JP6973159B2 - 溶接補修方法及び容器 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接補修方法及び容器に関する。
下記の特許文献1には、タンクの胴体となる筒状の部品の上と下とに、鏡板と呼ばれる椀状の部品を全周にわたり溶接する技術が開示されている。
特開2007−009290号公報
金属の板同士を溶接する際の磁気吹き、異物等の影響により、溶接部に穴が開く場合がある。この溶接欠陥を修整するために補修溶接が行われる。補修溶接をした部分は、他の部分に比べて肉厚が厚くなる。その結果、補修溶接部またはその近傍の形状の変化により、応力集中が発生しやすいという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、補修溶接ビード部またはその近傍の応力集中を緩和することのできる溶接補修方法及び容器を提供することを目的とする。
本発明の溶接補修方法は、第一シートメタルのエッジを第二シートメタルのエッジに対して溶接することにより溶接継手を形成する第一ステップと、第一シートメタルと第二シートメタルとの間の溶接継手の欠陥を補修する溶接を行うことにより補修溶接ビード部を形成する第二ステップと、補修溶接ビード部に少なくとも一つの別部品が隣り合うように、第一シートメタルの表面と第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して少なくとも一つの別部品を溶接する第三ステップとを備え、第三ステップでは、少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生しないように溶接する溶接補修方法であって、第二ステップでは、溶加材を用いて補修溶接ビード部を形成し、補修溶接ビード部の幅は、溶接継手のビード部の幅よりも大きいものである。
また、本発明の溶接補修方法は、第一シートメタルのエッジを第二シートメタルのエッジに対して溶接することにより溶接継手を形成する第一ステップと、第一シートメタルと第二シートメタルとの間の溶接継手の欠陥を補修する溶接を行うことにより補修溶接ビード部を形成する第二ステップと、補修溶接ビード部に少なくとも一つの別部品が隣り合うように、第一シートメタルの表面と第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して少なくとも一つの別部品を溶接する第三ステップとを備え、第三ステップでは、少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生しないように溶接する溶接補修方法であって、第一シートメタル及び第二シートメタルのうち、板厚が薄い方のシートメタルに少なくとも一つの別部品を溶接し、板厚が厚い方のシートメタルには少なくとも一つの別部品を溶接しないものである。
本発明の容器は、第一シートメタルにより形成された第一部分と、第二シートメタルにより形成された第二部分と、第一シートメタルのエッジが第二シートメタルのエッジに対して溶接された溶接継手と、溶接継手の一部を含む領域に、溶加材を用いて形成された補修溶接ビード部と、第一シートメタルの表面と第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して溶接され、補修溶接ビード部に隣り合う少なくとも一つの別部品とを備え、少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生していない容器であって、補修溶接ビード部の幅は、溶接継手のビード部の幅よりも大きいものである。
また、本発明の容器は、第一シートメタルにより形成された第一部分と、第二シートメタルにより形成された第二部分と、第一シートメタルのエッジが第二シートメタルのエッジに対して溶接された溶接継手と、溶接継手の一部を含む領域に形成された補修溶接ビード部と、第一シートメタルの表面と第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して溶接され、補修溶接ビード部に隣り合う少なくとも一つの別部品とを備え、少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生していない容器であって、第一シートメタル及び第二シートメタルのうち、板厚が薄い方のシートメタルに少なくとも一つの別部品が溶接され、板厚が厚い方のシートメタルには少なくとも一つの別部品が溶接されていないものである。
