JP6989008B2 - 分析装置、分析方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、分析装置、分析方法およびプログラムに関する。
飛行時間型質量分析計(以下、適宜TOF−MSと呼ぶ)では、パルス電圧および定電圧により生じた電場によりイオンが加速され、加速されたイオンがイオン検出器において検出されるまでの飛行時間に基づいて各イオンのm/z(質量電荷比)が測定される。TOF−MSの測定精度に基づいて、イオン検出器には、同一のm/zのイオンが有る程度の時間のばらつきを伴って入射し、このばらつきに対応する分布を有するパルス状の検出信号がイオン検出器から出力される。この検出信号から、m/zに対応する検出強度を示すマススペクトルが得られる。
精密な質量分析においては、測定条件による飛行時間のばらつきを数ppm程度以下まで抑制することが求められる場合がある。より精密に質量分析を行うためには、上記のようなばらつきを抑制するように、TOF−MSの各部を調整することが必要である。例えば、特許文献1では、マススペクトルのピークの半値幅が最小となるように四重極電極に印加する電圧を調整することが記載されている。
日本国特開2012−104424号公報
しかしながら、マススペクトルのピークの半値幅に基づいてTOF−MSを調整すると、リーディングやテーリング等のピークの波形の歪みを十分に改善できないという問題があった。
本発明の第1の態様によると、分析装置は、飛行時間に基づいてイオンを分離し、分離された前記イオンを検出する質量分析部と、前記飛行時間または前記飛行時間に対応するm/zに、検出した前記イオンの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成する解析部と、前記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅と、前記第1の強度と異なる第2の強度における第2ピーク幅を算出するピーク幅算出部と、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて前記質量分析部の調整を行う調整部とを備える。
本発明の第2の態様によると、第1の態様の分析装置において、前記ピーク幅算出部は、ピーク強度の50%よりも小さい所定の強度を前記第1の強度とし、前記第1ピーク幅を算出することが好ましい。
本発明の第3の態様によると、第2の態様の分析装置において、前記ピーク幅算出部は、前記ピーク強度の15%以上40%以下の所定の強度を前記第1の強度とし、前記第1ピーク幅を算出することが好ましい。
本発明の第4の態様によると、第2または第3の態様の分析装置において、前記ピーク幅算出部は、前記ピーク強度の50%に対応する強度を前記第2の強度とし、前記第2ピーク幅を算出することが好ましい。
本発明の第5の態様によると、第1から第4までのいずれかの態様の分析装置において、前記調整部は、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅のいずれか一方を他方で割って得られた比率に基づいて前記調整を行うことが好ましい。
本発明の第6の態様によると、第1から第5までのいずれかの態様の分析装置において、前記質量分析部は、前記イオンを加速させるためのパルス電圧が印加される第1加速電極、前記イオンが飛行する空間を画定するフライトチューブ、および、前記第1加速電極と前記フライトチューブとの間に配置される第2加速電極を備えることが好ましい。
本発明の第7の態様によると、第6の態様の分析装置において、前記調整部は、前記第1加速電極、前記フライトチューブおよび前記第2加速電極から選択される少なくとも一つの電圧を調整することが好ましい。
本発明の第8の態様によると、第6の態様の分析装置において、前記質量分析部は、加速された前記イオンの進行方向を変えるための電圧が印加されるリフレクトロン電極を備え、前記調整部は、前記第1加速電極、前記フライトチューブ、前記第2加速電極および前記リフレクトロン電極から選択される少なくとも一つの電圧を調整することが好ましい。
本発明の第9の態様によると、第6の態様の分析装置において、前記質量分析部は、内部で前記イオンを解離するコリジョンセルを備え、前記調整部は、前記コリジョンセルの電圧、および、前記第1加速電極においてパルス電圧が印加されていないときの電圧の少なくとも一方を調整することが好ましい。
本発明の第10の態様によると、第1から第9までのいずれかの態様の分析装置において、前記調整部は、前記質量分析部における複数の電極のそれぞれの電圧を、順次、感度が最大になるように調整することが好ましい。
本発明の第11の態様によると、第10の態様の分析装置において、前記調整部は、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて、前記調整を続けるか否か、および前記複数の電極のうちいずれかの電極の電圧を固定するか否かを判定することが好ましい。
本発明の第12の態様によると、第1から第11までのいずれかの態様の分析装置において、前記調整が終了したときの調整された電極の電圧を記憶する記憶部を備えることが好ましい。
本発明の第13の態様によると、分析方法は、分析装置が飛行時間に基づいてイオンを分離し、分離された前記イオンを検出することと、前記飛行時間または前記飛行時間に対応するm/zに、検出した前記イオンの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成することと、前記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅と、前記第1の強度と異なる第2の強度における第2ピーク幅を算出することと、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて前記分析装置の調整を行うこととを備える。
本発明の第14の態様によると、プログラムは、飛行時間に基づいて分離されたイオンが検出されて得られた検出信号に基づいて、前記飛行時間または前記飛行時間に対応するm/zに、検出した前記イオンの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成するデータ作成処理と、前記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅と、前記第1の強度と異なる第2の強度における第2ピーク幅を算出するピーク幅算出処理と、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて分析装置の調整を行う調整処理とを処理装置に行わせるためのものである。
本発明によれば、リーディングやテーリング等のマススペクトルにおけるピークの波形の歪みを改善し、より精密に質量分析を行うことができる。
