JP6976047B2 - エパルレスタットを調製する方法 - Google Patents

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序論
本出願は、エパルレスタット(Epalrestat)を調製する方法を提供する。本出願はまた、エパルレスタットを調製するための産業上利用可能な方法を提供する。
「エパルレスタット」という一般名を有する医薬品化合物は、2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸という化学名を有している。エパルレスタットは、式(I)の構造を有している。
Figure 0006976047
エパルレスタットは、糖尿病性末梢神経障害に伴う、神経障害の自覚症状、振動覚の異常、及び心拍変動異常の改善を目的とした、日本で承認されているアルドース還元酵素阻害薬である。
エパルレスタットは、水に難溶性である。エパルレスタットは、合計で4つの構造異性体を有している。その異性体とは、Z/E、Z/Z、E/E及びE/Zである。4つの配置のうち、Z/E異性体だけが、医薬組成物として有効な活性物質である。そのため、Z/E配置を有するエパルレスタットの研究が非常に重要である。
米国特許第4464382号は、酢酸ナトリウム及び酢酸の存在下で、ロダニン−3−酢酸を(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒドと反応させる、エパルレスタットの調製方法を開示している。当該特許の記述には、エパルレスタットの純度についての情報はない。しかしながら、本発明者らが行った実験の結果によると、米国特許第4464382号に記載のエパルレスタットの調製方法は、以下の理由のために産業上の適用が限定される。
1.エパルレスタットのZ/Z異性体(II)含有量が高く(3.75%)、エパルレスタットの純度は約88%であり、結晶化を繰り返し行うことによるさらなる精製が必要であること。
2.反応時間がより長いこと。
3.収率が低いこと(64%)。
4.製品の品質が全般的に不良であること。
Figure 0006976047
日本特許第4892821号公報は、有機塩基及び溶媒の存在下で、ロダニン−3−酢酸を(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒドと反応させる、エパルレスタットの調製方法を開示している。しかしながら、上記方法は、エパルレスタットのZ/Z異性体含有量が0.1%以上である、エパルレスタットを生成する。
CN102516197、CN102977047及びCN104072441は、エパルレスタットの異なる調製方法を開示している。しかし、記載の方法すべてが、エパルレスタットの所望の純度プロファイルをもたらしているわけではない。記載の方法はいずれも、低純度及び低収率などの1つ又は複数の欠点を有している。
したがって、エパルレスタットを生産するための単純で、経済的な、産業上利用可能な方法を提供する必要がある。
本発明のさらなるその他の目的は、以下の発明の概要及び発明の詳細な説明から、当業者に理解されよう。
本出願は、エパルレスタットを調製する方法に関する。特定の実施形態では、本出願は、エパルレスタットDMF溶媒和物を介したエパルレスタットの調製に関する。
本発明の態様は、5.98±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明の別の態様は、約5.98、14.59及び26.69±0.2度にピークを含むX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明のさらに別の態様は、5.98、14.59、19.76、26.06、27.00及び32.63±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。エパルレスタットDMF溶媒和物の結晶は、12.48、14.05、15.37、22.39、22.73及び26.69±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンをさらに特徴とすることができる。
本発明のさらに別の態様は、図1と実質的に一致するX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明のさらに別の態様では、エパルレスタットDMF溶媒和物の結晶は、約118.91℃で吸熱し、約226.03℃で別の吸熱をする示差走査熱量測定サーモグラムを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は、図2と実質的に一致する示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とするエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明のさらに別の態様は、
a)有機酸のアンモニウム塩(複数可)及びDMF含有溶媒(複数可)の存在下で、ロダニン−3−酢酸を(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒドと反応させるステップと、
b)エパルレスタットDMF溶媒和物を単離し、乾燥させるステップと
を含む、エパルレスタットDMF溶媒和物を調製する方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、
a)溶液を30〜60℃に保持しながら、溶媒にエパルレスタットDMF溶媒和物を懸濁するステップと、
