本発明の実施の形態にかかる電解液体生成装置は、互いに隣り合う電極間に導電性膜が介在するように積層された積層体を有し、液体を電解処理する電解部と、前記電解部が内部に配置されるハウジングと、を備えている。
また、前記ハウジングには、通液方向が前記積層体の積層方向と交差する方向となる流路が形成されている。
また、前記流路は、上流側の外部流路に連通されて前記電解部に供給される液体が流入する流入口と、下流側の外部流路に連通されて前記電解部で生成される電解液体が流出する流出口と、を有している。
また、前記電解部には、前記流路に開口するとともに、前記導電性膜と前記電極との界面の少なくとも一部が露出する溝部が形成されている。
また、前記ハウジングは、前記電解部が挿通可能な開口部を有する凹部が形成され、当該凹部内に前記電解部が収容される電極ケースと、前記電極ケースの開口部を覆う電極ケース蓋と、を備えている。
そして、前記電解部は、前記積層体の積層方向を前記開口部の開口方向と略一致させた状態で前記凹部内に収容されている。
こうすれば、電極ケース蓋の電極ケースへの取り付け方向を積層体の積層方向と略一致させることができ、各部材を積層方向に相対移動させることで電解液体生成装置を組み立てることができるようになる。その結果、電解液体生成装置をより容易に組み立てることができるようになる。
また、前記流路は、前記電解部と前記電極ケース蓋との間に形成されている。
こうすれば、電解部を凹部内に収容した状態で電極ケースの開口部を電極ケース蓋で覆うことで流路を形成することができ、より容易に流路を有する電解液体生成装置を組み立てることができる。
また、前記電極および前記導電性膜は、少なくとも長手方向に延在する側面が略同一面となるように積層されている。
こうすれば、各部材の長手方向に延在する側面を面一にさせることで積層体の流路幅方向の位置決めが行われるため、積層体の流路幅方向の位置決めをより容易に行うことができるようになる。
また、前記電極ケースには、前記積層体の積層方向に延在し、前記電解部の前記凹部への挿入をガイドする導入ガイド部が設けられている。
こうすれば、電解液体生成装置を組み立てる際に、組み立ての途中で積層体を構成する各部材の位置がずれてしまうのが抑制され、より容易に電解液体生成装置を組み立てることができるようになる。
また、前記ハウジング内には、前記電解部における前記積層体の積層方向の一方側に接する弾性体が配置されている。
このように、電解部の積層方向の一方側を弾性体で押さえるようにすれば、電解部の積層方向の寸法バラつきを弾性体で吸収することが可能となって、積層体の積層方向の位置決めをより容易に行うことができるようになる。
また、前記弾性体は、前記電解部と前記電極ケースとの間に配置されている。
こうすれば、電極ケースの内部に弾性体を配置させることが可能となって、より容易に電解液体生成装置を組み立てることができるようになる。
また、前記ハウジングにおける前記開口部の周縁部には、前記電極ケースと前記電極ケース蓋とが溶着された溶着部が形成されている。
こうすれば、電極ケース蓋を電極ケースにより容易に取り付けることが可能となって、より容易に電解液体生成装置を組み立てることができるようになる。
また、前記電極は、陽極と陰極とを備えており、前記電解部は、前記陽極に電気的に接続され、当該陽極に電圧を印加する陽極側給電シャフトと、前記陰極に電気的に接続され、当該陰極に電圧を印加する陰極側給電シャフトと、を備えている。
そして、前記陽極側給電シャフトおよび前記陰極側給電シャフトが前記積層方向に延在している。
こうすれば、電解部を構成する各部材のサイズや位置を一義的に決めることが可能となって、積層時に各部材が位置ずれしてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、電解部の組み立てや各部材の位置合わせをより容易に行うことができるようになる上、電解生成物をより安定的に発生させることができるようになる。
また、前記陽極側給電シャフトおよび前記陰極側給電シャフトが前記流路とは反対側に向けて延在している。
こうすることで、陽極側給電シャフトおよび陰極側給電シャフトが流路内に配置されてしまわないようにすることができるため、流路内を流れる液体が滞留してしまうのを抑制することができるようになる。
また、前記陽極側給電シャフトおよび前記陰極側給電シャフトのうちいずれか一方が前記電解部の前記流入口側に設けられており、いずれか他方が前記電解部の前記流出口側に設けられている。
こうすれば、電解液体生成装置が大型化してしまうのを抑制しつつ、陽極側給電シャフトと陰極側給電シャフトとの間の距離を極力大きくすることができる。その結果、電解液体生成装置が大型化してしまうのを抑制しつつ、陽極と陰極とが短絡してしまうのを抑制することができるようになる。
また、前記電解部は、前記積層方向から視た状態で、前記通液方向が長手方向となる略長方形状をしており、前記陽極側給電シャフトおよび前記陰極側給電シャフトが前記電解部の対角部に設けられている。
こうすることで、電極ケースの流入口側、流出口側の方向性をなくすことが可能となって、より効率的に電解液体生成装置を組み立てることができるようになる。
また、前記陽極側給電シャフトおよび前記陰極側給電シャフトのうち少なくともいずれか一方のシャフトが前記電極とは別体に設けられている。
こうすれば、陽極側給電シャフトや陰極側給電シャフトを溶接させる必要がなくなる。その結果、電解部を構成する各部材をより簡単に加工することができるようになり、コストの削減を図ることが可能となる。
また、前記電解部を構成する各部材のうち少なくともいずれか1つの部材が前記積層方向に湾曲した形状をしている。
こうすれば、電解液体生成装置を組み立てた際に、電極に対し安定した押し付け圧力を発生させることができるようになる。その結果、通電面積をより安定的に確保することができるようになって、電解生成物の生成能力をより安定させることができるようになる。また、電極ケース内に配置した電解部をネジ等で締め付ける必要がなくなるため、組立ばらつきが生じてしまうのを抑制することができ、電解生成物の発生能力をより安定させることができるようになる。さらに、部品点数の削減を図ることができるため、コストの削減を図ることが可能となる。
また、前記溝部は、当該溝部の前記通液方向の開口幅および前記流路の積層方向の高さのうち少なくともいずれか一方よりも小さい深さとなるように形成されている。
こうすれば、流路内を流れる液体が溝部内に滞留してしまうのを抑制することができるようになって、液体中の電解生成物の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、前記流路は、前記積層方向の高さが流路幅よりも小さい高さとなるように形成されている。
こうすれば、界面部分での表面流速をより速くすることができるため、生成された電解生成物をより速やかに溶解させることができるようになって、液体中の電解生成物の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、前記電解部の前記流路側の表面に突起部が接触している。
こうすれば、突起部によって電解部を押圧することができるようになるため、導電性膜と電極との接触をより確実に保つことができるようになる。その結果、電解部を流れる電流の電流密度をより均等化させることができるようになって、電解生成物の発生効率をより向上させることができるようになる。
また、前記突起部は、前記流路の流路幅方向中央部に形成されている。
このように、電解部の中央部を突起部により押圧することで、導電性膜と電極とをより均一に接触させることができるようになる。その結果、電解部を流れる電流の電流密度をより均等化させることができるようになって、電解生成物の発生効率をより向上させることができるようになる。
また、前記突起部が、前記通液方向に並ぶように複数形成されている。
このように、突起部が電解部を通液方向に沿って押圧することで、導電性膜と電極とをより均一に接触させることができるようになる。その結果、電解部を流れる電流の電流密度をより均等化させることができるようになって、電解生成物の発生効率をより向上させることができるようになる。
また、前記突起部は、前記積層方向から視た状態で、少なくとも前記電解部との接触部分が前記溝部とオーバーラップしないように形成されている。
こうすることで、溝部上に突起部が配置されないようにすることができるため、溝部内の液体の流れが突起部によって邪魔されてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、溝部の界面近傍に気泡の滞留が発生してしまうのが抑制されて、液体中の電解生成物の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、前記溝部が前記通液方向に並ぶように複数形成されており、前記突起部は、少なくとも前記電解部との接触部分における通液方向幅が、前記電解部における互いに隣り合う前記溝部の間の通液方向幅よりも小さい。
