JP6987626B2 - 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載の弾性不織布においても、さらなる伸縮特性の向上が望まれる。
本発明は、伸長時の仕事量が小さく、伸長後の残留歪みが小さい熱可塑性エラストマー樹脂組成物、複合シート及び吸収性物品に関する。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、ブロックA及びブロックBの2種類の重合体ブロックを有するA−B−Aトリブロック共重合体と、単独重合体Cとを含む。
おむつ等の製品中に搭載されている試料を測定する場合には、前述の手段で得たサンプルを、NMR測定においてはトルエン溶媒に溶解し、IR測定においてはそのままの形態で評価することができる。
本実施形態においては、単独重合体A及び単独重合体Cを上記条件で混合した状態でガラス転移点温度(Tg)をDSC測定した場合において、得られたピーク(増加と減少が変わる場所)が1つしか存在しない状態を「相溶性が高い」とすることができる。相溶性が低い場合には、単独重合体Aと単独重合体Cのそれぞれ独立したピークが検出される傾向にある。試料は、1mgを採取し、20℃から300℃に5℃/minで昇温して測定する。試料の作成は、前述した方法において、濾過した溶媒をシャーレに移して留去することでフィルム形態でのサンプルを得ることができる。
まず、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、A−B−Aトリブロック共重合体中のブロックAと、ブロックAと相溶性の高い単独重合体Cとの2つによりハードセグメントが形成されていると考えられる。そして、ブロックAの重量平均分子量よりも大きな重量平均分子量を有する単独重合体Cが形成するより大きなハードセグメントにブロックAが入り込むような形だと推察される。これにより、ハードセグメントが強固になり、残留歪みが低減した可能性が考えられる。また、ブロックAの重量平均分子量よりも大きな重量平均分子量を有する単独重合体CがA−B−Aトリブロック中のブロックAが形成するハードセグメントの連続性を分断することで、伸長時の仕事量が低減した可能性が考えられる。重量平均分子量が小さい単独重合体では効果が出ない(逆に伸長時の仕事量が高くなる)のは、A−B−Aトリブロックのハードセグメント構造とは別に単独重合体のみでハードセグメントを形成してしまうため、単に硬い、つまり伸ばしにくい組成物となってしまうからであると考えられる。
本実施形態においては、上記本実施形態の熱可塑性エラストマー樹脂組成物を含有するフィラメント又はフィルムを基材シートと接合させることにより、本実施形態に係る複合シートとして用いることができる。すなわち、本実施形態に係る複合シートは、上記本実施形態の熱可塑性エラストマー樹脂組成物を含有するフィラメント又はフィルムと、基材シートとを含むものである。
フィラメントの延びる方向は、第1及び第2の不織布の製造時の流れ方向と一致していてもよく、あるいは不織布の製造時の流れ方向と直交していてもよい。フィラメントの延びる方向は、第1及び第2の不織布の製造時の流れ方向と一致することが好ましい。
本実施形態に係る吸収性物品は、少なくとも、本実施形態に係る複合シートを用いること以外は、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に配されて該吸収性本体を固定する外装体とを備えたパンツ型使い捨ておむつの等の、従来公知の吸収性物品の構成を有する。本実施形態に係る複合シートは、外装体の外層シートとして好適に用いられる。この場合、本実施形態の複合シートを外層シートとし、内層シートとして非伸縮性のシートを用い、両シートを張り合わせて使用することもできる。
(150%伸長サイクル試験)
実施例及び比較例で得られたサイクル試験評価サンプルを、引張試験機(株式会社島津製作所製AG−IS)を用いて150%伸長サイクル試験を行った。
具体的には、まず、得られたサイクル試験評価サンプルの厚みと幅を測定し、次に得られたサイクル試験評価サンプルを引張試験機に装着した。このときのチャック間距離は100mmとした。試験片の伸縮方向へ300mm/分の速度で150mm伸長させ(チャック間隔が計250mmとなる)、ただちに300mm/分の速度で初期長さに戻した。このときの伸長率は、以下の式によって表される。
伸長率(%)=(伸長した長さ(mm)/初期長さ(mm))×100
つまり、上記測定方法において、試験片は伸長率150%まで伸長されたこととなる。なお、サイクル試験において、伸度100%とは、初期の長さの2倍まで伸ばした状態を言う。また、150%伸長後、初期長さに戻す過程において、伸長時が50%になった時点での引っ張り力を、「戻り50%時試験力(N)」とした。
また、「戻り50%時試験力(N)」から各サンプルの断面積で割った単位面積当たりの力を「戻り50%時応力」とした。
