JP6937476B2 - 電解液体生成装置 - Google Patents
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Description
本開示は、電解液体生成装置に関する。
従来、電解液体生成装置として、陽極と、導電性膜と、陰極とを積層させて形成した電解部を有し、当該電解部でオゾン(電解生成物)を生成してオゾン水(電解液体)を得られるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の電解部は、電極としての陰極に形成された孔と導電性膜に形成された孔とを連通させた溝部を有している。そして、電解部に電圧を印加することで、溝部に導入された水を電解処理してオゾンを生成している。
上記従来の技術では、電解部は、外周部をハウジングの内面に接触させた状態で、ハウジング内に収容されている。
しかしながら、電解部の外周部をハウジングの内面に接触させるようにしても、積層時の位置ずれ等によって、電解部の外周部とハウジングの内面との間には、微小な隙間が形成されることになる。したがって、上記従来の技術では、電解部の周囲に形成された微小な隙間に水が浸入して滞留してしまうおそれがある。そして、電解部の周囲に水を滞留させた状態で水を電解処理してオゾンを生成すると、電解部の周囲に滞留した水のpH値が上昇してしまい、主としてカルシウム成分からなるスケールが発生し易くなって、微小な隙間内にスケールが溜まってしまうおそれがある。このように、電解部の周囲に形成された微小な隙間に、水の電気分解により生じるスケールが溜まると、ハウジングや電解部が、微小な隙間に溜まったスケールによって圧迫されて変形してしまうおそれがある。
そこで、本開示は、スケールによるハウジングや電解部の圧迫を抑制することが可能な電解液体生成装置を得ることを目的とする。
本開示の電解液体生成装置は、互いに隣り合う電極間に導電性膜が介在するように積層された積層体を有し、液体を電解処理する電解部と、前記電解部が内部に配置されるハウジングと、を備えている。また、前記ハウジングには、前記電解部に供給される液体が流入する流入口と前記電解部で生成される電解液体が流出する流出口とを有し、通液方向が前記積層体の積層方向と交差する方向となる流路が形成されている。また、前記電解部には、前記流路に開口するとともに、前記導電性膜と前記電極との界面の少なくとも一部が露出する溝部が形成されている。そして、前記互いに隣り合う電極が陰極と陽極であり、前記陰極および前記陽極のうち少なくともいずれか一方の電極の外周部と前記ハウジングの内面との間に、液体の滞留を抑制する空間部が形成されている。
本開示によれば、スケールによるハウジングや電解部の圧迫を抑制することが可能な電解液体生成装置を得ることができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本開示が限定されるものではない。
以下では、電解液体生成装置として、オゾン(電解生成物)を発生させ、当該オゾンを水(液体)に溶解させることでオゾン水(電解水:電解液体)を生成するオゾン水生成装置を例示する。なお、オゾン水は、殺菌や有機物分解に有効であるため水処理分野や食品、医学分野において広く利用されており、残留性がないことや、副生成物を生成しないという利点を有するものである。
また、以下では、流路の延在方向を通液方向(液体が流れる方向)X、流路の幅方向を幅方向(通液方向を横切る方向)Y、電極や導電性膜が積層される方向を積層方向Zとして説明する。なお、本実施形態では、積層方向Zは、電解液体生成装置を電極ケース蓋が上側となるように配置した状態における上下方向が積層方向Zになっている。
本実施形態にかかるオゾン水生成装置1は、図1および図2に示すように、ハウジング10を有しており、このハウジング10の内部に流路11が形成されている。
さらに、流路11が形成されたハウジング10の内部には、電解部50が流路11に臨むように配置されている。そして、流路11内を流れる水が電解部50によって電解処理されるようになっている。本実施形態では、電解部50は、図2および図3に示すように、上面(積層方向Zの一方側の面)50aが流路11に臨むようにハウジング10内に配置されている。
この電解部50は、図1および図2に示すように、陽極(電極)54と陰極(電極)55との間、すなわち、互いに隣り合う電極間に、導電性膜56が介在するように積層された積層体51を有している。
一方、流路11は、電解部50に供給される液体が流入する流入口111と、電解部50で生成されるオゾン水が流出する流出口112と、を備えており、通液方向Xが積層体51の積層方向Zと交差する方向となるようにハウジング10に形成されている。
さらに、積層体51には、流路11に開口するとともに、導電性膜56と電極(陽極54や陰極55)との界面57,58の少なくとも一部が露出する溝部52が複数形成されている(図3参照)。なお、溝部52は、積層体51に少なくとも1個形成されていればよい。
本実施形態では、このような溝部52を積層体51に形成することで、流入口111から流路11内に供給された水を溝部52内に導入できるようにしている。そして、主に溝部52内に導入された水に電気化学反応を起こす電解処理を施すことで、電解生成物としてのオゾンが溶解したオゾン水が生成されるようにしている。
ハウジング10は、例えば、PPS等の非導電性の樹脂を用いて形成することができる。本実施形態では、ハウジング10は、上方に開口して電解部50が収容される凹部23が形成された電極ケース20と、電極ケース20の開口を覆う電極ケース蓋40と、を備えている。
電極ケース20は、図1に示すように、底壁部21と、底壁部21の周縁部に連設された周壁部22と、を備えており、上方に開口する略箱状をしている。すなわち、電極ケース20には、底壁部21の内面21aと周壁部22の内面22aとによって画成され、上方に開口する凹部23が形成されている。
