JP6976988B2 - 多層階建築物の二重床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、多層階建築物の鉄筋コンクリート構造体の床を構成するコンクリートスラブ上に施工される乾式二重床構造に関するものであり、より詳しくは、その防音性能又は遮音性能を向上させた床構造の改良に関するものである。
多層階建築物の床下地を形成するための周知の施工方法としては、「直張り工法」と「乾式二重床工法」とがある。
これらの工法により施工された床の遮音性能に関しては、建築基準法上の規定は無いが、特に上階から下階に伝播する歩行音や子供の飛び跳ね音等に関しては、下階居住者からのクレームが出たり、居住者間のトラブルの発生原因ともなり、日本建築学会による「建築物の遮音性能基準」が設けられていた。
これによると、一般的な性能基準(LH−55)が規定され、やむを得ない場合に許容される最低水準(LH−60)も規定されて指導されて来た(推定L等級)。
しかしながら、上記性能基準に関する性能確認試験では、実際の建築物とは異なる環境での試験であったため、試験結果と現実の建築物との乖離が大きく、問題視されて廃止となった。
そこで、2008年に△L等級として、新しい現行制度が生まれた経緯がある。
この現行制度にあっては、「軽量床衝撃音レベル低減量(ΔLL)」に関しては、上記直張り工法と上記乾式二重床工法共に概ね問題は無いのであるが、「重量床衝撃音レベル低減量(△LH)」に関する評価では、上記直張り工法では△LH−3、上記乾式二重床工法では△LH−2と評価が分かれ、従来の残響室での実験が不可とされ、壁式構造実験室での試験が義務付けられた。
換言すると、これまでの二重床の評価には問題があり、重量床衝撃音の低減量は、63Hz帯域において、直張り床のΔLH±0dbに対して、ΔLH−5dbという評価(増幅)となった。
即ち、重量床衝撃音に関しては、現行の二重床構造においては、遮音性能が低減ではなく、増幅しているという結果となり、注意喚起を受けている状況となった。
この問題の端的な解決方法は、床スラブの厚さを増すことにより解消されるのであるが、それによる製造コスト負担の課題が大きく、二重床メーカーやゼネコンは勿論のこと、消費者をも巻き込んだ問題となり、本件床構造の開発競争となっているのが現状である。
このように、コンクリートスラブ上に直接設置される直張り床においてはそのスラブ剛性が100%生かされて±0dbとなっているが、現行の二重床では同じスラブ厚に設置されるにも拘わらず−5dbという「増幅(共振)」という評価が出た原因は何処にあったのであろうか。
現状の二重床構造においては、以下の構造が採用されている。
(1)床下地材としてはパーチクルボード(厚さ20mm×600mm×1820mm)を用いているが、その所要の床荷重を受け、所定のたわみ量に収めるために、支持脚のピッチを短辺方向で300mm、長辺方向で455mmとして支持脚を設けねばならない。
(2)更に、その支持脚の下端部には「防振ゴム」を設け、スラブと接する部分で衝撃を回避させる構造を採用している。
上記従来の構造は、歩行性を重視したもので、経済性や機能性にも優れていたことから広く普及した。
そこには、所定の確認試験の裏付けもあり、その安心感からコスト競争の世界にあって、二重床イコール「防振ゴム付き支持脚」というイメージが完成し、定着したものと考えられる。
しかしながら、上記ゴム弾性体付き支持脚を多く用い、床剛性に欠けた面材の選択との組合せにおいては、重量床衝撃音に関しては多大な問題を孕んでいるということを本願発明者は認知したのである。
即ち、突然に生じる衝撃音に対して、二重床の内部空間(空気伝播部/音伝播部)は、柔らかい床部、故にその内部に音エネルギーの多くを取り込み、脚部下端の防振ゴムのゴム弾性体を振動させ、これにより周囲の脚部をも連動させ、上記内部空間の空気層を振動させるのである。この現象を共振特性といい、即ち音の増幅が行われてしまうのである。
一般的には振動吸収機能を持つイメージの強いゴム弾性体が実はここでは真逆な現象を呈することとなっているのである。
