JP6973089B2 - 集中電圧制御装置、集中電圧制御方法、集中電圧制御システム - Google Patents
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Description
特許文献3は、優先して収集すべき端末を自動で選択して収集することで、監視情報を収集時間制約内に収集している。
本発明が解決すべき課題は、集中制御を司る集中電圧制御装置から、電圧調整機器へ電圧制御の指令値を配信する上での通信量を削減可能な、配電系統の集中電圧制御システムを提供する。
前記優先度決定部で決定された優先順位の高いものから前記配電系統上の通信量の上限値内で電圧調整器を選択する指令値送信対象選択部と、 前記指令値送信対象選択部で選択された電圧調整機器へ前記制御指令値演算部で演算した制御指令を送信する送信部と を備えることを特徴とする。
本発明の集中電圧制御システム1の構成を図1に示す。集中電圧制御システム1は、配電系統に配置される電圧調整機器4およびセンサ3と、電圧調整機器4およびセンサ3からの計測値を収集し電圧調整機器4に電圧制御の指令値を送信する集中電圧制御装置2、それらを通信可能に接続する通信ネットワーク5から構成される。その他、配電系統には需要家や太陽光発電設備などの各種発電設備も接続している。
集中電圧制御装置2は、電圧調整機器4およびセンサ3からの計測値を収集し、定周期で電圧制御指令値(以下指令値)を演算し、通信環境における通信量の上限値を考慮した上で電圧調整機器4に指令値を送信する。図1に示す通り、集中電圧制御装置2が制御する配電系統は上位系統から下位系統の間である。
センサ3は、配電系統に配置され、定周期で電圧や電流などの値を計測して集中電圧制御装置2へ送信する。図1における配電系統においては、センサa、b、cが上位系統から下位系統の間に配置されている。
通信ネットワーク5は、配電系統上のセンサ3および電圧調整機器4と集中電圧制御装置2を互いに通信可能に接続する。
次に、図2を用いて集中電圧制御装置2の構成を説明する。集中電圧制御装置2は、通信部21、記憶部22、演算処理部23から構成される。
通信部21は、計測値取得手段211と送信手段212から構成される。
記憶部22は、記憶部22は、計測値領域221、系統情報領域222、制御可能台数領域223、前回指令値領域224が含まれる。
演算処理部23は、指令値演算手段231、優先度決定手段232、指令値送信対象選択手段233から構成される。
計測値取得手段211は、通信ネットワーク5を介して、電圧調整機器4やセンサ3から計測値を受信し、当該計測値を計測値領域221に記憶させる。通信部21の送信手段212は、演算処理部23で演算した指令値を電圧調整機器4へ送信する。なお、演算処理部での指令値の演算については後に詳細に説明する。
計測値領域221は、上記計測値取得手段211で説明したので説明を省略する。系統情報領域222は、配電系統の構成情報、インピーダンス情報および電圧管理に必要な電圧管理幅である上下限値等を系統情報として予め記憶している。
制御可能台数領域223は、通信ネットワーク5にて許容される通信量を考慮して予め設定された制御可能台数を記憶している。ここで制御可能台数は、下記の数式1を満たす整数nの値である。
c:指令値送信に割り当てられた通信帯域幅 [bps]
t:制御対象である全電圧調整機器への指令値配信にかけてよい時間 [s]
d:制御対象である電圧調整機器への指令値のうち最大となるデータ量 [bit]
前回指令値領域224は、前述した通り電圧調整機器4に対して送信した指令値を前回指令値として記憶している。
指令値演算手段231は、計測値領域221に記憶されている電圧調整機器4やセンサ3の計測値をもとに各電圧調整機器4への指令値を演算し、最新指令値を得る。ここで、集中電圧制御の指令値演算方法については、既に公知であるが簡単に説明する。集中電圧制御装置は、配電系統が最適な電圧分布となるように、各電圧調整機器へ与える目標値(指令値)を計算する。最適な目標値(指令値)の算出については、特許5538639号にも記載があるように、例えば電力損失が最小となるような配電系統の電圧分布および無効電力分布を求める組合せ最適化問題を作成し、最適化手法でその問題を解くことにより、最適な目標値(指令値)を計算できる。なお、指令値は電圧調整機器に与える目標値のみでなく、その他、特開2015-84645に記載のように電圧調整機器に与える上下限値を指令値する集中電圧制御方式に本発明を適用しても良い。なお、各電圧調整機器は指令された目標値となるように機器自身でローカル制御を行うこととなる。