図1は、一実施形態の分析装置の構成を示す概念図である。 図2は、情報処理部の構成を示す概念図である。 図3(A)は、従来のピーク幅の算出方法を示す概念図であり、図3(B)は、一実施形態に係るピーク幅の算出方法を示す概念図である。 図4は、質量分析計の各部に印加される電圧を示す概念図である。 図5は、イオンの加速を説明するための概念図である。 図6は、一実施形態に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。 図7は、変形例に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。 図8(A)は、押出電極と引出電極とが平行に配置されている場合のイオンの加速を説明するための概念図であり、図8(B)は、押出電極と引出電極とが平行に配置されていない場合のイオンの加速を説明するための概念図であり、図8(C)は、押出電極の形状に歪みが有る場合のイオンの加速を説明するための概念図である。 図9は、イオンの飛行経路を示す概念図である。 図10は、検出部の検出面に反りが有る場合のイオンの検出を示す概念図である。 図11は、コリジョンセルおよび第1加速電極に印加される電圧の制御を示す概念図である。 図12は、プログラムを説明するための概念図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1実施形態−
図1は、本実施形態の分析装置を説明するための概念図である。分析装置1は、測定部100と、情報処理部40とを備える。測定部100は、液体クロマトグラフ10と、質量分析計20とを備える。
液体クロマトグラフ10は、移動相容器11a,11bと、送液ポンプ12a,12bと、試料導入部13と、分析カラム14とを備える。質量分析計20は、イオン化部211を備えるイオン化室21と、イオンレンズ221を備える第1真空室22aと、イオン化室21から第1真空室22aへイオンInを導入する管212と、イオンガイド222を備える第2真空室22bと、第3真空室22cと、分析室30と、電圧印加部7とを備える。第3真空室22cは、第1質量分離部23と、コリジョンセル24と、イオンガイド25とを備える。コリジョンセル24は、イオンガイド240とCIDガス導入口241とを備える。
分析室30は、イオン輸送電極301と、第1加速部310と、第2加速部320と、フライトチューブ330と、リフレクトロン電極340と、バックプレート350と、検出部360とを備える。第1加速部310は、押出電極311aと、引出電極311bとを備える。以下では、第1加速部310に含まれる電極(押出電極311aおよび引出電極311b)を第1加速電極311と呼び、第2加速部320に含まれる電極を第2加速電極321と呼ぶ。
なお、飛行時間型の質量分析を行うことができれば、分析装置1の各部の構成は特に限定されない。
液体クロマトグラフ(LC)10の種類は特に限定されない。移動相容器11aおよび11bは、バイアルやボトル等の液体を格納可能な容器を備え、それぞれ異なる組成の移動相を格納する。移動相容器11aおよび11bに格納されている移動相をそれぞれ移動相Aおよび移動相Bと呼ぶ。送液ポンプ12aおよび12bからそれぞれ出力された移動相Aおよび移動相Bは、流路の途中で混合され、試料導入部13へと導入される。送液ポンプ12aおよび12bは、それぞれ移動相Aおよび移動相Bの流量を変化させることにより、時間によって分析カラム14に導入される移動相の組成を変化させる。
試料導入部13は、オートサンプラー等の試料導入装置を備え、試料Sを移動相に導入する(矢印A1)。試料導入部13により導入された試料Sは、適宜不図示のガードカラムを通過して分析カラム14に導入される。
分析カラム14は、固定相を備え、導入された試料Sの各成分を、移動相と固定相とに対する当該成分の親和性の違いを利用して異なる保持時間で溶出させる。分析カラム14の種類や固定相は特に限定されない。分析カラム14から溶出された溶出試料は、質量分析計20のイオン化室21に導入される(矢印A2)。分析カラム14の溶出試料は、分析装置1のユーザー(以下、単に「ユーザー」と呼ぶ)による分注等の操作を必要とせず、オンライン制御により質量分析計20に入力されることが好ましい。
質量分析計20は、分析カラム14から導入された溶出試料に対してタンデム質量分析を行う直交加速型のTOF−MSである。イオン化された溶出試料を含むイオンInの経路を、一点鎖線の矢印A3により模式的に示した。
質量分析計20のイオン化室21は、導入された溶出試料をイオン化する。イオン化の方法は特に限定されないが、本実施形態のように液体クロマトグラフィ/タンデム質量分析(LC/MS/MS)を行う場合にはエレクトロスプレー法(ESI)が好ましく、以下の実施形態でもESIを行うものとして説明する。イオン化部211から出射されイオン化された溶出試料を含むイオンInは、イオン化室21と第1真空室22aの圧力差等により移動し、管212を通過して第1真空室22aに入射する。
第1真空室22a、第2真空室22b、第3真空室22cおよび分析室30は、この順に真空度が高くなっており、分析室30では例えば10−3Pa以下等の圧力まで排気されている。第1真空室22aに入射したイオンInは、イオンレンズ221を通過して第2真空室22bに導入される。第2真空室22bに入射したイオンInは、イオンガイド222を通過して第3真空室22cに導入される。第3真空室22cに導入されたイオンInは、第1質量分離部23へと出射される。第1質量分離部23に入射するまでの間に、イオンレンズ221やイオンガイド222等は、通過するイオンInを電磁気学的作用により収束させる。
第1質量分離部23は、四重極マスフィルタを備え、四重極マスフィルタに印加される電圧に基づく電磁気学的作用により、設定されたm/zを有するイオンInをプリカーサーイオンとして選択的に通過させてコリジョンセル24に向けて出射する。
コリジョンセル24は、イオンガイド240によりイオンInの移動を制御しながら、衝突誘起解離(Collision Induced Dissociation;CID)により、イオン化された溶出試料を解離させ、フラグメントイオンを生成する。CIDの際にイオンInが衝突させられるアルゴンや窒素等を含むガス(以下、CIDガスと呼ぶ)は、コリジョンセル内で所定の圧力になるようにCIDガス導入口241から導入される(矢印A4)。生成されたフラグメントイオンを含むイオンInは、イオンガイド25に向けて出射される。イオンガイド25を通過したイオンInは、分析室30に入射する。
分析室30に入射したイオンInは、イオン輸送電極301により移動を制御されつつイオン輸送電極301を通過し、第1加速部310に入射する。第1加速部310の押出電極311aは、検出するイオンの極性と同一の極性のパルス電圧が印加され、イオンInを押出電極311aから遠ざかる向きに加速する加速電極である。第1加速部310の引出電極311bは、イオンInがその内部を通過できるように格子状に形成されている。引出電極311bは、検出するイオンの極性と反対の極性のパルス電圧が印加され、押出電極311aと引出電極311bとの間に有るイオンInを引出電極311bに近づくように加速する加速電極である。押出電極311aおよび引出電極311bに印加されるパルス電圧の波高の絶対値は数千V等である。押出電極311aおよび引出電極311bには、パルス電圧が印加されないときには、数十V等の大きさの電圧が適宜印加されている。第1加速部310において、押出電極311aおよび引出電極311bに印加されたパルス電圧により生じた電場により加速されたイオンInは、第2加速部320に入射する。図1では、第1加速部310により加速されたイオンInの経路を矢印A5で模式的に示した。
第2加速部320の第2加速電極321には、検出するイオンの極性と反対の極性の、例えば数千Vの大きさの電圧が印加される。第2加速部320を通過するイオンInは、第2加速電極321に印加された電圧により生じた電場により加速され、フライトチューブ330に囲まれた空間に入射する。
