JP6982170B2 - 鞍乗型電動車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型電動車両に関する。
電動モータを走行駆動源とする鞍乗型電動車両として、電動モータに電力を供給するバッテリと、バッテリから電動モータに供給される電力を制御する制御ユニットとが搭載される鞍乗型電動車両が知られている(例えば特許文献1)。
国際公開第2012/063291号
バッテリから電動モータに供給される電力を制御する制御ユニットは、電気接続部材を介して電動モータと接続される。電気接続部材の長さは電動モータと制御ユニットとの距離に依存し、電気接続部材が長くなるとコストの増大や重量増加につながる場合がある。
本発明は、電気接続部材の長さをより短くできる鞍乗型電動車両を提供することを目的とする。
本発明によれば、
前輪および後輪と、
前記前輪を操舵する操舵機構を支持するヘッドパイプと、
該ヘッドパイプに接続し車両前後方向に延びるメインフレームと、
前記後輪の回転駆動力を出力する電動モータを有するモータユニットと、
前記モータユニットに電力を供給するバッテリと、
前記モータユニットと電気接続部材を介して接続され、前記モータユニットの駆動制御を行う制御ユニットと、
を備えた鞍乗型電動車両であって、
前記モータユニットおよび前記バッテリが、前記前輪と前記後輪との間において、前記メインフレームに支持され、
前記制御ユニットは、車両側面視で、前記モータユニットと重なる第一の部分と、前記モータユニットと重ならない第二の部分と、を含み、
前記電気接続部材は、前記第一の部分と前記モータユニットとを接続し、
前記モータユニットは、前記第一の部分と対向する対向面を有し、
前記第一の部分は、前記対向面よりも車幅方向外側に配置される、
ことを特徴とする鞍乗型電動車両が提供される。
また、本発明によれば、
前輪および後輪と、
前記前輪を操舵する操舵機構を支持するヘッドパイプと、
該ヘッドパイプに接続し車両前後方向に延びるメインフレームと、
前記後輪の回転駆動力を出力する電動モータを有するモータユニットと、
前記モータユニットに電力を供給するバッテリと、
前記モータユニットと電気接続部材を介して接続され、前記モータユニットの駆動制御を行う制御ユニットと、
を備えた鞍乗型電動車両であって、
前記モータユニットおよび前記バッテリが、前記前輪と前記後輪との間において、前記メインフレームに支持され、
前記制御ユニットは、車両側面視で、前記モータユニットと重なる第一の部分と、前記モータユニットと重ならない第二の部分と、を含み、
前記電気接続部材は、前記第一の部分と前記モータユニットとを接続し、
前記モータユニットは、前記電動モータを収容するモータ収容部と、
前記モータ収容部よりも車幅方向外側へ突出し、前記電動モータの回転駆動力を減速するリダクションギアを収容するギア収容部と、を含み、
前記制御ユニットは、前記ギア収容部の車両前後方向前側に配置され、車両側面視で前記モータ収容部と重なる、
ことを特徴とする鞍乗型電動車両が提供される。
本発明によれば、電動モータと制御ユニットとを接続する電気接続部材の長さをより短くできる鞍乗型電動車両を提供することができる。
一実施形態に係る鞍乗型電動車両の左側面図。 図1のI−I線断面図であって一部の構成を省略した図。 図1のII−II線断面図であって一部の構成を省略した図。 一実施形態に係るモータユニットの斜視図。
図面を参照して本発明の実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。各図において、矢印X、Y、Zは互いに直交する方向を示し、X方向は鞍乗型車両の前後方向、Y方向は鞍乗型車両の車幅方向(左右方向)、Z方向は上下方向を示す。以下、鞍乗型車両の前後方向の前方または後方を単に前方または後方と、鞍乗型車両の車幅方向(左右方向)の内側または外側を単に内側または外側と呼ぶことがある。また、左右一対で設けられるものにおいて、左右のいずれかで説明したものは他方については不図示もしくは説明を省略する場合がある。
<鞍乗型車両の概要>
図1は本発明の一実施形態に係る鞍乗型電動車両1の左側面図である。同図は鞍乗型電動車両1の要部を中心に表した概略図である。以下、鞍乗型電動車両1のことを車両1と呼ぶ場合がある。
車両1は車体フレーム10として、車両前部に設けられるヘッドパイプ11、ヘッドパイプ11に接続し前後方向に延びるメインフレーム12、メインフレーム12よりも下側において前後方向に延びるダウンフレーム13、およびメインフレーム12から後方に延びるシートフレーム14を含む。また、メインフレーム12とダウンフレーム13とはそれぞれの後端部同士で接続されている。
