JP6975387B2 - 蓄電装置の製造方法 - Google Patents
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Description
かかる積層構造電極体では、集電のため、該電極体の本体部分(即ち、蓄電/放電のための正負極それぞれの活物質層が積層された部分をいう。以下同じ。)のいずれかの端部から外方に、正極集電箔が積層方向に複数重なり合うようにして正極集電箔積層部が構成されており、同様に、該本体部分のいずれかの端部から外方に、該正極集電箔積層部とは重ならない位置において、負極集電箔が積層方向に複数重なり合うようにして負極集電箔積層部が構成されている。以下、正極側および負極側の構造や部材を包括的に示す場合には、「正負極」とまとめて表現する。
そして、該正負極集電箔積層部に、それぞれ対応する極側の集電端子の一部を配置し、該集電箔積層部と集電端子とを超音波溶接等の溶接手段によって接合することにより、正負極それぞれの集電構造が形成される。例えば、特許文献1には、この種の集電構造を備えた蓄電装置の従来例が記載されている。
限られた所定の体積の外装体内部空間において、電極体本体部分をできるだけ大きくすると、その反対に、上記集電箔積層部のサイズは相対的に小さくなってしまう。しかし、かかる集電箔積層部の小サイズ化は、当該集電箔積層部を構成する各集電箔の部分が短く或いは小さくなることと同義であり、それら小サイズ化した各集電箔の部分を積層方向に束ねて集電箔積層部を構成し得たとしても、各集電箔の遊びの部分すなわち各集電箔にサイズ的な余裕があまりないため、上記集電端子を配置して集電箔積層部と超音波溶接する際、過大な応力が該集電箔積層部に発生し、該集電箔積層部を構成する集電箔の一部(特には積層方向の外側にある集電箔)に亀裂や破断が生じる虞があり、好ましくない。
(a)正極集電箔および負極集電箔の表面にそれぞれ正極活物質層および負極活物質層が形成されたシート状の正極および負極が、セパレータ材を介在させつつ相互に複数重なり合った積層構造を有する電極体であって、上記正負極活物質層が積層した本体部分のいずれかの端部から外方に、上記正極集電箔が積層方向に複数重なり合うように形成された正極集電箔積層部と、該正極集電箔積層部とは重ならない位置において上記負極集電箔が積層方向に複数重なり合うように形成された負極集電箔積層部とを備える電極体を用意する工程;および
(b)少なくとも上記正負極集電箔積層部のうちの一方の極の集電箔積層部における集電端子接合予定部位に、対応する極の集電端子を配置し、振動体である複数の凸部を有するホーンと、アンビルとを備える超音波溶接装置を用いて、上記接合予定部位および該部位に配置された集電端子を該集電箔積層部の接合予定部位がホーン側となるように該ホーンと該アンビルで挟み込み、該ホーンから該アンビル方向に押し込み荷重をかけつつ超音波溶接する工程;
を包含し、
ここで上記超音波溶接工程において使用する上記ホーンの形状を不均一形状とすることにより、上記接合予定部位を相対的に上記電極体本体部分から近い領域と遠い領域に区分したときの該近い領域にかかる上記押し込み荷重をPiとし、該遠い領域にかかる上記押し込み荷重をPoとしたとき、Pi<Poとなるように該ホーンから該アンビル方向に押し込み荷重をかけつつ超音波溶接することを特徴とする。
したがって、本構成の製造方法によると、外装体内部空間において電極体本体部分を拡大することにより逆に集電箔積層部が従来よりも小サイズ化した場合であっても、該集電箔積層部を構成する各集電箔の電極体本体部分に相対的に近い領域に過大な応力が発生することを防止して該集電箔(特に集電箔積層部における積層方向の比較的外側にある集電箔)に亀裂や破断が生じるのを未然に防止することができる。一方、集電箔積層部を構成する各集電箔の電極体本体部分に相対的に遠い領域において、より高い押し込み荷重(加圧力)により超音波溶接を行うことができる。これにより、十分な接合強度を確保して集電端子を集電箔積層部に接合することができる。
本明細書において正負極の「活物質」は、蓄電装置において正負極を構成し得る電極材料を包含する。例えば、二次電池において活物質は、電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な物質をいう。例えば、キャパシタにおいて活物質は、電解質イオン(陽イオン、陰イオン)を吸着および脱着可能な物質をいう。活物質の種類や形状は、ここで開示される蓄電装置とその製造方法を特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、直方体形状の角型の電池ケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体14とを備える。また、電池ケース10の内部には、開口部12より収容された扁平形状の捲回型電極体20および非水電解液が配置されている。蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、これら正負極端子38,48の一部は、それぞれ、ケース10の内部で板状の正負極集電端子37,47にそれぞれ接続されている。
図1に示すように、正極集電箔露出部分36が積層されて形成された正極集電箔積層部35の一方の表面には、正極集電端子37が超音波溶接によって接合されている。図1中の符号60で示す箇所が超音波装置によって形成された溶接部分60である。これにより、捲回型電極体20の正極シート30と正極集電端子37とが電気的に接続される。
