JP6974748B2 - ラッチ装置及びシート装置 - Google Patents
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Description
そして、図14(b)に示すように、ベースプレート10aの切欠溝12aからラッチ20aの下フック23aが退避できない状態でラッチ20aが止まっていると、ストライカー2を再度ロックしようとした場合に、ストライカー2がラッチ20aの下フック23aに当たってしまうことがある。ストライカー2が下フック23aに当たった衝撃で、そのストライカー2がラッチ20aの係合溝24aに入る前に、ラッチ20aが図中時計回りに回転してロック状態に閉じてしまい、ストライカー2をラッチ20aで拘束することができないというトラブルが生じてしまうことがあった。
そこで、本発明の課題は、ラッチの開放を確実に行うことである。
所定位置に設けられたストライカーを進入させる切欠溝を有するベース部材と、
前記ベース部材に回転可能に連結され、前記切欠溝に進入した前記ストライカーと係合してロックする係合溝を有するラッチと、
前記ベース部材に回転可能に連結され、前記ラッチに当接することで前記ラッチの回転を規制するラチェットと、
前記ラチェットを前記ラッチに当接する方向に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記切欠溝は、下側の間口において最も広く、前記下側の間口から上側の突き当たりに向かって漸次狭くなり、かつ、前記ラッチのうち前記ストライカーに当接して係合する第一フックにおける前後方向先端部よりも、前記ラッチが開き切った状態において広くなるように傾斜して形成され、前記下側の間口から前記上側の突き当たりに向かって延びる前辺と後辺とを有し、
前記切欠溝における前記前辺と前記後辺は、前記前辺の下端と前記後辺の下端とを前記切欠溝の溝幅方向に沿って接続する仮想直線を基準線とすると、前記基準線に対してそれぞれ一定の角度で前記基準線から前記上側の突き当たりに向かって延びており、
前記ベース部材の下端部には、前記切欠溝が一体に形成され、かつ、前記ラッチがアンロック状態で開き切った状態の時に前記ラッチの下端部が前記ベース部材の下端部よりも下方に突出可能となるように開放された部位があることを特徴とする。
前記ストライカーの上面は、横から見て凸面の弧状に形成されていて、
前記ベース部材に形成された前記切欠溝における前記突き当たりは、横から見て凹面の弧状に形成されており、
前記ストライカーの上面の曲率と前記突き当たりの曲率がほぼ等しくなっており、前記ストライカーが前記切欠溝に進入して前記突き当たりに当接した場合に、前記ストライカーの上面と前記突き当たりとが面接触することを特徴とする。
前記切欠溝の前記前辺と前記後辺とが前記基準線に対してそれぞれ一定の角度で傾斜している間口は、前記ラッチが前記ストライカーに係合する回転方向の側に形成されていることを特徴とする。
前記ラッチは、前記係合溝を構成する前記第一フック部と第二フック部を備えており、
前記ストライカーが前記係合溝に係合され前記ラッチがロックされた状態では、前記第二フック部は前記ストライカーと当接した状態となることを特徴とする。
前記ラッチが開き切った状態で、前記第一フック部の突端から前記切欠溝の前辺までの距離は、前記ストライカーの直径の3分の1の長さよりも短いことを特徴とする。
請求項1〜5の何れかのラッチ装置と、前記ストライカーと、座部と、を備え、
前記ラッチ装置と前記ストライカーのうち一方が前記座部に取り付けられ、他方がフロアに取り付けられていることを特徴とする。
前記座部の後部がリクライニング機構によってバックレストの下端部に連結され、ヘッドレストが前記バックレストの上端部に設けられていることを特徴とする。
そして、ラッチの開放が確実に行われれば、中途半端な位置で止まっていたラッチがストライカーを拘束する前にロック状態に閉じてしまったトラブルを大幅に低減することができる。
この車両用シート装置90においては、座部91の後部がリクライニング機構によってバックレスト92の下端部に連結され、ヘッドレスト93がバックレスト92の上部に設けられている。座部91の前部の下部がブラケット94に回転可能に連結され、そのブラケット94が車両のフロア99上に固定されている。座部91がブラケット94との連結部を中心にして前後に起伏可能に設けられている。
