以下、実施形態に係る印刷制御装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、スーパーマーケット等の店舗に導入された、チェックアウトシステムに適用した例について説明するが、この実施形態に限定されないものとする。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るチェックアウトシステム1の一例を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、POS端末10aと、POS端末10bと、プリンタ20とを備える。なお、本実施形態では、POS端末10a及びPOS端末10bは、同様の機能及び構成を有することを想定している。そのため、POS端末10aとPOS端末10bとを識別しない場合、総称してPOS端末10と表記する。
POS端末10は、商品の会計に係る商品販売データ処理を実行する情報処理装置である。POS端末10は、チェックアウト台31の上面に載置される。より詳細には、POS端末10は、図1に示すように、プリンタ20の周囲の左右方向にそれぞれ配置されている。
POS端末10の上面には、オペレータOによって操作されるキーボードKBが配置される。キーボードKBを操作するオペレータOから見てキーボードKBよりも奥側には、オペレータOに向けて情報を表示する第1表示デバイスD1が設けられる。第1表示デバイスD1よりも更に奥側には、客C用の第2表示デバイスD2が立設されている。第1表示デバイスD1及び第2表示デバイスD2は、後述するCPU11(図2参照)の制御の下、商品の登録及び精算に係る各種の情報を表示する。
プリンタ20は、チェックアウト台31の上面において、POS端末10(POS端末10a、POS端末10b)の間に設置される。プリンタ20は、POS端末10と有線又は無線により接続され、ネットワークプリンタ(共有プリンタ)として機能する。プリンタ20は、POS端末10で行われた商品の取引結果を所定の紙媒体(レシート用紙等)に印刷出力する。具体的には、プリンタ20は、POS端末10から送信される商品の取引結果を含んだデータ(以下、レシートデータという)を蓄積し、所定の操作により印刷が指示されると、蓄積したレシートデータをレシート用紙に印刷し出力する。なお、レシート用紙の出力口は、オペレータO側(手前側)に向けてもよいし、客C側(奥側)に向けてもよい。
次に、上述したPOS端末10及びプリンタ20のハードウェア構成について説明する。
図2は、POS端末10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、通信I/F14と、操作部15と、表示部16と、スキャナ部17と、記憶部18とを備える。
ROM12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM13は、CPU11が各種プログラムを実行する際に、一時的にデータやプログラムを記憶する。
通信I/F14は、外部装置と接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。POS端末10は、通信I/F14を介して、プリンタ20と通信を行う。また、POS端末10は、通信I/F14を介して、他のPOS端末10やストアサーバ(図示せず)等の外部装置と通信を行う。
操作部15は、上述したキーボードKB(図1参照)やポインティングデバイス等を含む入力デバイスである。係るキーボードKBは、例えば、数字や算術演算子等のテンキーや、一取引の完了を支持するための締めキー等を含む。操作部15は、操作を受け付けると、その操作内容をCPU11に出力する。
表示部16は、上述した第1表示デバイスD1、第2表示デバイスD2(図1参照)を含む表示デバイスである。表示部16は、CPU11の制御の下、取引内容等の各種情報を表示する。また、表示部16(例えば、第1表示デバイスD1)は、タッチパネル構成としてもよい。この場合、タッチパネルは、操作部15として機能する。
スキャナ部17は、バーコード等のコードシンボルを読み取る読取装置である。スキャナ部17は、商品に付されたコードシンボルを読み取り、そのコードシンボルに含まれた商品IDをCPU11に出力する。ここで、商品IDは、例えばJANコード等の各商品を識別するための商品識別子である。
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体を備えた記憶装置である。記憶部18は、POS端末10の動作に係る各種プログラムや各種データを記憶する。例えば、記憶部18は、各商品に関する商品情報を、当該商品を識別する商品IDと対応付けて登録した商品マスタを記憶する。係る商品情報は、対応する商品の商品名や単価等を含む。また、例えば、記憶部18は、POS端末10を識別する端末IDを記憶する。つまり、POS端末10a及びPOS端末10bの記憶部18は、それぞれ異なる端末IDを記憶する。
