JP6983397B2 - 半導体パッケージの製造工程用離型フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
半導体パッケージの製造工程用離型フィルムおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6983397B2 JP6983397B2 JP2017150140A JP2017150140A JP6983397B2 JP 6983397 B2 JP6983397 B2 JP 6983397B2 JP 2017150140 A JP2017150140 A JP 2017150140A JP 2017150140 A JP2017150140 A JP 2017150140A JP 6983397 B2 JP6983397 B2 JP 6983397B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- resin
- release film
- mold
- release
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/15—Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/181—Encapsulation
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
Description
金型の内面をクリーニングするのは、半導体封止工程では、高温で繰り返し封止・成型を行うと、硬化性樹脂により金型が汚染されることで、成型性が低下したり、製品品質の低下による歩留まりの低下が発生したりするためである。
一方で、クリーニングの工程を省くために、金型のキャビティ面に離型フィルムを配することが行われている。つまり、金型によって半導体パッケージを樹脂成型する際に、金型の内面が汚損するのを防止するために、離型フィルムが用いられる。離型フィルムは、金型の内面に沿って配置されることで、溶融固化などによりパッケージを形成するための樹脂が、金型の内面に直接接触することを防止する。その離型フィルムを用いた工程では、たとえばロール・ツゥ・ロール方式でフィルムロールが装置に装填される。そのための離型フィルムには、張られたフィルムが装置金型に真空引きされて吸着されるときにしわ等を発生せず金型への追随性があること、金型周囲の約170℃の高温雰囲気下において収縮やたるみやしわができない耐熱性があること、注入され硬化したエポキシ樹脂との離型性があること、などの特異的な種々の機械的特性が求められる。
特許文献2には、延伸ポリエステル樹脂フィルムの片面に無機物質が蒸着され、反対面に離型層が設けられたシートが記載されている。
特許文献3には、共重合ポリエステルフィルムに、離型層と粒子を含有した塗布層が設けられたフィルムが記載されている。
特許文献3に示されるような、粒子を含有した塗布層が設けられた離型フィルムでは、繰り返しモールド成型を行った際に、塗布層成分や含有粒子の脱落により金型汚れが顕著に発生し、その影響で例えばフィルムにしわが生じて半導体パッケージの外観を損ねることがある。さらに、金型温度よりも融点が低温である樹脂成分や共重合成分が多く、また融点ピークがなくとも結晶性の低い樹脂成分が含まれることがあり、それらの場合には、高温の金型とフィルムがくっつきやすくなり、金型との離型性が大きく低下して、しわや破れが発生しやすくなることがある。
(1)基材フィルムに離型層が積層された離型フィルムであって、
基材フィルムが、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)と融点が170℃ 以上である樹脂とを含有する二軸配向ポリエステルフィルムであり、基材フィルムを構成するポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂を30〜93質量%含有し、
当該離型フィルムをヘリウムガス雰囲気下で170℃、30分間熱処理することにより発生するアウトガス量が60μg/g未満であることを特徴とする半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
(2)融点が170℃以上である樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)であることを特徴とする半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
(3)基材フィルムを構成するポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を7〜70質量%含有するものであることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
(4)ポリブチレンテレフタレート樹脂が、ヘリウムガス雰囲気下で170℃、30分間熱処理することにより発生するテトラヒドロフラン量が800μg/g未満であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
(5)(1)〜(4)いずれか記載の離型フィルムを製造するための方法であって、二軸配向した基材フィルムの上に離型層を塗布して積層することを特徴とする半導体パッケージの製造工程用離型フィルムの製造方法。
高温雰囲気下においてアウトガス量が低減できることで、離型フィルムの基材フィルムと、離型層の密着性が低下することなく、半導体パッケージの製造工程においては、
エポキシ樹脂を汚染することなく高品位の半導体パッケージを製造することが可能である。
本発明の離型フィルムは、基材フィルムに離型層が積層されたものであり、基材フィルムはポリブチレンテレフタレート樹脂と融点が170℃以上である樹脂を含有する二軸配向ポリエステルフィルムであり、半導体パッケージの製造工程用離型フィルムとして好適に用いることができる。
