JP5501293B2 - 配電系統の制御システムおよび制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配電系統電圧逸脱時の配電系統の制御システムおよび制御方法に関する。
電力系統の配電系統においては、通常は需要家の負荷に電力を送電しているが、需要家に分散型電源が導入されることにより新たな問題が発生した。この問題は、分散型電源からの逆潮流が発生し、配電系統の電圧が上昇し、電圧規定値から逸脱するという現象である。その結果、分散型電源の出力を抑制しなければ安定に送電できない現象が発生した。
この問題に対し、例えば特許文献1に記載の配電系統制御システムでは、電圧が規定値から逸脱したことをオンラインで観測し、不公平をなくすように、システムから分散型電源出力抑制及び蓄電装置制御を実施し、電圧逸脱を解消する。
特開2004−135454号公報
今後の配電系統には、太陽光発電や風力発電等の電力変換装置を備えた分散型電源や、ガスタービンあるいは小型発電機等の電力変換装置を必要としない分散型電源といった電源が大量導入されていくと想定される。また、電気自動車、給湯器やフライホイールなどの電力充放電調整装置も大量導入されていくと想定される。
然るに、分散型電源として太陽光発電装置では、日照量に従って電力を発生するため、電力量確保の観点からは出力抑制することは好ましくない。反面、太陽光発電装置が出力増加する昼間には、系統電圧がその規制値から逸脱する可能性が高くなる。特に配電系統の末端において電圧逸脱幅が大きいという傾向があり、このため末端の太陽光発電装置を備えた需要家は、電圧逸脱からの回復のために出力抑制の対象になる機会が多い。この点、変電所側の太陽光発電装置を備える需要家では電圧変動が小さいので出力抑制不要である。
このため、昼間に太陽光発電等の分散型電源出力が増加し電圧逸脱を生じた場合には、分散型電源出力の抑制を電圧逸脱が生じた需要家のみ制御しなければならず、分散型電源出力の抑制不要な需要家と比べて金銭的損失が生じ、金銭的不公平が発生する恐れがある。
特許文献1では、不公平をなくすように分散型電源出力抑制及び蓄電装置制御を実施し、電圧逸脱を解消しているが、この制御は損失を公平化する観点での制御である。太陽光発電装置は、日照量に従って電力を発生することができるにも関わらず、その出力を抑える、従って損失を発生させる方向での公平化の制御である。
本発明の目的は、配電系統全体の電圧逸脱を漏れなく解消することができ、かつ利益方向での需要家の金銭的不公平をなくす配電系統制御システム及び配電系統の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、電力量を調整可能な分散型電源を備えた複数の需要家が接続された配電系統に適用され、通信ネットワークを介して需要家と接続された配電系統の制御システムにおいて、通信ネットワークを介して分散型電源を備えた需要家から、その需要家における電圧の情報を入手し、需要家に対してその分散型電源の制御指令を与える通信手段、分散型電源を調整して当該需要家の電圧を変更するに要する費用を制御感度データとして需要家とその分散型電源に関連づけて記憶する制御感度データベース、需要家に許容される電圧の上下限閾値と、需要家の電圧が上下限閾値を逸脱したときの分散型電源を用いて電力調整する優先順位を記憶する制御データベースとを備え、優先順位に従って需要家の分散型電源に制御指令を与えるとともに、優先順位は、電力調整を行った場合に生じる需要家の金銭的損失と、需要家の金銭的利益の合計を最大化することができる需要家とその分散型電源を、制御感度データを用いて決定した。
また、優先順位に従って需要家の分散型電源を制御した結果としての時系列的電圧変動の結果データを記憶する制御結果データベース、電圧逸脱時に分散型電源を用いて実施した電力調整の結果生じた電力料金の差額を、電力調整操作を実行した需要家と、当該操作以外の需要家とで配分するための報奨金を記憶する清算データベースを備える。
また、分散型電源には、電力の充放電が可能な充放電調整装置と自然エネルギーを利用する電源とを含む。
また、制御感度データベースの制御感度データは充放電調整装置と自然エネルギーを利用する電源に対して設定され、制御データベースの優先順位は充放電調整装置が自然エネルギーを利用する電源に優先して調整される順位とされている。
また、同一種類の分散型電源が複数存在するときに、制御データベースの優先順位は当該種類ごとに需要家の電力調整の優先順位が定められている。
また、充放電調整装置は充電装置と蓄電池を含み、自然エネルギーを利用する電源は電力変換装置を含み、フィーダ上に電圧逸脱が発生したときの制御データベースの優先順位は、充放電調整装置の充電装置の蓄電池の有効電力制御、充放電調整装置の充電装置の蓄電池の力率上げ制御、自然エネルギーを利用する電源の電力変換装置の力率下げ制御、自然エネルギーを利用する電源の電力変換装置の有効電力制御の順番で定められた優先順位が記憶され、これにより電力量制御対象を決定する。
また、複数のデータベースに記憶された記憶内容を表示する表示装置を備え、表示装置には、制御感度データベースの記憶内容が需要家と、その分散型電源の電力制御手段の制御方法をマトリクスとする図表上に、当該需要家の電圧を変更するに要する費用としての制御感度データが表示されている。
また、複数のデータベースに記憶された記憶内容を表示する表示装置を備え、表示装置には、制御結果データベースの記憶内容として、各需要家の電圧と電力調整に採用した分散型電源の電力制御手段の制御方法が、時系列的に表示される。
また、複数のデータベースに記憶された記憶内容を表示する表示装置を備え、表示装置には、清算結果データベースの記憶内容として、電力調整に採用した分散型電源の電力制御手段の制御方法と、需要家の得たメリットと、需要家の得たデメリットが、時系列的に表示される。
また、通信ネットワークを介して接続される需要家には表示装置が備えられ、清算データベースに記憶されている当該需要家の報奨金が表示される。
また、制御感度データベースに記憶される制御感度データ算出に使用するデータを記憶するデータベースとして、配電系統の潮流の計算結果を記憶する潮流計算結果データベース、各需要家で計測した計測データを記憶する計測データベース、配電系統の設備に関する情報を記憶する設備データベース、配電系統の状態を推定して求めた推定結果データベースを備える。
上記目的を達成するために、本発明では、電力量を調整可能な分散型電源を備えた複数の需要家が接続された配電系統の制御方法において、分散型電源には、電力の充放電が可能な充放電調整装置と自然エネルギーを利用する電源とを含み、配電系統の需要家に定められた電圧の上下限閾値を逸脱するときに充放電調整装置による電力調整を実行して上下限閾値内に電圧を回復させると共に、この期間に自然エネルギーを利用する電源の需要家が得た利益と充放電調整装置の需要家が得た損失を当該需要家の間で配分する。
上記目的を達成するために、本発明では、電力量を調整可能な分散型電源を備えた複数の需要家が接続された配電系統の制御方法において、分散型電源の電力量制御対象の種類と需要家ごとに準備した制御感度を用いて、電力量制御対象の制御で生じる金銭的損失と、電力量制御対象の制御で生じる金銭的利益の合計を最大化することができる需要家とその電力量制御対象を決定し、制御指令を与える。