本発明によれば、補修溶接ビード部またはその近傍の応力集中を緩和することが可能となる。
実施の形態1による第一シートメタル、第二シートメタル、及びそれらの間の溶接継手を示す図である。 溶接継手の溶接欠損の他の例を示す図である。 図1に示す溶接継手の穴を補修した補修溶接ビード部を示す図である。 図3中のA−A線での断面図である。 図3に示す補修溶接ビード部の近くに別部品を溶接した状態を示す図である。 図5中のB−B線の位置で切断した断面図である。 実施の形態1による溶接補修方法を用いて製造された容器の側面図である。 実施の形態2の溶接補修方法による第一シートメタル及び別部品の断面図である。 実施の形態3の溶接補修方法による補修溶接ビード部及び別部品を示す図である。 図9中の別部品及び第一シートメタルの断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による第一シートメタル1、第二シートメタル2、及びそれらの間の溶接継手3を示す図である。図1は、第一シートメタル1及び第二シートメタル2の表面に垂直な方向から見た図である。第一シートメタル1のエッジを、第二シートメタル2のエッジに対して溶接することにより、溶接継手3が形成される。溶接継手3は、溶融した金属が凝固した部分であるビードと、溶融していないが溶接熱により変性した熱影響部とを含む。
溶接継手3は、例えば、アーク溶接により形成される。溶接継手3は、例えば、タングステン・イナート・ガス溶接(以下、「TIG溶接」と称する。)により形成されてもよい。TIG溶接は、タングステン電極と、アルゴンガスのような不活性ガスとを用いたアーク溶接である。溶接継手3は、例えば、メタル・アクティブ・ガス溶接(以下、「MAG溶接」と称する。)により形成されてもよい。MAG溶接は、溶加材となる消耗電極と、炭酸ガスのような活性ガスとを用いたアーク溶接である。溶接継手3は、例えば、メタル・イナート・ガス溶接(以下、「MIG溶接」と称する。)により形成されてもよい。MIG溶接は、溶加材となる消耗電極と、アルゴンガスのような不活性ガスとを用いたアーク溶接である。
第一シートメタル1及び第二シートメタル2は、例えば、フェライト系ステンレス鋼で作られたものでもよい。第一シートメタル1及び第二シートメタル2は、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼で作られたものでもよい。第一シートメタル1及び第二シートメタル2は、例えば、軟鋼で作られたものでもよい。第一シートメタル1の材料が、第二シートメタル2の材料と異なっていてもよい。
第一シートメタル1の板厚T1は、例えば0.5mm〜1.5mmである。第二シートメタル2の板厚T2は、例えば0.5mm〜1.5mmである。第一シートメタル1の板厚T1は、第二シートメタル2の板厚T2に等しくてもよい。第一シートメタル1の板厚T1は、第二シートメタル2の板厚T2に等しくなくてもよい。
本実施の形態では、溶接継手3の近くにおいて、第一シートメタル1は、第二シートメタル2と実質的に同じ面内にある。溶接継手3が形成される前の第一シートメタル1と第二シートメタル2との間の継手は、例えば、突合せ継手、重ね継手、せぎり継手のうちのいずれかでもよい。
溶接継手3に、溶接欠損のような欠陥が発生することがある。溶接欠損のような欠陥が発生する原因は、例えば、溶接前の第一シートメタル1及び第二シートメタル2の端面にある疵または異物、あるいは溶接時の磁気吹き(アークブロー)等の外乱などである。図1に示す例では、溶接継手3における溶接欠損部として穴4が発生している。図2は、溶接継手3の溶接欠損の他の例を示す図である。図2に示す例では、溶接継手3における溶接欠損部として、第一シートメタル1と第二シートメタル2とが接合していない未溶接部5が発生している。
溶接継手3の溶接欠損部を含む領域に対して、溶加材を用いた補修溶接を行うことにより、補修溶接ビード部6が形成される。溶加材は、棒状の溶接棒でもよい。溶加材は、ワイヤ状の溶接ワイヤでもよい。図3は、図1に示す溶接継手3の穴4を補修した補修溶接ビード部6を示す図である。補修溶接ビード部6は、補修溶接において溶融した金属が凝固した部分である。補修溶接ビード部6の長さL1は、溶接継手3の長手方向に沿う方向の補修溶接ビード部6の長さである。補修溶接ビード部6の長さL1は、補修された溶接欠損部の長さよりも長い。
