JP2022178136A - 弾性フィラメント及びこれを備えた吸収性物品用伸縮シート - Google Patents

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【課題】機械特性と加工性とを両立させ得る弾性フィラメントとこれを備えた吸収性物品用伸縮シートを提供すること。【解決手段】本発明の弾性フィラメントは吸収性物品用伸縮シートに用いられる。吸収性物品用伸縮シート1は、伸長性を有する不織布2どうしの間に、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した非伸長状態の複数の弾性フィラメント4が、融着によって該不織布に接合されている。弾性フィラメント4は、下記の(A)成分及び(B)成分を含有している。(A)芳香族ビニル-ジエン共重合体(B)エチレン-α-オレフィン共重合体弾性フィラメント4における(A)成分の含有量が70質量%以上である。(B)成分は、(A)成分よりも、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが高い。【選択図】図1

Description

本発明は、弾性フィラメント及びこれを備えた吸収性物品用伸縮シートに関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、その構成部材として、弾性フィラメントを具備する伸縮性シートや糸ゴム等の弾性体を具備している。弾性体は、熱可塑性エラストマーやゴム等を原料とするものである。所望の物性や製造時のハンドリング性を得る観点等から、弾性体の原料について種々のものが検討されている(特許文献1及び2)。
また、本出願人は、先に、ビニル芳香族重合体を主体とする重合体ブロックA1及びA2と、ポリオレフィンを主体とする重合体ブロックBとからなる、A1-B-A2型トリブロック共重合体を含んで構成される樹脂組成物からなる弾性フィラメントを開示した(特許文献3)。
さらに、本出願人は、先に、弾性体と、第1の非弾性繊維層と、第2の非弾性繊維層との積層構造を有し、該弾性体が歪みのない状態で第1の非弾性繊維と接合しており、該第1の非弾性繊維が第1の歪みを有し、第2の非弾性繊維が第1の歪みよりも小さい第2の歪みを有する、伸縮シートを開示した(特許文献4)。
特開平10-279738号公報 特開2003-026865号公報 特開2009-030182号公報 特開2017-065142号公報
前記弾性体の原料として用いられる熱可塑性エラストマーは、該弾性体の製造時に加熱環境下で加工される。熱可塑性エラストマーは、加熱によって収縮力等の機械特性が低下する傾向にある。一方、弾性体の機械特性の向上を図るために、熱可塑性エラストマーの含有量を増やすと、該弾性体の原料の加工性が低下する傾向にある。特許文献1及び2の弾性体は、吸収性物品に用いられる弾性体として好適な機械特性を得る点が不十分であった。特許文献3及び4は、弾性体の機械特性と加工性とを両立させる点からの特段の検討はなされていなかった。
したがって、本発明の課題は、機械特性と加工性とを両立させ得る弾性フィラメントとこれを備えた吸収性物品用伸縮シートを提供することに関する。
本発明は、吸収性物品用伸縮シートに用いられる弾性フィラメントに関する。
前記弾性フィラメントは、下記の(A)成分及び(B)成分を含有していることが好ましい。
(A)芳香族ビニル-ジエン共重合体
(B)エチレン-α-オレフィン共重合体
前記弾性フィラメントにおける前記(A)成分の含有量が70質量%以上であることが好ましい。
前記(B)成分は、前記(A)成分よりも、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが高いことが好ましい。
また、本発明は、前記弾性フィラメントを用いた吸収性物品用伸縮シートに関する。
前記吸収性物品用伸縮シートは、前記弾性フィラメントが、伸長性を有する不織布どうしの間に、互いに交差せずに一方向に延びるように、非伸長状態で複数配列されており、且つ融着によって該不織布に接合されていることが好ましい。
本発明によれば、機械特性と加工性とを両立させ得る弾性フィラメントとこれを備えた吸収性物品用伸縮シートを提供できる。
図1は、本発明の弾性フィラメントを備えた吸収性物品用伸縮シートの一実施形態を示す分解斜視図である。 図2は、図1に示す吸収性物品用伸縮シートの製造方法における融着工程を示す斜視図である。 図3は、図1に示す吸収性物品用伸縮シートの製造方法における伸縮性付与工程を示す斜視図である。
以下、本発明の弾性フィラメントを用いた伸縮シートをその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の好ましい一実施形態に係る吸収性物品用伸縮シート1が示されている。以下、吸収性物品用伸縮シートを、単に「伸縮シート」ともいう。
伸縮シート1は、図1に示すように、2枚の不織布2と、該2枚の不織布2どうしの間に複数の弾性フィラメント4とを備えている。伸縮シート1において、複数の弾性フィラメント4は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列されている。本実施形態において弾性フィラメント4は、伸縮シート1の全長に亘って連続しており、直線状に延びている。弾性フィラメント4は、互いに交差しなければ、蛇行しながら一方向に延びていてもよい。
本実施形態の伸縮シート1は、長手方向X及び該長手方向Xと直交する幅方向Yを有している。長手方向Xは、弾性フィラメント4の延在方向と一致している。
複数の弾性フィラメント4それぞれは、融着によって不織布2に接合されている。弾性フィラメント4と不織布2との接合は、接着剤等の他の成分を介しての接合ではなく、弾性フィラメント4を構成する樹脂、及び不織布2を構成する樹脂の少なくとも一方の溶融による接合である。弾性フィラメント4と不織布2との接合強度の観点から、弾性フィラメント4はその全長に連続した融着によって不織布2に接合されていることが好ましい。
弾性フィラメント4は、非伸長状態で不織布2に接合されている。「非伸長状態」とは、外力を取り除いたときに、これ以上縮まない状態を意味する。すなわち、意図的に弾性フィラメント4を伸長させて不織布2に接合したものは、伸縮シート1に含まれない。ただし、不織布2に接合する際、不可避的に弾性フィラメント4が僅かに伸長することは許容される。
本実施形態における不織布2は、低目付部21と、該低目付部21に比して該不織布2の形成材料が多い高目付部22とを有している。これら低目付部21と高目付部22とは、弾性フィラメント4の延在方向と直交する方向(幅方向Y)に沿って延在しているとともに、弾性フィラメント4の延在方向(長手方向X)に沿って、交互に配置されている。低目付部21及び高目付部22は、後述する伸縮性付与工程によって、不織布2に形成される。当該低目付部21及び高目付部22を具備することによって、2枚の不織布2それぞれは、弾性フィラメント4の延在方向(長手方向X)に沿って伸長可能な伸長性を有している。「伸長性を有する」とは、(イ)不織布2の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。本実施形態における2枚の不織布2は、前記(ロ)の構成を具備している。尤も不織布2が前記(イ)の構成も具備することは妨げられない。「伸長性を有する」とは、例えば以下の測定方法により測定した伸長率(長さ変化)が、30%以上であることを意味する。後述する伸縮シートの伸縮特性をより向上させる観点から、不織布2の伸長率は、100%以上300%以下であることが好ましい。