b)エパルレスタット結晶Bを単離し、乾燥させるステップと
を含む、エパルレスタットDMF溶媒和物からエパルレスタット結晶Bを調製する方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、
a)懸濁液を10〜30℃に保持しながら、溶媒にエパルレスタットDMF溶媒和物を懸濁するステップと、
b)エパルレスタット結晶Aを単離し、乾燥させるステップと
を含む、エパルレスタットDMF溶媒和物からエパルレスタット結晶Aを調製する方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、高純度のエパルレスタットを提供することである。
結晶性エパルレスタットDMF溶媒和物のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。 結晶性エパルレスタットDMF溶媒和物の示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す図である。
発明の詳細な説明
本明細書で使用するとき、「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドである。
本明細書で使用するとき、「溶媒和物」は、非溶媒和分子からなるホスト格子に溶媒の分子が組み込まれた結晶性分子化合物である。「水和物」は、組み込まれた溶媒が水である特別な種類の溶媒和物である。したがって、「無水」形態は、水分子がホスト分子の結晶格子に組み込まれていない形態である。
本明細書で使用される「ピーク(複数可)」という用語は、XRPDでの特性決定について当業者が一般的に理解している特徴的なピークを意味する。例えば、「ピーク(複数可)」は、最強ピークに対して少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%の相対強度を有することにより、一般的に定義することができる。
本発明の態様は、エパルレスタットを調製する方法に関する。特定の実施形態では、本発明の態様は、エパルレスタットDMF溶媒和物を介した純粋なエパルレスタットの調製に関する。
エパルレスタットDMF溶媒和物は、任意の1つ又は複数の分析技術によって特性決定することができ、分析技術はXRPDパターン、赤外吸収スペクトル、示差走査熱量測定(DSC)曲線、及び熱重量分析(TGA)曲線を含むことができる。
本出願の別の態様は、1つ又は複数の分析法を使用することによって特性決定されたエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明のさらに別の態様は、5.98±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明のさらに別の態様は、5.98、14.59及び26.69±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。
本発明のさらに別の態様は、5.98、14.59、19.76、26.06、27.00及び32.63±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンを有するエパルレスタットDMF溶媒和物の結晶を提供する。エパルレスタットDMF溶媒和物の結晶は、12.48、14.05、15.37、22.39、22.73及び26.69±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンをさらに特徴とすることができる。
表1に、それらのピーク及び強度を示す。
Figure 0006976047
本発明のさらに別の態様は、
a)有機酸のアンモニウム塩(複数可)及びDMF含有溶媒(複数可)の存在下で、ロダニン−3−酢酸を(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒドと反応させるステップと、
b)エパルレスタットDMF溶媒和物を単離し、乾燥させるステップと
を含むエパルレスタットDMF溶媒和物を調製する方法に関する。
ステップa)は、DMF含有溶媒中で実施する。上記溶媒は、以下に限定されないが、水;例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ホルムアミド、アセトアミド、プロパンアミド等の極性非プロトン性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、又はそれらの任意の混合物をさらに含有することができる。上記溶媒は、酢酸エチル、メタノール又はそれらの混合物をさらに含有するのが好ましい。上記溶媒は、DMF以外の溶媒を含有していないのがより好ましい。
ステップa)は、有機酸のアンモニウム塩(複数可)の存在下で実施する。アンモニウム塩(複数可)のアンモニウムイオン部分は、式N(Rで表され、式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はC〜Cアルキル基である。C〜Cアルキル基は、直鎖又は分枝鎖であってもよい。
列挙したすべての有機酸のうち、好ましい酸は、サリチル酸、安息香酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、クエン酸、酒石酸、スベリン酸、ピログルタミン酸、ジピコリン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、酢酸、及びそれらの組合せからなるカルボン酸の群から選択される。有機酸は、酢酸及びクエン酸から選択されるのがより好ましい。