つまり、現状二重床構造にあっては、その床の内部空間内の空気層を複雑に揺れ動かして音の増幅をもたらす一翼を担ってしまう状態(太鼓現象とも言う)となるのである。
下記特許文献1に記載の「遮音性床構造」に係る発明においては、集合住宅等の各種建築物における乾式二重床構造の床衝撃音遮断特性を向上しつつ、床仕上材の浮き上がり等を防止することが可能な遮音性床構造を提供することを課題としたものである。
その構造は、基礎面(コンクリートスラブ)上に配設される複数の床支持ユニットと、複数の床支持ユニットにより基礎面に対して所定の高さレベルに支持される床下地材と、床下地材上に敷設される床仕上材とを備え、床下地材と床仕上材との間に、比重が0.9〜1.4の石膏ボードを敷設したものであり、上記床支持ユニットによって支持される床部の構成に特徴を有するものである。
この床支持ユニットの下端部にも防振ゴムから成る弾性台座が設けられている。
特開2008−266942号公報
本願においても、床衝撃音、とりわけ重量床衝撃音を低減することをその課題とするものであるが、上記特許文献に記載の従来例と異なり、その支持部材の構成をも含め、支持脚部の構成及び床下地材自体の構成をも改良することにより、即ち支持脚部を含めた全体の二重床構造の改良を図り、重量床衝撃音の低減化を意図することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、多層階建築物のコンクリートスラブ上に設置される二重床構造であって、床下地材と、これら床下地材を適宜高さレベルでフラットに敷設し支持できる支持脚部とから成る二重床構造において、前記床下地材として構造用合板を使用し、この構造用合板の裏面略中央部には補強用帯板材をこの床下地材の側縁部と略平行に接合し、且つその裏面側縁部には、この床下地材に隣接して配置される他の床下地材の側縁部が載置され接合される連結用帯板材を設け、前記支持脚部は、下端のベース部材と、このベース部材から垂立する支柱部材と、この支柱部材上部に螺合された高さ調整部材と、この高さ調整部材に設けた前記床下地材を支持する床支持部材とからなり、前記ベース部材、支柱部材及び高さ調整部材は金属製のものから成り、前記ベース部材をコンクリートスラブに螺子及び/又は接着材により固定することによって前記床下地材の下の空間部内の空気振動を抑制でき、前記支持脚部の高さ調整部材が床支持部材を載置する載置部とこの載置部の中央部で前記支柱部材に螺合するナット部材とから成り、このナット部材は前記載置部に対して回動可能に組み付けられて、このナット部材を回動することにより前記載置部が前記支柱部材に沿って上下動し、このナット部材はその上部から工具によって回動でき、前記ナット部材の回動により載置部の高さが調整された後、このナット部材の回動を固定するために、当該ナット部材を前記載置部に接着材により固定したことを特徴とする多層階建築物の二重床構造である。
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記構造用合板の厚みが24mmであり、前記補強用帯板材及び連結用帯板材がそれぞれ厚さ30mmの合板からなることを特徴とする多層階建築物の二重床構造である。
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、前記床下地材の縦横サイズを略910mmとし、前記支持脚部の床支持部が前記床下地材の角部を支持することを特徴とする多層階建築物の二重床構造である。
本発明の第のものは、上記第1乃至第の発明において、前記支持脚部のベース部材を接着材により固定し、その後螺子により更に固定したことを特徴とする多層建築物の二重床構造である。
本発明の第のものは、上記第1乃至第の発明において、際根太を前記支持脚部を用いて支持して設置し、前記床下地材を配設したことを特徴とする多層階建築部の二重床構造である。
本発明の第のものは、上記何れかの発明において、設置された前記床下地材は、壁面部と所定間隔を開けて配設されていることを特徴とする多層階建築物の二重床構造である。
