JP6975035B2 - カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法 - Google Patents

カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6975035B2
JP6975035B2 JP2017252102A JP2017252102A JP6975035B2 JP 6975035 B2 JP6975035 B2 JP 6975035B2 JP 2017252102 A JP2017252102 A JP 2017252102A JP 2017252102 A JP2017252102 A JP 2017252102A JP 6975035 B2 JP6975035 B2 JP 6975035B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
catheter
mold
cavity
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017252102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019115560A (ja
Inventor
拓哉 垣本
宗近 前嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2017252102A priority Critical patent/JP6975035B2/ja
Publication of JP2019115560A publication Critical patent/JP2019115560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6975035B2 publication Critical patent/JP6975035B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

本発明は、カテーテルの先端側に配置された先端部材の先端部を加工するためのカテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法に関する。
一般的に、カテーテルは、血管、胆管、食道、気管、尿道、消化管その他の臓器などの生体管腔内に挿入されて、生体管腔内に生じた狭窄部を拡張したり、生体管腔を確保したりする。カテーテルの先端側には、先端チップなどと呼ばれる先端部材が設けられている。先端部材の先端部は、例えばカテーテルが血管内を通過する際に生じる摺動抵抗を軽減したり、血管壁の損傷を軽減したりするために、R加工部分(曲面形状部分、ラウンド形状部分)に形成されている。
例えば、特許文献1には、カテーテル加工用金型および加工方法が開示されている。特許文献1に記載されたカテーテル加工用金型は、カテーテルの先端部を所望の形状に加工するための金型であり、カテーテルの先端部の形状を有するキャビティと、電磁誘導加熱のためのコイルと、冷却手段と、を有する。
特許文献1に記載された加工方法では、コアーピンを貫通させた先端未加工のカテーテルをカテーテル加工用の金型のキャビティにセットし、カテーテルをカテーテルの先端方向に押圧しつつ高周波による電磁誘導加熱を行うことで、カテーテルの先端部を所望の形状に形成し、冷却して脱型する。
特開平10−156942公報
ところが、特許文献1に記載のカテーテル加工用金型は、金型およびカテーテルの先端部を冷却するための冷却手段を必要としている。また、特許文献1に記載されたカテーテルの先端部の加工方法には、上述した冷却工程が必要である。冷却工程は、例えば15秒から30秒程度の冷却時間を必要としている。しかも、カテーテルの先端部を加工する毎に、金型の温度を上げたり下げたりする操作が必要である。このため、加工時間を短縮することが困難であるという問題がある。また、カテーテルにかかる熱が安定せず、カテーテルの先端部の加工形状や強度が安定しないおそれがある。
また、特許文献1に記載のカテーテル加工用金型は、カテーテルの先端部の移動量を制御する手段を有していないため、未加工のカテーテルの先端部が金型のキャビティに押圧される際の押圧量を正確に制御することが困難である。このため、カテーテルの先端部の形状を安定して形成することができないおそれがあり、カテーテルの先端部の加工形状や強度が安定しないおそれがある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、カテーテルの先端部材の先端部を所望形状に形成する際の加工時間を短縮することができる、あるいはカテーテルの先端部材の先端部を所望形状に安定して形成することができるカテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、カテーテルの先端側に配置された先端部材の先端部を所望形状に形成するカテーテル先端部加工装置であって、前記所望形状に対応する形状を有するキャビティを有する金型と、前記金型を加熱する加熱源と、前記カテーテルを保持しながら移動させることで、前記先端部を前記キャビティに対して押圧する押圧操作部と、前記加熱源を制御することにより前記金型の温度を前記先端部材の融点よりも低い温度に設定する制御部と、を備え、前記先端部材の形成材料は、熱可塑性樹脂として融点が170℃のナイロンエラストマーであり、前記制御部は、前記加熱源を制御し、前記金型の温度を前記先端部材の前記融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定することを特徴とするカテーテル先端部加工装置により解決される。
前記構成によれば、制御部は、加熱源を制御することにより金型の温度を先端部材の融点よりも低く設定する。制御部が金型の温度を先端部材の融点以上に設定すると、融解により先端部材の形状が変化する。そのため、先端部材をキャビティに対して押圧した後、凝固のために金型の冷却が必要となる。これに対して、制御部が金型の温度を先端部材の融点よりも低い温度に設定すると、先端部材の先端部が融解することなく先端部材の形状が変化する。そのため、金型の冷却は不要となる。このため、金型の冷却時間が不要となり、加工時間を短縮することができる。また、連続して複数の先端部材を加工する場合には、金型の温度が一定に維持されるため、加工された先端部材の形状や強度のバラつきが低減する。すなわち、先端部材の加工形状や強度が安定する。