フライトチューブ330は、フライトチューブ330に印加された電圧によりイオンInの移動を制御し、イオンInが飛行する空間を画定する。フライトチューブ330には、検出するイオンの極性と反対の極性の、例えば数千Vの大きさの電圧が印加される。。
リフレクトロン電極340およびバックプレート350には、正イオン検出時にはフライトチューブに印加される電圧よりも高い電圧が印加され、この電圧により生じた電場によりイオンInの進行方向を変化させる。進行方向が変化させられたイオンInは、矢印A5により模式的に示した折り返し軌道に沿って移動し、検出部360に入射する。なお、負イオン検出時には、リフレクトロン電極340およびバックプレート350には、フライトチューブに印加される電圧よりも低い電圧が印加される。
検出部360は、マイクロチャンネルプレート等のイオン検出器を備え、入射したイオンInを検出する。検出モードは正イオンを検出する正イオンモードと、負イオンを検出する負イオンモードとのいずれでもよい。イオンを検出して得られた検出信号はA/D変換され、デジタル信号となって情報処理部40に入力される(矢印A6)。
電圧印加部7は、パルス電圧や直流電圧を印加することができる電圧源を備える。電圧印加部7は、第1加速電極311、第2加速電極321、フライトチューブ330、リフレクトロン電極340、バックプレート350および検出部360等に電圧を印加する。
図2は、分析装置1の情報処理部40の構成を示す概念図である。情報処理部40は、入力部41と、通信部42と、記憶部43と、出力部44と、制御部50とを備える。制御部50は、解析部51と、装置制御部52と、出力制御部53とを備える。装置制御部52は、ピーク幅算出部521と、調整部522とを備える。
情報処理部40は、電子計算機等の情報処理装置を備え、適宜ユーザーとのインターフェースとなる他、様々なデータに関する通信、記憶、演算等の処理を行う。情報処理部40は、測定部100の制御や、解析、表示の処理を行う処理装置となる。
なお、情報処理部40は、液体クロマトグラフ10および/または質量分析計20と一体になった一つの装置として構成してもよい。また、分析装置1が用いるデータの一部は遠隔のサーバ等に保存してもよく、分析装置1で行う演算処理の一部は遠隔のサーバ等で行ってもよい。測定部100の各部の動作の制御は、情報処理部40が行ってもよいし、各部を構成する装置がそれぞれ行ってもよい。
情報処理部40の入力部41は、マウス、キーボード、各種ボタンおよび/またはタッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部41は、測定部100が行う測定や制御部50が行う処理に必要な情報等を、ユーザーから受け付ける。
情報処理部40の通信部42は、インターネット等のネットワークを介して無線や有線の接続により通信可能な通信装置を含んで構成される。通信部42は、測定部100の測定に必要なデータを受信したり、解析部51の解析結果等の制御部50が処理したデータを送信したり、適宜必要なデータを送受信する。
情報処理部40の記憶部43は、不揮発性の記憶媒体を備える。記憶部43は、検出部360から出力された検出信号に基づく測定データ、過去に後述の調整部522により質量分析計20の各部の電圧が調整された際に設定された電圧値、および制御部50が処理を実行するためのプログラム等を記憶する。
情報処理部40の出力部44は、液晶モニタ等の表示装置および/またはプリンターを備える。出力部44は、出力制御部53により制御され、測定部100の測定に関する情報や、解析部51の解析結果等を、表示装置に表示したり印刷媒体に印刷して出力する。
情報処理部40の制御部50は、CPU等のプロセッサを含んで構成される。制御部50は、測定部100の制御や、測定データの解析等、記憶部43等に記憶されたプログラムを実行することにより各種処理を行う。
解析部51は、測定データの解析を行う。解析部51は、検出部360から出力された検出信号から、予め取得した較正データに基づいて飛行時間をm/zに変換し、検出されたイオンInのm/zと検出強度とを対応させる。質量分析計20の各部の電圧を調整するため、既知のm/zを有する分子を含む標準試料が質量分析計20に導入された際に、解析部51は、当該標準試料を検出した検出部360から出力された検出信号に基づいて、当該標準試料のマススペクトルに対応するデータを作成する。標準試料は、不図示の送液ポンプを用いて標準試料を含む溶液をイオン化部211に導入したり、当該溶液を試料導入部13から導入することにより質量分析計20に導入される。
解析部51は、分析対象の試料Sの解析において、保持時間と検出強度とを対応させたマスクロマトグラムに対応するデータを作成したり、m/zと検出強度とを対応させたマススペクトルに対応するデータを作成したり、検出された分子の同定や定量を行う。解析部51の行う分析対象の試料Sの解析方法は特に限定されない。
制御部50の装置制御部52は、入力部41を介した入力等に応じて設定された測定条件等に基づいて、測定部100の測定動作を制御する。例えば、装置制御部51は、第1加速電極311、第2加速電極321およびフライトチューブ330に印加される電圧を制御し、例えば検出するイオンの極性に応じて第2加速電極321、フライトチューブ330およびリフレクトロン電極340等に印加される電圧を反転させる。
ピーク幅算出部521は、解析部51が作成した、標準試料を測定して得られたマススペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、複数の強度に対応するピーク幅をそれぞれ算出する。マススペクトルにおいてどのピークを選択するかは、特に限定されず、分析対象の分子のm/z等に基づいて選択したり、複数のピークを選択してピーク幅の平均を後述の第1ピーク幅w1または第2ピーク幅w2としてもよい。
なお、m/zが既知の分子を含む試料であれば、ピーク幅算出部521は、標準試料以外の試料のマススペクトルにおけるピーク幅を算出してもよい。
図3(A)は、従来の質量分析計の調整方法におけるピーク幅の算出方法を示す概念図である。従来の調整方法では、標準試料を検出して得られたマススペクトルのピークのピーク強度の50%におけるピーク幅(すなわち、半値全幅や半値半幅)を用いて望ましいピークが得られているかを評価していた。以下では、ピーク強度をピークにおける最大強度とする。ピーク強度は、適宜スムージングやバックグラウンドの除去等の、精度を上げるための計算処理がなされて算出される。
しかしながら、従来の調整方法では、リーディングを伴うピーク(以下、リーディングピークPLと呼ぶ)やテーリングを伴うピーク(以下、テーリングピークPTと呼ぶ)を適切に評価することはできなかった。以下では、リーディングピークPLは、ピーク強度に対応するm/zよりも小さなm/zに対応するピーク面積が、ピーク強度に対応するm/zよりも大きなm/zに対応するピーク面積よりも10%以上、30%以上等の所定の割合だけ広いピークとする。テーリングピークPTは、ピーク強度に対応するm/zよりも大きなm/zに対応するピーク面積が、ピーク強度に対応するm/zよりも小さなm/zに対応するピーク面積よりも10%以上、30%以上等の所定の割合だけ広いピークとする。リーディングピークPLでもテーリングピークPTでもないピークを偏りのないピークPNと呼ぶ。
