以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙S(記録媒体)に二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示および説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
図3は、帯電装置414の構成を概略的に示す図である。本実施の形態では、帯電装置414として、コロナ放電によって感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させるコロナ放電器が利用されている。帯電装置414は、帯電ワイヤー414Aおよびシールド電極を有している。帯電ワイヤー414Aの軸(本発明の「回転軸」に対応)は感光体ドラム413の幅方向(長手方向)に沿って配置されている。電圧印加部80(図2を参照)から帯電ワイヤー414Aに高電圧を供給することによって、帯電ワイヤー414Aと当該帯電ワイヤー414Aを囲むシールド電極との間でコロナ放電を生じさせて、シールド電極に対向して配置されている感光体ドラム413の表面を均一に帯電させる。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424およびベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に体積抵抗率が8〜11[logΩ・cm]である高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。なお、中間転写ベルト421については、導電性および弾性を有するものであれば、材質、厚さおよび硬度を限定しない。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
定着部60は、定着ベルト61、加熱ローラー62、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される上加圧ローラー63、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される下加圧ローラー65、及び加熱源60C等を備える。加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する加熱源60Cを内蔵している。上加圧ローラー63に下加圧ローラー65が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
ところで、画像形成装置100において、帯電装置414を長時間使用することによって、トナー、放電生成物または潤滑剤等の異物が、コロナ放電を行う帯電ワイヤー414Aに付着する。異物が帯電ワイヤー414Aに付着すると、異物が付着している部分と、異物が付着していない部分との間で放電ムラが発生し、感光体ドラム413を均一に帯電させることができなくなるため、縦スジ等の画像ノイズが発生してしまう。
そこで、本実施の形態では、帯電装置414は、帯電ワイヤー414Aの全体を軸まわりに回転させて、帯電ワイヤー414Aの新しい部分(異物が付着していない部分)を感光体トラム413に対向させる。
以下、図4Aから図4Cを参照して帯電装置414の詳細について説明する。図4Aから図4Cは、帯電装置414の構成を概略的に示す図である。なお、図4Aから図4Cの各図には、X軸が描かれている。以下の説明では、各図における左右方向をX方向といい、右方向を「+X方向」、手前側又は右側、左方向を「−X方向」、奥側又は左側という。
図4Aに示すように、帯電装置414は、シールドケース414D、二つの回転子416、駆動部417、及び回転機構418を有している。シールドケース414Dは、帯電ワイヤー414Aを囲む壁部414E及び天板部414Fと、感光体ドラム413(図示略)と対向する開口とを有している。なお、図4Aにおける右側に配置される回転子416を回転子416Rとし、左側に配置される回転子416を回転子416Lとする。
