JP6983506B2 - 医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ - Google Patents

医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ Download PDF

Info

Publication number
JP6983506B2
JP6983506B2 JP2016246471A JP2016246471A JP6983506B2 JP 6983506 B2 JP6983506 B2 JP 6983506B2 JP 2016246471 A JP2016246471 A JP 2016246471A JP 2016246471 A JP2016246471 A JP 2016246471A JP 6983506 B2 JP6983506 B2 JP 6983506B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medical
spout
welded
shape
bag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016246471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018099246A (ja
Inventor
弘三 石倉
健志 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Priority to JP2016246471A priority Critical patent/JP6983506B2/ja
Publication of JP2018099246A publication Critical patent/JP2018099246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6983506B2 publication Critical patent/JP6983506B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Description

本発明は、バッグ本体内の貯蔵物を吐出させる医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグに関する。
経腸栄養剤等の栄養剤は、例えば袋状の医療用バッグに注入されて患者に投与される。医療用バッグは、例えば以下のように構成される。即ち、2つのシート部材を重ね合わせ、更に2つのシート部材の周縁を略全周にわたって溶着することによって医療用バッグが形成される。また、医療用バッグには、医療用バッグ内の栄養剤を吐出させるべく医療用スパウトが設けられている。医療用スパウトは、2つのシート部材の間に挿入されてそれらに溶着されている。このようなスパウトに関して、例えば特許文献1のようなスパウトが知られている。特許文献1のスパウトは、ヒートシール部を有しており、それを袋体に形成される開口部に挿入してそこにヒートシールされている。
特開2013−60213号公報
特許文献1のスパウトでは、例えば熱溶着機を用いて溶着が行われる。熱溶着機では、袋体の開口部に挿入したヒートシール部を袋体と共に熱溶着機のプレス部によって挟み、更に熱を加えることによってヒートシール部が袋体に溶着される。プレス部のプレス面は、基本的にヒートシール部の表面形状に合わせて形成されるが、製造コスト等の観点から高い加工精度が要求されない形状が好ましい。しかし、特許文献1のスパウトのようにヒートシール部の外側面が平坦に形成されている場合、プレス面の加工精度が低いと、ヒートシール部とプレス面との間に局所的に隙間が生じることがあり、それに伴って所望の接着強度が得られなくなることがある。そこで、プレス面の加工精度が低くても十分な接着強度を得られるようにすべく、ヒートシール部の外側面に凹凸を形成することを考えた。この場合、主に凸状の部分にプレス部を押し当ててそこを溶融させることによって、凸状の部分をプレス面の形状に合わせて変形させることができる。これにより、プレス面と凸状の部分との間に隙間が発生することを抑え、所望の接着強度を得ることができるようにした。他方、ヒートシール部の外側面に凹凸を形成すると、溶融する合成樹脂の流動性が増し、溶融する合成樹脂が種々の方向にも流れ、種々の個所にて樹脂だまりが発生する。
そこで本発明は、溶着部に凹凸を形成することによっても樹脂だまりの発生を抑制することができる医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグを提供することを目的としている。