なお、本実施形態では、POS端末10の各々が商品マスタを保持する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、POS端末10は、ストアサーバ(図示せず)等の外部装置が保持する商品マスタを参照する構成としてもよい。
上記構成のPOS端末10において、CPU11は、記憶部18に記憶されたプログラムと協働することで、客Cが買い上げた商品の登録や精算に係る会計処理を行う。具体的に、CPU11は、スキャナ部17により取得された商品IDに基づき、当該商品IDに対応する商品情報を商品マスタから読み出す。会計処理部111は、商品情報に含まれる単価や、操作部15を介して入力される販売個数等から商品の販売価格を算出する。
また、CPU11は、商品の支払いが完了すると、それら商品の商品IDや販売価格等を、図示しない売上マスタファイル等に記録することで売上登録を行う。また、CPU11は、その取引の内訳を示すレシートデータを生成すると、当該レシートデータを通信I/F14を介してプリンタ20に出力(送信)する。ここで、レシートデータは、例えば、客Cが買い上げた各商品の商品名や販売個数、客Cが支払った代金等を含む。また、レシートデータは、その取引を行ったPOS端末10の端末ID、その取引を識別する取引ID、取引が行われた日時を示す日時情報等を含む。
図3は、プリンタ20の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、プリンタ20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、通信I/F24と、操作部25と、センサ部26と、記憶部27と、印刷部28とを備える。
ROM22は、CPU21が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM23は、CPU21が各種プログラムを実行する際に、一時的にデータやプログラムを記憶する。
通信I/F24は、外部装置と接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。プリンタ20は、通信I/F24を介して、POS端末10と通信を行う。
操作部25は、プリンタ20の操作に係る各種の操作ボタン等を有する。例えば、操作部25は、レシートデータの印刷出力を指示するための印刷ボタン251を含む。操作部25は、操作を受け付けると、その操作内容をCPU21に出力する。
センサ部26は、各種のセンサ装置であって、後述する動作方向検出部212と協働することで、プリンタ20を操作するオペレータOの動きを検出する。センサ部26のセンサ種別は特に問わず、例えば、CCDやCMOS等の撮像デバイスや、赤外線センサ、超音波センサ等を用いることができる。
なお、センサ部26が設置される位置は、プリンタ20を操作するオペレータOの動きを検出することが可能な位置であれば特に問わず、プリンタ20と一体又は別体として設けてもよい。また、センサ部26の設置個数も特に問わず、一であってもよいし、複数であってもよい。センサ部26を複数設ける場合、例えば、POS端末10に対向するプリンタ20の左右の側面や、当該側面の近傍にセンサ部26をそれぞれ設けてもよい。この場合、センサ部26のセンシング結果に基づき、POS端末10a及びPOS端末10bの何れを操作するオペレータOの動作かを容易に識別することができる。
記憶部27は、HDDやSSD等の不揮発性の記憶媒体を備えた記憶装置である。記憶部27は、プリンタ20の動作に係る各種プログラムや各種データを記憶する。
また、記憶部27は、POS端末10の端末IDと、プリンタ20に対するPOS端末10の配置方向とを対応付けた第1設定情報271を記憶する。図4は、第1設定情報271の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、第1設定情報271は、POS端末10a及びPOS端末10bの端末IDに対応付けて、その配置方向を記憶する。ここでは、図1の配置状態に基づき、POS端末10a(ID001)を右方に、POS端末10b(ID002)を左方に設定した例を示している。なお、配置方向は図4の例に限らず、方向判定の基準位置に応じて適宜変更することが可能である。例えば、配置方向は、方向判定の基準位置をオペレータO側から客C側に変えることで、図4に設定された配置方向(左右)を逆に設定してもよい。また、配置方向は、前後や上下で定義してもよいし、方角(東西南北)等を用いて定義してもよいし、A方向やB方向等の記号を用いて定義してもよい。