回転子416Rは、シールドケース414D内において帯電ワイヤー414Aの手前側(+X方向)端部と壁部414Eとの間のスペースに配置されている。回転子416Lは、シールドケース414D内において帯電ワイヤー414Aの奥側(−X方向)端部と壁部414Eとの間のスペースに配置されている。回転子416R,416Lは、X方向に往復移動するように回転機構418(後述する)に支持されている。
回転子416Rは帯電ワイヤー414Aの手前側(+X方向)端部に固定されている。回転子416Rは円板形状を有している。円板形状の中心部に帯電ワイヤー414Aの手前側(+X方向)端部が固定されている。回転子416Rにおける+X方向(第1固定子4181側)の面の周縁部には第1従動カム4161が設けられている。回転子416Rにおける−X方向(第2固定子4182側)の面の周縁部には第2従動カム4162が設けられている。
回転子416Lは帯電ワイヤー414Aの奥側(−X方向)端部に固定されている。回転子416Lは円板形状を有している。円板形状の中心部に帯電ワイヤー414Aの奥側(−X方向)端部が固定されている。回転子416Lにおける+X方向(第3固定子4183側)の面の周縁部には第3従動カム4163が設けられている。回転子416Lにおける−X方向(第4固定子4184側)の面の周縁部には第4従動カム4164が設けられている。
駆動部417は、ソレノイド417A,417B(本発明の「アクチュエーター」に対応)を有している。ソレノイド417A,417Bは、シールドケース414D内において帯電ワイヤー414Aと天板部414Fとの間のスペースに配置されている。
ソレノイド417A,417Bは、制御部100によりオンオフされる。ソレノイド417Aは、オン状態で+X方向に突出し、オフ状態で−X方向に没入する。ソレノイド417Bは、オン状態で−X方向に突出し、オフ状態で+X方向に没入する。
ばね部材417Cは復元力を有し、復元力により回転子416Rを−X方向に付勢し、回転子416Lを+X方向に付勢する。ばね部材417Cは、帯電ワイヤー414Aと一体的に設けられている。ばね部材417Cは、回転子416R,416LをX方向に移動させる駆動部417の機能を有している。
ソレノイド417Aは、オン状態でばね部材417Cの復元力に抗して+X方向に移動するプランジャーを有している。ばね部材417Cは、ソレノイド417Aのオフ状態で復元力によりプランジャーを−X方向に移動させる。ソレノイド417Bは、オン状態でばね部材417Cの復元力に抗して−X方向に移動するプランジャーを有している。ばね部材417Cは、ソレノイド417Bのオフ状態で復元力によりプランジャーを+X方向に移動させる。
回転機構418は、第1固定子4181、第2固定子4182、第3固定子4183及び第4固定子4184を有している。第1固定子4181及び第2固定子4182は、シールドケース414D内において回転子416RのX方向両側に配置されている。第3固定子4183及び第4固定子4184は、シールドケース414D内において回転子416LのX方向両側に配置されている。
第2固定子4182および第3固定子4183は環形状を有している。環形状の中心部はX方向に貫通している。帯電ワイヤー414Aの+X方向端部は、第2固定子4182の中心部を通過し、回転子416Rに固定される。帯電ワイヤー414Aの−X方向端部は、第3固定子4183の中心部を通過し、回転子416Lに固定されている。
第1固定子4181は、回転子416Rに対し+X方向に沿うように配置され、第1主動カム4181Cを有している。第1固定子4181は円板形状を有している。第1主動カム4181Cは、歯形状を有していて、第1固定子4181の円周方向に連続して設けられている。第1主動カム4181Cは、第2主動カム4182C(後述する)に対向していて、対向する第2主動カム4182Cに対して半歯分だけずれて設けられている。第1主動カム4181Cは、+X方向に移動された回転子416Rの第1従動カム4161に接触して、回転子416Rを軸まわりに半歯分だけ回転させる。
第2固定子4182は、回転子416Rに対し−X方向に沿うように配置され、第2主動カム4182Cを有している。第2主動カム4182Cは、歯形状を有していて、第2固定子4182の周縁に沿って連続して設けられている。第2主動カム4182Cは、−X方向に移動された回転子416Rの第2従動カム4162に接触して、回転子416Rを軸まわりに半歯分だけ回転させる。つまり、回転機構418は、回転子416RがX方向に往復移動されることで、回転子416Rを軸まわりに1歯分だけ回転させる。