指令値送信対象選択手段233は、制御可能台数領域223に記憶した制御可能台数に基づいて指令値送信対象を決定する。指令値送信対象選択手段233は、優先度決定手段232で決定した電圧調整機器の優先順位が高いものから順に、制御可能台数分を指令値送信対象として選択し決定する。さらに指令値送信対象選択手段233は、決定した指令値送信対象への最新指令値を前回指令値として前回指令値領域224に記憶させる。
送信手段212は、指令値演算手段231で演算した最新指令値を、指令値送信対象選択手段233で選択した電圧調整機器に送信する。
通信部422は指令値取得手段4221と計測値送信手段4222から構成される。
記憶部423は、指令値領域4231、計測値領域4232を含む。
以下、詳細に各手段や領域について説明する。
指令値取得手段4221は、通信ネットワーク5を介して、集中電圧制御装置2から指令値を受信し、当該指令値を指令値領域4231に記憶させる。また、計測値送信手段4222は、計測値領域4232に記憶されている計測値を集中電圧制御装置2へ送信する。
なお、集中電圧制御装置2から受信し指令値領域4231に記憶された指令値が上下限値の場合には、集中電圧制御装置から指令値を受信する周期よりも短い制御周期でタップ切換えを行い、自端の電圧が指令値である上下限値内に収めるタップの切換え指令を可変変圧器41に送信する。
次に、静止型無効電力補償装置である電圧調整機器4bは、計測部43、記憶部44、通信部45、電圧制御部46から構成される。
通信部45は指令値取得手段451と計測値送信手段452から構成される。
記憶部44は、指令値領域441、計測値領域442を含む。
以下、詳細に各手段や領域について説明する。
指令値取得手段451は、通信ネットワーク5を介して、集中電圧制御装置2から指令値を受信し、当該指令値を指令値領域441に記憶させる。また、計測値送信手段452は、計測値領域442に記憶されている計測値を集中電圧制御装置2へ送信する。
電圧制御部46は、指令値領域441に記憶されている指令値を電圧目標値として、自端の電圧を当該電圧目標値に近づける無効電力Qを演算し、図示しないインバータなどの電圧変換装置を制御して無効電力Qを配電線6へ出力する。
次に図5を用いて、集中電圧制御装置2の制御の流れを説明する。
ステップS1において、計測値取得手段211は電圧調整機器4やセンサ3の計測値を取得し、当該計測値を計測値領域221に記憶させる。
ステップS2において、指令値演算手段231は、計測値領域221に記憶した計測値をもとに各電圧調整機器4への指令値を演算し、最新指令値を得る。
ステップS3において、優先度決定手段232の差分計算手段2321は、各電圧調整機器4に対して、前記最新指令値と、前回指令値領域224に記憶してある前回指令値との差分を演算する。
ステップS5において、指令値送信対象選択手段233は、優先度決定手段232から受け取った優先度の高い順に制御可能台数nまで指令値送信対象とする電圧調整機器を決定する。さらに、指令値送信対象選択手段233は、決定した指令値送信対象への最新指令値を前回指令値として前回指令値領域224に記憶させる。
ステップS6において、通信部21の送信手段212は、通信ネットワーク5を介して、指令値送信対象選択手段233により決定された指令値送信対象の電圧調整機器へ最新指令値を送信する。
上記の実施形態1における本発明によると、電圧調整機器へ電圧制御の指令値を配信する上での通信量を削減可能することができる。
本実施形態が実施形態1と異なる点は、指令値送信対象となる電圧調整機器の優先度を付与する上で用いる情報が、前回指令値と最新指令値との差分ではなく、電圧範囲逸脱を回避する上での感度情報を用いる点である。
図6を用いて実施形態2における集中電圧制御装置2bの構成を説明する。集中電圧制御装置2bは、通信部21、記憶部22、演算処理部23から構成される。ここで、実施形態1との違いは、優先度決定手段232が232bになる点と、記憶部22に含まれるデータが、前回指令値ではなく感度情報を備えた点である。その他の構成要素は実施形態1と変わらないため、下記では実施形態1と異なる点についてのみ説明をする。
優先度決定手段232bは、センサ選択手段2323、優先度付与手段2324、電圧推定手段2325から構成される。優先度決定手段232bは、優先的に選択されるべき電圧調整機器の優先度を決定する。つまり、優先順位が高い順に1から制御可能台数nまで優先度を決定することになる。以下に詳細を説明する。
ステップS21において、計測値取得手段211は電圧調整機器4やセンサ3の計測値情報を取得し、当該計測値を計測値領域221に記憶させる。
ステップS22において、指令値演算手段231は、計測値領域221に記憶した計測値をもとに各電圧調整機器4への指令値を演算し、最新指令値を得る。