また、前記構成によれば、先端部材の先端部は、先端部材の融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定された金型により所望形状に形成される。そのため、先端部材の先端部の冷却時間を短縮することができ、先端部材の先端部の加工時間を短縮することができる。金型の設定温度が先端部材の融点に対して20℃未満低い温度であると、先端部材の先端部の形状が所望形状から崩れ、バリが発生するおそれがある。また、金型の設定温度が先端部材の融点に対して30℃を超えて低い温度であると、先端部材の先端部に与えられる熱が不十分であり、先端部材の先端部が所望形状に形成されないおそれがある。
また、前記構成によれば、先端部材の形成材料が熱可塑性樹脂であるため、先端部材の先端部を所望形状に容易に形成することができる。
また、前記構成によれば、熱可塑性樹脂としては、融点が170℃のナイロンエラストマーが用いられている。そのため、金型の設定温度が先端部材の融点よりも低い温度であっても、先端部材の先端部を所望形状に容易に形成することができる。また、金型のキャビティ対するナイロンエラストマーの離型性が比較的良い。そのため、先端部材の先端部を比較的高い精度で所望形状に形成することができる。そのため、先端部材は、例えばカテーテルが血管内を通過する際に生じる摺動抵抗を軽減したり、血管壁の損傷を軽減したりすることができる。
好ましくは、前記カテーテルは、内管と、前記内管を通す外管と、を有し、前記先端部材は、前記内管の先端側に固定されており、前記押圧操作部は、前記内管を着脱可能に保持する内管保持部と、前記カテーテルを案内するガイド部と、前記内管保持部および前記ガイド部を保持し、前記内管保持部および前記ガイド部を移動させることにより前記先端部を前記キャビティに向かって移動させる移動テーブルと、を有することを特徴とする。
前記構成によれば、押圧操作部の内管保持部は、カテーテルの内管を着脱可能に保持し、押圧操作部のガイド部は、カテーテルを案内する。移動テーブルは、内管保持部とガイド部を保持し、内管保持部およびガイド部を移動させることにより、先端部材の先端部を金型のキャビティに向かって移動させる。このため、押圧操作部は、内管と外管を有するカテーテルの構造を壊すことなく、カテーテルを一体的に金型側に移動させることができる。そのため、先端部材の先端部は、金型のキャビティに対して、安定的かつ正確に移動し、所望形状に形成される。
好ましくは、前記押圧操作部により前記先端部材が移動する際に、前記先端部を検出する先端部検出部をさらに備え、前記制御部は、前記押圧操作部を制御することにより前記先端部検出部が前記先端部を検出してから前記先端部が前記キャビティに向かって移動し止まるまでの移動量を制御することを特徴とする。
前記構成によれば、先端部材の先端部が金型のキャビティに押圧される押圧量は、正確に制御される。そのため、カテーテルの先端部材の先端部を所望形状に安定して形成することができる。
また、前記課題は、本発明によれば、カテーテルの先端側に配置された先端部材の先端部を所望形状に形成するカテーテル先端部加工方法であって、前記所望形状に対応する形状を有するキャビティを有する金型を加熱源により加熱し、前記金型の温度を前記先端部材の融点よりも低い温度に設定する第1工程と、押圧操作部により前記カテーテルを保持しながら移動させる第2工程と、前記先端部を前記キャビティに対して押圧する第3工程と、前記先端部を前記キャビティに対して押圧した状態を所定時間にわたって保持する第4工程と、前記所定時間が経過した後に前記先端部を前記キャビティに対して後退させる第5工程と、を備え、前記先端部材の形成材料は、熱可塑性樹脂として融点が170℃のナイロンエラストマーであり、前記第1工程において、前記加熱源を制御し、前記金型の温度を前記先端部材の前記融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定することを特徴とするカテーテル先端部加工方法により解決される。
前記構成によれば、制御部は、金型を加熱源により加熱し、金型の温度を先端部材の融点よりも低い温度に設定する。制御部が金型の温度を先端部材の融点以上に設定すると、融解により先端部材の形状が変化する。そのため、先端部材をキャビティに対して押圧した後、凝固のために金型の冷却が必要となる。これに対して、制御部が金型の温度を先端部材の融点よりも低い温度に設定すると、先端部材の先端部が融解することなく先端部材の形状が変化する。そのため、金型の冷却は不要となる。このため、金型の冷却時間が不要となり、加工時間を短縮することができる。また、連続して複数の先端部材を加工する場合には、金型の温度が一定に維持されるため、加工された先端部材の形状や強度のバラつきが低減する。すなわち、先端部材の加工形状や強度が安定する。
また、前記構成によれば、先端部材の先端部は、先端部材の融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定された金型により所望形状に形成される。そのため、先端部材の先端部の冷却時間を短縮することができ、先端部材の先端部の加工時間を短縮することができる。金型の設定温度が先端部材の融点に対して20℃未満低い温度であると、先端部材の先端部の形状が所望形状から崩れ、バリが発生するおそれがある。また、金型の設定温度が先端部材の融点に対して30℃を超えて低い温度であると、先端部材の先端部に与えられる熱が不十分であり、先端部材の先端部が所望形状に形成されないおそれがある。
また、前記構成によれば、先端部材の形成材料が熱可塑性樹脂であるため、先端部材の先端部を所望形状に容易に形成することができる。
また、前記構成によれば、熱可塑性樹脂としては、融点が170℃のナイロンエラストマーが用いられている。そのため、金型の設定温度が先端部材の融点よりも低い温度であっても、先端部材の先端部を所望形状に容易に形成することができる。また、金型のキャビティ対するナイロンエラストマーの離型性が比較的良い。そのため、先端部材の先端部を比較的高い精度で所望形状に形成することができる。そのため、先端部材は、例えばカテーテルが血管内を通過する際に生じる摺動抵抗を軽減したり、血管壁の損傷を軽減したりすることができる。

好ましくは、前記第3工程において、前記先端部を検出する先端部検出部が前記先端部を検出してから前記先端部が前記キャビティに向かって移動し止まるまでの移動量を制御することを特徴とする。