第3固定子4183は、回転子416Lに対し+X方向に沿うように配置され、第3主動カム4183Cを有している。第3主動カム4183Cは、歯形状を有していて、第3固定子4183の周縁に沿って連続して設けられている。第3主動カム4183Cは、第4主動カム4184C(後述する)に対向していて、対向する第4主動カム4184Cに対して半歯分だけずれて設けられている。第3主動カム4183Cは、+X方向に移動された回転子416Lの第3従動カム4163に接触して、回転子416Lを軸まわりに半歯分だけ回転させる。
第4固定子4184は、回転子416Lに対し−X方向に沿うように配置され、第4主動カム4184Cを有している。第4固定子4184は円板形状を有している。第4主動カム4184Cは、歯形状を有していて、第4固定子4184の周縁に沿って連続して設けられている。第4主動カム4184Cは、−X方向に移動された回転子416Lの第4従動カム4164に接触して、回転子416Lを軸まわりに半歯分だけ回転させる。つまり、回転機構418は、回転子416LがX方向に往復移動されることで、回転子416Lを軸まわりに1歯分だけ回転させる。
以上の構成によれば、ソレノイド417Aをオンした場合、プランジャーが+X方向に突出して回転子416Rを+X方向に移動させて、第1固定子4181に接触させる。これにより、回転子416Rを軸まわりに回転させる。また、ソレノイド417Bをオンした場合、プランジャーが回転子416Lを−X方向に移動させて、第4固定子4184に接触させる。これにより、回転子416Lを軸まわりに回転させる。その結果、回転子416Rに固定される帯電ワイヤー414Aの手前側端部と、回転子416Lに固定される帯電ワイヤー414Aの奥側端部とが軸まわりに回転する(図4Bにおいて+X方向から見て反時計まわりの方向)。
また、ソレノイド417Aをオフした場合、プランジャーが−X方向に没入して回転子416Rを−X方向に移動させて、第2固定子4182に接触させる。これにより、回転子416Rを軸まわりに回転させる。また、ソレノイド417Bをオフした場合、プランジャーが+X方向に没入して回転子416Lを+X方向に移動させて、第3固定子4183に接触させる。これにより、回転子416Lを軸まわりに回転させる。その結果、回転子416Rに固定される帯電ワイヤー414Aの手前側端部と、回転子416Lに固定される帯電ワイヤー414Aの奥側端部とが軸まわりに回転する(図4Cにおいて+X方向から見て反時計まわりの方向)。
以上の結果、ソレノイド417A,417Bのオン、オフを所定回繰り返すことで、帯電ワイヤー414A全体を軸まわりに所定角度回転させることができる。
上記の第1実施の形態に係る帯電装置414によれば、帯電ワイヤー414Aの両端部に固定される回転子416と、回転子416をX方向に往復移動させるソレノイド417A,417Bおよびばね部材417Cと、X方向に移動された回転子416に接触することで、回転子416および回転子416に固定された帯電ワイヤー414Aを軸まわりに回転させる回転機構418とを備える。これにより、帯電ワイヤー414Aが撓みやすい場合であっても、回転機構418が帯電ワイヤー414Aの両端部を回転させるため、帯電ワイヤー414A全体を回転させることが可能となる。
また、ソレノイド417A,417B等によって帯電ワイヤー414A全体を回転させるため、構成が比較的に簡易になり、シールドケース414D内のスペースに配置し易くなるため、設計の自由度を上げることができる。
また、ばね部材417Cが帯電ワイヤー414Aと一体的に設けられている。これにより、構成がより簡易になって、設計の自由度をさらに上げることができる。
また、駆動部417であるソレノイド417A,417Bが帯電ワイヤー414Aと天板部414Fとの間のスペースに配置されている。これにより、帯電装置414の幅方向のスペースに駆動部417を配置する必要がなく、帯電装置414の小型化を図ることができる。