上記目的を達成するために、本発明では、電力系統の同一フィーダ上に接続された需要家のうち、電力量制御対象により電力量を調整できる複数の需要家から配電系統の情報を得、電力量を調整できる需要家の電力量制御対象に対して制御指令を与えるとともに、電力量制御対象には電気自動車の充電装置と、太陽光発電装置を含む配電系統の制御方法において、単位時間、単位電圧あたりの費用を制御感度として電力量制御対象の種類と需要家ごとに準備し、フィーダ上に電圧逸脱が発生したときに、電力量を調整できる需要家として電気自動車の充電装置を備えた需要家を選択し、制御指令を与えて電圧回復を図るとともに、当該需要家に対する制御指令により生じた金銭的利益の合計を制御感度のデータを用いて求め、利益を得た需要家と当該制御指令を与えた需要家で配分する。
上記目的を達成するために、本発明では、電力系統の同一フィーダ上に接続された需要家のうち、電力量制御対象により電力量を調整できる複数の需要家から配電系統の情報を得、電力量を調整できる需要家の電力量制御対象に対して制御指令を与えるとともに、電力量制御対象には電気自動車の充電装置と、太陽光発電装置を含む配電系統の制御方法において、フィーダ上に電圧逸脱が発生したときに、電気自動車の充電装置を備えた需要家を選択し、制御指令を与えて電圧回復を図るとともに、太陽光発電装置を備えた需要家での金銭的利益をこの需要家と電気自動車の充電装置を備えた需要家で配分する。
上記目的を達成するために、本発明では、電力系統の同一フィーダ上に接続された需要家のうち、電力量制御対象により電力量を調整できる複数の需要家から配電系統の情報を得、電力量を調整できる需要家の電力量制御対象に対して制御指令を与えるとともに、電力量制御対象には電気自動車の充電装置と、太陽光発電装置を含む配電系統の制御方法において、フィーダ上に電圧逸脱が発生したときに、電気自動車の充電装置の蓄電池の有効電力制御、電気自動車の充電装置の蓄電池の力率上げ制御、太陽光発電装置の電力変換装置の力率下げ制御、太陽光発電装置の電力変換装置の有効電力制御の順番で定められた優先順位に従って需要家と電力量制御対象を選択し、制御指令を与えて電圧回復を図るとともに、太陽光発電装置を備えた需要家での金銭的利益をこの需要家と電気自動車の充電装置を備えた需要家で配分する。
本発明によれば、配電系統の電圧逸脱を漏れなく解消し、需要家の売電量を増加することができる。
第1の実施例に係る配電系統と系統制御システムの構成例を示す図。 分散型電源を備える需要家の具体的構成を示す図。 系統制御システムの計算処理内容のフローチャート。 電圧上限逸脱字の制御感度データベース21の例を示す図。 電圧下限逸脱字の制御感度データベース21の例を示す図。 電圧上限逸脱時の制御感度データの入力画面の一例を示す図。 需要家別の電圧逸脱閾値の例を示す図。 制御優先順位テーブルの例を示す図。 制御結果テーブルの例を示す図。 電圧逸脱閾値が202±20[V]の需要家の電圧変動を示す図。 電圧逸脱閾値が101±6[V]の需要家の電圧変動を示す図。 制御結果データのディスプレイ画面の一例を示す図。 清算結果テーブルの一例を示す図。 需要家側の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図。 第2の実施例に係る配電系統と系統制御システムの構成例を示す図。 第2の実施例に係る制御感度計算プログラムの例を示す図。
以下、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例を示す図である。図1を用いて1フィーダ分の配電系統100の全体構成と、系統制御システム10について説明する。本発明では、配電系統100と系統制御システム10の間に、通信ネットワーク300が設けられている。
このうち、配電系統100は、変圧器120とノード(母線)130からなる配電変電所110と、ノード130間を接続する線路140と、適宜ノード130に接続された需要家(190、191、192、193)のいずれか又は複数で構成される。なお、図の例では直列接続された線路140とノード130により、1フィーダ分の配電系統を示しているが、一般に配電変電所110には複数フィーダの配電系統が接続される。
ノード130に接続された需要家(190、191、192、193)には種々のタイプのものがある。これらは分散型電源を備える需要家(192、193)、電力の供給を受けるだけの需要家190、電力の充放電可能な装置(電力充放電調整装置)を備えた需要家191などである。いずれのタイプの需要家でも、基本的には需要家内変圧器121、需要家内ノード131、分電盤160を備える。
これらの需要家の構成についてさらに詳細に説明すると、需要家190は、電力の給電を受けるだけであり、負荷150を備える。
需要家191は、電力の充放電可能な装置170(電力充放電調整装置)を備えている。ここで電力充放電調整装置とは、具体的には電気自動車、給湯器やフライホイールなどに付随する装置であり、いずれの設備も配電系統から電力の供給を受ける状態(充電状態)と、電力系統に電力を供給する状態(放電状態)がある。また、充放電量は調整可能である。この電力充放電調整装置も広義の意味では分散型電源と考えることができるので、以下の説明では電力充放電調整装置も含めて分散型電源と称することにする。
需要家192は、電力充放電調整装置170の他に、さらに電源180と負荷150を備えている。需要家193は、電源180と負荷150を備えている。電源180は、例えば太陽光発電装置である。尚、以上の需要家の構成において、分電盤160は、ノード131と負荷150と電力充放電調整装置170と電源180を接続する機能を果たしている。
本発明の実施例においては、これらの分散型電源を備える需要家(191、192、193)には通信装置240が設置され、通信ネットワーク300を介して、系統制御システム10に接続される。以下、分散型電源を備える需要家(191、192、193)と系統制御システム10の関係について説明する。
分散型電源を備える需要家(191、192、193)は、内部の通信装置240から通信ネットワーク300を介して系統制御システム10の通信手段15と接続され、需要家(191、192、193)と系統制御システム10の間で、情報310を送受信している。
この通信において分散型電源を備える需要家(191、192、193)から通信ネットワークを介して系統制御システム10に送信される情報310には、電圧Vと需要家を識別するための固有番号とタイムスタンプが含まれる。なお、ここで送信される電圧Vとは、変圧器121と分電盤160を接続する需要家内ノード131における電圧である。
これに対し、系統制御システム10から分散型電源を備える需要家(191、192、193)に対して送信される情報310には、需要家を識別するための固有番号とタイムスタンプと制御指令が含まれる。なお、固有番号は、通信ネットワーク300を介して系統制御システム10に情報310を送信する需要家それぞれに対して事前に設定される。また、分散型電源を備える需要家(191、192、193)と、系統制御システム10の間で送受信される情報310は、GPSや通信ネットワーク300を介して接続されるタイムサーバを用いて同期される。
次に系統制御システム10の構成について説明する。系統制御システム10は、表示装置11、キーボードやマウス等の入力手段12、コンピュータや計算機サーバ(CPU)13、メモリ(RAM)14、通信手段15、各種データベース(制御感度データベース21、制御データベース22、制御結果データベース23、清算データベース24、プログラムデータベース225)等で構成され、これらがバス線41に接続されている。
コンピュータや計算機サーバ(CPU)13は、プログラムデータベース25からRAM14に読み出された計算プログラム(制御感度計算プログラムPr1、制御優先順位計算プログラムPr2、制御選択プログラムPr3、報償金計算プログラムPr4)を実行して、表示すべき画像データの指示、各種データベース内のデータの検索等を行う。
