JP6979000B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、コア母材に凹凸形状などの外径変動が大きい場合においても効率的に延伸して外径変動の小さいターゲットを作製することを目的としている。
本発明では、先ずコア母材の曲率κを計測し、その計測結果に基づいてコア母材を円筒研削し、曲率κを小さくしておいてからガラス旋盤による延伸・縮径工程を行うものである。具体的には、コア母材の曲率κが閾値0.006を超えた場合、円筒研削をしてコア母材の凹凸を小さくして曲率κが0.006以下になるようにしてから、研削後のコア母材をガラス旋盤による延伸を行ってターゲット材を作製することにある。
先ず、この堆積室2に出発部材を挿入し、これを回転させながら上昇させるとともに、各バーナに反応ガスを供給し、酸水素火炎中にて加水分解させ、合成したガラス微粒子を出発部材上に堆積させて、多孔質ガラス母材1が製造される。使用されるバーナとしては、石英ガラス製のバーナが一般的に用いられ、出発部材先端に向けて配置されるコア堆積バーナ5及び出発部材側面に向けて配置される第一クラッド堆積バーナ6、第二クラッド堆積バーナ7といった複数本のバーナが、引上軸に対して、それぞれ所定の角度で配置されている。なお、複数のバーナ火炎が互いに干渉して火炎が乱れ、堆積状態が変化すると、作製される多孔質ガラスコア母材に外径変動が生じることがある。
このようにして製造されたコア母材は、その後のOVD工程のターゲット材とするため、ガラス旋盤を用いて所定の外径まで延伸される。ターゲット材に外径変動があると、光学特性の長手変動あるいはOVD工程での堆積が不安定になる要因となるため、ターゲット材の外径変動は、平均径の0.5%以下となるようにするのが好ましい。
作製したターゲット材の外径変動[%]の最大値と、直前の中間母材の曲率κ(=κ1)[/mm]の最大値との関係を図2に示す。外径変動[%]は、ターゲット材の平均外径からの偏差を平均外径で除した値である。図2から、外径変動を0.5%以下にするには、曲率κを0.0021 [/mm] 以下にすると良いことが認められる。
つまり、コア母材の外径変動曲線の曲率κ(=κ0)が0.006[/mm]以下であれば、ガラス旋盤による延伸・縮径工程を2回以下に抑えることが可能と言える。
そこで本発明は、コア母材の外径計測値に基づいてガラス旋盤による延伸・縮径を行ってターゲット材とする従来の方法に代えて、先ずコア母材の曲率κを計測し、曲率κが0.006を超えているものに対して円筒研削し、曲率κを0.006以下にしておいてから、ガラス旋盤による延伸・縮径工程を行ってターゲット材を作製することにある。
本発明によれば、コア母材の外径変動が大きい場合においても、曲率κの計測結果に基づいてコア母材を円筒研削し、曲率κを小さくしておいてからガラス旋盤による延伸・縮径を行うことで、ターゲットを作製するためのガラス旋盤による延伸回数を増やすことなく、作製されたターゲットの外径変動を小さくすることができる。
図1に示した反応装置を用いたVAD法により、多孔質ガラスコア母材の製造を行った。コア堆積バーナ5には、同芯4重管バーナを用い、原料ガス(SiCl4、GeCl4)及び可燃性ガス、助燃性ガス、シールガスを適量供給した。第一クラッド堆積バーナ6には、供給する原料ガス(SiCl4、O2)及び可燃性ガス、助燃性ガス、シールガスを適量供給した。第二クラッド堆積バーナ7には、原料ガス(SiCl4、O2)及び可燃性ガス、助燃性ガス、シールガスを適量供給した。堆積時間は24hrである。
製造したコア母材の長手位置 x [mm]における外径y [mm]を計測し、次いで[数1]式により曲率κ[/mm]を求め、それらの関係をそれぞれ図6および図7に示した。
図7において、0< x <200[mm] の範囲において曲率κが0.0021[/mm]を超える外径変動の凹凸が認められた。特に、0< x <100[mm] の範囲において曲率κが0.006[/mm]を超える外径変動の凹凸が認められ、曲率κの最大値は0.0092[/mm]であった。
円筒研削後のコア母材の長手位置 x [mm]における外径y [mm]を計測し、次いで[数1]式により曲率κ[/mm]を求め、それらの関係をそれぞれ図8および図9に示した。図中、破線は、円筒研削前の計測値をそれぞれ示している。
図8、図9から外径変動が低減されているのが認められ、κ値も小さな値を示した。曲率κの最大値は0.0036[/mm]である。
実施例1と同様な条件で作製した10本のコア母材からそれぞれターゲットを作製した。各コア母材の曲率κの最大値、外径研削後の曲率κの最大値、ならびに仕上がったターゲットの外径変動を0.5%以下にするまでに要したガラス旋盤による延伸回数を表1に示す。
実施例1と同様な条件でコア母材を作製した。曲率κの最大値は0.0085[/mm]であった。このコア母材を円筒研削を行わずにOVDターゲットとするため、外径変動が0.5%以下に収まるまでガラス旋盤で延伸を行った。仕上がったターゲットの平均外径は54mmであり、延伸回数は4回を要した。
[比較例2]
2 反応室、
3 給気口、
4 排気口、
5 コア堆積バーナ、
6 第一クラッド堆積バーナ、
7 第二クラッド堆積バーナ、
8 コアインゴット、
9 インゴット掴み用チャック、
10 ダイヤモンドホイール、
11 ガラス旋盤、
12 ダミー棒、
13 ガラス母材、
14 外径測定器、
15 加熱源。
Claims (3)
- コア母材の長手方向の外径分布曲線を計測する工程と、計測した外径分布曲線の曲率を長手方向に評価する工程と、前記曲率が閾値を超えたコア母材を円筒研削する工程と、研削したコア母材を延伸してターゲットを作製する工程と、該ターゲットの外周にガラス微粒子を堆積して多孔質ガラス母材を得る工程と、該多孔質ガラス母材を加熱して透明ガラス化する工程とを含むことを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
- 前記κの閾値が0.006 である請求項2に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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