本発明の医療用スパウトは、2枚のフィルム状部材を貼り合せて袋状に構成されて流動性を有する貯蔵物を注入可能な医療用バッグ本体に溶着され、前記医療用バッグ本体内の貯蔵物を吐出させる医療用スパウトであって、所定方向に貫通する連通路が形成され、前記2枚のフィルム状部材の間に挿入されて外側面を前記2枚のフィルム状部材に溶着可能に構成される溶着部と、前記溶着部の所定方向一端から所定方向一方に突出し、前記連通路に繋がる内孔を有する筒状の吐出部とを有し、前記外側面には、凹凸が形成され、前記溶着部の所定方向他端部の外周縁には、周方向全周にわたって延在する切欠きが形成されているものである。
本発明に従えば、溶着部には、その所定方向他端部の外周縁に切欠きが形成されているので、その切欠きによって合成樹脂を捕捉して溶着部の所定方向他端より所定方向他方側に合成樹脂が流れ出ることを抑制することができる。これにより、溶着部の所定方向他端にて合成樹脂が所定方向他方に流れ出て樹脂だまりが形成されることを抑制することができる。
本発明によれば、溶着部に凹凸を形成することによっても樹脂だまりの発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る医療用バッグ、及びその使用時の姿勢を示す正面図である。 図1の医療用バッグに備わるスパウトを示す斜視図である。 図2のスパウトを正面から見た正面図である。 図2の医療用スパウトを紙面に平行な仮想平面にて切断して見た断面図である。 図3のスパウトを切断線V−Vで切断してみた断面図である。
以下、本発明に係る実施形態の医療用バッグ1、及びそこに備わるスパウト2について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する医療用バッグ1及び医療用スパウト2は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
[医療用バッグ]
<バッグ本体>
図1に示す医療用バッグ1は、流動性を有する貯蔵物(例えば、ジェル又は液体状の栄養剤であり、またそれらに小さな固形物や粒状物が添加されたものであってもよい。また、栄養剤に限定されず、点滴液及び薬液等の液体であってもよい)を注入可能に構成され、栄養剤を患者に投与する際に用いられる。医療用バッグ1は、例えば経腸栄養剤を入れるバッグとして用いられる。更に詳細に説明すると、医療用バッグ1は、バッグ本体11とスパウト2とを備えている。バッグ本体11は、袋状に構成されており、その中に栄養剤を注入可能に構成されている。即ち、バッグ本体11は、表面及び裏面を夫々構成する2つのシート状部材12,13を有している。2つのシート状部材12,13は、合成樹脂から成るシートであり、大略矩形状であって略同一形状にて形成されている。2つのシート状部材12,13を構成する合成樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)ポリエステル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリブタジエン、ナイロン、及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等といった柔軟性の高い材料が使用される。また、シートの酸素、水蒸気透過性を制御したりシートの強度を最適化したりするためにシート状部材12,13を2層以上のもので形成してもよく、各層の材料は、同一又は異なる材料を使用してもよい。
このように構成されている2つのシート状部材12,13は、互いの周縁部を合わせるようにして重ね合わせられ、2つのシート状部材12,13の周縁部が3辺において互いに溶着されている(図1のドット柄の部分であり接着部分12a,13a参照)。また、残りの1辺に関しては溶着されずに、そこに開口14が形成されている。このようにバッグ本体11は、開口14を有する袋状に形成されている。また、バッグ本体11の開口には、図示しないジッパー15が設けられており、ジッパー15によってバッグ本体11の開口14を塞いでバッグ本体11内を密閉できるようになっている。
このように構成されているバッグ本体11の周縁部には、開口14に隣接する2辺のうち一方の辺であって、前述する残りの1辺側の部分にフック等に掛けるための吊下げ孔11aが形成されている。また、バッグ本体11の周縁部には、開口14に隣接する2辺のうち他方の辺であってその開口の反対側に隅角部11bがある。この隅角部11bの端縁11cは、隅角部11bを形成する2辺に対して斜め(例えば、約45度の角度)にカットされている、即ち角面取りされている。また、隅角部11bには、挿通孔11dが形成されており、挿通孔11dは、この端縁11cに対して直交する方向に延在している。即ち、挿通孔11dは、バッグ本体11の接着部分12a,13aを貫通するように形成され、バッグ本体11の内外を繋いでいる。また、挿通孔11dには、スパウト2が挿通されており、スパウト2は、その状態にてバッグ本体11に溶着されている。
