JP2019154722A - リングを内蔵する医療用チューブの成形に用いる製造治具および製造方法 - Google Patents

リングを内蔵する医療用チューブの成形に用いる製造治具および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リングを内蔵する医療用チューブの製造治具において、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制されるようにする。【解決手段】製造治具10は、芯体11と、芯体11の軸方向においてリング2を芯体11に押しつける押圧部材12と、を備え、芯体11は、医療用チューブを形成するための成形用チューブTに挿通可能であり、先端にリング2を軸方向に係止可能な係止面11aをもっており、押圧部材12は、先端絞り加工後に、絞られた先端形状を維持したままで医療用チューブから離間可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、リングを内蔵する医療用チューブの製造治具および製造方法に関する。
医療用チューブは、生体内への挿入性を良好にするために、種々の成形加工が施される。医療用チューブの先端部に施される成形加工の例としては、テーパー形状を形成するテーパー加工、R形状を形成するR加工などが挙げられる。
例えば、特許文献1には、医療用テーパー状部材の製造方法および製造装置が記載されている。特許文献1における製造装置は、テーパー成形用型と、加熱装置と、加工用移動機構と、を備える。テーパー成形用型には、医療用テーパー部材の外形形状を転写する成形面が形成されている。加熱装置は、テーパー成形用型を成形温度に加熱する。加工用移動機構は、熱可塑性チューブを加熱されたテーパー成形用型に挿入する。テーパー成形用型に挿入された熱可塑性チューブの先端は、成形面に沿うテーパー状に成形される。
医療用チューブは、生体内の位置を確認する目的で、先端部にマーカーを有することがある。例えば、マーカーは、X線透視下において位置確認をする目的で、X線不透過性材料が用いられる。
特許文献2には、このような医療用チューブの一例が記載されている。特許文献2に開示されたチューブは、先端にテーパー部を有する。テーパー部の基端部の内側には、X線不透過性リングが内蔵されている。
特許文献2に開示されたチューブの製造方法では、先端に段差を有する芯金が用意される。芯金の先端部には、X線不透過性リング(以下、単にリングと称する)が装着される。リングは、芯金のテーパー状に形成された段差によって軸方向に位置決めされる。リングが装着された芯金は、成形前の円筒状のチューブに挿入される。芯金およびリングが挿入されたチューブは、型に挿入されてテーパー状に成形される。芯金は成形後にチューブから抜去される。
特開2017−23358号公報 特開2006−136631号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献2に開示された方法でチューブの先端部の成形が行われる場合、加熱によって軟化したチューブ材料がリングの周囲で流動する。このため、チューブ材料の流れによってリングの軸方向における配置位置がずれてしまう可能性がある。リングの位置がずれて固定されると、チューブの位置検出精度が低下してしまう。
さらに、成形時に空気が巻き込まれる場合に、リングの位置が変動しやすいと、リングの周囲に気泡が進入しやすくなる。特に、リングの外周面とチューブとの間に気泡が残留する場合、気泡が外観不良を招く可能性がある。
このように、リングの正確な位置出しは重要である。しかし、チューブのルーメン内に位置出し治具を導入してリングの位置出しをする場合、先端絞り加工前に治具を導入する段階では先端開口から容易に治具が導入できたとしても、先端絞り加工後は開口が狭まっているので、導入した位置出し治具の抜出が出来ない事態に遭遇する。
一般に、リングを先端開口からルーメン内に導入してから先端絞り加工をする場合、
(先端絞り加工前の開口径)>リング外径>(先端絞り加工後の開口径)
である。一方、従来のリング位置出し治具はリングの外径程度のサイズがあるので、導入はできても抜き出しが困難である。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される、リングを内蔵する医療用チューブの成形に用いる製造治具および製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の製造治具は、医療用チューブの先端絞り加工において、前記医療用チューブのルーメンの先端側に導入されたリングの位置決めをする製造治具であって、前記医療用チューブの基端側から前記ルーメン内に挿通可能であり、先端に前記リングを軸方向に係止可能な係止面をもつ、芯体と、前記芯体の軸方向において前記リングを前記芯体に押しつける押圧力を前記リングに印加する押圧部材と、を備え、前記押圧部材は、前記先端絞り加工後に、絞られた先端形状を維持したままで前記医療用チューブから離間可能である。
上記製造治具においては、前記医療用チューブの絞られた先端形状は、前記リングの外径よりも小径の開口部を先端に有し、かつ前記リングを内蔵する部位よりも先端側が先細であり、前記押圧部材は、前記医療用チューブの内部において前記係止面に係止している前記リングに当接可能な押圧部と、前記医療用チューブの内面を支持可能な内面支持部と、前記押圧部に前記押圧力を伝達する押しつけ部と、を備え、前記押圧部および前記内面支持部は、前記医療用チューブの内部において、径方向に拡張した拡張状態と、径方向に縮小した縮小状態と、に切り替え可能に設けられ、前記拡張状態では、前記押圧部が前記リングに当接可能、かつ前記内面支持部が前記医療用チューブの内面を支持可能であるが、前記押圧部および前記内面支持部が前記開口部から前記軸方向に引き抜き不可能な形状に拡張され、前記縮小状態では、前記押圧部および前記内面支持部が、前記開口部から前記軸方向に引き抜き可能な形状に縮小されてもよい。
上記製造治具においては、前記押圧部材は、前記開口部に挿通可能であって前記軸方向に進退可能に支持された軸部材と、長手方向において第1端部と第2端部とを有する3個以上の棒状体からなり、前記軸部材の中心軸線を通る平面内で前記第1端部を中心として回動可能に前記軸部材に固定されたフレーム部材と、前記フレーム部材のそれぞれの径方向外側に固定され、前記フレーム部材が第1回動角に達すると錐体状に張られるシート部材と、前記フレーム部材の回動角を変更する拡縮機構と、を備え、前記軸部材は、前記押しつけ部を形成しており、前記第2端部は、前記押圧部を形成しており、前記シート部材、および前記シート部材に固定された前記フレーム部材は、前記内面支持部を形成しており、前記拡縮機構によって、前記回動角が前記第1回動角に達すると、前記拡張状態が形成され、前記拡縮機構によって、前記回動角が前記第1回動角よりも少ない第2回動角に達すると、前記縮小状態が形成されてもよい。
上記製造治具においては、前記芯体の先端部には、前記芯体の中心部に雌ねじ部が形成されており、前記拡縮機構は、前記軸部材の先端部に形成され、前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部と、前記フレーム部材と前記軸部材との固定部よりも前記雄ねじ部側の前記軸部材の外周部において前記軸部材の軸方向にスライド可能に嵌合され、前記リングの内部に挿通可能に設けられたスライド部材と、前記フレーム部材のそれぞれと、前記スライド部材と、に連結されたリンク部材と、を備え、前記リンク部材は、前記スライド部材の前記軸部材上の位置に応じて、前記フレーム部材のそれぞれの前記回動角を揃えて変更できるように設けられており、前記回動角は、前記スライド部材が前記軸部材上で第1位置に移動すると、前記回動角が前記第1回動角になり、前記スライド部材が前記軸部材上で、前記第1位置よりも前記軸部材の先端から離れた第2位置に移動すると、前記回動角が前記第2回動角になり、前記拡縮機構は、前記軸部材の回転によって前記雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺合され、前記芯体の先端部に当接した前記スライド部材が前記第1位置に移動されることによって、前記拡張状態を形成し、前記軸部材が逆回転されることによって、前記開口部から引き抜かれるにつれて、前記縮小状態を形成してもよい。
上記製造治具においては、前記押しつけ部は、前記開口部に挿通可能であって前記軸方向に進退可能に支持されており、流体が流通可能な管部を備え、前記押圧部材は、前記管部の先端に接続され、前記流体の圧力に応じて、拡縮可能なバルーンと、前記管部に供給する前記流体の圧力を調整する流体供給源と、を備え、前記バルーンの拡張時に、前記バルーンの先端部が前記押圧部を形成し、前記バルーンの側面が前記内面支持部を形成してもよい。
上記製造治具においては、前記リングは、磁性体からなり、前記押圧部材は、前記リングを吸引する磁力によって、前記リングを前記係止面に押しつける磁石を備えてもよい。
本発明の第2の態様の製造方法は、リングを内蔵する医療用チューブの製造方法であって、成形用チューブの内部に芯体を挿入することと、前記成形用チューブの開口から前記リングを挿入し、前記芯体の先端に形成された係止面に、前記リングを係止させることと、少なくとも、前記リングの配置位置よりも先端側の前記成形用チューブを成形型に挿入して、前記成形用チューブを先端絞り加工成形することと、前記成形用チューブの先端絞り加工成形が行われている間に、前記芯体の軸方向において前記リングを前記芯体に押しつける押圧部材を用いて、前記リングを前記係止面に押しつける押圧力を前記リングに印加することと、前記成形用チューブの成形が終了して前記医療用チューブが形成された後に、前記先端絞り加工で絞られた先端形状を維持したままで前記押圧部材を前記医療用チューブから離間させて前記押圧力を解除することと、を含む。