座部91の後部の下部には、ラッチ装置1が取り付けられている。一方、ストライカー2が車両フロア99上に固定されている。ラッチ装置1がストライカー2と係脱可能である。ラッチ装置1がストライカー2に係合することによって、座部91が後ろに倒伏した状態が保持される。一方、ラッチ装置1がストライカー2を解放することによって、座部91を起伏することができる。
図2、図3に示すように、ベース部材であるベースプレート10の上部が軸11によって座部91のフレームに連結されている。軸11が左右方向に対して平行に設けられ、ベースプレート10が軸11を中心にして座部91のフレームに対して回転可能に設けられている。
当接部32は、ラチェット軸31からラチェット軸31の径方向外側に延出している。当接部32は、その先端を挟んで、一方の外周面であるアンロック面34と他方の外周面であるロック面35とを有している。このアンロック面34がラッチ20の係合フック部26の外周面に当接する際、ラッチ20を図中反時計回りのアンロック方向へ回転させて、ラッチ20がロック方向へ回転することを規制するようになっている。また、ロック面35がラッチ20の係合フック部26の外周面に当接する際、ラッチ20が図中反時計回りのアンロック方向へ回転することを規制するようになっている。なお、当接部32のアンロック面34は凹状に湾曲し、ラチェット軸31の径方向に延在している。当接部32の外周面の曲率、特にアンロック面34の曲率は、係合フック部26の外周面の曲率とは異なるように形成されている。当接部32のロック面35はラチェット軸31の周方向に延在しているとともに、ラチェット軸31を中心にして弧状に形成されている。
当接部32の突端とラチェット軸31との間の部分には、カムフォロワ36が凸設されている。作動腕33は、ラチェット軸31を中心にした反時計回りの向きに当接部32から延出している。作動腕33の突端部には、係合ピン37が取り付けられている。
突起部59は、作動レバー50の外周面から、連結軸51を中心にした反時計回りの向きに凸設する態様で形成されている。
摺接面58は、突起部59の突端から連結軸51を中心にした時計回りの向きに延設されている。この摺接面58は作動レバー50の外周面に形成され、その摺接面58が連結軸51を中心とする略弧状に設けられている。
内接カム52は、摺接面58と連結軸51との間に設けられている。内接カム52は、作動レバー50の一側面から反対面に貫通するように形成された穴部である。この内接カム52内に、カムフォロワ36が挿入されている。内接カム52の内周面は、第一カム面53、第二カム面54、第一受け面55及び第二受け面56から構成される。第一カム面53の一端が第二カム面54の一端に連接され、第二カム面54の他端が第二受け面56の一端に連接され、第二受け面56の他端が第一受け面55の一端に連接され、第一受け面55の他端が第一カム面53の他端に連接されている。第一カム面53は、カムフォロワ36に対して連結軸51の径方向外側でカムフォロワ36に摺接する。第二カム面54は、カムフォロワ36に対してラチェット軸31の径方向外側でカムフォロワ36に摺接する。第一受け面55は、カムフォロワ36に対して連結軸51の周方向反時計回り側でカムフォロワ36に当接する。第二受け面56は、カムフォロワ36に対して連結軸51の周方向時計回り側でカムフォロワ36に当接する。
1が緩んだ状態でも、係止ボール107が載置プレート108やオープンレバー40の外周面に引っ掛からないようにすることができる。
ストライカー2がベースプレート10の切欠溝12に挿入され、そのストライカー2が切欠溝12の突き当たり15に当接している。ラッチ20はロック方向に回転されており、ラッチ20の第二フック部23がストライカー2の下側において切欠溝12を前後に横切り、ストライカー2が第二フック部23に当接している。第一フック部22が切欠溝12よりも僅かに上に位置し、側面視して第一フック部22の下縁が切欠溝12の突き当たり15に揃っている。ストライカー2が係合溝24に係合されているとともに、係合溝24の突き当たりに当接している。これによって、ストライカー2が第二フック部23、係合溝24の突き当たり及び切欠溝12の突き当たり15によって拘束されてロックされているとともに、ラッチ軸21を中心としたラッチ20の時計回りの回転が止められている。切欠溝12の突き当たり15の形状がストライカー2の上面の形状に合致して、ストライカー2が切欠溝12に突き当たり15に当接しているから、ストライカー2がベースプレート10に対してがたつかない。また、ストライカー2が第二フック部23に当接した状態で係合溝24の突き当たりに当接しているから、ストライカー2がラッチ20に対してもがたつかない。また、ラッチ軸21から切欠溝12の突き当たり15までの距離が短くなるよう、ストライカー2から第二フック部23に下向きの荷重が作用した場合でも、ラッチ20に作用するモーメントを小さくすることができる。そのため、耐荷重性を向上させることができる。