そして、開口側(上側)から電解部50を凹部23内に導入することで、電解部50が凹部23内に収容されるようにしている。なお、凹部23の開口は、積層方向Zに沿って視た電解部50の輪郭形状よりも大きくなるように形成されており、積層方向を上下方向Zに一致させた電解部50をそのままの姿勢で凹部23内に挿入できるようになっている。
さらに、本実施形態では、電解部50は、弾性体60を介して凹部23内に収容されている。すなわち、電解部50は、当該電解部50と電極ケース20との間に弾性体60を介在させるとともに、電解部50の下面50bに弾性体60を当接させた状態で、凹部23内に収容されている。この弾性体60は、例えば、ゴム、プラスチック、金属ばね等の弾力性を有する材料を用いて形成することができる。
また、本実施形態では、電極ケース蓋40を電極ケース20に取り付けた際に、電解部50と電極ケース蓋40との間に流路11が形成されるようにしている。この流路11は、電解部50が臨む部位における断面積(通液方向Xと直交する面で切断したときの流路11の面積)がほぼ同一となるように形成するのが好ましい。
電極ケース蓋40は、略長方形の板状の蓋部本体41と、蓋部本体41の下部中央から下方に突設されて、電極ケース20の凹部23に挿入される突部42と、を備えている。
また、蓋部本体41における突部42の周縁部には、溶着用の嵌合凹部411が全周にわたって形成されている。そして、電極ケース蓋40を電極ケース20に取り付ける際には、電極ケース20の開口の周囲に全周にわたって形成された溶着用の嵌合突部241が、嵌合凹部411に挿入されるようにしている(図2参照)。
本実施形態では、電極ケース20の周壁部22の上端に、外方に向けて略水平に延在するフランジ部24を全周にわたって連設するとともに、このフランジ部24に、上方に突出する嵌合突部241を電極ケース20の開口を囲うように形成している。そして、突部42を凹部23に挿入させつつ、嵌合凹部411に嵌合突部241を挿入した状態で、電極ケース蓋40と電極ケース20とを溶着させている。
なお、電極ケース蓋40と電極ケース20との間にシール材を介した状態で、電極ケース蓋40を電極ケース20にネジ止めすることにより、電極ケース蓋40を電極ケース20に取り付けることも可能である。
また、突部42の下面側における幅方向Yの両端および中央には、電解部50を下方に向けて押圧する突起部421が形成されている。具体的には、弾性体60を介して凹部23内に電解部50を収容し、電極ケース蓋40を電極ケース20に取り付けた際に、電極ケース蓋40に設けられた突起部421によって電解部50が下方に押圧されるようにしている。
このように、本実施形態では、電解部50を下方に押圧することで、弾性体60によって電解部50の全体に一定の圧力がかけられるようにし、電解部50を構成する各部材の密着性をより高められるようにしている。
なお、本実施形態では、弾性体60には、積層方向Zに貫通する貫通穴61が長手方向(通液方向X)に沿って複数形成されており、電解部50によって押圧された際に、弾性体60が貫通穴61側にも変形できるようにしている。このように、弾性体60を貫通穴61側にも変形させることで、電解部50によって押圧された弾性体60による電極ケース20の圧迫が抑制されるようにしている。
また、本実施形態では、蓋部本体41の上面に溝412を設けており、オゾン水生成装置1を固定する際の位置決め、引っかかり、逆入れ防止等に、この溝412を活用できるようにしている。このような溝412を設けるようにすれば、オゾン水生成装置1をオゾンの発生が必要な機器に、より容易に間違えることなく組み込むことが可能になる。
このように、オゾン水生成装置1は、他の機器や設備に組み込まれた状態で使用することが可能である。このオゾン水生成装置1を他の機器や設備に組み込む際には、流入口111が下、流出口112が上になるように立てた状態で配置するのが好ましい。そして、流入口が下、流出口が上となるようにオゾン水生成装置1を配置すれば、電極界面で発生したオゾンを、浮力によって、速やかに電極界面から引き離すことができる。すなわち、電極界面で発生したオゾンを、気泡成長する前に速やかに電極界面より引き離すことができる。これにより、オゾンが水に溶け込みやすくなり、オゾン水の生成効率が向上する。なお、オゾン水生成装置1の配置状態は、これに限るものではなく、適宜の配置が可能である。
次に、電解部50の具体的な構成について説明する。
電解部50は、平面視(積層方向Zから視た状態)で、通液方向Xが長手方向となる略長方形状をしている。そして、この電解部50は、陽極54、導電性膜56、陰極55の順に積層することで構成される積層体51を備えている。このように、本実施形態では、積層体51は、互いに隣り合う電極である陽極54と陰極55との間に導電性膜56が介在するように積層されている。
また、陽極54の下側には給電体53が積層されており、この給電体53を介して陽極54に電気が供給されるようになっている。
本実施形態では、給電体53、陽極54、導電性膜56、および陰極55は、いずれも、通液方向Xを長手方向とし、幅方向Yを短手方向とする長方形の平面形状を有するとともに、積層方向Zに厚さを有する平板形状をしている。なお、陽極54や陰極55は、膜状、網目状、線状であってもよい。
給電体53は、例えば、チタンを用いて形成することができ、導電性膜56とは反対側で陽極54と接触している。また、給電体53の長手方向の一端(通液方向Xの上流側)には、陽極用の給電シャフト53bが渦巻き状のバネ部53aを介して電気的に接続されている。この給電シャフト53bは、底壁部21の通液方向Xの一端側に形成された貫通孔211に挿入されている。そして、給電シャフト53bの電極ケース20の外部に突出する部分が、図示せぬ電力供給部の正極に電気的に接続されている。
陽極54は、例えば、シリコンを用いて形成した幅10mm、長さ100mm程度の導電性基板に導電性ダイヤモンド膜を成膜することで形成することができる。また、例えば、幅10mm、長さ50mm程度のものを2枚並べて形成してもよい。この導電性ダイヤモンド膜は、ボロンドーブ導電性を有するものである。導電性ダイヤモンド膜は、プラズマCVD法によって、3μm程度の膜厚で導電性基板上に形成される。