まず、半導体パッケージの製造方法が説明される。
半導体パッケージを製造する際には、図1および図2に示すように下型13を上型12から遠ざけた型開きを行い、巻き取りロール23を回転させることで、送り出しロール22から供給される離型フィルム21における未使用の新しい部分を、この部分に張力を付与した状態で、上型12と下型13との間に送り込む。
その後、図3および図4に示すように、上型12と下型13との間に存在する離型フィルム21の部分を、真空吸引によりキャビティ14の内面に張り付ける。このとき本発明にもとづく離型フィルム21は、後述のようにキャビティ14の内面形状に良好に追隋し、しかもキャビティ14の内面に張り付いたときに「しわ」などの発生がないという利点がある。「しわ」が発生すると、モールド成型において、成型品にしわが転写されるため外観不良を引き起こす。
その後、図5に示すように、下型13におけるキャビティ14のパッケージ形成部15に対応した位置に、半導体素子25を装着した半導体基板26を、銅板24に乗せた状態で設置する。銅板24は、一対のパッケージ形成部15、15に対応した離型フィルム21の幅方向には互いに分離しており、複数のパッケージ形成部15、15に対応した離型フィルム21の長さ方向には互いに連続している。
そして、図6に示すように下型13を上型12に近づく方向に移動させて型締めを行い、下型13の樹脂送給路18から図5に示すキャビティ14の樹脂導入部16に向けてエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂27を溶融状態で圧送する。樹脂導入部16に送り込まれた熱硬化性樹脂27は、ゲート17を通って、パッケージ形成部15に充填される。これによって、半導体素子25および半導体基板26が熱硬化性樹脂27の内部に包埋される。銅板24は、半導体素子25および半導体基板26が包埋された側とは反対側の面が熱硬化性樹脂27から露出した状態となる。詳細には、図示のように樹脂送供給路18の内部にプランジャ19が配置されており、このプランジャ19によって熱硬化性樹脂27をキャビティ14の内部に圧密充填させる。
このとき、熱可塑性樹脂27として、半導体パッケージに一般的に使用される上述のエポキシ樹脂を用いる場合には、金型11の温度は170℃以上が設定され、好ましくは170℃〜180℃、より好ましくは170℃〜175℃に設定される。このような高温下において、本発明にもとづく離型フィルム21は、後述のように耐熱性を有するために、熱収縮やそれを原因とする「しわ」が発生しないという特長を有する。
充填された樹脂27が硬化したなら、図7および図8に示すように下型13を上型12から遠ざけて型開きを行い、得られた成形品28を金型11から取り出す。このとき、本発明にもとづく離型フィルム21は、後述のように、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂27からの離型性が良好である。その後、巻き取りロール23を駆動して、離型フィルム21における使用済みの部分を金型11から排出するとともに、図1および図2に示すように離型フィルム21における未使用の部分を新たに金型11に導入する。
以上においては、金型11の外部からその内部へ溶融状態の熱硬化性樹脂27を圧密充填させる「トランスファーモールド工程」について説明した。しかし、離型フィルム21は、それ以外のモールド工程、例えば、あらかじめ金型内に粉粒状の熱硬化性樹脂を充填したうえで型締めを行う公知の「コンプレッションモールド工程」などにも同様に用いることができる。
また、融点が170℃以上の樹脂としてPETを用いる場合は、そのブレンド比率が7〜70質量%であることが好ましく、より好ましい下限値は15質量%以上であり、さらに好ましい下限値は20質量%以上である。より好ましい上限値は55質量%以下であり、さらに好ましい上限値は60質量%である。PETが70質量%を超えると、特性が過剰に発現して、金型追随性が低下し、また、かたく割れやすくなり、たとえ機械強度を有していても離型時に破れやすくなる。
重合後のポリエステル樹脂は、モノマーやオリゴマー、アセトアルデヒドやテトラヒドロフラン等の副生成物を含んでいるため、減圧または不活性ガス流通下、200℃以上の温度で固相重合を施しても良い。固相重合を施したポリエステルを用いると、基材フィルム31の製造工程において押し出された未延伸シート及びフィルムの表面へのオリゴマーの析出が防止されるため好ましい。オリゴマーについては、半導体封止といった精密工程においては、金型等への汚染がより少ない方が好ましい。このため、上記の固相重合したものの方が好ましい。
共重合に用いられるアルコール成分としては、特に限定されないが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物等の芳香族ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールなどを挙げることができる。これらの共重合成分は2種以上併用しても良い。
また、フィルムの延伸方式については、特に限定されず、従来から知られている方法を用いることができる。公知の延伸方法として、例えば、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等が挙げられる。延伸時のムラを低減させ、ポリエステルフィルムのしわを抑制できることから、逐次二軸延伸法を用いることが好ましい。
上記のようにして得られた未延伸シートを、例えばフラット式同時二軸延伸法で延伸する場合には、未延伸シートの幅方向の両端をクリップでつかみ、シートの両面から40〜100℃の熱風を吹き付けて予熱し、50〜120℃雰囲気下で縦方向及び横方向にそれぞれ2〜4倍程度延伸する。その後、80〜180℃程度で数秒間処理し縦もしくは横方向に数%弛緩する。さらに所定の収縮率を持つフィルムを得るために、80〜200℃で数秒間熱処理して熱固定した後、室温まで冷却し20〜300m/minの速度で巻き取る。延伸温度が50℃未満の場合には、延伸応力が高すぎるために、ネッキングが発生しやすい。反対に延伸温度が120℃を超える場合には、溶断したり、フィルムの結晶化が進みすぎて白化を起こしたりする。熱固定温度が200℃を超えると、フィルムにたるみが生じやすくなりフィルムの品位を著しく損なう。