こうすれば、電解液体生成装置の組み立て時に突起部の位置が多少ずれたとしても、溝部上に突起部が配置されないようにすることができる。
また、前記突起部は、前記積層方向から視た状態で、輪郭形状が、頂点部分にR部が形成された多角形状となるように形成されている。
このように、突起部の輪郭形状の頂点部分にR部を形成することで、突起部近傍の液体の流れをよりスムーズにすることができるため、気泡の滞留が発生してしまうのを抑制することができ、液体中の電解生成物の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下では、電解液体生成装置として、オゾン(電解生成物)を発生させ、当該オゾンを水(液体)に溶解させることでオゾン水(電解液体)を生成するオゾン水生成装置を例示する。なお、オゾン水は、殺菌や有機物分解に有効であるため水処理分野や食品、医学分野において広く利用されており、残留性がないことや、副生成物を生成しないという利点を有するものである。
また、以下では、流路の延在方向を通液方向(前後方向)X、流路の幅方向を幅方向(流路幅方向)Y、電極や導電性膜が積層される方向を積層方向(上下方向)Zとして説明する。そして、電解液体生成装置を電極ケース蓋が上側となるように配置した状態における上下方向を上下方向Zとして説明する。
(実施の形態)
本実施の形態にかかるオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、内部に流路11が形成されたハウジング10を有しており、電気機器や液体改質装置等に液体を供給する配管70の途中(上流側配管71と下流側配管72との間)に接続できるように形成されている(図7参照)。
そして、配管70の途中にオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を接続して、流路11を外部流路(上流側配管71の水路71aや下流側配管72の水路72a)に連通させることで、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1内で生成されたオゾン水(電解水:電解液体)を電気機器や液体改質装置等に供給できるようになっている。
なお、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、配管70の途中に接続させる必要はなく、例えば、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1の下流側を、電気機器や液体改質装置等に直接接続させるようにすることも可能である。この場合、電気機器や液体改質装置等の内部に形成された流路が下流側の外部流路となる。
そして、流路11が形成されたハウジング10の内部には、電解部80が流路11に臨むように配置されており、流路11内を流れる水(液体)が電解部80によって電解処理されるようになっている。
本実施の形態では、電解部80は、上面(積層方向Zの一方側の面)80aが流路11に臨むようにハウジング10内に配置されている(図20参照)。
この電解部80は、図12および図13に示すように、陽極(電極)84と陰極(電極)85との間(互いに隣り合う電極間)に、導電性膜86が介在するように積層された積層体81を有している。
一方、流路11は、通液方向Xが積層体81の積層方向Zと交差する方向となるようにハウジング10に形成されている。
この流路11は、上流側配管71の水路(上流側の外部流路)71aに連通されて電解部80に供給される液体が流入する流入口11aと、下流側配管72の水路(下流側の外部流路)72aに連通されて電解部80で生成されるオゾン水(電解液体)が流出する流出口11bと、を有している。
さらに、積層体81には、流路11に開口するとともに、導電性膜86と電極(陽極84や陰極85)との界面87,88の少なくとも一部が露出する溝部82が形成されている(図20参照)。
本実施の形態では、このような溝部82を積層体81に形成することで、流入口11aから流路11内に供給された水(液体)を溝部82内に導入できるようにしている。
そして、電源部100から供給された電源により、主に溝部82内に導入された水(液体)に電気化学反応を起こす電解処理を施すことで、オゾン(電解生成物)が溶解したオゾン水(電解水:電解液体)が生成されるようにしている。
このように、本実施の形態にかかるオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、水(液体)に電気化学反応を起こす電解処理を施すことで、オゾン(電解生成物)が溶解したオゾン水(電解水:電解液体)を生成するものである。
なお、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1内で生成されたオゾン水(電解水:電解液体)は、流路11を介して流出口11bからオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1の外部(下流側配管72の水路72a内)に流出される。
ハウジング10は、例えば、アクリル等の非導電性の樹脂を用いて形成することができ、電解部80が挿通可能な開口部332aを有する凹部34が形成され、当該凹部34内に電解部80が収容される電極ケース20と、電極ケース20の開口部332aを覆う電極ケース蓋60と、を備えている(図12および図13参照)。
電極ケース20は、図14および図15に示すように、電解部80が配置される略中空箱状の本体部30を備えている。そして、本体部30の長手方向(通液方向:前後方向X)の一方側(上流側)には、上流側配管71に接続される略円柱状の第1の接続部(上流側接続部)40が形成されている。また、本体部30の長手方向(通液方向:前後方向X)の他方側(下流側)には、下流側配管72に接続される略円柱状の第2の接続部(下流側接続部)50が形成されている。
さらに、第1の接続部(上流側接続部)40には、当該第1の接続部(上流側接続部)40を上流側配管71に接続した状態で、上流側配管71の水路71aに連通される第1の接続流路(上流側流路)12が形成されている(図7参照)。本実施の形態では、この第1の接続流路(上流側流路)12が流路11の一部を構成しており、第1の接続流路(上流側流路)12の上流端が流入口11aとなっている。また、第1の接続部(上流側接続部)40の上流側の端部には上流側に向かうにつれて幅広となるテーパ部40aが形成されている。このように、本実施の形態では、流入口11aは、第1の接続流路(上流側流路)12の下流側の流路よりも幅広となるように形成されている。
一方、第2の接続部(下流側接続部)50には、当該第2の接続部(下流側接続部)50を下流側配管72に接続した状態で、下流側配管72の水路72aに連通される第2の接続流路(下流側流路)16が形成されている(図7参照)。本実施の形態では、この第2の接続流路(下流側流路)16も流路11の一部を構成しており、第2の接続流路(下流側流路)16の下流端が流出口11bとなっている。また、第2の接続部(下流側接続部)50の下流側の端部にも、下流側に向かうにつれて幅広となるテーパ部50aが形成されている。このように、本実施の形態では、流出口11bも、第2の接続流路(下流側流路)16の上流側の流路よりも幅広となるように形成されている。
さらに、本実施の形態では、第1の接続部(上流側接続部)40および第2の接続部(下流側接続部)50は、それぞれの上端部(電極ケース蓋60側の端部)41,51が本体部30よりも上方に突出するように形成されている。このように、各上端部41,51を本体部30よりも上方に突出させることで、電極ケース蓋60を電極ケース20に取り付けた際に、電極ケース蓋60が上端部41と上端部51とで挟持されるようにしている。
本体部30は、図14および図15に示すように、底壁部31と、底壁部31の周縁部に連設された周壁部32と、周壁部32の上端に連設された天壁部33と、を備えており、天壁部33には上下方向Zに貫通する貫通穴332が形成されている。
そして、本体部30の内部には、底壁部31の内面311と、周壁部32の内面321である幅方向側内面321aおよび長手方向側内面321bと、天壁部33の内面331と、によって画成された凹部34が形成されている。このように、本実施の形態では、凹部34は、上方に開口するように形成されている。したがって、天壁部33に形成された開口部332aが凹部34の開口部となっている。