図1とともに図2を参照する。図2は図1のI−I線断面図であって一部の構成を省略した図である。本実施形態のメインフレーム12は、ヘッドパイプ11から車両1の左側を通って延びる左側フレーム部分121と、ヘッドパイプ11から車両1の右側を通って延びる右側フレーム部分122とを含み、これらのフレーム部分は車幅方向に(左右に)離間して形成されている。左側フレーム部分121及び右側フレーム部分122は、それぞれ、前方フレーム部分123と、後方フレーム部分124とを含む。
本実施形態の前方フレーム部分123は、ヘッドパイプ11の上部から車両斜下後方に延びる上側部分123aとヘッドパイプ11の下部から車両斜下後方に延びる下側部分123bとを含む。上側部分123aと下側部分123bとは前方フレーム部分123の後端部126において接続され、また、途中の部位でも接続されている。このような構成とすることで、軽量化を図りつつ、メインフレーム12の剛性を高めることができる。
なお、本実施形態では、メインフレーム12がヘッドパイプ11から左右に分かれて車両斜下後方に延びており、メインフレーム12が全領域にわたって左側フレーム部分121と右側フレーム部分122に分かれて形成されている。しかし、ヘッドパイプ11から単一のフレーム部分が後方に延びてから、左側フレーム部分121および右側フレーム部分122に分岐するように形成される構成や、分岐しない構成も採用可能である。また、本実施形態では前方フレーム部分123は、ヘッドパイプ11の上部から上側部分123aが、下部から下側部分123bが、それぞれ左右に分かれて後方に延びているが、ヘッドパイプ11から左右に一本ずつ後方に延びる構成も採用可能である。
左右の後方フレーム部分124は、前方フレーム部分123の後端部126からそれぞれ上下に延びて形成され、その上部においてリアサスペンション21を支持している。また、後方フレーム部分124は、前方フレーム部分123の後端部126の下方において後述のリアスイングアーム19を支持するピボット軸125を有する。さらに、後方フレーム部分124は、その下端においてダウンフレーム13の後端と接続している。なお、前方フレーム部分123と後方フレーム部分124とは一体的に形成してもよく、それぞれ別体に形成して溶接等の冶金的接合やボルト締結等の機械的接合等によって接合してもよい。
ダウンフレーム13は、メインフレーム12よりも下側において車両前後方向に延びて設けられている。ダウンフレーム13はメインフレームの下部から下方に延び、その下端から後方に延びて後方フレーム部分124の下端に接続する。また、ダウンフレーム13は左側ダウンフレーム部分131と右側ダウンフレーム部分132とを含む。
本実施形態では、ダウンフレーム13はメインフレーム12の下部から下方に延びているが、ヘッドパイプ11から下方に延びる構成も採用可能である。また、ダウンフレーム13は全体にわたって左側フレーム部分121と右側フレーム部分122とに分かれて形成されているが、ヘッドパイプ11またはメインフレーム12から一本のフレームで下方に延びてから左側フレーム部分121と右側フレーム部分122とに分岐するように形成される構成も採用可能である。
左右一対のシートフレーム14は、メインフレーム12の左側フレーム部分121および右側フレーム部分122からそれぞれ後方に延びるように設けられ、シート4を支持している。また、左右一対のシートフレーム14より下側において、左側フレーム部分121および右側フレーム部分122と、左右一対のシートフレーム14とに接続するサブフレーム15が設けられている。
ヘッドパイプ11は、前輪FWを操舵する操舵機構18を支持している。操舵機構18は、ヘッドパイプ11に回動可能に支持されるステアリングステム181を含み、その上端部および下端部にトップブリッジ182およびボトムブリッジ183がそれぞれ取り付けられている。トップブリッジ182には運転者が前輪FWを操舵するハンドル184が設けられている。トップブリッジ182およびボトムブリッジ183により左右一対のフロントフォーク185が支持されている。フロントフォーク185は車両斜下前方へ延び、下端に前輪が回転可能に支持されている。