前記構成によれば、第3工程において、先端部材の先端部を検出する先端部検出部が先端部材の先端部を検出してから先端部材の先端部がキャビティに向かって移動し止まるまでの移動量は、制御される。このため、先端部材の先端部が金型のキャビティに押圧される押圧量は、正確に制御される。そのため、カテーテルの先端部材の先端部を所望形状に安定して形成することができる。
本発明によれば、カテーテルの先端部材の先端部を所望形状に形成する際の加工時間を短縮することができる、あるいはカテーテルの先端部材の先端部を所望形状に安定して形成することができるカテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工装置により加工されるワークの一例であるバルーンカテーテルを示す平面図である。 図1に表したバルーンカテーテルのバルーンの近傍を表す断面図である。 本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工装置の構成例を示す正面図である。 本実施形態に係るカテーテル先端部加工装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工方法を説明する断面図である。 本実施形態に係るカテーテル先端部加工方法の手順を示すフローチャートである。 本発明者が実施した検討結果の一例を例示する表である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(カテーテル先端部加工装置により加工されるワークの一例であるバルーンカテーテル3の構成例)
本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工装置を説明する前に、カテーテル先端部加工装置により加工されるワークの一例であるバルーンカテーテル3の構成例を説明する。なお、カテーテル先端部加工装置により加工されるワークは、バルーンを有するカテーテル(バルーンカテーテル)には限定されず、バルーンを有していないカテーテルであってもよい。ワークは、血管、胆管、食道、気管、尿道、消化管その他の臓器などの生体管腔内に挿入されて、生体管腔内に生じた狭窄部を拡張したり、生体管腔を確保したりするものであればよい。
図1は、本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工装置により加工されるワークの一例であるバルーンカテーテルを示す平面図である。
図2は、図1に表したバルーンカテーテルのバルーンの近傍を表す断面図である。
なお、図2は、バルーンカテーテルの軸方向(X方向)に関する断面図(縦断面図)である。また、説明の便宜上、図1に示すバルーンカテーテル3において、右側を「基端」あるいは「基端部」といい、左側を「先端」あるいは「先端部」という。
図1に例示するバルーンカテーテル3は、チューブ状のシャフト本体部31と、シャフト本体部31の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン32と、を有する。バルーン32は、シャフト本体部31の先端部において拡張および収縮可能に設けられている。
図1に示すシャフト本体部31は、内管311と、外管312と、分岐ハブ313と、を有する。内管311は、図2に示すように、内部にガイドワイヤWを挿通するためのガイドワイヤルーメン314を有するチューブ体である。ガイドワイヤルーメン314の一端は、シャフト本体部31の先端側において開口している。また、ガイドワイヤルーメン314の他端は、シャフト本体部31の基端側において開口している。
内管311の長さは、例えば100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mmである。内管311の外径は、例えば0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mmである。内管311の肉厚は、例えば10〜250μm、より好ましくは、20〜100μmである。内管311のこれらの寸法は一例であり、特に限定されない。
図2に示すように、内管311の先端部は、外管312よりも先端側に突出している。外管312は、内部に内管311を挿通しているチューブ体である。外管312の先端は、内管311の先端よりも後退した部分に位置している。
外管312の長さは、例えば100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mmである。外管312の外径は、例えば0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mmである。外管312の肉厚は、例えば25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmである。外管312のこれらの寸法は一例であり、特に限定されない。
図2に示すように、内管311の外周面と、外管312の内周面と、の間には、バルーン拡張用ルーメン315が形成されており、十分な容積を有している。バルーン拡張用ルーメン315は、ガイドワイヤルーメン314の外側において、同心円状に形成されている。
バルーン拡張用ルーメン315は、バルーン32を拡張するための拡張用流体を流通させる。バルーン拡張用ルーメン315は、拡張用流体をバルーン32の内部P側に流すための十分な容積を有している。
拡張用流体は、気体でも液体でもよい。拡張用流体としては、例えば、ヘリウムガス、COガス、Oガス等の気体や、生理食塩水、造影剤等の液体が挙げられる。
図1に示すように、外管312は、先端側外管312aと、基端側外管312bと、を有する。先端側外管312aおよび基端側外管312bは、互いに接合されている。外管312は、例えば先端側外管312aと基端側外管312bとの接合部付近において、テーパー状に縮径している部分を有する。そのため、テーパー部よりも先端側における先端側外管312aの径は、テーパー部よりも基端側における基端側外管312bの径よりも細い。
内管311の形成材料および外管312の形成材料は、同じ種類であっても良いし、異なる種類でも良い。内管311の形成材料および外管312の形成材料は、ある程度の可撓性を有するものが好ましい。内管311の形成材料および外管312の形成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。内管311および外管312の形成材料は、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