印刷部28は、サーマルプリンタ等の印刷装置である。印刷部28は、CPU21(後述する印刷制御部213)の制御の下、POS端末10から送信されたレシートデータをレシート用紙に印刷する。
上記構成のプリンタ20において、CPU21は、記憶部27に記憶されたプログラムと協働することで、プリンタ20の動作を統括的に制御する。また、プリンタ20のCPU21は、ROM22や記憶部27に記憶されたプログラムを実行することで、データ管理部211、動作方向検出部212及び印刷制御部213を機能部として実現する。これらの機能部及び当該機能部に係るハードウェア構成が、本実施形態の印刷制御装置に対応する。
データ管理部211は、POS端末10から送信されたレシートデータを通信I/F24を介して受け付ける。また、データ管理部211は、レシートデータを受け付けた順にキュー形式でRAM23や記憶部27等の記憶領域に記憶し管理する。また、データ管理部211は、印刷制御部213の制御によりレシートデータの印刷が実行されると、当該レシートデータを削除する。なお、データ管理部211は、レシートデータに含まれた端末ID毎に、当該レシートデータをキュー形式で記憶し管理してもよい。
動作方向検出部212は、センサ部26と協働することで、プリンタ20を操作するオペレータOの動きを検出する。より詳細には、動作方向検出部212は、POS端末10のオペレータOがプリンタ20を操作する際に行う動作の動作方向を検出する。
ここで、図1を参照して、動作方向検出部212の機能を説明する。例えば、POS端末10aのオペレータOが傍らに置かれたプリンタ20を操作するため、図中左方向に手や体を移動させたとする。この場合、動作方向検出部212は、オペレータOの動作として手や体を図中左方向に移動させたことを検出し、この左方向を動作方向として検出する。また、例えば、POS端末10bのオペレータOがプリンタ20を操作するため、図中右方向に手や体を移動させたとする。この場合、動作方向検出部212は、オペレータOの動作として手や体を図中右方向に移動させたことを検出し、この右方向を動作方向として検出する。なお、移動方向の判定に係る基準位置は、プリンタ20に対するPOS端末10の配置方向と同様に定義されているものとする。また、移動方向の検出方法は特に問わず、動体検知技術や動きベクトル検出技術等、公知の技術を用いることができる。
図3に戻り、印刷制御部213は、レシートデータの印刷制御を行う機能部である。印刷制御部213は、動作方向検出部212でオペレータOの移動方向が検出されてから所定時間以内に印刷ボタンの操作受け付けると、レシートデータを印刷部28に印刷させる。なお、印刷ボタン251の操作を待機する所定時間は特に問わず、例えば3秒間等、任意に設定することが可能である。
より詳細には、印刷制御部213は、動作方向検出部212で検出されたオペレータOの移動方向に基づき、そのオペレータOが移動を開始した方向(以下、存在方向)を判別する。具体的には、印刷制御部213は、動作方向検出部212が検出した移動方向とは逆の方向を存在方向と判別する。例えば、動作方向検出部212が図1の左方向への移動を検出した場合、印刷制御部213は、その移動方向と逆の右方向が存在方向と判別する。また、例えば、動作方向検出部212が図1の右方向への移動を検出した場合、印刷制御部213は、その移動方向と逆の左方向が存在方向と判別する。
続いて、印刷制御部213は、記憶部27に記憶された第1設定情報271に基づき、オペレータOの存在方向に対応するPOS端末10の端末IDを特定する。例えば、オペレータOの存在方向が右方向であった場合、印刷制御部213は、その存在方向に対応する端末ID001を第1設定情報271から特定する。また、例えば、オペレータOの存在方向が左方向であった場合、印刷制御部213は、その存在方向に対応する端末ID002を第1設定情報271から特定する。
そして、印刷制御部213は、データ管理部211が管理するレシートデータの中から、特定した端末IDを含むレシートデータを印刷対象に設定する。なお、印刷制御部213は、先に記憶されたレシートデータから優先的に選択する。また、特定した端末IDを含むレシートデータが複数存在する場合には、印刷制御部213は、先に記憶されたレシートデータを一つ選択してもよいし、全てのレシートデータを順次選択してもよい。
次に、図5を参照して、上述したプリンタ20の動作について説明する。ここで、図5は、プリンタ20が行う印刷制御処理の一例を示すフローチャートである。