そして、この開口部332a側から電解部80を凹部34内に挿入することで、電解部80が凹部34内に収容されるようにしている。なお、開口部332aは、積層方向Zから視た電解部80の輪郭形状よりも大きくなるように形成されており、積層方向を上下方向Zに一致させた電解部80をそのままの姿勢で凹部34内に挿入できるようになっている。
さらに、本実施の形態では、本体部30の内部における長手方向(通液方向:前後方向X)の両端に段差部35がそれぞれ形成されている。
この段差部35は、底壁部31および周壁部32と一体に形成されており、上下方向Zにおいて底壁部31の内面311と開口部332aとの間に位置し、水平方向に延在する中間面351と、垂直方向に延在して、中間面351と底壁部31の内面311とを連結する段差面352と、を有している。
そして、このような段差部35を形成することで、凹部34が二段凹部構造となるようにしている。
具体的には、凹部34は、開口側に形成されて、流路11の一部が形成される第1の凹部(流路形成予定空間)341と、第1の凹部(流路形成予定空間)341よりも奥側(下側)に形成されて、電解部80が収容される第2の凹部(電解部収容空間)342と、を有している。
さらに、第2の凹部(電解部収容空間)342は、電解部80の本体部80bが収容される本体部収容凹部342aと、本体部収容凹部342aの長手方向(通液方向:前後方向X)の両端における幅方向Yの片側に連設され、電解部80の後述する給電部80cが収容される給電部収容空間342bと、を有している。
すなわち、段差部35の段差面352は、長手方向(通液方向:前後方向X)の内側に位置する内側段差面352aと、長手方向(通液方向:前後方向X)の外側に位置する外側段差面252bと、内側段差面352aと外側段差面252bとを連結する連結段差面352cと、を有している。そして、中間面351は、上下方向Zから視た状態で、長手方向(通液方向:前後方向X)の内側の境界線がクランク状に屈曲した形状となるように形成されている。
このように、本実施の形態では、第1の凹部(流路形成予定空間)341が、天壁部33の内面331と、周壁部32の幅方向側内面321aの上部および長手方向側内面321bと、段差部35の中間面351と、によって画成されるようにしている。
また、第2の凹部(電解部収容空間)342が、底壁部31の内面311と、段差部35の段差面352と、幅方向側内面321aの下部と、によって画成されるようにしている。
そして、この第2の凹部(電解部収容空間)342内には、上述したように、電解部80が収容されている。このとき、電解部80は、積層方向を上下方向Zに一致させた状態で収容されている。
さらに、本実施の形態では、電解部80は、弾性体90を介して第2の凹部(電解部収容空間)342内に収容されている。すなわち、電解部80は、当該電解部80と電極ケース20との間に弾性体90を介在させるとともに、電解部80の下面80dに弾性体90を当接させた状態で、第2の凹部(電解部収容空間)342内に収容されている。この弾性体90は、例えば、ゴム、プラスチック、金属ばね等の弾力性を有する材料を用いて形成することができる。
また、本実施の形態では、電極ケース蓋60を電極ケース20に取り付けた際には、電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80a上および中間面351上に、電解部側流路14が形成されるようにしている。このように、本実施の形態では、電解部80と前記電極ケース蓋60との間に流路11が形成されるようにしている。
さらに、本実施の形態では、段差部35の中間面351の長手方向(通液方向:前後方向X)の内側の境界部分における幅方向Yの両側に、上方に突出するガイド突起(導入ガイド部)353が形成されている。すなわち、第2の凹部(電解部収容空間)342の4隅部分に、電解部80の第2の凹部(電解部収容空間)342への挿入をガイドするガイド突起(導入ガイド部)353を設けている。
また、長手方向(通液方向:前後方向X)の一方側(上流側)の周壁32に、第1の接続流路(上流側流路)12に連通する第1の本体部側流路13を形成している。そして、長手方向(通液方向:前後方向X)の他方側(下流側)の周壁32に、第2の接続流路(下流側流路)16に連通する第2の本体部側流路15を形成している。
このように、本実施の形態では、流路11は、第1の接続流路(上流側流路)12、第1の本体部側流路13、電解部側流路14、第2の本体部側流路15および第2の接続流路(下流側流路)16で形成されている(図7参照)。このとき、流路11は、流入口11aが形成される部分および流出口11bが形成される部分を除いて、断面積がほぼ同一となるように形成されている。
また、流路11は、図6および図8に示すように、幅方向Yに幅広となる長方形状に形成されている。すなわち、流路11は、積層方向Zの高さが流路幅W1よりも小さい高さH1となるように形成されている。本実施の形態では、流路幅W1が約10mm、積層方向Zの高さH1が約2mmとなるように流路11を形成している。こうすることで、例えば、流量2L/minで水(液体)を流路11内に供給した場合に、流路内を流れる水(液体)の流速は約1.67m/sとなる。
さらに、本実施の形態では、長手方向(通液方向:前後方向X)の一方側(上流側)に位置する給電部収容空間342bを幅方向Yの一方側に形成するとともに、長手方向(通液方向:前後方向X)の他方側(下流側)に位置する給電部収容空間342bを幅方向Yの他方側に形成している。すなわち、一対の給電部収容空間342bを本体部収容凹部342aの対角部分に形成している。
したがって、本実施の形態では、凹部34は、上下方向Zから視た状態で、本体部30の中心に対して点対称となるように形成されている。
なお、本実施の形態では、ハウジング10自体(電極ケース20および電極ケース蓋60)も、上下方向Zから視た状態で、ハウジング10の中心に対して点対称となるように形成されている。
電極ケース蓋60は、略長方形の板状の蓋部本体61と、蓋部本体61の下部中央から下方に突設されて、電極ケース20の開口部332aに嵌合する嵌合突部62と、を備えている。
そして、蓋部本体61における嵌合突部62の周縁部には、下方に向けて突出する溶着用突起63が全周にわたって形成されている。この溶着用突起62は、電極ケース蓋60を電極ケース20に取り付ける際に、電極ケース20の天壁部33における開口部332aの周縁部333に全周にわたって形成された溝部333aに挿入されるものである。
そして、嵌合突部62を開口部332aに嵌合させつつ、溶着用突起62を溝部333aに挿入した状態で、振動溶着や熱溶着等によって、電極ケース蓋60と電極ケース20とを溶着させることで、電極ケース20の凹部34が電極ケース蓋60によって封止されるようにしている。このとき、溶着用突起62と溝部333aの部分には、溶着部17が形成されている。
なお、電極ケース蓋60と電極ケース20との間にシール材を介した状態で、電極ケース蓋60を電極ケース20にネジ止めすることにより、電極ケース20の凹部34が電極ケース蓋60によって封止されるようにすることも可能である。
また、嵌合突部62の下面62aにおける幅方向Yの両端には、長手方向(通液方向:前後方向X)に延在する延設壁62bが形成されており、電極ケース蓋60を電極ケース20に取り付けた際には、この延設壁62bによって電解部側流路14の幅方向Yの両端が画成されるようにしている。
さらに、本実施の形態では、延設壁62bは、第2の凹部(電解部収容空間)342の4隅部分に設けられたガイド突起(導入ガイド部)353よりも、長手方向(通液方向:前後方向X)の内側に配置されるように形成されている。そして、延設壁62bは、長手方向(通液方向:前後方向X)から視た状態で、ガイド突起(導入ガイド部)353と重なり合うように形成されている。
本実施の形態では、このような延設壁62bを設けることで、ガイド突起(導入ガイド部)353の近傍で乱流が生じてしまうのを抑制できるようにしている。
また、嵌合突部62の下面62aにおける幅方向Yの中央には、長手方向(通液方向:前後方向X)に沿って並ぶ複数の突起部64が形成されている。
そして、弾性体90を介して第2の凹部(電解部収容空間)342内に電解部80を収容し、電極ケース蓋60を電極ケース20に取り付けた際には、電極ケース蓋60に設けられた突起部64によって電解部80が下方に押圧されるようにしている。
このように、本実施の形態では、電解部80を下方に押圧することで、弾性体90によって電解部80の全体に一定の圧力がかけられるようにし、電解部80を構成する各部材の密着性をより高められるようにしている。