補修溶接は、手作業によって行われる。溶接継手3の溶接欠損部は、上述したような偶然に左右される原因によって発生するため、その大きさ及び形状が個々に異なる。このため、補修溶接ビード部6の長さL1も、個々に異なる。
補修溶接ビード部6は、例えば、アーク溶接により形成される。補修溶接ビード部6は、例えば、溶加材を用いたTIG溶接、MAG溶接、MIG溶接のうちのいずれかの溶接法により形成されてもよい。補修溶接ビード部6を形成するための溶加材の材料は、母材である第一シートメタル1及び第二シートメタル2との相性に応じて選ばれることが多い。例えば、当該溶加材の材料は、第一シートメタル1及び第二シートメタル2に対して共金系の材料でもよい。
図3に示すように、本実施の形態において、補修溶接ビード部6の幅W2は、溶接継手3のビード部の幅W1よりも大きい。溶接継手3のビード部の幅W1は、溶接継手3の正常部分のビード部と第一シートメタル1の表面とが交わる点と、溶接継手3の正常部分のビード部と第二シートメタル2の表面とが交わる点との距離である。補修溶接ビード部6の幅W2は、補修溶接ビード部6と第一シートメタル1の表面とが交わる点と、補修溶接ビード部6と第二シートメタル2の表面とが交わる点との距離である。補修溶接ビード部6の幅W2は、補修溶接ビード部6の長手方向に対して垂直な方向の幅である。補修溶接ビード部6の長手方向に沿って補修溶接ビード部6の幅が変化する場合には、その最大幅を補修溶接ビード部6の幅W2とする。
図4は、図3中のA−A線での断面図である。図4は、溶接継手3の長手方向に対して垂直な平面で切断した断面図である。補修溶接ビード部6またはその近傍に、応力集中が発生しやすい箇所が生じることがある。図4に示す例では、応力集中部8が、応力集中が発生しやすい箇所に相当する。補修溶接ビード部6は、溶融金属が垂れ下がることで形成された垂れ下がり部7を含むことがある。図4に示す例では、垂れ下がり部7と、第一シートメタル1の表面または第二シートメタル2の表面とが交わる点が、応力集中部8に相当する。
第一シートメタル1及び第二シートメタル2を、図3中の上下方向、すなわち図4中の左右方向に、引き離すような引張り荷重がかかったとき、応力集中部8にて応力集中が発生する。
図5は、図3に示す補修溶接ビード部6の近くに、別部品9a,9b,9c,9d,9e,9fを溶接した状態を示す図である。図6は、溶接継手3、別部品9a,9b,9c,9d,9e,9fを含む領域の断面図である。図6は、図5中のB−B線の位置で切断した断面図である。すなわち、図6は、溶接継手3の長手方向に対して垂直な平面で切断した断面図である。以下の説明では、別部品9a,9b,9c,9d,9e,9fを特に区別しないときにはこれらを「別部品9」と呼ぶ。
本実施の形態では、補修溶接ビード部6に少なくとも一つの別部品9が隣り合うように、第一シートメタル1の表面と第二シートメタル2の表面との少なくとも一方の表面に対して別部品9を溶接する。本実施の形態における別部品9は、スタッドピンである。この別部品9は、アークスタッド溶接によって取り付けられる。
図6に示すように、別部品9を溶接したときの溶接ビード10は、別部品9が溶接された面の反対側の面である裏面11には発生していない。すなわち、溶接ビード10は、裏面11の表面には達していない。
補修溶接ビード部6が形成されると、補修溶接ビード部6の凝固に伴う収縮により、補修溶接ビード部6の近傍で応力が最大となるような応力分布が発生する。その後、別部品9が溶接されると、その際の入熱により、上記の応力分布が少なくとも部分的にキャンセルされる。すなわち、補修溶接ビード部6の形成によって発生した応力分布に代わって、別部品9の溶接によって発生した応力分布が支配的となる。これにより、補修溶接ビード部6及びその近傍の応力集中を確実に緩和することが可能となる。
別部品9を設けないと仮定すると、繰り返し荷重による繰り返し応力が応力集中部8に作用することで、応力集中部8が破壊に至る可能性がある。対照的に、本実施の形態であれば、別部品9によって補強がなされるとともに、別部品9の溶接部にも応力が分散する。このため、応力集中部8への応力集中が緩和すなわち軽減される。その結果、応力集中部8が破壊に至ることを防ぐことができる。
また、本実施の形態であれば、裏面11に溶接ビード10が発生していないので、溶接ビード10が新たな応力集中部になることを確実に防止できる。