RAM14は、表示用の画像データ、制御感度データD1、制御データD2、制御結果データD3、清算データD4等の計算一時データ及び計算結果データを一旦格納するメモリであり、CPU13によって必要な画像データを生成して表示装置11(例えば表示ディスプレイ画面)に表示する。
系統制御システム10には、大きく分けて5つのデータベースが設けられている。このうち、制御感度データベース21には、系統制御システム10と通信する需要家に設置されている分散型電源(電力充放電調整装置170や電源180)の各制御手段の制御感度テーブルD1が記憶されている。
ここで制御感度とは、各需要家の分散型電源(170,180)と需要家内ノード131の接続点における電圧Vを単位時間当たり1[ボルト([V])]変化させる事に対してかかる、各制御手段の金銭的損失[円(¥)]であり、単位は[¥/Vh]で定義される。本発明においては、電圧Vを単位時間当たり1[ボルト([V])]変化させる場合であっても、制御手段Aを用いて実行するときと、制御手段Bを用いて実行するときでは、金銭的損失[¥/Vh]が相違することから、配電系統全体として最適な制御手段を選択して対応しようとしている。
この制御感度は、簡易画面で入力された結果あるいは、制御感度計算プログラムPr1の計算結果が記憶されている。なお、制御感度が時間帯毎に変化する制御手段の場合は、時間断面毎に制御感度テーブルが記憶されている。制御感度データベース21の具体事例については、別途図4、図5を用いて詳細に説明する。
制御データベース22には、制御データD2として、各国で定められた各需要家と需要家内ノードの接続点における電圧Vの規定値の最大最小値(閾値)D21、及び制御優先順位計算プログラムPr2の計算結果である電圧Vが規定値の最大最小値を逸脱した時における各制御手段の制御方法の優先順位D22が記憶されている。制御データベース22の具体事例については、別途図7を用いて詳細に説明する。
なお、各制御手段の制御方法とは、例えば図1の需要家192,193における電源180が太陽光発電装置である場合、制御手段とは太陽光発電装置に接続する電力変換装置であり、制御方法とはその電圧Vと電流Iを制御することで出力抑制あるいは力率調整を実施することである。また、図1の需要家191,192における電力充放電調整装置170が電気自動車EVである場合、制御手段とは電気自動車EVの蓄電池であり、制御方法とはその電圧Vと電流Iを制御することで充放電制御をすることの一方または両方を実施することである。
制御結果データベース23には、制御結果データD3として各需要家で計測された情報310のうち電圧Vと需要家を識別するための固有番号とタイムスタンプ、及び制御選択プログラムPr3の計算結果が時間断面毎に記憶されている。これら制御選択プログラムPr3の計算結果の制御指令は、通信ネットワーク300を介して、需要家191と需要家192と需要家193の1つまたは複数に送信される。制御結果データベース23の具体事例については、別途図8を用いて詳細に説明する。
清算データベース24には、演算データD4として報償金計算プログラムPr4の計算結果が時間断面毎に記憶されている。
プログラムデータベース25には、計算プログラムである制御感度計算プログラムPr1、制御優先順位計算プログラムPr2、制御選択プログラムPr3、そして報償金計算プログラムPr4が記憶されている。これらのプログラムは必要に応じてCPU13に読み出され、計算実行される。
次に図2を用いて、分散型電源を備える需要家の構成の具体例について、需要家192を取り上げて説明する。需要家192を取り上げた理由は、需要家192は、需要家191,193が備える2種類の分散型電源を備えていることによる。従って、需要家192の動作内容が理解されれば、需要家191,193の動作内容も理解できるからである。
需要家192が備える2種類の分散型電源のうち、第1の分散型電源は電力充放電調整装置として例えば電気自動車(EV)の蓄電池171であり、第2の分散型電源は例えば太陽光発電装置(PV)181とその電力変換装置231である。なお、負荷150は、需要家192において制御することを前提としない電力消費するだけのエアーコンディショナーあるいは冷蔵庫あるいは洗濯機等の家電製品等である。
また、太陽光発電装置181以外の電源180の例としては、風力発電等の自然エネルギーを利用した発電装置等の分散型電源とすることでもよく、この場合には電力変換装置230に接続する必要がある。電力変換装置230は、太陽光発電装置181で発生した電圧V及び電流Iをインバータ及びコンバータを用いて位相や大きさを変換し、分電盤160に変換後の電圧V及び電流Iを送電する装置である。
あるいは電源180は、ガスタービンあるいは小型発電機等の分散型電源であってもよい。なお、ガスタービンや小型発電機の場合は、電力変換装置を介さずに分電盤160に接続される。
これらの分散型電源において、制御手段とは電力変換装置231あるいは蓄電池171であり、これらは、系統制御システム10からの制御指令330により制御される。
需要家192は、自端のデータを収集して、逐次系統制御システム10に情報320を送信している。そのために、ノード130と分電盤160の間の接続線あるいはノード131に設置された計測装置220と、計測装置220で計測した電圧Vの情報320を系統制御システム10に送信する通信装置240を備えている。また通信装置240は系統制御システム10からの制御指令330を制御手段に送出する。なお、通信装置240が送受信した情報あるいは、太陽光発電装置181と電力変換装置231の発電状況あるいは、電気自動車EVの蓄電池171の状況などが表示装置(例えば表示ディスプレイ画面)250に表示される。
なお、通信装置240は、需要家192の電力を用いる機器の通信を行うホームサーバあるいは、通信機能を備えた計測装置あるいは、通信機能を備えた電力変換装置である。なお、電圧Vの情報320は、需要家を識別するための固有番号とタイムスタンプを含む。
以下、主要なデータベースについて、その具体的な内容を説明する。まず、図1の配電系統を制御する場合の制御感度データベース21の一例を、図4を用いて説明する。
図4の制御感度データベース21の例では、縦軸に需要家の制御対象(制御手段)と、制御方法を記述している。このうち、まず需要家の制御対象としては、図1または図2の、需要家191のノード131に接続された電気自動車の蓄電池171(図2参照)、需要家192のノード131に接続された電気自動車の蓄電池171、需要家192のノード131に接続された太陽光発電装置181の電力変換装置231(図2参照)、需要家192のノード131に接続された負荷150、需要家193のノード131に接続された太陽光発電装置181の電力変換装置231、需要家193のノード131に接続された負荷150がこれに相当する。
また、これら制御手段の制御方法として、電気自動車の蓄電池171の場合には、充電による有効電力制御と上げ方向の力率制御がある。太陽光発電装置181の電力変換装置231の場合には、発電停止による有効電力制御と下げ方向の力率制御がある。負荷150の場合には、需要抑制による有効電力制御がある。
なお、図4には制御対象として、太陽光発電装置181の電力変換装置231、電気自動車の蓄電池171の例を記述したが、これは風力発電等の自然エネルギーを利用した発電装置あるいはガスタービンや小型発電機等の分散型電源であってもよい。