延伸後の熱固定方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば延伸フィルムに熱風を吹き付ける方法、延伸フィルムに赤外線を照射する方法、延伸フィルムにマイクロ波を照射する方法が挙げられる。均一に精度よく加熱できる点で、延伸フィルムに熱風を吹き付ける方法が好適である。延伸工程と熱固定工程との間に熱緩衝工程を設けてもよい。
これらの方法で乾燥させる場合、特に制限はないが、乾燥温度は80〜180℃が好ましい。また乾燥時間の制限は特にないが、12時間以上であることが好ましく、24時間以上であることがより好ましく、48時間以上であることがさらに好ましく、72時間以上であることが特に好ましい。また、減圧環境下で乾燥させる場合、上述した温度、時間に加えて、減圧度を10Pa以下とすることが好ましい。
あるいは、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等からなる耐熱性のよい高分子微粒子、脂肪酸エステルや脂肪酸アミド等の有機滑剤、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の耐熱性有機粒子を用いてもよい。さらに、ポリエステルの製造工程中において、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。基材樹脂への分散のしやすさや価格の観点から、シリカ、炭酸カルシウムが好ましい。
Perkin Elmer社製DSCを用い、20℃/minで昇温して、基材フィルムの融点を測定した。
ハイデンハイン社製の厚み測定器MT−12Bを用いて測定した。
60mm×100mmの大きさのエポキシプリプレグ(住友ベークライト社製 EI−6765)の両面を離型フィルムで挟み、プレス板を金型設定温度としての170℃に設定したプレス機で5kg/cm2で20分間保持した。その後、室温まで冷却しサンプルを得た。得られたサンプルの、硬化後のエポキシプリプレグと離型フィルムとの剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定した。剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分とした。剥離強度は、スペクトルの強度が安定した部分の平均値を取った。評価結果はn=5の平均値とした。
キャビティの容積が220mm×55mm×1.5mmである金型を170℃に加熱し、離型フィルムを装填して真空引きし、2分間保持した。その後、真空引きを解除して常圧にし、離型フィルムを取り除き、取り除いた離型フィルムにおけるしわの有無を目視により確認した。この操作を200回繰り返し、しわの発生回数を確認した。
離型フィルムを用い、上記(4)しわ評価と同じ金型を170℃の温度設定でモールド成型装置による加工を行った。成型後に金型を開けた時の離型フィルムとパッケージの状態を目視で観察し、次の基準に従って評価した。
○:フィルムがパッケージから完全に剥がれていた。
△:金型の型開き時にフィルムの一部がパッケージに引っ張られながら剥がれた。
×:フィルムがパッケージから剥がれず残っていた。
離型フィルムを用い、上記(4)しわ評価と同じ金型を170℃の温度設定でモールド成型装置による加工を行った。成型後に金型を開けた時に離型フィルムが破れなかったかを、目視で確認した。この操作を200回繰り返し、破れの発生回数を確認した。
上記(6)の加工において、離型フィルムが破れなかったものについて、離型フィルムの追随性にもとづく、成型されたパッケージの角・辺部の状態について、目視で観察し、丸みを帯びたパッケージの発生回数を確認した。
上記(6)と(7)の結果より、200回の加工で得られたパッケージの良品率を算出した。良品率は80%以上を合格とし、好ましい良品率は90%以上である。
アウトガス成分の特定は、離型フィルム、PBT樹脂ペレットをそれぞれ15mg秤量して試料カップに詰め、パイロライザー(PY−2020iD)中、ヘリウムガス雰囲気下で170℃、30分間加熱し、発生した揮発成分について、GC/MS(GC:Agilent 6890N、MS:Agilent 5975C)測定により行った。
離型フィルムおよびPBT樹脂ペレットで発生したアウトガスは、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ブタンジオール(BDO)、水であり、離型フィルムからは、エチレングリコール(EG)も発生した。
アウトガス各成分の発生量については、以下の標準資料と内部標準を用いて測定した。すなわち、標準資料として、ヘキサン中に、ヘキサデカン、THF、BDOおよびEGを各100ppm溶解した溶液を調製し、これを試料と同じ条件でGC/MS測定を行い、ヘキサデカンに対する各成分のピーク面積比を算出した。次に内部標準としてヘキサデカン濃度が100ppmのヘキサン溶液を調製した。離型フィルムを15mg秤量した試料に前記内部標準を5μl添加してパイロライザー(PY−2020iD)中、ヘリウムガス雰囲気下で170℃、30分間加熱し、発生した揮発成分についてGC/MS測定を行うことにより、各アウトガス成分の発生量を定量し、その合計量を算出した。なお、PBTに関しては、THF量を同様に測定した。
PBT樹脂ペレットはTHF発生量について、離型フィルムはアウトガス発生量について評価基準を下記に示す。
[PBT樹脂ペレットの評価基準]
◎: 300μg/g未満
○: 300μg/g以上500μg/g未満
△: 500μg/g以上800μg/g未満
×: 800μg/g以上
[離型フィルムの評価基準]