リアスイングアーム19は、その前端部において、後方フレーム部分124に設けられたピボット軸125に揺動自在に支持されている。リアスイングアーム19の後端部には後輪RWが回転可能に支持され、モータユニット30のドライブスプロケット323と後輪RWの従動スプロケット22とに巻きかけられるチェーン23によって後輪RWが回転駆動される。リアスイングアーム19は、その上部においてリアサスペンション21を支持する支持部191を有しており、その搖動がリアサスペンション21により減衰される。
図1、図2と共に図4を参照する。図4はモータユニット30の斜視図である。モータユニット30はドライブスプロケット323の回転駆動力を出力する電動モータ31を含む。また、電動モータ31はモータ収容部31aに収容されている。本実施形態の場合、モータ収容部31aが略円筒形状を有し、取付時にその底面がXZ平面に略平行となるように配置されている。
また、モータユニット30は、モータ収容部31aから車幅方向に突出し、電動モータ31の回転駆動力を減速する減速部32を含む。減速部32は、ケース部321と、モータ軸311の回転を減速するリダクションギア(不図示)と、リダクションギア(不図示)により減速された後の駆動力を出力する出力軸322を含む。本実施形態では、モータ軸311に対し出力軸322が車両後方に位置している。減速部32の出力軸322にはドライブスプロケット323が取付けられている。出力軸322はピボット軸125の前方にあり、後輪RWの中心、ピボット軸125および出力軸322が同一直線上(二点鎖線L上)に位置するように配置されている。
モータユニット30の底部にはオイルパン33が形成され、このオイルパン33内に貯留されたオイルがオイルポンプ34により吸入、吐出されてモータユニット30内部の潤滑および冷却を行う。モータユニット30内各部に供給されたオイルは、自然滴下等によりオイルパン33に戻される。
モータユニット30は、その上部にモータユニット30の内部と外部とを連通して気液分離するブリーザ室37を有している。また、モータユニット30はオイルフィルタ36を含み、モータユニット30内を循環するオイルを浄化する。
バッテリ16はモータユニット30に供給する電力を蓄電する。制御ユニット40は、バッテリ16を電源としてモータユニット30、特に電動モータ31に対する電力の供給制御(駆動制御)を運転者のアクセル操作等に応じて行う。モータユニット30と制御ユニット40とは電気接続部材であるバスバー42によって接続され、バスバー42を介して制御ユニット40からモータユニット30へ電力が供給される。本実施形態では、電気接続部材としてバスバーを採用しているが、可撓性を有するハーネス等、電気信号を伝達可能な他の種類の電気接続部材であってもよい。また、モータユニット30や制御ユニット40は、駆動により発熱するが、熱交換器24とこれらを循環する冷却媒体により冷却され、高温となることが抑制される。
<モータユニットおよび制御ユニットの配置構成>
図1ないし図3を参照する。図3は図1のII−II線断面図で一部の構成を省略した図である。
本実施形態の場合、バッテリ16、モータユニット30及び制御ユニット40の収容部10aが主にメインフレーム12、ダウンフレーム13により画定されている。収容部10aの車幅方向の左側については、本実施形態の場合、ヘッドパイプ11、左側フレーム部分121、左側ダウンフレーム部分131をループ状に連結することで規定され、右側についても、同様に、ヘッドパイプ11、右側フレーム部分122、右側ダウンフレーム部分132をループ状に連結することで規定されている。このようなフレームのループによって、バッテリ16、モータユニット30及び制御ユニット40の側面の保護性能を高めることができる。収容部10aの上下方向の下限はダウンフレーム13で規定され、上側は車体フレーム10としては開放される一方、カバー部材17により規定されている。
そして、この収容部10a内に、バッテリ16、モータユニット30及び制御ユニット40が収容される。バッテリ16は、車両上面視で前方フレーム部分123の左側フレーム部分121および右側フレーム部分122の間に配置され、かつ、不図示の固定構造を介して左側フレーム部分121および右側フレーム部分122に支持されている。そして、バッテリ16のみ、カバー部材17で覆いつつ、前方フレーム部分123よりも上方まで突出して配置されている。バッテリ16については、前方フレーム部分123よりも上方まで突出させることで、より大型のバッテリを搭載できる。