突起部59がストッパ60の後ろに位置し、摺接面58がストッパ60の後ろ側でストッパ60に当接している。具体的には、摺接面58は、ラチェット軸31と連結軸51とを結ぶ線よりも上でストッパ60に当接している。これにより、連結軸51を中心とした作動レバー50の反時計回りの回転が止められているとともに、ラッチ軸21を中心としたラッチ20の反時計回りの回転が止められている。
また、当接部32の先端が進入段部25の底に当接している。これにより、ラチェット軸31を中心としたラチェット30の時計回りの回転が止められている。
係合ピン37がラチェット軸31の上斜め後ろに位置している。その係合ピン37が、切欠き45よりも係入溝42の突き当たり寄りに位置しているが、係入溝42の突き当たりから離れている。係入溝42の縁44が後ろ斜め下に傾斜している。
係止ボール107及び係止部110がレバー軸41の上斜め前に位置しているとともに、ブラケット106の下斜め後ろに位置している。係止ボール107が係止部110に係止している。
バネ70は自然長であるか、又は自然長よりも僅かに伸びた状態にある。
作業者が操作レバー103を回転して、インナーケーブル101を引く。そうすると、ラッチ装置1が図2の状態から図10の状態に動く。すなわち、オープンレバー40がレ
バー軸41を中心にして時計回りに回転するとともに、ラチェット30がラチェット軸31を中心にして反時計回りに回転する。この際、カムフォロワ36が第一カム面53に近づいて、第一カム面53に当接する。カムフォロワ36が第一カム面53に当接する時に、当接部32が進入段部25から抜ける(図10参照)。当接部32が進入段部25から抜けるまでは、当接部32のロック面35が係合フック部26の外周面に当接しており、ラッチ軸21を中心としたラッチ20の反時計回りのアンロック方向への回転が当接部32及び係合フック部26によって止められている。つまり、当接部32が進入段部25から抜けるようにラチェット30が反時計回りに回転する際には、当接部32のロック面35が係合フック部26に対して摺動し、ラッチ20がアンロック方向へ回転することを規制しており、ラッチ20とベースプレート10とでストライカー2をロックした状態が維持される。ラチェット30が図2の状態から図10の状態に反時計回りに回転する際には、バネ70が伸びて、作動レバー50がバネ70によって反時計回りの向きに引っ張られる。しかし、摺接面58がラチェット軸31と連結軸51とを結ぶ線よりも上でストッパ60に当接し、バネ70の引張荷重がストッパ60に受けられているので、作動レバー50が反時計回りに回転しない。
入溝42の間口寄りに位置している。切欠き45の部分では係入溝42の幅が係合ピン37の直径よりも広いから、作業者が操作レバー103でインナーケーブル101を更に引っ張っても、オープンレバー40が時計回りに回転する。従って、インナーケーブル101のオーバーストローク量を稼ぐことができる。
ベースプレート10を下に移動させて、ストライカー2を切欠溝12に進入させる。ストライカー2が切欠溝12に進入する際、第二フック部23は切欠溝12の後辺14からベースプレート10側に位置し切欠溝12から退避しているので、ストライカー2は第二フック部23と接触することなく切欠溝12に進入する。ストライカー2が切欠溝12に進入すると、ストライカー2が第一フック部22に当たる。そして、ベースプレート10を押し下げると、ストライカー2から第一フック部22に上方向の反力が作用し、ラッチ20がラッチ軸21を中心にして時計回りに回転する。ここで、第一フック部22の突端から切欠溝12の前辺13までの距離が短く設定されているから、ストライカー2の反力によって、ラッチ軸21を中心にして時計回りのモーメントが第一フック部22に作用する。そのため、ラッチ20が反時計回りに回転しないようにすることができる。
上記実施形態ではラッチ装置1が座部91に取り付けられ、ストライカー2が車両フロア99に取り付けられていたが、逆に、ラッチ装置1が車両フロア99に取り付けられ、ストライカー2が座部91に取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態では本発明に係るラッチ装置を自動車の座席に用いた場合について説明したが、その他の乗物(例えば、航空機、船舶、鉄道の車両等)の座席に用いてもよい。更に、座席以外のもの、例えば、ドア、ボンネット、トランク、グローブボックス等のように動く物をラッチするために、本発明に係るラッチ装置を用いてもよい。