これに対し、負荷150は分散型電源ではないが、通信ネットワーク300を介して系統制御システム10と接続された需要家内の電気設備であり、系統制御システム10からの操作信号による需要抑制により有効電力制御に貢献することができる。このため、電力調整の制御手段としての範疇に加えて考えることが有効である。このことは、逆に言えば分散型電源を備える需要家の負荷ではなくても、通信ネットワーク300を介して系統制御システム10と接続された需要家内の負荷であればよいことを意味する。
図4の横軸には、需要家として190,191,192,193が記述されている。この図4の縦軸項目と、横軸項目のマトリクスであらわされた交点部分に記載された数値が、制御感度データD1である。制御感度データD1は、先に説明したように、「電圧Vを単位時間当たり1[V([V])]変化させる事に対してかかる各制御手段の金銭的損失[¥(円)]である。
図5には、図4と同じ表記の図が示されている。図4は電圧上限を逸脱したときに制御手段を用いて制御するときの制御感度データD1の例を示しており、図5は電圧下限を逸脱したときに制御手段を用いて制御するときの制御感度データD1の例を示している。図5も、制御感度データベース21に保持されたデータである。
なお、図5において電圧下限を逸脱したときの制御手段は、図4と全く同じであるが、制御方法は相違している。例えば、電気自動車の蓄電池171の場合には、放電による有効電力制御と下げ方向の力率制御がある。太陽光発電装置181の電力変換装置231の場合には、発電起動あるいは発電増加による有効電力制御と上げ方向の力率制御がある。負荷150の場合には、需要増加による有効電力制御がある。
なおここで、電圧上限、電圧下限は、電圧逸脱閾値のことであり、図1のフィーダの例では、図7のように設定されている。図7は、図1の制御データ22の内容を記述しており、ここに保持されたデータのうち、電圧逸脱閾値D21を示している。この事例によれば、例えば連系点箇所が需要家190、192,193内のノードでの電圧逸脱閾値は(101±6)[V]、需要家191内のノードでの電圧逸脱閾値は(202±20)[V]となっている。配電系統の各所電圧は、この電圧範囲内となるように制御される必要がある。
制御感度データベース21の内容を示す図4、図5の事例において、正の値は電圧回復制御の結果として、その需要家が利益を受けることを、また負の値は電圧回復制御の結果として、その需要家が損失を受けることを意味している。
従って、この図4の見方としては、電圧上限を逸脱したときに1[¥/Vh]改善するために、制御対象として需要家191の電気自動車EVの蓄電池を選択して、充電による有効電力制御を実行した場合には、需要家190では16円、需要家191では14円、需要家192では12円、需要家193では10円の損失が発生することを意味している。また制御対象として需要家191の電気自動車EVの蓄電池を選択して力率制御による有効電力制御を実行した場合には、需要家190では1.6円、需要家191では1.4円、需要家192では1.2円、需要家193では1.0円の利益が発生することを意味している。この見方は図5の電圧低下の場合も同じである。
なお、この表に従って制御手段、制御方法を選択し、制御するに際し、実際にはいくつかの制限や、優先順位がある。これらの制限や、優先順位が図1の制御データベース22の中の「各需要家電圧V逸脱時における各制御の優先順位D22」に保管されている。
このうち、制限としては、以下のようなものがある。例えば、蓄電池は0.5時間しか充電できない。力率は0.8から1.0の範囲でのみ制御可能である。太陽光発電装置(PV)181の有効電力制御は、発電停止だけでなく、発電抑制(量を減らす)で対応することも可能であるが、その場合に、制御感度が抑制率によって相違する。電気自動車EVが充電部署に接続されていない場合には制御に貢献できない。太陽光発電装置(PV)181は夜間には制御に貢献できない。このため、実際に電圧回復のための制御を実行するには、こういった制限条件を考慮する必要がある。
また、電圧上限を逸脱した場合の具体的な運用を考えた場合には、各制御の優先順位D22を考慮する必要がある。優先順位データD22を考慮した運用について説明する。この場合の基本的な運用は、制御感度D21が低いものから電圧を上げたい分を積み上げることで電圧を安定化させることである。
例えば、需要家190の列で考えると、電気自動車EVの蓄電池(需要家191または192)の有効電力制御(充電)の−16[¥/Vh]と−18[¥/Vh]が一番低いため、これを第一優先順位として選択する。充電ができない場合、次に電気自動車EVの蓄電池(需要家191または192)の力率制御(上げ)の−2.0[¥/Vh]と−2.2[¥/Vh]を第二優先順位として選択する。そのうえで、力率が上限に達した場合には、次に太陽光発電装置の電力変換装置(需要家192または193)の力率制御(下げ)の4.4[¥/Vh]と−4.6[¥/Vh]を第三優先順位として選択する。力率が下限に達した場合に、次に負荷(需要家192または193)の有効電力制御(需要抑制)の24.0[¥/Vh]と26.0[¥/Vh]を第四優先順位として選択する。需要抑制の限界に達した場合には、太陽光発電装置の電力変換装置(需要家192または193)の有効電力制御(発電停止)の44.0[¥/Vh]と46.0[¥/Vh]を第五優先順位として選択する。
図1の制御データD2のうち、D22には、以上の優先順位があらかじめ準備され、記憶されている。なお、図1の制御結果データベース23の内容D3と、清算データベースの内容D4は、それぞれ図8、図11に例示されているが、これらは本発明による一連の処理結果として得られるものであるので、図3の処理フローの説明後に説明することにする。
次に系統制御システム10の計算処理内容について図3のフローチャートを用いて説明する。図3の処理においては要するに、手動入力した制御感度データD1を記憶し、あるいは入力データを制御感度計算プログラムPr1で計算して得た制御感度データD1を記憶(ステップS1)し、手動入力により得た各需要家電圧Vの閾値D21を記憶(ステップS2)し、制御感度データD1を用いて制御優先順位計算することで制御データを作成(ステップS3)し、ある時刻において電圧Vに逸脱が発生した場合を想定(ステップS5)し、制御データから制御選択(ステップS7)を実施し、制御結果データ及び清算データをデータベースに記憶する(ステップS9)迄の一連の処理を実行する。以下各処理について、具体例を挙げて詳細に説明する。
まずステップS1では、制御感度データD1の設定を行う。この操作は、図1の系統制御システム10において、制御感度データベース21に、各制御の感度D1(図4、図5)を、例えば入力手段12を用いて運転員が入力し、記憶することで実現する。なお入力の際は、CPU13によって必要な画像データを生成して表示装置11に表示する。
この場合に、配電系統100の1つの配電変電所110には、通常複数のフィーダが存在する。系統制御システム10は、1つで複数フィーダを監視制御するあるいは、1フィーダ毎に設置される。図4では、図2に示す1つのフィーダ(フィーダ1)における各制御方法に対する各需要家の制御感度[¥/Vh]テーブルの例を示している。
図6は、電圧上限逸脱時の制御感度データD1の入力画面90の一例を示している。画面90の上部には制御感度テーブルの設定条件91として、設定するフィーダ名(フィーダ1)、電圧逸脱方向(図では上限逸脱)、入力モード(図では手動)が表示される。また、画面下部92には、図4に示したデータベースD1の縦横項目(横軸の設定ノード、縦軸の制御手段および方法)が表示される。