本実施形態では、収容部10a内において、モータユニット30と制御ユニット40とを接続し、制御ユニット40からモータユニット30へ電力を供給するバスバー42電気接続部材をより短くするために、以下の配置構成を採用している。すなわち、本実施形態では、制御ユニット40は、車両側面視で、モータユニット30と重なる部分40aと、モータユニット30と重ならない部分40bと、を含み、バスバー42は、部分40aとモータユニット30とを接続する。部分40aとモータユニット30とは、車両側面視で重なるため、近接配置が可能である。したがって、バスバー42をより短くすることができる。
本実施形態の場合、モータユニット30側のバスバー接続部38が、モータユニット30上部の、部分40aと車幅方向に重なる範囲に設けられている。すなわち、バスバー接続部38および制御ユニット40側の接続部48は、いずれも車両側面視で部分40aとモータユニット30が重なる位置に設けられている。したがって、バスバー接続部38と接続部48の前後方向の距離を短くでき、バスバー42を短くすることができる。
また、本実施形態の場合、モータユニット30と制御ユニット40とが重なる位置において、モータユニット30の左側方に制御ユニット40が配置されている。モータユニット30は、車両1の左側においてドライブスプロケット323にチェーン23が巻きかけられるので、車幅方向左側に偏って配置されている。制御ユニット40は車幅方向左側に偏って配置されたモータユニット30のさらに左側方に位置するので、車両側面視で重なる部分において、部分40aとモータユニット30とが近接して配置される。したがって、バスバー42を短くすることができる。
さらに、本実施形態の場合、モータユニット30のモータ収容部31aが部分40aと車両側面視で重なるように配置され、バスバー接続部38がモータ収容部31aの上部に設けられている。バスバー42はモータユニット30内部のモータ配線と接続する必要があるが、部分40aがモータ収容部31aと車両側面視で重なることによって、バスバーを短くできるとともに、モータユニット30内部のモータ配線を簡素化することができる。
バスバー接続部38の配置の態様としては、例えば、減速部32の上部等、部分40aと前後方向に重なる位置に配置してもよい。本実施形態の場合、モータユニット30および制御ユニット40が前後方向にも近接して配置されているので、バスバー接続部38部分40aと前後方向に重なる位置に配置される態様でも、バスバー42を短くすることができる。
また、本実施形態の場合、モータユニット30および制御ユニット40の上部にバスバー42を設けて互いに固定している。しかし、モータユニット30および制御ユニット40が互いに重なる面に、組付け時に互いに重なる位置に電気信号を伝達可能な電気接続部材を含む係合部をそれぞれ設け、組付け状態において互いに係合する構成も採用可能である。
また、モータユニット30の内部には電動モータ31の回転角を検知するレゾルバ35が設けられ、車両前方を向く面にはモータ側接続端子351が設けられている。制御ユニット40の部分40bのモータユニット30側を向く面には、制御ユニット側接続部451が設けられている。モータ側接続端子351と制御ユニット側接続部451とは電気信号を伝達可能なワイヤハーネス352によって接続される。なお、モータ側接続端子351および制御ユニット側接続端子451の配置場所の態様としては、例えば、モータユニット30および制御ユニット40の上部にそれぞれ設ける態様でもよい。
なお、本実施形態の場合、部分40aは、車両側面視でモータユニット30の前側の部分と重なっているが、車両側面視でモータユニット30の後側、上側または下側において重なる構成であってもよい。また、本実施形態の場合、部分40aはモータユニット30の車両側面視で重なる部分の左側方に配置されているが、右側方に配置してもよい。これらの態様においても、電気接続部材の長さを短くすることができる。
また、本実施形態では、制御ユニット40の一部がモータユニット30に対して車両側面視で重なっているので、車両前後方向あるいは上下方向に、バッテリ16の配置スペースをより広く確保できる。したがって、より容量の大きいバッテリを搭載することができる。
本実施形態の場合、モータユニット30は、収容部10a内において、後方フレーム部分124の前方に配置される。また、制御ユニット40は、その前端がモータユニット30の前端よりも前方に位置し、その上端がモータユニット30の上端よりも下方に位置するように配置される。このような配置により、モータユニット30および制御ユニット40が収容部10a内の下側の領域に集中して配置されるので、これらより上側の部分をバッテリ16の収容スペースをとして確保することができる。
