JP6984394B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚化粧料として有用な水中油型乳化化粧料に関する。
肌に関する悩みの一つとして、肌の乾燥が挙げられる。肌の乾燥は、乾燥小じわや肌のごわつき、肌のハリ低下などさまざまな肌トラブルを引き起こすと言われおり、これらの肌トラブルに対して、化粧水、乳液、クリームといった普段使いの基礎化粧品に加え、スペシャルケアの一つとしてパック化粧料の需要が高まっている。パック化粧料は、長時間塗布したままにしておくことで肌にスキンケア成分や水分を浸透させ、乾燥した肌に潤いを与え保湿する効果が高いことが知られている。パック化粧料の中でも、忙しい現代社会において時間短縮型の化粧料の需要も高まってきており、就寝前にクリーム状又はジェル状のパック化粧料を塗り、洗い流すことなく簡便に使用できるリーブオンタイプのパック化粧料が特に人気を博している。
リーブオンタイプのパック化粧料の中でも、パッククリームは、油分を多量に配合することができるため、油分のエモリエント効果により、肌に与えたスキンケア成分や水分を効果的に肌に閉じ込め、高い保湿効果を付与することができる。
これまでパッククリームの開発においては、塗布時の伸びが悪く塗り拡げ難かったり、クリームのべたつきを不快に感じてしまったりするという課題があった。そこで、特許文献1においては、水溶性高分子をクリームに配合することで、使用時の伸びをよくしたり肌上に高分子の皮膜を形成させてべたつきを軽減させる試みがなされている。
しかしながら、使用時のクリームの伸びやべたつきは改善されたものの、高分子由来の皮膜が肌上でつっぱり、顔面を覆われているような皮膜感につながってしまうという新たな問題があった。
これに対し、特許文献2においては、水溶性高分子に代わり、液状油であるα−オレフィンオリゴマーを配合することにより、使用時のクリームの伸びやべたつきを改善しつつ、さらに高分子由来の皮膜感をなくす提案がなされている。
しかしながら、クリームの伸びを良くした結果、パック化粧料に必要な適度な閉塞感を与える厚塗りは実現できておらず、使用者が、クリームが肌に密着している状態を長時間感じられるようなパック感を十分に感じるには至っていなかった。他方、密着感を長時間持続させるために、高融点の油分を使用し硬いクリームとして皮膜感を向上させることはできるが、伸びが低下したり閉塞感が強くなりすぎたりするという課題があった。
特開2011−26261公報 特開2010−229081号公報
本発明は、硬いクリームでありながら、伸びがよく厚塗りすることが可能で、肌への密着性が高い適度な閉塞感を長時間与え、翌朝までクリームのパック感を感じることが可能な化粧料の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リポソーム、常温で固体または半固体のエステル油およびトリグリセライドを少なくとも用いて特定の配合量で水中油型乳化させることにより、硬いクリームでありながら、伸びがよく厚塗りすることが可能で、肌への密着性が高い適度な閉塞感を長時間与え、翌朝までクリームのパック感を感じることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記(A)成分〜(D)成分を少なくとも含有する水中油型乳化化粧料である。
(A)成分:リポソームを0.01質量%〜2.5質量%
(B)成分:融点が40℃以上のエステル油を3質量%〜20質量%
(C)成分:融点が20℃以上のトリグリセライドを2質量%〜15質量%
(D)成分:下記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体を0.5質量%〜15質量%
Z−{O(PO)l(EO)m−(BO)nH}a (I)
(式中、Zは3個〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基、aは3〜9、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、lおよびmはそれぞれオキシプロピレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦l≦50、1≦m≦50であり、POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1であり、POとEOはランダム状に付加している。BOはオキシブチレン基、nはその平均付加モル数で、0.5≦n≦5である。)
本発明によれば、硬いクリームでありながら、伸びがよく厚塗りすることが可能で、肌への密着性が高い適度な閉塞感を長時間与え、翌朝までクリームのパック感を感じることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の水中油型乳化化粧料は、下記(A)成分〜(C)成分を少なくとも含有する。
(A)成分:リポソームを0.01質量%〜2.5質量%
(B)成分:融点が40℃以上のエステル油を3質量%〜20質量%
(C)成分:融点が20℃以上のトリグリセライドを2質量%〜15質量%
以下、各成分について説明する。
<(A)成分>