本実施形態に係る超音波溶接の態様については後述するが、図3に示すように、超音波溶接は、超音波溶接装置の振動体であるホーン62とそれに協働するアンビル66との間に接合対象の二つの部材を挟み込む。具体的には、アンビル66に設けられた凸部68を正極集電端子37の対応する部位に当接した状態で、ホーン62に設けられた複数の凸部64A,64Bを所定の押し込み荷重(加圧力)で正極集電箔積層部35の接合予定部位に押し当てながら該ホーン62の超音波振動を与えることにより溶接を行う。
具体的には、正極集電箔積層部35の接合予定部位における相対的に電極体本体部分24から近い領域に押し当てられる複数の凸部64A(以下「内側凸部64A」という。)は、比較的高さが低い四角錐形状に形成されており、他方、正極集電箔積層部35の接合予定部位における相対的に上記電極体本体部分24から遠い領域に押し当てられる複数の凸部64B(以下「外側凸部64B」という。)は、比較的高さが高い四角錐形状に形成されている。
これにより、ホーン62をアンビル66の方向に押し込み荷重をかけつつ超音波溶接するとき、上記接合予定部位における電極体本体部分24から近い領域に加わる押し込み荷重Piのレベルを、上記遠い領域に加わる押し込み荷重Poのレベルよりも相対的に低減させることができる。
一方、集電箔積層部35を構成する各集電箔露出部分36の電極体本体部分24に相対的に遠い領域においては、比較的高さが高い四角錐形状に形成された外側凸部64Bを押し当てることにより、より高い押し込み荷重(加圧力)と振動による超音波溶接を行うことができる。これにより、十分な接合強度を確保して正極集電端子37を集電箔積層部35に接合することができる。
なお、本実施形態では、負極集電箔42と負極集電端子47との接合を抵抗溶接で行っているが、使用する材料の種類によっては、負極側においてもここで開示される超音波溶接を実施してもよい。
そして、かかるアッセンブリーを電池ケース10に収容するとともに、所定の非水電解液を注液し、電池ケース10の開口部12を蓋体14で封止することにより、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の構築(組み立て)が完成する。なお、電池ケース10の封止方法等は、従来のリチウムイオン二次電池の製造プロセスで行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。
また、例えば、上述した押し込み荷重Pi<Poの関係を実現するためのホーン62の不均一形状は、図3および図4に示した形状に限定されない。
このような不均一形状の内側凸部164Aと外側凸部164Bとを有するホーン162を使用しても、上述した押し込み荷重Pi<Poの関係を実現することができる。
このような不均一形状の内側凸部264Aと外側凸部264Bとを有するホーン262を使用しても、上述した押し込み荷重Pi<Poの関係を実現することができる。
12 開口部
14 蓋体
20 捲回型電極体
24 本体部分
30 正極シート
32 正極集電箔
34 正極活物質層
35 正極集電箔積層部
36 正極集電箔露出部分
37 正極集電端子
38 外部正極端子
40 負極シート
42 負極集電箔
44 負極活物質層
45 負極集電箔積層部
46 負極集電箔露出部分
47 負極集電端子
48 外部負極端子
50 セパレータ材
60 正極側の溶接部分
62,162,262 ホーン
64A,164A,264A ホーンの内側凸部
64B,164B,264B ホーンの外側凸部
66 アンビル
68 アンビルの凸部
70 負極側の溶接部分
100 リチウムイオン二次電池
R 捲回軸方向
Claims (1)
- 蓄電装置を製造する方法であって、以下の工程:
正極集電箔および負極集電箔の表面にそれぞれ正極活物質層および負極活物質層が形成されたシート状の正極および負極が、セパレータ材を介在させつつ相互に複数重なり合った積層構造を有する電極体であって、前記正負極活物質層が積層した本体部分のいずれかの端部から外方に、前記正極集電箔が積層方向に複数重なり合うように形成された正極集電箔積層部と、該正極集電箔積層部とは重ならない位置において前記負極集電箔が積層方向に複数重なり合うように形成された負極集電箔積層部とを備える電極体を用意する工程;および
少なくとも前記正負極集電箔積層部のうちの一方の極の集電箔積層部における集電端子接合予定部位に、対応する極の集電端子を配置し、振動体である複数の凸部を有するホーンと、アンビルとを備える超音波溶接装置を用いて、前記接合予定部位および該部位に配置された集電端子を、該集電箔積層部の接合予定部位がホーン側となるように該ホーンと該アンビルで挟み込み、該ホーンから該アンビル方向に押し込み荷重をかけつつ超音波溶接する工程;
を包含し、
ここで前記超音波溶接工程において、使用する前記ホーンの形状を不均一形状とすることにより、前記接合予定部位を相対的に前記電極体本体部分から近い領域と遠い領域に区分したときの該近い領域にかかる前記押し込み荷重をPiとし、該遠い領域にかかる前記押し込み荷重をPoとしたとき、Pi<Poとなるように該ホーンから該アンビル方向に押し込み荷重をかけつつ超音波溶接することを特徴とする、蓄電装置製造方法。
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