本実施形態の場合、部分40aが、減速部32の前側においてモータ収容部31aと車両側面視で重なるように配置されている。このため、減速部32の前方のスペースを活用することができ、バッテリ16の収容スペースをより大きく確保することができる。
また、図2で示すように、車両上面視では、モータユニット30および制御ユニット40は、Y方向で左側フレーム部分121および右側フレーム部分122の間、すなわち両者の最大幅Wの範囲内に配置されている。このような配置により、モータユニット30および制御ユニット40等の構成部品が車幅方向外側への突出することを抑えられ、これらを左右バランスよく配置することができる。
また、本実施形態の場合、車両上面視でモータ収容部31aと制御ユニット40とが重ならずに配置されている。モータ収容部31aおよび制御ユニット40は、それぞれの配置における車幅方向の範囲について重複する部分を含まず、車幅方向に並んで配置されており、モータ収容部31aが右側、制御ユニット40が左側に位置している。このような配置としては、例えば、図2で示すように、Y方向で左側フレーム部分121および右側フレーム部分122の最大幅Wを二等分した場合、左側のW/2の範囲内に制御ユニット40と対向する面Aが位置するようにモータ収容部31aを配置することが挙げられる。面Aが左側のW/2の範囲内に位置するようにモータユニット30を配置することで、制御ユニット40が車幅方向でより外側に配置されることとなり、走行風等が当たりやすくなり制御ユニット40の冷却効率を向上することができる。
また、本実施形態の場合、モータユニット30と車両側面視で重ならない部分40bがモータユニット30よりも前方に配置されるので、部分40bは、その前面および両側面の三面に対して走行風等が当たりやすいように配置されている。よって、走行風等が当たる面積を大きくとることができ、制御ユニット40の冷却効率をより向上することができる。
次に、モータユニット30および制御ユニット40の取付構造についてさらに説明する。モータユニット30は、後方フレーム部分124に形成される左右一対の上側取付部128および下側取付部129と、ダウンフレーム13に形成される左右一対の取付部133とでそれぞれ支持されている。モータユニット30は、剛性の高い車体フレーム10にそれぞれ3箇所で支持されるため、車体振動等の影響を抑制することができる。
一方、制御ユニット40は、ダウンフレーム13の取付部133においてモータユニットとともに支持され、また、左側ダウンフレーム部分131の取付部133よりも上側にある取付部134において不図示の固定構造を介して固定されている。
図1および図3とともに図4を参照する。図4はモータユニット30の斜視図である。モータユニット30は上側取付部128、下側取付部129および取付部133に取付けられるための貫通孔301、302、および303をそれぞれ有している。一方、制御ユニット40は、組付け時に車両側面視で貫通孔303と重なる位置に貫通孔403を有する。
上側取付部128には、左側フレーム部分121および右側フレーム部分122を車幅方向に横断するように固定部材501が取り付け可能である。固定部材501が貫通孔301を貫通した状態で上側取付部128に取付けられることで、モータユニット30は後方フレーム部分124に固定される。同様の構成により、下側取付部129において、モータユニット30は固定部材502によって後方フレーム部分124に固定される。
また、取付部133においては、固定部材503が貫通孔303および403を貫通した状態で取付部133に固定されることによって、モータユニット30と制御ユニット40とがダウンフレーム13に固定される。
このように、固定部材503がモータユニット30および制御ユニット40を貫通してダウンフレーム13に固定されることで、固定部品の部品点数を削減するとともに、モータユニット30と制御ユニット40の前後方向及び上下方向の相対的に位相のずれを抑えることができる。したがって、モータユニット30と制御ユニット40とを接続時する際に揺動を考慮しなくてもよく、バスバー42によりこれらを互いに固定することができる。
なお、取付構造の態様としては、例えば、車体フレーム10からモータユニット30および制御ユニット40に向かってブラケットを延設し、ブラケットにボルト締結等各種の固定構造を採用可能である。