本発明における(A)成分は、リポソームである。リポソームとは、生体膜の主要構成成分であるリン脂質の二分子膜からなるナノサイズの閉鎖小胞体であり、その皮膚浸透機能や保湿性などが注目され、医薬品や化粧品などに使用されている。そのようなリポソームの構成基材としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レチシン、大豆レシチン等の天然或いは合成のリン酸脂質又は水素添加リン脂質;コレステロール、コレステロールのアルキルエステル等のコレステロール類;フィトステロール、フィトステロールのアルキルエステル等のフィトステロール類;グリセロ糖脂質;セチルガラクトサイド等のアシルグルコシド;ジアルキル類合成界面活性剤;N−アシル−スフィンゴシンまたはその硫酸エステル;N−アシルスフィンゴ糖脂質;N−高級アシルグルタチオンから選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。皮膚浸透性や保湿性、安定性を向上させるため、アミノ酸塩、ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸等を1種または2種以上併用してリポソームを調製してもよい。
本発明において、(A)成分であるリポソームとしては、クリームの肌への密着性を高める観点から、(i)水素添加大豆リン脂質、(ii)コレステロール、(iii)N−アシルアミノ酸塩から構成されるリポソームを用いるのが好ましい。
(i)水素添加大豆リン脂質としては、例えば、大豆由来のリン脂質に常法により水素添加したものを用いることができる。水素添加大豆リン脂質は、ホスファチジルコリン含有量が90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。かかる水素添加大豆リン脂質としては、各社より提供されている市販の製品を用いることが好ましい。
(A)成分であるリポソームの調製には、水素添加大豆リン脂質は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
(ii)コレステロールとしては、高等動物の組織等から抽出、精製したコレステロールを用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を用いることが好ましい。
(A)成分として用いられるリポソームにおいて、(ii)コレステロールの配合量は、(i)水素添加大豆リン脂質100質量部に対し、好ましくは10質量部〜50質量部、特に好ましくは15質量部〜35質量部である。
(iii)N−アシルアミノ酸塩は、アミノ酸の窒素原子にアシル基を有するN−アシルアミノ酸塩である。かかるアミノ酸としては、例えば、グリシン、サルコシン、アラニン、N−メチル−β−アラニン等の脂肪族アミノ酸;タウリン、メチルタウリン等の含硫アミノ酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。アシル基は、飽和又は不飽和脂肪酸由来のアシル基であり、脂肪酸は一種の脂肪酸のみならず、複数の脂肪酸からなる混合脂肪酸であってもよい。アシル基の炭素数は、好ましくは6〜24であり、特に好ましくは8〜22、更に好ましくは8〜20である。
(A)成分であるリポソームの調製には、N−アシルアミノ酸塩は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。なお、好ましいN−アシルアミノ酸塩として、N−ココイルサルコシンナトリウム等が例示される。
N−アシルアミノ酸塩は、自体公知の製造方法により製造して用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を用いることが好ましい。
(A)成分として用いられるリポソームにおいて、(iii)N−アシルアミノ酸塩の配合量は、(i)水素添加大豆リン脂質100質量部に対し、好ましくは0.1質量部〜5質量部、特に好ましくは0.5質量部〜2質量部である。
更に(A)成分であるリポソームとしては、クリームの肌への密着性を高め、翌朝までクリームのパック感を付与する観点から、(i)水素添加大豆リン脂質、(ii)コレステロール、(iii)N−アシルアミノ酸塩、および(iv)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体から構成されるリポソームを用いるのが特に好ましい。
(iv)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸ブチル(BMA)のモル比(MPC/BMA)が9/1〜3/7である共重合体が用いられ、好ましくは、前記モル比が8/2〜6/4である共重合体が用いられる。
(A)成分であるリポソームの調製には、上記共重合体は1種を単独で用いてもよく、また上記モル比が異なる2種以上を併用してもよい。
上記共重合体は、自体公知の方法で製造することができ、再沈殿、透析、限外ろ過等の一般的な精製方法により精製して用いることができ、市販の製品を用いることもできる。
本発明において(A)成分として用いられるリポソームは、上記(i)〜(iii)、好ましくは(i)〜(iv)を混合し、静置水和法、超音波処理法、フレンチプレス法、逆相蒸発法、界面活性剤法、エクストルージョン法、カルシウム−EDTAキレート法、凍結融解法、または真空乳化機、高圧ホモミキサー、マイクロフルイダイザー等の乳化機で処理する方法等の一般的な調製方法により調製することができる。また、調製されたリポソームは、フィルターろ過やゲルろ過などのサイジング操作により粒子径を揃えることができる。
さらに詳しくは、(A)成分として用いられるリポソームは、例えば特開2012−184182号公報の[実施例]に記載された方法により調製することができ、例えば「PRIMESOME−MB」(日油株式会社製)等の市販の製品を用いることもできる。