<スパウト>
医療用スパウトであるスパウト2は、バッグ本体11内に注入される栄養剤を吐出するためのものでる。また、スパウト2は、医療用チューブ3に接続可能に構成されており、接続された医療用チューブ3を介して栄養剤を患者に投与できるようになっている。更に詳細に説明すると、スパウト2は、合成樹脂から成り、射出成形等の方法によって形成されている。スパウト2を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)ポリエステル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリブタジエン、ナイロン、及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等といったシート状部材12,13と類似組成の材料が用いられる。このような材料を用いることによって、スパウト2とシート13,14とを溶融させやすく、接着強度を向上させることができる。
このように形成されているスパウト2は、図2及び図3に示すよう溶着部21と吐出部分22とを有しており、また溶着部21は、本体部分23と一対の延在部分24,24とを有している。本体部分23は、薄肉の大略筒状に形成されており、予め定められる軸線L1に沿って延在している。また、本体部分23の外周面及び内周面は、共に軸線L1に垂直な仮想平面で切断して見た断面が大略菱形(即ち、舟形ともいう)に形成されており、本体部分23の内孔である連通路25の形状が本体部分23の外形(外周面の輪郭)と大略同一形状(面積を除く)に形成されている。それ故、本体部分23が薄肉に形成されている。また、本体部分23の外周面には、凹凸が形成されており、凹凸を形成すべく本実施形態では、本体部分23の外周面に複数の凹溝(本実施形態では、4つの凹溝)23aが形成されている。
各凹溝23aは、本体部分23の外周面をそれに直交する方向に凹ますように形成される溝であり(図4も参照)、本体部分23の外周面に沿ってその周方向全周にわたって真直ぐに延在している。即ち、各凹溝23aは、図3に示すように正面視で軸線L1に直交する方向(後述する幅方向)に延びている。これら4つの凹溝23aは、それらの溝幅w1が略同一となるように形成され、軸線方向に互いに等間隔を空けて配置されている。また、4つの凹溝23aのうち最も軸線方向一方側に位置する凹溝23aが本体部分23の軸線方向一端及びその付近に形成され、最も軸線方向他方側に位置する凹溝23aが本体部分23の軸線方向他端から軸線方向一方に離して配置されている。それ故、本体部分23の外周面には、隣接する2つの凹溝23aの間、及び最も軸線方向他方側に位置する凹溝23aの軸線方向他方側に凸条部23bが夫々形成されている。このように形成されている4つの凸条部23bもまた、本体部分23の外周面において等間隔をあけて配置されている。
各凸条部23bは、本体部分23の外周面に沿って且つ周方向全周にわたって真直ぐに延在している。即ち、各凸条部23bもまた、各凹溝23aと同様に正面視で軸線L1に直交する方向(後述する幅方向)に延びている。4つの凸条部23bは、4つの凹溝23aが等間隔に配置されているので、同じ幅w2にて形成されており、凸条部23bの幅w2は、凹溝23aの溝幅w1より広くなっている。また、4つの凸条部23bのうち最も軸線方向他方側に位置する凸条部23bの軸線方向他方側、即ち本体部分23の軸線方向他端部には、切欠き23cが形成されている。
切欠き23cは、本体部分23の軸線方向他端部の外周縁を切欠いて形成されており、本体部分23の軸線方向他端部の外周縁において周方向全周にわたって延在している。このように形成される切欠き23cの幅(即ち、軸線方向の長さ)w3は、凹溝23aの溝幅より狭くなっている。例えば、切欠き23cの空間体積Vcと凹溝23aの空間体積Vaとの関係は、1.5×Vc≦Va≦3.0×Vcであることが好ましく、2.0×Vc≦Va≦2.8×Vcであることがより好ましい。このように構成することで、プレス部の押付等によって凸条部23bが溶融し、溶融した凸条部23bが凹溝23aと切欠き23cに流れ込み、バリを生じにくくすることができる。なお、切欠き23cは、凹溝23aと略同じ深さdにて本体部分23の外周面に形成されている(図4参照)。このように本体部分23の外周面には、所定方向に並ぶ凹凸が形成されている。また、本体部分23には、一対の延在部分24,24が一体的に形成されている。