上記150%伸長サイクル試験によって得られたデータを基に、次に示す手順で、表1に示す「戻り50%時試験力が3Nの時の行き仕事量」、「残留歪み」、「戻り50%時試験力が3Nの時の樹脂必要量」を算出した。
単独重合体Aであるポリスチレン(重量平均分子量0.5万)と、単独重合体Cのポリスチレン(重量平均分子量0.5万)とをそれぞれ20.0gずつ計量し、卓上型の混練・押出成形評価装置(ラボプラストミル:東洋精機株式会社製)を用いて、混練温度200℃、トルク30rpmで混合し、樹脂組成物を得た。混合時間は、トルクが一定となるまでとした。得られた混合試料を示差走査熱量分析(DSC)を用いた結果、ガラス転移温度(Tg)のピークは95℃で1つであることを確認した。
また、単独重合体Aであるポリスチレン(重量平均分子量0.5万)と、単独重合体Cのポリフェニレンエーテル(重量平均分子量1.3万)とを上記と同様にして、樹脂組成物を得た。得られた混合試料を示差走査熱量分析(DSC)を用いた結果、ガラス転移温度(Tg)のピークはブロードであり150℃付近で1つであることを確認した。
表1に示す組成物原料を、卓上型の混練・押出成形評価装置(ラボプラストミル:株式会社東洋精機製作所製)を用いて、混練温度200℃、トルク30rpmで混合し、樹脂組成物を得た。混合時間は、トルクが一定となるまでとした。
<A−B−A型トリブロック共重合体>
SEPS:スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(株式会社クラレ製:スチレン(A)含有量30質量%、エチレン−プロピレン(B)含有量70質量%、スチレン(A)の重量平均分子量7500、エチレン−プロピレン(B)の重量平均分子量35000、スチレン(A)のTg60℃、エチレン−プロピレン(B)のTg−50℃)
<単独重合体C>
GPPS:
重量平均分子量14万:汎用ポリスチレン(東洋スチレン株式会社製:G100C)
重量平均分子量23万:汎用ポリスチレン(DIC株式会社製:XC−315)
重量平均分子量30万:汎用ポリスチレン(DIC株式会社製:XC−515)
重量平均分子量0.5万:ポリスチレン試薬(Alfa Aesar社製:PS Atactic)
多分岐PS:多分岐ポリスチレン(DIC株式会社製:HP−100F−1)
PPE:ポリフェニレンエーテル(旭化成株式会社製:ザイロン)
Claims (6)
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物を含有するフィラメント又はフィルムと、基材シートとを含む複合シートであって、
前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、
ガラス転移温度(Tg)が25℃以上であるブロックA及びガラス転移温度(Tg)が25℃未満であるブロックBを有するA−B−Aトリブロック共重合体と、
該ブロックAの単独重合体と混合した状態でガラス転移点温度(Tg)を測定した場合において、得られるピークが1つしか存在しない単独重合体Cと、
を含み、
前記A−B−Aトリブロック共重合体と前記単独重合体Cとの合計質量に対する前記単独重合体Cの質量が50質量%未満であり、前記単独重合体Cの重量平均分子量が前記A−B−Aトリブロック共重合体中のブロックAの重量平均分子量より大きく、
前記基材シートが伸長可能な不織布であり、前記フィラメントが互いに交差せずに一方向に延びるように多数配列し、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、前記伸長可能な不織布に接合されている
複合シート。 - 前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、150%伸長後の戻り50%時応力が、0.1MPa以上である請求項1記載の複合シート。
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、前記A−B−Aトリブロック共重合体のうち、ブロックAがビニル芳香族重合体の含有量が90質量%以上のブロックであり、ブロックBがポリオレフィンの含有量が90質量%以上のブロックである請求項1又は2記載の複合シート。
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、前記A−B−Aトリブロック共重合体と前記単独重合体Cとの合計質量に対する前記単独重合体Cの質量が15質量%以上40質量%未満である請求項1乃至3いずれか記載の複合シート。
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、
前記ブロックAがポリスチレンの含有量が90質量%以上のブロックであり、
前記単独重合体Cがポリスチレンである請求項3又は4記載の複合シート。 - 請求項1乃至5いずれか記載の複合シートを用いた吸収性物品。
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