データ管理部211は、POS端末10から送信されたレシートデータを、通信I/F24を介して受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。レシートデータを受け付けた場合(ステップS11;Yes)、データ管理部211は、そのレシートデータを記憶部27に記憶し(ステップS12)、ステップS13に移行する。また、レシートデータが送信されない場合(ステップS11;No)、ステップS13に移行する。
ステップS13では、動作方向検出部212は、オペレータOの動作を検出したか否かを判定する(ステップS13)。オペレータOの動作を検出した場合(ステップS13;Yes)、動作方向検出部212は、その動作方向を検出し、ステップS14に移行する。また、オペレータOの動作を検出できない場合には(ステップS13;No)、動作方向検出部212は、ステップS11に処理を戻す。
続いて、印刷制御部213は、ステップS13でオペレータOの動作方向が検出されてから所定時間以内に印刷ボタン251が操作されたか否かを判定する(ステップS14)。所定時間以内に操作されない場合(ステップS14;No)、印刷制御部213は、ステップS13で検出された動作が印刷開始の指示に伴う動作でないと判断し、ステップS11に処理を戻す。
一方、所定時間以内に印刷ボタン251が操作された場合(ステップS14;Yes)、印刷制御部213は、ステップS13で検出された動作が印刷開始の指示に伴う動作であると判断する。次いで、印刷制御部213は、ステップS13で検出されたオペレータOの動作方向に基づき、当該オペレータOの存在方向を判別する(ステップS15)。次いで、印刷制御部213は、記憶部27に記憶された第1設定情報271に基づき、ステップS15で判別した存在方向に対応するPOS端末10の端末IDを特定する(ステップS16)。
続いて、印刷制御部213は、データ管理部211が管理するレシートデータの中から、ステップS16で特定した端末IDを含むレシートデータを印刷対象に設定する(ステップS17)。次いで、印刷制御部213は、印刷部28を制御することで、ステップS17で印刷対象に設定したレシートデータを印刷する(ステップS18)。そして、データ管理部211は、ステップS18で印刷されたレシートデータを削除し(ステップS19)、ステップS11に処理を戻す。
なお、ステップS17において、印刷対象となるレシートデータが存在しない場合には、印刷制御部213は、ステップS11に処理を戻す構成としてもよい。また、印刷制御部213は、レシートデータが存在しないことを報知する構成としてもよい。報知方法は特に問わず、種々の方法を採用することができる。例えば、ブザー等の音声出力装置を用いて報知を行ってもよい。また、ステップS17で特定した端末ID(POS端末10)宛に、印刷対象のレシートデータが存在しないことを報知するメッセージを送信してもよい。
以上のように、印刷制御部213は、プリンタ20を操作する際のオペレータOの動作方向に基づいて、そのオペレータOが操作する側のPOS端末10を特定し、当該POS端末10から送信されたレシートデータを印刷対象に設定する。これにより、印刷開始を指示したオペレータO側のPOS端末10から送信されたレシートデータを印刷することができるため、オペレータOの利便性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、印刷ボタン251の操作に代えて、オペレータOの認証が完了したことを条件に印刷を開始する形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
図6は、第2の実施形態に係るプリンタ20aの構成例を示すブロック図である。図6に示すように、プリンタ20aは、CPU21と、ROM22と、RAM23と、通信I/F24と、操作部25と、センサ部26と、記憶部27aと、印刷部28と、識別情報読取部29とを備える。なお、本実施形態では、印刷ボタン251を用いないため、操作部25から印刷ボタン251を取り除いた構成としてもよい。
記憶部27aは、HDDやSSD等の不揮発性の記憶媒体を備えた記憶装置である。記憶部27aは、プリンタ20aの動作に係る各種プログラムや各種データを記憶する。また、記憶部27aは、POS端末10の端末IDと、プリンタ20aに対するPOS端末10の配置方向と、当該POS端末10を操作するオペレータOの識別情報とを対応付けた第2設定情報272を記憶する。