拡張用流体が図2のバルーン拡張用ルーメン315を通じてバルーン32の内部Pに供給されると、バルーン32は拡張する。一方で、拡張用流体が供給されない状態では、バルーン32は、内管311の外周面311Rに折り畳まれた状態となる。
図1および図2に示すバルーン32は、先端側接合部32aと、基端側接合部32bと、を有する。バルーン32では、拡張可能部32cと先端側接合部32aとの間、および、拡張可能部32cと基端側接合部32bとの間が、それぞれテーパー状に形成されている。先端側接合部32aは、内管311の外周面311Rに対して、接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。基端側接合部32bは、外管312の先端部である先端側外管312aに対して、接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。これにより、バルーン32の内部Pは、バルーン拡張用ルーメン315と連通している。
バルーン32の形成材料は、ある程度の可撓性を有するものが好ましい。バルーン32の形成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。特に、バルーン32の形成材料は、延伸可能な材料であることが好ましい。また、バルーン32は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
バルーン32が拡張されたときのバルーン32の円筒部分(拡張可能部32c)の外径は、例えば2〜4mm、好ましくは2.5〜3.5mmである。バルーン32の長さは、例えば10〜50mm、好ましくは20〜40mmである。先端側接合部32aの外径は、例えば0.9〜1.5mm、好ましくは1〜1.3mmである。先端側接合部32aの長さは、例えば1〜5mm、好ましくは1〜3mmである。また、基端側接合部32bの外径は、例えば1〜1.6mm、好ましくは1.1〜1.5mmである。基端側接合部32bの長さは、例えば1〜5mm、好ましくは、2〜4mmである。これらの寸法は一例であり、限定されない。
図1および図2に示すように、先端部材としての先端チップ50が、内管311の先端部に対して接着剤または熱融着などにより固定されている。なお、本実施形態の先端チップ50は、本発明の「先端部材」に相当する。先端チップ50の形成材料としては、例えばナイロンエラストマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。具体的には、先端チップ50の形成材料としては、ハードセグメントがナイロン12であるナイロンエラストマーなどが挙げられる。例えば、先端チップ50の形成材料として上記ナイロンエラストマーが採用されると、先端チップ50の融点は、170℃である。
(カテーテル先端部加工装置100の構成例)
次に、本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工装置100の構成例を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工装置の構成例を示す正面図である。
図4は、本実施形態に係るカテーテル先端部加工装置の構成例を示す斜視図である。
図3および図4に示すカテーテル先端部加工装置100は、図1および図2に示す例えばバルーンカテーテル3の先端チップ50の先端部51を、押し当て式で、加温しながら、所望形状に加工する装置である。本実施形態では、R加工の場合、すなわち所望形状が先端部51のエッジを丸めた形状(R加工の形状)である場合を例に挙げ説明する。
図3および図4に示すように、カテーテル先端部加工装置100は、金型110と、先端部検出センサ120と、押圧操作部130と、を有している。
まず、金型110について説明する。
図3に示すように、金型110は、先端チップ50の先端部51の所望形状に対応する形状を有するキャビティ111を有する。キャビティ111には、貫通孔112が設けられている。金型110は、図示しない金型保持部に保持されている。キャビティ111は、例えば好ましくは半球状の凹面111Rを有している。金型110の貫通孔112は、金型110を用いて先端チップ50の先端部51に、例えば半球状のR加工部分を形成する際に、芯金300が金型110に当たらないように、芯金300を通して逃がすための逃げ孔である。
芯金300は、先端チップ50の先端部51を所望形状に加工する際に、先端チップ50を支持して補強するために、先端チップ50内に挿入される補強冶具の一種である。芯金300は、金属により形成されている。芯金300の材料としては、例えば、ニッケルチタン合金やステンレス鋼等が挙げられる。貫通孔112は、キャビティ111の中心を通り、X方向に沿って形成されている。
金型110は、図4に示すように、加熱源113により加熱される。加熱源113としては、抵抗加熱や高周波加熱などが利用できる。加熱源113の動作は、制御部200の指令により行われる。これにより、金型110の加熱設定温度は、例えばナイロンエラストマー製の先端チップ50の融点である170℃よりも低い温度、好ましくは20℃以上30℃以下低い温度に設定される。
次に、先端部検出センサ120について説明する。
図3および図4に示す先端部検出センサ120は、先端部検出部の一例であり、金型110の付近に配置されている。本実施形態の先端部検出センサ120は、本発明の「先端部検出部」に相当する。図4に示すように、先端部検出センサ120は、例えばレーザ外形測定器等の光を用いた非接触型の検出装置である。先端部検出センサ120は、レーザ光Lを発生する発光部121と、発光部121に対向して配置されている受光部122と、を有する。なお、先端部検出センサ120は、レーザ光Lを発光するセンサには限定されず、画像センサなどであってもよい。
図4に示すように、発光部121は、検出用のレーザ光Lを発生する。一方で、受光部122は、発光部121により発光されたレーザ光Lを受光する。先端チップ50の先端部51が押し付け方向であるX1方向に沿って金型110側に向けて移動すると、先端部51が先端部検出位置Tでレーザ光Lを遮る。これにより、受光部122は、先端部51が先端部検出位置Tに達したことを検出して、先端チップ50の先端部51の通過を先端部検出信号SGとして制御部200に送る。すなわち、先端部検出センサ120は、先端チップ50がX1方向に沿って金型110に向かって移動する際に、先端チップ50の先端部51を検出する。
図3および図4に示すように、先端部検出位置Tから金型110の表面110Sまでは、距離Dで示している。図3に示すように、金型110の表面110Sからキャビティ111の凹面111Rの底部までは、距離Eで示している。距離Dと距離Eとの合計値は、距離Fで表している。