〔伸長率の測定方法〕
伸縮シート1の不織布2に、長手方向に1cmの間隔を空けて、幅方向に延びる2つの印(直線)を付ける。この不織布2から、前記の2つの印を含むように長手方向2cm×幅1cmの大きさを切り出して、これを試験片とする。試験片からは弾性フィラメントを取り除く。具体的には、不織布2が不溶で且つ弾性フィラメント4のみ可溶な有機溶媒を用いて、該弾性フィラメント4のみを溶解させた後、不織布2を自然乾燥させることによって、弾性フィラメント4を取り除く。後述するように、弾性フィラメント4が熱可塑性エラストマーの芳香族ビニル-ジエン共重合体を含み、且つ不織布2がポリプロピレンからなる伸縮シート1である場合、前記の有機溶媒としては、トルエンを用いることができる。次いで、試験片の長手方向を引張方向に一致させ、試験片における前記2つの印の箇所を引張試験機(オリエンテック株式会社製テンシロン引張り試験機 RTM100)のチャックに取り付ける。このチャック間距離は1cmとなる。次いで、引張り速度100mm/分で、試験片を荷重50gまで引っ張り、該試験片の長さを測定する。そして、次式により、伸長率を計算する。
伸長率(%)=〔引っ張った後の試験片の長さ(mm)-引っ張る前の試験片の長さ(mm)〕/引っ張る前の試験片の長さ(mm)×100
市販のおむつ等の吸収性物品に組み込まれている伸縮シート1を測定する場合には、該吸収性物品において伸縮シート1と他の構成部材との接合に用いられている接着剤を、有機溶媒によって溶かし、該伸縮シートを取り出す。斯かる有機溶媒は、弾性フィラメントを溶かさないものを用いる。適切な溶媒がない場合には、コールドスプレーにより冷却して接着力を弱化させて該伸縮シートを取り出す。取り出した伸縮シート1は、前記有機溶媒を乾燥させた上で、前記の測定方法や本明細書に記載された他の測定方法に供する。
伸縮シート1は弾性フィラメント4の延びる方向に沿って伸縮する。伸縮シート1の伸縮性は、弾性フィラメント4の弾性に起因して発現する。「弾性」とは、伸ばすことができ且つ伸ばした力から解放されたときに収縮する性質を意味する。伸縮シート1を、弾性フィラメント4の延在方向に沿って引き伸ばすと、弾性フィラメント4及び不織布2が伸長する。そして伸縮シート1の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント4が収縮し、その収縮に伴って不織布2が引き伸ばし前の状態に戻る。伸縮シート1においては、弾性フィラメント4どうしが互いに交差していないので、伸縮シート1を、弾性フィラメント4の延在方向に沿って引き伸ばしたとき、該伸縮シート1がその引き伸ばし方向と直交する方向に縮む、いわゆる幅縮みをほとんど起こさずに伸長可能である。
不織布2としては、例えば、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の不織布を用いることができる。これら不織布は、連続フィラメント又は短繊維の不織布であり得る。
不織布2の構成繊維としては、例えば、実質的に非弾性の樹脂からなる非弾性繊維を用いることができ、その場合、不織布2は、該非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層となり得る。斯かる非弾性繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。不織布2の構成繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
不織布2の構成繊維の好ましい一例として、低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる複合繊維が挙げられる。その場合には、少なくとも低融点成分の熱融着により、その構成繊維どうしが繊維交点で接合される。低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる芯鞘型の複合繊維としては、芯が高融点PET、PPで、鞘が低融点PET、PP、PEのものが好ましい。特にこれらの複合繊維を用いると、弾性フィラメント4との融着が強くなり、両者間での剥離が起こり難くなるので好ましい。
以下、本発明の弾性フィラメントについて詳述する。
伸縮シート1が具備する弾性フィラメント4は、下記の(A)成分を含有している。
(A)芳香族ビニル-ジエン共重合体
(A)成分は、芳香族ビニル化合物とジエン化合物とからなるブロック共重合体である。(A)成分において、芳香族ビニル化合物からなるブロック(以下、「芳香族ビニル化合物ブロック」ともいう。)がハードセグメントであり、ジエン化合物からなるブロック(以下、「ジエン化合物ブロック」ともいう。)がソフトセグメントである。ソフトセグメントは弾性の発現に寄与する。ハードセグメントは、室温において該ハードセグメントどうしが凝集し、架橋点として機能するハードドメイン(硬質相)を形成する。ハードドメインが、高温に曝されると、ハードドメインが溶融するので、流動性を発現する。
弾性フィラメント4の機械特性をより向上させる観点から、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2.0×10以上、より好ましくは4.0×10以上であり、また好ましくは20.0×10以下、より好ましくは10.0×10以下であり、また好ましくは2.0×10以上20.0×10以下、より好ましくは4.0×10以上10.0×10以下である。
上記と同様の観点から、(A)成分におけるジエン化合物ブロックの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2.0×10以上、より好ましくは4.0×10以上であり、また好ましくは20.0×10以下、より好ましくは10.0×10以下であり、また好ましくは2.0×10以上20.0×10以下、より好ましくは4.0×10以上10.0×10以下である。
加熱時における溶融性をより向上させて、加工性をより向上させる観点から、(A)成分における芳香族ビニル化合物ブロックの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは0.5×10以上、より好ましくは1.0×10以上であり、また好ましくは5.0×10以下、より好ましくは2.5×10以下であり、また好ましくは0.5×10以上5.0×10以下、より好ましくは1.0×10以上2.5×10以下である。
〔GPC法〕
(A)成分、(B)成分、又はこれら各成分における各ブロックについて、その重量平均分子量、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)それぞれは、溶離液蒸発型ゲル浸透クロマトグラフィー/フーリエ変換型赤外分光組み合わせ法(GPC/FT-IR法)により測定する。