また、回転機構418を構成する第1固定子4181および第2固定子4182はそれぞれ円板形状を有していて、回転子416Rに対しX方向両側に沿うように配置されている。これにより、回転機構418が+X方向に大きく出っ張ることがない。また、回転機構418を構成する第3固定子4183および第4固定子4184はそれぞれ円板形状を有していて、回転子416Lに対しX方向両側に沿うように配置されている。これにより、回転機構418が−X方向に大きく出っ張ることがない。その結果、帯電装置414の小型化を図ることができる。
なお、上記第1実施の形態では、ソレノイド417A,417Bがオンすることによって、回転子416R,416Lをそれぞれ一方向に移動させて、帯電ワイヤー414Aの両端部を半歯分だけ回転させ、ソレノイド417A,417Bがオフすることによって、回転子416R,416Lをそれぞれ他方向に移動させて、帯電ワイヤー414Aの両端部を半歯分だけ回転させる。つまり、ソレノイド417A,417Bがオンオフすることにより、帯電ワイヤー414Aの全体を軸まわりに1歯分だけ回転させる。しかし、帯電ワイヤー414Aの全体の回転が半歯分で十分であれば、回転子416R,416Lを一方向に移動させればよく、回転子416R,416Lを往復移動させなくてもよい。
また、上記第1実施の形態では、帯電ワイヤー414Aの両端部を回転させるために、駆動部417及び回転機構418が帯電ワイヤー414Aの両端部に配置されているが、本発明はこれに限らない。例えば、一方の回転子416が軸まわりに回転すると、他方の回転子416が連動して軸まわりに回転する連動機構を設けることにより、駆動部417及び回転機構418が帯電ワイヤー414Aの両端部のいずれか一方に配置されるようにしてもよい。
次に、第1実施の形態の変形例について図5Aから図5Cを参照して説明する。図5Aから図5Cは、第1実施の形態の変形例に係る帯電装置414の構成を概略的に示す図である。図5A及び図5Cはソレノイド417Dのオフ状態を示す。また、図5Bはソレノイド417Dのオン状態を示す。なお、変形例について説明する上で、第1実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成については同一番号を付してその説明を省略する。
上記第1の実施の形態に係る帯電装置414においては、二つのソレノイド417A,417Bが設けられている。
これに対して、変形例に係る帯電装置414においては、一つのソレノイド417Dが設けられている。
ソレノイド417Dは、プランジャー417Eおよび復帰用ばね417Fを有している。復帰用ばね417F、ばね部材417Cの復元力より大きな付勢力を有している。
プランジャー417Eの奥側(−X方向)端部はオン状態で復帰用ばね417Fの付勢力に抗して−X方向に突出する。このとき、プランジャー417Eの手前側(+X方向)端部は−X方向に没入する(図5B参照)。プランジャー417Eの手前側(+X方向)端部はオフ状態で復帰用ばね417Fの付勢力により+X方向に突出する。このとき、(図5A,図5C参照)。このとき、プランジャー417Eの奥側(−X方向)端部は+X方向に没入する。
以上の構成によれば、ソレノイド417Dをオンした場合、プランジャー417Eの奥側端部が−X方向に突出して回転子416Lを−X方向に移動させて、第4固定子4184に接触させる。これにより、回転子416Lを軸まわりに回転させる。また、ソレノイド417Dをオンした場合、プランジャー417Eの手前側端部が−X方向に没入して、ばね部材417Cの復元力により回転子416Rを−X方向に移動させて、第2固定子4182に接触させる。これにより、回転子416Rを軸まわりに回転させる。その結果、回転子416Lに固定される帯電ワイヤー414Aの奥側端部と、回転子416Rに固定される帯電ワイヤー414Aの手前側端部とが軸まわりに回転する(図5Bにおいて+X方向から見て反時計まわりの方向)。
また、ソレノイド417Dをオフした場合、プランジャー417Eの手前側端部が+X方向に突出して回転子416Rを+X方向に移動させて、第2固定子4182に接触させる。これにより、回転子416Rを軸まわりに回転させる。また、ソレノイド417Dをオフした場合、プランジャー417Eの奥側端部が+X方向に没入して、ばね部材417Cの復元力により回転子416Lを+X方向に移動させて、第3固定子4183に接触させる。これにより、回転子416Lを軸まわりに回転させる。その結果、回転子416Rに固定される帯電ワイヤー414Aの手前側端部と、回転子416Lに固定される帯電ワイヤー414Aの奥側端部とが軸まわりに回転する(図5Cにおいて+X方向から見て反時計まわりの方向)。