次に、押圧操作部130の構造例について説明する。
図3および図4に示すように、押圧操作部130は、移動テーブル131と、ガイド部140と、内管保持部150と、を有する。図4に示すように、ガイド部140および内管保持部150は、移動テーブル131の上に搭載され固定されている。言い換えれば、移動テーブル131は、内管保持部150およびガイド140を保持している。内管保持部150は、内管掴み部ともいう。移動テーブル131が押し付け方向であるX1方向と退避方向(後退方向)であるX2方向とに移動すると、ガイド部140および内管保持部150は、移動テーブル131とともに一体的にX1方向とX2方向とに移動する。
図4に示すように、移動テーブル131は、アクチュエータ132の駆動により、X1方向とX2方向にそれぞれ直線移動可能である。移動テーブル131の押し付け方向であるX1方向への移動量と、退避方向であるX2方向への移動量と、は、制御部200の制御により設定される。制御部200がアクチュエータ132を制御することで、移動テーブル131は、先端部検出センサ120が先端チップ50の先端部51を検出する先端部検出位置Tから、設定移動量だけ移動することができる。言い換えれば、制御部200は、アクチュエータ132を介して移動テーブル131を制御することにより、先端部検出センサ120が先端チップ50の先端部51を検出してから先端部51がキャビティ111に向かって移動し止まるまでの移動量(設定移動量F)を制御する。
図4に示すガイド部140は、例えば蓋部141と受け部142とを有し、バルーンカテーテル3を案内する。受け部142は、外管312の径よりも大きい幅の溝を有し、その溝において外管312を受ける。蓋部141は、受け部142に対して着脱自在に設けられる。ガイド部140は、蓋部141と受け部142との間の空間(受け部142の溝)において外管312を案内し、例えば移動テーブル131の移動時に外管312がずれたり振れたりすることを抑える。
図4に示す内管保持部150は、例えば固定部材151と移動部材152とを有する。固定部材151は、内管311の外周囲に突き当たって保持している。移動部材152は、アクチュエータ153によりY1方向と、Y1方向とは反対のY2方向と、に直線移動可能である。移動部材152は、進出方向であるY1方向に沿って移動することで、内管311の外周面を保持する。これにより、内管311は、固定部材151と移動部材152により挟まれた状態で保持される。
アクチュエータ132,153としては、流体圧シリンダ(エアシリンダ、油圧シリンダ)や、電磁アクチュエータ等が挙げられる。アクチュエータ132,153の動作は、制御部200の指令に基づいて行われる。
(カテーテル先端部加工装置100を用いたカテーテル先端部加工方法)
次に、上述したカテーテル先端部加工装置100が、カテーテル先端部加工方法を行う例を、図5および図6を参照して説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るカテーテル先端部加工方法を説明する断面図である。
図6は、本実施形態に係るカテーテル先端部加工方法の手順を示すフローチャートである。
なお、図5(a)は、カテーテル先端部加工装置100が、先端チップ50の先端部51を加工する前の状態を示す。図5(b)は、カテーテル先端部加工装置100が、先端チップ50の先端部51を、X1方向に押し当てて、加温しながら、R加工の形状に加工している状態を示す。図5(c)は、加工後に先端チップ50の先端部51を、X2方向に退避(後退)させた状態を示す。
図6に示すステップST1では、金型110の加熱源113の電源を入れることで、加熱源113は、制御部200の指令に基づいて、金型110を予め設定された加熱設定温度に加温する。金型110の加熱設定温度は、例えばナイロンエラストマー製の先端チップ50の融点である170℃よりも低い温度、好ましくは170℃に対して20℃以上30℃以下低い温度(本実施形態では、140℃以上150℃以下)の範囲に設定される(第1工程)。
金型110の設定温度が先端チップ50の融点(本実施形態では170℃)に対して20℃未満低い温度であると、先端チップ50の先端部51の形状が所望形状(本実施形態ではR加工の形状)から崩れ、バリが発生するおそれがある。また、金型110の設定温度が先端チップ50の融点に対して30℃を超えて低い温度であると、先端チップ50の先端部51に与えられる熱が不十分であり、先端チップ50の先端部51が所望形状に形成されないおそれがある。
次に、図6に示すステップST2では、図4および図3に示すように、ワークであるバルーンカテーテル3が、X方向に沿って、カテーテル先端部加工装置100にセットされる。具体的には、バルーンカテーテル3の先端チップ50の先端部51が、先端部検出センサ120の付近になるように配置される。先端チップ50の先端部51は、X方向に沿って、金型110のキャビティ111に対面している。
なお、バルーンカテーテル3がカテーテル先端部加工装置100にセットされる前に、芯金300は、バルーンカテーテル3の内管311に挿入されている。これにより、先端チップ50の先端部51が金型110のキャビティ111に対して押圧されたときに、先端チップ50の先端部51が過度に変形することが抑えられる。そのため、バルーンカテーテル3の先端チップ50の先端部51を所望形状により安定的に形成することができる。
図4に示すように、バルーンカテーテル3の外管312は、ガイド部140により案内される。バルーンカテーテル3の内管311は、内管保持部150の固定部材151と移動部材152との間に配置される。固定部材151は、内管311の外周囲に突き当たって保持している。このように、ワークであるバルーンカテーテル3が、X方向に沿ってカテーテル先端部加工装置100にセットされた後に、図4に関して前述した加工動作をスタートさせるスタートボタン250が押される。
図6に示すステップST3では、図4のスタートボタン250が押されると、制御部200が図4のアクチュエータ153を制御することで、移動部材152は、進出方向であるY1方向に沿って移動し、内管311の外周面を保持する(第2工程)。これにより、内管311は、固定部材151と移動部材152により挟まれた状態で掴まれる。