導電性膜56は、導電性ダイヤモンド膜が形成された陽極54上に配置されている。この導電性膜56は、プロトン導電型のイオン交換フィルムであり、100〜200μm程度の厚みを有している。そして、この導電性膜56には、厚み方向(積層方向Z)に貫通した導電性膜側孔(導電性膜側溝部)56cが複数形成されている。
本実施形態では、各導電性膜側孔56cは、ほぼ同一の形状をしている。具体的には、各導電性膜側孔56cは、幅方向Yに細長い長孔状をしている。そして、複数の導電性膜側孔56cは、長手方向(通液方向X)に沿って所定のピッチで一列に並ぶように設けられている。なお、導電性膜側孔56cの形状および配列は別の形態であってもよい。また、導電性膜側孔56cは、少なくとも1つ形成されていればよい。
陰極55は、導電性膜56上に配置されている。この陰極55は、例えば、厚みが0.5mm程度のチタンの電極板からなるものである。また、陰極55の長手方向の他端(通液方向Xの下流側)には、陰極用の給電シャフト55bが渦巻き状のバネ部55aを介して電気的に接続されている。この給電シャフト55bは、底壁部21の通液方向Xの他端側に形成された貫通孔211に挿入されている。そして、給電シャフト55bの電極ケース20の外部に突出する部分が、図示せぬ電力供給部の負極に電気的に接続されている。
また、陰極55には、厚み方向に貫通した陰極側孔(陰極側溝部:電極側溝部)55eが複数形成されている。本実施形態では、各陰極側孔55eは、ほぼ同一の形状をしている。具体的には、各陰極側孔55eは、平面視で屈曲部55fが下流側に配置されるV字状をしている。そして、複数の陰極側孔55eは、長手方向(通液方向X)に沿って所定のピッチで一列に並ぶように設けられている。なお、陰極側孔55eのピッチは、導電性膜側孔56cと同じピッチとしてもよいし、導電性膜側孔56cとは異なるピッチとしてもよい。また、陰極側孔55eの形状および配列は別の形態であってもよい。また、陰極側孔55eは、少なくとも1つ形成されていればよい。
このように、本実施形態では、平面視(積層体51の積層方向に沿って視た状態)で、導電性膜側孔56cと陰極側孔55eとの形状(輪郭形状や大きさ)が異なるようにしている。こうすることで、導電性膜56が陰極(電極)55に対して、積層方向Zと交差する方向に相対的に位置ずれしたとしても、導電性膜56と陰極(電極)55との接触面積の変化を抑制できるようにしている。なお、平面視における導電性膜側孔56cと陰極側孔55eとの形状(輪郭形状や大きさ)を同一とすることも可能である。
また、導電性膜56および陰極55は、積層した際に、少なくとも相互の孔(陰極側孔55eおよび導電性膜側孔56c)の一部が連通している必要があり、また、電気的な接触面積が十分確保されている必要がある。そして、上記の条件を満たすものであれば、導電性膜56および陰極55は、投影寸法(平面視における大きさ)が同じであってよいし、異なっていてもよい。
本実施形態では、陰極55のほうが、導電性膜56よりも幅方向Yの幅が大きくなるようにしている。
また、陽極54の投影寸法は、導電性膜56や陰極55と同じ大きさでもよいし、異なっていてもよいが、積層した際に、導電性膜側孔56cを下側から塞ぐことができる大きさであることが好ましい。
本実施形態では、陽極54と導電性膜56とが、ほぼ同じ投影寸法となるようにしている。
また、給電体53は、陽極54への電気の供給を効率よく行えるようにするのが好ましく、弾性体60は、給電体53の下面(電解部50の下面50b)の全体によって押圧される程度の投影寸法とするのが好ましい。
本実施形態では、給電体53の幅方向Yの寸法を陽極54および導電性膜56よりも小さくし、弾性体60の幅方向Yの寸法を、陽極54および導電性膜56とほぼ同じ投影寸法となるようにしている。なお、給電体53や弾性体60の投影寸法は、様々な寸法とすることができる。
このような構成をした電解部50は、例えば、下記に示す方法で電極ケース20の凹部23内に収容することができる。
まず、電極ケース20の凹部23内に挿入された弾性体60上に、給電体53を配置する。具体的には、給電体53を、給電シャフト53bの先端が下方を向くようにした状態で、電極ケース20の凹部23内に挿入させつつ、給電シャフト53bを一方の貫通孔211に挿通させることで、給電体53を弾性体60上に積層する。
次に、陽極54を電極ケース20の凹部23内に挿入させて、陽極54を給電体53上に積層する。
次に、導電性膜56を電極ケース20の凹部23内に挿入させて、導電性膜56を陽極54上に積層する。
次に、陰極55を、給電シャフト55bの先端が下方を向くようにした状態で、電極ケース20の凹部23内に挿入させつつ、給電シャフト55bを他方の貫通孔211に挿通させることで、陰極55を導電性膜56上に積層する。
次に、陽極用の給電シャフト53bの電極ケース20の外部に突出する部分および陰極用の給電シャフト55bの電極ケース20の外部に突出する部分に、それぞれ、Oリング31、ワッシャ32、座金33、および六角ナット34を挿入する。こうして、電解部50が、六角ナット34の締め付けにより、弾性体60に押し付けられた状態で、凹部23内に収容固定される。
なお、本実施形態では、電極ケース蓋40を電極ケース20に対して積層方向Zに相対移動させることで、突部42が凹部23に挿入されつつ、溶着用の嵌合凹部411に突部42が挿入されるようにしている。
このように、本実施形態にかかるオゾン水生成装置1は、各部材を電極ケース20に対して上下方向(積層方向Z)に相対移動させるだけで組み立てられるようになっている。
次に、本実施形態で示すオゾン水生成装置1の動作、作用について説明する。
まず、オゾン水生成装置1へ水を供給するために、流入口111から流路11へと水を供給する。そして、流路11へと供給された水の一部が溝部52内に流入して、溝部52の界面57,58に接触する。