また、本実施形態においては、モータユニット30および制御ユニット40に加えて熱交換器24もダウンフレームに固定されている。したがって、ダウンフレーム13に熱交換器24、モータユニット30および制御ユニット40が固定された状態にした上で、これらを一体的にメインフレーム12に取付けることができるので、組立性およびメンテナンス性を向上することができる。
制御ユニット40は、箱形状のケース部材41と、その内部に電動モータに電力を供給するための駆動回路基板45および駆動回路基板45に制御信号を送信する制御回路基板46を有している。駆動回路基板45および制御回路基板46は、前後方向および上下方向が水平方向、車幅方向が法線方向となる面の向きで配置されている。このため、制御ユニット40全体としては車幅方向に薄く構成されている。また、駆動回路基板45および制御回路基板46は車幅方向に並んで配置されており、本実施形態の場合、駆動回路基板45が制御回路基板46よりも車幅方向外側(左側)に配置されている。駆動回路基板45は制御回路基板46に比べてその温度が上昇しやすく、駆動回路基板45を外側に配置することにより走行風により効率的に冷却を行うことができる。
モータユニット30には、オイルポンプ34が減速部32の下方に配置されている。このため、モータユニット30の減速部32よりも前側の部分はモータ収容部31aから車幅方向外側に突出する構成部品が配置されない。このため、減速部32の前側において、制御ユニット40を車幅方向に重ねて配置することができる。
<冷却回路の構成>
本実施形態の冷却回路の構成について、図1および図2を用いて説明する。本実施形態に係る熱交換器24はラジエータであり冷却媒体は冷却水(クーラント)である。
熱交換器24で冷やされた冷却媒体は、第一管状部材251内を通ってモータユニット30内部へと循環する。ここで、第一管状部材251は、熱交換器24と接続し、ダウンフレーム13を沿って下方に延び、モータユニット30と制御ユニット40との間を通過した後にモータユニット30の上部に接続する。モータユニット30の内部には、例えば、冷却媒体が通過可能な孔形状のウォータジャケット(不図示)が形成されており、冷却媒体がウォータジャケット内を循環しながらモータユニット30の内部を冷却する。
モータユニット30内部を循環した冷却媒体は、第二管状部材252内部を通って熱交換器24に循環する。ここで、第二管状部材252は、オイルパン33近傍と接続し、ダウンフレーム13に沿って延び、熱交換器に接続する。すなわち、循環路25は第一管状部材251、モータユニット内部および第二管状部材252を含み、冷却媒体は循環路25を通って、熱交換器24、制御ユニット40、モータユニット30、熱交換器24の順で循環する。
第一管状部材251がモータユニット30および制御ユニット40の間を通過するので、双方を冷却することができ、冷却効率を向上することができる。また、熱交換器24、制御ユニット40およびモータユニット30がそれぞれ近接して配置されているので、冷却経路を短くすることができる。また、本実施形態では、熱交換器24により、モータユニット30と制御ユニット40を近接配置したことによる熱の集中を緩和することができる。
なお、第一および第二管状部材251および252としては、例えばホースやパイプ状の金属部材等を採用可能である。また、熱交換器24はオイルクーラでもよく、オイルクーラを採用する場合は、冷却媒体のオイルがモータユニット30内部の潤滑を兼ねることができる。
<実施形態の効果>
モータユニット30と、車両側面視でモータユニット30と重なる部分40aとがバスバー42を介して接続されるので、バスバー42を短くすることができ、コストを削減できるとともに軽量化を図ることができる。また、制御ユニット40の部分40aがモータユニット30に対して車両側面視で重なっているので、これらに対して車両前後方向あるいは上下方向に、バッテリ16の配置スペースをより広く確保できる。したがって、バッテリ16の収容スペースをより大きく確保することができる鞍乗型電動車両を提供することができる。
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は、以下の車両を少なくとも開示する。
1.上記実施形態の鞍乗型電動車両は、前輪(例えばFW)および後輪(例えばRW)と、
前記前輪を操舵する操舵機構(例えば18)を支持するヘッドパイプ(例えば11)と、
該ヘッドパイプに接続し車両前後方向に延びるメインフレーム(例えば12)と、
前記後輪の回転駆動力を出力する電動モータ(例えば31)を有するモータユニット(例えば30)と、
前記モータユニットに電力を供給するバッテリ(例えば16)と、