図3(A)では、リーディングピークPLおよびテーリングピークPTの半値全幅Δx50は、偏りのないピークPNの半値全幅Δx50と略同等の値となっている。このように、半値幅によりピークを評価すると、ピークがリーディングピークPLやテーリングピークPTであることを判定できない場合が多い。従って、半値幅によりピークを評価して質量分析計の調整を行った場合、実際に分析対象の試料Sを検出して得られたマススペクトルでも、リーディングピークPLやテーリングピークPTが現れてしまう。その結果、従来の調整方法では、あるm/zを有する分子について、検出されたm/zのばらつきに比べてピーク強度をとるm/zの位置が偏っているため、正確にm/zを測定することができなかった。さらに、ピークの形状が正規分布から外れるため、算出される統計値の信頼性が減少する等の問題があった。
図3(B)は、本実施形態に係るピーク幅の算出方法を示す概念図である。ピーク幅算出部521は、第1の強度における第1ピーク幅w1と、第1の強度とは異なる第2の強度における第2ピーク幅w2とを算出する。図3(B)の例では、第1の強度としてピーク強度の30%の強度に対応する第1ピーク幅w1を算出し、第2の強度としてピーク強度の50%の強度に対応する第2ピーク幅w2を算出している。
なお、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2は、対応する強度におけるピークの広がりを表す長さであれば特に限定されず、例えば第2ピーク幅w2として半値全幅を用いてもよいし、半値半幅を用いてもよい。
ピーク強度の30%の第1の強度は、リーディングピークPLやテーリングピークPTにおいてピーク幅が顕著に広がる部分のピーク幅に対応している。このため、第1ピーク幅w1を用いてピークを評価することにより、当該ピークがリーディングピークPLかテーリングピークPTかを判定することができる。従って、第1ピーク幅w1に基づいて質量分析計20の各部の調整を行うことで、測定データに基づくマススペクトルにおいてリーディングピークPLやテーリングピークPTが現れにくくすることができる。
リーディングピークPLやテーリングピークPTにおいてピーク幅が顕著に広がる部分は、ピークにおける強度が、おおよそピーク強度の50%の強度よりも小さい範囲である。さらに、リーディングピークPLやテーリングピークPTにおいて、ピーク強度の40%以下の強度でより顕著にピーク幅が広がり、ピーク強度の35%以下の強度でさらに顕著にピーク幅が広がる。従って、精度よくリーディングピークPLか否か、またはテーリングピークPTか否かを判定する観点から、ピーク幅算出部521は、ピーク強度の50%よりも小さい強度を第1の強度とすることが好ましく、ピーク強度の40%以下の強度を第1の強度とすることがより好ましく、ピーク強度の35%以下の強度を第1の強度とすることがさらに好ましい。
あまりベースラインに近いと、ピーク幅の値はノイズやバックグラウンドの影響を強く受けるため、好ましくない。従って、ピーク幅算出部521は、ピーク強度の10%以上の強度を第1の強度とすることが好ましく、15%以上の強度を第1の強度とすることがより好ましく、20%以上の強度を第1の強度とすることがさらに好ましい。
図3(B)の例のように、ピーク算出部521は、第2の強度としてピーク強度の50%の強度に対応する第2ピーク幅w2を算出することが好ましいが、特に限定されない。ピーク強度の50%の強度におけるピーク幅は、分解能等の統計値を計算するのに用いられ、様々な統計値と比較等する際に便利であるため好ましい。
調整部522は、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2に基づいて、質量分析計20の調整を行う。調整部522は、第1ピーク幅w1を第2ピーク幅w2で割った値(以下、ピーク幅比率Rと呼ぶ)を算出する。
なお、ピーク幅算出部521が、3か所以上の強度に対応するピーク幅を算出し、当該ピーク幅に基づいて調整部522が調整を行ってもよい。
調整部522は、標準試料のマススペクトルの波形に問題が無いかを、ピーク幅比率Rが所定の閾値(以下、ピーク幅閾値Thと呼ぶ)以下か否かによって判定する。この判定を以下では、ピーク判定と呼ぶ。
上記ピーク幅閾値Thは、ピークが正規分布の形状と仮定したときのピーク幅比率(以下、基準ピーク幅比率Roと呼ぶ)に基づいて設定されることが好ましい。基準ピーク幅比率Roは、以下のように算出される。
正規分布Gは、平均をX、分散をσとすると、確率変数をxとして以下の式(1)のように表される。
Figure 0006989008

ここで、xをm/zに、Gを検出強度に置き換えて考え、正規分布の形状のピークの第1ピーク幅をΔx30、第2ピーク幅をΔx50とする。この場合、x=Xにおける強度のそれぞれ3/10、5/10となる強度に対応するxがΔx30/2、Δx50/2に相当する。従って、以下の式(2)が成立する。
Figure 0006989008

…(2)
式(2)に式(1)を代入して計算すると、以下の式(3)が得られる。
Figure 0006989008

…(3)
従って、基準ピーク幅比率Ro=Δx30/Δx50=1.32となる。
ピーク幅比率Rが基準ピーク比率Roより大きくても、基準ピーク幅比率Roに近い値では、ピークの形状は正規分布に近く測定精度を大きく損なうものではないとして、リーディングピークPLやテーリングピークPTに該当しないとすることができる。従って、ピーク幅閾値Thは、基準ピーク幅比率Roよりも3%または5%等の所定の割合以上異なる値に設定されることが好ましい。図3の例においては、調整部522は、例えばピーク幅閾値Thを1.4とすることができる。
ピーク幅比率Rがピーク幅閾値Th以下の場合、ピーク波形に大きな問題は無いと考えられる。従って、この場合、調整部522は、質量分析計20の調整を終了するか、あるいは、質量分析計20においてそれまで調整していた部分とは異なる部分の調整を開始する。
ピーク幅比率Rがピーク幅閾値Thよりも大きい場合、調整部522は、標準試料のマスペクトルがリーディングピークPLまたはテーリングピークPTを含むため、さらに調整が必要であるとして質量分析計20の調整を続ける。
なお、調整部522は、第2ピーク幅w2を第1ピーク幅w1で割った値をピーク幅比率Rとしてもよい。この場合はピーク幅比率Rがピーク幅閾値Thよりも大きい方が好ましいこととなる。ピーク幅比率Rおよびピーク幅閾値Thに基づくピーク判定の条件は適宜設定することができる。また、ピーク幅比率R以外の、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2に基づいたパラメータ等によりピーク判定を行ってもよい。しかし、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2のいずれか一方を他方で割って得られたピーク幅比率は、正規分布と同形のピークにおいてσがキャンセルされる(式(3)参照)ように、σに対応するピークのばらつき(偏りのないピークPNのばらつき)の影響をなくしたまたは低減したパラメータとなるため好ましい。
調整部522は、第1加速電極311、第2加速電極321、フライトチューブ330およびリフレクトロン電極340から選択される少なくとも一つの電極の電圧を調整する。これらの電極に印加される電圧は、全てマススペクトルのピークの形状に影響する。調整部522は、当該電極に印加する電圧を変更するよう測定部100の電圧印加部7を制御し(図2の矢印A7)、電圧印加部7は、変更された電圧を当該電極に印加する。