アークスタッド溶接は、溶接時間が短いため、母材に与える影響が少ない。本実施の形態であれば、アークスタッド溶接により別部品9を取り付けることで、裏面11に溶接ビード10が発生することをより確実に防止できる。
なお、本発明では、別部品9として、スタッドピン以外の部品を用いてもよい。また、別部品9を溶接する方法は、例えば、抵抗溶接、TIGスポット溶接、レーザー溶接などでもよい。
図5に示すように、別部品9a,9b,9cは、第一シートメタル1に溶接されている。別部品9cは、補修溶接ビード部6の長手方向の第一端よりも第二端に近い位置にある。別部品9aは、補修溶接ビード部6の長手方向の第二端よりも第一端に近い位置にある。別部品9bは、補修溶接ビード部6の長手方向の第一端及び第二端からほぼ等距離の位置にある。別部品9a,9b,9cは、補修溶接ビード部6に接することなく、補修溶接ビード部6に隣り合う。補修溶接ビード部6と、別部品9a,9b,9cとの間は、第一シートメタル1の溶融していない表面によって隔てられている。
別部品9d,9e,9fは、第二シートメタル2に溶接されている。別部品9fは、補修溶接ビード部6の長手方向の第一端よりも第二端に近い位置にある。別部品9dは、補修溶接ビード部6の長手方向の第二端よりも第一端に近い位置にある。別部品9eは、補修溶接ビード部6の長手方向の第一端及び第二端からほぼ等距離の位置にある。別部品9d,9e,9fは、補修溶接ビード部6に接することなく、補修溶接ビード部6に隣り合う。補修溶接ビード部6と、別部品9d,9e,9fとの間は、第二シートメタル2の溶融していない表面によって隔てられている。
補修溶接ビード部6の応力集中は、その長手方向の端部ほど、より顕著に現れる。本実施の形態であれば、補修溶接ビード部6の長手方向の端部に近い位置に別部品9a,9c,9d,9fを配置したことで、補修溶接ビード部6の端部の応力集中をより確実に緩和できる。
本実施の形態では、第一シートメタル1及び第二シートメタル2の双方に別部品9を溶接したことにより、補修溶接ビード部6及びその近傍の応力集中をより確実に緩和することが可能となる。
本発明では、第一シートメタル1及び第二シートメタル2のいずれか一方にのみ別部品9を溶接してもよい。その場合であっても、上述した効果を得ることが可能である。
第一シートメタル1及び第二シートメタル2のいずれか一方にのみ別部品9を溶接する場合において、第一シートメタル1の板厚T1が第二シートメタル2の板厚T2に等しくない場合には、板厚が薄い方のシートメタルにのみ別部品9を溶接することが望ましい。例えば、第一シートメタル1の板厚T1が第二シートメタル2の板厚T2より厚い場合には、より応力集中しやすい、薄い方の第二シートメタル2にのみ別部品9を溶接することで、応力集中をより確実に緩和することが可能となる。
本発明では、裏面11に溶接ビード10が発生しないように、第一シートメタル1及び第二シートメタル2のうち別部品9が溶接されるシートメタルの厚さを選定することが望ましい。板厚が厚いほど、裏面11に溶接ビード10が発生しにくい。十分に厚い板厚を選定することで、裏面11に溶接ビード10が発生することをより確実に防止できる。
別部品9を溶接する際には、裏面11に溶接ビード10が発生しないように、溶接機の出力を調整することが望ましい。溶接機の出力が低いほど、裏面11に溶接ビード10が発生しにくい。溶接機の出力を調整することで、裏面11に溶接ビード10が発生することをより確実に防止できる。
別部品9の引張強さは、第一シートメタル1及び第二シートメタル2のうち当該別部品9が溶接されるシートメタルの引張強さよりも高くてもよい。そのような別部品9を用いることで、別部品9による補強効果がさらに向上し、応力集中をより確実に緩和することが可能となる。
別部品9は、第一シートメタル1及び第二シートメタル2のうち当該別部品9が溶接されるシートメタルと共金系の材料で作られていることが望ましい。そのような別部品9を用いることで、腐食等の発生をより確実に防止できる。
図6において、補修溶接ビード部6と別部品9bとの距離D1は、補修溶接ビード部6と第一シートメタル1の表面とが交わる点と、別部品9bと第一シートメタル1の表面とが交わる点との間の距離である。補修溶接ビード部6と別部品9eとの距離D2は、補修溶接ビード部6と第二シートメタル2の表面とが交わる点と、別部品9eと第二シートメタル2の表面とが交わる点との間の距離である。上記距離D1を第一シートメタル1の板厚T1で割ったD1/T1の値は、2以上が好ましく、5以上がさらに好ましい。このD1/T1の値は、30以下が好ましく、10以下がさらに好ましい。上記距離D2と第二シートメタル2の板厚T2との関係も上記と同様である。また、他の別部品9と補修溶接ビード部6との距離の関係も上記と同様である。