前記モータユニットと電気接続部材を介して接続され、前記モータユニットの駆動制御を行う制御ユニット(例えば40)と、
を備えた鞍乗型電動車両(例えば1)であって、
前記モータユニットおよび前記バッテリが、前記前輪と前記後輪との間において、前記メインフレームに支持され、
前記制御ユニットは、車両側面視で、前記モータユニットと重なる第一の部分(例えば40a)と、前記モータユニットと重ならない第二の部分(例えば40b)と、を含み、
前記電気接続部材は、前記第一の部分と前記モータユニットとを接続する。
この実施形態によれば、前記モータユニットと、車両側面視で前記モータユニットと重なる前記第一の部分とが前記接続部材を介して接続されるので、前記接続部材を短くすることができる。したがって、コストを削減できるとともに軽量化を図ることができる。また、前記制御ユニットの一部が前記モータユニットに対して車両側面視で重なっているので、これらに対して車両前後方向あるいは上下方向に、前記バッテリの配置スペースをより広く確保できる。したがって、前記バッテリの収容スペースをより大きく確保することができる鞍乗型電動車両を提供することができる。
2.上記実施形態の鞍乗型電動車両は、前記モータユニットは、前記電動モータを収容するモータ収容部(例えば31a)と、
前記モータ収容部よりも車幅方向外側へ突出し、前記電動モータの回転駆動力を減速するリダクションギアを収容するギア収容部(例えば321)と、を含み、
前記制御ユニットは、前記ギア収容部の車両前後方向前側に配置され、車両側面視で前記モータ収容部と重なる。
この実施形態によれば、前記制御ユニットが前記ギア収容部の前側において前記モータユニットと重なるので、前記ギア収容の前方のスペースを活用することができる。したがって、前記バッテリの収容スペースをより大きく確保することができる。
3.上記実施形態の鞍乗型電動車両は、前記電気接続部材は、前記第一の部分と、前記モータユニットのうち前記第一の部分と車両側面視で重なる部分と、を接続する。
この実施形態によれば、前記接続部材が、車両側面視で前記モータユニットと前記制御ユニットとが重なる部分とを接続するため、前記接続部材の長さを短くすることができ、かつ互いの位相のずれを抑制することができる。
4.上記実施形態の鞍乗型電動車両は、前記メインフレームは、車両の左側を通って延びる左側フレーム部分(例えば121)と、車両の右側を通って延びる右側フレーム部分(例えば122)とを含み、
車両上面視で、前記モータユニットおよび前記制御ユニットは、前記左側フレーム部分と前記右側フレーム部分との間に配置される。
この実施形態によれば、前記メインフレームの前記右側フレーム部分と前記左側フレーム部分の間に前記モータユニットおよび前記制御ユニットが配置されるため、構成部品の車幅方向外側への突出が抑えられる。したがって、構成部品を左右バランスよく配置することができる。
5.上記実施形態の鞍乗型電動車両は、前記制御ユニットおよびモータユニットよりも車両前後方向前側に配置される熱交換器(例えば24)と、
前記熱交換器に冷却媒体を循環させる第一および第二ホース(例えば251,252)と、
前記モータユニットの下部に配置されたオイルパン(例えば33)と、を備え、
前記第一ホースは、その一端部が前記熱交換器に接続され、車両上面視で前記モータユニットと前記制御ユニットとの間を通過して、その他方の端部が前記モータユニットの上部に接続され、
前記第二ホースは、その一端部が前記熱交換器に接続され、その他方の端部が前記オイルパンの近傍に接続され、
前記冷却媒体は、前記熱交換器、前記第一ホース、前記モータユニット、前記第二ホース、前記熱交換器の順に循環する。
この実施形態によれば、前記冷却媒体が循環する前記第一ホースを前記制御ユニットと前記モータユニットとの間に通すことで、双方を冷却することができ、冷却効率を向上させることができる。
6.上記実施形態の鞍乗型電動車両は、前記制御ユニットは、前記電動モータに電力を供給するための駆動回路基板(例えば45)と、前記駆動回路基板に制御信号を送信する制御回路基板(例えば46)とを含み、
前記駆動回路基板と前記制御回路基板とは車幅方向に並んで配置され、
前記駆動回路基板は前記制御回路基板よりも車幅方向外側に配置されている。
この実施形態によれば、前記制御回路基板より熱くなりやすい前記駆動制御基板が車幅方向外側に配置されるので、走行風により冷却を行いやすくすることができる。
1 鞍乗り型車両、16 バッテリ、30 モータユニット、40 制御ユニット