また、電極ケース蓋60を電極ケース20に取り付けた際には、電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80aが中間面351と略面一となるようにしている。こうすることで、流路11に段差が形成されてしまうのが抑制されるようにしている。また、電解部80の上部に形成される流路(電解部側流路14)の断面積を、他の流路の断面積とほぼ同一となるようにしている。
このように、流路11の断面積がほぼ同一となるようにすれば、流路11内を流れる水(液体)の流れが乱れてしまうことを抑制することができる。その結果、流路11内に滞留部が生じてしまうのが抑制されて、発生したオゾン(電解生成物)が気泡に成長してしまうことを抑制することができるようになり、流出口11bから流出されるオゾン水(電解液体)中のオゾン(電解生成物)の濃度をより向上させることができるようになる。
次に、電解部80の具体的な構成について説明する。
電解部80は、図16および図17に示すように、積層方向Zから視た状態で、通液方向Xが長手方向となる略長方形状をしている。そして、この電解部80は、陽極84、導電性膜86、陰極85の順に積層することで構成される積層体81を備えている。このように、本実施の形態では、積層体81は、互いに隣り合う電極(陽極84および陰極85)間に導電性膜86が介在するように積層されている。なお、本実施の形態では、陽極84の下側に、例えば、チタン製の給電体83が積層されており、この給電体83を介して陽極84に電気が供給されるようになっている。
さらに、本実施の形態では、積層体81には、流路11に開口する開口82aを有する溝部82が形成されており、この溝部82は、導電性膜86と陰極85との界面88の少なくとも一部が水(液体)と接触できるように構成されている。また、導電性膜86と陽極84との界面87の少なくとも一部も水(液体)と接触できるように構成されている。
具体的には、陰極85には陰極側孔85cが形成されており、導電性膜86には導電性膜側孔86cが形成されている。そして、陰極85と導電性膜86とを積層させた際に、陰極側孔85cと導電性膜側孔86cとが連通するようにしている。
したがって、導電性膜86の内側面86dおよび陰極85の内側面85dが溝部82の側面82cとなり、陽極84の上面(表面)84aが溝部82の底面82bとなっている(図20参照)。このような溝部82を形成することで、導電性膜86と陰極85との界面(導電性膜と電極との界面)88の少なくとも一部を溝部82に露出することとなり、溝部82に露出する界面87に水が自由に接触できるようになる。また、導電性膜86と陽極84との界面(導電性膜と電極との界面)87の少なくとも一部も溝部82に露出することとなり、溝部82に露出する界面87に水が自由に接触できるようになる。
本実施の形態では、幅方向Yに細長く延在する溝部の幅方向Yの両端を上流側に折り曲げた形状となるように、溝部82を形成している。すなわち、陰極84に形成されて積層方向Zに貫通した陰極側孔85cを、屈曲点部分が下流側に配置されるV字状となるように形成している。
そして、導電性膜86に形成されて積層方向Zに貫通した導電性膜側孔86cも、屈曲点部分が下流側に配置されるV字状となるように形成し、陰極側孔85cおよび導電性膜側孔86cを連通させることでV字状の溝部82が形成されるようにしている。
なお、溝部82の形状は上述のV字状に限られるものではなく、様々な形状とすることができる。例えば、幅方向Yに細長い長方形状とすることができる。
また、本実施の形態では、複数の溝部82を長手方向Xに沿って並ぶように形成したものを例示しているが、溝部82は少なくとも1個形成されていればよい。
なお、本実施の形態における導電性膜86と陰極85との界面88とは、陰極85の側面と導電性膜86の側面との境界線のことである。また、導電性膜86と陽極84との界面87とは、陽極84の表面と導電性膜86の側面との交線のことである。
また、導電性膜86と陰極85とは同じ大きさでもよいし、異なっていてもよいが、少なくとも相互の孔(陰極側孔85cおよび導電性膜側孔86c)同士が連通している必要があり、また、電気的な接触面積が十分確保されている必要がある。そのため、これらを勘案すると、導電性膜86と陰極85とはほぼ同じ投影寸法である(積層方向Zから視た状態でほぼ同じ大きさとなる)ことが好ましい。
また、陽極84は、導電性膜86や陰極85と同じ大きさでもよいし、異なっていてもよいが、積層方向Zから視た際に、全ての溝部82から見える程度以上の大きさであることが好ましい。
本実施の形態では、陽極84、陰極85および導電性膜86をほぼ同じ投影寸法となるようにしている。
こうすることで、積層体81を形成した際に、陽極84、陰極85および導電性膜86の側面が略同一面となるようにしている。
すなわち、積層体81を形成した際に、陽極84、陰極85および導電性膜86の少なくとも長手方向に延在する側面84b,85b,86bが略同一面となるようにしている。
また、本実施の形態では、給電体83および弾性体90も、陽極84、陰極85および導電性膜86とほぼ同じ投影寸法となるようにしている。
電解部80は、導電性膜86からのイオン供給および電源部100からの電流を受けて、陽極84と導電性膜86との界面87においてオゾンを電気化学的に生成させる電解処理を行うものである。
この電気化学反応は、以下の通りである。
陽極側:3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O2+4H++4e-
陰極側:2H++2e-→H2
給電体83は、例えば、チタンを用いて形成することができ、導電性膜86とは反対側で陽極84と接触するように構成されている。この給電体83の一端にはシャフト取付片83aが形成されており、このシャフト取付片83aには、陽極側給電シャフト83bが溶接等により取り付けられている。このように、シャフト取付片83aに陽極側給電シャフト83bを取り付けることで、陽極側の給電部80cが形成されている。
そして、給電体83は、陽極側給電シャフト83bに接続された陽極102側の導線102aを介して電源部100に電気的に接続されている。
なお、本実施の形態では、陽極側給電シャフト83bは、積層方向Zに延在するようにシャフト取付片83aに取り付けられている。そして、給電体83は、陽極側給電シャフト83bを流路11とは反対側(下側)に向けて延在させた状態で、第2の凹部(電解部収容空間)342内に挿入されている。このとき、電極ケース20の底壁部31には、給電部80cのシャフトが挿通される一対の給電部挿通孔313aが各給電部収容空間342bと連通するように形成されており、一方の給電部挿通孔313aに陽極側給電シャフト83bが挿通されている。そして、陽極側給電シャフト83bにおける電極ケース20の外部に露出した部分に導線102aが接続されている。
陽極84は、例えば、シリコンを用いて形成した幅10mm、長さ50mm程度の導電性基板に導電性ダイヤモンド膜を成膜することで形成することができる。この導電性ダイヤモンド膜は、ボロンドーブ導電性を有するものである。導電性ダイヤモンド膜は、プラズマCVD法によって、3μm程度の膜厚で導電性基板上に形成される。
なお、本実施の形態では、陽極84および陰極85の形状を板状としているが、陽極84や陰極85は、膜状、網目状、線状であってもよい。
導電性膜86は、導電性ダイヤモンド膜が形成された陽極84上に配置されている。この導電性膜86は、プロトン導電型のイオン交換フィルムであり、100〜200μm程度の厚みを有している。そして、この導電性膜86には、図12および図13に示すように、厚み方向(Z方向)に貫通した導電性膜側孔86cが複数形成されている。
本実施の形態では、各導電性膜側孔86cを同一形状に設けている。また、複数の導電性膜側孔86cは、長手方向Xに沿って一列に並ぶように設けている。なお、導電性膜側孔86cの形状および配列は別の形態であってもよい。
陰極85は、導電性膜86上に配置されている。陰極86は、例えば、厚みが0.5mm程度のステンレスの電極板からなるものである。この陰極85には、図12および図13に示すように、厚み方向に貫通した陰極側孔85cが、複数形成されている。
この陰極側孔85cは、導電性膜側孔86cと同一又は互いに近似した開口形状を有している。また、陰極側孔85cは、導電性膜側孔86cの配列と同一ピッチ、同一方向に列設されている。
また、陰極85の一端にはシャフト取付片85eが形成されており、このシャフト取付片85eには、陰極側給電シャフト85fが溶接等により取り付けられている。このように、シャフト取付片85eに陰極側給電シャフト85fを取り付けることで、陰極側の給電部80cが形成されている。