本発明のリングを内蔵する医療用チューブの成形に用いる製造治具および製造方法では、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される。
本発明の第1の実施形態の製造治具を用いて製造される医療用チューブの一例を示す正面視の模式的な部分断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造治具の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法の工程説明図である。 比較例の製造治具の構成例を示す模式的な断面図である。 比較例の製造治具を用いた製造方法を示す工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の製造治具および製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第3の実施形態の製造治具の主要部を示す模式的な正面図である。 本発明の第4の実施形態の製造治具および製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第5の実施形態の製造治具および製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の製造治具について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の製造治具を用いて製造される医療用チューブの一例を示す正面視の模式的な部分断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態の製造治具の一例を示す模式的な断面図である。
まず、本実施形態の製造治具を用いて製造される医療用チューブの一例について説明する。
図1に示すチューブ1(リングを内蔵する医療用チューブ)は、生体内に挿入して用いられる。チューブ1の用途は、医療用であれば特に限定されない。例えば、チューブ1は、カテーテル、ダイレーターチューブなどに用いられてもよい。
本実施形態では、チューブ1の内部には、軸状体3が挿通可能である。軸状体3の形状は、チューブ1の内部に挿通可能な外形を有していれば、特に限定されない。軸状体3としては、例えば、チューブ、中実軸、撚り線ワイヤーなどであってもよい。
図1に示す例では、軸状体3はダイレーターチューブである。軸状体3は、本体部3bと、テーパー部3aと、を有する。
本体部3bは、一定の外径を有する円筒チューブである。
テーパー部3aは、本体部3bの先端部(図示左側の端部)に形成されている。テーパー部3aの外径は、本体部3bとの接続部では本体部3bの外径に等しい。テーパー部3aの外径は、先端側に向かうにつれて一定の割合で縮径している。
チューブ1は、チューブ本体1Bと、成形部1Aと、リング2と、を備える。
チューブ本体1Bは、円筒チューブからなる。チューブ本体1Bは、円筒状の外周面1cと、円筒状の内周面1dと、を有する。
外周面1cの外径は、チューブ本体1Bが生体内に挿入できる大きさであれば特に限定されない。
内周面1dの内径は、軸状体3の本体部3bの外径よりも大きい。内周面1dの内径は、後述するリング2が挿入可能な大きさである。
成形部1Aは、チューブ本体1Bの先端(図示左側の端)に接続されている。成形部1Aは、チューブ本体1Bの先端から、より先端側に延びている。成形部1Aは、チューブ本体1Bの中心軸線O1と同軸に形成されている。
成形部1Aは、後述するように、チューブ1を製造するための成形用チューブの先端部が成形されて形成される。
成形部1Aの成形形状は、生体内に挿入可能であり、かつ軸状体3が挿通可能であれば、特に限定されない。例えば、成形部1Aの成形形状は、テーパー形状、R面形状、球面形状、段付き形状などでもよい。
図1に示す例では、成形部1Aは、外周面1aと、内周面1bと、を有する。
外周面1aの外径は、チューブ本体1Bとの接続部では外周面1cの外径に等しい。外周面1aは、チューブ本体1Bから、より先端側に向かうにつれて一定の割合で縮径するテーパー面である。
本実施形態では、内周面1bは、全体的には、外周面1aから略一定の肉厚だけ径方向内側にずれたテーパー状の湾曲面からなる。ただし、内周面1bは、軸状体3が挿通可能な形状であれば、成形時の変形状態に応じて一部に不均一な肉厚を有する部位を有していてもよい。
例えば、先端側の内周面1bには、内径が一定の部分が形成されることによって、外周面1aとの間に先細の肉厚が形成される部位が形成されてもよい。
内周面1bの先端には、軸状体3が挿通可能な開口部1eが開口している。開口部1eの内径は、本実施形態では、軸状体3の本体部3bの外径に略等しい。
成形部1Aおよびチューブ本体1Bの材料は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。成形部1Aおよびチューブ本体1Bの材料の例としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。成形部1Aおよびチューブ本体1Bの材料は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれた1種以上の樹脂を含むポリマーアロイまたはポリマーブレンドで形成されてもよい。
リング2は、本実施形態では、外径がd1、内径がd2(ただし、d2<d1)、長さがLの円環部材である。このため、リング2は、直径d1の外周面2aと、直径d2の内周面2bと、を有している。リング2の長さ方向の両端部には、中心軸線O1に直交する平面からなる第1端面2cおよび第2端面2dが形成されている。第1端面2cは、リング2の基端側に向いている。第2端面2dは、リング2の先端側に向いている。
リング2は、チューブ1の内面に密着して固定されている。図1に示す例では、外周面2aは、チューブ本体1Bの先端部の内周面1dに密着している。
ただし、リング2は、チューブ本体1Bおよび成形部1Aのうち少なくとも一方に内蔵されていればよい。
例えば、外周面2aは、内周面1dの他に成形部1Aの内周面1bの一部と密着していてもよい。この場合、直径d1は、成形部1Aの外周面1aの外径未満である。
例えば、外周面2aは、内周面1dのみに密着していてもよい。
いずれの場合でも、第2端面2dの少なくとも一部は、チューブ1が密着することなく露出している。このため、第2端面2dには、後述する押圧部材が当接可能である。
さらに、第1端面2cの少なくとも一部は、チューブ1が密着することなく露出している。このため、第1端面2cには、後述する芯体が当接可能である。
このように、リング2は、第1端面2cおよび第2端面2dのそれぞれにおける一部が軸方向に露出していれば、リング2の外周部がチューブ1の内周部に埋没していてもよい。
リング2の内径d2は、軸状体3が挿通可能な大きさである。本実施形態では、一例として、内径d2は、開口部1eの内径と等しい。
リング2の長さLは、例えば、X線透視によって位置検知が可能な大きさであれば特に限定されない。
例えば、リング2の外径d1は、1.10mm以上1.15mm以下であってもよい。例えば、リング2の内径d2は、0.90mm以上0.95mm以下であってもよい。リング2の厚さ(=(d1−d2)/2)は、0.08mm以上0.13mm以下であってもよい。例えば、リング2の長さLは、1.5mm以上2.0mm以下であってもよい。
リング2は、本実施形態では、体内におけるチューブ1の先端部の位置をX線透視下で観察する目的で設けられている。このため、リング2は、X線不透過性を有する材料で形成される。例えば、リング2は、金属材料で形成されてもよい。リング2に好適な金属材料の例としては、金、タングステン、タンタル、鉄、コバルト、ニッケルなどの金属が挙げられる。金属材料は、上述した金属を1種以上含む合金であってもよい。
X線不透過性が高い点で、リング2の金属材料は、金、タングステン、およびタンタルのいずれかの金属、または金、タングステン、およびタンタルのいずれかを含む合金が用いられることがより好ましい。
本実施形態では、リング2は円環状である。このため、生体内でチューブ1の向きが種々変化することが原因でリング2の向きが変化しても、X線透視によって位置検知が可能である。
ただし、リング2の形状は、円環状には限定されない。X線透視下で位置検出に用いる場合、リング2は、例えば、周方向において、切れ目が形成されたC字状の断面を有する環部材であってもよい。
さらに、リング2の用途は、X線透視下で位置検出には限定されない。例えば、リング2は、チューブ本体1Bの先端部の補強に用いられてもよい。例えば、リング2は軸状体3が挿通可能な安定した開口を形成する目的で設けられてもよい。このような場合、リング2は、X線不透過性を有しない材料で形成されてもよい。
チューブ1を製造するには、図2に示すように、成形用チューブTにリング2を内蔵した状態で成形用チューブTの先端部が成形される。
成形用チューブTは、成形部1Aおよびチューブ本体1Bの原材料である。成形用チューブTは円筒チューブである。成形用チューブTは、チューブ本体1Bと同様の断面形状を有する。成形用チューブTの外周面Taおよび内周面Tbの各直径は、チューブ本体1Bの外周面1cおよび内周面1dの各直径と同様である。成形用チューブTの長さは、成形部1Aおよびチューブ本体1Bの全長と略同様である。
成形用チューブTの成形には、成形装置100と、本実施形態の製造治具10と、が用いられる。
成形装置100は、型本体100dを有する。型本体100dには、中心軸線Cに沿って、円筒面100aおよびテーパー面100bを有する孔部と、貫通孔100cと、が貫通している。円筒面100a、テーパー面100b、および貫通孔100cの各中心軸線は、中心軸線Cと同軸である。