図7は、実施の形態1による溶接補修方法を用いて製造された容器30の側面図である。本実施の形態の容器30は、例えば、貯湯式給湯機が備える金属製貯湯タンクとして用いることができる。
第一シートメタル1は、容器30の第一部分を形成している。第一シートメタル1は、容器30の椀形状の鏡板を形成している。第一シートメタル1は、例えば、プレス加工またはスピニング加工により、椀形状に成形されている。第二シートメタル2は、容器30の第二部分を形成している。第二シートメタル2は、容器30の円筒形状の胴体を形成している。第二シートメタル2は、例えば、1枚の長方形のシートメタルを筒状に丸めた状態で、対向する一対のエッジを溶接することで、円筒形状に成形されている。
第二シートメタル2により形成された円筒形状の胴体の開口部エッジに、第一シートメタル1により形成された椀形状の鏡板のエッジが全周にわたり溶接されることで、容器30が形成されている。すなわち、容器30の周方向に沿って全周に溶接継手3が形成されている。第二シートメタル2からなる胴体の両端のそれぞれに、第一シートメタル1からなる鏡板が溶接されている。第一シートメタル1からなる鏡板と、第二シートメタル2からなる胴体との間の溶接継手3の欠陥に対して、実施の形態1による溶接補修方法が適用されている。
すなわち、本実施の形態の容器30は、第一シートメタル1により形成された第一部分である鏡板と、第二シートメタル2により形成された第二部分である胴体と、第一シートメタル1のエッジが第二シートメタル2のエッジに対して溶接された溶接継手3と、溶接継手3の一部を含む領域に形成された補修溶接ビード部6と、第一シートメタル1の表面に対して設置された別部品9a,9b,9cと、第二シートメタル2の表面に対して設置された別部品9d,9e,9fとを備える。別部品9a,9b,9c,9d,9e,9fと、補修溶接ビード部6との関係は、前述したとおりである。容器30は、第一シートメタル1及び第二シートメタル2のいずれか一方のみに別部品9を備えるものでもよい。図7に示す例では、図中で下の鏡板と胴体との間の溶接継手3に対しては、実施の形態1による溶接補修方法が適用されていないが、当該溶接継手3に対しても、実施の形態1による溶接補修方法が適用されてもよい。
本実施の形態の容器30であれば、以下の効果が得られる。溶接継手3の欠陥を補修溶接ビード部6により補修することで、容器30の液密性を確実に達成できる。使用中の容器30に内圧が作用することで、補修溶接ビード部6及びその近傍を含む領域に応力が発生する。別部品9を設けることで、補修溶接ビード部6の近傍の応力集中部8への応力集中が緩和すなわち軽減される。その結果、応力集中部8が破壊に至ることを防ぐことができる。
本実施の形態の容器30の寸法は、例えば、その直径DIAが200mm〜700mm、軸方向の全長LOAが1m〜2mでもよい。容器30を形成する第一シートメタル1及び第二シートメタル2の厚さは、例えば、1mm程度でもよい。容器30は、貯湯タンクとして用いられるものに限らず、水以外の流体を貯留する容器としても使用可能である。また、本発明は、流体を貯留する容器以外の容器に対しても適用可能である。
容器30の内部が加圧された状態で、別部品9を溶接してもよい。容器30の内部を加圧した状態で別部品9を溶接することで、補修溶接ビード部6の近くの残留応力を除去する効果が得られる。その場合、補修溶接ビード部6の近くに発生する応力が、容器30の材料の降伏点、すなわち第一シートメタル1及び第二シートメタル2の降伏点を超える応力となるように、内圧を加えてもよい。補修溶接ビード部6には、熱による応力が残留し、この残留応力により、容器30の疲労強度が低下する可能性がある。上記のように内圧を加えた状態で別部品9を溶接すると、補修溶接ビード部6による応力集中部が部分的に塑性変形して残留応力が低減する。このため、容器30の疲労強度の低下をより確実に抑制することが可能となる。
本実施の形態では、別部品9は、容器30の外側に溶接されている。このため、容器30の内側に別部品9を溶接する場合に比べて、溶接を容易に行うことができる。
上記の例に代えて、容器30の胴体が第一シートメタル1により形成され、容器30の鏡板が第二シートメタル2により形成されていてもよい。
実施の形態2.