前処理として、弾性フィラメントを2mg/mLとなるようTHF(テトラヒドロフラン)に溶離し、溶離液をカラムへ展開して、カラム溶出液をGe(ゲルマニウム)盤に散布する(GPC法)。このGe盤に散布された散布物を試料としてIRスペクトルを得て、特定の構造に由来する特性吸収の、吸光度からMw/Mnを測定し、異なる特性吸収間の吸光度比から構成比率を測定する(FT-IR法)。特性吸収の例としては、スチレン構造であれば3084cm-1付近、エチレン-プロピレン構造であれば、エチレンに由来する721cm-1付近、プロピレンに由来する974cm-1付近、1-ブテン構造であれば、1378cm-1付近の赤外吸収が挙げられる。GPC/FT-IR法の測定条件は、以下のとおりである。本測定方法において重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンにより換算した値である。
GPC測定装置:HLC-8420GPC(東ソー株式会社製)
FT-IR測定装置:Cary670(AgilentTechnology製)
カラム:TSKgel GMHHR-H
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.0mL/min
試料濃度:10mg/5mL-THF
注入量:100μL
GPC/FT-IRの検量線(校正曲線)の作成には、単分散標準ポリスチレン〔東ソー(株)社製、商品名「TSK標準ポリスチレン」〕を用いる。この検量線を用いて、試料における各成分の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
(A)成分における各ブロックは、核磁気共鳴(NMR)を用いて該ブロックの構造式を特定できる。また、NMRのピーク積分値から該ブロックの割合を求め、得られた割合及び全体の重量平均分子量から各ブロックの重量平均分子量を求める。
弾性フィラメント4中の成分をNMRによって分析する場合は、伸縮シート1から取り出した弾性フィラメントをトルエン溶媒に溶解させる。溶解の際、固形物が存在する場合には濾過を行い、濾過した溶媒を留去し、これを試料とする。
弾性フィラメント4の機械特性をより向上させる観点から(A)成分は、数平均分子量(Mn)が好ましくは2.0×10以上、より好ましくは4.0×10以上であり、また好ましくは20.0×10以下、より好ましくは10.0×10以下であり、また好ましくは2.0×10以上20.0×10以下、より好ましくは4.0×10以上10.0×10以下である。
弾性フィラメント4の機械特性をより向上させる観点から、(A)成分は、分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは1以上であり、また好ましくは4以下、より好ましくは2以下であり、また好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上2以下である。分子量分布(Mw/Mn)を斯かる範囲内とすると、弾性フィラメント4の伸縮性に有効である点で好ましい。
分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除することにより求められる。
加工性をより向上させる観点から、(A)成分における芳香族ビニル化合物ブロックのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上であり、また好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下であり、また好ましくは40℃以上100℃以下、より好ましくは60℃以上80℃以下である。斯かるガラス転移温度(Tg)は、(A)成分(芳香族ビニル-ジエン共重合体の状態)における芳香族ビニル化合物ブロックのガラス転移温度(Tg)である。ガラス転移温度(Tg)は、熱機械分析(TMA)、示差走査熱量測定(DSC)、示差熱分析(DTA)、動的粘弾性測定により測定できる。例えば、粘弾性測定装置(株式会社エーアンドデイ社製、レオバイブロンDDV-GPシリーズ)を用いて求めることができる。ガラス転移温度(Tg)の測定は、前記トルエン溶媒を用いて得た弾性フィラメント4の試料を測定サンプルとする。
芳香族ビニル化合物ブロックを構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルトルエン、1-ビニルナフタレン、3-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレン等が挙げられる。芳香族ビニル化合物ブロックは、これらのうち一種が単独で構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。加工性をより向上させる観点から、芳香族ビニル化合物は、スチレンであることが好ましい。
ジエン化合物ブロックを構成するジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン等が挙げられる。ジエン化合物ブロックは、これらのうち一種が単独で構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。また、ジエン化合物ブロックは、水素添加されて二重結合の一部又は全部が飽和された状態でもよい。
具体的な(A)成分としては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、SISの水素添加物であるスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。弾性フィラメント4の機械特性及び加工性をより向上させる観点から、(A)成分は、SEBS、SEPS、又はSEEPSであることが好ましく、SEPSであることがより好ましい。
弾性フィラメント4の機械特性をより確実に得る観点から、弾性フィラメント4における(A)成分の含有量は、70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、また好ましくは95質量%未満、より好ましくは90質量%以下である。
弾性フィラメント4は、下記の(B)成分を含有している。
(B)エチレン-α-オレフィン共重合体
(B)成分は、ポリエチレンとα-オレフィンとの共重合体である。(B)成分は、(A)成分におけるジエン化合物ブロックとの相溶性に優れ、弾性フィラメント4を製造するときの加工性に寄与する。
α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられる。(B)成分は、α-オレフィンとして、これらのうち一種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。加工性と機械特性を両立させる観点から、α-オレフィンは、ヘキセンであることが好ましい。
弾性フィラメント4の製造時における加工性をより両立させる観点から、(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2×10以上、より好ましくは5×10以上であり、また好ましくは25×10以下、より好ましくは10×10以下であり、また好ましくは2×10以上25×10以下、より好ましくは5×10以上10×10以下である。
上記と同様の観点から、(B)成分は、分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、また好ましくは5以下、より好ましくは4以下であり、また好ましくは1以上5以下、より好ましくは2以上4以下である。斯かる構成により、ラメラ結晶を結ぶ非晶鎖(タイ分子)の長さが長くなって、靭性がより向上する。当該靭性の向上は、弾性フィラメントのゴム弾性に寄与し得る。