ステップS23において、優先度決定手段232bのセンサ選択手段2323は、センサの電圧値が上下限に最も近いセンサを選択する。なお、1回目は計測値領域221に記憶されているセンサの計測電圧値に基づいて上下限に最も近いセンサを選択する。ただし、2回目以降は電圧推定手段2325で計算されたセンサの推定電圧値に基づいて上下限に最も近いセンサを選択する。
ステップS24において、優先度付与手段2324は、優先度が決定されていない電圧調整機器4のなかで、感度情報領域225に記憶されている感度情報に基づいて選択したセンサへの感度が最も大きい電圧調整機器4を次に優先度が高い電圧調整機器4と決定する。
ステップS26において、優先度決定手段232bは、優先度を決定付与した電圧制御機器の台数が制御可能台数nに達したかを判断する。
ステップS26においてYesの場合はステップS27に進み、指令値送信対象選択手段233は、制御可能台数領域223に記憶されている制御可能台数nに基づき優先度が1からnまでの電圧調整機器を指令値送信対象として決定する。
次に、ステップS28において、送信手段212は、指令値送信対象選択手段233により決定された指令値送信対象の電圧調整機器へ最新指令値を送信する。
ここで、上記で後述すると述べた電圧推定方法について説明する。
電圧指令値によって変化するSVCの無効電力出力値の推定値Qは、数式2で表すことができる。
V*:SVCへの最新指令値(目標電圧値)
V :SVCの計測電圧値(または現在の目標電圧値)
C :SVCの制御ゲイン
ΔQ=Q−Q’・・・(数3)
つまり、数式2および数式3を用いることで、配電系統に接続されているそれぞれのSVCの出力無効電力変化量ΔQを求めることができる。
TVRの出力電圧変化量ΔVは、数式4にて求められる。
ΔV=V*−V・・・(数4)V*:TVRへの最新指令値である目標電圧値
V :TVRの計測電圧値(または現在の目標電圧値)
一方、配電系統に配置される各センサ3の電圧変化量は、SVCの出力無効電力変化量ΔQおよびTVRの出力電圧変化量ΔVに、センサ毎に予め定められた感度を乗算した値の全電圧調整機器の総和となる。
Ss:SVC毎に定められた感度
St:TVR毎に定められた感度
図1を例に説明すると、センサa、センサb、センサcが各々設置されている点における電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcは、感度情報α,β,γとすれば、数式6、7、8のように表すことができる。
ΔVb=β1×ΔV1+β2×ΔQ1+β3×ΔQ2+β4×ΔQ3・・・(数7)
ΔVc=γ1×ΔV1+γ2×ΔQ1+γ3×ΔQ2+γ4×ΔV2+γ5×ΔQ3・・・(数8)
ΔQ1,ΔQ2,ΔQ3:SVC1,SVC2,SVC3の出力無効電力変化量
ΔV1、ΔV2:TVR1,TVR2の出力電圧変化量
よって式2,3を用いて求めたΔQ1、ΔQ2、ΔQ3および、式4を用いて求めたΔΔV1、ΔV2を数式6,7,8に代入することで、各センサの電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcを計算することができる。さらに、各センサの推定電圧値Vaa,Vbb,Vccは、先に求めた電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcと計測値領域221に記憶されている各センサの計測電圧値Va,Vb,Vcとから、数式9,10,11の様に表すことができる。
Vbb=Vb−ΔVb・・・(数10)
Vcc=Vc−ΔVc・・・(数11)
次に、優先度決定についての具体例を説明する。例えばセンサaの電圧値が電圧範囲の上下限値に最も近い場合、図7の感度情報に従って、センサaへの感度が最も高いSVC1に優先度1が割り当てられる(ステップS24)。そして、ステップS22で計算したSVC1への指令値演算結果であるV1*と計測電圧値V1を上記の数式2に代入し、Q1(V1*で指令した場合の無効電力出力)を求める。そして数式3を用いて、求めたQ1とSVC1の無効電力値測定値Q1’からΔQ1を求める。求めたΔQ1を数式6、7、8に代入し、各センサの電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcを計算する。ちなみに、SVC1のみに指令を与える場合の電圧変化をみるため、ΔQ2、ΔQ3、ΔV1、ΔV2は0となる。そして、前回計測で得られている電圧値から数式6,7,8を用いて計算した電圧変化量を減算し(数式9,10,11)、SVC1へ指令値を与えた場合の電圧分布を計算する(ステップS25)。そして再度、電圧値が最も上下限値に近いセンサを選択する(ステップS23)。ステップS23〜25を制御可能台数分だけ繰り返し、電圧調整機器の優先度を決定する。