2 ストライカー
10 ベースプレート(ベース部材)
12 切欠溝
20 ラッチ
21 ラッチ軸
22 第一フック部
23 第二フック部
24 係合溝
25 進入段部
26 係合フック部(被当接部)
30 ラチェット
31 ラチェット軸
32 当接部
34 アンロック面(一方の外周面)
35 ロック面(他方の外周面)
70 バネ(付勢部材)
90 車両用シート装置(シート装置)
91 座部
99 車両フロア(フロア)
Claims (7)
- 所定位置に設けられたストライカーを進入させる切欠溝を有するベース部材と、
前記ベース部材に回転可能に連結され、前記切欠溝に進入した前記ストライカーと係合してロックする係合溝を有するラッチと、
前記ベース部材に回転可能に連結され、前記ラッチに当接することで前記ラッチの回転を規制するラチェットと、
前記ラチェットを前記ラッチに当接する方向に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記切欠溝は、下側の間口において最も広く、前記下側の間口から上側の突き当たりに向かって漸次狭くなり、かつ、前記ラッチのうち前記ストライカーに当接して係合する第一フックにおける前後方向先端部よりも、前記ラッチが開き切った状態において広くなるように傾斜して形成され、前記下側の間口から前記上側の突き当たりに向かって延びる前辺と後辺とを有し、
前記切欠溝における前記前辺と前記後辺は、前記前辺の下端と前記後辺の下端とを前記切欠溝の溝幅方向に沿って接続する仮想直線を基準線とすると、前記基準線に対してそれぞれ一定の角度で前記基準線から前記上側の突き当たりに向かって延びており、
前記ベース部材の下端部には、前記切欠溝が一体に形成され、かつ、前記ラッチがアンロック状態で開き切った状態の時に前記ラッチの下端部が前記ベース部材の下端部よりも下方に突出可能となるように開放された部位があることを特徴とするラッチ装置。 - 前記ストライカーの上面は、横から見て凸面の弧状に形成されていて、
前記ベース部材に形成された前記切欠溝における前記突き当たりは、横から見て凹面の弧状に形成されており、
前記ストライカーの上面の曲率と前記突き当たりの曲率がほぼ等しくなっており、前記ストライカーが前記切欠溝に進入して前記突き当たりに当接した場合に、前記ストライカーの上面と前記突き当たりとが面接触することを特徴とする請求項1に記載のラッチ装置。 - 前記切欠溝の前記前辺と前記後辺とが前記基準線に対してそれぞれ一定の角度で傾斜している間口は、前記ラッチが前記ストライカーに係合する回転方向の側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチ装置。
- 前記ラッチは、前記係合溝を構成する前記第一フック部と第二フック部を備えており、
前記ストライカーが前記係合溝に係合された前記ラッチがロックされた状態では、前記第二フック部は前記ストライカーと当接した状態となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のラッチ装置。 - 前記ラッチが開き切った状態で、前記第一フック部の突端から前記切欠溝の前辺までの距離は、前記ストライカーの直径の3分の1の長さよりも短いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラッチ装置。
- 請求項1〜5のいずれかのラッチ装置と、前記ストライカーと、座部と、を備え、
前記ラッチ装置と前記ストライカーのうちの一方が前記座部に取り付けられ、他方がフロアに取り付けられていることを特徴とするシート装置。 - 前記座部の後部がリクライニング機構によってバックレストの下端部に連結され、ヘッドレストが前記バックレストの上端部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のシート装置。
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JP2019073268A Active JP6974748B2 (ja) | 2016-11-02 | 2019-04-08 | ラッチ装置及びシート装置 |
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