(B)成分としては、α-オレフィンをコモノマーとして、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒で重合した高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。
前記の靭性をより向上させる観点から、(B)成分は、メタロセン触媒を用いて重合されたものであることが好ましい。
弾性フィラメント4の応力緩和をより抑制する観点から、(B)成分は、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)であることが好ましく、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)であることがより好ましい。
弾性フィラメント4の機械特性及び製造時の加工性をより両立させる観点から、弾性フィラメント4における(B)成分の含有量は、好ましくは5質量%超、より好ましくは10質量%以上であり、また好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下であり、また好ましくは5質量%超30質量%以下、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。
「温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート」を、以下単に「MFR」ともいう。(B)成分は(A)成分よりもMFRが高い。換言すると、弾性フィラメント4の原料として用いられる(A)成分及び(B)成分は、MFRについて下記(1)の大小関係を満たす。
(B)成分のMFR>(A)成分のMFR・・・(1)
本発明者は、大小関係(1)を満たす(A)成分及び(B)成分を混合した混合物を加熱すると、該混合物が優れた流動性を発現することを見出した。この流動性に優れた混合物を用いると、弾性フィラメント4を製造するときの加工性に優れるので、弾性フィラメント4の成形性が良好となる。また、本発明者は、大小関係(1)を満たす(A)成分及び(B)成分を含有し、且つ(A)成分を70質量%以上含有することで、弾性フィラメント4が優れた伸縮性を発現することを見出した。例えば、後述する参考例で示されるように、(A)成分及び(B)成分を含有する弾性体は、体温程度(40℃)の環境下における長時間の伸長状態にしても、該伸長による応力緩和を抑制できる。したがって、伸縮シート1は、弾性フィラメントの機械特性と加工性とを両立し得る。
(A)成分及び(B)成分の混合物の機械特性をより維持しつつ、流動性をより向上させる観点から、(B)成分は、(A)成分よりもMFRが好ましくは5.0g/10分超、より好ましくは7.5g/10分以上高く、また好ましくは80.0g/10分以下、より好ましくは50.0g/10分以下高く、また好ましくは5.0g/10分超80.0g/10分以下、より好ましくは7.5g/10分以上50.0g/10分以下高い。
MFRは、JIS K7210に従い、230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。測定に使用するダイスの孔の直径は1.050mmであり、孔の長さは4.000mmとする。
弾性フィラメント4の機械特性及び製造時の加工性をより向上させる観点から、(A)成分及び(B)成分のMFRは以下の範囲内であることが好ましい。以下の範囲は、前記大小関係(1)を満たすことを条件とする。
(A)成分のMFRは、好ましくは5.0g/10分超、より好ましくは7.5g/10分以上であり、また好ましくは80.0g/10分以下、より好ましくは50.0g/10分以下であり、また好ましくは5.0g/10分超80.0g/10分以下、より好ましくは7.5g/10分以上50.0g/10分以下である。
(B)成分のMFRは、好ましくは5.0g/10分以上、より好ましくは7.5g/10分以上であり、また好ましくは80.0g/10分以下、より好ましくは50.0g/10分以下であり、また好ましくは5.0g/10分以上80.0g/10分以下、より好ましくは7.5g/10分以上50.0g/10分以下である。
弾性フィラメント4の加工性をより確実に確保する観点から、弾性フィラメント4の構成材料のMFRは、好ましくは5.0g/10分以上、より好ましくは7.5g/10分以上であり、また好ましくは80.0g/10分以下、より好ましくは50.0g/10分以下であり、また好ましくは5.0g/10分以上80.0g/10分以下、より好ましくは7.5g/10分以上50.0g/10分以下である。
弾性フィラメント4の構成材料のMFRは、(A)成分の樹脂ペレット及び(B)成分の樹脂ペレットを合計質量が40gになるように予めドライブレンドしたものを混練機に供給し、30rpmにて180℃で5分間、溶融混練したものをサンプルとして用いる。前記混練機には、ローラーミキサーR-60を取り付けたラボプラストミル28-125型(いずれも株式会社東洋精機製作所)を用いる。または、おむつ等の吸収性物品が具備する伸縮シートから弾性フィラメント4を取り出し、40g分の該弾性フィラメント4を前記混練機に供給して、30rpmにて180℃で5分間、溶融混練したものをサンプルとして用いてもよい。
弾性フィラメント4は、(A)成分及び(B)成分の二種類のみを含有してもよく、(A)成分及び(B)成分とともにそれ以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、ポリスチレンやポリアミド等の非オレフィン系樹脂、シリコンオイルやパラフィンオイル等の油分、タルクや酸化チタン等の無機フィラー等が挙げられる。機械特性及び加工性をより確実に両立させる観点から、弾性フィラメント4が他の成分を含有する場合、弾性フィラメント4における他の成分の含有量は、好ましくは0質量%超、より好ましくは1質量%以上であり、また好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、また好ましくは0質量%超10質量%以下、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
応力緩和をより抑制して、伸長を解除した後の伸縮性をより確実に維持する観点から、弾性フィラメント4の構成材料について、以下の方法で測定されたフィルムの長さf0に対する該フィルムの長さf1の比率(f1/f0)が、好ましくは1.0以上であり、また好ましくは1.2未満、より好ましくは1.1以下であり、また好ましくは1.0以上1.2未満、より好ましくは1.0以上1.1以下である。フィルムは、弾性フィラメント4と同じ構成材料からなる。当該フィルムの製造方法は後述する。
長さf0:フィルムの初期長
長さf1:40℃環境下で、フィルムを初期長f0の200%となるまで伸長させて1時間保持した後、該伸長を解除したときの長さ
比率f1/f0は、体温程度(40℃)の環境下でフィルムを長時間伸長状態にした場合の応力緩和の指標にすることができる。比率f1/f0の値が小さいほど、フィルムの応力緩和の抑制効果が高いと評価でき、該フィルムと同じ構成材料の弾性フィラメント4も応力緩和の抑制効果が高いと評価できる。応力緩和の抑制効果が高い弾性フィラメント4を、吸収性物品が具備する伸縮シート1に用いた場合、該吸収性物品を長時間使用(長時間着用)しても、該吸収性物品における伸縮シート1が着用者の身体により良好に追従するので、良好な着用感をより維持できる。