図4は、正イオンを検出する場合の、質量分析計20の各部に印加される電圧を示す概念図である。押出電極311aおよび引出電極311bに印加されるパルス電圧と、第2加速電極321のうち最も第1加速部側にある電極321aに印加される電圧と、フライトチューブ330に印加される電圧と、加速電極側に配置された第1リフレクトロン電極340aに印加される電圧と、バックプレート側に配置された第2リフレクトロン電極340bに印加される電圧とを、図4下側のグラフで模式的に示した。破線BLで各部と電圧値とを対応させて示した。
パルス電圧が印加されている際のイオンInが飛行する空間の電位は、押出電極311aからフライトチューブ330へ進むに従い低くなり、リフレクトロン電極340においてフライトチューブ330の電圧より高くなっている。負イオンを検出する場合は、図4に示された電圧の極性を反転した電圧が印加される。
調整部522は、効率的に調整を行う観点から、特に、リフレクトロン電極340の電圧を調整することが好ましい。リフレクトロン電極340の電圧は、マススペクトルのピークの形状に特に大きな影響を与えるからである。
調整部522は、効率的に調整を行う観点から、第2加速電極321の電圧を調整することが好ましい。第2加速電極321の電圧によるイオンInの加速には、イオンInを収束させる効果があるため、ピーク幅に特に影響を与え得るからである。第2加速電極321のうち、最も第1加速部側にある電極321aに電源からの電圧が印加され、当該電圧と、フライトチューブ330に印加された電圧とを抵抗により分圧した電圧が、第2加速電極321の他の電極に印加される。調整部522は、第2加速電極321のうち最も第1加速部側にある電極の電圧を調整することにより、第2加速電極321の電圧を調整することが好ましい。
調整部522は、押出電極311aおよび引出電極311bにおいてパルス電圧が印加されていないときの電圧(以下、非パルス電圧と呼ぶ)を調整することもできる。これによっても効率的にピークの波形を調整することができる。
図5は、第1加速部310におけるイオンInの移動を示す概念図である。押出電極311aまたは引出電極311bの非パルス電圧を変更すると、イオン輸送電極301から第1加速部310へのイオンInの入射方向を調節することができる。イオンInが矢印A81の軌道をとるときとイオンInが矢印A82の軌道をとるときとでは、イオンInの加速開始位置等が変化し、飛行時間に影響を与える。また、第1加速部310へのイオンInの入射方向が適切でないと、第2加速部320を通過した後、リフレクトロン電極340でイオンInを収束させることができず、リーディングピークPLやテーリングピークPTの原因となる。
出力制御部53は、測定部100の測定条件または、マスクロマトグラム若しくはマススペクトル等の解析部51の解析結果についての情報等を含む出力画像を作成し、出力部44に出力させる。
図6は、本実施形態の分析方法の流れを示すフローチャートである。ステップS1001において、調整部522は、質量分析計20を調整する。例えば、リフレクトロン電極340を調整する場合、調整部522は、記憶部43に記憶されている過去に設定した電圧値を取り出し、当該電圧値に対応する電圧をリフレクトロン電極340に印加するよう電圧印加部7を制御する。ステップS1001が終了したら、ステップS1003が開始される。ステップS1003において、質量分析計20は、m/zが既知の分子を含む試料(標準試料等)を飛行時間に基づいて質量分離して検出する。ステップS1003が終了したらステップS1005が開始される。
ステップS1005において、解析部51は、ステップS1003で検出して得られた測定データから、マススペクトルに対応するデータを作成する。ステップS1005が終了したら、ステップS1007が開始される。ステップS1007において、ピーク幅算出部521は、マススペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、ピーク強度の30%の強度における第1ピーク幅w1と、ピーク強度の50%における第2ピーク幅w2とを算出する。ステップS1007が終了したら、ステップS1009が開始される。
ステップS1009において、調整部522は、第1ピーク幅w1を第2ピーク幅w2で割った比率(ピーク幅比率R)を算出する。ステップS1009が終了したら、ステップS1011が開始される。ステップS1011において、調整部512は、算出されたピーク幅比率Rが所定の閾値(ピーク幅閾値Th)に基づく条件を満たすか否かを判定する。当該条件を満たす場合、調整部522は、ステップS1011を肯定判定してステップS1013が開始される。当該条件が満たされない場合、調整部522は、ステップS1011を否定判定してステップS1001に戻る。
ステップS1013において、記憶部43は、調整後の測定条件を記憶する。例えば、記憶部43は、調整部522が調整した後の質量分析計20の各電極に印加されている電圧の値を記憶する。ステップS1015において、質量分析計20は、分析対象の試料Sを質量分離して検出する。ステップS1015が終了したら、ステップS1017が開始される。
ステップS1017において、解析部51は、ステップS1015において検出して得られた測定データの解析を行う。ステップS1017が終了したら、ステップS1019が開始される。ステップS1019において、出力部44は、ステップS1017における解析の結果を表示する。ステップS1019が終了したら、処理が終了される。
上述の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の分析装置1は、飛行時間に基づいてイオンInを分離し、分離されたイオンInを検出する質量分析部(質量分析計20)と、飛行時間に対応するm/zに、検出したイオンInの強度が対応付けられているマススペクトルに対応するデータを作成する解析部51と、マススペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅w1と第2の強度における第2ピーク幅w2を算出するピーク幅算出部521と、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2に基づいて質量分析計20の調整を行う調整部522とを備える。これにより、リーディングやテーリング等の波形の歪みが起こらないように質量分析計20の各部を調整することができ、より精密に質量分析を行うことができる。
(2)本実施形態に係る分析装置1において、調整部522は、第1加速電極310、フライトチューブ330、第2加速電極320およびリフレクトロン電極340から選択される少なくとも一つの電圧を調整する。これにより、ピーク波形に影響する電圧を変更し、効率的に調整を行うことができる。
(3)本実施形態に係る分析装置1は、調整が終了したときの調整された電極の電圧を記憶する記憶部43を備える。これにより、過去の調整結果に基づいて迅速に調整を行うことができる。