円筒面100aは、チューブ本体1Bとなる部位において成形用チューブTの外形を保持する。円筒面100aの外径は、成形用チューブTが挿入可能であり、かつ成形用チューブTを中心軸線Cと略同軸に保持できる大きさである。
テーパー面100bは、成形部1Aを成形する成形面である。テーパー面100bは、成形用チューブTの先端部に成形部1Aの外周面1aの形状を転写する。テーパー面100bの内径は、円筒面100aの内径から外周面1aの最小の外径以下に縮径している。テーパー面100bの内径の変化は、成形部1Aの外周面1aの外径の変化と同様である。テーパー面100bの最小内径は、開口部1eの内径以上であることがより好ましい。ただし、製造治具10のうち後述する押圧部材12が引き抜き可能な大きさであれば、開口部1eの内径未満であってもよい。
貫通孔100cは、テーパー面100bの最小内径に等しい内径を有する円孔である。貫通孔100cは、成形後に、後述する押圧部材12を、成形装置100の外部に取り出す目的で設けられた開口部である。
型本体100dの外周部には、第1温調部101と、第2温調部102と、が設けられている。
第1温調部101は、成形用チューブTに成形部1Aの形状を成形する目的で型本体100dの温度を調節する。具体的には、第1温調部101は、成形時に、後述するテーパー面100bの近傍の型本体100dを成形温度まで加熱する。成形温度は、成形用チューブTが軟化して成形可能になる温度である。
第1温調部101は、成形用チューブTの先端部の変形が安定したら、加熱を停止する。ただし、第1温調部101は、成形用チューブTの先端部が、テーパー面100bに沿って変形した後、変形が安定するまでの間は、型本体100dの温度を成形温度より低い温度に保持してもよい。
第2温調部102は、成形用チューブTにおいて、チューブ本体1Bとなる部位の形状を保持する目的で型本体100dの温度を調節する。具体的には、第2温調部102は、成形時に、円筒面100aの近傍の型本体100dを冷却する。この結果、円筒面100aに沿って配置された成形用チューブTの熱変形が抑制される。
第1温調部101および第2温調部102としては、例えば、温調配管が用いられる。温調配管には、加熱媒体および冷却媒体の少なくとも一方が循環する。
製造治具10は、芯体11と、押圧部材12と、を備える。
芯体11は、成形時に、成形用チューブTを成形装置100の孔部に押し込む目的で用いられる。芯体11は、成形用チューブTを押し込む際に、チューブ本体1Bとなる部位の変形を抑制する目的でも用いられる。さらに、芯体11は、成形時に、成形用チューブT内のリング2の第1端面2cの軸方向の位置決めする目的でも用いられる。
本実施形態では、芯体11は、成形用チューブTの内周面Tbに挿入可能に嵌合する円柱部材である。芯体11の外径は、成形用チューブTの内径に略等しい。
芯体11の挿入方向(図示右から左に向かう方向)における先端には、係止面11aが形成されている。係止面11aは、リング2の第1端面2cを軸方向に係止する。
係止面11aの中心部には、深さL13bの雌ねじ部11bが形成されている。
芯体11の挿入方向における後端には、ストッパ11cが形成されている。ストッパ11cは、成形用チューブTにおける芯体11の挿入量を規制する。芯体11は、芯体11が成形用チューブTの基端(図示右側の端面)に係止することで、成形用チューブT内における係止面11aの軸方向の位置を位置決めする。
芯体11の材料は、成形時の加熱を受けても形状が安定する材料であれば、特に限定されない。例えば、芯体11の材料の例としては、超硬合金、セラミックなどが挙げられる。
押圧部材12は、成形時に、芯体11の軸方向においてリング2を芯体11に押しつける部材である。本実施形態では、押圧部材12は、リング2の第1端面2cを係止面11aに押しつける押圧力を、リング2の第2端面2dに印加する。
押圧部材12は、軸部材13(押しつけ部)、傘状フレーム14、スライド部材15(拡縮機構)、およびシート部材16(内面支持部)を備える。
軸部材13は、軸方向の先端側から後端側に向かって、円柱部13aと、雄ねじ部13bと、を、この順に備える。
円柱部13aは、開口部1eの内径よりも小径の円筒面を表面に有する。
雄ねじ部13bは、芯体11の雌ねじ部11bに螺合する。雄ねじ部13bの長さは、L13b(ただし、L13b≦L11a)である。
このため、雄ねじ部13bが雌ねじ部11bに螺合することによって、軸部材13は芯体11の中心軸線上で軸方向に進退可能に支持される。
傘状フレーム14は、フレーム部材14a(内面支持部)と、リンク部材14b(拡縮機構)と、をそれぞれ3個以上備える。
フレーム部材14aは、真直な棒状体である。フレーム部材14aの端部(第1端部)は、円柱部13aの表面に設けられた第1ヒンジ部14cによって、回動可能に支持されている。
第1ヒンジ部14cは、軸部材13の中心軸線を含む平面内において、フレーム部材14aを回動可能に支持する。
フレーム部材14aにおいて、第1ヒンジ部14cと反対側の端部(第2端部)にはフレーム先端部14fが形成されている。フレーム部材14aにおいて、第1ヒンジ部14cとフレーム先端部14fとの間には、リンク部材14bの端部が連結されている。
リンク部材14bは真直な棒状体である。リンク部材14bはフレーム部材14aよりも短い。フレーム先端部14fとリンク部材14bとの連結部には、第2ヒンジ部14dが設けられている。
第2ヒンジ部14dは、フレーム部材14aが回動する平面と同一平面上で、リンク部材14bを回動可能に支持する。
リンク部材14bにおいて第2ヒンジ部14dと反対側の端部には、第3ヒンジ部14eが設けられている。本実施形態では、第3ヒンジ部14eは、後述するスライド部材15の先端部15bに連結されている。
第1ヒンジ部14c、第2ヒンジ部14d、および第3ヒンジ部14eの構成は特に限定されない。
例えば、第1ヒンジ部14c、第2ヒンジ部14d、および第3ヒンジ部14eは、繰り返して折り曲げ可能な屈曲部によって形成されてもよい。屈曲部は樹脂ヒンジで形成されてもよいし、弾性金属で形成されてもよい。例えば、第1ヒンジ部14cは、留め金を備えてもよい。留め金は、軸部材13と平行に配置された各フレーム部材14aの端部を周方向に巻いて固定する。この場合、各フレーム部材14aは、留め金の近傍で屈曲されることによって、回動することが可能である。
例えば、第1ヒンジ部14c、第2ヒンジ部14d、および第3ヒンジ部14eは、回動軸と、回動軸を回動可能に支持する軸受と、を備えていてもよい。
互いに連結されたフレーム部材14aおよびリンク部材14bは、円柱部13aの外周面の円周を等分する位置において、互いに離間して配置されている。
このような構成により、リンク部材14bの第3ヒンジ部14eが軸部材13の軸方向に移動すると、各フレーム部材14aの回動角がそれぞれ同様な角度に変化する。ここで、回動角は、円柱部13aの母線と、フレーム部材14aの中心軸線とのなす角度である。
各フレーム部材14aの回動角が0°を超えていると、各フレーム部材14aは、軸部材13と同軸な円錐面上に整列している。特に、各フレーム先端部14fは、軸部材13の中心軸線を中心とする円周上に整列している。
各フレーム部材14aの回動角は、第1回動角と、第1回動角よりも小さい第2回動角と、の間で変化することができる。回動角の変化によって、各フレーム先端部14fが整列する円周の径は変化する。本実施形態では、回動角が第1回動角の場合に、フレーム先端部14fが整列する円周の径が最大になる(拡張状態)。回動角が第2回動角の場合に、フレーム先端部14fが整列する円周の径が最小になる(縮小状態)。
スライド部材15は、円柱部13aと摺動可能に嵌合する筒状部材である。本実施形態では、スライド部材15は、円柱部13aの外周面に摺動可能に嵌合する円筒である。
スライド部材15の外径は、リング2の内径未満である。
スライド部材15の軸方向の両端部には、先端部15bと、後端面15aとが形成されている。先端部15bは、軸部材13の先端寄りの端部である。先端部15bには、上述の第3ヒンジ部14eが設けられている。
後端面15aの形状は、芯体11の係止面11aに係止できる形状であれば特に限定されない。本実施形態では、後端面15aは、スライド部材15の中心軸線に直交する平面である。
シート部材16は、傘状フレーム14の径方向外側を覆っている。シート部材16は、各フレーム部材14aのそれぞれの径方向外側を覆った状態で、各フレーム部材14aに固定されている。
さらに、シート部材16は、シート固定部13cにも固定されている。シート固定部13cは、第1ヒンジ部14cの近傍の円柱部13aの表面に設けられている。
シート部材16は、各フレーム部材14aが第1回動角に達するときにフレーム部材14aによって錐体状に張られる形状を有する。
シート部材16は、各フレーム部材14aが第2回動角に達するときに成形部1Aの開口部1eの内径よりも小径の範囲に縮小する形状を有する。
例えば、シート部材16は、傘状フレーム14の拡張状態で各フレーム部材14a間に張架される多角錐形状を有する筒部材でもよい。この場合、シート部材16には、傘状フレーム14の縮小状態に折り畳まれる目的で折り目が設けられていてもよい。
例えば、シート部材16は、傘状フレーム14の拡張度合いに合わせて伸縮する材料で形成された筒部材でもよい。
シート部材16の厚さは、傘状フレーム14が拡張状態に拡張された状態で、成形部1Aの内周面1bに内接する形状になれば、特に限定されない。
シート部材16の材料は、成形温度に対する耐熱性を有する可撓性材料であれば特に限定されない。例えば、シート部材16の材料として、樹脂材料、ゴム材料、無機材料、および金属材料のうち1以上の材料を含む材料が用いられてもよい。
シート部材16の製造方法は特に限定されない。例えば、シート部材16は、成形体、布、不織布、網状体などであってもよい。