比率f1/f0は、以下の方法により測定する。先ずフィルムに、印を油性マーカーで付け、該印から該フィルムの延在方向(長手方向)に100mm離間した位置に別の印を付ける。次いで、当該フィルムの伸縮方向を引張方向に一致させた状態で、テンシロン引張試験機(例えば株式会社 島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)のチャック間に該フィルムを取り付ける。チャックの位置は前記印と前記別の印とに合わせる。この状態のチャック間距離(100mm)を前記長さf0(初期長)とする。次いで、該フィルムを300mm/minの速度で、チャック間距離が200mmになるまで伸長させ、その伸長状態を40℃の環境下で1時間保持する。次いで、チャックから該フィルムを外し、非伸長状態で前記印と前記別の印との離間距離を測定し、これを長さf1とする。そして、比率f1/f0を算出する。斯かる測定を、10枚以上のフィルムについて行い、その平均値を比率f1/f0とする。
弾性フィラメント4と同じ構成材料からなるフィルムは、以下の方法により製造できる。
弾性フィラメント4の構成材料〔(A)成分及び(B)成分等〕を合計質量が20gとなるように秤量し、これを混練機(ローラーミキサーR-60を取り付けたラボプラストミル28-125型、いずれも株式会社東洋精機製作所)に供給して、30rpmにて180℃で5分間、溶融混練する。次いで、前記溶融混練したものを、厚みが1.0mmのスペーサーをセットしたプレス機(ラボプレスP2-30T、株式会社東洋精機製作所)に供給し、180℃、200kg/cmで5分間にわたり熱プレスする。次いで、20℃、5kg/cmで1分間にわたり冷却プレスして、厚みが1.0mmのフィルムを製造する。フィルムは、幅30mm×長さ150mmの大きさで1枚ずつ切り出す。斯かるフィルムの製造は、伸縮シートから取り出した弾性フィラメントにも適用できる。具体的には、伸縮シートから取り出した弾性フィラメント(20g)を、前記混練機を用いて再溶融させて、上記と同様の方法でフィルムを製造することもできる。
収縮性をより維持する観点から、弾性フィラメント4の構成材料について、以下の方法で測定されたフィルムの引張応力T1に対する該フィルムの引張応力T2の比率(T2/T1)が、好ましくは0.5超、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7超であり、また好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下、さらに好ましくは1.0以下であり、また好ましくは0.5超1.2以下、より好ましくは0.6以上1.1以下、さらに好ましくは0.7超1.0以下である。弾性フィラメント4と同じ構成材料からなるフィルムは、前述した方法により製造できる。
T1:フィルムを、長さが初期長の250%となるまで300mm/minの速度で伸長させた後、同速度で収縮させる伸縮試験において、該伸長過程で該フィルムの長さが初期長の150%となった時点の引張応力
T2:前記収縮過程でフィルムの長さが初期長の150%となった時点の引張応力
比率T2/T1は、フィルムの短時間の伸長に対する収縮力(応力)維持の指標にすることができる。比率T2/T1の値が高いほど、収縮力維持効果が高いと評価し得る。すなわち、前記フィルムと同じ構成材料の弾性フィラメント4も収縮力維持効果が高いと評価できる。前記フィルムの比率T2/T1が0.5超であると、収縮力維持効果が十分高いと評価できる。
比率T2/T1は、以下の方法により測定する。先ず、フィルムを、伸縮方向を引張方向に一致させた状態で、テンシロン引張試験機(例えば株式会社 島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)のチャック間に取り付ける。チャック間距離は100mmとし、該チャック間距離を初期長とする。次いで、フィルムを300mm/minの速度で、チャック間距離が250mmになるまで、すなわち初期長の250%になるまで伸長させる。この伸長過程で、フィルムの長さが初期長の150%となった時点の引張応力をT1とする。初期長の250%になるまで伸長させた後、フィルムを300mm/minの速度で収縮させる。この収縮過程でフィルムの長さが初期長の150%となった時点の引張応力をT2とする。そして、比率T2/T1を算出する。斯かる測定を、10枚以上のフィルムについて行い、その平均値を比率T2/T1とする。
上記と同様の観点から、フィルムの引張応力T1及び引張応力T2は、以下の範囲内であることが好ましい。
フィルムの引張応力T1は、好ましくは0.5MPa以上、より好ましくは1.0MPa以上であり、また好ましくは3.0MPa以下、より好ましくは1.5MPa以下であり、また好ましくは0.5MPa以上3.0MPa以下、より好ましくは1.0MPa以上1.5MPa以下である。
フィルムの引張応力T2は、好ましくは0.4MPa以上、より好ましくは0.8MPa以上であり、また好ましくは2.0MPa以下、より好ましくは1.0MPa以下であり、また好ましくは0.4MPa以上2.0MPa以下、より好ましくは0.8MPa以上1.0MPa以下である。
伸縮シート1は、弾性フィラメント4を複数具備している。良好な肌触りを発現させる観点から、幅方向Yに隣り合う弾性フィラメント4どうしの端部間距離L4(図1参照)は、好ましくは0.4mm以上、より好ましくは0.6mm以上であり、また好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。前記端部間距離L4は、すべての弾性フィラメント間で一定であってもよく、一の弾性フィラメント間と他の弾性フィラメント間とで異なっていてもよい。端部間距離L4が一定でない場合、弾性フィラメント間の端部間距離の平均値が、上述した好ましい範囲内であることが好ましく、すべての弾性フィラメント間の端部間距離が、上述した好ましい範囲内であることがより好ましい。
隣り合う弾性フィラメント4どうしの端部間距離L4は、伸縮シート1のサンプルを幅方向Yに切断した切断面をマイクロスコープにて拡大して測定する。測定は、任意の100箇所にて行い、その平均値を端部間距離の平均値とする。また、測定は、長手方向Xの位置が相異なる切断面を複数切り出し、該複数の切断面における隣り合う弾性フィラメント4どうしの端部間距離を測定する。
伸縮シート1の伸縮特性をより向上させる観点から、伸縮シート1の坪量は以下の範囲内であることが好ましい。
伸縮シート1は、その全体の坪量が、好ましくは10g/m以上、より好ましくは20g/m以上であり、また好ましくは70g/m以下、より好ましくは50g/m以下である。
伸縮シート1を構成する不織布2の坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは50g/m以下、より好ましくは30g/m以下である。
不織布2の低目付部21における坪量は、好ましくは3g/m以上、より好ましくは7g/m以上であり、また好ましくは20g/m以下、より好ましくは15g/m以下である。
不織布2の高目付部22における坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは50g/m以下、より好ましくは30g/m以下である。