上記の変形例に係る帯電装置414によれば、一つのソレノイド417Dをオン、オフすることで、帯電ワイヤー414A全体を軸まわりに回転させることができる。これにより、構成がより簡易になって、設計の自由度をさらに上げることができる。
次に、第2実施の形態に係る帯電装置414について図6Aから図6Eおよび図7を参照して説明する。なお、図6Aから図6Eではシールドケース414D(図4A参照)を省略して示す。また、第2実施の形態を説明する上において、第1実施の形態の変形例と異なる構成について主に説明し、同じ構成については同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施の形態では、図6Aに示すように、駆動部417は、ギヤードケーブル417G、清掃部材417H及び動力源(図示略)を有している。
ギヤードケーブル417Gおよび清掃部材417Hは、シールドケース414D(図示略)内における天板部414F(図4A参照)と帯電ワイヤー414Aとの間のスペースに配置されている。
ギヤードケーブル417Gは、清掃部材417Hの本体に螺合している。ギヤードケーブル417Gは動力源により回転する。
ギヤードケーブル417Gは、例えば正方向の回転により清掃部材417Hを+X方向に移動させる。ギヤードケーブル417Gは、例えば逆方向の回転により清掃部材417Hを−X方向に移動させる。
図7は、清掃部材417Hを帯電ワイヤー414Aの軸方向から見た場合の概略図である。なお、清掃部材417Hの本体側を省略している。
清掃部材417Hは、図7に示すように、一対のブラシ部417Jを有している。一対のブラシ部417Jは、帯電ワイヤー414Aの周面を両側から挟むように配置されている。
次に、清掃部材417Hの動作等の詳細について図6Aから図6Dを参照して説明する。
図6Aに示すように、ギヤードケーブル417Gは、例えば正方向の回転により清掃部材417Hを+X方向に移動させる。これにより、回転子416Rが+X方向に押し込まれて第1固定子4181に接触する。また、回転子416Lがばね部材417Cの復元力により+X方向に移動して、第3固定子4183に接触する。
図6Bに示すように、ギヤードケーブル417Gは、例えば逆方向の回転により清掃部材417Hを−X方向に移動させる。これにより、ブラシ部417Jが−X方向に移動しながら帯電ワイヤー414Aの周面を清掃する。また、清掃部材417Hが回転子416Rから離れて、回転子416Rがばね部材417Cの復元力により−X方向に移動して、第2固定子4182に接触する。なお、回転子416Lは、ばね部材417Cの復元力により第3固定子4183に接触した状態に維持されている。
図6Cに示すように、ギヤードケーブル417Gが逆方向の回転を継続することにより清掃部材417Hを−X方向に移動させる。これにより、回転子416Lが−X方向に押し込まれて第4固定子4184に接触する。なお、回転子416Rは、ばね部材417Cの復元力により第2固定子4182に接触した状態に維持されている。
図6Dに示すように、ギヤードケーブル417Gは正方向の回転により清掃部材417Hを+X方向に移動させる。これにより、ブラシ部417Jが+X方向に移動しながら帯電ワイヤー414Aの周面を清掃する。また、清掃部材417Hが回転子416Lから離れて、回転子416Lがばね部材417Cの復元力により+X方向に移動して、第3固定子4183に接触する。なお、回転子416Rは、ばね部材417Cの復元力により第2固定子4182に接触した状態に維持されている。
図6Eに示すように、ギヤードケーブル417Gが正方向の回転を継続することにより清掃部材417Hを+X方向に移動させる。これにより、回転子416Rが+X方向に押し込まれて第1固定子4181に接触する。なお、回転子416Lは、ばね部材417Cの復元力により第3固定子4183に接触した状態に維持されている。