一対の延在部分24,24は、本体部分23の外周面に夫々形成されており、各々は本体部分23の外周面において周方向反対側に位置している。より詳細に説明すると、本体部分23の外周面の断面は、前述の通り大略菱形に形成されており、互いに隣接しない2つの角部同士を対角線d1,d2で結ぶことができる。延在部分24,24は、これら2つの対角線d1,d2のうち長い方の対角線である長対角線d1を規定する2つの角部23d,23dに一体的に形成されている。また、一対の延在部分24,24は、各々の角部23d,23dから長対角線d1が延びる方向、即ち幅方向に突出しており、短い方の対角線である短対角線d2の延びる方向、即ち奥行方向において本体部分23より薄く形成されている。また、一対の延在部分24,24は、軸線方向一方側において後述するフランジ26まで夫々延在し、軸線方向他方側において本体部分23の軸線方向他端まで夫々延在している。更に、一対の延在部分24,24の軸線方向他方側の端面24a,24aは、角面取りされ、平坦に形成されている本体部分23の軸線方向他端に対して斜めに傾斜している。なお、端面24aの形状は特に限定されたものではなく、本実施例のように斜めに切り欠いた形状、円弧状、延在部分を残して角面取りされているような形状でもよい。
このように構成される溶着部21は、バッグ本体11の隅角部11bに形成される挿通孔11dに挿入してバッグ本体11に溶着される。溶着部21の軸線方向の長さは、挿通孔11dの長さ(即ち、挿通孔11dが隅角部11bを貫通する方向の長さ)と略同じに形成されている。それ故、溶着部21は、挿通孔11dに入れた際に適宜位置決めすると、溶着部21の軸線方向両端をバッグ本体11の外周縁及び内周縁(即ち、内周面)と面一にすることができる。このような位置決めを行うべく、本体部分23の軸線方向一端にはフランジ26が形成されている。
フランジ26は、大略板状に形成され、軸線L1に直交するように本体部分23の軸線方向一端に形成されている。フランジ26の外形は、本体部分23と同様に幅方向に長尺に形成されており、軸線方向一方側から見て八角形に形成されている。更に詳細に説明すると、フランジ26は、幅方向及び奥行方向の長さが溶着部21のそれらの長さと同じである大略矩形状の板に関して四隅を斜めにカットして形成される八角形となっている。このような形状を有するフランジ26の外形は、挿通孔11dより大きくなっており、溶着部21を挿通孔11dに挿通するとやがて隅角部11bの端縁11cに当接するようになっている。当接することによってスパウト2がそれより深く挿通孔11dに入ることが規制され、溶着部21が挿通孔11d内に位置決めされる。これにより、溶着部21の所定方向両端がバッグ本体11の外周縁及び内周縁と夫々面一となる。このような機能を有するフランジ26には、吐出部分22が一体的に形成されている。
吐出部分22は、大略円筒状に形成されており、フランジ26から軸線方向一方に突出している。また、吐出部分22は、軸線L1に沿って延在しており、その外周面の中間部に凹所22aが形成されている。凹所22aは、吐出部分22の外周面において周方向全周にわたって形成されている。また、吐出部分22の外周面は、凹所22aより先端側(即ち、軸線方向一端側)がテーパ状に形成されており、先端に向かって先細りになっている。このように形成される吐出部分22は、その先端を医療用チューブ3に挿入し、医療用チューブ3を外装させて医療用チューブ3に繋げるようになっている(図1参照)。このように形成されている吐出部分22は、前述の通り大略円筒状に形成されており、図4及び5に示すようにその内孔22bを有している。
内孔22bは、軸線L1に沿って形成されており、吐出部分22の先端にて開口し、基端側が本体部分23の連通路25に繋がっている。このように形成されている内孔22bは、連通路25と共に吐出通路27を構成している。即ち、吐出通路27は、スパウト2の軸線方向一端(即ち、吐出部分22の先端)から軸線方向他端(即ち、溶着部21の軸線方向他端)までスパウト2を貫通するように軸線L1に沿って延在しており、そこに栄養剤を流してバッグ本体11から医療用チューブ3に送り出す(即ち、吐出させる)ことができるようになっている。また、吐出通路27では、溶着部21の連通路25と吐出部分22の内孔22bとで各々の形状が異なっており、大略断面菱形の連通路25の外形に対して大略断面円形の内孔22bの外形が小さくなっている。それ故、連通路25は、内孔22bに繋がる接続部分25aがテーパ状に形成されており、接続部分25aは、内孔22bに向かって先細りに形成されている。これにより、栄養剤が接続部分25aに留まることを抑制することができるようになっている。
<スパウトの取付け>