なお、(A)成分であるリポソームは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明において(A)成分として用いられるリポソームの平均粒径は、通常50nm〜500nmであり、好ましくは70nm〜300nmである。なお、リポソームの平均粒径は、例えばNICOMP粒度分布計(MODEL 370A、Particle Sizing Systems 社製)等を用いて、動的光散乱を測定することによって求めることができる。
本発明の水中油型乳化化粧料における(A)成分の含有量は、0.01質量%〜2.5質量%であり、好ましくは0.05質量%〜1質量%であり、特に好ましくは0.05質量%〜0.5質量%である。
(A)成分の含有量が少なすぎると、クリームの肌への密着感が低下し、十分な厚塗りや翌朝のパック効果が低下することがある。(A)成分の含有量が多すぎると、べたつきが生じることがある。
<(B)成分>
本発明において用いられる(B)成分は、融点が40℃以上のエステル油であり、例えば脂肪酸類とアルコール類との脱水縮合により得られる。エステル油の融点は45℃以上が好ましい。またエステル油の融点は、80℃以下が好ましく、65℃以下が特に好ましい。
なお、エステル油の融点は化粧品原料基準(薬事日報社、平成11年8月30日発行)に記載されている融点測定法の第2法により測定することができる。
かかるエステル油として具体的には、アラキン酸メチル、ヘンエイコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、トリコサン酸メチル、リグノセリン酸メチル、ペンタコサン酸メチル、セロチン酸メチル、モンタン酸メチル、メリシン酸メチル、ドトリアコンタン酸メチル、テトラトリアコンタン酸メチル、ヘキサトリアコンタン酸メチル、オクタトリアコンタン酸メチルなどの脂肪酸メチルエステル類;アラキン酸エチル、ヘンエイコサン酸エチル、ベヘン酸エチル、トリコサン酸エチル、リグノセリン酸エチル、ペンタコサン酸エチル、セロチン酸エチル、モンタン酸エチル、メリシン酸エチル、ドトリアコンタン酸エチル、テトラトリアコンタン酸エチル、ヘキサトリアコンタン酸エチル、オクタトリアコンタン酸エチルなどの脂肪酸エチルエステル類;ミリスチン酸テトラデシル(=ミリスチン酸ミリスチル)、パルミチン酸ドデシル、パルミチン酸テトラデシル、パルミチン酸ペンタデシル、パルミチン酸ヘキサデシル、パルミチン酸オクタデシル、パルミチン酸トリアコンチル、ステアリン酸ドデシル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸トリアコンチル、ベヘン酸ドコシル、リグノセリン酸テトラコシル、メリシン酸ミリシルなどの脂肪酸の一価アルコールエステル類;コハク酸メチル、セバシン酸メチル、シュウ酸ジメチルなどの飽和二塩基酸のモノおよびジエステル類;パルミチン酸エチレングリコール、マルガリン酸エチレングリコール、ステアリン酸エチレングリコール、ジ安息香酸エチレングリコール、ジサリチル酸エチレングリコール、ジラウリン酸エチレングリコール、ジミリスチン酸エチレングリコール、ジミリスチン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジマルガリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコールなどのエチレングリコールエステル類;パルミチン酸プロピレングリコール、マルガリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ジ安息香酸プロピレングリコール、ジサリチル酸プロピレングリコール、ジラウリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコールエステル類などが挙げられる。中でも、クリームに硬さを付与する観点から、ミリスチン酸ミリスチルが好ましく用いられる。
ミリスチン酸ミリスチルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えばSR CRODAMOL MM−SO−(JP)(クローダジャパン株式会社製)等が挙げられる。
エステル油は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明の水中油型乳化化粧料における(B)成分の含有量は、3質量%〜20質量%であり、好ましくは5質量%〜15質量%であり、特に好ましくは6質量%〜8質量%である。
(B)成分の含有量が少なすぎると、クリームの硬さが十分でなくなることがあり、(B)成分の含有量が多すぎると、クリームを均一に伸ばし難くなることがある。
<(C)成分>
本発明において用いられる(C)成分は、融点が20℃以上のトリグリセライドである。具体的には、ヤシ脂、シア脂、カカオ脂、パーム油に水素添加した水添パーム油、水添ナタネ油などを例示することができる。
トリグリセライドは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
トリグリセライドの融点は25℃以上が好ましい。またトリグリセライドの融点は、80℃以下が好ましく、65℃以下が特に好ましい。
なお、トリグリセライドの融点は化粧品原料基準(薬事日報社、平成11年8月30日発行)に記載されている融点測定法の第2法により測定することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料における(C)成分の含有量は、2質量%〜15質量%であり、好ましくは5質量%〜15質量%であり、特に好ましくは5質量%〜8質量%である。