シート部材16と、フレーム部材14aおよび軸部材13との固定方法は特に限定されない。例えば、シート部材16は、フレーム部材14aおよび軸部材13に、緊縛糸で縛り付けられてもよい。例えば、シート部材16は、フレーム部材14aおよび軸部材13に、接着、融着などによって固定されてもよい。
本実施形態の製造治具10の動作について、本実施形態のチューブ1の製造方法を中心として説明する。
図3〜6は、本発明の第1の実施形態の製造方法の工程説明図である。
チューブ1を製造するには、まず、図3に示すように、成形用チューブTの内部に芯体11が挿入される。芯体11は、ストッパ11cが成形用チューブTの端部に当接するまで挿入される。これにより、成形用チューブTの軸方向において、係止面11aが位置決めされる。係止面11aよりも前方には、成形用チューブTが延びている。成形用チューブTの先端には、リング2が挿入可能な開口Tcが形成されている。
芯体11が挿入された後、開口Tcからリング2が挿入される。リング2は、第1端面2cがストッパ11cに当接する位置まで挿入される。これにより、第1端面2cはストッパ11cに係止させられる。
この後、押圧部材12が雄ねじ部13bの方から開口Tcに挿入される。
押圧部材12のスライド部材15は、軸部材13上を軸方向に沿って進退可能である。
スライド部材15が軸部材13における第1位置に移動すると、傘状フレーム14の各フレーム部材14aが第1回動角になる。このため、傘状フレーム14は拡張状態になる。傘状フレーム14の拡張状態では、シート部材16は、成形部1Aの内周面1bに内接する錐体状に張られる。各フレーム先端部14fは、成形用チューブT内のリング2の第2端面2dに当接可能な円周上に移動する。
本実施形態における第1位置は、雄ねじ部13bが雌ねじ部11bに最大限ねじ込まれたときに雌ねじ部11bから露出する軸部材13の基端に、スライド部材15の後端面15aが重なる位置である。言い換えれば、スライド部材15の第1位置は、雌ねじ部11bに雄ねじ部13bが最大限ねじ込まれたときに、後端面15aが係止面11aと当接する位置である。
スライド部材15が第1位置よりも軸部材13の後端側の第2位置に移動すると、傘状フレーム14の各フレーム部材14aが第2回動角になる。このため、傘状フレーム14は縮小状態になる。傘状フレーム14の縮小状態では、シート部材16および傘状フレーム14は、開口部1eの内径以下の大きさに縮小する。
本実施形態における第2位置は、軸部材13の後端側へのスライド部材15の移動限界に等しい。スライド部材15が第2位置に移動すると、各リンク部材14bが軸部材13の外周面に最も近づく。
押圧部材12が開口Tcに挿入される際には、傘状フレーム14およびシート部材16が開口Tcよりも小径の範囲に縮小される目的で、スライド部材15が軸部材13の後端側に移動される。スライド部材15は第2位置に移動されていてもよい。ただし、本実施形態では、図3に図示されているように、スライド部材15が第1位置よりも第2位置側に移動されれば、傘状フレーム14およびシート部材16が開口Tcよりも小径になる。
軸部材13は、リング2の中心部を通って挿入される。雄ねじ部13bが雌ねじ部11bに到達したら、雄ねじ部13bを雌ねじ部11bに螺合する目的で、軸部材13が回転される。
雄ねじ部13bの螺進が進むと、スライド部材15の後端面15aが係止面11aに当接する。スライド部材15は、係止面11aよりも後端側には移動できない。軸部材13は、螺進が進むにつれて軸部材13の先端側に相対移動する。
各リンク部材14bは先端側に押されるため、各フレーム部材14aの回動角が増大する。
雄ねじ部13bが雌ねじ部11bに最大限ねじ込まれると、スライド部材15が第2位置に到達する。この結果、図4に示すように、傘状フレーム14が拡張状態になる。このとき、各フレーム先端部14fは、第2端面2dに当接し、かつ第2端面2dを押圧する位置に移動する。このため、各フレーム先端部14fからは、リング2の第1端面2cを係止面11aに押しつける押圧力が、リング2に印加される。このため、リング2の軸方向の位置が固定される。さらに、係止面11aおよび各フレーム先端部14fから作用する摩擦力によって、リング2の周方向の位置も固定される。
これにより、製造治具10によって、成形用チューブTの軸方向におけるリング2の位置が固定される。このとき、軸部材13の先端部は、開口Tcから外側に突出している。
この後、図2に示すように、成形装置100を用いた成形用チューブTの成形が開始される。
成形装置100では、第1温調部101によってテーパー面100bの近傍の型本体100dが成形温度に加熱される。円筒面100aの近傍の型本体100dは、第2温調部102によって冷却される結果、成形温度未満に保たれる。
製造治具10およびリング2が装着された成形用チューブTは、適宜の移動装置(図示略)によって、先端側から成形装置100の内部に挿入される。成形用チューブTは、製造治具10およびリング2とともに、成形装置100の中心軸線Cに沿って、円筒面100aおよびテーパー面100bに挿入される。このとき、移動装置は、芯体11のストッパ11cが成形用チューブTの端部から離れない状態で、成形用チューブTおよび芯体11を移動する。
成形用チューブTは、円筒面100aに案内されて先端側に移動される。
図5に示すように、成形用チューブTの先端がテーパー面100bに進入すると、テーパー面100bからの加熱によって成形用チューブTの先端部が軟化する。成形用チューブTの先端部はテーパー面100bの形状に沿って変形する。成形用チューブTおよび芯体11は、予め決められた挿入位置まで挿入されると移動が停止される。
成形用チューブTの先端部の内側には、シート部材16が張架されている。このため、成形用チューブTが内側に変形すると、少なくともフレーム部材14aが固定されたシート部材16の部位で、内側から支持される。フレーム部材14aおよびシート部材16は、成形用チューブTの内面を支持可能な内側支持部になっている。
内側支持部によって、成形用チューブTの内側への変形が規制される。このため、成形用チューブTの成形形状が安定する。特に、成形用チューブTおよび芯体11が過大に挿入されると挿入抵抗が急激に増大する。このため、成形用チューブTおよび芯体11の過大な挿入が防止される。
円筒面100aに当接する成形用チューブTは、成形温度未満であるため、芯体11に沿う管状形状が保たれる。
リング2の近傍における成形用チューブTは、テーパー面100bに近いため、変形および流動が容易になっている。したがって、リング2は、軟化した成形用チューブTから外力を受ける。しかし、リング2は、製造治具10によって固定されている。このため、リング2は、成形中に成形用チューブTの軟化樹脂から外力を受けても、係止面11aで規定される配置位置に保持される。
このように、成形用チューブT内でリング2の位置が安定しているため、例えば、成形用チューブTが変形または流動する際に、空気を巻き込むことがあっても、リング2の周囲に気泡が入り込みにくい。加えて、本実施形態では、リング2の第1端面2cが係止面11aと密着している点でも、リング2の周囲に気泡が入り込みにくい。
成形用チューブTの形状が安定した後、第1温調部101の加熱が停止される。第1温調部101は、熱変形した成形用チューブTを迅速に硬化させる目的で、テーパー面100bの近傍の型本体100dを冷却してもよい。
熱変形した成形用チューブTが硬化すると、リング2の外周面2aに成形用チューブTが密着する。このため、リング2が成形用チューブTの内側に固定される。
このようにして、型本体100dの内部で、成形部1A、チューブ本体1B、およびリング2を有するチューブ1が形成される。
熱変形によって形成された成形部1Aの形状が安定した後、押圧部材12が除去される。
まず、図6に示すように、軸部材13を先端側に移動させる目的で、軸部材13が螺進方向と反対方向に回転される。この結果、スライド部材15の後端面15aが係止面11aから離間する。さらに、各フレーム先端部14fも第2端面2dから離間する。リング2を係止面11aに押しつけていたフレーム先端部14fからの押圧力は解除される。
スライド部材15が係止面11aから離間することで、スライド部材15が後退可能な範囲で、傘状フレーム14が縮小可能になる。軸部材13が先端側に移動するにつれて、シート部材16が成形部1Aの内周面2bに沿ってすぼめられる。スライド部材15は、リンク部材14bによって後端側に相対移動する。
このようにして、シート部材16および傘状フレーム14は、開口部1eの内側を通過して、漸次、先端側に移動する。スライド部材15が第2位置に到達するまでの間に、シート部材16および傘状フレーム14は、開口部1eを通過可能な外径に縮小する。
このようにして、雄ねじ部13bが雌ねじ部11bから外れると、押圧部材12が開口部1eから先端側に引き抜き可能になる。したがって、先端絞り加工で絞られた成形部1Aの形状を維持したままで、押圧部材12をチューブ1から離間させて除去できる。
押圧部材12が除去されたら、芯体11とともに、チューブ1が後退される。これにより、チューブ1が型本体100dから脱型される。チューブ1が取り出された後、芯体11が引き抜かれる。リング2は、芯体11と、軸方向において係止面11aで接触しているのみである。このため、芯体11が軸方向に引き抜かれる際に、リング2には芯体11から外力が作用しない。リング2の位置は芯体11の引き抜きによっても変化しない。
このようにして、チューブ1が製造される。
ここで、製造治具10の作用について、比較例と対比して説明する。
図7は、比較例の製造治具の構成例を示す模式的な断面図である。図8は、比較例の製造治具を用いた製造方法を示す工程説明図である。
比較例は、上述の特許文献2に記載の装置がチューブ1の製造用に修正された例である。図7に示すように、比較例では、本実施形態と同様の成形装置100を用いて、チューブ1が製造される。ただし、比較例の製造治具は、芯体211およびストッパ212である。