そして、陰極85は、陰極側給電シャフト85fに接続された陰極101側の導線101aを介して電源部100に電気的に接続されている。
なお、本実施の形態では、陰極側給電シャフト85fも、積層方向Zに延在するようにシャフト取付片85eに取り付けられている。そして、陰極85は、陰極側給電シャフト85fを流路11とは反対側(下側)に向けて延在させた状態で、第2の凹部(電解部収容空間)342内に挿入されている。このとき、他方の給電部挿通孔313aに陰極側給電シャフト85fが挿通されており、陰極側給電シャフト85fにおける電極ケース20の外部に露出した部分に導線101aが接続されている。
ここで、本実施の形態では、上述したように、一対の給電部収容空間342bを本体部収容凹部342aの対角部分に形成している。
したがって、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fは、本実施の形態では、電解部80の対角部80eに設けられることとなる。
さらに、本実施の形態では、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fのうちいずれか一方である陽極側給電シャフト83bを電解部80の流入口11a側に設けている。そして、いずれか他方である陰極側給電シャフト85fを電解部80の流出口11b側に設けている。
そして、この電解部80は、複数の溝部82の並設方向を前後方向Xに略一致させた状態で、凹部34内に配置されている。
電源部100は、陽極84と陰極85との間に導電性膜86を介して電位差を生じさせるものである。この電源部100の陽極102側には、陽極84が導線102aを介して電気的に接続されており、電源部100の陰極101側には、陰極85が導線101aを介して電気的に接続されている(図4参照)。この電源部100は図示せぬ配線を介して図示せぬ制御部に電気的に接続させることができ、制御部に接続することにより、電源部100のオン、オフを切り替えたり、出力を変化させたりすることができるようになる。
ここで、本実施の形態では、溝部82の通液方向Xの開口幅L1および流路11の積層方向Zの高さH1のうち少なくともいずれか一方よりも小さい深さD1となるように溝部82を形成している(図8および図20参照)。
すなわち、流路11の積層方向Zの高さH1>溝部82の深さD1、または、溝部82の通液方向Xの開口幅L1>溝部82の深さD1となるように溝部82を形成している。
本実施の形態では、流路11の積層方向Zの高さH1は、上述したように約2mmとなるように設定されている。
また、溝部82の深さD1は、導電性膜86の厚さと陰極85の厚さの和であるため、本実施の形態では、約0.6mm〜約0.7mmとなっている。
また、溝部82の通液方向Xの開口幅L1は、約1.5mmとなっている。
このように、本実施の形態では、流路11の積層方向Zの高さH1>溝部82の深さD1、かつ、溝部82の通液方向Xの開口幅L1>溝部82の深さD1となるように溝部82を形成している。
さらに、本実施の形態では、突起部64が、電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80aのみと接触するようにしている。すなわち、積層方向Zから視た状態で、突起部64の少なくとも電解部80と接触する接触部分64aが溝部82とオーバーラップしないようにしている。
具体的には、図21に示すように、突起部64の少なくとも電解部80との接触部分64aにおける通液方向幅L2が、電解部80における互いに隣り合う溝部82の間の通液方向幅L3よりも小さくなるようにし、突起部64が、電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80aのみと接触するようにしている。
本実施の形態では、突起部64の電解部80との接触部分64aにおける通液方向幅L2は、約1.5mmとなっている。
そして、電解部80における互いに隣り合う溝部82の間の通液方向幅L3が、約2.0mmとなっている。
なお、本実施の形態では、突起部64の先端(下端)から根元部分(上端)までの全ての部位における通液方向幅が溝部82の間の通液方向幅L3よりも小さくなるように、突起部64を形成している。
さらに、本実施の形態では、突起部64の電解部80との接触部分64aの全周を囲うように、電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80aが存在している。こうすることで、突起部64がXY平面上のいずれの方向に位置ずれしたとしても、突起部64の電解部80との接触部分64aの全面を電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80aに接触させることができるようにしている。
また、本実施の形態では、突起部64は、積層方向Zから視た状態で、輪郭形状64bが、頂点部分64cにR部64dが形成された四角形状(多角形状)となるように形成されている。
かかる構成をしたオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、例えば、下記に示す方法で組み立てることができる。
まず、電極ケース20の開口部332a側から弾性体90を凹部34内に挿入させて、弾性体90を第2の凹部(電解部収容空間)342内に配置する。
次に、給電体83を、陽極側給電シャフト83bの先端が下方を向くようにした状態で、電極ケース20の開口部332a側から凹部34内に挿入させつつ、陽極側給電シャフト83bを一方の給電部挿通孔313aに挿通させることで、給電体83の本体部分を弾性体90上に積層する。
次に、電極ケース20の開口部332a側から陽極84を凹部34内に挿入させて、陽極84を給電体83上に積層する。
次に、電極ケース20の開口部332a側から導電性膜86を凹部34内に挿入させて、導電性膜86を陽極84上に積層する。
次に、陰極85を、陰極側給電シャフト85fの先端が下方を向くようにした状態で、電極ケース20の開口部332a側から凹部34内に挿入させつつ、陰極側給電シャフト85fを他方の給電部挿通孔313aに挿通させることで、陰極85の本体部分を導電性膜86上に積層する。
このとき、弾性体90および電解部80を構成する各部材は、ガイド突起(導入ガイド部)353にガイドされながら第2の凹部(電解部収容空間)342内に挿入される。
しかしながら、弾性体90および電解部80を構成する各部材を、単に凹部34内で積層させただけでは、弾性体90がほぼ自由状態(ほとんど弾性変形していない状態)となっている。
したがって、電解部80のうちの少なくとも陰極85が、中間面351よりも上方に浮いた状態となっている(図18参照)。ただし、中間面351よりも上方に浮いた陰極85の長手方向Xへの相対移動は、ガイド突起(導入ガイド部)353によって抑制されている。なお、本実施の形態では、弾性体90および電解部80を構成する各部材は、幅方向側内面321aによって幅方向Yの位置決めがなされている。
その後、電極ケース蓋60を電極ケース20に対して積層方向Zに相対移動させることで、嵌合突部62を開口部332aに嵌合させつつ、溶着用突起62を溝部333aに挿入する。
そして、嵌合突部62を開口部332aに嵌合させつつ、溶着用突起62を溝部333aに挿入した状態で、振動溶着や熱溶着等によって、電極ケース蓋60と電極ケース20とを溶着する。
こうして、電極ケース20の凹部34を電極ケース蓋60によって封止する。
このとき、電解部80の上面(積層方向Zの一方側の面)80aが、延設壁62bおよび突起部64によって下方に押圧されるため、電解部80は、弾性体90を弾性変形させながら全体が第2の凹部(電解部収容空間)342内に挿入されることとなる(図19参照)。
次に、先端電極ケース20の外部に露出する給電部80aのシャフト(陽極側給電シャフト83bや陰極側給電シャフト85f)の先端からOリング314を挿入して、押さえ板収容凹部313に形成されたOリング挿入溝313bに配置する。
そして、給電部80aのシャフト(陽極側給電シャフト83bや陰極側給電シャフト85f)の先端を、押さえ板316に形成されたシャフト挿通孔316aに挿通させて、押さえ板収容凹部313内に押さえ板316を収容する。
そして、押さえ板316に形成されたネジ挿通孔316bおよび押さえ板収容凹部313に形成されたネジ穴313cにネジ315を挿入してネジ止めすることで、押さえ板316を電極ケース20に固定する。
