JP4033655B2 - 使い捨て着用物品用伸縮性繊維 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、使い捨ておむつ、使い捨て下着、生理用ナプキンなどの使い捨て着用物品に用いて好適な伸縮性繊維に関し、さらに詳しくは、主に使い捨て用おむつなどのずり落ち防止に用いられる、伸縮性および成形性に優れるエラストマー繊維に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
例えば、ベビー用、大人用の使い捨ておむつの腰部、足部には、ずり落ち防止のため、伸縮性のエラストマーが使用されている。その材料として、ポリウレタン系樹脂、天然ゴム系樹脂、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合系樹脂などが使用されている。
【0003】
しかしながら、ポリウレタン系樹脂は、伸縮性、応力保持性が良好であるが、高価であり、また天然ゴム系樹脂は、ホットメルト接着剤との接着性が悪いという問題がある。その上、これらはリサイクルができず、しかも、焼却にも困難を伴うという問題がある。また、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合系樹脂は、上記のリサイクルの問題、焼却時の問題は解決できるものの、応力保持性に乏しく、性能としては不十分であった。
【0004】
特開平10−139951号公報には、特定の熱可塑性エラストマーと特定の低密度ポリエチレンとを特定の割合でブレンドして得られる樹脂組成物からなる伸縮性フィルムが開示されているが、このフィルムは、使い捨ておむつなどのずり落ち防止の用途に用いるには、応力の保持性などの性能が依然として不十分であった。
【0005】
本願発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究し、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体と、エチレン・α- オレフィン共重合体との組み合わせに着目し、非常に狭い分子量分布(Mw/Mn)を持ち、密度とメルトフローレート(MFR2.16(190℃))が特定の範囲内にあるエチレン・α- オレフィン共重合体と、特定のメルトフローレート(MFR2.16(230℃))と特定の組成を持つモノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体とを特定割合で含有する組成物から、加工性を維持しつつ、優れた物性バランスを発現させることができる伸縮性繊維が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、リサイクルが可能で、かつ、焼却が容易で、使い捨ておむつなどのずり落ち防止に好適に用いられる使い捨て着用物品用伸縮性繊維(エラストマー繊維)を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、
密度(ASTM D1505,23℃)が0.880〜0.900g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D1238,荷重2.16kg、190℃)MFR2.16(190℃)が10〜100g/10分であり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3の範囲内にある、エチレンと炭素原子数3〜10のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)5〜30重量%と、
メルトフローレート(ASTM D1238,荷重2.16kg、230℃)MFR2.16(230℃)が0.01〜5g/10分であり、モノビニル芳香族炭化水素重合体ブロック含有量が18〜35重量%である、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)70〜95重量%と
を含有する組成物からなることを特徴としている。
【0008】
本発明においては、前記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(ASTM D1238,荷重2.16kg、190℃)MFR2.16(190℃)とメルトフローレート(ASTM D1238,荷重10kg、190℃)MFR10(190℃)との比率[MFR10(190℃)/MFR2.16(190℃)]が、5〜10の範囲内にあることが望ましい。
これらの使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、万能引張試験機を用いて、40℃の雰囲気下に引張速度500mm/分の条件で50%伸長させた後、変位を固定して、2時間経過した時の応力と初期応力との比(応力緩和率)が50%以上であることが好ましい。
【0009】
また、上記のような、本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、万能引張試験機を用いて、23℃の雰囲気下に引張速度300mm/分の条件で150%伸長させた後、直ちに300mm/分の速度で変位0%まで戻した時の残留変位を永久歪みと定義するとき、その永久歪みが20%以下であることが好ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維について具体的に説明する。
本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)およびモノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)を含有する組成物(熱可塑性エラストマー組成物)からなっている。
【0011】
エチレン・α - オレフィン共重合体(A)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数3〜10のα- オレフィンとからなる非晶性ないし低結晶性のランダム共重合体であり、密度(ASTM D1505)が0.880〜0.900g/cm3であって、メルトフローレート(ASTM D1238,190℃、荷重2.16kg)MFR2.16(190℃)が10〜100g/10分、好ましくは15〜80g/10分、さらに好ましくは55〜75g/10分であることが望ましい。密度が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)を用いると、得られる使い捨て着用物品用伸縮性繊維等の成形品の応力の保持性が向上するほか、伸長時に高応力を得ることができる。
【0012】
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、温度190℃、荷重10kgで測定されたメルトフローレート(ASTM D1238)MFR10(190℃)と上記MFR2.16(190℃)との比(MFR10/MFR2.16)が5〜10の範囲内にあることが望ましい。