良好な肌触りを発現させる観点から、伸縮シート1の厚みは、好ましくは0.50mm以上、より好ましくは0.75mm以上、さらに好ましくは1.00mm以上であり、また好ましくは4.00mm以下、より好ましくは2.00mm以下である。伸縮シート1の厚みは、測定対象のシートを0.5cN/cmの荷重にて平板間に挟み、平板間の距離を測ることで、測定される。測定は、伸縮シートの任意の3箇所について行い、これらの平均を該伸縮シートの厚みとする。
前記と同様の観点から、不織布2の厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.15mm以上であり、また好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。不織布2の厚みの測定は、次の方法で行われる。測定対象の伸縮シート1に剃刀を当て、該剃刀の上部をハンマーで叩く等して切断する。切断した伸縮シートについて、0.5cN/cmの荷重にて平板間に挟んだ状態で、該伸縮シートの断面をマイクロスコープにより50~200倍の倍率で観察する。次いで、観察視野において不織布の厚みを測定する。測定は、前記断面の任意の3箇所について行い、これらの平均を不織布の厚みとする。
不織布2は、前述したように低目付部21及び高目付部22を有することにより、長手方向Xに伸長可能である。不織布2の伸長性をより向上させる観点から、低目付部21の長手方向Xの長さL11(図1参照)は、同方向Xの高目付部22の長さL13(図1参照)に対して好ましくは50%以上、より好ましくは100%以上であり、また好ましくは300%以下、より好ましくは200%以下である。
前記と同様の観点から、低目付部21の長手方向Xの長さL11(図1参照)は、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。
前記と同様の観点から、高目付部22の長手方向Xの長さL13(図1参照)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、また好ましくは1mm以下、より好ましくは0.7mm以下である。
弾性フィラメント4は、後述するように、紡糸ノズルから吐出された溶融樹脂を紡糸線上で延伸することにより得られる。弾性フィラメント4の直径は、特に制限されない。伸縮シート1の風合いと弾性フィラメント4の生産性とのバランスの観点から、弾性フィラメント4の直径は、好ましくは40μm以上、より好ましくは80μm以上、また好ましくは200μm以下、より好ましくは180μm以下である。弾性フィラメント4の直径は、伸縮シート1のサンプルを幅方向Yに切断した切断面をマイクロスコープにて拡大して測定する。測定は、任意の20箇所の切断面にて行い、これらの測定値の平均を弾性フィラメント4の直径とする。
上述した実施形態の伸縮シート1は、使い捨ておむつ及び生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材として用いることができる。伸縮シート1は、前述した優れた機械特性を具備するので、該伸縮シート1を構成部材として有する吸収性物品は、着用者の身体に良好に追従するので、着用感に優れる。
吸収性物品は、主として尿、経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
吸収性物品としては、例えば、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置する外装体とを具備するものが挙げられる。吸収性物品は一般的にシート部材を含んで構成されている。例えば、吸収体よりも肌側に位置する液透過性のシート(サブレイヤー等を含む)や、使い捨ておむつの外面を構成するシート(外装体)、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシート等が挙げられる。
伸縮シート1は、これらシート部材として用いられてもよい。着用感をより向上させる観点から、伸縮シート1は、使い捨ておむつの外面を構成するシート(外装体)、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシートに用いることが好ましい。また、伸縮シート1を、伸縮性を付与したい部位等に用いてもよい。吸収性物品において伸縮シート1は、吸収性物品における他の構成材料(例えば吸収体)と公知の方法により接合されて、該吸収性物品に組み込まれる。
次に、本発明の伸縮シートの製造方法を、前述した図1に示す実施形態の伸縮シート1の製造方法を例に、図2及び図3を参照しながら説明する。本製造方法は、複数の紡糸ノズルから紡出された溶融又は軟化状態の複数の弾性フィラメント4を、該弾性フィラメント4の固化前に2枚の原反シート2aの間に導入し、該弾性フィラメント4を該2枚の原反シート2aに融着させる融着工程と、該融着工程で得られた複合シート1aに伸縮性を付与する伸縮性付与工程とを具備する。本製造方法において、原反シート2a、弾性フィラメント4、及び複合シート1aの搬送方向を符号X1で表す。また、当該搬送方向X1と直交する方向を符号Y1で表す。
図2には、融着工程に用いられる紡糸装置10が示されている。紡糸装置10は、溶融樹脂を紡糸ノズルから紡出して溶融又は軟化状態の弾性フィラメント4とする紡糸ヘッド11と、紡糸ヘッド11から吐出された複数の弾性フィラメント4を、原反シート2aとともに引き取る一対のロール15a,15bとを備えている。一対のロール15a,15bは典型的には表面が平滑なロールである。紡糸装置10における紡糸処理を行う部位の基本構成は、公知のメルトブロー方式において熱風の吹き出しを除いた紡糸装置と同じである。
紡糸ヘッド11及び一対のニップロール15a,15bは、制御部(図示せず)に電気的に接続されており、該制御部によって、紡糸ヘッド11の吐出速度及び一対のニップロール15a,15bによる引取り速度のそれぞれが調整できるようになされている。
一対のロール15a,15bは、原反シート2aが巻き掛けられる第1ロール15aと、該第1ロール15aと対向配置され、該原反シート2aと弾性フィラメント4とを接触させる第2ロール15bとを有している。これら両ロール15a,15bは、表面が平滑なロールである。紡糸装置10は、いわゆる溶融紡糸法によってフィラメントを紡糸する装置であり、紡糸ヘッド11の他に、弾性樹脂のチップを溶融して紡糸ヘッド11に送出する溶融押出機(図示せず)等を具備している。紡糸ヘッド11及び一対のロール15a,15bは、不図示の制御部に電気的に接続されており、制御部によって、紡糸ヘッド11による樹脂吐出速度及び一対のロール15a,15bによる引取り速度のそれぞれが調整できるようになっている。
紡糸ヘッド11は、その下端面に、複数の紡糸ノズルが穿設されている。紡糸ヘッド11は、貯留部を有しており、該貯留部が各紡糸ノズルを介して外部と連通している。紡糸ヘッド11の材質は、公知のものと同様に設定することができ、通常は金属である。
紡糸ノズルの直径は、弾性フィラメント4の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。この観点から、紡糸ノズルの直径は好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、また好ましくは2mm以下、より好ましくは0.6mm以下である。