図7は、第2設定情報272の一例を模式的に示す図である。図7に示すように、第2設定情報272は、POS端末10a及びPOS端末10bの端末IDに対応付けて、その配置方向と、オペレータOの識別情報とを記憶する。ここで、識別情報は、オペレータOの各々を識別するための情報である。識別情報は、例えば、オペレータOの各々に予め配布された店員ID等を用いることができる。また、識別情報は、例えば、オペレータOの指紋、虹彩、手のひらや指の静脈の形状、顔の特徴等の生体認証情報を用いてもよい。
なお、オペレータOは、POS端末10の操作を開始する際に、自己の識別情報の入力をPOS端末10に行うものとする。入力方法は特に問わず、後述する識別情報読取部29と同様、種々の方法を用いることができる。POS端末10のCPU11は、入力された識別情報とともに、自己のPOS端末10の端末IDをプリンタ20aに送信する。また、オペレータOにより操作終了の指示が入力されると、POS端末10のCPU11は、操作終了の指示とともに、自己のPOS端末10の端末IDをプリンタ20aに送信する。
識別情報読取部29は、オペレータOの識別情報を読み取る読取装置である。ここで、識別情報読取部29は、使用する識別情報の種類に応じた読取装置を用いるものとする。例えば、識別情報として用いる店員IDが、磁気カードやICカード等に記憶されている場合、識別情報読取部29は、磁気カードリーダやICカードリーダとすることができる。また、例えば、識別情報として指紋や虹彩、静脈の形状等の生体情報を用いる場合、識別情報読取部29は、それらの生体情報を読み取り可能な読取装置とすることができる。また、例えば、識別情報として顔の特徴を用いる場合、識別情報読取部29は、撮像装置とすることができる。
上記構成のプリンタ20aにおいて、CPU21は、記憶部27aに記憶されたプログラムと協働することで、プリンタ20aの動作を統括的に制御する。また、プリンタ20aのCPU21は、ROM22や記憶部27aに記憶されたプログラムを実行することで、データ管理部211、動作方向検出部212、識別情報管理部214及び印刷制御部215を機能部として実現する。これらの機能部及び当該機能部に係るハードウェア構成が、本実施形態の印刷制御装置に対応する。
識別情報管理部214は、通信I/F24を介して、POS端末10から送信された識別情報と端末IDとの組を受け付ける。また、識別情報管理部214は、POS端末10から受け付けた識別情報を、当該識別情報とともに受け付けた端末IDに対応付けて第2設定情報272に登録する。また、識別情報管理部214は、POS端末10から操作終了の指示と端末IDとの組を受け付けると、その端末IDに対応付けて登録されている識別情報を第2設定情報272から削除する。
印刷制御部215は、レシートデータの印刷制御を行う機能部である。印刷制御部215は、動作方向検出部212でオペレータOの移動方向が検出されてから所定時間以内に識別情報読取部29で識別情報が読み取られると、その識別情報に基づき、印刷の可否を判定する。なお、識別情報の読み取りを待機する所定時間は特に問わず、例えば5秒間等、任意に設定することが可能である。
より詳細には、印刷制御部215は、印刷制御部213と同様に、動作方向検出部212が検出したオペレータOの移動方向から、オペレータOの存在方向を判別し、その存在方向に対応する端末IDを第2設定情報272から特定する。また、印刷制御部215は、識別情報読取部29で読み取られた識別情報に基づき、その識別情報に対応付けて登録されたPOS端末10の端末IDを特定する。印刷制御部215は、特定した両端末IDが一致するか否かを判定し、両端末IDが一致した場合に印刷を行う。
印刷を行う場合、印刷制御部215は、データ管理部211が管理するレシートデータの中から、特定した端末IDを含むレシートデータを印刷対象に設定する。そして、印刷制御部215は、印刷部28を制御することで、印刷対象に設定したレシートデータを印刷出力する。なお、両端末IDが不一致の場合には、印刷制御部215は印刷を行わないよう制御する。
このように、印刷制御部215は、オペレータOの動作方向に基づき特定したPOS端末10の端末IDに対応付けられた識別情報が、識別情報読取部29で読み取られた識別情報と一致した場合に、オペレータOの認証が完了したと判断し、レシートデータの印刷を開始する。
次に、図8を参照して、上述したプリンタ20aの動作について説明する。ここで、図8は、プリンタ20aが行う印刷制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS21〜S23は、図5で説明したステップS11〜S13と同様であるため、説明を省略する。
ステップS24において、印刷制御部215は、ステップS23でオペレータOの動作方向が検出されてから所定時間以内に識別情報読取部29が識別情報を読み取ったか否かを判定する(ステップS24)。所定時間以内に識別情報の読み取りが行われなかった場合(ステップS24;No)、印刷制御部215は、ステップS23で検出された動作が印刷開始の指示に伴う動作でないと判断し、ステップS21に処理を戻す。