芯体211は、第1軸部211a、第2軸部211b、および本実施形態と同様のストッパ11cを備える。第1軸部211aは、芯体11と同径、同長さの円柱状に形成されている。第2軸部211bは、リング2の内周面2bに嵌合する円柱部である。第2軸部211bの先端面211cは、成形装置100における芯体211の軸方向の位置決めに用いられる。
第1軸部211aと、第2軸部211bとの境界にはテーパー部211dが形成されている。
ストッパ212は、成形装置100の貫通孔100cの開口において芯体211を位置決めする目的で用いられる。ストッパ212は、成形装置100の外部から貫通孔100cの一部を覆っている。ストッパ212の中心部には、空気抜きのための貫通孔212が貫通している。
比較例では、成形用チューブTに芯体211が挿入される。この後、成形用チューブTの開口Tcからリング2が挿入される。リング2は、テーパー部211dに係止する。これにより、リング2が軸方向に位置決めされる。ただし、リング2の第2端面2dは押えられていない。このため、リング2は、周方向および第1端面2cから離間する軸方向に移動自在である。
成形装置100が所定の温度に加熱された後、芯体211が装着された成形用チューブTが、円筒面100aおよびテーパー面100bに挿入される。図8に示すように、成形用チューブTが、テーパー面100bに進入すると、成形用チューブTの先端部がテーパー面100bに沿って熱変形する。
成形用チューブTは、芯体211の先端面211cがストッパ210に当接するまで押し込まれる。
成形用チューブTの先端部が熱変形する間、リング2は、周方向および第1端面2cから離間する軸方向に移動自在である。このため、成形用チューブTが軟化および流動すると、リング2の位置が周方向および軸方向に移動する可能性がある。
特に、比較例では、成形用チューブTの内面支持部を有しないため、熱変形した成形用チューブTがリング2よりも先端側の空間で流動しやすい。この点でも、リング2の位置が安定しにくい。
リング2の位置が成形時に変化した状態で成形用チューブTが硬化すると、X線透視によってリング2の位置が検出される場合にチューブ1の位置検出精度が低下する。
さらに、リング2は、テーパー部211dに係止しているため、第1端面2cとテーパー部211dとの間に進入した空気が外周面2aと成形用チューブTとの間に入り込んで気泡が残る可能性がある。このような気泡は、成形用チューブTを通して外部から見えると外観不良になる可能性がある。
本実施形態の製造治具10および製造治具10を用いた製造方法では、比較例のような問題が解消される。
以上説明したように、本実施形態の製造治具および製造方法では、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の製造治具について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態の製造治具および製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
図9に示すように、本実施形態の製造治具20は、上記第1の実施形態と同様、図1に示すチューブ1を製造するために用いられる。ただし、リング2としては、リング2Aが用いられる。リング2Aは、磁性体で形成される以外はリング2と同様に形成されている。例えば、リング2Aの材料としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの金属と、鉄、コバルト、ニッケルなどを含む磁性合金が用いられてもよい。
製造治具20は、芯体21と、磁石22(押圧部材)と、を備える。
芯体21は、上記第1の実施形態の芯体11において、雌ねじ部11bが削除された部材である。このため、芯体21の係止面11aは、芯体21の先端の全体に形成されている。本実施形態における芯体21は、磁性体であることがより好ましい。
磁石22は、成形装置100の内部において、リング2Aを吸引する磁力を発生する。図9に示す例では、リング2は、円筒面100aの先端部における型本体100dの外周部に配置されている。
磁石22の軸方向における配置位置および磁力は、成形部1Aの成形が行われる間、リング2Aが係止面11aに押しつける目的で設定される。
製造治具20を用いた本実施形態の製造方法について、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の製造方法によって、チューブ1を製造するには、図10に示すように、成形用チューブTの内部に、芯体11および第1の挿入部2に代えて、芯体21およびリング2Aが挿入される。
成形用チューブTは、上記第1の実施形態と同様に、円筒面100aに挿入される。二点鎖線で示すように、円筒面100a内にリング2Aが移動すると、リング2Aに吸引力が作用する。吸引力の方向および大きさは、磁石22が形成する磁場に基づく。図9に示す例では、リング2Aが磁石22に向かって移動する際には、リング2Aは、成形用チューブTの先端側に吸引される。このため、第1端面2cと係止面11aとが離れる可能性がある。ただし、リング2Aが磁石22よりも先端側に移動すると、リング2Aの第1端面2cが係止面11aに押しつけられる。このため、成形部1Aの成形が開始される時点では、1端面2cが係止面11aに密着している。
このようにして、本実施形態によれば、成形部1Aの成形中に磁石22から作用する磁力によって、第1端面2cが係止面11aに押しつけられる。この結果、リング2Aの成形時の位置ずれが抑制される。
特に、芯体21が磁性体からなる場合、芯体21が磁化することによっても磁石22が係止面11aに吸引されやすい。
本実施形態では、成形時に、リング2Aの位置が安定しており、かつ第1端面2cと係止面11aとが密着している。このため、成形用チューブTとリング2Aとの間には、気泡が進入しにくい。
成形部1Aが成形され、成形装置100の内部にチューブ1が形成された後、チューブ1は、芯体21とともに成形装置100から挿脱される。このとき、リング2Aは、磁石22からチューブ1の先端側に向かう吸引力を受ける。しかし、リング2Aは、チューブ1と密着しているため、チューブ1から外れることはない。
このようにしてチューブ1が製造される。
製造治具20では、押圧部材(磁石22)は、成形用チューブTの外部に配置されている。このため、製造治具20は、成形後に、成形部1Aの開口部1eから抜き取りが必要な押圧部材を有していない。この結果、チューブ1の開口部1eの大きさに制限されることなく成形が行える。このように、先端絞り加工で絞られた成形部1Aの形状を維持したままで、押圧部材である磁石22をチューブ1から離間させて除去できる。
以上説明したように、本実施形態の製造治具および製造方法では、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の製造治具について説明する。
図10(a)、(b)は、本発明の第3の実施形態の製造治具の主要部を示す模式的な正面図である。
図10(a)に示すように、本実施形態の製造治具30は、押圧部材32を備える。図10(a)では図示が省略されているが、本実施形態の製造治具30は、上記第2の実施形態におけると同様の芯体21を備える。製造治具30は、上記第1の実施形態における成形装置100とともに、成形用チューブTの成形に用いられる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
押圧部材32は、軸状部33(押しつけ部)、棒状部34、温度調節部35(拡縮機構)、把持部36(押しつけ部)、移動部37(押しつけ部)、および上記第1の実施形態におけると同様のシート部材16を備える。
軸状部33および棒状部34は、形状記憶合金によって一体に形成されている。
軸状部33は、チューブ1の開口部1eよりも小径の軸部材からなる。例えば、軸状部33は、上記第1の実施形態における軸部材13の円柱部13aと同様の形状を有していてもよい。ただし、軸状部33は、成形装置100における円筒面100a、テーパー面100b、および貫通孔100cの全長よりも長い。
棒状部34は、軸状部33よりも小径かつ真直の棒状部材である。棒状部34は、上記第1の実施形態におけるフレーム部材14aと同様の長さを有する。棒状部34は、軸状部33の第1端部e1に3本以上接続されている。棒状部34の本数は、上記第1の実施形態におけるフレーム部材14aと同数でもよい。
各棒状部34は、軸状部33の外周面に沿って周方向に等間隔に配列されている。
各棒状部34は、温度によって、軸状部33の中心軸線O33に対する傾斜角を変化させる目的で、形状記憶処理が施されている。本実施形態では、各棒状部34は、閾値温度以上では、拡張状態(図10(a)参照)の形状、閾値温度未満では、縮小状態(図10(b)参照)の形状になる。例えば、閾値温度は、常温と成形温度との間に設定されてもよい。
このため、各棒状部34の温度が、閾値温度以上と、閾値温度未満と、に選択的に切り替えられると、各棒状部34は、中心軸線O33に対して、径方向に回動する。
拡張状態における回動角θ1(図10(a)参照)は、上記第1の実施形態の第1回動角である。縮小状態における回動角θ2(図10(b)参照)は、上記第1の実施形態の第2回動角である。
上記第1の実施形態と同様、拡張状態における各棒状部34の先端部34a(押圧部)は、リング2の第2端面2dと当接可能な円周上に配置される。
温度調節部35は、棒状部34の温度を、上述の閾値温度以上の状態と、閾値温度未満との状態とに選択的に切り替える。温度調節部35は、軸状部33の第2端部e2に設けられている。第2端部e2は、軸状部33において第1端部e1と反対側の端部である。
温度調節部35は、軸状部33および各棒状部34の加熱および冷却の少なくとも一方が可能である。
温度調節部35としては、例えば、発熱および吸熱の少なくとも一方が可能な電熱変換素子が用いられる。
