載の装置。
実施形態46
前記ガラス製造装置がフュージョンダウンドローガラス製造装置である、実施形態32に記載の装置。
実施形態47
前記溶融ガラス処理容器が清澄容器である、実施形態32に記載の装置。
実施形態48
前記溶融ガラス処理容器が、前記溶融ガラスの流動方向に対して混合容器の下流に配置され、該混合容器と流体連通している、実施形態32に記載の装置。