入力モードとしては、自動モードと、手動モードを選択できる。自動モードとして例えば簡易計算モードでは、別途需要家の数、各需要家の太陽光発電装置や電気自動車EVの数といった情報を入力することで、図1の制御感度計算プログラムPr1により制御感度データD1を生成する。
手動モードでは、別途得られている制御感度データD1を入力装置から入力する。なお、手動モードの場合に、全ての制御感度データD1を入力する必要はない。例えば、電気自動車EVの蓄電池(需要家191)の力率制御の制御感度は、電気自動車EVの蓄電池(需要家191)の有効電力制御(充電)の1%を自動設定することができる。
なお、制御感度の設定は、[¥/Vh]という単位にすることで、人が金銭的にどれだけ損失するかを直感的に分かり易くなる利点があり、手動で入力する際は各制御装置のカタログなどから設定し易い効果がある。
ステップS2では、各需要家電圧Vの閾値の設定を行う。例えば、制御データベース22に各需要家電圧Vの閾値を入力手段12で入力し記憶する。なお、入力の際はCPU13によって必要な画像データを生成して表示装置11に表示する。ここで、図6を用いて制御データベース22の各需要家の電圧逸脱閾値テーブルを説明する。各需要家のノード131の電圧逸脱閾値は、各国で定められた各需要家とノードの接続点における電圧Vの規定値の最大最小値である。なお、変圧器121の変圧比により閾値が異なり、需要家191では200[V]に設定されている。また、計測装置がない需要家には、簡易的に閾値を設定することが可能である。
図3のステップS3では、制御データD2の計算と設定を行う。ここでは、制御感度データベース21の制御感度データD1を用いて、制御優先順位計算プログラムPr2の計算により、各需要家が電圧逸脱をした場合に優先的実施すべき制御(制御手段および制御方法)を順位付けし、制御データベース22に各需要家電圧V逸脱時における各制御の順位(D22)を記憶する。なお、入力の際はCPU13によって必要な画像データを生成して表示装置11に表示する。
ここで、図8を用いて制御データベース22の制御優先順位テーブルD22について説明する。図8の制御優先順位テーブルD22は、先に説明したように、「制御感度が低いものから電圧を上げたい分を積み上げることで電圧を安定化させる」という基本的運用に従って決定されている。例えば需要家190の列の場合、電気自動車EVの蓄電池(需要家191または192)の有効電力制御(充電)、電気自動車EVの蓄電池(需要家191または192)の力率制御(上げ)、太陽光発電装置の電力変換装置(需要家192または193)の力率制御(下げ)、負荷(需要家192または193)の有効電力制御(需要抑制)、太陽光発電装置の電力変換装置(需要家192または193)の有効電力制御(発電停止)の順番に優先順位を決定しておく。この順位は、他の需要家の列についても同様に設定される。
図8の順位は、別の見方をすると自然エネルギーを利用する太陽光発電装置などの電源については、電力量調整装置の優先順位よりも低くしたものということができる。つまり、電圧逸脱からの回復処置を考えた場合に、自然エネルギーを利用する太陽光発電装置などの電源は抑制するのではなく、自然力に従い目一杯の発電を行わせ、その回復処置は電力量調整装置に委ねることが、電力の有効利用ばかりではなく、利益の面でも有利であるというのがこの優先順位の考え方である。従って、ここには自然エネルギーを利用する他の分散型電源として風力発電の事例を記載してはいないが、風力発電の場合にも、電力量調整装置の優先順位よりも低く設定するのが理にかなっている。
なお、制御優先順位計算プログラムPr2により計算された各制御方法の順位は、各需要家に対して1〜n(nは制御方法の最大値であり、図4の例ではn=5)で表わされる。但し、電気自動車EVの蓄電池が複数需要家に存在するときなどは優先順位が同じ場合があるので、どちらの需要家を優先するかルールを決めておくことで、同じ優先度を与えることを防ぐ。このように順位付けすることで、管理する操作員にとって優先度が直感的に分かり易くなる利点がある。
ステップS4では、図1の通信装置240から送信されるノード131の電圧Vの情報320を通信手段15で常時受信し、制御結果データベース23に記憶する。この電圧Vの情報320は、RAM14に保持される。
ステップS5では、保持された電圧Vの情報320と制御データベース22の各需要家電圧Vの閾値を用いて、制御選択プログラムPr3の計算により電圧逸脱判定を実施する。逸脱がない場合にはステップS4に戻り、次の測定箇所の電圧または次の測定タイミングでの電圧を抽出して順次電圧逸脱判定を継続実施する。逸脱がある場合にはステップS6に進む。なお、需要家192に計測装置220がない場合は、電圧Vの情報320を隣の需要家191と需要家193の一方または両方の情報320から推定することもできる。
ステップS6では、ステップS3で設定した制御データベース22の各需要家電圧V逸脱時における各制御の優先順位データをRAM14に読み出す。
ステップS7では、ステップS5で逸脱したと判定された電圧Vの情報320とステップS6で読みだされた各制御の優先順位データD22を用いて、制御選択プログラムPr3の計算により、制御指令330を選択する。制御指令330は、通信手段15から、通信ネットワーク300と通信装置240と通信線路310を介して、各需要家の電力変換装置231と電気自動車EVの蓄電池171の一方又は両方に送信される。またこの制御結果を、通信ネットワーク300を介して入手し、制御結果データベース23に時間断面毎に電圧Vと需要家を識別するための固有番号とタイムスタンプ及び制御指令からなる情報311を記憶する。この情報311は、RAM14に保持される。
次に、図9を用いて制御結果データベース23に構成された制御結果テーブルの例について説明する。図9は、縦軸に時刻、横軸に各ノードの電圧、制御方法、電圧逸脱ノードを記述している。このうち電圧は、例えば30秒ごとの計測値が入力されており、ノードは計測装置220が設置された需要家191,192,193のノードとされている。なお、この事例では、太陽光発電装置181の出力を抑制しない場合について記述している。つまり、太陽光発電装置181は日照量に応じた発電を行っており、この出力を抑制しないものとする。
この例では、時刻t1の需要家191,192,193の各ノード電圧は、それぞれ215,103,105[V]であり、図7の電圧逸脱閾値の範囲内にあった。これに対し、30秒後の時刻t2に計測した各ノード電圧では、どの需要家でもそれぞれ216,105,108[V]に電圧上昇し、この中で最も配電系統の末端に近い需要家193で電圧逸脱閾値107を逸脱した。
この計測結果を受けて時刻t3において、系統制御システム10では制御優先順位テーブルD22を参照して、最も優先度の高い制御手段と制御手法として、電気自動車EVの蓄電池の有効電力制御(充電)を実行することを決定し、具体的には最も制御感度が低い需要家192の有効電力制御(充電)を選択した。制御結果を受けて、各ノード電圧は時刻t4ではそれぞれ210,101、103[V]に回復した。これらの値は、図7の電圧逸脱閾値の範囲内まで回復しているが、十分な回復が確認できるまで需要家192の有効電力制御(充電)を継続する。
どこまで低下したときに需要家192の有効電力制御(充電)を中止するかについて、ここでは時刻tn+1において、210,99、102[V]に回復したことをもって、中止した。その後、それぞれのノード電圧は時刻tn+3において、それぞれ209,98、101[V]迄低下して以後安定した。図9の制御結果データベース23に構成された制御結果テーブルには、この時系列的変化が記録される。