このような状態(供給された水によって電解部50を水中に浸した状態)で、図示せぬ電源供給部により電解部50の陽極54と陰極55との間に電圧を印加すると、陽極54と陰極55との間には導電性膜56を介して電位差が生じる。このように、陽極54と陰極55との間に電位差を生じさせることで、陽極54、導電性膜56および陰極55が通電し、主に溝部52内の水中にて電解処理がなされ、導電性膜56と陽極54との界面57の近傍でオゾンが発生する。
そして、導電性膜56と陽極54との界面57の近傍で発生したオゾンは、水の流れに沿って流路11の下流側へと運ばれながら水に溶解する。このように、オゾンを水に溶解させることで溶存オゾン水(オゾン水:電解液体)が生成される。
このようなオゾン水生成装置1は、電解液体生成装置で生成された電解液体を利用する電気機器や、電解液体生成装置を備える液体改質装置等に適用することができる。
なお、電気機器や液体改質装置としては、浄水装置等の水処理機器や、洗濯機、食洗機、温水洗浄便座、冷蔵庫、給湯給水装置、殺菌装置、医療用機器、空調機器、または厨房機器等があげられる。
ここで、本実施形態では、水の電気分解により生じるスケールによって、周壁部22(ハウジング10)や電解部50が圧迫されてしまうことが抑制されるようにした。
具体的には、陰極55および陽極54のうち少なくともいずれか一方の電極の外周部と周壁部22の内面22a(ハウジング10の内面)との間に空間部Sを形成し、電解部50の周囲に水が滞留してしまうことが抑制されるようにした。すなわち、電解部50の周囲と周壁部22(ハウジング10)との間に水を流すための空間部Sを積極的に設けることで、電解部50の周囲における水の滞留を抑制できるようにした。この空間部Sは、オゾン水生成装置1を組み立てる際に生じる製造公差以上の隙間になっている。
本実施形態では、上述したように、陰極55のほうが、導電性膜56よりも幅方向Yの幅が大きくなるようにしている。また、陽極54と導電性膜56とが、ほぼ同じ投影寸法となるようにしている。
そして、積層体51を形成した際に、陰極55の幅方向Yの両端が、陽極54および導電性膜56よりも外側に突出するようにしている。
すなわち、陰極55の外周部(側面)55cは、陽極54の外周部(側面)54aよりも幅方向Y(積層方向Zと交差する方向)の外側に突出している。そして、陰極55における陽極54の外周部54aよりも幅方向Yの外側に突出した部位を陰極側突出部55gとしている。
このように、陰極55の幅方向Yの両端に、陽極54および導電性膜56よりも外側に突出した陰極側突出部55gを形成すれば、積層体51を凹部23に収容した際に、周壁部22の内面22aと陽極54との間に空間部Sが形成されることになる。また、陰極55の陰極側突出部55gよりも下側(積層方向Zの陽極54側)にも、空間部Sが形成されることになる。
このように、本実施形態では、空間部Sが、陽極54の外周部(側面)54aと周壁部22の内面(ハウジング10の内面)22aとの間に形成される陽極側空間部(第2空間部)S2を有している。また、空間部Sは、陰極55よりも積層方向Zの陽極54側に形成される下側空間部(第3空間部)S3も有している。
さらに、本実施形態では、陰極側突出部55gを形成した状態で、陰極55の外周部(側面)55cと周壁部22の内面(ハウジング10の内面)22aとの間にも、製造公差以上の隙間が設けられている。すなわち、空間部Sは、陰極55の外周部(側面)55cと周壁部22の内面(ハウジング10の内面)22aとの間に形成される陰極側空間部(第1空間部)S1を有している。
このように、本実施形態では、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に、陰極側空間部(第1空間部)S1、陽極側空間部(第2空間部)S2および下側空間部(第3空間部)S3を有する空間部Sを形成している。
この空間部Sは、本実施形態では、積層体51の少なくとも長手方向の周囲に形成されている。すなわち、空間部S1の少なくとも一部が、積層体51の幅方向Yの両側に配置されて長手方向(通液方向X)に延在する側面51aに沿うように形成されている。
この空間部S1は、流入口111および流出口112に連通させることで、空間部S1内に導入された水を効率よく流出口112から流出させるようにするのが好ましいが、流路11の途中に連通させるようにしてもよい。
そして、このような空間部Sを形成することで、水の電気分解により生じるカルシウム成分等からなるスケールが、積層体51と周壁部22との間に溜まってしまうことを抑制している。
例えば、導電性膜56と陰極55との界面58の近傍は、pH値が上昇しやすく、スケールが生じやすい部位となっているが、本実施形態で示した空間部Sを形成すれば、界面58の近傍に比較的大きな空間が形成されることになる。すなわち、幅方向Yの外側の界面58は、積層方向Zの陽極54側(下側)に所定の大きさの空間(下側空間S3)が形成されるとともに、幅方向Yの外側に所定の大きさの空間(陽極側空間S2)が形成された状態で、空間部Sに露出している。
さらに、本実施形態では、幅方向Yの外側の界面58は、長手方向(通液方向X)に沿うように空間部Sに露出しており、幅方向Yの外側の界面58のほぼ全体が空間部Sに露出している。
そのため、空間部Sに導入された水は、通液方向Xに沿って下流側へと流れることになる。すなわち、空間部Sに露出する界面58の近傍に導入された水も、比較的速やかに通液方向Xに沿って下流側へと流れることになる。したがって、界面58の近傍で生じたスケールが積層体51やハウジング10に固着する前に、下流側へと流すことができる。このように、本実施形態で示した空間部Sを形成すれば、スケールが生じやすい界面58の近傍に水が滞留してしまうことが抑制され、界面58の近傍で生じたスケールを速やかに下流側へ流すことができる。その結果、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことが抑制されて、周壁部22(ハウジング10)や電解部50がスケールによって圧迫されてしまうことを抑制できるようになる。
