JP6989900B2 - 竹製ドレーン材および液状化対策工法 - Google Patents

竹製ドレーン材および液状化対策工法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 (1)平成30年12月26日に学校法人福岡大学において開催された「2018年道路土質研究室 第5回中間報告会」にて発表 (2)平成31年1月31日に学校法人福岡大学において開催された「2018年卒業論文発表会」にて発表 (3)平成31年2月20日に公益社団法人土木学会西部支部により発行された「平成30年度 土木学会西部支部 研究発表会講演概要集」にて発表 (4)平成31年3月2日に開催された「平成30年度土木学会西部支部研究発表会」にて発表 (5)令和1年6月に、https://onsite.gakkai-web.net/jgs/contents/jgs54.zip https://onsite.gakkai-web.net/jgs/contents/jgs54.iso https://onsite.gakkai-web.net/jgs/contents/index.html にて発表 (6)令和1年7月17日に開催された「第54回地盤工学研究発表会」にて発表
本発明は、竹製ドレーン材および液状化対策工法に関する。
地下水位以深の砂質層では、地震時の振動により液状化するおそれがある。液状化は、地震動等により土粒子間の水(間隙水)の圧力が急激に上昇することで土粒子間の結合が崩れることにより生じる。地盤が液状化すると、地盤沈下等により構造物等に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、地震動等により液状化するおそれがある地層(液状化層)を含む地盤に対しては、液状化を抑制するための液状化対策工を講じる必要がある。
従来の一般的な液状化対策工法としては、地中に砂杭や木杭等(以下、単に「杭」という)を圧入して杭の周辺地盤を締め固めることにより地盤の密度を増加させて土粒子間の結合を維持する密度増大工法、地中に固化材等を供給して混合することにより地盤の強度を高める固結工法、液状化する土層を液状化し難い材料に置き換える置換工法、地下水を排出して地下水位を低下させる地下水位低下工法、地震時に発生する過剰間隙水をドレーンから排水することにより過剰間隙水圧の上昇を抑制する間隙水圧消散工法、周囲を改良体や連続地中壁等で囲むことで地盤のせん断変形を抑制して液状化の発生を防止するせん断変形抑制工法等がある。
密度増大工法では、地盤の密度を増加させるために杭を多数打ち込む必要があるが、杭の施工に手間がかかるとともに材料費もかかる。
固結工法では、地上から打設した注入管を介して固化材を噴射撹拌するが、地中への固化材の注入は、施工に手間がかかるとともに材料費等によりコストが高くなる。
置換工法は、用地が広い場合や液状化層が深い位置に存在する場合には不向きである。また、土層を置換することにより発生する廃棄物の処分に手間と費用がかかる。
地下水位低下工法は、地下水位を低下させた状態を維持する必要があるため、地下水を排水するためのポンプを常時稼働させる必要がある。そのため、維持管理に手間と費用がかかる。
間隙水圧消散工法では、間隙水圧を効率的に低減するためには、用地内にドレーンを多数形成する必要があるため、施工に手間がかかるとともに、ドレーンを形成するための材料費(ドレーン管やグラベルドレーンの場合には砕石等)が嵩む。
せん断変形抑制工法は、基礎地盤を囲う改良体や連続地中壁の施工に手間と費用がかかる。また、用地境界付近では、改良体や連続地中壁の施工が困難な場合がある。
そのため、比較的簡易に施工が可能で、かつ、施工コストが安い液状化対策工として、竹杭を地中に打ち込む場合がある(例えば、特許文献1参照)。竹杭は、比較的安く入手することができる。また、竹杭は、液状化層における浮力に対して十分に軽いため、沈下抑制効果を発揮し、その結果、液状化層の上方に形成された構造物等の沈下を抑制することができる。なお、特許文献1では、竹杭の内部に樹脂発泡体を充填することで、地下水が竹杭の内部に浸透することを防止している。
特開2016-151121号公報