有機酸のアンモニウム塩(複数可)は、クエン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、酢酸メタンアミニウム、酢酸ジエチルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム及び酢酸ブチルアンモニウム並びにこれらの組合せからなる群から選択されるのが好ましい。
ステップa)の反応に適切な温度は、約150℃未満、約100℃未満、約80℃未満、約60℃未満、約40℃未満、約30℃未満、約20℃未満、約10℃未満、又はその他の任意の適切な温度であってもよい。
ステップa)で得られる反応混合物は、場合によって濾過して、不溶性の固体を除去してもよく、又はデカンテーション、遠心分離、重力濾過、吸引濾過等の方法、若しくは固体を除去するためのその他の任意の技術によって、粒子を除去してもよい。
ステップb)は、ステップa)で得られた固体を単離することを含む。固体は、液体から固体を分離することに関する当業者に既知の一般的な技術を用いて、懸濁液から単離することができる。例えば、固体は、例えば、重力若しくは吸引による濾過、遠心分離、デカンテーション等の技術、又は固体を除去するためのその他の任意の技術を用いて単離してもよい。固体を単離した後、ステップa)で使用される溶媒で、固体を場合によって洗浄することができる。
回収された固体はさらに乾燥させる。乾燥は、トレイ乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、フラッシュ乾燥機等で実施することができる。乾燥は、約150℃未満、約120℃未満、約100℃未満、約80℃未満、約60℃未満、又は化合物が品質の点で劣化しない限りはその他の任意の適切な温度で、大気圧又は減圧下で、実施することができる。必要とされる純度に達するまで、所望の時間、乾燥を実施してもよい。例えば、乾燥時間は、約1時間〜約15時間、又はそれより長く変動してもよい。
本出願のさらに別の態様は、
a)溶液を30〜60℃に保持しながら、溶媒にエパルレスタットDMF溶媒和物を懸濁するステップと、
b)エパルレスタット結晶Bを単離し、乾燥させるステップと
を含む方法で調製されるときの、エパルレスタット結晶Bを調製する方法を提供する。
個々のステップは、本明細書において以下に別々に記載する。
ステップa)で使用することができる適切な溶媒として、以下に限定されないが、例えば、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロパン酸メチル、プロパン酸エチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル等のエステル;水;例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、グリセロール等のアルコール、又はそれらの混合物が挙げられる。エタノールが、最も好ましい溶媒である。
ステップb)は、ステップa)で得られた固体を単離することを含む。固体は、液体から固体を分離することについて当業者に既知の一般的な技術を用いて、懸濁液から単離することができる。例えば固体は、例えば、重力若しくは吸引による濾過、遠心分離、デカンテーション等の技術、又は固体を除去するためのその他の任意の技術を用いて単離してもよい。固体を単離した後、ステップa)で使用される溶媒で、固体を場合によって洗浄することができる。
回収された固体は、場合によってさらに乾燥させてもよい。乾燥は、トレイ乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、フラッシュ乾燥機等で実施することができる。上記乾燥は、約150℃未満、約120℃未満、約100℃未満、約80℃未満、約60℃未満、又は上記化合物が品質の点で劣化しない限りはその他の任意の適切な温度で、大気圧又は減圧下で、実施することができる。必要とされる純度に達するまで、所望の時間、乾燥を実施してもよい。例えば、乾燥時間は、約1時間〜約15時間、又はそれより長く変動してもよい。
本発明のさらに別の態様は、
a)懸濁液を10〜30℃に保持しながら、溶媒にエパルレスタットDMF溶媒和物を懸濁するステップと、
b)エパルレスタット結晶Aを単離し、乾燥させるステップと
を含む方法で調製されるときのエパルレスタット結晶Aを提供することである。
個々のステップは、本明細書において以下に別々に記載する。
ステップa)で使用することができる適切な溶媒として、以下に限定されないが、水;例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、グリセロール等のアルコール、又はそれらの混合物が挙げられる。水、メタノール又はそれらの混合物が、最も好ましい溶媒である。
ステップb)は、ステップa)で得られた固体を単離することを含む。固体は、液体から固体を分離することについて当業者に既知の一般的な技術を用いて、懸濁液から単離することができる。例えば固体は、例えば、重力若しくは吸引による濾過、遠心分離、デカンテーション等の技術、又は固体を除去するためのその他の任意の技術を用いて単離してもよい。固体を単離した後、ステップa)で使用される溶媒で、固体を場合によって洗浄することができる。