このように図9は、時刻毎に各需要家のノード131の電圧がどのように変化したかを、太陽光発電装置181の出力を抑制しないものと仮定して説明した。実際には電圧逸脱しそうになると太陽光発電装置の出力抑制を実施するが、図9のように、太陽光発電装置の出力抑制を実施しなかった場合の各需要家のノード電圧Vの値を計算することで、電圧逸脱に対してどのような制御を実施したかが直感的に分かり易くなる利点がある。
図10と図11は、縦軸に電圧をとり、横軸に各需要家のノードをとった場合のグラフを図示したものである。なお、図10は、図7に示す電圧逸脱閾値が202±20[V]の需要家191のノードを表示しており、図11は図7に示す電圧逸脱閾値が101±6[V]の需要家190,192,193のノードを表示している。従って、需要家191のノードでは、上限が222[V]、下限が182[V]の範囲内に制御されればよい。また、需要家190,192,193のノードでは、上限が107[V]、下限が95[V]の範囲内に制御されればよい。なお、図10と図11は、電圧階級によって、図10(160〜240[V]の範囲を表示)と図11(90〜110[V]の範囲を表示)に分けている例であるが、これは分けていないグラフでも良い。
図10と図11において、●□△の各プロット点は、以下のものを表している。まず△は、太陽光発電装置の出力抑制をしなかった場合の電圧Vの予想値、●は実際に需要家193において太陽光発電装置の出力抑制が実施された場合の電圧Vの実測値、そして□は実際に需要家192において太陽光発電装置抑制を実施せず電気自動車EVの充電を実施した場合の電圧Vの実測値をそれぞれ示している。
この図において、△は一切の制御を実施しない状態を意味しており、図9の制御結果テーブルに対比してみると、需要家193のノードで電圧逸脱が発生した時刻t2あるいはt3における電圧と考えてよい。従って、需要家191,192,193の各ノードの△は、仮に時刻t3とすると、それぞれ216,106,109[V]に相当する値である。
これに対し□は、太陽光発電装置抑制を実施せず需要家192において電気自動車EVの充電を実施した場合の電圧Vなので、図9の制御結果テーブルに対比してみると、需要家193のノードで電圧逸脱が回避された時刻として例えばt4における電圧210,101,103[V]と考えてよい。
このように、△と□の間の電圧低減分は、電圧逸脱時に需要家192で電気自動車EVの蓄電池の有効電力制御(充電)を実施したことによる効果を意味している。同様にして、△と●の間の電圧低減分は、電圧逸脱時に需要家193で太陽光発電装置の出力抑制を実施したことによる効果を意味している。
このことから、2つの対応策が需要家192に及ぼす効果についてみると、需要家192で電気自動車EVの蓄電池の有効電力制御(充電)を実施したときの電圧降下分は、需要家193で太陽光発電装置の出力抑制を実施したときの電圧降下分を上回る。同様に、2つの対応策が需要家193に及ぼす効果についてみると、需要家193で太陽光発電装置の出力抑制を実施したときの電圧降下分は、需要家192で電気自動車EVの蓄電池の有効電力制御(充電)を実施したときの電圧降下分を上回る。
しかるに、これらの需要家での制御による、電圧降下に対する影響を評価するときに、電圧逸脱閾値から大きく改善させる制御手法を採用することが必ずしも良策とは言えない。
これらの分析結果を各需要家の経済的損失あるいは利益の観点から評価する。需要家193において電圧逸脱値に対し太陽光発電装置抑制した場合は、電圧が大きく下がるが売電量が低下する。これに対し、需要家192において電気自動車EV充電を実施した場合の需要家193に与える影響について検討すると、需要家193では閾値内に電圧が入っており、かつ太陽光発電装置抑制した場合の売電量低下分よりは電圧低下度が小さい。このため、結果的には需要家192において電気自動車EV充電を行ったほうが、売電量が増加し、需要家193の利益に貢献することがわかる。なお、需要家192において電気自動車EV充電を実施した結果、需要家192に費用発生するが、充電は需要家192にとって必要な処置である。このことが需要家192にとって不要な不利益を生じせしめるものではない。
ステップS8では、ステップS7で保持された情報311をCPU13によって必要な数値データや画像データの一方または両方を生成して表示装置11に表示する。ここでは、ディスプレイ画面への表示を考える。図12を用いての制御結果データのディスプレイ画面の一例を説明する。
ディスプレイ画面90の上段93にはノード電圧状況として、ステータス(電圧上限逸脱発生とその時刻)並びにその改善のために実施した制御方法(需要家192での電気自動車EV充電とその時刻)を表示する。中段94と下段95には、今回の事例では電圧変化の影響を受ける需要家192,193の電圧の時系列的変化を表示する。
係る表示により、いつ電圧逸脱が発生し、それに対しどのような制御を実施したかを簡単に確認することが可能である。また、実際には電圧逸脱しそうになると太陽光発電装置の出力抑制を実施するが、実施しなかった場合の各需要家のノード電圧Vの時系列波形計算し表示することで、電圧逸脱をどのように抑制したかが直感的に分かり易くなる利点がある。ここでは、画面への出力例を示したが、書類等に印刷可能なフォーマットのデータとしてユーザに提供してもよい。
ステップS9では、ステップS7で保持された情報311を用いて、報償金計算プログラムPr4の計算により、各制御実行に対する報償金を時間断面毎に求め清算データベース24に記憶し、CPU13によって必要な数値データや画像データの一方または両方を生成して表示装置11に表示する。また、各制御実行に対する報償金データは、通信手段15を用いて通信ネットワーク300と通信装置240と通信線路310を介し表示装置250に表示される。
図13に清算結果テーブルの一例を示す。計算によって需要家の得たメリット(単位:円)と需要家の得たデメリット(単位:円)を表示することで、ある時刻間で報償金の計算がし易いテーブルとなっている。
図13は、縦軸に図9の事象での時刻を示し、横軸には図9の事象での制御方法とともに、この時の需要家の得たメリットとデメリットを示している。この時刻間の事象では、需要家192は電気自動車EVの蓄電池を充電(有効電力制御)することで12[¥/Vh]の損失を生じた。これに対し需要家193は、太陽光発電装置181の抑制をしなくて済み、太陽光発電装置のよる発電ができた分として40[¥/Vh]の利益を生じた。これらの数値は、図4の制御感度テーブルD1において、横軸の需要家ノードと、縦軸の制御対象・方法の交点で求まる数値である。
上記の利益、不利益を意味する制御感度データは単位電圧、単位時間当たりの数値であるため、実際には改善した電圧幅および実行継続時間を加味して、総合の利益、不利益額が定まる。
ここでは、需要家192の電気自動車EVの蓄電池を充電することで、需要家192は夜間の安い電力を買わずに充電したことに対する金銭的な損失が総額300円であったとする。需要家193は需要家192の電気自動車EVの蓄電池の充電によって電圧Vが下がり、太陽光発電装置抑制をせず太陽光発電装置発電をできた分として総額800円売電量が増加したとする。
通常の電気料金計算では、この金額がそのまま電力使用料金に反映されるが、このままでは需要家192は需要家193を助けたのみである。助けた需要家192が損をし、助けられた需要家193が得をするという図式になり、これは明らかに不公平である。本発明ではこの時の不公平を改善している。