次に、図8を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。
図8は、実施の形態2の溶接補修方法による第一シートメタル1及び別部品9gの断面図である。本実施の形態では、実施の形態1の別部品9に代えて、別部品9gが溶接されている。別部品9gの形状は、例えば、円柱状、円盤状、直方体状のうちのいずれかでもよい。別部品9gは、TIGスポット溶接により第一シートメタル1に溶接されている。この溶接による溶接ビード12は、裏面11には発生していない。別部品9gを第二シートメタル2に溶接してもよい。本実施の形態によれば、実施の形態1と類似の効果が得られる。
実施の形態3.
次に、図9及び図10を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。
図9は、実施の形態3の溶接補修方法による補修溶接ビード部6及び別部品9h,9i,9j,9kを示す図である。図10は、図9中の別部品9h及び第一シートメタル1の断面図である。図9に示すように、本実施の形態では、実施の形態1の別部品9に代えて、別部品9h,9i,9j,9kが溶接されている。別部品9h,9i,9j,9kの各々の形状は、直方体状である。別部品9h,9i,9j,9kの各々は、図示の例に代えて、例えば、円柱状、円盤状などの形状のものでもよい。
別部品9h,9iは、第一シートメタル1に溶接されている。別部品9iは、補修溶接ビード部6の長手方向の第一端よりも第二端に近い位置にある。別部品9hは、補修溶接ビード部6の長手方向の第二端よりも第一端に近い位置にある。別部品9j,9kは、第二シートメタル2に溶接されている。別部品9kは、補修溶接ビード部6の長手方向の第一端よりも第二端に近い位置にある。別部品9jは、補修溶接ビード部6の長手方向の第二端よりも第一端に近い位置にある。図示の例に代えて、第一シートメタル1及び第二シートメタル2のいずれか一方にのみ別部品9を溶接してもよい。
図10に示すように、別部品9hは、別部品9hの周囲に形成された溶接ビード13により第一シートメタル1に接合されている。この溶接ビード13は、裏面11には発生していない。溶接ビード13は、例えば、レーザー溶接により形成される。レーザー溶接は、低出力で溶接が可能であるので、裏面11に溶接ビード13が発生することをより確実に防止できる。他の別部品9i,9j,9kも別部品9hと同様に溶接されている。本実施の形態によれば、実施の形態1と類似の効果が得られる。
1 第一シートメタル、 2 第二シートメタル、 3 溶接継手、 4 穴、 5 未溶接部、 6 補修溶接ビード部、 7 垂れ下がり部、 8 応力集中部、 9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h,9i,9j,9k 別部品、 10 溶接ビード、 11 裏面、 12,13 溶接ビード、 30 容器

Claims (12)

  1. 第一シートメタルのエッジを第二シートメタルのエッジに対して溶接することにより溶接継手を形成する第一ステップと、
    前記第一シートメタルと前記第二シートメタルとの間の前記溶接継手の欠陥を補修する溶接を行うことにより補修溶接ビード部を形成する第二ステップと、
    前記補修溶接ビード部に少なくとも一つの別部品が隣り合うように、前記第一シートメタルの表面と前記第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して前記少なくとも一つの別部品を溶接する第三ステップとを備え、
    前記第三ステップでは、前記少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生しないように溶接する溶接補修方法であって、
    前記第二ステップでは、溶加材を用いて前記補修溶接ビード部を形成し、
    前記補修溶接ビード部の幅は、前記溶接継手のビード部の幅よりも大きい溶接補修方法。
  2. 第一シートメタルのエッジを第二シートメタルのエッジに対して溶接することにより溶接継手を形成する第一ステップと、
    前記第一シートメタルと前記第二シートメタルとの間の前記溶接継手の欠陥を補修する溶接を行うことにより補修溶接ビード部を形成する第二ステップと、
    前記補修溶接ビード部に少なくとも一つの別部品が隣り合うように、前記第一シートメタルの表面と前記第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して前記少なくとも一つの別部品を溶接する第三ステップとを備え、