把持部36は、軸状部33を把持する。把持部36の把持位置は、後述するように棒状部34および軸状部33の第1端部e1を成形用チューブTに挿入したときに、開口Tcから外部に露出する部位である。
移動部37は、少なくとも中心軸線O33に沿う方向において、把持部36を移動可能に支持する。移動部37の例としては、例えば、1軸以上の移動自由度を有する移動ステージ、多関節ロボットなどが挙げられる。
本実施形態におけるシート部材16は、各棒状部34の径方向外側を覆っている。本実施形態におけるシート部材16は、各棒状部34のそれぞれの径方向外側を覆った状態で、上記第1の実施形態と同様にして各棒状部34に固定されている。
次に、本実施形態の製造治具30を用いた本実施形態の製造方法について、上記第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
成形用チューブTには、上記第2の実施形態と同様にして、芯体21が挿入される。さらに、上記第1の実施形態と同様にして、成形用チューブTの開口Tcからリング2が挿入される。本実施形態では、リング2の材料としては、磁性体以外の材料が用いられてもよい。
まず、押圧部材32の各棒状部34が、温度調節部35による温度調節によって、縮小状態とされる。押圧部材32は、移動部37によって貫通孔100cから成形装置100の内部に挿入される。このとき、押圧部材32は棒状部34を先頭にして挿入される。移動部37は、さらに、各棒状部34を円筒面100aから成形装置100の外部に移動される。
この後、縮小状態の各棒状部34に向けて、リング2および芯体21が挿入された成形用チューブTが移動される。各棒状部34は、開口Tcから成形用チューブTの内部に挿入される。
この後、温度調節部35は、軸状部33および各棒状部34の温度を閾値温度以上に温度制御する。温度調節部35は、棒状部34の温度が成形温度を超えないことを目的として、必要に応じて軸状部33および各棒状部34を温度制御する。これにより、各棒状部34が拡張状態になる。
この後、芯体21が押圧部材32に向かって移動される。これにより、各棒状部34の先端部34aが第2端面2dに当接する。各先端部34aからは、第2端面2dを通して、リング2に押圧力が印加される。押圧力は、リング2の第1端面2cが係止面11aに向かって押しつけられる方向に作用する。
この後、移動部37は、各先端部34aからの押圧力を維持した状態で、押圧部材32を芯体21と同方向に移動させる。
円筒面100aに挿入された成形用チューブTは、上記第1の実施形態と同様にして、成形装置100によって成形される。移動部37は、芯体21の移動が停止されたら、芯体21に同期して移動を停止する。このため、成形部1Aが成形される間、各先端部34aからリング2への押圧力が保持される。
成形部1Aの成形が終了したら、温度調節部35は、軸状部33および各棒状部34の温度を閾値温度未満に温度制御する。ただし、成形装置100による成形終了時の温度制御によって、軸状部33および各棒状部34の温度が閾値温度未満になる場合には、温度調節部35は、特に温度制御しなくてもよい。
各棒状部34の温度が閾値未満になると、各棒状部34は縮小状態になる。移動部37は、軸状部33を中心軸線O33に沿って、リング2から離間する方向に移動させる。
このようにして、各棒状部34が、開口部1eを通して、成形部1Aの外部に引き抜かれる。さらに、各棒状部34は、貫通孔100cを通して成形装置100の外部に引き抜かれる。したがって、先端絞り加工で絞られた成形部1Aの形状を維持したままで、押圧部材32をチューブ1から離間できる。
この後、成形装置100内のチューブ1は、第1の実施形態と同様にして成形装置100から脱型される。
以上で、チューブ1が製造される。
製造治具30では、各棒状部34が温度制御されることによって拡張状態と縮小状態とが切り替えられる。このため、拡張状態と縮小状態との切り替え方法および押圧力の印加方法が異なる以外は、上記第1の実施形態と同様に、チューブ1の成形が行える。
特に、本実施形態によれば、上記第1の実施形態に比べて押圧部材32の構成が簡素であるため、より小径のチューブ1の製造が容易となる。さらに、第1の実施形態の場合、軸部材13を螺合する必要がないため、拡張状態と縮小状態とがより迅速に切り替えられる。
以上説明したように、本実施形態の製造治具および製造方法では、上記第1の実施形態と同様、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の製造治具について説明する。
図11(a)、(b)は、本発明の第4の実施形態の製造治具および製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
図11(a)に示すように、本実施形態の製造治具40は、押圧部材42と、上記第2の実施形態におけると同様の芯体21と、を備える。製造治具40は、上記第1の実施形態における成形装置100とともに、成形用チューブTの成形に用いられる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
押圧部材42は、管部43(押しつけ部)、バルーン44、および流体供給源45を備える。さらに、押圧部材42は、上記第3の実施形態と同様の把持部36および移動部37を備える。
管部43の外径は、チューブ1の開口部1eよりも小径である。管部43は、上記第3の実施形態における軸状部33と同様の長さを有する。
管部43の第1端部E1には、バルーン44が連結されている。管部43の軸方向において第1端部E1と反対側の第2端部E2は、流体供給源45に連通している。流体供給源45は、バルーン44を拡縮する目的で、管部43に流体Fを供給する。流体Fの種類は、成形温度下でバルーン44を拡張できれば特に限定されない。流体Fは、気体でもよいし、液体でもよい。
管部43の第2端部E2の外周部は、把持部36によって把持されている。このため、管部43およびバルーン44は、移動部37によって管部43の中心軸線O43に沿って移動可能である。
バルーン44は、管部43を通して供給される流体の圧力によって拡縮可能である。バルーン44は、拡縮することによって、上記第1の実施形態と同様の拡張状態と、縮小状態と、を形成可能である。
図11(a)に示すように、拡張状態では、バルーン44は、管部43の中心軸線O43と同軸の略円錐形状を有する。拡張状態におけるバルーン44の先端部の外径は、リング2の外径以下である。拡張状態におけるバルーン44の先端面44a(押圧部)は、リング2の第2端面2dに当接可能である。
拡張状態におけるバルーン44の側面44b(内面支持部)は、成形部1Aの内周面1b(図11(b)参照)に当接可能な略円錐面である。拡張状態における側面44bは、厳密な円錐面でなくともよい。例えば、側面44bは、円錐面よりも径方向外側に張り出した円錐面に近い湾曲面であってもよい。
図11(b)に示すように、バルーン44は、流体Fが排出されると、縮小状態を形成する。縮小状態では、バルーン44は、成形部1Aの開口部1eから引き抜き可能な形状に収縮する。
バルーン44の材料は、例えば、熱可塑性樹脂材料で形成される。バルーン44の成形方法としては、例えば、ブロー成形などが挙げられる。バルーン44の拡張時の外形は、成形型の成形面の形状によって形成される。
バルーン44の材料の例としては、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマーおよびこれらを組み合わせたもの樹脂などが挙げられる。
製造治具40によれば、上記第3の実施形態と略同様にして、チューブ1が製造可能である。以下では、本実施形態の製造治具40を用いた本実施形態の製造方法について、上記第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
成形用チューブTには、上記第3の実施形態と同様に、芯体21と、リング2と、が挿入される。
押圧部材42のバルーン44は、流体供給源45から流体Fが排出されることによって、縮小状態とされる。押圧部材42は、上記第3の実施形態と同様にして、成形装置100に挿通される。
この後、縮小状態のバルーン44に向けて、リング2および芯体21が挿入された成形用チューブTが移動される。バルーン44は、開口Tcから成形用チューブTの内部に挿入される。ただし、図11(a)、(b)では、成形装置100の図示は省略されている。
この後、流体供給源45が管部43に流体Fを供給する。これにより、バルーン44が拡張状態になる(図11(a)参照)。このとき、バルーン44の側面44bは、成形部1Aの内周面1bにならって、内周面1bの全面を支持可能である。
この後、芯体21が押圧部材42に向かって移動される。これにより、バルーン44の先端面44aが第2端面2dに当接する。先端面44aからは、第2端面2dを通して、リング2に押圧力が印加される。押圧力は、リング2の第1端面2cが係止面11aに向かって押しつけられる方向に作用する。
この後、移動部37は、上記第3の実施形態と同様にして、押圧部材42を芯体21と同方向に移動させる。
この後、上記第3の実施形態と同様にして、成形部1Aの成形が行われる。
成形部1Aの成形が終了したら、流体供給源45は、流体Fをバルーン44から排出する。この結果、バルーン44が縮小状態になる。移動部37は、成形部1Aの中心軸線O43に沿って、リング2から離間する方向に移動する。
このようにして、バルーン44が、開口部1eを通して、成形部1Aの外部に引き抜かれる(図11(b)参照)。さらに、バルーン44は、図示略の貫通孔100cを通して成形装置100の外部に引き抜かれる。したがって、先端絞り加工で絞られた成形部1Aの形状を維持したままで、押圧部材42をチューブ1から離間できる。
この後、成形装置100内のチューブ1は、第1の実施形態と同様にして成形装置100から脱型される。