(C)成分の含有量が少なすぎると、クリームの硬さや塗布時の厚みが十分でなくなり、密着感の低下につながることがある。(C)成分の含有量が多すぎると、塗布時の伸びが悪く、クリームを均一に伸ばし難くなることがある。
<(D)成分>
本発明の水中油型乳化化粧料は、肌への密着性や翌朝のパック感を高める観点から、(D)成分として下記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体を含有していてもよい。(D)成分は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
Z−{O(PO)l(EO)m−(BO)nH}a (I)
式(I)中のZは3個〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基である。3〜9個の水酸基を有する化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、アルキルグリコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、ショ糖、トレハロース、マルチトール又はこれらの混合物が挙げられる。また、式(I)中のaは、Zの水酸基数であって、a=3〜9である。好ましくは、Zは3〜6個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基であり、3≦a≦6を満たす。
POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、lおよびmはそれぞれPO(プロピレンオキシド)及びEO(エチレンオキシド)の平均付加モル数であり、1≦l≦50、好ましくは2≦l≦20であり、1≦m≦50、好ましくは2≦m≦20である。POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1であり、好ましくは1/4〜4/1である。POとEOはランダム状に付加しているものである。
BOはオキシブチレン基を表す。nはBO(ブチレンオキシド)の平均付加モル数であり、0.5≦n≦5、好ましくは0.8≦n≦3であり、特に好ましくは1≦n≦3である。BO(ブチレンオキシド)は、アルキレンオキシド誘導体の末端にブロック状に付加している。オキシブチレン基を与える化合物は、例えば1,2−ブチレンオキシドである。
本発明における式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体の市販品として、例えば、WILBRIDE(登録商標) S−753やWILBRIDE(登録商標) MG−2070(日油株式会社製)などを用いることができる。
なお、式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、WILBRIDE(登録商標) S−753は、Zが3個の水酸基を有するグリセリンの水酸基を除いた基、aが3、lが5、mが8、nが3であり、POとEOがランダム状に付加しており、WILBRIDE(登録商標) MG−2070は、Zが4個の水酸基を有するショ糖の水酸基を除いた基、aが4、lが2、mが7、POとEOがランダム状に付加しており、nが1である。
本発明の水中油型乳化化粧料が(D)成分を含有する場合、水中油型乳化化粧料における(D)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%〜15質量%であり、特に好ましくは1質量%〜10質量%であり、更に好ましくは1質量%〜5質量%である。
(D)成分の含有量が多すぎると、塗布時にべたつきを感じるようになり、クリームを均一に伸ばし難くなり、密着感の低下につながることがある。
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記(A)成分〜(D)成分の他に、水を含有する。水としては、例えば、精製水、イオン交換水、蒸留水、RO水、水道水、工業用水が挙げられる。
本発明の水中油型乳化化粧料における水の含有量の上限は、上記(A)成分〜(C)成分の各最低含有量の総和を100質量%から差し引いた残部であり、94.99質量%である。また、本発明の水中油型乳化化粧料が上記(A)成分〜(D)成分を含有する場合の水の含有量の上限は、上記(A)成分〜(D)成分の各最低含有量の総和を100質量%から差し引いた残部であり、94.49質量%である。本発明の水中油型乳化化粧料における水の含有量は、好ましくは90質量%以下、特に好ましくは85質量%以下である。また、本発明の水中油型乳化化粧料における水の含有量の下限は、好ましくは50質量%、特に好ましくは60質量%、更に好ましくは70質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記した成分の他、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。例えば、上記(B)成分以外のエステル油、上記(C)成分以外のトリグリセライド、エステル油及びトリグリセライドを除く炭化水素、シリコーン類、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸等の油性成分;非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤の各種界面活性剤;低級アルコール、多価アルコール、糖類、ステロール類等のアルコール類;粘土鉱物、水溶性多糖類等の増粘性高分子;紫外線吸収剤;抗炎症剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤;皮膜形成性高分子化合物、無機顔料、粉体、色素、顔料、染料、ビタミン類、アミノ酸類、収斂剤、美白剤、動植物抽出物、酸、アルカリ等の他の添加成分;水;等を例示することができる。これらの成分は、必要に応じて、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