以下では、図1等を参照しながらスパウト2をバッグ本体11の隅角部11bに取り付ける際の取り付け方について説明する。バッグ本体11は、その周縁部の3辺であって隅角部11bを除いた部分を溶着して袋状にされており、隅角部11bに挿通孔11dが形成されている。この挿通孔11dには、スパウト2の溶着部21が挿通され、溶着部21を挿入していくとやがて隅角部11bの端縁11cにフランジ26が当接する。これにより、スパウト2が位置決めされ、溶着部21が軸線方向両端がバッグ本体11の外周縁及び内周縁と面一となる。このように面一にすることで、スパウト2の軸線方向他端部がバッグ本体11の内周面に対して突出したり凹んだりすることを防ぐことができる。なお、突出したり凹んだりすると、その部分に栄養剤が溜まって残液として残る。本実施形態の医療用バッグ1では、前述のように面一になっているので、残液の発生を抑制することができる。このようにしてスパウト2を挿通孔11dに配置すると、次にバッグ本体11とスパウト2とが互いに溶着される。
即ち、バッグ本体11の隅角部11b及びスパウト2の溶着部21は、超音波方式、ホットエアー方式、及びヒートシール方式等の種々の方法によって溶着される。なお、本実施形態では、熱溶着機を用いてヒートシール方式で隅角部11bに溶着部21が溶着される。即ち、熱溶着機のプレス部を隅角部11bの挿通孔11dに挿通された溶着部21に押し当てる。この際、プレス部は、奥行方向一方側及び他方側の両側から隅角部11bを介して押当てられ、溶着部21を包むように挟み込む。また、プレス部の表面であるプレス面は、基本的に溶着部21の外周面の形状に対応させて形成され、プレス部の表面には熱が加えられるようになっている。それ故、押し当てることで、隅角部11b及び溶着部21が溶融し接着される。
このようにして溶着される溶着部21の外表面は、前述の通り凹凸に形成されているが、従来のスパウトでは、溶着部21に対応する部分の外表面が平坦に形成されている。それ故、従来のスパウトでは、プレス面の加工精度及びスパウト2の製造精度等が低いと、プレス面と溶着部21に対応する部分に押し当ててもプレス面と溶着部21に対応する部分との間に隙間が生じ、溶着できていない箇所が発生する。これにより所望の接着強度が得られないことがある。これに対して、溶着部21の外表面には、前述の通り凹凸(即ち、複数の凹溝23a及び複数の凸条部23b)が形成されている。外表面を凸凹にすることによって、凸状部分にプレス面に押し付けて溶融させた合成樹脂を凹状の部分に流すことができ、溶着時において凸状の部分をプレス面に合せて成形することができる。それ故、凸状の部分、即ち凸条部23bをまんべんなく隅角部11bに溶着させることができる。即ち、プレス面の加工精度が低く押付開始時にプレス面と溶着部21の凸条部23bとの間に隙間が生じていても、やがて凸条部23bが溶融して溶着部21の凸条部23bと隅角部11bとを密着させることができる。これにより、スパウト2をバッグ本体11に所望の接着強度で溶着することができる。
他方、溶着部21の外周面に凹凸を形成することによって溶融した合成樹脂が種々の方向に流れ、溶融した合成樹脂がバッグ本体11内に流れ出て固まることによって樹脂だまりとなる。特に、溶着部21では、本体部分23の軸線方向他端付近に凸条部23bを形成しており、溶着部21を軸線方向他端付近まで溶着させるようになっているので、溶融した合成樹脂がバッグ本体11内に流れ出やすくなっている。それ故、本実施形態の溶着部21には、本体部分23の軸線方向他端の外周縁部において周方向全周にわたって延在する切欠き23cが形成されている。これにより、本体部分23の軸線方向他端付近に流れてくる溶融した合成樹脂を切欠き23cにて捕捉することができ、また捕捉した合成樹脂を切欠き23cに沿って流すことができる。これにより、合成樹脂が本体部分23の軸線方向他端からバッグ本体11内の方に流れ出ることを抑制することができ、本体部分23の軸線方向他端に樹脂だまりが形成されることを抑制することができる。
なお、切欠き23cの深さd及び幅w3は、最も軸線方向他方側に位置する凸条部23bから溶融する合成樹脂の量に応じて決められる。最も軸線方向他方側に位置する凸条部23bから溶融する樹脂の量は、主にプレス部の押付量、及びプレス部の押付時間等から推定することができ、それらに基づいて切欠き23cの深さd及び幅w3が決められる。切欠き23cの幅w3は、プレス部の押付量、又はプレス部の押付時間等を考慮して、例えばw2部分の樹脂体積(即ち、凸条部23bの体積)をVb、w3部分の空間体積をVcとした場合に、0.1×Vb≦Vc≦0.4×Vbという関係であることが好ましく、0.15×Vb≦Vc≦0.35×Vbであることがより好ましい。空間体積Vcが樹脂体積Vbより小さいと樹脂が溢れてバリが生じやすく、空間体積Vcが樹脂体積Vbに対して大きすぎると、w3部分の空間が樹脂で埋まらずに滞留の原因となりやすい。このように、樹脂体積Vbと空間体積Vcとの関係性を前述のようにすることで溶融した合成樹脂が切欠き23cから流れ出ることを抑制することができる。