竹杭は、構造物等の沈下を抑制することができるものの、液状化層の液状化自体は抑制することができない。構造物の下方の地盤が液状化して沈下すると、構造物の基礎と地盤との間に隙間ができてしまうため、補修が必要となる。
このような観点から、本発明は、比較的簡易かつ安価に地盤の液状化を抑制することを可能とした液状化対策工法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明の竹製ドレーン材は、所定の位置に内外を貫く排水孔が形成されているとともに、各節に貫通孔が形成されている竹製ドレーン材であって、前記排水孔と前記貫通孔は、竹の外面から前記節を貫通するように一直線上に形成された孔、または、前記節の位置において竹の外面から形成されたスリットからなることを特徴とする。
かかる竹製ドレーン材を液状化層が存在する地盤に埋め込めば、液状化層の余剰水(過剰間隙水)が竹製ドレーン材の排水孔から竹製ドレーン材の内部に誘導されて、竹製ドレーン材を通って排出されるため、液状化を抑制することができる。地盤の液状化を抑制することができれば、液状化に起因した沈下に対する補修工事が不要あるいは軽微なものとなる。また、竹製ドレーン材は靭性を備えているため、地震力が作用した場合であっても破損しにくい。
本発明の竹製ドレーン材の内部に粒状の充填材が充填されていれば、竹製ドレーン材の内部に土砂が流入することによる目詰まりを防止できる。
なお、竹製ドレーン材は、竹の幹からなる複数のドレーン構成材が軸方向に連結されたものであってもよい。
また、本発明の液状化対策工法は、液状化層と非液状化層とを有する地盤において前記液状化層が存在することが予想される深さに対応して、竹製ドレーン材の内外を貫通する排水孔を形成するとともに、前記竹製ドレーン材の各節に貫通孔を形成する準備工程と、前記竹製ドレーン材を少なくとも前記液状化層に到達する深さまで埋め込む埋込工程と、を備え、前記排水孔と前記貫通孔は、竹の外面から前記節を貫通するように一直線上に形成された孔、または、前記節の位置において竹の外面から形成されたスリットからなり、前記液状化層の余剰水を前記排水孔から前記竹製ドレーン材内部に誘導することを特徴とするものである。
かかる液状化対策工法によれば、液状化層の余剰水(過剰間隙水)が竹製ドレーン材の排水孔から竹製ドレーン材の内部に誘導されて、竹製ドレーン材を通って排出されるため、液状化を抑制することができる。地盤の液状化を抑制することができれば、液状化に起因した沈下に対する補修工事が不要あるいは軽微なものとなる。また、竹製ドレーン材は靭性を備えているため、地震力が作用した場合であっても破損しにくい。また、地中に竹製ドレーン材が埋め込まれていることにより、地盤の剛性を高めることができる。
なお、前記埋込工程では、複数の前記竹製ドレーン材を束ねた状態で地中に埋め込んでもよい。かかる液状化対策工法によれば、竹製ドレーン材を束ねることで、剛性が増加するとともに、沈下量の抑制効果の向上を期待することができる。また、竹製ドレーン材同士の間の隙間から過剰間隙水を排水することができるため、過剰間隙水圧の消散効果も期待できる。
また、前記竹製ドレーン材内には、粒状の充填材を充填してもよい。かかる液状化対策工法によれば、竹製ドレーン材の剛性が向上するとともに、竹製ドレーン材内に土砂が流入することによる目詰まりを防止することができる。なお、充填材としては、例えば、砕石等を使用すればよい。
さらに、竹製ドレーン材は、竹の幹からなるドレーン構成材を軸方向に連結することで、所定の長さに形成してもよい。
本発明の液状化対策工法によれば、液状化層の液状化を抑制することで当該液状化層の上方に形成された構造物への地震の影響を最小限に抑えることが可能となる。
本実施形態に係る液状化対策工法の概要を示す断面図である。 竹製ドレーン材の一部を示す断面図である。 他の形態に係る竹製ドレーン材の一部を示す断面図である。 竹製ドレーン材を示す図であって、(a)は平断面図、(b)は縦断面図である。 液状化対策工法の各施工段階を示す断面図であって、(a)は掘削孔削孔状況、(b)は竹製ドレーン材埋込状況、(c)は排水材設置状況、(d)は盛土状況である。 他の形態に係る排水材を示す断面図である。 本実施形態の液状化対策工法について実施した実験における間隙水圧の発生状況を示すグラフである。 本実施形態の液状化対策工法について実施した実験における構造物の沈下量を示すグラフである。 (a)は他の形態に係る液状化対策工法の概要を示す断面図、(b)はその他の形態に係る液状化対策工法の概要を示す断面図である。