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3の範囲内にある。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)を用いると、成形時の離形性に優れ、成型品のベトツキが少ない組成物が得られる。
【0013】
上記の分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン[和光純薬工業(株)製]および酸化防止剤としてBHT[武田薬品工業(株)製]0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。分子量が既知のエチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)を標準試料として、MwおよびMnを算出した。
【0014】
エチレンと共重合させるα- オレフィンは、炭素原子数3〜10のα- オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、4-メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらのうちでも、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0015】
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレンから導かれる構成単位を87〜95モル%の量で、炭素原子数3〜10のα- オレフィンから導かれる構成単位を5〜13モル%の量で含有していることが望ましい。
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)の組成は、通常10mmφの試料管中で約200mgのエチレン・α- オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定される。
【0016】
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これらの内でも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
【0017】
また、好ましいエチレン・α- オレフィン共重合体(A)としては、たとえばエチレンと炭素原子数3〜10のα- オレフィンとからなる低結晶性のランダム共重合体であり、密度(ASTM D1505)が好ましくは0.880〜0.900g/cm3 であり、メルトフローレート(ASTM D1238,190℃、荷重2.16kg)MFR2.16 (190℃)が10〜100g/10分、好ましくは15〜80g/10分である軟質エチレン・α- オレフィン共重合体(A)が挙げられる。本発明において、密度が上記範囲内であれば、応力緩和性に優れる繊維等の成形品が得られる。また、メルトフローレートが上記範囲内であれば、成形性に優れる組成物が得られる。
【0018】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは10〜30%である。
上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、バナジウム系触媒またはメタロセン系触媒(たとえばWO97/10295に記載されているメタロセン系触媒)などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
【0019】
モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)
本発明で用いられるモノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)は、モノビニル芳香族炭化水素重合体ブロックとオレフィン重合体ブロックとを有し、少なくとも片末端がモノビニル芳香族炭化水素重合体ブロックであるブロック構造を有する重合体である。
【0020】
モノビニル芳香族炭化水素としては、スチレンおよびα- メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
オレフィンとしては、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン、エチレン、プロピレン、1-ブテン等のα- オレフィンを例示することができる。
また、このような共役ジオレフィンを重合したオレフィン重合体ブロックは水素添加されていてもよい。
【0021】
さらに、オレフィン重合体ブロックは、オレフィン単位が優勢である限り、ブタジエン、イソプレン等とスチレン、α- メチルスチレンとの共重合体であってもよい。
モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)の具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、SISの水素添加物であるスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。
【0022】
モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)は、モノビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを18〜35重量%、好ましくは20〜30重量%含んでおり、メルトフローレート(ASTM D1238,230℃、荷重2.16kg)MFR2.16(230℃)が0.01〜5g/10分である。本発明において、モノビニル芳香族炭化水素重合体ブロック含有量が上記範囲内であれば、永久歪み特性に優れる繊維等の成形品が得られる。また、メルトフローレートが上記範囲内であれば、応力緩和性に優れる繊維等の成形品が得られる。モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)は、その両末端がモノビニル芳香族炭化水素重合体ブロックであることが好ましい。モノビニル芳香族炭化水素重合体ブロック含有量たとえばスチレン重合体ブロック含有量(スチレン含有量と略す)が上記範囲内にあるモノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)を用いると、得られる伸縮性繊維等の成形品の伸長時に高応力を得ることができる。
【0023】
上記のようなブロック共重合体(B)は、たとえばセプトン[クラレ(株)製]、タフテック[旭化成(株)製]等の商品名で製造販売されている。
使い捨て着用物品用伸縮性繊維