このようにスパウト2は、バッグ本体11の隅角部11bの挿通孔11dに溶着部21を挿入し、隅角部11bの上から溶着部21を挟むようにその奥行方向両面にプレス部を押し当てて加熱することによってバッグ本体11に溶着される。これにより、バッグ本体11にスパウト2が取り付けられる。また、スパウト2が取り付けられることによって隅角部11bの挿通孔11dも塞がれ、バッグ本体11の開口から栄養剤を注入してバッグ本体11内に栄養剤を溜めておくことができるようになる。また、バッグ本体11は、吊下げ孔11aにフック等を掛けて吊るすことによって、隅角部11bが残余の部分より下方に位置するようになる(図1の二点下線の医療用バッグ1参照)。これにより、スパウト2からバッグ本体11内の栄養剤を医療用チューブ3に吐出させることができ、更に医療用チューブ3を介して栄養剤を患者に投与することができる。
このように構成されている医療用バッグ1では、スパウト2の溶着部21において凸条部23bの幅w2が凹溝23aの溝幅w1より広くなっている。これにより、溶着部21と隅角部11bとが溶着される部分を広くとることができ、溶着部21の外表面に凹凸を形成しても接着強度を維持することができる。なお、凹溝23aの溝幅w1は、切欠き23cの幅と同様に、凹溝23aに隣接する凸条部23bから溶融する樹脂の量に応じて決められることが好ましい。即ち、凹溝23aの体積と凸条部23bから溶融する樹脂の量とが略一致するように、凹溝23aの幅を決定することが好ましい。
また、スパウト2では、溶着部21の本体部分23の外形と連通路25の流路断面の形状が略同一に形成され、本体部分23が薄肉に形成されている。それ故、バッグ本体11内の栄養剤をスパウト2から吐出させる際に本体部分23の軸線方向一端に栄養剤が堰止られてバッグ本体11内に残る残液の量を、薄肉に形成されていない従来のスパウトのものより抑制することができる。これにより、バッグ本体11内に残液として残る栄養剤の量を従来のスパウトより抑えることができる。
また、このように溶着部21を薄肉に形成する場合、連通路25と吐出部分22の内孔22bとが異なる形状で形成され、それらの接続部分に段差が形成されることになる。他方、本実施形態のスパウト2では、連通路25において吐出部分22の内孔22bの接続部分がテーパ状に形成されているので、吐出通路27において段差が形成されることがなく、吐出通路27に栄養剤を円滑に流すことができる。これにより、スパウト2は、接続部分に段差が形成されるスパウトに比べて吐出通路27に残る栄養剤の量、即ち残液の量を減少させることができる。
更に、スパウト2では、溶着部21の軸線方向長さが幅方向長さより大きくなっている。これにより、隅角部11bの挿通孔11dから溶着部21を抜く方向(即ち、軸線方向)へと力に対する接着強度を向上させることができ、スパウト2がバッグ本体11から抜けることを抑制することができる。また、溶着部21の軸線方向長さが幅方向長さより大きくなっているので、万が一挿入孔側11dにおいてシール部材12,13に対して溶着部21が徐々に剥がれるようなことがあっても、溶着部21とシール部材12,13との剥がれが外側端部まで達しづらくなっている。その結果、スパウト2がシール部材12,13から剥がれてバッグ本体11内の貯蔵物が漏れ出ることを抑制することができる。
また、溶着部21は、本体部分23に加えて一対の延在部分24,24を有しており、一対の延在部分24,24が板状に形成されている。このような延在部分24を設けることによって溶着する面積を増加させることができ、接着強度を向上させることができる。また、延在部分24を板状に形成することによって、溶着部21の部分において2つのシート状部材12,13の間隔が急激に大きくなって、破れやすくなることも抑制することができる。更に、延在部分24,24の軸線方向他端側の端面24aを面取りすることによって、ここに溶融する合成樹脂を流れ込むようにさせることができ、軸線方向他端側の端面24a付近においてバッグ本体11内に突出するような樹脂だまりが発生することを抑制することができる。
<その他の実施形態について>
本実施形態のスパウト2では、その外表面に凹凸として凹溝23a及び凸条部23bが形成されているが、必ずしもこれらである必要はない。例えば、外表面に部分球面状の突起部を複数形成することによって外表面に凹凸を形成してもよい。この際、外表面における凹んでいる領域が凸状の領域より少ないことが好ましく、そうすることでそうでない場合に比べて接着強度を高めることができる。また、連通路25の流路断面の形状は必ずしも大略菱形に限定されず、大略円形等であってもよい。