本実施形態では、図1に示すように、液状化層を備える地盤G上に盛土2を行う場合において、地震時に液状化層が液状化することを抑制するために盛土2の施工予定箇所の基礎地盤に竹製ドレーン材1を埋め込む液状化対策工法について説明する。なお、地盤G上に形成される構造物は盛土2に限定されるものではない。
本実施形態の地盤Gは、地表面から順に、第一層G1、第二層G2、第三層G3および第四層G4が積層されている。第一層G1の地表側は地下水位WLよりも高く、第一層G1の下側は地下水位WL以深である。また、第二層G2および第四層G4は、液状化層である。なお、地盤Gの構成は限定されるものではない。
本実施形態の液状化対策工法は、準備工程と、埋込工程とを備えている。
準備工程では、第二層G2および第四層G4の深さ位置に対応して、竹製ドレーン材の内外を貫く排水孔を形成するとともに竹製ドレーン材の各節に貫通孔を形成する。すなわち、竹製ドレーン材1の第二層G2(上側の液状化層)と第四層G4(下側の液状化層)に面する部分に、図2に示すように、竹製ドレーン材1の内外を貫く排水孔6を形成しておく。本実施形態の竹製ドレーン材1は、第二層G2に面する側面に排水孔6としての複数の貫通孔が形成されているとともに、第四層G4に挿入された竹製ドレーン材1の下端が排水孔6として開口している。なお、竹製ドレーン材1の排水孔6の形成方法は限定されるものではなく、例えば、第四層G4に挿入された部分の側面に貫通孔を形成してもよい。
竹製ドレーン材1は、竹の幹からなる複数のドレーン構成材を軸方向に連結することにより形成する。ドレーン構成材同士の連結方法は限定されるものではない。例えば、ドレーン構成材の端面同士を突き合せた状態で冶具により連結してもよいし、一方のドレーン構成材の端部に他方のドレーン構成材の端部を挿入することにより連結してもよい。なお、竹製ドレーン材1は、少なくとも液状化層に到達する長さを有した1本の竹の幹により形成してもよい。
竹製ドレーン材1(ドレーン構成材)の各節には、予め貫通孔(導水孔7)を形成しておく。すなわち、竹製ドレーン材1の内空は、導水孔7により上下方向で連通している。なお、竹製ドレーン材1の節に形成する導水孔7の大きさは限定されるものではなく、例えば、節の一部が残存する大きさであってもよいし、節全体を撤去する大きさであってもよい。また、節に対して複数の導水孔7を形成してもよい。また、ドレーン構成材を節の部分を切断した竹の幹により形成することで、節のない竹製ドレーン材1としてもよい。また導水孔7の形成方法は限定されるものではなく、例えば、竹製ドレーン材1またはドレーン構成材の端部から長尺のドリル等を挿入して節を削孔してもよい。また、竹製ドレーン材1またはドレーン構成材を軸方向に沿って割り、内部の節を撤去あるいは節に孔を削孔してから、再び組み合わせて竹製ドレーン材1またはドレーン構成材を形成してもよい。また、図3に示すように、竹製ドレーン材1の側面から斜め向きにドリル等を差し込むことで、排水孔6と導水孔7とを形成してもよい。さらに、竹製ドレーン材1の外面から節にスリットを形成することで節を貫通させてもよい。
本実施形態では竹製ドレーン材1内に、粒状の充填材を充填する。粒状の充填材を構成する材料は限定されるものではないが、本実施形態では砕石を使用する。なお、充填材は、必要に応じて充填すればよい。また、充填材は、竹製ドレーン材1を地中に埋め込んだ後に竹製ドレーン材1の上端から挿入してもよいし、竹製ドレーン材1を地中に埋め込む前に竹製ドレーン材1内に充填してもよい。
埋込工程では、竹製ドレーン材1を、第四層G4(下側の液状化層)に到達する深さまで埋め込む。図4(a)および(b)に示すように、本実施形態では、複数(本実施形態では4本)の竹製ドレーン材1を束ねた竹束3を地中に埋め込む。なお、竹束3を構成する竹製ドレーン材1の本数は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。竹製ドレーン材1(竹束3)を地中に埋め込む際には、まず、図5(a)に示すように、地中に掘削孔4を形成する。次に、図5(b)に示すように、竹製ドレーン材1を束ねた竹束3を掘削孔4に押し込む。竹束3は、竹製ドレーン材1同士の束ねた状態で、ロープや紐等により結束しておく。同様に、複数の竹束3を所定の間隔をあけて地中に埋め込む(図5(c)参照)。なお、竹製ドレーン材1の結束に使用する材料は限定されるものではない。また、竹製ドレーン材1同士は、必ずしも結束しておく必要はなく、結束していない状態で掘削孔4に押し込んでもよい。