本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、上記のエチレン・α- オレフィン共重合体(A)とモノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)との合計量100重量%に対して、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)5〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%と、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)70〜95重量%、好ましくは75〜95重量%、さらに好ましくは80〜90重量%とを含有してなる組成物からなる。
【0024】
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)の量が上記範囲内にあると、得られる組成物の成形性が良好であり、この組成物から成形した使い捨て着用物品用伸縮性繊維等の成形品の応力の保持性が向上する。
また、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)の量が上記範囲内にあると、成形品の永久歪みが減少し、さらに臭気、風合いが改善され、伸縮性、成形性、耐熱性も保持できるほか、伸長時に高応力を得ることができる。
【0025】
使い捨て着用物品用伸縮性繊維の調製
本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、上記のエチレン・α- オレフィン共重合体(A)およびモノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)を、種々の従来公知の方法で溶融混合して得られる組成物を用いることにより調製される。
【0026】
すなわち、本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維の調製に用いられる組成物は、上記各成分を同時に、または逐次的に、たとえばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー等に装入して混合した後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練装置で溶融混練することによって得られる。
【0027】
この組成物中に、従来公知の耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、無機あるいは有機充填剤を、本発明の目的を損わない範囲で配合しておいてもよい。
上記のようにして得られた組成物を用い、いわゆる溶融紡糸法により、本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維を調製することができる。
【0028】
上記のようにして得られる、本発明に係る使い捨て着用物品用伸縮性繊維は、万能引張試験機を用いて、40℃の雰囲気下に引張速度500mm/分の条件で50%伸長させた後、変位を固定して、2時間経過した時の応力と初期応力との比(応力緩和率)が50%以上であることが好ましい。また、万能引張試験機を用いて、23℃の雰囲気下に引張速度300mm/分の条件で150%伸長させた後、直ちに300mm/分の速度で変位0%まで戻した時の残留変位を永久歪みと定義するとき、その永久歪みが好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。これらの試験にサンプルとして供する繊維の太さ(繊維径)は任意でどのような太さでもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、リサイクルが可能で、かつ、焼却が容易で、使い捨ておむつなどのずり落ち防止に好適に用いられる使い捨て着用物品用伸縮性繊維(エラストマー繊維)を提供することができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
【0031】
【実施例1】
MFR2.16(190℃)が70g/10分、密度(ASTM D1505)が0.893g/cm3、GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.9、MFR2.16(190℃)とMFR10(190℃)との比率[MFR10(190℃)/MFR2.16(190℃)]が5.7、1-ブテンから導かれる構成単位含有量が11モル%であるエチレン・1-ブテン共重合体(EBC−1)20重量部と、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素飽和物[商品名 タフテックH−1075、旭化成(株)製、スチレン含有量=20重量%、MFR2.16(230℃)=0.8g/10分;以下、SEBS−1と略す]80重量部を、ヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練押出機[日本製鋼所(株)製、型式TEX−30]を用いて240℃で溶融混練し、溶融紡糸法により、φ1.0mmの繊維を得た。
【0032】
得られた繊維について、次の方法で評価を行なった。その結果を第1表に示す。
<繊維の評価方法>
(1)永久歪み
φ1.0mmの繊維状の試験片を、23℃雰囲気下で万能引張試験機(インストロン社製)にセットして(スパン間隔=I0 *1)、150%まで伸長させた後、直ちに同一スピード*2で回復させ、引張応力がゼロになったときのスパン間隔(=I)を読み、次式により、永久歪みを算出した。
【0033】
永久歪み(%)=〔(I−I0)/I〕×100
なお、上記*1のI0は100mmであり、上記*2のスピードは300mm/分であった。
(2)応力緩和率
φ1.0mmの繊維状の試験片を、40℃雰囲気下で万能引張試験機(インストロン社製)にセットして(スパン間隔=I0 *1)、50%まで伸長*2させた後、変位を固定して2時間経過した後の応力(=N)と初期応力(=N0)測定し、次式により、応力緩和率を算出した。
【0034】
応力緩和率(%)=(N/N0)×100
なお、上記*1のI0は100mmであり、上記*2の伸長スピードは500mm/分である。
(3)緩和後応力
φ1.0mmの繊維状の試験片を、40℃雰囲気下で万能引張試験機(インストロン社製)にセットして(スパン間隔=I0 *1)、50%まで伸長*2させした後、変位を固定して2時間経過した後の応力(=N)を測定した。
【0035】
なお、上記*1のI0は100mmであり、上記*2の伸長スピードは500mm/分であった。
【0036】
【実施例2】
実施例1において、EBC−1の配合量を25重量部とし、SEBS−1の代わりに、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素飽和物[商品名 セプトンSEEPS−4033、(株)クラレ製、スチレン含有量=30重量%、MFR2.16(230℃)=0.01g/10分;以下、SEEPSと略す]を75重量部用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0037】