以下、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
〔実施例、参考例及び比較例〕
下記表に示す(A)成分〜(D)成分およびその他の成分を乳化させて合計100質量%とし、実施例、参考例および比較例の各水中油型乳化化粧料を調製した。表中の各成分の含有量は、質量%にて示す。表1及び2に記載の共通成分9種の含有量を表3に示す。
表1及び2に示す原料としては、以下の原料を用いた。
なお、下記の平均粒径や融点は上記の測定方法による値である。
(※1)リポソーム(平均粒径:100〜300nm):「PRIMESOME−MB」(日油株式会社製)((i)水素添加大豆リン脂質、(ii)コレステロール、(iii)N−ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、(iv)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸ブチル(BMA)のモル比(MPC/BMA)=4/1)により構成されるリポソームを約5.6質量%含有するリポソーム分散液)
(※2)ミリスチン酸ミリスチル(融点43℃):「SUPER REFINED CRODAMOL MM−SO−(JP)」(クローダジャパン株式会社製)
(※3)パルミチン酸セチル(融点48℃):「CRODAMOL CP」(クローダジャパン株式会社製)
(※4)水添パーム油(融点52℃):「NIKKOL TRIFAT P−52」(日光ケミカルズ株式会社製)
(※5)ポリ(1,2−ブタンジオール)−4PEG/PPG−29/9メチルグルコース:「WILBRIDE(登録商標) MG−2070」(日油株式会社製)
(※6)ワセリン:「White Protopet 1S」(Sonneborn
LLC製)
(※7)パルミチン酸エチルヘキシル:「サラコスP−8」(日清オイリオ株式会社製)
(※8)オリーブ果実油:「オリーブオイルリファインド」(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)
実施例、参考例及び比較例の各水中油型乳化化粧料について、(1)クリームの硬さ、(2)クリームの伸び、(3)クリームの密着性、(4)翌朝のパック感を下記の評価基準により評価した。
(1)クリームの硬さ
20名の女性(20才代〜40才代)をパネラーとして、ジャー容器に入った各水中油型乳化化粧料の硬さについて、直径1cmの鉄球を静かにクリームの上に置き、10秒経過した後の鉄球の沈み込み具合に関して、以下の評価基準により評価させた。
<評価基準>
2点:硬い(鉄球の沈み込みの深さは、直径の1/4以下である。)
1点:やや硬い(鉄球の沈み込みの深さは、直径の1/4より大きく、1/2未満である。)
0点:やわらかい(鉄球の沈み込みの深さは、直径の1/2以上である。)
評価結果について、20名の評価点の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上
○:合計点が25点〜34点
△:合計点が15点〜24点
×:合計点が14点以下
(2)クリームの伸び
20名の女性(20才代〜40才代)をパネラーとして、各水中油型乳化化粧料を顔面に塗布させ、顔面全体になじませた際のクリームの伸びについて、下記の評価基準により評価させた。
<評価基準>
2点:クリームを塗布する際に伸びがよく、均一に塗り広げられる場合。
1点:クリームを塗布する際にあまり伸びがよくなく、均一に塗り広げられない場合。
0点:クリームを塗布する際に伸びがよくなく、均一に塗り広げられない場合。
評価結果について、20名の評価点の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上
○:合計点が25点〜34点
△:合計点が15点〜24点
×:合計点が14点以下
(3)クリームの密着性
20名の女性(20才代〜40才代)をパネラーとして、各水中油型乳化化粧料を顔面に塗布させ、顔面全体になじませた際のクリームの密着した厚塗り感があるかどうかについて、下記の評価基準により評価させた。
<評価基準>
2点:塗布したクリームの肌への密着性があり、適度な閉塞感を感じる場合。
1点:塗布したクリームの肌への密着性があり、適度な閉塞感をやや感じる場合。
0点:塗布したクリームの肌への密着性がなく、適度な閉塞感を感じない場合。
評価結果について、20名の評価点の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上
○:合計点が25点〜34点
△:合計点が15点〜24点
×:合計点が14点以下
(4)翌朝のパック感
20名の女性(20才代〜40才代)をパネラーとして、就寝前に各水中油型乳化化粧料を顔面に塗布させ、翌朝起床した際のパッククリームの効果を感じるかどうかについて、下記の評価基準により評価させた。
<評価基準>
2点:塗布したクリームが時間をかけて肌に浸透したようなパック効果を強く感じる場合。