融着工程では、溶融押出機を用いて、弾性フィラメント4の原料である(A)成分及び(B)成分を溶融混練し、溶融状態の混合物(弾性樹脂)を紡糸ヘッド11内の貯留部に供給する。顕著な熱劣化の抑制、及び連続紡糸に適した流動性をより両立させる観点から、溶融状態の混合物は、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上であり、また好ましくは300℃以下、より好ましくは270℃以下である。
溶融状態の混合物は、紡糸ヘッド11の下端面に穿設された複数の紡糸ノズルから、溶融又は軟化状態の弾性フィラメント4として吐出される。紡糸ノズルから紡出された複数の弾性フィラメント4は、互いに交差することなく弾性フィラメント4の形態を保ったまま延び、不織布2の原反シート2aどうしの間に導入される。このようにして、複数の紡糸ノズルから紡出された溶融又は軟化状態の複数の弾性フィラメント4が、2枚の原反シート2aとともに一対のロール15a,15b間に供給される。
一対のロール15a,15bは、2枚の原反シート2aとともに、固化前の弾性フィラメント4を引き取ることで、該弾性フィラメント4を搬送方向X1に延伸させる。この一対のロール15a,15b間にて、固化前の弾性フィラメント4が2枚の原反シート2aに融着する。斯かる融着は、固化前の弾性フィラメント4の溶融熱に起因するものである。この溶融熱によって原反シート2aの構成繊維が溶融し、該弾性フィラメント4と2枚の原反シート2aとが接合される。具体的には、原反シート2aにおいて弾性フィラメント4の周囲に存在する繊維のみが弾性フィラメント4と融着し、それよりも離れた位置に存在する繊維は融着しない。このように原反シート2aの構成繊維の少なくとも一部が、弾性フィラメント4へ融着する。接合強度をより向上させる観点から、弾性フィラメント4、及び原反シート2aの構成繊維の少なくとも一部の双方が融着することが好ましい。
融着工程において溶融又は軟化状態の弾性フィラメント4は、2枚の原反シート2aと接触するまでの間、延伸されて延伸方向に分子が配向する。この延伸により直径が小さくなる。弾性フィラメント4を十分に延伸させる観点及び弾性フィラメント4の糸切れを防止する観点から、紡出された弾性フィラメント4に所定温度の風(熱風、冷風)を吹き付けて、弾性フィラメント4の温度を調整してもよい。また、弾性フィラメント4の延伸は、(A)成分及び(B)成分を含む樹脂組成物(弾性樹脂)の溶融状態での延伸(溶融延伸)だけでなく、その冷却過程における軟化状態の延伸(軟化延伸)であってもよい。
繊維融着をより確実にするとともに、弾性フィラメント4の形状をより良好に保持して伸縮特性をより向上させる観点から、原反シート2aと接触させるときの弾性フィラメント4の温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、また好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下である。原反シート2aと接触させるときの弾性フィラメント4の温度は、弾性フィラメント4を構成する樹脂組成物の融点と異なる融点を有するフィルムを用いて、その接合状態を観察することにより測定される。弾性フィラメント4と前記フィルムとが融着していれば、接合温度はフィルムの融点以上であることが判る。
以上の融着工程を経ることで、弾性フィラメント4が2枚の原反シート2a間に配され且つ融着した複合シート1aが得られる。
図3には、伸縮性付与工程(弾性発現処理)の一実施態様が示されている。本実施態様において伸縮性付与工程は、複合シート1aを弾性フィラメント4の延びる方向に延伸加工する工程である。斯かる工程により、本来的に伸長性を有しない原反シート2aに、伸長性が付与される。
伸縮性付与工程は、軸方向に沿って延びる歯と歯底とが周方向に沿って交互に形成された一対の歯溝ロール17a,17bを備えた延伸装置を用いることができる。延伸装置は、一対の歯溝ロール17a,17bと、該歯溝ロール17a,17bに対して複合シート1aの搬送方向X1の上流側及び下流側それぞれに配置された一対のニップロール16a,16b,18a,18bとを備えている。一対の歯溝ロール17a,17bの上流側における一対のニップロール16a,16bと、下流側における一対のニップロール18a,18bとによる搬送速度を適宜調整することで、複合シート1aの延伸の程度を調整可能になされている。
延伸装置は、一対の歯溝ロール17a,17bの一方又は双方の枢支部を上下に変位させる公知の昇降機構(図示せず)を有し、両歯溝ロール17a,17b間の間隔が調節可能になされている。例えば、一対の歯溝ロール17a,17bを、一方の歯が他方の歯間に遊挿され、他方の歯が一方の歯間に遊挿されるように組み合わせる。その状態の両歯溝ロール17a,17b間に複合シート1aを挿入して、低目付部21及び高目付部22を形成することで伸縮性付与処理を行う。一対の歯溝ロール17a,17bは、その両方が駆動源によって駆動するようになっていてもよく(共回りロール)、一方のみが駆動源によって駆動するようになっていてもよい(連れ回りロール)。歯溝ロール17a,17bの歯形としては、一般的なインボリュート歯形、サイクロイド歯形が用いられ、特にこれらの歯幅を細くしたものが好ましい。
伸縮性付与工程では、一対の歯溝ロール17a,17b間に複合シート1aを通して、低目付部21及び高目付部22を形成することにより、該複合シート1aに伸縮性を付与する。これにより複合シート1aは、その搬送方向X1、即ち弾性フィラメント4の延在方向に沿って部分的に延伸され、伸縮シート1となる。
本工程より原反シート2a、即ち不織布2の構成繊維が塑性変形して伸長することで、該繊維が細くなるとともに、該不織布2が一層嵩高となって、肌触り及びクッション性が良好になる。斯かる特性をより向上させる観点から、伸縮性付与工程により得られる伸縮シート1の厚みは、複合シート1aの厚みに対して好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.3倍以上であり、また好ましくは4倍以下、より好ましくは3倍以下である。
以上の伸縮性付与工程については、特開2008-179128号公報の段落[0066]から[0069]に記載の弾性発現処理を適宜利用することができる。
以上、本発明をその好ましい一実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜、変更可能である。
以下、本発明を、参考例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は斯かる参考例によって何ら限定されるものではない。
本参考例は、弾性フィラメントの機械特性及び加工性の評価を主な目的とするが、評価試験の便宜上、評価対象を、弾性フィラメントではなく、該フィラメントの構成材料を用いて製造されたフィルムとする。当該フィルムと同じ構成材料からなる弾性フィラメントについても、フィルムと同様の機械特性及び加工性の評価が得られることが考えられる。
〔参考例1〕
下記表1に示す成分を用いて、(A)成分及び(B)成分からなるフィルムを製造した。(A)成分として、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS、株式会社クラレ製、商品名「SEPTON S2004」)、及び(B)成分として直鎖状低密度ポリエチレン(チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたL-LDPE、株式会社日本ポリエチレン製、商品名「ノバテック UJ480」)を用いた。フィルムは前述した方法により製造した。また、弾性フィラメント4の構成材料のMFRを、前述した方法により測定した。