(4)本実施形態に係る分析方法は、分析装置1が飛行時間に基づいてイオンInを分離し、分離されたイオンInを検出することと、飛行時間に対応するm/zに、検出したイオンInの強度が対応付けられているマススペクトルに対応するデータを作成することと、マススペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅w1と第2の強度における第2ピーク幅w2を算出することと、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2に基づいて分析装置1の調整を行うこととを備える。これにより、リーディングやテーリング等のピーク波形の歪みが起こらないように分析装置1の各部を調整することができ、より精密に質量分析を行うことができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。以下の変形例において、上述の実施形態と同様の構造、機能を示す部位に関しては、同一の符号で参照し、適宜説明を省略する。
(変形例1)
上述の実施形態の分析装置1は液体クロマトグラフ‐タンデム質量分析計としたが、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2を利用して調整を行う質量分析計であれば特に限定されない。分析装置1は、液体クロマトグラフを備えなくてもよく、液体クロマトグラフ以外の分離分析装置を備えてもよい。質量分析計20における解離の方法はCIDに特に限定されない。質量分析計20をタンデム質量分析計でないTOF−MSにしてもよい。また、質量分析計20を図1に示すような直交加速型以外のTOF−MSとしてもよい。さらに、質量分析計20を図1に示すようなリフレクトロン型ではなく、リニア型やマルチターン型のTOF−MSとしてもよい。
なお、フーリエ変換質量分析計および電場型フーリエ変換質量分析計においては、検出信号をフーリエ変換して得られたマススペクトルのピークに対して第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2の算出を行い、これらのピーク幅に基づいて調整を行うことができる。
(変形例2)
上述の実施形態において、ピーク幅比率Rがピーク幅閾値Th以下になるように調整を行うことと、感度が最大になるように調整を行うこととを組み合わせてもよい。
図7は、本変形例に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。本変形例に係る分析方法では、分析装置1は、感度が最大になるように複数の電極の電圧を順次調整した後、ピーク判定を行い、ピーク判定の結果に基づいて再度上記複数の電極の電圧を調整するか否かを決定する。
ステップS2001において、調整部522は、m/zが既知の分子を含む試料を質量分析しながら、感度が最大になるように、第1加速電極311、第2加速電極321およびリフレクトロン電極340の電圧を順次調整する。ここで、感度とは、質量分析計20に導入された試料成分の量に対する、当該試料成分のピークの大きさを示す指標値(ピーク強度、ピーク面積等)の比率である。導入される試料の量を一定とし、調整部522は、第1加速電極311に印加する電圧を調整し、マススペクトルにおけるピークのピーク強度が最も大きくなるような電圧を設定する。その後、調整部522は、第2加速電極321およびリフレクトロン電極340についても同様にマススペクトルにおけるピークのピーク強度が最も大きくなるような電圧を順次設定する。ステップS2001が終了したら、ステップS2003が開始される。
なお、印加電圧を設定する電極の順番は特に限定されない。また、フライトチューブ等の他の電極の電圧も調整してもよい。
ステップS2003において、ピーク幅算出部521は、m/zが既知の分子を含む試料のマススペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、ピーク強度の30%の強度における第1ピーク幅w1と、ピーク強度の50%における第2ピーク幅w2を算出する。ステップS2003が終了したら、ステップS2005が開始される。ステップS2005において、調整部522は、第1ピーク幅w1を第2ピーク幅w2で割って得られたピーク幅比率Rを算出する。ステップS2005が終了したら、ステップS2007が開始される。
ステップS2007において、調整部522は、算出された比率(ピーク幅比率R)が所定の閾値(ピーク幅閾値Th)に基づく条件を満たすか否かを判定する。当該条件を満たす場合、調整部522は、ステップS2007を肯定判定してステップS2009が開始される。当該条件を満たさない場合、調整部522は、ステップS2007を否定判定してステップS2001に戻る。
なお、ステップS2001においてどの順番で電極の電圧を調整するかにより、ピーク幅比率Rは変化し得るので、ステップS2007からステップS2001に戻る場合に調整する電極の順番を変えるようにしてもよい。これにより、様々な条件で電圧の調整を行って最適な結果を用いることができるため、より精密に質量分析計20の調整を行うことができる。また、第2加速電極321やリフレクトロン電極340はイオンInを収束させる効果が強いため、これらの電極のみの電圧を調整する等、一部の電極の電圧を調整せずに固定してもよい。これにより、より迅速に質量分析計20の調整を行うことができる。
ステップS2009からステップS2015までは、図6のフローチャートにおけるステップS1013からステップS1019までと同様であるため、説明を省略する。ステップS2015が終了したら、処理が終了される。
本変形例の分析装置において、調整部522は、質量分析計20における複数の電極のそれぞれの電圧を、順次、感度が最大になるように調整する。これにより、一度に一つの電極を調整するため、調整がしやすく、また自動化に適する。
本変形例の分析装置において、調整部522は、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2に基づいて、調整を続けるか否か、および複数の電極のうちいずれかの電極の電圧を固定するか否かを判定することができる。これにより、リーディングやテーリング等の波形の歪みが起こらないように質量分析計20の各部を調整することができ、かつ効率よくこの調整を行うことができる。
(変形例3)
上述の実施形態では、調整部522は、異なる2つの強度におけるピーク幅に基づいて質量分析計20の各部の調整を行ったが、第1の強度に対応する第1ピーク幅w1のみに基づいて質量分析計20の調整を行ってもよい。これにより、迅速に質量分析計20の各部の調整を行うことができる。
この場合でも、精度よくリーディングピークPLか否か、またはテーリングピークPTか否かを判定する観点から、ピーク幅算出部521は、ピーク強度の50%よりも小さい強度を第1の強度とすることが好ましく、ピーク強度の40%以下の強度を第1の強度とすることがより好ましく、ピーク強度の35%以下の強度を第1の強度とすることがさらに好ましい。
あまりベースラインに近いと、ピーク幅の値はノイズやバックグラウンドの影響を強く受けるため、好ましくない。従って、本変形例においても、ピーク幅算出部521は、ピーク強度の10%以上の強度を第1の強度とすることが好ましく、15%以上の強度を第1の強度とすることがより好ましく、20%以上の強度を第1の強度とすることがさらに好ましい。
(変形例4)