図6に示すステップST4では、図4の制御部200は、アクチュエータ132を制御することで、移動テーブル131をX1方向に移動させる。これにより、図4の押圧操作部130の移動テーブル131は、予め定められた移動速度により、バルーンカテーテル3をX1方向に少しずつ移動させる(第2工程)。そして、先端チップ50の先端部51が、先端部検出センサ120の先端部検出位置Tを通過する。これにより、先端部検出センサ120は、先端チップ50の先端部51が先端部検出センサ120の先端部検出位置Tを通過したことを示す先端部検出信号SGを制御部200に送る。つまり、先端部検出センサ120が先端チップ50の先端部51を検知する。
制御部200は、先端部検出信号SGを受けると、アクチュエータ132に対して、図3に示す先端チップ50の先端部51を先端部検出位置Tから設定移動量だけX1方向に移動させるように指示する。
これにより、図5(a)および図5(b)に表したように、図6に示すステップST5では、先端チップ50の先端部51は、先端部検出位置Tから設定移動量だけ押し付け方向であるX1方向に移動して、金型110のキャビティ111に距離Eだけ押し付けられる(第3工程)。このとき、金型110の貫通孔112は、金型110を用いて先端チップ50の先端部51をR加工部分51Rに形成する際に、芯金300が金型110に当たらないように芯金300を通して逃がす。
図6に示すステップST6では、制御部200は、アクチュエータ132を制御することで、予め定められた金型押し当て時間、例えば1秒間だけ、移動テーブル131の位置を固定(保持)する(第4工程)。このため、図5(b)に示すように、先端チップ50の先端部51は、金型押し当て時間にわたってキャビティ111に押し付けられて、加温成形される。これにより、先端チップ50の先端部51には、R加工部分51Rが形成される。
図6に示すステップST7では、図5(c)に示すように、金型押し当て時間が経過すると、制御部200は、アクチュエータ132を制御することで、先端チップ50の先端部51をキャビティ111内からX2方向に後退させ、図4に示す初期の設定位置に戻す(第5工程)。
これにより、図5(c)に示すように、先端チップ50の先端部51は、金型110のキャビティ111内から離れて、自然冷却される。このとき、先端チップ50は好ましくはナイロンエラストマーにより作られているので、金型110のキャビティ111に対する先端チップ50のR加工部分51Rの離型性は、比較的良い。そのため、先端チップ50の先端部51を比較的高い精度で所望形状に形成することができる。そのため、先端チップ50は、例えばバルーンカテーテル3が血管内を通過する際に生じる摺動抵抗を軽減したり、血管壁の損傷を軽減したりすることができる。例えば、成形時には離型剤の使用は不要である。
図6に示すステップST8では、制御部200が、アクチュエータ153を制御することで、先端部51が所望形状に形成されたバルーンカテーテル3をカテーテル先端部加工装置100から排出する。具体的には、移動部材152は、退出方向であるY2方向に沿って移動することで、内管311の外周面から離れる。これにより、内管311は、固定部材151と移動部材152とによる固定状態から解除される。図6に示すステップST9では、排出後のバルーンカテーテル3は、自動機あるいは手動により、押圧操作部130から取り外される。
本実施形態によれば、図4に示すカテーテル先端部加工装置100が、例えばバルーンカテーテル3の先端チップ50の先端部51を所望形状に加工する。これにより、R加工部分51Rが、先端チップ50の先端部51に形成される。
ここで、制御部200は、加熱源113を制御することにより金型110の温度を先端チップ50の融点よりも低い温度に設定する。制御部200が金型110の温度を先端チップ50の融点よりも低い温度に設定すると、先端チップ50の先端部51が融解することなく先端チップ50の形状が変化する。そのため、金型110の冷却は不要となる。このため、金型110の冷却時間が不要となり、加工時間を短縮することができる。また、連続して複数の先端チップ50を加工する場合には、金型110の温度が一定に維持されるため、加工された先端チップ50の形状や強度のバラつきが低減する。すなわち、先端チップ50の加工形状や強度が安定する。
また、押圧操作部130は、先端チップ50の融点よりも低い温度に設定された金型110に対して、バルーンカテーテル3を保持しながら移動させることで、先端チップ50の先端部51を金型110のキャビティ111に対して押圧する。このとき、制御部200は、押圧操作部130を制御することにより先端部検出センサ120が先端部51を検出してから先端部51がキャビティ111に向かって移動し止まるまでの移動量(設定移動量)を制御する。
このため、先端チップ50の先端部51が金型110のキャビティ111に押圧される押圧量は、正確に制御される。そのため、バルーンカテーテル3の先端チップ50の先端部51を所望形状に安定して形成することができる。
また、先端チップ50の先端部51は、先端チップ50の融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定された金型110により所望形状に形成される。そのため、先端チップ50の先端部51の冷却時間が不要となり、先端チップ50の先端部51の加工時間を短縮することができる。金型110の設定温度が先端チップ50の融点に対して20℃未満低い温度であると、先端チップ50の先端部51の形状が所望形状から崩れ、バリが発生するおそれがある。また、金型110の設定温度が先端チップ50の融点に対して30℃を超えて低い温度であると、先端チップ50の先端部51に与えられる熱が不十分であり、先端チップ50の先端部51が所望形状に形成されないおそれがある。
また、押圧操作部130の内管保持部150は、バルーンカテーテル3の内管311を着脱可能に保持し、押圧操作部130のガイド部140は、バルーンカテーテル3の外管312を着脱可能に保持する。移動テーブル131は、内管保持部150とガイド部140を保持し、内管保持部150およびガイド部140を移動させることにより、先端チップ50の先端部51を金型110のキャビティ111に向かって移動させる。そのため、先端チップ50の先端部51は、金型110のキャビティ111に対して、安定的かつ正確に移動し、所望形状に形成される。
さらに、バルーンカテーテル3の内管311には、金属により形成された芯金300が挿入されている。そのため、先端チップ50の先端部51が金型110のキャビティ111に対して押圧されたときに、先端チップ50の先端部51が過度に変形することが抑えられる。そのため、バルーンカテーテル3の先端チップ50の先端部51を所望形状により安定的に形成することができる。