なお、空間部Sを設ければ、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことが抑制されるが、積層体51や周壁部22には、比較的少量ではあるがスケールが固着してしまう。したがって、オゾン水生成装置1を長期間使用した場合などには、積層体51や周壁部22に固着したスケールが大きくなって、周壁部22(ハウジング10)や電解部50が圧迫されてしまうこともある。そのため、空間部Sの大きさを、通常の方法でオゾン水生成装置1を想定寿命以上使用した場合でも、固着したスケールによって塞がれない程度の大きさとするのが好ましい。通常の使用方法は、例えば、ハウジング内に供給される水の水質(液体の液質)、ハウジング内を流れる水の平均流速や平均流量、オゾン生成効率(電極間に印加する電圧や電解面積)、想定される使用頻度などに基づき決定することができる。
また、電極ケース20の周壁部22の内側には、上下方向(積層方向Z)に延在する位置決め突起221が長手方向(通液方向X)に沿って複数形成されている(図2参照)。そして、積層時における陽極54の位置ずれが、この位置決め突起221によって抑制されるようにしている(図4参照)。本実施形態では、位置決め突起221は、周壁部22の内面(ハウジングの内面)における積層体51の外周部51aと対向する部位に形成されており、この位置決め突起221が積層体51に向けて突出するハウジング突部に相当している。
そして、このような位置決め突起(ハウジング突部)221を周壁部22に形成することで、積層体51を凹部23内に配置するだけで、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に空間部Sが形成されるようにしている。
また、本実施形態では、導電性膜56の外周部(側面)56aに、逃がし部としての導電性膜側凹部56bが凹状に形成されている。この導電性膜側凹部56bは、積層体51を凹部23内に配置した際に、位置決め突起(ハウジング突部)221と対応する部位に形成されている。
したがって、導電性膜56を凹部23内に挿入して陽極54上に積層した際には、凹状の導電性膜側凹部56bが、周壁部22の位置決め突起221と対向することになる(図5参照)。こうすることで、オゾン水生成時等に水を含んで膨張した導電性膜56が、位置決め突起221と干渉してしまうことを抑制できるようにしている。
また、導電性膜56よりも幅方向Yの幅が大きい陰極55の外周部(側面)55cにも、逃がし部としての陰極側凹部55dが凹状に形成されている。この陰極側凹部55dも、積層体51を凹部23内に配置した際に、位置決め突起(ハウジング突部)221と対応する部位に形成されている。
したがって、陰極55を凹部23内に挿入して導電性膜56上に積層した際には、凹状の陰極側凹部55dが、周壁部22の位置決め突起221と対向することになる(図6参照)。こうすることで、幅方向Yの寸法を大きくした陰極55が位置決め突起221と干渉してしまうことを抑制している。すなわち、陰極55の表面積を極力大きくさせつつ、陰極55と位置決め突起221との干渉を抑制できるように、陰極側凹部55dを形成している。
なお、空間部Sは、陰極55および陽極54のうち少なくともいずれか一方の電極の外周部と周壁部22の内面22a(ハウジング10の内面)との間に形成されていればよく、積層体51は、例えば、図7〜図11に示す構成とすることができる。
まず、図7には、導電性膜56の外周部(側面)56aを、陽極54の外周部(側面)54aよりも幅方向Y(積層方向Zと交差する方向)に突出させた積層体51を開示している。そして、導電性膜56における陽極54の外周部54aよりも幅方向Yの外側に突出した部位を導電性膜側突出部56dとしている。
さらに、図7では、陰極55と導電性膜56とが、ほぼ同じ投影寸法となるようにしている。
このように、図7では、陰極55の幅方向Yの両端に、陽極54よりも外側に突出した陰極側突出部55gを形成しつつ、導電性膜56の幅方向Yの両端に、陽極54よりも外側に突出した導電性膜側突出部56dを形成している。こうすれば、積層体51を凹部23に収容した際に、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に、陰極側空間部S1、陽極側空間部S2および下側空間部S3を有する空間部Sが形成されることになる。
このような構成とすることでも、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
また、導電性膜56を、陰極55の幅方向Yの両端まで拡げることで、陰極側突出部55gの下面にも導電性膜56が接触することになるため、大きくした陰極55の面積をより有効に利用することができる。すなわち、陰極55と導電性膜56との接触面積(電解面積)をより増大させることができる。
また、図8には、本実施形態で説明した積層体51と同様に、陰極55の幅方向Yの両端に、陽極54および導電性膜56よりも外側に突出した陰極側突出部55gを形成した積層体51を開示している。
そして、陰極55の外周部(長手方向に延在する側面)55cを周壁部22の内面22aに接触させつつ、陽極54の外周部54aおよび導電性膜56の外周部56aと周壁部22の内面2aとの間に空間部Sが形成されるようにしている。すなわち、積層体51を凹部23に収容した際に、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に、陽極側空間部S2および下側空間部S3を有する空間部Sが形成されている。
このような構成とすることでも、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
なお、図8に示す構成(陰極55の外周部55cを周壁部22の内面22aに接触させた構成)においても、図7で説明した導電性膜側突出部56dを導電性膜56に形成することが可能である。ただし、周壁部22の内面22aに導電性膜側突出部56dも接触させるようにすると、スケールが生じやすい界面58と周壁部22の内面22aとの間に水が滞留してしまうおそれがある。そのため、導電性膜側突出部56dを形成する際には、導電性膜56の外周部56aと周壁部22の内面2aとの間に、水の滞留を抑制できる程度の隙間(空間部S)が形成されるようにするのが好ましい。