回収された固体は、場合によってさらに乾燥させてもよい。乾燥は、トレイ乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、フラッシュ乾燥機等で実施することができる。乾燥は、約150℃未満、約120℃未満、約100℃未満、約80℃未満、約60℃未満、又は化合物が品質の点で劣化しない限りはその他の任意の適切な温度で、大気圧又は減圧下で、実施することができる。必要とされる純度に達するまで、所望の時間、乾燥を実施してもよい。例えば、乾燥時間は、約1時間〜約15時間、又はそれより長く変動してもよい。
特に指定しない限り、本明細書で使用するすべての百分率及び比は、組成物全体の重量によるものであり、すべての測定値は、約25℃及びおおよそ大気圧で測定されたものである。特に断りのない限り、温度はすべて摂氏で表す。本明細書で使用するとき、「含む」は、記載した要素、又は構造若しくは機能の点で上記要素の等価物、さらに記載していないその他の任意の要素(複数可)を意味する。「有する」、「含む」及び「含有する」という用語はまた、オープンエンドと解釈されるべきである。本明細書に記載の範囲はすべて、その範囲の終点を含み、2つの値の「間」の範囲を示す値を含む。示されているかそうでないかに関わらず、本明細書に記載の値はすべて、状況によって定められる値に近似し、予想される実験誤差、手法の誤差、及び値を測定するために使用される所与の手法についての計器誤差の程度を含む。
本発明のその他の特徴、利点及び態様は、以下の説明から当業者に明白になるであろう。説明及び以下の特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示するためだけに示されることを理解されたい。開示される本発明の趣旨及び範囲内の変更及び改変は、本開示の説明及びその他の部分を読むことによって、当業者に容易に明白になるであろう。
定義
文脈が他のことを示さない限り、以下の定義が、本出願に関連して使用される。
本発明のある特定の態様及び実施形態は、以下の実施例によってさらに詳細に記述され、実施例は例示のみを目的として提供され、いかなる方法であっても、本発明の範囲を限定するものではない。
XRPDは、45kV及び40mAでのCu−Kα線を使用して、PANalytical EMPYREAN(PANalytical、オランダ)回折計で記録した。回折パターンは、0.01度のステップサイズで5〜40度の2θ範囲にわたって収集した。
DSC(示差走査熱量測定)は、窒素気流下でアルミニウムルツボを用いることにより、加熱速度5℃/分で、DSC−60(Shimadzu)で行った。
実施例1
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物の調製
ロダニン−3−酢酸(65.40g)、(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒド(50.0g)を、25〜30℃でDMF(500ml)に溶解した。酢酸アンモニウム溶液(31.63g、30.0mlの水に溶解)を反応混合物に添加し、25〜35℃で12時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を5〜15℃に冷却した。50.0gの濃HClを、5〜15℃で、15分間かけてゆっくりと添加した。反応を5〜15℃で2時間維持した。反応塊を濾過し、冷却したDMF(150ml)で洗浄した。この物質を2時間吸引乾燥して、標題化合物を得た。
収量:153.0g
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸の結晶Bの調製
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物(153.0g)を、25〜30℃で、500mlのエタノールに懸濁した。温度を55〜60℃に上昇させ、2時間、反応を維持した。反応混合物を35〜40℃に冷却し、2時間維持した。反応塊を濾過し、エタノール(200ml)で洗浄した。この物質を30分間、吸引乾燥した。こうして得られたウェットケーキを25〜30℃で、水(500ml)に懸濁した。反応を25〜30℃で、30分間維持した。反応塊を濾過し、100mlの水とエタノール(100mlを1回)で2回洗浄した。上記物質を真空下50〜60℃で、15時間乾燥させた。
収量:78.50g(72.02%)
HPLCによる純度:99.94% Z/Z異性体:0.01%
HPLCの条件:
計測器:Waters e2695分離モジュール2489uv/vis検出器、カラム:C18(150x4.6)mm、5μm、検出器:280nmのUV、流速:1.0mL/分、溶出:均一濃度、ランタイム40分
実施例2
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物の調製
ロダニン−3−酢酸(131.0g)を700mLのDMFに溶解し、次いで(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒド(100.0g)及び200mlのDMFを、反応混合物に、25〜35℃で添加した。酢酸アンモニウム溶液(63.27g、60mlの水に溶解)を反応混合物に添加し、30〜35℃で4時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を10〜15℃に冷却した。100.0gの濃HClを10〜15℃でゆっくりと添加した。反応を10〜15℃で2時間維持した。反応塊を濾過し、DMFで洗浄した。上記物質を2〜4時間スピン乾燥して、標題化合物を得た。
収量:260.50g
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸の結晶Bの調製