◎: 30μg/g未満
○: 30μg/g以上40μg/g未満
△: 40μg/g以上60μg/g未満
×: 60μg/g以上
PBT樹脂ペレットの水分率を、微量水分測定装置(平沼産業株式会社製)を用いて、カールフィッシャー法により測定した。加熱条件は180℃とした。
離型層と基材フィルムの密着性について、JIS K−5600−5−6に準拠し、クロスカット法によって評価した。詳しくは、離型フィルムの離型層表面に切り込みを入れて100区画の格子パターンをつくり、その表面に粘着テープ(ニチバン社製TF−12)を貼り、勢いよくテープを剥離した。
評価基準を下記に示す。
○:100区画に全く剥がれがない
△:100区画のうち、剥がれのある区画が10区画以下である
×:100区画のうち、剥がれのある区画が10区画を超える
表1に記載の乾燥条件で乾燥したPBT(ポリブチレンテレフタレート、IV(極限粘度)1.08dl/g、Tm(融点)218℃)60質量部と、第2樹脂としてPET(ポリエチレンテレフタレート、IV0.75dl/g、Tm251℃)40質量部とをドライブレンドしたものを、Tダイを備えた押出機を用いて、275℃でシート状に溶融押出し、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて冷却し、厚さ510μmの未延伸シートを得た。続いて45℃に温調した予熱ロール群で予熱した後、52℃に温調した延伸ロール間で周速を変化させて3.0倍に縦延伸し、厚さ170μmの縦延伸フィルムを得た。その後、テンター式延伸機に導き、予熱温度60℃、延伸温度80℃で3.3倍に横延伸し、続いて210℃で熱乾燥処理を行い、200℃で横方向に5%の弛緩処理を行った。テンターから出たフィルムは、室温まで冷却して巻き取った。こうして、厚さ50μmの逐次二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。その後、トルエンで希釈した溶剤付加反応型シリコーン(信越化学工業社製のKS−847T(シリコーンA))を、卓上型コーティング装置(安田精機社製フィルムアプリケータ;No.542−AB型、バーコータ装着)を用いて熱乾燥処理後の樹脂層厚みが0.20μmとなるようポストコートした。その後、150℃に設定された熱風乾燥機中で30秒間乾燥させることにより、厚さ0.20μmの離型層を形成した厚さ50μmの離型フィルムを得た。
離型フィルムの厚み、PBTとPETとの組成比、PBT樹脂の乾燥条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って離型フィルムを得た。
実施例1と同様にして、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートの幅方向の端部をテンター式同時二軸延伸機のクリップにて担持し、60℃の予熱ゾーンを走行させた後、温度80℃でMD(機械方向)に3.0倍、TD方向に3.3倍で同時二軸延伸した。その後、実施例1と同様の方法でコーティングを行い、厚さ0.20μmの離型層を形成した厚さ50μmの離型フィルムを得た。
実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。その後、下記のようにして得られた樹脂組成物Xを用い、実施例1と同じ条件でコートし、厚さ0.2μmの離型層を形成した厚さ50μmの離型フィルムを得た。
下記のようにして製造した酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体Mと、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製「VC−10」、重合度:1,000)の8質量%水溶液と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物の水性溶液(日本触媒社製、エポクロス「WS−500」、固形分濃度:40質量%)とを、ポリビニルアルコールが酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して50質量部、オキサゾリン化合物の固形分が酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して10質量部となるように混合して、液状の樹脂組成物Xを得た。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて、60.0gの、下記のようにして製造した酸変性ポリオレフィン樹脂Yと、45.0gのBu−EG(和光純薬社製、特級、沸点171℃、なお「Bu−EG」はエチレングリコール−n−ブチルエーテルを意味する)と、6.9g(樹脂中の無水マレイン酸単位のカルボキシル基に対して1.0倍当量)のDMEA(和光純薬社製、特級、沸点134℃、なお「DMEA」はN,N−ジメチルエタノールアミンを意味する)と、188.1gの蒸留水とを上記のガラス容器内に仕込み、攪拌翼の回転速度を300rpmとして攪拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間攪拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)することで、乳白黄色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体Mを得た。なお、フィルター上には残存樹脂は殆どなかった。
実施例1と同様にして、縦延伸フィルムを得た。次に縦延伸フィルムにマイヤーバーを用いて熱乾燥処理後の樹脂層厚みが0.07μmとなるよう前記樹脂組成物Xをインラインコートした。その後、インラインコートされたフィルムをテンター式延伸機に導き、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。
離型層の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。