不公平の改善は、例えば以下のように行われる。まずこの時、需要家192と需要家193の得た金銭的利益の総額は500円となる。需要家192と需要家193と系統制御システムで、これをある比率(例えば4:4:2)で配分することで需要家192は報償金を得ることができ、系統制御システムも運営費を得ることができる。なお、ここでは金銭的利益の総額を需要家192と需要家193の金額の各絶対値の差として評価したが、これは正負を考慮した差額として1100円とする考え方もある。
最後に需要家側の表示装置に表示される表示画面98の一例を図14に示す。ここには太陽光発電量、1日の総発電量、1日のCO2削減量、電気自動車EVの充電率、そして1週間でどれだけ報償金を得たか(単位:円)などを表示することで、需要家が本発明の系統制御システムによって得た効果が分かりやすくなる利点がある。
以下、本発明の第2の実施例を説明する。第2の実施例では、制御感度を手動で入力するだけでなく、系統のオンライン情報を用いて調整できる系統制御システムの例を説明する。図15は、本発明の第2の実施例を示す図である。図1の配電系統100の全体構成と系統制御システム10と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
図15では、図1の既存設備に、潮流計算結果データベース26、計測データベース27、設備データベース28、状態推定結果データベース29を追加している。また、プログラムデータベース25に、潮流計算プログラムPr5と状態推定プログラムPr6を具備する点、通信ネットワーク300を介して送受信する情報311、そして制御感度計算プログラムPr1の内容が図1とは異なる。具体的には、系統のオンライン情報を用いて、制御感度D1を調整できる点が異なる。系統の状態に合わせた最適な制御感度を計算できるという利点がある。
なお実施例2で追加された各データベースには、以下のデータが確保される。まず計測データベース27には、計測データD6として、配電系統100の時間断面毎のノード電圧V、線路の電流I、有効電力P、無効電力Q、負荷や発電などの有効電力P、無効電力Qなどの情報が記憶されている。
設備データベース28には、設備データとして、潮流計算に必要な線路定数Zと線路やノードの接続状況を表す系統構成データ、配電系統100の負荷・発電量の上下限値の日変化パターン、そしてセンサ誤差が記憶されている。
状態推定結果データベース29には、状態推定計算の結果得られるデータD8として、ノード電圧V、線路の電流I、有効電力P、無効電力Q、負荷の有効電力P、無効電力Qが記憶されている。
潮流計算結果データベース26には、潮流計算結果のデータD5としてノード電圧V、その位相角θ、負荷・発電量の有効電力P、無効電力Qが記憶されている。
次に制御感度計算プログラムPr1の内容が図1とは異なる点について、図16を用いて説明する。ここでは、図3のステップS1において、ステップS10〜S14が導入され、実行される。つまり、制御感度データD1の取り込みを手動入力ではなく、ステップS10〜S14の演算により求める。
このためにまずステップS10では、通信装置240から常時送信されるノード131と各制御装置のオンライン情報を通信手段15で受信し、計測データベース27に記憶する。このオンライン情報とは、ノード電圧V、線路の電流I、有効電力P、無効電力Q、負荷の有効電力P、無効電力Qであり、RAM14に保持される。
ステップS11では、RAM14に保持されたオンライン情報及び設備データベース28のセンサ誤差を用いて、状態推定プログラムD8により配電系統の状態を推定した結果を状態推定結果データベース29に記憶する。なお、状態推定計算とは、変電所、発電所、送電線をはじめとした電力送配電機器の観測データ、ならびに接続データをもとに、観測データ中の異常データの有無判定と除去を行い特定の時間断面における尤もらしい系統状態を推定する計算機能のことである。
ここで、状態推定計算は、例えば、Lars Holten、 Anders Gjelsvlk、 Sverre Adam、 F. F. Wu、 and Wen−Hs Iung E. Liu、 「Comparison of Defferent Methods for State Estimation.」 IEEE Trans. Power Syst. 3(1988)、 1798−1806の各種方法などに即して行う。
ステップS12では、まずステップ11で計算した状態推定結果データD8と設備データベース28の線路定数Zと線路やノードの接続状況を表す系統構成データD7、配電系統100の負荷・発電量の上下限値の日変化パターンを用いて、潮流計算プログラムPr5により配電系統の潮流状態を計算し、計算結果であるノード電圧Vとその位相角θと負荷・発電量の有効電力Pと無効電力Qを潮流計算結果データベース26に記憶する。
次にある制御装置を動作した場合の潮流計算を再度実施し、前に計算した潮流計算結果データと比較することで、ある制御装置の制御感度D1を計算する。ステップS13では、前記制御感度D1を制御感度データベース21に記憶し、以降ステップ10にもどり感度計算を繰り返す。このように、オンライン情報をもとに計算することで、制御感度を調整し、系統の状態に合わせた最適な制御感度を設定することができる。
10:系統制御システム
11:表示装置
12:入力手段
13:CPU
14:RAM
15:通信手段
21:制御感度データ(制御感度データベース)
22:制御データ(制御データベース)
23:計算結果データ(計算結果データベース)
24:清算データ(清算データベース)
25:プログラムデータベース
41:バス線
100:配電系統
110:配電変電所
120、121:変圧器
130、131:ノード(母線)
140:線路
150:負荷
160:分電盤
170:電力充放電調整装置
180:電源
190、191、192、193:需要家
240:通信装置
300:通信ネットワーク
310:通信線路

Claims (16)

  1. 電力量を調整可能な分散型電源を備えた複数の需要家が接続された配電系統に適用され、通信ネットワークを介して前記需要家と接続された配電系統の制御システムにおいて、
    前記通信ネットワークを介して前記分散型電源を備えた需要家から、その需要家における電圧の情報を入手し、需要家に対してその分散型電源の制御指令を与える通信手段、前記分散型電源を調整して当該需要家の電圧を変更するに要する費用を制御感度データとして需要家とその分散型電源に関連づけて記憶する制御感度データベース、前記需要家に許容される電圧の上下限閾値と、需要家の電圧が上下限閾値を逸脱したときの前記分散型電源を用いて電力調整する優先順位を記憶する制御データベースとを備え、前記優先順位に従って前記需要家の分散型電源に制御指令を与えるとともに、前記優先順位は、電力調整を行った場合に生じる需要家の金銭的損失と、需要家の金銭的利益の合計を最大化することができる需要家とその分散型電源を、前記制御感度データを用いて決定したものであることを特徴とする配電系統の制御システム。
  2. 請求項1記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記優先順位に従って前記需要家の分散型電源を制御した結果としての時系列的電圧変動の結果データを記憶する制御結果データベース、電圧逸脱時に分散型電源を用いて実施した電力調整の結果生じた電力料金の差額を、電力調整操作を実行した需要家と、当該操作以外の需要家とで配分するための報奨金を記憶する清算データベースを備えることを特徴とする配電系統の制御システム。