本発明の第のものは、上記第の発明において、設置された前記床下地材と壁面部との所定間隔部にエアー抜き緩衝材を配設したことを特徴とする多層階建築物の二重床構造である。
本発明の第のものは、上記何れかの発明において、前記床下地材とコンクリートスラブとの間の空間部に繊維系吸音材を配設したことを特徴とする多層階建築物の二重床構造である。
本発明の第1のものにおいては、上記二重床構造において、上記床下地材として構造用合板を使用し、この構造用合板の裏面略中央部には補強用帯板材をこの床下地材の側縁部と略平行に接合し、且つその裏面側縁部には、この床下地材に隣接して配置される他の床下地材の側縁部が載置され接合される連結用帯板材を設けたもの(以下「剛床下地材」とも言う。)を使用しているため、施工されたその二重床構造は、従来の床下地材から成る床構造と比べ格段にその剛性が高められたものであるため、重量床衝撃音の遮音性能が向上したものとなっている。
他方、上記支持脚部は、下端のベース部材と、このベース部材から垂立する支柱部材と、この支柱部材上部に螺合された高さ調整部材と、この高さ調整部材に設けた前記床下地材を支持する床支持部材とからなり、前記ベース部材、支柱部材及び高さ調整部材は金属製のものから成り、前記ベース部材をコンクリートスラブに螺子及び/又は接着材により固定することによって前記床下地材の下の空間部内の空気振動を抑制できることとなり、重量床衝撃音の遮音性能が向上することとなる。
このように本願発明においては、その剛床下地材とその支持脚部との組み合わせにより極めて高い遮音効果を有する二重床構造を提案することができた。
本発明においては、上記支持脚部をより具体化したものである。
本発明においては、上記支持脚部を構成するナット部材を接着材により固定できることを特定したものである。
これにより、上記床下地材を所定高さ位置でフラットに敷設した後、その高さ位置を維持させるために上記ナット部材の緩み防止効果を付与したものである。
本発明の第2のものにおいては、上記剛床下地材に用いる構造用合板と、補強用帯板材と連結用帯板材の厚みを特定したものであり、これら補強用帯板材と連結用帯板材は共に補強効果を発揮し、剛床下地材の剛性をより向上させるものとなる。
本発明の第3のものにおいては、上記床下地材のサイズを特定し、上記支持脚部の床支持部の支持位置を限定したものである。
即ち、実施態様を特定したものである。
本発明の第のものにおいては、上記支持脚部のベース部材の固定をより限定したものである。
本発明の第のものにおいては、本発明に係る二重床構造において際根太をも含めて構成したものを特定した。
より実施形態に近いものを特定したものである。
本発明の第のものにおいては、設置された上記床下地材は、壁面部と所定間隔を開けて配設されていることを特定したものであり、上階の床部の振動が下階へ波及することを防止する構造を採用したものである。
本発明の第のものにおいては、上記所定間隔部に緩衝材を配設したものを特定した。
本発明の第のものにおいては、上記床下地材とコンクリートスラブとの間の空間部に繊維系吸音材を更に配設したことを特定したものであり、上階から下階への遮音性能をより向上させたものを特定した。
直張り構造及び二重床構造に関する重量床衝撃音の伝播を図示した説明図であって、その(A)が現状直張り床構造のもの(直床)を、その(B)が現状二重床構造(現行二重床)のものを、その(C)が本発明に係る二重床構造(剛床二重床)を示している。 二重床構造の床下地材と支持脚部の配設例を図示したものであって、その(A)が本願発明に係る二重床構造の平面図、その(B)が(A)図の側面図、その(C)が現状の二重床構造の側面図である。 図3は、床上上方からの重量床衝撃を加えた際の床構造の撓み(太実線)を図示したものであり、その(A)が本願発明に係る床構造のものを示し、その(B)が現状の床構造のものを示している。 本願発明の二重床構造に係る一実施形態の要部の分解斜視説明図である。 上記実施形態の要部を示し、その(A)が縦断面説明図、その(B)が平面説明図である。 