Claims (6)

  1. 前輪および後輪と、
    前記前輪を操舵する操舵機構を支持するヘッドパイプと、
    該ヘッドパイプに接続し車両前後方向に延びるメインフレームと、
    前記後輪の回転駆動力を出力する電動モータを有するモータユニットと、
    前記モータユニットに電力を供給するバッテリと、
    前記モータユニットと電気接続部材を介して接続され、前記モータユニットの駆動制御を行う制御ユニットと、
    を備えた鞍乗型電動車両であって、
    前記モータユニットおよび前記バッテリが、前記前輪と前記後輪との間において、前記メインフレームに支持され、
    前記制御ユニットは、車両側面視で、前記モータユニットと重なる第一の部分と、前記モータユニットと重ならない第二の部分と、を含み、
    前記電気接続部材は、前記第一の部分と前記モータユニットとを接続し、
    前記モータユニットは、前記第一の部分と対向する対向面を有し、
    前記第一の部分は、前記対向面よりも車幅方向外側に配置される、
    ことを特徴とする鞍乗型電動車両。
  2. 前輪および後輪と、
    前記前輪を操舵する操舵機構を支持するヘッドパイプと、
    該ヘッドパイプに接続し車両前後方向に延びるメインフレームと、
    前記後輪の回転駆動力を出力する電動モータを有するモータユニットと、
    前記モータユニットに電力を供給するバッテリと、
    前記モータユニットと電気接続部材を介して接続され、前記モータユニットの駆動制御を行う制御ユニットと、
    を備えた鞍乗型電動車両であって、
    前記モータユニットおよび前記バッテリが、前記前輪と前記後輪との間において、前記メインフレームに支持され、
    前記制御ユニットは、車両側面視で、前記モータユニットと重なる第一の部分と、前記モータユニットと重ならない第二の部分と、を含み、
    前記電気接続部材は、前記第一の部分と前記モータユニットとを接続し、
    前記モータユニットは、前記電動モータを収容するモータ収容部と、
    前記モータ収容部よりも車幅方向外側へ突出し、前記電動モータの回転駆動力を減速するリダクションギアを収容するギア収容部と、を含み、
    前記制御ユニットは、前記ギア収容部の車両前後方向前側に配置され、車両側面視で前記モータ収容部と重なる、
    ことを特徴とする鞍乗型電動車両。
  3. 前記電気接続部材は、前記第一の部分と、前記モータユニットのうち前記第一の部分と車両側面視で重なる部分と、を接続することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。
  4. 前記メインフレームは、車両の左側を通って延びる左側フレーム部分と、車両の右側を通って延びる右側フレーム部分とを含み、
    車両上面視で、前記モータユニットおよび前記制御ユニットは、前記左側フレーム部分と前記右側フレーム部分との間に配置される、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。
  5. 前記制御ユニットおよび前記モータユニットよりも車両前後方向前側に配置される熱交換器と、
    前記熱交換器に冷却媒体を循環させる第一および第二ホースと、
    前記モータユニットの下部に配置されたオイルパンと、を備え、
    前記第一ホースは、その一端部が前記熱交換器に接続され、車両上面視で前記モータユニットと前記制御ユニットとの間を通過して、その他方の端部が前記モータユニットの上部に接続され、
    前記第二ホースは、その一端部が前記熱交換器に接続され、その他方の端部が前記オイルパンの近傍に接続され、
    前記冷却媒体は、前記熱交換器、前記第一ホース、前記モータユニット、前記第二ホース、前記熱交換器の順に循環する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。
  6. 前記制御ユニットは、前記電動モータに電力を供給するための駆動回路基板と、前記駆動回路基板に制御信号を送信する制御回路基板とを含み、
    前記駆動回路基板と前記制御回路基板とは車幅方向に並んで配置され、
    前記駆動回路基板は前記制御回路基板よりも車幅方向外側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。
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