先端チップ50の先端部51を所望形状に加工する際の加工パラメータとしては、金型の温度、先端部51の移動速度、キャビティ111に対する先端部51の押し付け時間などが挙げられる。これらの加工パラメータは、ワークである先端チップ50のサイズや、材質により任意に設定することができる。
次に、本発明者が実施した検討の結果の一例を、図面を参照して説明する。
図7は、本発明者が実施した検討結果の一例を例示する表である。
本発明者は、図3および図4に関して前述したカテーテル先端部加工装置100を用いて、先端チップ50の先端部51を所望形状(R加工の形状)に加工する検討を実施した。本検討において使用した先端チップ50の形成材料は、ナイロンエラストマーである。図1および図2に関して前述したように、ナイロンエラストマーの融点は、170℃である。また、本検討において使用した芯金300の材料は、ニッケルチタン合金である。本発明者は、金型110の温度を、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、および170℃に設定し、それぞれの設定温度において、先端チップ50の先端部51を所望形状に加工した。この場合において、先端部51の移動速度は、5mm/秒である。キャビティ111に対する先端部51の押し付け時間は、1秒である。先端部51の形状の評価結果は、図7に表した通りである。
すなわち、金型110の設定温度が120℃および130℃である場合には、先端チップ50の先端部51を所望形状に加工することはできなかった。具体的には、金型110の設定温度が120℃および130℃である場合のいずれにおいても、先端チップ50の先端部51におけるR加工部分は、不完全な状態であった。
また、金型110の設定温度が160℃および170℃である場合には、先端チップ50の先端部51を所望形状に加工することはできなかった。具体的には、金型110の設定温度が160℃である場合において、先端チップ50の先端部51にバリが発生した。また、金型110の設定温度が170℃である場合において、先端チップ50の先端部51が溶けた。つまり、先端チップ50の先端部51には、R加工部分がほとんど形成されなかった。
これに対して、金型110の設定温度が140℃および150℃である場合には、先端チップ50の先端部51を所望形状(R加工の形状)に加工することができた。このとき、金型のキャビティ対するナイロンエラストマーの離型性は、良好であった。また、成形時には離型剤の使用は、不要であった。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
3・・・バルーンカテーテル、 31・・・シャフト本体部、 32・・・バルーン、 32a・・・先端側接合部、 32b・・・基端側接合部、 32c・・・拡張可能部、 50・・・先端チップ、 51・・・先端部、 51R・・・R加工部分、 100・・・カテーテル先端部加工装置、 110・・・金型、 110S・・・表面、 111・・・キャビティ、 111R・・・凹面、 112・・・貫通孔、 113・・・加熱源、 120・・・先端部検出センサ、 121・・・発光部、 122・・・受光部、 130・・・押圧操作部、 131・・・移動テーブル、 132・・・アクチュエータ、 140・・・ガイド部、 141・・・蓋部、 142・・・受け部、 150・・・内管保持部、 151・・・固定部材、 152・・・移動部材、 153 ・・・クチュエータ、 200・・・制御部、 250・・・スタートボタン、 300・・・芯金、 311・・・内管、 311R・・・外周面、 312・・・外管、 312a・・・先端側外管、 312b・・・基端側外管、 313・・・分岐ハブ、 314・・・ガイドワイヤルーメン、 315・・・バルーン拡張用ルーメン、 D、E、F・・・距離、 L・・・レーザ光、 P・・・内部、 SG・・・先端部検出信号、 T・・・先端部検出位置、 W・・・ガイドワイヤ

Claims (5)

  1. カテーテルの先端側に配置された先端部材の先端部を所望形状に形成するカテーテル先端部加工装置であって、
    前記所望形状に対応する形状を有するキャビティを有する金型と、
    前記金型を加熱する加熱源と、
    前記カテーテルを保持しながら移動させることで、前記先端部を前記キャビティに対して押圧する押圧操作部と、
    前記加熱源を制御することにより前記金型の温度を前記先端部材の融点よりも低い温度に設定する制御部と、
    を備え
    前記先端部材の形成材料は、熱可塑性樹脂として融点が170℃のナイロンエラストマーであり、
    前記制御部は、前記加熱源を制御し、前記金型の温度を前記先端部材の前記融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定することを特徴とするカテーテル先端部加工装置。
  2. 前記カテーテルは、内管と、前記内管を通す外管と、を有し、
    前記先端部材は、前記内管の先端側に固定されており、
    前記押圧操作部は、
    前記内管を着脱可能に保持する内管保持部と、
    前記カテーテルを案内するガイド部と、
    前記内管保持部および前記ガイド部を保持し、前記内管保持部および前記ガイド部を移動させることにより前記先端部を前記キャビティに向かって移動させる移動テーブルと、
    を有することを特徴とする請求項に記載のカテーテル先端部加工装置。
  3. 前記押圧操作部により前記先端部材が移動する際に、前記先端部を検出する先端部検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記押圧操作部を制御することにより前記先端部検出部が前記先端部を検出してから前記先端部が前記キャビティに向かって移動し止まるまでの移動量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテル先端部加工装置。
  4. カテーテルの先端側に配置された先端部材の先端部を所望形状に形成するカテーテル先端部加工方法であって、
    前記所望形状に対応する形状を有するキャビティを有する金型を加熱源により加熱し、前記金型の温度を前記先端部材の融点よりも低い温度に設定する第1工程と、
    押圧操作部により前記カテーテルを保持しながら移動させる第2工程と、
    前記先端部を前記キャビティに対して押圧する第3工程と、
    前記先端部を前記キャビティに対して押圧した状態を所定時間にわたって保持する第4工程と、