【実施例3】
実施例1において、EBC−1の代わりに、MFR2.16(190℃)が16g/10分、密度(ASTM D1505)が0.885g/cm3、GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.9、MFR2.16(190℃)とMFR10(190℃)との比率[MFR10/MFR2.16]が5.7、1-ブテンから導かれる構成単位含有量が12モル%であるエチレン・1-ブテン共重合体(EBC−2)を25重量部用い、SEBS−1の代わりに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素飽和物[商品名 セプトンSEPS−2007、(株)クラレ製、スチレン含有量=30重量%、MFR2.16(230℃)=2.4g/10分;以下にSEPS−1と略す]を75重量部用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0038】
【実施例4】
実施例1において、EBC−1の代わりに、実施例3で用いたEBC−2を25重量部用い、SEBS−1の配合量を75重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0039】
【比較例1】
実施例1において、SEBS−1の変わりに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素飽和物[商品名 タフテックL−515、旭化成(株)製、スチレン含有量=12重量%、MFR2.16(230℃)=3g/10分;以下、SEBS−2と略す]を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0040】
【比較例2】
実施例1において、EBC−1の代わりに、MFR2.16(190℃)が35g/10分、密度(ASTM D1505)が0.864g/cm3、GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.9、MFR2.16(190℃)とMFR10(190℃)との比率[MFR10/MFR2.16]が5.7、1-ブテンから導かれる構成単位含有量が17)モル%であるエチレン・1-ブテン共重合体(EBC−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0041】
【比較例3】
実施例2において、EBC−1およびSEEPSの配合量をそれぞれ50重量部、50重量部に変更した以外は、実施例2と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0042】
【比較例4】
実施例1において、EBC−1の代わりに、実施例3で用いたEBC−2を25重量部用い、SEBS−1の代わりに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素飽和物[商品名 セプトンSEPS−2002、(株)クラレ製、スチレン含有量=30重量%、MFR2.16(230℃)=70g/10分;以下、SEPS−2と略す]を75重量部用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0043】
【比較例5】
実施例2で用いたSEEPS単体で繊維の採取を試みたが、SEEPSは流動性に劣るため、メルトフラクチャーが発生して繊維が採取できなかった。
【0044】
【表1】
Claims (5)
- 密度(ASTM D1505,23℃)が0.880〜0.900g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D1238,荷重2.16kg、190℃)MFR2.16(190℃)が10〜100g/10分であり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3の範囲内にある、エチレンと炭素原子数3〜10のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)5〜30重量%と、
メルトフローレート(ASTM D1238,荷重2.16kg、230℃)MFR2.16(230℃)が0.01〜5g/10分であり、モノビニル芳香族炭化水素重合体ブロック含有量が18〜35重量%である、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロック共重合体(B)70〜95重量%と
を含有する組成物からなることを特徴とする使い捨て着用物品用伸縮性繊維。 - 前記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(ASTM D1238,荷重2.16kg、190℃)MFR2.16(190℃)とメルトフローレート(ASTM D1238,荷重10kg、190℃)MFR10(190℃)との比率[MFR10(190℃)/MFR2.16(190℃)]が、5〜10の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の使い捨て着用物品用伸縮性繊維。
- 前記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)が、炭素原子数3〜10のα- オレフィンから導かれる構成単位を5〜13モル%の量で含有していることを特徴とする請求項1に記載の使い捨て着用物品用伸縮性繊維。
- 万能引張試験機を用いて、40℃の雰囲気下に引張速度500mm/分の条件で50%伸長させた後、変位を固定して、2時間経過した時の応力と初期応力との比(応力緩和率)が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の使い捨て着用物品用伸縮性繊維。
- 万能引張試験機を用いて、23℃の雰囲気下に引張速度300mm/分の条件で150%伸長させた後、直ちに300mm/分の速度で変位0%まで戻した時の残留変位を永久歪みと定義するとき、その永久歪みが20%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使い捨て着用物品用伸縮性繊維。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001297559A JP4033655B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 使い捨て着用物品用伸縮性繊維 |
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