こうして、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1が組み立てられる。このように、本実施の形態にかかるオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、各部材を電極ケース20に対して積層方向Zに相対移動させるだけで組み立てられるようになっている。
なお、上記実施の形態では、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fをシャフト取付片83a,85eに溶接させたものを例示したが、図22のような構成とすることも可能である。
図22では、陽極側給電シャフト83bを給電体83(陽極84)とは別体に設けるとともに、陰極側給電シャフト85fを陰極85とは別体に設けるようにしている。
そして、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた際に、それぞれのシャフトが給電体83および陰極85に接触するようにしている。
なお、図22では、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fの両方とも別体としたものを例示しているが、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fのいずれか一方のみを別体とすることも可能である。
また、図23に示すように、電解部80を構成する各部材のうち少なくともいずれか1つの部材が積層方向Zに湾曲した形状となるようにすることも可能である。
図23では、電解部80を構成する部材のうち積層方向Zの両端に配置される部材である給電体83および陰極85を積層方向Zに湾曲した形状としたものを例示している。なお、図23では、図示省略したが、陰極85には、導電性膜側孔86cと連通する陰極側孔が形成されている。
そして、このように湾曲させた部材を用いてオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた際には、湾曲させた部材がほぼ平坦な板状となるようにしている。
こうすることで、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた際に、導電性膜86に対して押し付け圧が発生するようにしている。
すなわち、図23では、給電体83および陰極85を積層方向Zに湾曲した形状とすることで、給電体83および陰極85に、上記実施の形態で示した弾性体90の機能を持たせている。
このように、給電体83および陰極85の形状を積層方向Zに湾曲した形状とし、この給電体83および陰極85によって導電性膜86に対して押し付け圧が発生するようにすれば、図23に示すように、弾性体90を用いずにオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた場合であっても、電解部80を構成する各部材の密着性をより高めることができるようになる。
なお、図23では、弾性体90を用いずにオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てるようにしたものを例示しているが、給電体83および陰極85の形状を積層方向Zに湾曲した形状としつつ、給電体83の下方に弾性体90を配置させるようにすることも可能である。
また、電解部80を構成する部材の湾曲形状は、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた際に、導電性膜86に対して押し付け圧が発生する形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、図23では、長手方向X(通液方向)に対して直交する方向(積層方向Z)に湾曲させるとともに、導電性膜86側に凸となるように湾曲させているが、導電性膜86側と反対側に凸となるように湾曲させてもよい。また波形等、複数箇所を湾曲させた形状となるようにしてもよい。
また、給電体83および陰極85のうちいずれか一方のみ湾曲させるようにすることも可能であるし、電解部80を構成する他の部材を湾曲させるようにすることも可能である。すなわち、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた際に、導電性膜86に対して押し付け圧が発生する構成であれば、電解部80を構成する部材のうちの任意の部材の形状を湾曲形状とすることができる。
次に、かかる構成をしたオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1の動作、作用について説明する。
まず、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1へ水(液体)を供給するために、流入口11aから流路11へと水(液体)を供給する。
そして、流路11へと供給された水の一部が溝部82内に流入して、溝部82の界面87,88に接触する。
かかる状態(供給された水によって電解部80を水中に浸した状態)で、電源部100をオンにして、電源部100により電解部80の陽極84と陰極85との間に電圧を印加すると、陽極84と陰極85との間には導電性膜86を介して電位差が生じる。このように、陽極84と陰極85との間に電位差を生じさせることで、陽極84、導電性膜86および陰極85が通電し、溝部82内の水中にて電解処理がなされ、導電性膜86と陽極84との界面87,88の近傍でオゾン(電解生成物)が発生する。
このとき印加される電圧は数ボルト〜数十ボルトであり、電圧が高いほど(電流値が高いほど)オゾン(電解生成物)の発生量が大きくなる。
そして、導電性膜86と陽極84との界面87,88の近傍で発生したオゾン(電解生成物)は、水(液体)の流れに沿って流路11の下流側へと運ばれながら水(液体)に溶解する。このように、オゾン(電解生成物)を水(液体)に溶解させることで溶存オゾン水(オゾン水:電解液体)が生成される。
このようなオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、電解液体生成装置で生成された電解液体を利用する電気機器や、電解液体生成装置を備える液体改質装置等に適用することができる。
なお、電気機器や液体改質装置としては、浄水装置等の水処理機器や、洗濯機、食洗機、温水洗浄便座、冷蔵庫、給湯給水装置、殺菌装置、医療用機器、空調機器、または厨房機器等があげられる。
以上、説明したように、本実施の形態にかかるオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、互いに隣り合う電極84,85間に導電性膜86が介在するように積層された積層体81を有し、水(液体)を電解処理する電解部80と、電解部80が内部に配置されるハウジング10と、を備えている。
また、ハウジング10には、通液方向Xが積層体81の積層方向Zと交差する方向となる流路11が形成されている。
この流路11は、上流側配管71の水路(上流側の外部流路)71aに連通されて電解部80に供給される液体が流入する流入口11aと、下流側配管72の水路(下流側の外部流路)72aに連通されて電解部80で生成されるオゾン水(電解液体)が流出する流出口11bと、を有している。
また、電解部80には、流路11に開口するとともに、導電性膜86と電極84,85との界面87,88の少なくとも一部が露出する溝部82が形成されている。
さらに、ハウジング10は、電解部80が挿通可能な開口部332aを有する凹部34が形成され、当該凹部34内に電解部80が収容される電極ケース20と、電極ケース20の開口部332aを覆う電極ケース蓋60と、を備えている。
そして、電解部80は、積層体81の積層方向Zを開口部332aの開口方向と略一致させた状態で凹部34内に収容されている。
これにより、電極ケース蓋60の電極ケース20への取り付け方向を積層体81の積層方向Zと略一致させることができるようになる。その結果、電解部80を構成する各部材および電極ケース蓋60を電極ケース20に対して積層方向Zに相対移動させることで、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てることができるようになる。このように、本実施の形態によれば、より容易に組み立てることのできるオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を得ることができる。
また、本実施の形態では、流路11が、電解部80と電極ケース蓋60との間に形成されるようにしている。
こうすれば、電解部80を凹部34内に収容した状態で電極ケース20の開口部332aを電極ケース蓋60で覆うことで流路11を形成することができるようになる。したがって、より容易に流路11を有するオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てることができるようになる。