    前記所定時間が経過した後に前記先端部を前記キャビティに対して後退させる第5工程と、
    を備え
    前記先端部材の形成材料は、熱可塑性樹脂として融点が170℃のナイロンエラストマーであり、
    前記第1工程において、前記加熱源を制御し、前記金型の温度を前記先端部材の前記融点に対して20℃以上30℃以下低い温度に設定することを特徴とするカテーテル先端部加工方法。
  5. 前記第3工程において、前記先端部を検出する先端部検出部が前記先端部を検出してから前記先端部が前記キャビティに向かって移動し止まるまでの移動量を制御することを特徴とする請求項に記載のカテーテル先端部加工方法。
JP2017252102A 2017-12-27 2017-12-27 カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法 Active JP6975035B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252102A JP6975035B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252102A JP6975035B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019115560A JP2019115560A (ja) 2019-07-18
JP6975035B2 true JP6975035B2 (ja) 2021-12-01

Family

ID=67304860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017252102A Active JP6975035B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6975035B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022190700A1 (ja) * 2021-03-09 2022-09-15

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4661300A (en) * 1984-09-12 1987-04-28 Becton, Dickinson And Company Method and apparatus for flashless tipping of an I.V. catheter
JP3086434B2 (ja) * 1997-09-30 2000-09-11 東北ムネカタ株式会社 フッ素樹脂より成る医療用樹脂チューブの先端加工装置
JP2000178833A (ja) * 1998-12-14 2000-06-27 Pilot Ink Co Ltd 感温変形性複合フィラメント
JP2004121276A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Nippon Zeon Co Ltd バルーンカテーテル及びその製造方法
GB0625755D0 (en) * 2006-12-22 2007-02-07 Smiths Group Plc Apparatus and methods for end forming tubes
JP5918553B2 (ja) * 2012-01-31 2016-05-18 株式会社グッドマン バルーンカテーテル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019115560A (ja) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4857125B2 (ja) ステントデリバリカテーテル
JP6626646B2 (ja) バルーンカテーテル、およびバルーンの製造方法
US20090318862A1 (en) Balloon catheters and methods for manufacturing balloons for balloon catheters
US8840743B2 (en) Soft tip balloon catheter
US9555224B2 (en) Reduced material tip for catheter and method of forming same
JPH11192309A (ja) ステントをカテーテル上に押圧する工具および押圧方法
JP6975035B2 (ja) カテーテル先端部加工装置およびカテーテル先端部加工方法
JP2008011867A (ja) ダイレーター、ダイレーターの製造方法、およびシースイントロデューサー
JP6259560B2 (ja) バルーンカテーテル用バルーン
JP6959356B2 (ja) カテーテルの製造方法、およびカテーテル
JP2021053005A (ja) バルーンカテーテル、およびバルーンの製造方法
WO2015146259A1 (ja) バルーンカテーテル、およびバルーンの製造方法
JP2022053075A (ja) バルーンカテーテル
JP7432360B2 (ja) バルーンカテーテルの製造方法および金型
KR102601385B1 (ko) 카테터 및 이의 제조방법
JP2003102845A (ja) ステントデリバリーカテーテル
JP6540956B2 (ja) 超音波内視鏡用ダイレータ
JPWO2018181315A1 (ja) バルーンカテーテル、および医療用長尺体の製造方法
CN115256956B (zh) 标靶球囊扩张导管的焊接设备及工艺
JP6184070B2 (ja) バルーンカテーテル用バルーンの製造方法
WO2021131263A1 (ja) バルーンカテーテルの製造方法および樹脂製医療用バルーンの製造装置
JP2004121276A (ja) バルーンカテーテル及びその製造方法
JP2019154722A (ja) リングを内蔵する医療用チューブの成形に用いる製造治具および製造方法
JP2021104327A (ja) 樹脂製医療用バルーンの製造装置およびバルーンカテーテルの製造方法
JP2023137341A (ja) バルーンの形状付け方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6975035

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150