実施例17においては、第2樹脂として、実施例1のPETのホモポリマーに代えて、イソフタル酸を4モル%共重合した共重合ポリエステル(IPA4、Tm(融点)245℃)を用い、組成比を表1に示すように変更した。
実施例18においては、第2樹脂として、実施例1のPETのホモポリマーに代えて、アジピン酸を6モル%共重合した共重合ポリエステル(AD6、Tm(融点)240℃)を用い、組成比を表1に示すように変更した。
実施例17、18とも、離型層として、信越化学工業社製のKS−3703(シリコーンB)を使用した。それ以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
第1樹脂として、ポリブチレンテレフタレートに平均分子量Mw:1000のPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)を15質量部共重合した共重合PBT(変性PBT、Tm(融点)218℃)を用い、離型層として信越化学工業社製のKS−3703(シリコーンB)を使用した。それ以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
実施例1に、さらにアジピン酸を6モル%共重合した共重合ポリエステル(AD6、Tm(融点)240℃)を第3樹脂として用い、組成比を表1に示すように変更し、離型層として、信越化学工業社製のKS−3703(シリコーンB)を使用した。それ以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
離型層を設けずに、基材フィルムのみを用い、それ以外は実施例1と同様に行い、離型フィルムを得た。
基材フィルムの延伸処理と、その後の熱固定処理を行わず未延伸シートを用いた以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。未延伸シートの厚さは50μmとなるように吐出量を調整した。
基材フィルムとしてPBTを用いず、PETのみを用いた以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
基材フィルムとしてPBTのみを用いた以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
基材フィルムとしてPBTを用いず、第1樹脂として融点165℃のポリ乳酸樹脂(PLA)を用い、第2樹脂としてPETを用いた。それ以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
基材フィルムとしてPBTを用いず、第1樹脂としてシクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合した共重合ポリエステル(CHDM30、融点なし)を用い、第2樹脂としてジエチレングリコールを8モル%共重合した共重合ポリエステル(DEG8、融点240℃)を用いた。それ以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
基材フィルムとしてPBTを用いず、第1樹脂としてPETを用い、第2樹脂としてネオペンチルグリコールを60モル%共重合した共重合ポリエステル(NPG60、融点169℃)を用いた。それ以外は実施例1と同様に行い離型フィルムを得た。
基材フィルムとしてPBTを用いず、イソフタル酸を4モル%共重合した共重合ポリエステル(IPA4、融点245℃)のみを用いた以外は実施例1と同様に行って離型フィルムを得た。
基材フィルムとしてPBTを用いず、アジピン酸を8モル%共重合した共重合ポリエステル(AD8、融点235℃)のみを用いた以外は、実施例1と同様に行って離型フィルムを得た。
基材フィルムに用いるPBTの乾燥条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行って、離型フィルムを得た。
Claims (5)
- 基材フィルムに離型層が積層された離型フィルムであって、
基材フィルムが、ポリブチレンテレフタレート樹脂と融点が170℃以上である樹脂とを含有する二軸配向ポリエステルフィルムであり、基材フィルムを構成するポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂を30〜93質量%含有し、
当該離型フィルムをヘリウムガス雰囲気下で170℃、30分間熱処理することにより発生するアウトガス量が60μg/g未満であることを特徴とする半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。 - 融点が170℃以上である樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
- 基材フィルムを構成するポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂を7〜70質量%含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂が、ヘリウムガス雰囲気下で170℃、30分間熱処理することにより発生するテトラヒドロフラン量が800μg/g未満であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の半導体パッケージの製造工程用離型フィルム。
- 請求項1〜4いずれか記載の離型フィルムを製造するための方法であって、二軸配向した基材フィルムの上に離型層を塗布して積層することを特徴とする半導体パッケージの製造工程用離型フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017150140A JP6983397B2 (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | 半導体パッケージの製造工程用離型フィルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017150140A JP6983397B2 (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | 半導体パッケージの製造工程用離型フィルムおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019029589A JP2019029589A (ja) | 2019-02-21 |