竹束3を地中に埋め込んだら、図5(c)に示すように、地表面にシート状の排水材5を敷設する。排水材5は、盛土2の下面のよりも大きな形状を有している。なお、排水材5は、必要に応じて設置すればよい。また、排水材5は、シート状である必要はなく、例えば、砂を使用してもよい。すなわち、図6に示すように、表層(第一層G1)の地下水位WLよりも上の部分を砂に置換して排水層を形成してもよい。
排水材5を敷設したら、排水材5の上に盛土2を行う。排水材5は、盛土2よりも大きな平面形状を有しているため、排水材5の縁部分が盛土2の外側に張り出す。
本実施形態の液状化対策工法によれば、図1に示すように、液状化層(第二層G2,第四層G4)の余剰水(過剰間隙水)Wが竹製ドレーン材1の排水孔6(図2参照)から竹製ドレーン材1の内部に誘導されて、竹製ドレーン材1を通って排出されるため、液状化を抑制することができる。竹製ドレーン材1内を通過した余剰水Wは、排水材5を介して外部へ排水されるため、盛土2の下に滞留することがない。地盤Gの液状化を抑制することができれば、液状化に起因した沈下に対する補修工事が不要となる。
また、竹製ドレーン材1は靭性を備えているため、地震力が作用した場合であっても破損しにくい。また、地中に竹製ドレーン材1が埋め込まれていることにより、地盤Gの剛性を高めることができる。また、竹製ドレーン材1内に充填材が充填されているため、竹製ドレーン材1の剛性が高められており、地盤Gの剛性がより高められている。なお、充填材として、砕石などの粒状材を使用しているため、充填材によって竹製ドレーン材1のドレーン効果が阻害されることがない。また、粒状の充填材によって、竹製ドレーン材1の目詰まりも防止することができる。
また、竹製ドレーン材1を束ねることで、剛性が増加するとともに、沈下量の抑制効果の向上を期待することができる。また、竹製ドレーン材1同士の間の隙間から過剰間隙水を排水することができるため、過剰間隙水圧の消散効果も期待できる。また、竹製ドレーン材1の節に形成された貫通孔の大きさや配置などにより、地中の排水量(間隙水圧)を調節できる。
竹製ドレーン材1内への地下水の取り込みは、液状化層(第二層G2,第四層G4)のみで行うため、竹製ドレーン材1によって非液状化層(第一層G1,第三層G3)における圧密沈下が助長されることはない。また、竹製ドレーン材1は、節によって外面に凹凸が形成されているため、竹製ドレーン材1の沈下が抑制されている。
また、竹製ドレーン材1は、コンクリート杭に比べて強度が小さく、地盤Gとの強度さが小さいため、地震時の地震動が上部構造物に伝達され難く、上部構造物への影響を最小限に抑えることができる。
また、竹製ドレーン材1は、複数のドレーン構成材を軸方向に連結することにより形成されているため、所定の長さに形成することができる。
以下、本実施形態の液状化対策工法の効果を確認するために実施した実験結果について説明する。本実験は、模型土槽内に形成された砂層内に竹束3を埋め込み、模擬構造物として錘を乗せた状態で地震動を加えた場合の間隙水圧と沈下量を測定した(実施例)。
竹束3は、竹材を加工することにより直径5mm、長さ150mmに形成した竹製ドレーン材1を4本束ねることにより形成した。砂層には、豊浦珪砂を用いた。模型土槽は、高さ435mm×幅650mm×奥行350mmで、出力0.38kW、最大振動数25.4Hzの振動装置により、2.5Hzで40秒、60波の加振波を与えた。錘には、高さ5cm×幅12cm×奥行10cm、重さ1kgのものを使用した。
また、比較例として、直径10mm、長さ150mmの木杭についても同様の試験を行った。なお、木杭および竹製ドレーン材1は、下端から1cmの範囲について、下端に向かうにしたがって細くなるようにペンシル状に加工した。
図7に示すように、竹束3を利用した実施例の最大過剰間隙水圧は、比較例の最大過剰間隙水圧の半分程度であった。また、実施例では、振動が作用した直後に過剰間隙水圧が上昇するものの、その直後から減少した。また、図8に示すように、実施例の構造物(錘)の沈下量は、比較例に比べて大幅に小さかった。これは、竹束3を打設することにより剛性が増加するとともに、竹製ドレーン材1同士の隙間がドレーンの役割を果たして過剰間隙水圧が消散することによる効果と推測される。したがって、竹製ドレーン材1のドレーン効果と靭性により、地盤の沈下と液状化(間隙水圧の上昇)を抑制できることが確認できた。なお、木杭を利用した比較例では、図7に示すように、振動を加えた直後に過剰間隙水圧が急激に増加し、図8に示す最大沈下量に達した時点から過剰間隙水圧が消散する結果となった。
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、複数の竹製ドレーン材1を束ねた状態(竹束3)で地中に埋め込むものとしたが、竹製ドレーン材1は必ずしも束ねる必要はなく、1か所に1本の竹製ドレーン材1を埋め込んでもよい。また、竹製ドレーン材1は、木杭等と束ねて使用してもよい。
また、前記実施形態では、地中に形成された掘削孔に竹製ドレーン材1を埋め込む場合について説明したが、竹製ドレーン材1の埋込方法は限定されるものではない。例えば、軟弱地盤に対して埋め込む場合には、竹製ドレーン材1を圧入してもよい。また、硬い地盤に埋め込む場合には、機械攪拌工法等により地盤を緩ませてから竹製ドレーン材1を圧入してもよい。
また、前記実施形態では、構造物(盛土2)の下側の地盤Gに対して竹製ドレーン材1を埋め込むことで液状化を抑制する場合ついて説明したが、液状化対策工法の適用個所は限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように、ケーソン式岸壁21の背面の液状化層G0や、図9(b)に示す容易に、矢板式岸壁22の背面の液状化層G0等、構造物の側方の地盤Gに対して竹製ドレーン材1を埋め込んでもよい。
1 竹製ドレーン材
2 盛土
3 竹束(竹製ドレーン材の束)
4 掘削孔
5 排水材
G 地盤
G2 第二層(液状化層)
G4 第四層(液状化層)

Claims (7)

  1. 所定の位置に内外を貫く排水孔が形成されているとともに、各節に貫通孔が形成されている竹製ドレーン材であって、前記排水孔と前記貫通孔は、竹の外面から前記節を貫通するように一直線上に形成された孔、または、前記節の位置において竹の外面から形成されたスリットからなることを特徴とする、竹製ドレーン材。
  2. 内部に粒状の充填材が充填されていることを特徴とする、請求項1に記載の竹製ドレーン材。
  3. 竹の幹からなる複数のドレーン構成材が軸方向に連結されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の竹製ドレーン材。
  4. 液状化層と非液状化層とを有する地盤において前記液状化層が存在することが予想される深さに対応して、竹製ドレーン材の内外を貫通する排水孔を形成するとともに、前記竹製ドレーン材の各節に貫通孔を形成する準備工程と、
    前記竹製ドレーン材を少なくとも前記液状化層に到達する深さまで埋め込む埋込工程と、を備え、
    前記排水孔と前記貫通孔は、竹の外面から前記節を貫通するように一直線上に形成された孔、または、前記節の位置において竹の外面から形成されたスリットからなり、
    前記液状化層の余剰水を前記排水孔から前記竹製ドレーン材内部に誘導することを特徴とする、液状化対策工法。
  5. 前記埋込工程において、複数の前記竹製ドレーン材を束ねた状態で埋め込むことを特徴とする、請求項4に記載の液状化対策工法。
  6. 前記準備工程において、前記竹製ドレーン材内に粒状の充填材を充填することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の液状化対策工法。
  7. 前記準備工程において、竹の幹からなるドレーン構成材を軸方向に連結して前記竹製ドレーン材を形成することを特徴とする、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の液状化対策工法。
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