1点:塗布したクリームが時間をかけて肌に浸透したようなパック効果をやや感じる場合。
0点:塗布したクリームが肌に浸透したようなパック効果を感じない場合。
評価結果について、20名の評価点の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上
○:合計点が25点〜34点
△:合計点が15点〜24点
×:合計点が14点以下
Figure 0006984394
Figure 0006984394
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表1に示されるように、実施例1および参考例1〜7の各水中油型乳化化粧料は、硬いクリームでありながら伸びがよく厚塗りすることが可能で、肌への密着性が高い適度な閉塞感を長時間与え、翌朝までクリームのパック感を感じると評価された。
特に、(A)成分を0.1質量%、(B)成分を7質量%および(C)成分を6質量%に加え、(D)成分を2質量%含有する実施例の水中油型乳化化粧料は、すべての評価項目において、非常に良好な評価が得られた。
一方、表2に示されるように、比較例1〜8の水中油型乳化化粧料については、以下のとおり、すべての評価項目おいて十分な有効性の認められたものは見られなかった。
(A)成分を含有していない比較例1、2の水中油型乳化化粧料は、クリームの伸びが低く、肌への密着感が低下するとともに、翌日のパック感があまり感じられないと評価された。
(B)成分を含有していない比較例3〜5の水中油型乳化化粧料は、硬さが不十分でクリームの伸びや密着感が低いと評価された。液状のエステル油であるパルミチン酸エチルヘキシルを代用した比較例5では、比較例3に比してクリームの伸びは良くなったと評価されたが、クリームの硬さや肌に密着したような適度な閉塞感、翌朝のパック感は十分に得られないと評価された。また、炭化水素固形油であるワセリンを代用した比較例4では、比較例3に比して肌に密着した適度な閉塞感を感じられると評価されたが、クリームの伸びや翌日のパック感の評価は不十分であった。
(C)成分を含有していない比較例6〜8の水中油型乳化化粧料は、クリームの硬さや伸びが不十分で、特に密着感が低いと評価された。液状のトリグリセライドであるオリーブ果実油を代用した比較例8では、比較例6に比してクリームの伸びは良くなったと評価されたが、クリームの硬さや肌に密着したような適度な閉塞感、翌朝のパック感は十分に得られないと評価された。また、炭化水素固形油であるワセリンを代用した比較例7では、比較例6に比して肌に密着した適度な閉塞感を感じられると評価されたが、クリームの伸びや翌日のパック感の評価は不十分であった。
以上、詳述したように、本発明により、硬いクリームでありながら、伸びがよく厚塗りすることが可能で、肌への密着性が高い適度な閉塞感を長時間与え、翌朝までクリームのパック感を感じることが可能な水中油型乳化化粧料を提供することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、リーブオンタイプのパック化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用され得る。

Claims (3)

  1. 下記(A)成分〜(D)成分を少なくとも含有する水中油型乳化化粧料。
    (A)成分:リポソームを0.01質量%〜2.5質量%
    (B)成分:融点が40℃以上のエステル油を3質量%〜20質量%
    (C)成分:融点が20℃以上のトリグリセライドを2質量%〜15質量%
    (D)成分:下記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体を0.5質量%〜15質量%
    Z−{O(PO)l(EO)m−(BO)nH}a (I)
    (式中、Zは3個〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基、aは3〜9、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、lおよびmはそれぞれオキシプロピレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦l≦50、1≦m≦50であり、POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1であり、POとEOはランダム状に付加している。BOはオキシブチレン基、nはその平均付加モル数で、0.5≦n≦5である。)
  2. 前記(A)成分が、(i)水素添加大豆リン脂質、(ii)コレステロール、(iii)N−アシルアミノ酸塩からなるリポソームである、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 前記(A)成分が、(i)水素添加大豆リン脂質、(ii)コレステロール、(iii)N−アシルアミノ酸塩、および(iv)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体であって、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸ブチル(BMA)のモル比(MPC/BMA)が9/1〜3/7である共重合体からなるリポソームである、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
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