ところで、上記特許文献1に開示されている電解液体生成装置では、陽極と導電性膜と陰極とを単に積層させることで電解電極デバイスを形成している。そのため、陽極、導電性膜および陰極を積層する際に、それぞれの部材の位置関係が積層方向Zと交差する方向(XY平面上)にずれてしまうおそれがある。
そして、陽極、導電性膜および陰極を積層する際に、それぞれの部材の位置関係が積層方向Zと交差する方向(XY平面上)にずれてしまうと、陽極、導電性膜および陰極の接触面積が増減してしまい、オゾン水(電解液体)中のオゾン(電解生成物)の濃度が安定しなくなるおそれがある。
特に、各部材が流路幅方向Yにずれてしまうと、溝部内の界面の露出量が大きく変動してしまうため、オゾン水(電解液体)中のオゾン(電解生成物)の濃度がより不安定になってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、電極84,85および導電性膜86が、少なくとも長手方向に延在する側面84b,85b,86bが略同一面となるように積層されるようにしている。
こうすれば、各部材の長手方向に延在する側面84b,85b,86bを面一にさせるだけで、積層体81の流路幅方向Yの位置決めを行うことができるようになるため、積層体81の流路幅方向Yの位置決めをより容易に行うことができる。
そして、オゾン(電解生成物)の発生能力に与える影響が大きい流路幅方向Yへの位置ずれを抑制できるようにすることで、オゾン水(電解液体)中のオゾン(電解生成物)の濃度をより安定させることができるようになる。
また、電極ケース20には、積層体81の積層方向Zに延在し、電解部80の凹部34への挿入をガイドする導入ガイド部353が設けられている。
このように、導入ガイド部353を設けるようにすれば、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てる際に、組み立ての途中で積層体81を構成する各部材の位置がずれてしまうのが抑制され、より容易にオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てることができるようになる。
また、上記特許文献1に開示されている電解液体生成装置では、上述したように、陽極と導電性膜と陰極とを単に積層させることで電解電極デバイスを形成しているため、積層させた各部品間に隙間ができてしまうおそれがある。そして、各部品間に隙間ができてしまうと、積層体の積層面での通電が不均一になってしまうおそれがある。このように、積層体の積層面での通電が不均一になってしまうと、オゾン(電解生成物)の発生効率が低下してしまいおそれがある上、電極および導電性膜の寿命が短くなってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、ハウジング10内に、電解部80における積層体81の積層方向Zの一方側に接する弾性体90を配置させるようにした。
このように、弾性体90を設けることで、電解部80の積層方向Zの一方側を弾性体90で押さえるようにすることができ、電解部80の積層方向Zの寸法バラつきをこの弾性体90で吸収することができるようになる。その結果、電解部80の積層方向Zの位置決めをより容易に行えるようになる。
また、弾性体90を設けることで、電解部80の全体に一定圧力をかけることができるようになるため、各部材の密着性をより高めることができるようになる。このように、各部材の密着性を高めるようにすれば、オゾン(電解生成物)の発生効率をより向上させることができる上、電極および導電性膜の長寿命化を図ることができるようになる。
また、弾性体90により各部材の密着性を高めるようにすれば、構成の簡素化を図りつつ、より容易に、各部材の密着性を高めた電解部80を組み立てることができるようになる。
また、本実施の形態では、電解部80と電極ケース20との間に弾性体90を配置させている。
こうすれば、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てる際に、電極ケース20の内部(凹部34内)に弾性体90を配置させることができるため、より容易にオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てることができるようになる。
また、ハウジング10における開口部332aの周縁部333に、電極ケース20と電極ケース蓋60とが溶着された溶着部17を形成している。
こうすることで、電極ケース蓋60を電極ケース20により容易に取り付けることが可能となって、より容易にオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てることができるようになる。
また、本実施の形態では、電極が陽極84および陰極85を備えている。さらに、電解部80は、陽極84に電気的に接続され、当該陽極84に電圧を印加する陽極側給電シャフト83bと、陰極85に電気的に接続され、当該陰極85に電圧を印加する陰極側給電シャフト85fと、を備えている。
そして、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fを積層方向Zに延在させている。
こうすれば、電解部80を構成する各部材のサイズや位置を一義的に決めることが可能となって、積層時に各部材が位置ずれしてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、電解部80の組み立てや各部材の位置合わせをより容易に行うことができるようになる上、オゾン(電解生成物)をより安定的に生成することができるようになる。
また、本実施の形態では、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fを流路11とは反対側に向けて延在させている。
こうすることで、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fが流路11内に配置されないようにすることができるため、流路11内を流れる水(液体)が滞留してしまうのを抑制することができるようになる。
また、本実施の形態では、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fのうちいずれか一方である陽極側給電シャフト83bを電解部80の流入口11a側に設けている。そして、いずれか他方である陰極側給電シャフト85fを電解部80の流出口11b側に設けている。
こうすれば、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1が大型化してしまうのを抑制しつつ、陽極側給電シャフト83bと陰極側給電シャフト85fとの間の距離を極力大きくすることができる。その結果、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1が大型化してしまうのを抑制しつつ、陽極84と陰極85とが短絡してしまうのを抑制することができるようになる。
また、電解部80は、積層方向Zから視た状態で、通液方向Xが長手方向となる略長方形状をしており、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fを電解部80の対角部80bに設けている。
こうすることで、電極ケース20の流入口側、流出口側の方向性をなくすことが可能となって、より効率的にオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てることができるようになる。
このとき、陽極側給電シャフト83bおよび陰極側給電シャフト85fのうち少なくともいずれか一方のシャフトを電極84,85とは別体に設けるようにすることが可能である。
こうすれば、陽極側給電シャフト83bや陰極側給電シャフト85fを溶接させる必要がなくなる。その結果、電解部80を構成する各部材をより簡単に加工することができるようになって、コストの削減を図ることが可能となる。
また、電解部80を構成する各部材のうち少なくともいずれか1つの部材(給電体83および陰極85)を積層方向Zに湾曲した形状とすることも可能である。
こうすれば、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1を組み立てた際に、電極84,85に対し安定した押し付け圧力を発生させることができるようになる。その結果、電解部80の通電面積をより安定的に確保することができるようになって、オゾン(電解生成物)の生成能力をより安定させることができるようになる。また、電極ケース20内に配置した電解部80をネジ等で締め付ける必要がなくなるため、組立ばらつきが生じてしまうのを抑制することができる上、オゾン(電解生成物)の生成能力をより安定させることができるようになる。さらに、部品点数の削減を図ることができるため、コストの削減を図ることが可能となる。