前記フィルムの原料組成、各成分の諸元、及び前記フィルムにおける各成分の含有量(配合量)を下記表1に示す。下記表1において、チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたL-LDPEを「znL-LDPE」、メタロセン触媒を用いて重合されたL-LDPEを「mL-LDPE」と表す。
〔参考例2~3、比較参考例1~3〕
原料組成、各成分の諸元、及びフィルムにおける各成分の含有量(配合量)を下記表1に示すとおりとした点以外は、参考例1と同様の方法により、フィルムを製造した。
参考例2~3並びに比較参考例1では、参考例1と同じ(A)成分(商品名「SEPTON S2004」)を用いた。
参考例2では、(B)成分として、直鎖状低密度ポリエチレン(チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたL-LDPE、株式会社日本ポリエチレン製、商品名「ノバテック UJ790」)を用いた。
参考例3では、(B)成分として、直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン触媒を用いて重合されたL-LDPE、株式会社東ソー製、商品名「二ポロン-Z HL500」)を用いた。
比較参考例2では、(A)成分として、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS、株式会社クラレ製、商品名「SEPTON S2002」)を用いた。
比較参考例3では、参考例1と同じ(A)成分(商品名「SEPTON S2004」、80質量%)、及び比較参考例2と同じ(A)成分(商品名「SEPTON S2002」20質量%)を用いた。
〔機械特性試験〕
各参考例及び比較参考例において製造されたフィルムについて、前述した方法により、比率f1/f0、引張応力T1、引張応力T2、及び比率T2/T1を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2022178136000002
表1に示すように、参考例1~3のフィルムは、比較参考例1~3のフィルムに比して、比率f1/f0が小さい結果となった。この結果から、参考例1~3のフィルムは、比較参考例3よりも応力緩和の抑制効果が高く、長時間の伸長状態になっても伸縮性を良好に維持できることが示された。
参考例1~3のフィルムは何れも、比率T2/T1が0.5超であった。この結果から、参考例1~3のフィルムは、収縮力維持効果が十分高いことが示された。
また、参考例1~3では、弾性フィラメント4の構成材料のMFRが7超となった。この結果から、(A)成分とともに、該(A)成分よりもMFRが高い(B)成分を含有することが、混合物の流動性に有効であることが示された。
以上の結果より、参考例1~3のフィルムについて、機械特性と加工性とが両立されたことが示された。これらフィルムと同じ組成の弾性フィラメント4についても、機械特性と加工性とを両立させ得ることが言える。
さらに、参考例3のフィルムは、参考例1及び2のフィルムよりも、比率f1/f0が小さく、比率T2/T1が大きい結果となった。この結果から、(B)成分として、チーグラーナッタ触媒で重合したL-LDPEよりも、メタロセン触媒で重合したL-LDPEを含有した方が、応力緩和効果及び収縮力維持効果が高いことが示された。
1 伸縮シート
2 不織布
4 弾性フィラメント
1a 複合シート
2a 原反シート
10 紡糸装置
11 紡糸ヘッド
15a,15b 平滑ロール
17a,17b 歯溝ロール

Claims (10)

  1. 吸収性物品用伸縮シートに用いられる弾性フィラメントであって、
    前記弾性フィラメントが、下記の(A)成分及び(B)成分を含有しており、
    (A)芳香族ビニル-ジエン共重合体
    (B)エチレン-α-オレフィン共重合体
    前記弾性フィラメントにおける前記(A)成分の含有量が70質量%以上であり、
    前記(B)成分は、前記(A)成分よりも、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが高い、弾性フィラメント。
  2. 前記(B)成分は、前記(A)成分よりも前記メルトフローレートが5g/10分超高い、請求項1に記載の弾性フィラメント。
  3. 前記弾性フィラメントにおける前記(B)成分の含有量が5質量%超30質量%未満である、請求項1又は2に記載の弾性フィラメント。
  4. 前記(B)成分は、メタロセン触媒を用いて重合されたものである、請求項1~3の何れか1項に記載の弾性フィラメント。
  5. 前記(A)成分は、分子量分布(Mw/Mn)が4以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の弾性フィラメント。
  6. 前記弾性フィラメントの構成材料について、以下の方法で測定されたf1/f0が1.2未満である、請求項1~5の何れか1項に記載の弾性フィラメント。
    前記弾性フィラメントの構成材料を30rpmにて180℃で5分間、溶融混練する。次いで、前記溶融混練したものを、180℃、200kg/cmで5分間にわたり熱プレスした後、20℃、5kg/cmで1分間にわたり冷却プレスして、厚みが1mmのフィルムを製造する。前記フィルムを40℃環境下で、長さが初期長f0の200%となるまで伸長させて1時間保持した後、該伸長を解除した該フィルムの長さf1を測定し、f0に対するf1の比率(f1/f0)を求める。
  7. 前記弾性フィラメントの構成材料について、以下の方法で測定されたT2/T1が0.5超である、請求項1~6の何れか1項に記載の弾性フィラメント。
    前記弾性フィラメントの構成材料を30rpmにて180℃で5分間、溶融混練する。次いで、前記溶融混練したものを、180℃、200kg/cmで5分間にわたり熱プレスした後、20℃、5kg/cmで1分間にわたり冷却プレスして、厚みが1mmのフィルムを製造する。前記フィルムを、長さが初期長の250%となるまで300mm/minの速度で伸長させた後、同速度で収縮させる伸縮試験において、該フィルムの伸長過程で該フィルムの長さが初期長の150%となった時点の引張応力T1と、該フィルムの収縮過程で該フィルムの長さが初期長の150%となった時点の引張応力T2とを測定し、T1に対するT2の比率(T2/T1)を求める。
  8. 前記(B)成分が直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1~7の何れか1項に記載の弾性フィラメント。
  9. 前記(A)成分がスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体である、請求項1~8の何れか1項に記載の弾性フィラメント。
  10. 請求項1~9の何れか1項に記載の弾性フィラメントを備えた吸収性物品用伸縮シートであって、伸長性を有する不織布どうしの間に、互いに交差せずに一方向に延びるように、非伸長状態で複数配列されており、且つ融着によって該不織布に接合されている、吸収性物品用伸縮シート。
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