また、図9には、陽極54の外周部54a、陰極55の外周部55cおよび導電性膜56の外周部56aにおける少なくとも長手方向に延在する部位が、略同一面となるようにした積層体51を開示している。そして、陽極54の長手方向に延在する側面54a、陰極55の長手方向に延在する側面55cおよび導電性膜56の長手方向に延在する側面56aと、周壁部22の内面2aとの間に空間部Sが形成されるようにしている。すなわち、積層体51を凹部23に収容した際に、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に、陰極側空間部S1および陽極側空間部S2を有する空間部Sが形成されるようにしている。
このような構成とすることでも、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
また、図10には、陽極54の幅方向Yの大きさを導電性膜56よりも大きくするとともに、陰極55と導電性膜56とをほぼ同じ投影寸法とした積層体51を開示している。
そして、積層体51を形成した際に、陽極54の幅方向Yの両端を、陰極55および導電性膜56よりも外側に突出させ、陽極54における陰極55の外周部55cよりも幅方向Yの外側に突出した部位を陽極側突出部54bとしている。
このように、陽極54の幅方向Yの両端に、陰極55および導電性膜56よりも外側に突出した陽極側突出部54bを形成すれば、積層体51を凹部23に収容した際に、周壁部22の内面22aと陰極55との間に空間部Sが形成されることになる。また、陽極54の陽極側突出部54bよりも上側(積層方向Zの陰極55側)にも、空間部Sが形成されることになる。
このように、図10では、空間部Sが、陰極55の外周部(側面)55cと周壁部22の内面(ハウジング10の内面)22aとの間に形成される陰極側空間部(第1空間部)S1を有している。また、空間部Sは、陽極54よりも積層方向Zの陰極55側に形成される上側空間部(第4空間部)S4も有している。
さらに、図10では、陽極側突出部54bを形成した状態で、陽極54の外周部(側面)54aと周壁部22の内面(ハウジング10の内面)22aとの間にも、製造公差以上の隙間が設けられている。すなわち、空間部Sは、陽極54の外周部(側面)54aと周壁部22の内面(ハウジング10の内面)22aとの間に形成される陽極側空間部(第2空間部)S2を有している。
このように、図10では、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に、陰極側空間部(第1空間部)S1、陽極側空間部(第2空間部)S2および上側空間部(第4空間部)S4を有する空間部Sを形成している。
このような構成とすることでも、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
なお、図10に示す構成において、図7で説明した導電性膜側突出部56dを導電性膜56に形成することが可能である。すなわち、陽極54の幅方向Yの両端に、陰極55よりも外側に突出した陽極側突出部54bを形成しつつ、導電性膜56の幅方向Yの両端に、陰極55よりも外側に突出した導電性膜側突出部56dを形成することができる。
このような構成とすることでも、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
また、導電性膜56を、陽極54の幅方向Yの両端まで拡げることで、陽極側突出部54bの上面にも導電性膜56が接触することになるため、大きくした陽極54の面積をより有効に利用することができる。すなわち、陽極54と導電性膜56との接触面積(電解面積)をより増大させることができる。
また、図11では、図10で説明した積層体51と同様に、陽極54の幅方向Yの両端に、陰極55および導電性膜56よりも外側に突出した陽極側突出部54bを形成した積層体51を開示している。
そして、陽極54の外周部(長手方向に延在する側面)54aを周壁部22の内面22aに接触させつつ、陰極55の外周部55cおよび導電性膜56の外周部56aと周壁部22の内面2aとの間に空間部Sが形成されるようにしている。すなわち、積層体51を凹部23に収容した際に、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に、陰極側空間部S1および上側空間部S4を有する空間部Sが形成されるようにしている。
このような構成とすることでも、積層体51と周壁部22との間にスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
なお、図11に示す構成(陰極55の外周部55cを周壁部22の内面22aに接触させた構成)においても、図7で説明した導電性膜側突出部56dを導電性膜56に形成することが可能である。ただし、周壁部22の内面22aに導電性膜側突出部56dも接触させるようにすると、スケールが生じやすい界面58と周壁部22の内面22aとの間に水が滞留してしまうおそれがある。そのため、導電性膜側突出部56dを形成する際には、導電性膜56の外周部56aと周壁部22の内面2aとの間に、水の滞留を抑制できる程度の隙間(空間部S)が形成されるようにするのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態にかかるオゾン水生成装置(電解液体生成装置)1は、陽極54と陰極55との間(互いに隣り合う電極間)に導電性膜56が介在するように積層された積層体51を有し、水(液体)を電解処理する電解部50を備えている。また、オゾン水生成装置1は、電解部50が内部に配置されるハウジング10を備えている。