上記の実施形態では、TVRおよびSVCを用いて説明したが、電圧制御を行うための機器であれば、その他の電圧調整機器を用いて本発明を実現することができる。
上記の実施形態では、制御可能台数の値nを算出した後に優先度をnまで付与したが、優先する電圧調整装置4を決定した後、通信帯域幅cの値から優先度の高い電圧調整機器4の「指令値配信にかけられる時間」×「その電圧調整装置への指令値データ量」の値を減算していき、通信帯域幅cの値が0になるまで繰り返すことで、優先度の高い順に可能な限り制御指示を出すことができる。初めに制御可能台数nを設定する方法と比較して、より通信可能量の限界まで通信することが可能となる。
また、実施形態2において、電圧変化量を算出するために数式6〜11を提示したが、式で求める方法以外に、シミュレーションや潮流計算などの方法で電圧変化量を求めてもよい。
なお、集中電圧制御装置2、2bのうち演算処理部23の機能は、例えば、プロセッサに電圧制御プログラムを実行させることによって実現することができる。
2、2b 集中電圧制御装置
3 センサ
4 電圧調整機器
5 通信ネットワーク
21 通信部
22 記憶部
23 演算処理部
41 可変変圧器
42 制御部
43 計測部
44 記憶部
45 通信部
46 電圧制御部
Claims (7)
- 配電系統に接続する機器から計測値を収集し、配電系統に接続する複数の電圧調整機器に制御指令を送信する集中電圧制御装置であって、
前記計測値から所定のアルゴリズムに基づいて各電圧調整機器への制御指令値を演算する制御指令値演算部と、
前記電圧調整機器へ制御指令を送信する優先順位を決定する優先度決定部と、
前記優先度決定部で決定された優先順位の高いものから前記配電系統上の通信量の上限値内で電圧調整器を選択する指令値送信対象選択部と、
前記指令値送信対象選択部で選択された電圧調整機器へ前記制御指令値演算部で演算した制御指令を送信する送信部と
を備えることを特徴とする集中電圧制御装置。 - 前記優先度決定部は、電圧調整機器に送信した前回の指令値と、最新の指令値との差が大きいほど優先順位が高い機器として決定することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
- 前記優先度決定部は、前記優先順位を、電圧逸脱を回避したい計測点から順に、各計測点における各電圧調整機器の影響度に基づいて選択した電圧調整機器から決定することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
- 前記選択した電圧調整機器は、影響度が最も高い機器であることを特徴とする請求項3に記載の集中電圧制御装置。
- 前記優先度決定部は、前記各計測点の前記優先順位を決定する毎に、前記選択した電圧調整機器を制御した場合の電圧を再計算し、再計算した電圧値が上下限に近い計測点を次の計測点とすることを特徴とする請求項3に記載の集中電圧制御装置。
- 配電系統に接続する機器から計測値を収集し、配電系統に接続する複数の電圧調整機器に制御指令値を送信することで前記配電系統の電圧を制御する集中電圧制御方法であって、
前記計測値から所定のアルゴリズムに基づいて各電圧調整機器への制御指令値を演算し、
前記電圧調整機器へ制御指令値を送信する優先順位を決定し、
前記優先順位の高いものから前記配電系統上の通信量の上限値内で電圧調整器を選択し、
前記選択された電圧調整機器へ前記制御指令値を送信する
ことを特徴とする集中電圧制御方法。 - 配電系統と、
前記配電系統に接続された複数の計測機器と、
前記配電系統に接続された複数の電圧調整機器と、
前記計測機器および前記電圧調整機器から計測値を収集し、前記電圧調整機器に制御指令を送信する集中電圧制御装置と、
前記複数の計測機器と前記複数の電圧調整機器と前記集中電圧制御装置とがネットワークを介して接続された集中電圧制御システムであって、
前記集中電圧制御装置は、
前記計測値から所定のアルゴリズムに基づいて各電圧調整機器への制御指令値を演算する制御指令値演算部と、
前記電圧調整機器へ制御指令を送信する優先順位を決定する優先度決定部と、
前記優先度決定部で決定された優先順位の高いものから前記配電系統上の通信量の上限値内で電圧調整器を選択する指令値送信対象選択部と、
前記指令値送信対象選択部で選択された電圧調整機器へ前記制御指令値演算部で演算した制御指令を送信する送信部と
を備えることを特徴とする集中電圧制御システム。
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