上記実施形態に係る支持脚部の高さ調整部材を示しており、その(A)が支柱部材に螺合した状態を示し、その(B)がナット部材の平面説明図、その(C)がナット部材の加締め前の正面説明図、その(D)が底面図、その(E)が載置部の正面説明図、その(F)がリング部材の正面図と平面図である。 本願発明に係る床構造に用いられる際根太について図示する説明図である。 上記際根太について図示しており、その(A)が平面説明図、その(B)が縦断面説明図、その(C)が側面説明図、その(D)が壁面緩衝用パッキンの斜視説明図である。 二重床構造に関して図示したものであり、その(A)が現状の床構造の平面説明図、その(B)がその側面説明図、その(C)が本願発明に係る床構造の平面説明図、その(D)がその側面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面と共に説明する。
図1は、直張り構造及び二重床構造に関する重量床衝撃音の伝播を図示した説明図であって、その(A)が現状直張り床構造のもの(直床)を、その(B)が現状二重床構造(現行二重床)のものを、その(C)が本発明に係る二重床構造(剛床二重床)を示している。
この図1においては、本願発明に係る床構造のものを(C)図に示して他の従来例との比較を行う。
その(A)図の直床にあっては、多層階建築物のコンクリートスラブの上に、遮音シートを敷き、その上にフローリングを施したものである。
上方から床面に向かって負荷された入射エネルギー(黒矢印)は、上方に反射する反射エネルギー(大)(斜線矢印)とスラブ内に消失される消失エネルギー(斜線矢印)とに分散されて、音の漏洩はほぼ認められない程度のものとなる。
その(B)図の現行二重床にあっては、上方から負荷された入射エネルギーは、反射エネルギー(小)と床下内部からスラブ内に消失する消失エネルギーとに分散され、透過エネルギーとして階下の部屋に音が漏洩することとなる。
その(C)図の本願発明に係る剛床二重床にあっては、上方からの入射エネルギーが床面にて上方に反射される反射エネルギー(中)と、床下内部からスラブ内に消失する消失エネルギーとに分散されて、反射エネルギーが上記(B)図に示したものよりも相対的に大きく、階下への音の漏洩はほぼ認められないものとなる。
このように本願発明に係る剛床二重床においては、従来の二重床よりもその遮音性能において優れたものとなっている。
図2は、二重床構造の床下地材と支持脚部の配設例を図示したものであって、その(A)が本願発明に係る二重床構造の平面図、その(B)が(A)図の側面図、その(C)が現状の二重床構造の側面図である。
本願発明に係る二重床構造を(A)図及び(B)図に示したが、本願発明に係る床下地材10は略正方形形状の構造用合板11と補強用帯板材12と連結用帯板材13とから成る。上記補強用帯板材12及び連結用帯板材13は、共に構造用合板11の補強効果を発揮する。
支持脚部20は、後にその構造を詳説するが、それぞれの床下地材10の角部を下から支持し、高さ調整も上方から行うことができる。
上記本願発明に係る床下地構造と比較して現状の二重床構造の側面図を(C)図に示しているが、複数の床下地材50を多数の支持脚部60が支持することとなる。
即ち、現状の床構造では、床下地材50としてパーチクルボード(厚さ20mm×600mm×1820mm)を用いているが、その所要の床荷重を受け、所定のたわみ量に収めるために、支持脚のピッチを短辺方向で300mm、長辺方向で455mmとして支持脚60を設けねばならず、短いピッチで多数の支持脚60を設置せねばならないのである。
この点に関しては、再度図9にて説明を加える。
図3は、床上上方からの重量床衝撃を加えた際の床構造の撓み(太実線)を図示したものであり、その(A)が本願発明に係る床構造のものを示し、その(B)が現状の床構造のものを示している。
この図からよく解る通り、本願発明に係る床下地材10の持つ剛性により、重量床衝撃Pを受けた際に、本願発明に係る床下地材10の下方への撓み量は小さくなる。
即ち、隣り合う床下地材10、10との連結固定も堅く、その隣り合う床下地材の反力をも受けて、上記撓み量は小さいものとなる。