上述の実施形態では、ピーク幅算出部521は、マススペクトルにおけるピークの第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2を算出した。しかし、飛行時間をm/zに変換する前の、飛行時間と強度を対応させたスペクトルのピークの第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2を算出してもよい。この場合でも上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例5)
上述の実施形態において、調整部522は、さらにコリジョンセル24の電圧を調整してもよい。以下に説明するように、コリジョンセル24と第1加速電極311との電位差を調整することで、第1加速部310へのイオンInの入射速度を制御することができる。これにより、さらに感度を上昇させたり、マススぺクトルにおけるピークのピーク幅を短くすることができる。
図8(A)は、押出電極311aと引出電極311bとが平行に配置されている場合のイオンInの加速を説明するための概念図である。この場合、パルス電圧により押出電極311aと引出電極311bとの間には平行な等電位面313が形成される。分析室30に入射したイオンInは、押出電極311aと引出電極311bとの間に、等電位面313に略平行な方向から速さv1で入射する。押出電極311aおよび引出電極311bにパルス電圧が印加されると、イオンInは等電位面313に垂直な方向に向いた電場により押出電極311aおよび引出電極311bに略垂直な方向に出射される(矢印A91)。
図8(B)は、押出電極311aと引出電極311bとが平行に配置されていない場合のイオンInの加速を示す概念図である。この場合、パルス電圧により押出電極311aと引出電極311bとの間に形成される等電位面313は図8(A)の場合と比較して傾くことになる。これにより、イオンInが図8(A)の場合と同じ速さv1で第1加速部310に入射し、押出電極311aと引出電極311bにパルス電圧が印加されると、イオンInは等電位面313に垂直な方向に向いた電場により図8(A)の場合とは異なる方向に出射される(矢印A92)。
図8(C)は、押出電極311aの形状に歪みが有る場合のイオンの加速を説明するための概念図である。この場合、パルス電圧により押出電極311aと引出電極311bとの間に形成される等電位面313は図8(A)の場合と比較して歪むことになる。これにより、イオンInが図8(A)の場合と同じ速さv1で第1加速部310に入射し、押出電極311aと引出電極311bにパルス電圧が印加されると、イオンInは等電位面313に垂直な方向に向いた電場により図8(A)の場合とは異なる方向に出射される(矢印A93)。引出電極311bに歪みが有る場合も同様である。
図9は、イオンInの飛行経路を示す概念図である。図9では、異なる出射方向に沿って第1加速部310から出射された2つのイオンInの飛行経路を矢印A51と矢印A52により模式的に示した。第1加速部310を出射するイオンの出射方向が異なると、イオンInの飛行経路および、検出部360の検出面361におけるイオンInの入射位置が変化する。これにより、イオンInが設計通りの軌道に沿って飛行せず、飛行時間の測定誤差が発生してしまう。特に、検出面361が歪んでいたりすると、イオンInの検出面361における入射位置が変化したときに質量分解能の低下の原因となる。
図10は、検出部360の検出面361に歪みが有る場合のイオンの検出を示す概念図である。矢印A101およびA102は、異なる出射方向に沿って第1加速部310から出射された2つのイオンInの入射位置(および入射方向)を模式的に示している。矢印A101で示した入射位置にイオンInが入射すると、検出面361に対して略垂直にイオンInが入射することになる。一方、矢印A102で示した入射位置にイオンInが入射すると、検出面361に対して斜めの方向からイオンInが入射することになる。イオンInは進行方向に垂直な方向に広がりをもったイオン流束として入射するから、矢印A102の場合では矢印A101の場合と比較して、検出面361にイオンInが到達する時刻のばらつきが増加することになる。
図11は、コリジョンセル24と第1加速電極311に印加される電圧の制御を示す概念図である。調整部522は、上述のような飛行時間のばらつきを減少させるために、電圧印加部7を制御し(矢印A110)、コリジョンセル24の電圧および第1加速電極310の非パルス電圧の少なくとも一方を調節する。これにより、コリジョンセル24と第1加速電極310との間の電位差が変化するため、第1加速部310に入射するイオンInの速度が変化する。図11では、引出電極311bが押出電極311aに対して傾いて配置されているときに、コリジョンセル24と第1加速電極311との間の電位差が変更され、第1加速部310に入射するイオンInが、調整される前の速度v1とは異なる調整後の速度v2を有する点を模式的に示した。
なお、調整部522は、押出電極311aおよび引出電極311bのいずれかの電圧を調整してもよいし、両方の電圧を調整してもよい。
調整部522が第1加速部310に入射するイオンInの速度を変化させると、第1加速部310でイオンInが加速される際の出射方向が変化する。従って、イオンInのフライトチューブ330での飛行経路を変化させ、検出部360の検出面361におけるイオンInの入射位置を変化させることができる。これにより、イオンInが設計通りの軌道を軌道に沿って飛行するようにでき、さらに検出部360の検出面361における入射位置を調整することで質量分解能の低下を防ぐことができる。また、分析装置1の組立後の調整が可能なため、機械部品の公差をゆるめることができ、コストを抑制することができる。
本変形例の分析装置において、質量分析計20は、内部でイオンInを解離するコリジョンセル24を備え、調整部522は、コリジョンセル24の電圧、および、第1加速電極311においてパルス電圧が印加されていないときの電圧の少なくとも一方を調整する。これにより、イオンInの飛行経路を調節してより精密に飛行時間を測定することができる。
(変形例6)
分析装置1の情報処理機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された、上述したピーク幅算出部521による算出および調整部522による調整を含む測定、解析および表示の処理およびそれに関連する処理の制御に関するプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
また、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記載)等に適用する場合、上述した制御に関するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等のデータ信号を通じて提供することができる。図12はその様子を示す図である。PC950は、CD−ROM953を介してプログラムの提供を受ける。また、PC950は通信回線951との接続機能を有する。コンピュータ952は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク等の記録媒体にプログラムを格納する。通信回線951は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ952はハードディスクを使用してプログラムを読み出し、通信回線951を介してプログラムをPC950に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波により搬送して、通信回線951を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