以上で、チューブ1が製造される。
製造治具40では、バルーン44が流体Fの圧力に応じて拡縮することによって拡張状態と縮小状態とが切り替えられる。このため、拡張状態と縮小状態との切り替え方法および押圧力の印加方法が異なる以外は、上記第3の実施形態と同様に、チューブ1の成形が行える。
特に、本実施形態によれば、バルーン44の側面44bが成形部1Aの内周面1bの全面を支持可能であるため、内周面1bがより良好に支持される。さらに、側面44bは柔軟性を有する点でも、内周面1bの種々の形状に追従可能である。例えば、内周面1bが円錐形状以外のより複雑な湾曲面として形成される場合でも、側面44bは、内周面1bの全体を容易に支持できる。
さらに、製造治具40は、上記第1および第3の実施形態に比べて押圧部材32の構成が簡素であるため、より小径のチューブ1の製造が容易となる。さらに、第1の実施形態の場合、軸部材13を螺合する必要がないため、拡張状態と縮小状態とがより迅速に切り替えられる。
以上説明したように、本実施形態の製造治具および製造方法では、上記第1の実施形態と同様、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の製造治具について説明する。
図12は、本発明の第5の実施形態の製造治具の主要部を示す模式的な断面図である。
図12に示すように、本実施形態の製造治具50は、上記第4の実施形態における押圧部材42に代えて、押圧部材52を備える。
以下、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
押圧部材52は、上記第4の実施形態の押圧部材42のバルーン44に代えて、バルーン54を備える。
バルーン54は、バルーン44と同様、図示略の流体供給源45から供給される流体Fの圧力に応じて拡縮可能である。ただし、バルーン54は、リング2の内周面2bを径方向外側に押圧する第1側面部54aと、内周面2bの内径よりも大径に拡張可能な第2側面部54bと、を備える。このため、バルーン54の拡張状態では、リング2への押圧力として、第1側面部54aと内周面2bとの摩擦力と、第2側面部54bから作用する抜け止め力と、が作用する。抜け止め力は、リング2における内周面2bと第2端面2dとで形成される角部に作用する。
さらに、バルーン54は、バルーン44と異なり、内面支持部を有していない。
バルーン54は、縮小状態では、バルーン44と同様、成形部1Aの開口部1eから引き抜き可能な形状に収縮する。
バルーン54は、上述のバルーン44と同様の材料、成形方法によって製造可能である。
製造治具50によれば、バルーン54からの押圧力が内周面2bに作用する点と、内面支持部が形成されていない点と、を除いて、上記第4の実施形態と略同様にして、チューブ1を製造できる。
以上説明したように、本実施形態の製造治具および製造方法では、上記第4の実施形態と同様、リングの位置ずれと、リングの位置ずれに起因する外観不良と、が抑制される。
なお、上記各実施形態の説明では、芯体が円柱形状を有する場合の例が説明された。しかし、芯体の断面形状は、成形用チューブの断面形状に応じて適宜変更されてもよい。
さらに、成形用チューブの断面形状が円形であっても、芯体の断面形状は、リングを係止することができ、かつ成形用チューブを座屈させることなく軸方向に移動できる断面形状であれば、円形には限定されない。例えば、芯体は多角柱状でもよい。例えば、芯体は、円柱の側面の一部が径方向において欠如した柱状でもよい。
さらに芯体は、成形用チューブの内部に挿通可能な形状であれば、最大径が成形用チューブTの内径と同じでもよい。芯体の移動によって、成形用チューブTが過大に変形しない場合には、芯体の最大径は、成形用チューブの内径未満でもよい。
上記第1の実施形態の説明では、押圧部材12が3本以上のフレーム部材14aを有する場合の例が説明された。ただし、内面支持部を形成しなくてよい場合には、フレーム部材14aは、リング2に押圧力を印加できる本数でよい。この場合、フレーム部材14aは、1本または2本でもよい。
上記第2の実施形態の説明では、磁石22が成形装置100に固定されている場合の例で説明された。しかし、磁石22は、成形装置100に対して相対移動可能に設けられてもよい。この場合、例えば、製造工程におけるリング2の移動位置に対応してリング2に作用する磁力が一定になる位置に、磁石22が移動されてもよい。
さらに、磁石22が電磁石の場合、リング2の移動位置に応じて、磁石22の磁力が変更されてもよい。この場合、磁石22は、リング2の移動位置に対応してリング2に作用する磁力を一定に保つことができる。
上記第5の実施形態の説明では、バルーン54が第1側面部54aおよび第2側面部54bを備える場合の例が説明された。しかし、第1側面部54aが内周面2bに当接するだけでリング2を係止面11aに押圧できれば、第2側面部54bを有しなくてもよい。すなわち、バルーン54の全体が内周面2bの内部に挿入されてもよい。
次に、上述した各実施形態の製造治具の実施例について、比較例とともに説明する。
下記[表1]に、実施例1〜5、比較例1の製造治具の構成および評価結果を示す。ただし、[表1]では部材の符号は省略されている。
Figure 2019154722
[実施例1]
実施例1は、上記第4の実施形態に関する実施例である。[表1]に示すように、実施例1の製造治具40では、押圧部材42として、バルーン44([表1]では、「円錐状バルーン」と記載)が用いられた。リング2の材料はタンタルが用いられた。
リング2の軸方向長さ、外径、および内径は、それぞれ、2.0mm、1.15mm、および0.95mmであった。
成形用チューブTの全長、外径、および内径は、それぞれ、380mm、2.3mm、および1.2mmであった。成形用チューブTの材料としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)が用いられた。
芯体21としては、外径1.17mmの円柱が用いられた。芯体21の全長は、374mmであった。このため、芯体21が挿入された成形用チューブTにリング2が挿入されると、リング2よりも開口Tc側に、4mmの成形用チューブTが延出した。
チューブ1の成形部1Aは、この4mmの成形用チューブTが先細のテーパー状に成形されることによって形成された。成形部1Aにおけるリング2の第2端面2dの目標位置は、成形部1Aの先端から4mmの位置とされた。開口部1eの内径の目標値は、1.0mmとされた。
成形部1Aの製造方法は、上記第4の実施形態に説明された通りである。ただし、成形温度は270℃、成形用チューブTの挿入する際のストッパ11cへの圧力は140kPaとされた)。成形用チューブTのテーパー面100bへの押圧時間は、10秒間とされた。
この後、成形装置100の加熱が停止された。成形装置100内のチューブ1は、室温下で20秒冷却された。この後、チューブ1が脱型された。
このため、本実施例では、リング2は、成形部1Aの成形される間、バルーン44によって芯体21の係止面11aに押しつけられていた。バルーン44を加圧する流体Fとしては、大気が用いられた。バルーン44からリング2への押圧力は、成形中にリング2の位置を安定させる目的で、100kPaに調整された。
[実施例2]
実施例2は、上記第1の実施形態に関する実施例である。[表1]に示すように、実施例2の製造治具10では、上記実施例1の押圧部材42および芯体21に代えて、押圧部材12([表1]では、「傘状フレーム」と記載)および芯体11が用いられた。以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
傘状フレーム14におけるフレーム部材14aの有効長は36mmとされた。軸部材13の雄ねじ部13bの長さが適宜調整された結果、拡張状態における傘状フレーム14の先端部の外接円の径は、1.17mmであった。
実施例2のチューブ1は、製造治具40に代えて、製造治具10が用いられた以外は、実施例1と同様にして製造された。
[実施例3]
実施例3は、上記第4の実施形態の変形実施例である。[表1]に示すように、実施例3の製造治具40では、上記実施例1の押圧部材42のバルーン44として、外形が円柱状のバルーン([表1]では、「円柱状バルーン」と記載)が用いられた。
以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
本変形例では、バルーンの先端面の外径および側面の外径は、いずれも、バルーン44における先端面44aと同様な外径とされた。
実施例3のチューブ1は、製造治具40に上述の円柱状のバルーンが用いられた以外は、実施例1と同様にして製造された。
本実施例のバルーンは成形用チューブTを成形装置100に挿入する前は、成形用チューブTを内側から支持する円柱形状に保持された。成形用チューブTがテーパー面100bに進入し始めると、バルーンの形状を成形用チューブTの内面の形状に沿わせる目的で、流体供給源45の圧力が調整された。このため、成形装置100内で、バルーンは円錐状に変形した。成形部1Aの内周面1bの全体はバルーンによって支持された。
[実施例4]
実施例4は、上記第4の実施形態に関する実施例である。[表1]に示すように、実施例4の製造治具40では、上記実施例1のリング2の材料として、銅が用いられた。
実施例4のチューブ1は、リング2の材料が異なる以外は、実施例1と同様にして製造された。
[実施例5]
実施例5は、上記第2の実施形態に関する実施例である。[表1]に示すように、実施例5の製造治具20では、上記実施例1の押圧部材42に代えて、磁石22が用いられた。リング2Aの材料としては、鉄が用いられた。
以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例5のチューブ1は、成形中に、リング2Aが磁石22からの磁力によって芯体21の係止面11aに押しつけられた以外は、実施例1と同様にして製造された。