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物(260.5g)を、25〜35℃で、1200mlのエタノールに懸濁した。温度を55〜60℃に上昇させ、反応を2時間維持した。反応混合物を35〜40℃に冷却し、2時間維持した。反応塊を濾過し、エタノール(400ml)で洗浄した。この物質を2時間スピン乾燥した。こうして得られたウェットケーキを30〜35℃で水(1000ml)に懸濁した。反応を30〜60分間維持した。反応塊を濾過し、水(400ml)及びエタノール(200ml)で洗浄した。上記物質を真空下50〜60℃で、8〜10時間乾燥させた。
収量:162.5g(74.54%)
HPLCによる純度:99.92% Z/Z異性体:0.02%
HPLCの条件:
Waters e2695分離モジュール2489uv/visの検出器、カラム:C18(150x4.6)mm、5μm、検出器:280nmのUV、流速:1.0mL/分、溶出:均一濃度、ランタイム40分
実施例3
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物の調製
ロダニン−3−酢酸(78.6kg)を377.6kgのDMFに溶解し、次いで(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒド(60.0kg)及び169.9kgのDMFを、反応混合物に25〜35℃で添加した。酢酸アンモニウム溶液(38.0kg、34kgの水に溶解)を反応混合物に添加し、30〜35℃で4時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を10〜15℃に冷却した。60.0kgの濃HClを10〜15℃でゆっくりと添加した。反応を10〜15℃で2時間維持した。反応塊を濾過し、169.9kgの冷却したDMFで洗浄した。上記物質を2時間スピン乾燥して、標題化合物を得た。
収量:164.06kg
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸の結晶Bの調製
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物(164.06kg)を、30〜35℃で、568.0kgのエタノールに懸濁した。温度を55〜60℃に上昇させ、反応を2時間維持した。反応混合物を35〜40℃に冷却し、2時間維持した。反応塊を濾過し、エタノール(189.4kg)で洗浄した。上記物質を2時間スピン乾燥した。こうして得られたウェットケーキを30〜35℃で水(600リットル)に懸濁した。反応を25〜30℃で30〜60分間維持した。反応塊を濾過し、水(240リットル)及びエタノール(94.7kg)で洗浄した。上記物質を真空下50〜60℃で、8〜10時間乾燥させた。
収量:102.0kg(77.98%)
HPLCによる純度:99.94% Z/Z異性体:0.01%
HPLCの条件:
Waters e2695分離モジュール2489uv/visの検出器、カラム:C18(150x4.6)mm、5μm、検出器:280nmのUV、流速:1.0mL/分、溶出:均一濃度、ランタイム40分
実施例4
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸の結晶Aの調製
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物(15.0g)を150mlの水に懸濁し、25〜30℃で6時間撹拌した。上記物質を濾過し、水とメタノールの混合液で洗浄した。上記物質を、真空下55〜60℃で、6時間乾燥させた。
収量:9.15g(72.75%)
実施例5
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸の結晶Aの調製
2−((Z)−5−((E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)酢酸DMF溶媒和物(15.0g)を、150mlのメタノールに懸濁し、20〜30℃で6時間撹拌した。上記物質を濾過し、メタノールで洗浄した。上記物質を、真空下55〜60℃で、12時間乾燥させた。
収量:9.0g(71.55%)

Claims (3)

  1. 5.98±0.2度、14.59±0.2度、15.37±0.2度、19.76±0.2度、22.73±0.2度、26.06±0.2度、27.00±0.2度、29.49±0.2度、32.63±0.2度及び33.22±0.2度の2θ角にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、エパルレスタットDMF溶媒和物の結晶。
  2. a.有機酸のアンモニウム塩及びDMF含有溶媒の存在下で、ロダニン−3−酢酸を(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアルデヒドと反応させるステップと、
    b.エパルレスタットDMF溶媒和物を単離し、乾燥させるステップと
    を含み、
    有機酸の前記アンモニウム塩が、クエン酸アンモニウム及び酢酸アンモニウム並びにそれらの組合せから選択される、エパルレスタットDMF溶媒和物を調製する方法。
  3. 前記溶媒が、酢酸エチル、メタノール又はそれらの混合物をさらに含有する、請求項2に記載の方法。
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