  3. 請求項1または請求項2記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記分散型電源には、電力の充放電が可能な充放電調整装置と自然エネルギーを利用する電源とを含むことを特徴とする配電系統の制御システム。
  4. 請求項3記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記制御感度データベースの制御感度データは前記充放電調整装置と自然エネルギーを利用する電源に対して設定され、前記制御データベースの優先順位は前記充放電調整装置が自然エネルギーを利用する電源に優先して調整される順位とされていることを特徴とする配電系統の制御システム。
  5. 請求項4記載の配電系統の制御システムにおいて、
    同一種類の分散型電源が複数存在するときに、前記制御データベースの優先順位は当該種類ごとに前記需要家の電力調整の優先順位が定められていることを特徴とする配電系統の制御システム。
  6. 請求項4記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記充放電調整装置は充電装置と蓄電池を含み、前記自然エネルギーを利用する電源は電力変換装置を含み、前記フィーダ上に電圧逸脱が発生したときの前記制御データベースの優先順位は、充放電調整装置の充電装置の蓄電池の有効電力制御、充放電調整装置の充電装置の蓄電池の力率上げ制御、前記自然エネルギーを利用する電源の電力変換装置の力率下げ制御、前記自然エネルギーを利用する電源の電力変換装置の有効電力制御の順番で定められた優先順位が記憶され、これにより電力量制御対象を決定することを特徴とする配電系統の制御システム。
  7. 請求項1または請求項2記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記の複数のデータベースに記憶された記憶内容を表示する表示装置を備え、前記表示装置には、前記制御感度データベースの記憶内容が需要家と、その分散型電源の電力制御手段の制御方法をマトリクスとする図表上に、当該需要家の電圧を変更するに要する費用としての制御感度データが表示されていることを特徴とする配電系統の制御システム。
  8. 請求項2記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記の複数のデータベースに記憶された記憶内容を表示する表示装置を備え、前記表示装置には、前記制御結果データベースの記憶内容として、各需要家の電圧と電力調整に採用した分散型電源の電力制御手段の制御方法が、時系列的に表示されることを特徴とする配電系統の制御システム。
  9. 請求項2記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記の複数のデータベースに記憶された記憶内容を表示する表示装置を備え、前記表示装置には、前記清算結果データベースの記憶内容として、電力調整に採用した分散型電源の電力制御手段の制御方法と、需要家の得たメリットと、需要家の得たデメリットが、時系列的に表示されることを特徴とする配電系統の制御システム。
  10. 請求項2記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記通信ネットワークを介して接続される前記需要家には表示装置が備えられ、前記清算データベースに記憶されている当該需要家の報奨金が表示されることを特徴とする配電系統の制御システム。
  11. 請求項1記載の配電系統の制御システムにおいて、
    前記制御感度データベースに記憶される制御感度データ算出に使用するデータを記憶するデータベースとして、配電系統の潮流の計算結果を記憶する潮流計算結果データベース、各需要家で計測した計測データを記憶する計測データベース、配電系統の設備に関する情報を記憶する設備データベース、配電系統の状態を推定して求めた推定結果データベースを備えることを特徴とする配電系統の制御システム。
  12. 電力量を調整可能な分散型電源を備えた複数の需要家が接続された配電系統の制御方法において、
    前記分散型電源には、電力の充放電が可能な充放電調整装置と自然エネルギーを利用する電源とを含み、配電系統の需要家に定められた電圧の上下限閾値を逸脱するときに前記充放電調整装置による電力調整を実行して前記上下限閾値内に電圧を回復させると共に、この期間に自然エネルギーを利用する電源の需要家が得た利益と充放電調整装置の需要家が得た損失を当該需要家の間で配分することを特徴とする配電系統の制御方法。
  13. 電力量を調整可能な分散型電源を備えた複数の需要家が接続された配電系統の制御方法において、
    前記分散型電源の電力量制御対象の種類と需要家ごとに準備した制御感度を用いて、
    前記電力量制御対象の制御で生じる金銭的損失と、前記電力量制御対象の制御で生じる金銭的利益の合計を最大化することができる需要家とその電力量制御対象を決定し、制御指令を与えることを特徴とする配電系統の制御方法。
  14. 電力系統の同一フィーダ上に接続された需要家のうち、電力量制御対象により電力量を調整できる複数の需要家から配電系統の情報を得、前記電力量を調整できる需要家の電力量制御対象に対して制御指令を与えるとともに、前記電力量制御対象には電気自動車の充電装置と、太陽光発電装置を含む配電系統の制御方法において、
    単位時間、単位電圧あたりの費用を制御感度として前記電力量制御対象の種類と需要家ごとに準備し、前記フィーダ上に電圧逸脱が発生したときに、前記電力量を調整できる需要家として電気自動車の充電装置を備えた需要家を選択し、制御指令を与えて電圧回復を図るとともに、当該需要家に対する制御指令により生じた金銭的利益の合計を前記制御感度のデータを用いて求め、利益を得た需要家と当該制御指令を与えた需要家で配分することを特徴とする配電系統の制御方法。
  15. 電力系統の同一フィーダ上に接続された需要家のうち、電力量制御対象により電力量を調整できる複数の需要家から配電系統の情報を得、前記電力量を調整できる需要家の電力量制御対象に対して制御指令を与えるとともに、前記電力量制御対象には電気自動車の充電装置と、太陽光発電装置を含む配電系統の制御方法において、
    前記フィーダ上に電圧逸脱が発生したときに、前記電気自動車の充電装置を備えた需要家を選択し、制御指令を与えて電圧回復を図るとともに、太陽光発電装置を備えた需要家での金銭的利益をこの需要家と前記電気自動車の充電装置を備えた需要家で配分することを特徴とする配電系統の制御方法。
  16. 電力系統の同一フィーダ上に接続された需要家のうち、電力量制御対象により電力量を調整できる複数の需要家から配電系統の情報を得、前記電力量を調整できる需要家の電力量制御対象に対して制御指令を与えるとともに、前記電力量制御対象には電気自動車の充電装置と、太陽光発電装置を含む配電系統の制御方法において、
    前記フィーダ上に電圧逸脱が発生したときに、
    電気自動車の充電装置の蓄電池の有効電力制御、電気自動車の充電装置の蓄電池の力率上げ制御、前記太陽光発電装置の電力変換装置の力率下げ制御、前記太陽光発電装置の電力変換装置の有効電力制御の順番で定められた優先順位に従って需要家と電力量制御対象を選択し、制御指令を与えて電圧回復を図るとともに、太陽光発電装置を備えた需要家での金銭的利益をこの需要家と前記電気自動車の充電装置を備えた需要家で配分することを特徴とする配電系統の制御方法。
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