所定時間以内に識別情報が読み取られた場合(ステップS24;Yes)、印刷制御部215は、ステップS23で検出された動作が印刷開始の指示に伴う動作であると判断する。次いで、印刷制御部215は、ステップS23で検出されたオペレータOの動作方向に基づき、オペレータOの存在方向を判別する(ステップS25)。次いで、印刷制御部215は、記憶部27aに記憶された第2設定情報272に基づき、ステップS25で判別した存在方向に対応するPOS端末10の端末IDを特定する(ステップS26)。また、印刷制御部215は、ステップS26で特定した端末IDに対応付けられた識別情報を、第2設定情報272から読み出す(ステップS27)。
続いて、印刷制御部215は、ステップS24で識別情報読取部29が読み取った識別情報と、ステップS27で読み出した識別情報とを比較し、両識別情報が一致するか否かを判定する(ステップS28)。両識別情報が一致しない場合(ステップS28;No)、印刷制御部215は、印刷を行わずにステップS21に処理を戻す。
一方、両識別情報が一致した場合(ステップS28;Yes)、印刷制御部215は、データ管理部211が管理するレシートデータの中から、ステップS26で特定した端末IDを含むレシートデータを印刷対象に設定する(ステップS29)。次いで、印刷制御部215は、印刷部28を制御することで、ステップS29で印刷対象に設定したレシートデータを印刷する(ステップS30)。そして、データ管理部211は、ステップS30で印刷されたレシートデータを削除し(ステップS31)、ステップS21に処理を戻す。
なお、ステップS29において、印刷対象となるレシートデータが存在しない場合には、印刷制御部215は、ステップS21に処理を戻す構成としてもよいし、レシートデータが存在しないことを報知する構成としてもよい。報知方法は特に問わず、種々の方法を採用することができる。
以上のように、印刷制御部215は、プリンタ20aを操作する際のオペレータOの動作方向に基づいて、そのオペレータOが操作する側のPOS端末10を特定し、当該POS端末10から送信されたレシートデータを印刷対象に設定する。これにより、印刷開始を指示したオペレータO側のPOS端末10から送信されたレシートデータを印刷することができるため、オペレータOの利便性を向上させることができる。
また、印刷制御部215は、オペレータOの動作方向に基づき特定したPOS端末10の端末IDに対応付けられた識別情報と、識別情報読取部29で読み取られた識別情報とが一致したことを条件に、印刷を開始する。これにより、印刷制御部215は、レシートデータの印刷を許可する人物をオペレータOに制限できるため、レシートデータが不用意に印刷されてしまうことを防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記各実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加、組合せ等を行うことができる。また、上記各実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態では、プリンタ20(20a)の左右に二台のPOS端末10を配置した構成を説明したが、これに限らず、プリンタ20(20a)の周囲に配置するのであれば、POS端末10の配置位置(配置方向)及び台数は特に問わないものとする。例えば、プリンタ20(20a)を中心とする四方に、四台のPOS端末10をそれぞれ配置する構成としてもよい。但し、プリンタ20(20a)から見て、配置方向が重ならないようPOS端末10(20a)が配置されるものとする。また、センサ部26は、POS端末10の各々を操作するオペレータOの動作を検出できる位置に一又は複数個設けられるものとする。
また、上記各実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するが、これに限らないものとする。例えば、プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。更に、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らないものとする。例えば、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記各実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。