本実施形態のバッグ本体11は、開口14を有し、開口14をジッパー15によって開閉可能に構成されているが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、事前にバッグ本体11に栄養剤が注入されバッグ本体11の4つの辺が全て溶着されて閉じられていてもよく、またバッグ本体11が正面視で矩形状でなく多角形状や丸形状であってもよい。また、溶着に使用される機器も熱溶着機に限定されず、溶着可能な機器であればよい。
1 医療用バッグ
2 スパウト
3 医療用チューブ
11 バッグ本体
12,13 シート状部材
21 溶着部
22 吐出部分
22b 内孔
23a 凹溝
23b 凸条部
23c 切欠き
25 連通路
25a 接続部分
27 吐出通路

Claims (5)

  1. 少なくとも2枚のフィルム状部材を貼り合せて袋状に構成されて流動性を有する貯蔵物を注入可能な医療用バッグ本体に溶着され、前記医療用バッグ本体内の貯蔵物を吐出させる合成樹脂製の医療用スパウトであって、
    所定方向に貫通する連通路が形成され、前記2枚のフィルム状部材の間に挿入されて外側面を前記2枚のフィルム状部材に溶着可能に構成される溶着部と、
    前記溶着部の所定方向一端から所定方向一方に突出し、前記連通路に繋がる内孔を有する筒状の吐出部とを有し、
    前記外側面には、凹凸が形成され、
    前記溶着部の所定方向他端部の外周縁には、周方向全周にわたって延在する、溶融樹脂を捕捉する切欠きが形成されており
    前記外側面の凹凸は、前記外側面に沿って延び且つ前記所定方向に間隔をあけて配置される複数の凸条部分によって形成され、
    前記切欠きの体積は、前記複数の凸条部分のうち前記切欠きに隣接する凸条部分の体積の10%以上40%以下の範囲内となっている、
    医療用スパウト。
  2. 前記外側面において隣接する前記凸条部分の間には、凹溝があり、
    前記凹溝の溝幅は、前記隣接する凸条部分の幅よりも小さくなっている、請求項に記載の医療用スパウト。
  3. 前記溶着部の前記所定方向に直交する断面は、大略菱形になっており、
    前記溶着部の前記所定方向の長さは、菱形の長対角線の長さより長くなっている、請求項1又は2の何れか1つに記載の医療用スパウト。
  4. 前記吐出部は、大略円筒状に形成され、
    前記溶着部は、前記連通路の流路断面が前記溶着部の外形と略同一形状となるように薄肉形状になっており、
    前記連通路は、前記吐出部側の部分が前記吐出部の内孔に向かって狭まるように先細りのテーパ状に形成されている、請求項に記載の医療用スパウト。
  5. 請求項1乃至の何れか1つに記載の医療用スパウトと、
    前記2枚のフィルム状部材を貼り合せて袋状に構成されて流動性を有する貯蔵物を注入可能な医療用バッグ本体と、を備え、
    前記医療用スパウトは、前記2枚のフィルム状部材の間に挿入されて前記2枚のフィルム状部材に溶着されている、医療用バッグ。
JP2016246471A 2016-12-20 2016-12-20 医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ Active JP6983506B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016246471A JP6983506B2 (ja) 2016-12-20 2016-12-20 医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016246471A JP6983506B2 (ja) 2016-12-20 2016-12-20 医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018099246A JP2018099246A (ja) 2018-06-28
JP6983506B2 true JP6983506B2 (ja) 2021-12-17

Family

ID=62713735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016246471A Active JP6983506B2 (ja) 2016-12-20 2016-12-20 医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6983506B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000281092A (ja) * 1999-04-01 2000-10-10 Shigeo Kai スパウト