これに対して、現状の床構造の床下地材50にあっては、補強用帯板材も連結用帯板材もなく、単なるパーチクルボードを敷設し、支持脚60にて支持されている構造から成るため、その下方への撓み量は、支持脚60の下端の防振ゴム65の存在の影響も受けて、より大きく撓むこととなる。
これにより、床下地材50の下方の空間部の空気振動も大きくなり、上記重量床衝撃音は増幅されてしまう(太鼓現象)こととなるのである。
従って、本願発明に係る(A)図に示した床構造の方が遮音性能が高いものとなる。
図4は、本願発明の二重床構造に係る一実施形態の要部の分解斜視説明図である。
図5は、同じく上記実施形態の要部を示し、その(A)が縦断面説明図、その(B)が平面説明図である。
まず、床下地材10の角部を支持脚部20が支持することとなる。
支持脚部20は、下端のベース部材21と、このベース部材21の略中央部から上方に垂立する支柱部材22と、この支柱部材22の上方に螺合する高さ調整部材23と、この高さ調整部材23の上に載置される弾性シート部材24と、この上に設置される床支持部材25とから成る。
支柱部材22の下端部はベース部材21に加締めて固定される。
支柱部材22の外周には雄ネジが刻設されている。
この雄ネジ部に高さ調整部材23が上下移動可能に螺合する。
高さ調整部材23の中央部にはナット部材26が回動自在に設けられている。
ナット部材26の構成は、次の図6で説明するが、上端の6角ナット27と、その基端部の鍔部とその鍔部の下側から下方に延長する延長部とから成り、その中央部には貫通孔が設けられ、その内周面には雌ネジが刻設されている。この雌ネジが上記支柱部材22の外周の雄ネジと螺合する。
上記ナット部材26の上端の6角ナット27を工具により上方から回動することができる。
ナット部材26を工具により回動することにより高さ調整部材23がナット部材26の上下移動に伴って上下に移動する。
これにより床支持部材25の高さを調整することができ、それ故、床下地材10の高低を調整できることとなる。
図6は、上記実施形態に係る支持脚部の高さ調整部材を示しており、その(A)が支柱部材に螺合した状態を示し、その(B)がナット部材の平面説明図、その(C)がナット部材の加締め前の正面説明図、その(D)が底面図、その(E)が載置部の正面説明図、その(F)がリング部材の正面図と平面図である。
この高さ調整部材23は、上記弾性シート部材と床支持部材を設置できる載置部28とその中央のナット部材26とから成り、前者の載置部28の中央の貫通孔内周縁部で回動自在に設けられたナット部材26が上記支柱部材22に螺合する。
即ち、このナット部材26の中央部には貫通孔が設けられ、この貫通孔の内周面に雌ネジが刻設され、上記支柱部材22の外周の雄ネジに螺合するのである。
更に、ナット部材26の6角ナット27の基部には鍔部31が形成され、鍔部31の下側には下方に向かって延長する延長部29が形成され、この延長部29を加締めて載置部23の中央部に設けた貫通孔の内周縁部に回動自在に連結される。
鍔部31の下面には、小突起31tが周方向に同一間隔で3個設けられている。
載置部28の中央の貫通孔にナット部材26の延長部29を挿通させ、この延長部29を加締めて載置部28と連結することができる。
この加締め部となる延長部29と載置部28の貫通孔の内周縁部との間にはリング部材30を介在させ、上記3個の小突起31tの存在と相俟って、ナット部材26が載置部28の貫通孔周縁部で適度な硬さで良好に回動できることとなる。
図7は、本願発明に係る床構造に用いられる際根太について図示する説明図である。
図8は、同じく上記際根太について図示しており、その(A)が平面説明図、その(B)が縦断面説明図、その(C)が側面説明図、その(D)が壁面緩衝用パッキンの斜視説明図である。
本願発明に係る二重床構造においては、その壁部との境界部には際根太40を配設している。
そして、この際根太40を支持する支持脚部20としては上記床下地材10を支持する支持脚部20とほぼ同一のものを使用することができる。