また、ハウジング10には、電解部50に供給される水が流入する流入口111と電解部50で生成されるオゾン水(電解水:電解液体)が流出する流出口112とを有し、通液方向Xが積層体51の積層方向Zと交差する方向となる流路11が形成されている。
また、電解部50には、流路11に開口するとともに、導電性膜56と電極との界面57,58の少なくとも一部が露出する溝部52が形成されている。
また、本実施形態では、互いに隣り合う電極が陰極55と陽極54であり、陰極55および陽極54のうち少なくともいずれか一方の電極の外周部と周壁部22の内面(ハウジングの内面)22aとの間に、水の滞留を抑制する空間部Sが形成されている。
また、空間部Sが、陰極55の外周部55cと周壁部22の内面(ハウジングの内面)22aとの間に形成される陰極側空間部(第1空間部)S1を有するようにしてもよい。
また、空間部Sが、陽極54の外周部54aと周壁部22の内面(ハウジングの内面)22aとの間に形成される第2空間部S2を有するようにしてもよい。
また、空間部Sが、陰極55よりも積層方向Zの陽極54側に形成される下側空間部(第3空間部)S3を有するようにしてもよい。
このような空間部Sを電解部50の周辺に形成すれば、電解部50の周辺に水が滞留してしまうことを抑制することができる。そして、電解部50の周辺に水が滞留しないようにすれば、電解部50の周辺や周壁部22(ハウジング10)へのスケールの固着が抑制されることになる。
また、仮に、電解部50の周辺や周壁部22にスケールが固着したとしても、電解部50と周壁部22との間には、空間部Sが形成されているため、電解部50や周壁部22のスケールによる圧迫が抑制されて、電解部50の変形(撓み等)が抑制される。そして、電解部50の変形が抑制されると、陽極54と導電性膜56との接触および導電性膜56と陰極55との接触が不均一になってしまうことが抑制されることになる。すなわち、陽極54と導電性膜56とをより均等に接触させることができる上、導電性膜56と陰極55とをより均等に接触させることができる。
このように、電解部50と周壁部22との間に空間部Sを形成すれば、スケールが固着することによる電解部50の変形が抑制されて、電解部50における積層体51の接触をより均等にすることができる。そして、積層体51の接触をより均等にすることで、通電面積(例えば、導電性膜56と陰極55との電解面積)をより安定的に確保できるようになる。そして、通電面積をより安定的に確保できるようにすれば、電解部50を流れる電流の電流密度をより均等にすることができ、オゾン(電解生成物)の生成効率をより安定化させることができる。
このように、本実施形態によれば、スケールによる周壁部22(ハウジング10)や電解部50の圧迫を抑制することが可能なオゾン水生成装置1を得ることができる。
また、陰極55の外周部55cを、陽極54の外周部54aよりも幅方向Y(積層方向Zと交差する方向)に突出させてもよい。
こうすれば、陽極54の外周部54aよりも幅方向Yに突出させた分だけ陰極55の面積が増えるため、陰極55を流れる電流の電流密度が低下して、陰極55の周辺に電気分解により生じたスケールが溜まってしまうことを抑制することができる。
また、導電性膜56の外周部56aを、陽極54の外周部54aよりも幅方向Y(積層方向Zと交差する方向)に突出させてもよい。
こうすることでも、電解部50や周壁部22のスケールによる圧迫が抑制されて、オゾン(電解生成物)の生成効率をより安定化させることができる。
また、陰極55および導電性膜56の幅方向Yの大きさを、陽極54よりも大きくすれば、陰極55の幅方向Yの両端側の下面にも導電性膜56が接触することになるため、大きくした陰極55の面積をより有効に利用することができる。すなわち、陰極55と導電性膜56との接触面積(電解面積)をより増大させることができる。
また、空間部Sが、積層体51の少なくとも長手方向の周囲に形成されるようにしてもよい。
こうすれば、電解部50の周辺における水の滞留をより確実に抑制することができ、オゾン(電解生成物)の生成効率をより一層安定化させることができる。
また、周壁部22の内面(ハウジングの内面)22aにおける積層体51の外周部51aと対向する部位に、積層体51に向けて突出する位置決め突起(ハウジング突部)221を形成してもよい。
こうすれば、積層体51を凹部23内に配置するだけで、積層体51の外周部(側面)51aと周壁部22の内面22aとの間に空間部Sを形成することができるため、より確実に、積層体51と周壁部22との間に隙間(空間部S)を確保することができる。
また、陰極55の外周部55cにおける位置決め突起(ハウジング突部)221と対応する部位に陰極側凹部55dを形成してもよい。
こうすれば、陰極55を凹部23内に配置する際に、陰極55が位置決め突起(ハウジング突部)221と干渉してしまうことを抑制することができるため、表面積を極力大きくさせた陰極55を凹部23内に配置させることができる。
また、導電性膜56の外周部56aにおける位置決め突起(ハウジング突部)221と対応する部位に導電性膜側凹部56bを形成してもよい。
こうすれば、オゾン水生成時等に水を含んで膨張した導電性膜56が、位置決め突起(ハウジング突部)221と干渉してしまうことを抑制することができる。すなわち、膨張した導電性膜56が、位置決め突起(ハウジング突部)221と干渉して変形してしまうことを抑制することができる。その結果、積層体51の接触をより均等にすることができ、オゾン(電解生成物)の生成効率をより安定化させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、オゾンを発生させ、当該オゾンを水に溶解させることでオゾン水を生成するオゾン水生成装置を例示したが、生成させる物質はオゾンに限るものではなく、例えば、次亜塩素酸を生成して殺菌や水処理等に利用するようにしてもよい。また、酸素水、水素水、塩素含有水、過酸化水素水等を生成する装置とすることも可能である。