本実施例では、成形部1Aの内周面2bは、内面支持部によって支持されない状態で、成形が行われた。
[比較例1]
比較例1のチューブは、図7、8に示す製造治具によって、上述された比較例の製造方法で製造された。このため、[表1]に示すように、押圧部材は使用されなかった。リングの形状および材料は、実施例1のリング2と同様とされた。
[評価]
実施例1〜5、比較例1の評価としては、リング2の位置ずれ量評価と、外観評価とが行われた。
位置ずれ量評価では、各実施例、比較例のチューブの成形部の先端からリングの先端側の面までの距離が測定された。具体的には、リングの先端側の面(第2端面2dに相当)の外周上の5点において、チューブの成形部の先端からリングの先端側の面までの距離が測定された。5点の距離の平均値が算出された。[表1]に示す位置ずれ量は、設計値(4mm)から平均値を引いた値である。例えば、位置ずれ量0.1mmは、5点の距離の平均値が3.9mmであったことを示す。
位置ずれ量評価では、位置ずれ量が−0.1mmを超え0.1mm未満の場合に、良(good)と判定された。位置ずれ量が−0.1mm以下または0.1mm以上の場合に、不良(no good)と判定された。
外観評価では、チューブの外観において気泡の有無が検査された。チューブに、直径0.1mm以上の気泡が、0個の場合には良(good)、1個以上の場合には不良(no good)と判定された。
[評価結果]
[表1]に、位置ずれ量、外観評価における気泡数が、それぞれの判定とともに示されている。
実施例1〜5は、位置ずれ量評価および外観評価の両方とも良と判定された。
これに対して、比較例1は、位置ずれ量が0.1mmであり、気泡数が3個であっため、位置ずれ量評価および外観評価の両方とも不良と判定された。
実施例1〜5では、いずれも、成形中に、押圧部材によってリングが芯体の係止面に押しつけられているため、位置ずれおよび直径0.1mm以上の気泡が発生しなかったと考えられる。これに対して、比較例1では、押圧部材がないため、成形中にリングが芯体に押しつけられなくなる結果、位置ずれおよび直径0.1mm以上の気泡が発生したと考えられる。
以上、本発明の好ましい各実施形態を、各実施例とともに説明したが、本発明はこの各実施形態および各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 チューブ(リングを内蔵する医療用チューブ)
1A 成形部
1a 外周面
1b 内周面
1B チューブ本体
1e 開口部
2、2A リング
2c 第1端面
2d 第2端面
10、20、30、40、50 製造治具
11、21 芯体
11a 係止面
11b 雌ねじ部
12、32、42、52 押圧部材
13 軸部材(押しつけ部)
13b 雄ねじ部(拡縮機構)
14 傘状フレーム
14a フレーム部材(内面支持部)
14b リンク部材(拡縮機構)
14f フレーム先端部(押圧部)
15 スライド部材(拡縮機構)
16 シート部材(内面支持部)
22 磁石(押圧部材)
33 軸状部(押しつけ部)
34a 先端部(押圧部)
35 温度調節部(拡縮機構)
36 把持部(押しつけ部)
37 移動部(押しつけ部)
43 管部(押しつけ部)
44 バルーン
44a 先端面(押圧部)
44b 側面(内面支持部)
45 流体供給源
54 バルーン
100 成形装置
100a 円筒面
100b テーパー面
100c 貫通孔
100d 型本体
C、O、O1、O33、O43 中心軸線
T 成形用チューブ
Tb 内周面
Tc 開口
θ1 回動角(第1回動角)
θ2 回動角(第2回動角)

Claims (7)

  1. 医療用チューブの先端絞り加工において、前記医療用チューブのルーメンの先端側に導入されたリングの位置決めをする製造治具であって、
    前記医療用チューブの基端側から前記ルーメン内に挿通可能であり、先端に前記リングを軸方向に係止可能な係止面をもつ、芯体と、
    前記芯体の軸方向において前記リングを前記芯体に押しつける押圧力を前記リングに印加する押圧部材と、
    を備え、
    前記押圧部材は、前記先端絞り加工後に、絞られた先端形状を維持したままで前記医療用チューブから離間可能である、
    製造治具。
  2. 前記医療用チューブの絞られた先端形状は、
    前記リングの外径よりも小径の開口部を先端に有し、かつ前記リングを内蔵する部位よりも先端側が先細であり、
    前記押圧部材は、
    前記医療用チューブの内部において前記係止面に係止している前記リングに当接可能な押圧部と、
    前記医療用チューブの内面を支持可能な内面支持部と、
    前記押圧部に前記押圧力を伝達する押しつけ部と、
    を備え、
    前記押圧部および前記内面支持部は、
    前記医療用チューブの内部において、径方向に拡張した拡張状態と、径方向に縮小した縮小状態と、に切り替え可能に設けられ、
    前記拡張状態では、前記押圧部が前記リングに当接可能、かつ前記内面支持部が前記医療用チューブの内面を支持可能であるが、前記押圧部および前記内面支持部が前記開口部から前記軸方向に引き抜き不可能な形状に拡張され、
    前記縮小状態では、前記押圧部および前記内面支持部が、前記開口部から前記軸方向に引き抜き可能な形状に縮小される、
    請求項1に記載の製造治具。
  3. 前記押圧部材は、
    前記開口部に挿通可能であって前記軸方向に進退可能に支持された軸部材と、
    長手方向において第1端部と第2端部とを有する3個以上の棒状体からなり、前記軸部材の中心軸線を通る平面内で前記第1端部を中心として回動可能に前記軸部材に固定されたフレーム部材と、
    前記フレーム部材のそれぞれの径方向外側に固定され、前記フレーム部材が第1回動角に達すると錐体状に張られるシート部材と、
    前記フレーム部材の回動角を変更する拡縮機構と、
    を備え、
    前記軸部材は、前記押しつけ部を形成しており、
    前記第2端部は、前記押圧部を形成しており、
    前記シート部材、および前記シート部材に固定された前記フレーム部材は、前記内面支持部を形成しており、
    前記拡縮機構によって、前記回動角が前記第1回動角に達すると、前記拡張状態が形成され、
    前記拡縮機構によって、前記回動角が前記第1回動角よりも少ない第2回動角に達すると、前記縮小状態が形成される、
    請求項2に記載の製造治具。
  4. 前記芯体の先端部には、前記芯体の中心部に雌ねじ部が形成されており、
    前記拡縮機構は、
    前記軸部材の先端部に形成され、前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部と、
    前記フレーム部材と前記軸部材との固定部よりも前記雄ねじ部側の前記軸部材の外周部において前記軸部材の軸方向にスライド可能に嵌合され、前記リングの内部に挿通可能に設けられたスライド部材と、
    前記フレーム部材のそれぞれと、前記スライド部材と、に連結されたリンク部材と、
    を備え、
    前記リンク部材は、
    前記スライド部材の前記軸部材上の位置に応じて、前記フレーム部材のそれぞれの前記回動角を揃えて変更できるように設けられており、
    前記回動角は、前記スライド部材が前記軸部材上で第1位置に移動すると、前記回動角が前記第1回動角になり、前記スライド部材が前記軸部材上で、前記第1位置よりも前記軸部材の先端から離れた第2位置に移動すると、前記回動角が前記第2回動角になり、
    前記拡縮機構は、
    前記軸部材の回転によって前記雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺合され、前記芯体の先端部に当接した前記スライド部材が前記第1位置に移動されることによって、前記拡張状態を形成し、前記軸部材が逆回転されることによって、前記開口部から引き抜かれるにつれて、前記縮小状態を形成する、
    請求項3に記載の製造治具。
  5. 前記押しつけ部は、
    前記開口部に挿通可能であって前記軸方向に進退可能に支持されており、流体が流通可能な管部を備え、
    前記押圧部材は、
    前記管部の先端に接続され、前記流体の圧力に応じて、拡縮可能なバルーンと、
    前記管部に供給する前記流体の圧力を調整する流体供給源と、
    を備え、
    前記バルーンの拡張時に、前記バルーンの先端部が前記押圧部を形成し、前記バルーンの側面が前記内面支持部を形成する、
    請求項2に記載の製造治具。
  6. 前記リングは、磁性体からなり、
    前記押圧部材は、
    前記リングを吸引する磁力によって、前記リングを前記係止面に押しつける磁石を備える、
    請求項1に記載の製造治具。
  7. リングを内蔵する医療用チューブの製造方法であって、
    成形用チューブの内部に芯体を挿入することと、
    前記成形用チューブの開口から前記リングを挿入し、前記芯体の先端に形成された係止面に、前記リングを係止させることと、
    少なくとも、前記リングの配置位置よりも先端側の前記成形用チューブを成形型に挿入して、前記成形用チューブを先端絞り加工成形することと、
    前記成形用チューブの先端絞り加工成形が行われている間に、前記芯体の軸方向において前記リングを前記芯体に押しつける押圧部材を用いて、前記リングを前記係止面に押しつける押圧力を前記リングに印加することと、
    前記成形用チューブの成形が終了して前記医療用チューブが形成された後に、前記先端絞り加工で絞られた先端形状を維持したままで前記押圧部材を前記医療用チューブから離間させて前記押圧力を解除することと、
    を含む、製造方法。
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