即ち、上記支持脚部20において、高さ調整部材23の上に設置されている床支持部材を設置せずに、弾性シート部材24の上に直接際根太40を支持するように構成する。
際根太40の長手方向には適宜間隔で貫通孔45を設け、この部分に支持脚部20の支柱部材22を配設し、これを支持できるようにし、この貫通孔45の上方から工具を用いてナット部材26を回動して、その高さを調整することができる。この事情は、上記床下地材10の高さ調整方法と同じである。
際根太40と壁部Wとの間には隙間が設けられており、その隙間には壁面緩衝用パッキン42を適宜間隔で配設している。
このように、本願発明に係る床構造にあっては、壁面部との境界部には際根太40をも配設して壁部Wとの間に間隔を設け、階上の床面の振動を壁部Wに伝達させず、従って、階下にも伝達しないような構成を採用している。
図9は、二重床構造に関して図示したものであり、その(A)が現状の床構造の平面説明図、その(B)がその側面説明図、その(C)が本願発明に係る床構造の平面説明図、その(D)がその側面説明図である。
これらの(A)図及び(B)図から解る通り、現状の床構造にあっては、床下地材50としてパーチクルボード(厚さ20mm×600mm×1820mm)を用い、これらを支持する15本の支持脚60s(図中、四角部分)を使用し、際根太40を支持する支持脚60c(図中、丸部分)は11本を必要とする。
他方、本願発明においては、(C)図及び(D)図から解る通り、床下地材10を支持する4本の支持脚部20s(図中、四角部分)を使用し、際根太40を支持する支持脚部20c(図中、丸部分)は5本で十分なものとなるのである。
このように、本願発明においては、極めて剛性の高い床下地材10を利用することにより、支持脚部20の本数も少なくて済み、(D)図に示した通り、床下地材10の下方の空間部の内部には繊維系吸音材33等を更に配設することにより、その遮音効果は現状の床構造のものと比較して格段に向上させることができたものである。
また、本願発明に係る支持脚部20の下端部のベース部材21は、これを直接にコンクリートスラブに固定し、現行の床構造ように防振ゴム等の弾性部材を備えていないため、現行の床構造の問題点であった太鼓現象の発生をも抑制することができることとなるのである。
以上、本願発明の実施形態について説明したが、以下の通り種々設計変更をすることが出来る。
まず、床下地材の下面に接合する補強用帯板材と連結用帯板材は、その厚みとして30mmのものを使用したが、その厚みはプラスマイナス2mm程度の範囲であることが望ましい。
同じく、上記帯板材の横幅も、80mmから90mmの範囲内であることが望ましい。
補強用帯板材は、床下地材を配設完了した状態で平面視同一方向に平行になるように配列されることが望ましい。床面に与えられる重量床衝撃に対して最も抵抗力を発揮するからである。
勿論、補強用帯板材と連結用帯板材の幅を異ならせることも自由である。
支持脚部のサイズや形状も自由に設計変更することができる。
支持脚部の構成パーツも適宜自由に設計変更することができ、要は高さ調整部材が支柱部材に対して螺合して上下に移動できる構成であればよいものである。
上記実施形態において、高さ調整部材の載置部上に設置される弾性シート部材も上記実施形態では2mm厚のブチルゴム・シートを利用したが、弾性を有するシートであれば、その素材は問わない。その厚みも適宜設計変更することができる。
上記支持脚部において、床支持部材及び上記弾性シート部材以外の構成部材は金属製である。
際根太と壁部との間に設けた壁面緩衝用パッキンのサイズ及び形態に関しても自由に設計変更可能である。
要は、際根太と壁部との間隔を維持できる緩衝材としての機能を発揮できるサイズと形態及び材質であればよい。
支持脚部のベース部材は、接着材又は螺子を用いてコンクリートスラブに固定することができるし、接着材と共に螺子固定の両者を用いて固定することもできる。接着材としては例えばウレタン系接着剤を用いることができる。
同様に、支持脚部の高さ調整部材のナット部材に関しても、高さ調整後にウレタン系接着剤を用いて緩み止めとして使用することができる。