なお、これらの電解液体生成装置についても、他の機器や設備に組み込まれた状態で使用することが可能である。そして、電解液体生成装置を他の機器や設備に組み込む際には、オゾン生成装置1と同様に、流入口が下、流出口が上になるように立てた状態で配置するのが好ましいが、これに限るものではなく、適宜の配置が可能である。
また、陽極54は、例えば導電性シリコン、導電性ダイヤモンド、チタン、白金、酸化鉛、酸化タンタルなどで構成することも可能であり、電解水を生成することのできる導電性と耐久性を持つ電極であればどのような材料を用いてもよい。また、陽極54をダイヤモンド電極とした場合、その製造方法は成膜による製造方法に限定されるものではない。また、金属以外の材料を用いて基板を構成することも可能である。
また、陰極55は、導電性と耐久性を備えた電極であればよく、例えば白金やチタン、ステンレス、導電性シリコンなどで構成することも可能である。
また、上記実施形態では、周壁部22に、積層方向Zに延在する位置決め突起(ハウジング突部)221を設けたものを例示したが、ハウジング突部の形状は、様々な形状とすることができる。例えば、長手方向(通液方向X)に延在するハウジング突部を、周壁部22における陽極54の外周部(長手方向に延在する側面)54aと対応する部位に設けるようにしてもよい。こうすれば、より確実に、積層体51と周壁部22との間に空間部Sを確保することができる上、空間部S内の水(液体)の流れが、ハウジング突部によって阻害されてしまうことを抑制することができる。
また、ハウジングや電解部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
1 オゾン水生成装置(電解液体生成装置)
10 ハウジング
11 流路
111 流入口
112 流出口
22 周壁部
22a 内面(ハウジングの内面)
221 位置決め突起(ハウジング突部)
50 電解部
51 積層体
51a 外周部(側面)
52 溝部
54 陽極(電極)
54a 外周部(側面)
54b 陽極側突出部
55 陰極(電極)
55c 外周部(側面)
55d 陰極側凹部
56 導電性膜
56a 外周部(側面)
56b 導電性膜側凹部
57 界面(導電性膜と陽極との界面)
58 界面(導電性膜と陰極との界面)
S 空間部
S1 陰極側空間部(第1空間部)
S2 陽極側空間部(第2空間部)
S3 下側空間部(第3空間部)
X 通液方向(液体の通液方向)
Y 幅方向
Z 積層方向
10 ハウジング
11 流路
111 流入口
112 流出口
22 周壁部
22a 内面(ハウジングの内面)
221 位置決め突起(ハウジング突部)
50 電解部
51 積層体
51a 外周部(側面)
52 溝部
54 陽極(電極)
54a 外周部(側面)
54b 陽極側突出部
55 陰極(電極)
55c 外周部(側面)
55d 陰極側凹部
56 導電性膜
56a 外周部(側面)
56b 導電性膜側凹部
57 界面(導電性膜と陽極との界面)
58 界面(導電性膜と陰極との界面)
S 空間部
S1 陰極側空間部(第1空間部)
S2 陽極側空間部(第2空間部)
S3 下側空間部(第3空間部)
X 通液方向(液体の通液方向)
Y 幅方向
Z 積層方向
Claims (10)
- 互いに隣り合う電極間に導電性膜が介在するように積層された積層体を有し、液体を電解処理する電解部と、
前記電解部が内部に配置されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングには、前記電解部に供給される液体が流入する流入口と前記電解部で生成される電解液体が流出する流出口とを有し、通液方向が前記積層体の積層方向と交差する方向となる流路が形成されており、
前記電解部には、前記流路に開口するとともに、前記導電性膜と前記電極との界面の少なくとも一部が露出する溝部が形成されており、
前記互いに隣り合う電極が陰極と陽極であり、
前記陰極および前記陽極のうち少なくともいずれか一方の電極の外周部と前記ハウジングの内面との間に、液体の滞留を抑制する空間部が形成されていることを特徴とする電解液体生成装置。 - 前記空間部は、前記陰極の外周部と前記ハウジングの内面との間に形成される第1空間部を有することを特徴とする請求項1に記載の電解液体生成装置。
- 前記空間部は、前記陽極の外周部と前記ハウジングの内面との間に形成される第2空間部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解液体生成装置。
- 前記陰極の外周部が、前記陽極の外周部よりも前記積層方向と交差する方向に突出していることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
- 前記空間部は、前記陰極よりも前記積層方向の前記陽極側に形成される第3空間部を有することを特徴とする請求項4に記載の電解液体生成装置。
- 前記導電性膜の外周部が、前記陽極の外周部よりも前記積層方向と交差する方向に突出していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電解液体生成装置。
- 前記空間部は、前記積層体の少なくとも長手方向の周囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
- 前記ハウジングの内面における前記積層体の外周部と対向する部位に、前記積層体に向けて突出するハウジング突部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
- 前記陰極の外周部における前記ハウジング突部と対応する部位に陰極側凹部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の電解液体生成装置。
- 前記導電性膜の外周部における前記ハウジング突部と対応する部位に導電性膜側凹部が形成されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電解液体生成装置。
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