上述した情報処理機能を実現するためのプログラムとして、飛行時間に基づいて分離されたイオンInが検出されて得られた検出信号に基づいて、飛行時間または飛行時間に対応するm/zに、検出したイオンInの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成するデータ作成処理(ステップS1005に対応)と、上記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅w1と第2の強度における第2ピーク幅w2を算出するピーク幅算出処理(ステップS1007に対応)と、第1ピーク幅w1および第2ピーク幅w2に基づいて分析装置1の調整を行う調整処理(ステップS1001、S1011に対応)とを処理装置に行わせるためのプログラムが含まれる。これにより、リーディングやテーリング等の波形の歪みが起こらないように質量分析計20の各部を調整することができ、より精密に質量分析を行うことができる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…分析装置、7…電圧印加部、10…液体クロマトグラフ、14…分析カラム、20…質量分析計、21…イオン化室、23…第1質量分離部、24…コリジョンセル、30…分析室、40…情報処理部、43…記憶部、50…制御部、51…解析部、52…装置制御部、100…測定部、310…第1加速部、320…第2加速部、330…フライトチューブ、340…リフレクトロン電極、360…検出部、521…ピーク幅算出部、522…調整部、In…イオン、PL…リーディングピーク、PN…偏りのないピーク、PT…テーリングピーク、S…試料、w1…第1ピーク幅、w2…第2ピーク幅。

Claims (14)

  1. 飛行時間に基づいてイオンを分離し、分離された前記イオンを検出する質量分析部と、
    前記飛行時間または前記飛行時間に対応するm/zに、検出した前記イオンの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成する解析部と、
    前記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅と、前記第1の強度と異なる第2の強度における第2ピーク幅を算出するピーク幅算出部と、
    前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて前記質量分析部の調整を行う調整部とを備える分析装置。
  2. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記ピーク幅算出部は、ピーク強度の50%よりも小さい所定の強度を前記第1の強度とし、前記第1ピーク幅を算出する分析装置。
  3. 請求項2に記載の分析装置において、
    前記ピーク幅算出部は、前記ピーク強度の15%以上40%以下の所定の強度を前記第1の強度とし、前記第1ピーク幅を算出する分析装置。
  4. 請求項2または3に記載の分析装置において、
    前記ピーク幅算出部は、前記ピーク強度の50%に対応する強度を前記第2の強度とし、前記第2ピーク幅を算出する分析装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記調整部は、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅のいずれか一方を他方で割って得られた比率に基づいて前記調整を行う分析装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記質量分析部は、
    前記イオンを加速させるためのパルス電圧が印加される第1加速電極、
    前記イオンが飛行する空間を画定するフライトチューブ、および、
    前記第1加速電極と前記フライトチューブとの間に配置される第2加速電極を備える分析装置。
  7. 請求項6に記載の分析装置において、
    前記調整部は、前記第1加速電極、前記フライトチューブおよび前記第2加速電極から選択される少なくとも一つの電圧を調整する分析装置。
  8. 請求項6に記載の分析装置において、
    前記質量分析部は、加速された前記イオンの進行方向を変えるための電圧が印加されるリフレクトロン電極を備え、
    前記調整部は、前記第1加速電極、前記フライトチューブ、前記第2加速電極および前記リフレクトロン電極から選択される少なくとも一つの電圧を調整する分析装置。
  9. 請求項6に記載の分析装置において、
    前記質量分析部は、内部で前記イオンを解離するコリジョンセルを備え、
    前記調整部は、前記コリジョンセルの電圧、および、前記第1加速電極においてパルス電圧が印加されていないときの電圧の少なくとも一方を調整する分析装置。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記調整部は、前記質量分析部における複数の電極のそれぞれの電圧を、順次、感度が最大になるように調整する分析装置。
  11. 請求項10に記載の分析装置において、
    前記調整部は、前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて、前記調整を続けるか否か、および前記複数の電極のうちいずれかの電極の電圧を固定するか否かを判定する分析装置。
  12. 請求項1から11までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記調整が終了したときの調整された電極の電圧を記憶する記憶部を備える分析装置。
  13. 分析装置が飛行時間に基づいてイオンを分離し、分離された前記イオンを検出することと、
    前記飛行時間または前記飛行時間に対応するm/zに、検出した前記イオンの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成することと、
    前記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅と、前記第1の強度と異なる第2の強度における第2ピーク幅を算出することと、
    前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて前記分析装置の調整を行うこととを備える分析方法。
  14. 飛行時間に基づいて分離されたイオンが検出されて得られた検出信号に基づいて、前記飛行時間または前記飛行時間に対応するm/zに、検出した前記イオンの強度が対応付けられているスペクトルに対応するデータを作成するデータ作成処理と、
    前記スペクトルにおける少なくとも一つのピークについて、第1の強度における第1ピーク幅と、前記第1の強度と異なる第2の強度における第2ピーク幅を算出するピーク幅算出処理と、
    前記第1ピーク幅および前記第2ピーク幅に基づいて分析装置の調整を行う調整処理とを処理装置に行わせるためのプログラム。
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