以上、本願発明においては、高い剛性を有する床下地材と、従来から利用されて来た下端の防振ゴムを排した支持脚部とを用いることにより、現状の二重床構造にあった問題点である太鼓現象(床下地材下方の空間部の共振による音の増幅現象)を抑制し、遮音効果を向上させた多層階建築物の二重床構造の改良を実現することができたものである。
10 床下地材
11 構造用合板
12 補強用帯板材
13 連結用帯板材
20 支持脚部
21 ベース部材
22 支柱部材
23 高さ調整部材
24 弾性シート部材
25 床支持部材
26 ナット部材
27 6角ナット
28 載置部
29 延長部
30 リング部材
31 鍔部
31t 小突起
33 繊維系吸音材
40 際根太
42 壁面緩衝用パッキン
45 貫通孔
P 重量床衝撃
S コンクリートスラブ
W 壁部

Claims (8)

  1. 多層階建築物のコンクリートスラブ上に設置される二重床構造であって、床下地材と、これら床下地材を適宜高さレベルでフラットに敷設し支持できる支持脚部とから成る二重床構造において、
    前記床下地材として構造用合板を使用し、この構造用合板の裏面略中央部には補強用帯板材をこの床下地材の側縁部と略平行に接合し、且つその裏面側縁部には、この床下地材に隣接して配置される他の床下地材の側縁部が載置され接合される連結用帯板材を設け、
    前記支持脚部は、下端のベース部材と、このベース部材から垂立する支柱部材と、この支柱部材上部に螺合された高さ調整部材と、この高さ調整部材に設けた前記床下地材を支持する床支持部材とからなり、前記ベース部材、支柱部材及び高さ調整部材は金属製のものから成り、
    前記ベース部材をコンクリートスラブに螺子及び/又は接着材により固定することによって前記床下地材の下の空間部内の空気振動を抑制でき、
    前記支持脚部の高さ調整部材が床支持部材を載置する載置部とこの載置部の中央部で前記支柱部材に螺合するナット部材とから成り、このナット部材は前記載置部に対して回動可能に組み付けられて、このナット部材を回動することにより前記載置部が前記支柱部材に沿って上下動し、このナット部材はその上部から工具によって回動でき、
    前記ナット部材の回動により載置部の高さが調整された後、このナット部材の回動を固定するために、当該ナット部材を前記載置部に接着材により固定したことを特徴とする多層階建築物の二重床構造。
  2. 前記構造用合板の厚みが24mmであり、前記補強用帯板材及び連結用帯板材がそれぞれ厚さ30mmの合板からなることを特徴とする請求項1に記載の多層階建築物の二重床構造。
  3. 前記床下地材の縦横サイズを略910mmとし、前記支持脚部の床支持部が前記床下地材の角部を支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の多層階建築物の二重床構造。
  4. 前記支持脚部のベース部材を接着材により固定し、その後螺子により更に固定したことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の多層建築物の二重床構造。
  5. 際根太を前記支持脚部を用いて支持して設置し、前記床下地材を配設したことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の多層階建築部の二重床構造。
  6. 設置された前記床下地材は、壁面部と所定間隔を開けて配設されていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の多層階建築物の二重床構造。
  7. 設置された前記床下地材と壁面部との所定間隔部にエアー抜き緩衝材を配設したことを特徴とする請求項に記載の多層階建築物の二重床構造。
  8. 前記床下地材とコンクリートスラブとの間の空間部に繊維系吸音材を配設したことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の多層階建築物の二重床構造。
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