US6860406B2 (en) * 2001-08-13 2005-03-01 Illinois Tool Works Inc. Flexible pouch fitment structure
SI1433716T1 (sl) * 2002-12-23 2005-12-31 Sisi Werke Gmbh Zaporni element z iztocnim kanalom v obliki lijaka
JP4792564B2 (ja) * 2005-03-28 2011-10-12 日本クラウンコルク株式会社 パウチ容器用スパウト及びパウチ容器
WO2013094611A1 (ja) * 2011-12-22 2013-06-27 凸版印刷株式会社 口栓
JP2014184982A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Pacplus Co Ltd 注出具付き包装袋
JP2015009870A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 凸版印刷株式会社 口栓および該口栓を備えた容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018099246A (ja) 2018-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5319987B2 (ja) ジッパーテープ及びジッパーテープ付包装袋
JP5273473B2 (ja) 注出口及び注出口付き液体収容体
KR20170038858A (ko) 안전밸브를 구비한 파우치
JPWO2010044353A1 (ja) 注出口及び注出口付き液体収容体
JP2003159310A (ja) 医療用複室容器
JP6983506B2 (ja) 医療用スパウト、及びそれを備える医療用バッグ
JP2008206576A (ja) 輸液バッグ用ポート部材、及び輸液バッグ
US20180049947A1 (en) Connector system comprising at least two withdrawal ports
JP2013081538A (ja) 2液混合型輸液バッグ
JP2009057093A (ja) パウチ容器
KR20160122190A (ko) 의료용 가요성 파우치
US20140312078A1 (en) Closure for Flexible Film Pouch
JP5157113B2 (ja) 注出口付きパウチの製造方法
JP6901172B2 (ja) 複室容器
JPWO2017145703A1 (ja) 医療用バッグユニット及びその製造方法
CA3035855C (en) Nozzle
JPS60125671A (ja) オンデマンド型インクジエツトプリンタ−におけるインクカ−トリツジのインク袋
JP6347904B1 (ja) シート状ノズルキャップ
EP3177546B1 (en) Container for fluids
CN201147492Y (zh) 单管马鞍式单室输液袋
JP7065675B2 (ja) 嵌合具及び嵌合具付き袋体
CN215045173U (zh) 吸嘴及包装袋
JP5078109B2 (ja) 薬液容器
JP3027461U (ja) 液体収納用袋
JP7285642B2 (ja) 嵌合具および嵌合具付き袋体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201104

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210203

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210810

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20211005

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20211116

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20211116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6983506

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150