以上の構成により、ギヤードケーブル417Gが、清掃部材417Hを+X方向に移動させることで、回転子416Rに固定された帯電ワイヤー414Aの手前側(+X方向)端部を軸まわりに回転させる。また、ギヤードケーブル417Gが、清掃部材417Hを−X方向に移動させることで、回転子416Lに固定された帯電ワイヤー414Aの奥側(−X方向)端部を軸まわりに回転させる。その結果、清掃部材417HをX方向に往復移動させることで、帯電ワイヤー414A全体を軸まわりに回転させることができる。
第2実施の形態に係る帯電装置414によれば、清掃部材417Hが回転子416を移動させるための駆動部417としての機能を有している。つまり、清掃部材417Hが駆動部417と兼用されているため、駆動部417の専用部品が少なくなり、専用部品全体の配置スペースを広くしないで済み、駆動部417の設計の自由度を上げることができる。
なお、上記第2実施の形態では、清掃部材417HをX方向の一方向に移動させることで、帯電ワイヤー414Aの両端部を軸まわりに半歯分だけ回転させ、清掃部材417HをX方向の他方向に移動させることで、帯電ワイヤー414Aの両端部を軸まわりに半歯分だけ回転させた。これにより、帯電ワイヤー414Aの全体を軸まわりに1歯分だけ回転させた。しかし、帯電ワイヤー414Aの全体の回転が半歯分で十分であれば、清掃部材417Hを一方向に移動させればよく、往復移動させなくてもよい。
次に、第3実施の形態に係る帯電装置414について図8Aから図8Dを参照して説明する。なお、第3実施の形態を説明する上において、第1実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成については同一符号を付してその説明を省略する。
第3実施の形態では、図8Aに示すように、帯電装置414はワイヤー位置固定部419と、図示しない移動部(本発明の「固定解除部」に対応)とを有している。
ワイヤー位置固定部419は、帯電ワイヤー414Aより図8Aにおける下方向に配置されている。移動部は、帯電ワイヤー414Aの両端部を押し込んだ位置(図8A参照)と帯電ワイヤー414Aの両端部から離れた位置(図8B参照)との間にワイヤー位置固定部419を移動させる。ワイヤー位置固定部419を移動させる動力としては、ソレノイドや、エアシリンダーなどが用いられる。
ワイヤー位置固定部419は、帯電ワイヤー414Aの両端部をばね部材417Cの付勢力に抗して押し込むことにより、帯電ワイヤー414AのX方向と直交する方向(図8Aにおける上下方向)の位置を固定する。帯電ワイヤー414Aは、ワイヤー位置固定部419に押し込まれることにより、ワイヤー位置固定部419間に張架される。これにより、帯電ワイヤー414Aと帯電ワイヤー414Aより下方向に配置された感光体ドラム413(図3参照)との間の距離が一定に維持される。
制御部100は、帯電ワイヤー414Aが軸まわりに回転される前に、ワイヤー位置固定部419を帯電ワイヤー414Aから離れた位置に移動させて、帯電ワイヤー414Aの位置の固定を解除するように移動部を制御する(図8B参照)。
制御部100は、帯電ワイヤー414Aが軸まわりに回転される場合、帯電ワイヤー414Aの位置の固定を解除した状態を維持するように移動部を制御する(図8C参照)。
制御部100は、帯電ワイヤー414Aが軸まわりに回転された後に、帯電ワイヤー414Aを押し込んだ位置にワイヤー位置固定部419を移動させて、帯電ワイヤー414Aの位置を固定するように移動部を制御する(図8D参照)。
第3実施の形態に係る帯電装置414によれば、帯電ワイヤー414Aが軸まわりに回転されるときに、ワイヤー位置固定部419を帯電ワイヤー414Aから離れた位置に移動させるため、帯電ワイヤー414Aがワイヤー位置固定部419と擦れ合うことがなく、摩擦による帯電ワイヤー414Aの損傷などを抑制することができる。
上記各実施の形態では、回転子416を軸まわりに回転させるために、第1固定子4181等に対して回転子416をX方向に移動させる構成について説明したが、本発明はこれに限らない、回転子416に対して第1固定子4181等をX方向に移動させる構成であってもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。