    前記第三ステップでは、前記少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生しないように溶接する溶接補修方法であって、
    前記第一シートメタル及び前記第二シートメタルのうち、板厚が薄い方のシートメタルに前記少なくとも一つの別部品を溶接し、板厚が厚い方のシートメタルには前記少なくとも一つの別部品を溶接しない溶接補修方法。
  3. 前記少なくとも一つの別部品を前記第一シートメタル及び前記第二シートメタルの双方に溶接する請求項1に記載の溶接補修方法。
  4. 前記少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生しないように、前記第一シートメタル及び前記第二シートメタルのうち当該別部品が溶接されるシートメタルの厚さを選定するステップを備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶接補修方法。
  5. 前記第三ステップでは、前記少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生しないように、溶接機の出力を調整する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の溶接補修方法。
  6. 前記少なくとも一つの別部品の引張強さは、前記第一シートメタル及び前記第二シートメタルのうち当該別部品が溶接されるシートメタルの引張強さよりも高い請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の溶接補修方法。
  7. 前記少なくとも一つの別部品は、前記第一シートメタル及び前記第二シートメタルのうち当該別部品が溶接されるシートメタルと共金系の材料で作られている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の溶接補修方法。
  8. 前記第一シートメタルは、容器の第一部分を形成しており、
    前記第二シートメタルは、前記容器の第二部分を形成している請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の溶接補修方法。
  9. 前記容器の内部が加圧された状態で前記少なくとも一つの別部品を溶接する請求項8に記載の溶接補修方法。
  10. 第一シートメタルにより形成された第一部分と、
    第二シートメタルにより形成された第二部分と、
    前記第一シートメタルのエッジが前記第二シートメタルのエッジに対して溶接された溶接継手と、
    前記溶接継手の一部を含む領域に、溶加材を用いて形成された補修溶接ビード部と、
    前記第一シートメタルの表面と前記第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して溶接され、前記補修溶接ビード部に隣り合う少なくとも一つの別部品とを備え、
    前記少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生していない容器であって、
    前記補修溶接ビード部の幅は、前記溶接継手のビード部の幅よりも大きい容器。
  11. 第一シートメタルにより形成された第一部分と、
    第二シートメタルにより形成された第二部分と、
    前記第一シートメタルのエッジが前記第二シートメタルのエッジに対して溶接された溶接継手と、
    前記溶接継手の一部を含む領域に形成された補修溶接ビード部と、
    前記第一シートメタルの表面と前記第二シートメタルの表面との少なくとも一方の表面に対して溶接され、前記補修溶接ビード部に隣り合う少なくとも一つの別部品とを備え、
    前記少なくとも一つの別部品が溶接された面の反対側の面に溶接ビードが発生していない容器であって、
    前記第一シートメタル及び前記第二シートメタルのうち、板厚が薄い方のシートメタルに前記少なくとも一つの別部品が溶接され、板厚が厚い方のシートメタルには前記少なくとも一つの別部品が溶接されていない容器。
  12. 前記少なくとも一つの別部品は、前記容器の外側にある請求項10または請求項11に記載の容器。
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