また、上記特許文献1には、電解電極デバイスを通過する水道水を乱流化させるためのバッフル構造が設けられた電解液体生成装置が開示されており、このようなバッフル構造を設けることで、より効率的に水道水を電気分解させるようにしている。
しかしながら、単に乱流を発生させるだけでは、電解生成物の微細気泡を電極の界面から強制的に剥ぎ取るだけの水力を得ることができず、生成された電解生成物が電極の界面から剥がれずに大きな気泡に成長してしまう場合がある。
このように、電解生成物の気泡が大きく成長すると、電極の界面から剥がれたとしても、液体に溶解されずに液体中を漂ってしまうおそれがあり、液体中の電解生成物の溶解濃度が低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、溝部82の通液方向Xの開口幅L1および流路11の積層方向Zの高さH1のうち少なくともいずれか一方よりも小さい深さD1となるように溝部82を形成した。
このように、流路11の積層方向Zの高さH1>溝部82の深さD1、または、溝部82の通液方向Xの開口幅L1>溝部82の深さD1とすれば、オゾン(電解生成物)が発生する場所(界面87の近傍)の水流が速くなるため、発生したオゾン(電解生成物)を超微細気泡の状態で剥ぎ取ることが可能となる。その結果、オゾン(電解生成物)が液体に溶解されずに液体中を漂ってしまうのが抑制され、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、流路11内を流れる水(液体)が溝部82内で滞留してしまうのを抑制することができるようになるため、かかる点からも、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、上記特許文献1には、陽極、導電性膜および陰極を積層するとともに、導電性膜および陰極に通水孔を設け、通水路(流路)を一経路にした電解液体生成装置も開示されており、かかる構成とすることで、電解液体生成装置の小型化および低コスト化を図っている。
しかしながら、この特許文献1では、流路の高さについては何ら規定されていない。そのため、流路の構成によっては、流路内を流れる液体の流速が著しく遅くなってしまう場合もある。このように、上記特許文献1の構造では、液体中の電解生成物の溶解濃度が低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、積層方向Zの高さが流路幅W1よりも小さい高さH1となるように流路11を形成した。
このように、積層方向Zの高さが流路幅W1よりも小さい高さH1となるように流路11を形成すれば、界面87,88の近傍における表面流速をより速くすることができるようになる。そのため、生成されたオゾン(電解生成物)をより速やかに水(液体)に溶解させることができるようになって、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、上記特許文献1の構造では、上述したように、陽極と導電性膜と陰極とを単に積層させているだけであるため、陽極と導電性膜との接触および導電性膜と陰極との接触が不均一となってしまうおそれがある。
このように、陽極と導電性膜との接触および導電性膜と陰極との接触が不均一になると、電解生成物の溶解濃度が不安定になってしまい、電解生成物の発生効率が低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、電解部80の流路11側の表面80aに突起部64を接触させるようにしている。
このような突起部64を電解部80の流路11側の表面80aに接触させることで、当該突起部64によって電解部80を押圧することができるようになるため、導電性膜86と電極84,85との接触をより均一にすることができるようになる。その結果、電解部80を流れる電流の電流密度をより均等化させることができるようになって、オゾン(電解生成物)の発生効率をより向上させることができるようになる。また、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより安定させることができるようになる。
また、本実施の形態では、流路11の流路幅方向Yの中央部に突起部64を形成している。
このように、電解部80の中央部を突起部64により押圧させるようにすれば、導電性膜86と電極84,85とをより均一に接触させることができるようになる。その結果、電解部80を流れる電流の電流密度をより均等化させることができるようになって、オゾン(電解生成物)の発生効率をより向上させることができるようになる。また、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより安定させることができるようになる。
また、本実施の形態では、通液方向Xに並ぶように複数の突起部64を形成している。
このように、突起部64が電解部80を通液方向Xに沿って押圧するようにすれば、導電性膜86と電極84,85とをより均一に接触させることができるようになる。その結果、電解部80を流れる電流の電流密度をより均等化させることができるようになって、オゾン(電解生成物)の発生効率をより向上させることができるようになる。また、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより安定させることができるようになる。
また、本実施の形態では、積層方向Zから視た状態で、少なくとも電解部80との接触部分64aが溝部82とオーバーラップしないように突起部64を形成している。
こうすることで、溝部82上に突起部64が配置されないようにすることができるため、溝部82内の水(液体)の流れが突起部64によって邪魔されてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、溝部82の界面87,88の近傍に気泡の滞留が発生してしまうのが抑制されて、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、本実施の形態では、溝部82を通液方向Xに並ぶように複数形成している。そして、突起部64の少なくとも電解部80との接触部分64aにおける通液方向幅L2が、電解部80における互いに隣り合う溝部82の間の通液方向幅L3よりも小さくなるようにしている。
こうすれば、オゾン水生成装置(電解液体生成装置)1の組み立て時に突起部64の位置が多少ずれたとしても、溝部82上に突起部64が配置されないようにすることができる。そのため、溝部82の界面87,88の近傍に気泡の滞留が発生してしまうのをより確実に抑制することができ、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
また、本実施の形態では、積層方向Zから視た状態で、輪郭形状64bが、頂点部分64cにR部64dが形成された多角形状となるように突起部64を形成している。
このように、突起部64の輪郭形状64bの頂点部分64cにR部64dを形成することで、突起部64の近傍における液体の流れをよりスムーズにすることができるため、気泡の滞留が発生してしまうのをより確実に抑制することができ、水中(液体中)のオゾン(電解生成物)の溶解濃度をより向上させることができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、オゾンを発生させ、当該オゾンを水に溶解させることでオゾン水を生成するオゾン水生成装置を例示したが、生成させる物質はオゾンに限るものではなく、例えば、次亜塩素酸を生成して殺菌や水処理等に利用するようにしてもよい。また、酸素水、水素水、塩素含有水、過酸化水素水等を生成する装置とすることも可能である。
また、陽極84は、例えば導電性シリコン、導電性ダイヤモンド、チタン、白金、酸化鉛、酸化タンタルなどで構成することも可能であり、電解水を生成することのできる導電性と耐久性を持つ電極であればどのような材料を用いてもよい。また、陽極84をダイヤモンド電極とした場合、その製造方法は成膜による製造方法に限定されるものではない。また、金属以外の材料を用いて基板を構成することも可能である。
また、陰極85は、導電性と耐久性を備えた電極であればよく、例えば白金やチタン、ステンレス、導電性シリコンなどで構成することも可能である。
また、ハウジングや電解部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。