JP6983397B2 true JP6983397B2 (ja) | 2021-12-17 |
Family
ID=65476617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017150140A Active JP6983397B2 (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | 半導体パッケージの製造工程用離型フィルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6983397B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012077571A1 (ja) * | 2010-12-07 | 2012-06-14 | 東洋紡績株式会社 | モールド工程用離型ポリエステルフィルム |
JP5822611B2 (ja) * | 2011-09-06 | 2015-11-24 | ユニチカ株式会社 | 二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 |
KR20180108670A (ko) * | 2016-01-22 | 2018-10-04 | 도요보 가부시키가이샤 | 2축 연신 폴리에스테르 필름, 적층체 및 포장용 주머니 |
-
2017
- 2017-08-02 JP JP2017150140A patent/JP6983397B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019029589A (ja) | 2019-02-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6902273B2 (ja) | 半導体パッケージの製造方法および半導体パッケージの製造工程用離型フィルム | |
JP5818958B2 (ja) | 離型フィルムおよびその製造方法 | |
JP5697808B2 (ja) | 離型フィルムおよびその製造方法 | |
JP7409465B2 (ja) | 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法 | |
JP2005212146A (ja) | ガスバリア性フィルム及びガスバリア性積層体 | |
TW201817603A (zh) | 聚酯膜 | |
JP6165141B2 (ja) | 離型用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
US20150210879A1 (en) | Laminated film and method for producing the same | |
JP2008279705A (ja) | 深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム | |
TW201941963A (zh) | 積層體以及使用積層體之包裝體 | |
JP6950761B2 (ja) | セラミックグリーンシート製造用離型フィルム | |
JPWO2020138048A1 (ja) | 積層体及びそれを用いた包装体 | |
JP2022132338A (ja) | 離型フィルムおよびその製造方法 | |
JP6983397B2 (ja) | 半導体パッケージの製造工程用離型フィルムおよびその製造方法 | |
JP7385817B2 (ja) | セラミックグリーンシート製造用離型フィルム | |
KR102625306B1 (ko) | 이형필름 및 이를 포함하는 적층체 | |
JP7493740B2 (ja) | 離型フィルムおよびその製造方法 | |
JP2005146112A (ja) | 板紙用貼合せフィルム | |
JP2014233967A (ja) | 離型ポリエステルフィルム | |
JP2004255671A (ja) | 熱収縮性ポリエステル系フィルム | |
JP2003268130A (ja) | 手切れ性に優れたポリエステル二軸延伸フィルムおよびその製造方法 | |
JP2024055905A (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP2013001046A (ja) | 離型フィルム | |
JPH10193525A (ja) | ガスバリア性フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200709 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210622 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211015 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211102 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211116 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6983397 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |